【文献】
ZTE,ProSe UE-to-Network Relay,3GPP TSG-SA WG2#98 S2-133038,2013年 7月15日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記端末装置(3、4)は、前記少なくとも一つの他の端末(2、5)のそれぞれいくつかの他の端末(2、5)へのProSe1対多通信として前記構成情報(72−74)を含む前記メッセージ(43、53、70)を送信するように構成される、請求項1に記載の端末装置。
前記メッセージ(43、53、70)で送信される前記構成情報(72−74)は、少なくとも前記モビリティデータ(72)と前記出力電力ケイパビリティインジケータ(73)とを含む、請求項3に記載の端末装置。
前記端末装置(3、4)は、前記少なくとも一つの他の端末(2、5)と前記無線アクセスネットワーク(10)のドナーeNodeB、すなわちDeNBとの間の通信を中継するように構成される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の端末装置。
端末装置(3、4)の中継機能に関連する情報を提供する方法であって、前記端末装置(3、4)は、セルラ通信ネットワークの無線アクセスネットワーク(10)との通信のために構成される無線インタフェース(25、121、122)を含み、前記方法は、
前記端末装置(3、4)の前記無線インタフェース(25、121、122)を介してメッセージ(43、53、70)を少なくとも一つの他の端末(2、5)に送信することを含み、
前記メッセージ(43、53、70)は、前記端末装置(3、4)の中継機能(119)に関連し、かつ、セキュリティ関連の情報を有する構成情報(72−74)を含み、
さらに前記方法は、
前記メッセージ(43、53、70)の送信後に、前記少なくとも一つの他の端末(2、5)のうちの要求端末(2)と前記無線アクセスネットワーク(10)との間の通信の中継を開始するために前記中継機能(119)を有効化することを含み、
前記端末装置(3、4)は、近接サービス可能である(ProSe可能である)ユーザ機器であり、
前記端末装置(3、4)は、前記少なくとも一つの他の端末(2、5)のそれぞれ一つの他の端末(2、5)へのProSe1対1通信として前記構成情報(72−74)を含む前記メッセージ(43、53、70)を送信し、
前記端末装置(3、4)は、前記少なくとも一つの他の端末(2、5)から前記構成情報(72−74)の要求(42、52)を受信したことへの応答として、前記少なくとも一つの他の端末(2、5)に前記構成情報(72−74)を含む前記メッセージ(43、53、70)を送信し、
前記端末装置(3、4)は、前記要求(42)を受信するより前に、前記少なくとも一つの他の端末(2、5)に対して前記端末装置(3、4)が中継機として動作することが可能であることを示す告知メッセージ(49)を送信する、方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
当技術分野では、無線通信システムの無線セルのカバレージをローコストで動的に増大させることを可能にさせる技法が必要である。中継機に移行することができるデバイスが効率的な方法で識別され得るような技法が特に必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の例示的な実施形態によれば、独立クレームに記載の端末および方法が提供される。従属クレームは、さらなる実施形態を定義する。
【0009】
一実施形態によれば、無線通信のための端末装置が提供される。端末装置は、セルラ通信ネットワークの無線アクセスネットワークとの通信のために構成される無線インタフェースを含む。端末装置は、無線インタフェースを介してメッセージを少なくとも一つの他の端末に送信するように構成され、メッセージは、端末装置の中継機能に関連する構成情報を含む。端末装置は、メッセージの送信後に、少なくとも一つの他の端末のうちの要求端末と無線アクセスネットワークとの間の通信の中継を開始するために中継機能を有効化するように構成される。
【0010】
端末装置は、構成情報を含むメッセージを少なくとも一つの他の端末に送信するように構成される。これは、端末装置が中継機として動作するのに適しているかどうかを他の端末が決定することを可能にさせる。端末装置が中継機に移行するのに適しているものとして識別されたときのみ、端末装置は、中継機能を選択的に有効化することが要求され得る。
【0011】
端末装置は、ユーザ機器であってもよい。
【0012】
端末装置は、携帯用のユーザ機器であってもよい。
【0013】
構成情報は、端末装置が中継機として動作するのにどれくらい適しているかを示し得る。
【0014】
端末装置は、近接サービス可能である(ProSe可能である)ユーザ機器(UE)であってもよい。端末装置は、ProSe要件をサポートするUEであってもよい。これは、無線アクセスネットワークを移行することなく、メッセージが端末装置から少なくとも一つの他の端末に直接送信されることを可能にさせる。
【0015】
端末装置は、ProSe可能な公共安全UE、すなわち、公共安全に固有のProSe手順およびケイパビリティもサポートするProSe可能なUEであってもよい。
【0016】
端末装置は、少なくとも一つの他の端末のそれぞれ一つの他の端末へのProSe1対1通信として構成情報を含むメッセージを送信するように構成され得る。
【0017】
端末装置は、RRC無線リソース制御(RRC)シグナリングまたは非アクセス層(NAS)シグナリングとして構成情報を含むメッセージを送信するように構成され得る。
【0018】
端末装置は、インターネットプロトコル(IP)通信の一部として構成情報を含むメッセージを送信するように構成され得る。端末装置は、IPトラフィックとして構成情報を含むメッセージを送信するように構成され得る。
【0019】
端末装置は、少なくとも一つの他の端末のそれぞれいくつかの他の端末へのProSe1対多通信として構成情報を含むメッセージを送信するように構成され得る。
【0020】
構成情報は、構成情報を含むメッセージを生成するために端末装置によって生成される少なくとも一つのデータ要素を含み得る。
【0021】
構成情報は、
・端末装置の移動速度を示す端末装置のためのモビリティデータ
・中継機能に利用可能な端末装置の出力電力を示す出力電力ケイパビリティインジケータ
・端末装置の無線チャネル特性に関する履歴データを提供するチャネル品質情報
・端末装置の利用可能なデータ転送ケイパビリティを示すデータケイパビリティ情報
・端末装置が通信を中継することが可能な他の端末の数について示す中継容量情報
・端末装置で利用可能な電力供給に基づいて決定される電力供給情報
からなるグループから選択される少なくとも一つのデータ要素を含み得る。
【0022】
メッセージで送信される構成情報は、少なくともモビリティデータと出力電力ケイパビリティインジケータとを含み得る。これは、端末装置の移動および出力電力ケイパビリティを考慮に入れるとき、中継機として動作する端末装置の適合性を少なくとも一つの他の端末装置が決定することを可能にさせる。端末装置は、その移動速度が低い、および/または、中継機能のその出力電力ケイパビリティが高い場合、リピータとして適しているものと識別され得る。
【0023】
端末装置は、少なくとも一つの他の端末から構成情報の要求を受信したことへの応答として、少なくとも一つの他の端末に構成情報を含むメッセージを送信するように構成され得る。
【0024】
端末装置は、構成情報の要求を受信するより前に、少なくとも一つの他の端末に対して端末装置が中継機として動作することが可能であることを示す告知メッセージを送信するように構成され得る。
【0025】
端末装置は、少なくとも一つの他の端末と無線アクセスネットワークのドナーeNodeB、すなわちDeNBとの間の通信を中継するように構成され得る。
【0026】
端末装置は、少なくとも一つの他の端末とDeNBとの間のデータ通信を中継するように構成され得る。
【0027】
端末装置は、Unエアインタフェースを介してDeNBと通信するように構成され得る。
【0028】
端末装置は、携帯電話であってもよい。
【0029】
一実施形態による通信システムは、一実施形態の端末装置と、無線アクセスネットワークとの通信のために構成される無線インタフェースを有する少なくとも一つの他の端末とを含む。少なくとも一つの他の端末は、端末装置によって送信されるメッセージを受信し、端末装置が少なくとも一つの他の端末と無線アクセスネットワークとの間の通信を中継するのに適しているかどうかを決定するためにメッセージに含まれる構成情報を評価するように構成される。
【0030】
少なくとも一つの他の端末は、端末装置によって送信されるメッセージに含まれる構成情報に基づいて、端末装置および別の候補の中継機の中で優先順位付けを実行するように構成され得る。
【0031】
通信システムは、ドナーeNodeB(DeNB)として動作するように構成されるeNodeBを含み得る。端末装置は、端末装置の中継機能が有効化されると、少なくとも一つの他の端末とDeNBとの間の通信を中継するように構成され得る。
【0032】
別の実施形態によれば、端末装置の中継機能に関連した情報を提供する方法が提供される。端末装置は、セルラ通信ネットワークの無線アクセスネットワークとの通信のために構成される無線インタフェースを含む。この方法は、端末装置の無線インタフェースを介してメッセージを端末装置から少なくとも一つの他の端末に送信することを含み、メッセージは、端末装置の中継機能に関連する構成情報を含む。この方法は、メッセージの送信後に、少なくとも一つの他の端末のうちの要求端末と無線アクセスネットワークとの間の通信の中継を開始するために中継機能を有効化することを含む。
【0033】
この方法は、一実施形態による端末装置によって実行され得る。
【0034】
構成情報を含むメッセージは、少なくとも一つの他の端末のそれぞれ一つの他の端末へのProSe1対1通信として送信され得る。
【0035】
構成情報を含むメッセージは、少なくとも一つの他の端末のそれぞれいくつかの他の端末へのProSe1対多通信として送信され得る。
【0036】
構成情報を含むメッセージは、RRC無線リソース制御(RRC)シグナリングメッセージまたは非アクセス層(NAS)シグナリングメッセージとすることができる。
【0037】
構成情報を含むメッセージは、インターネットプロトコル(IP)通信とすることができる。構成情報を含むメッセージは、IPトラフィックとして送信され得る。
【0038】
この方法は、端末装置によって、構成情報を含むメッセージを生成するために少なくとも一つのデータ要素を生成することを含み得る。
【0039】
構成情報は、
・端末装置の移動速度を示す端末装置のためのモビリティデータ
・中継機能に利用可能な端末装置の出力電力を示す出力電力ケイパビリティインジケータ
・端末装置の無線チャネル特性に関する履歴データを提供するチャネル品質情報
・端末装置の利用可能なデータ転送ケイパビリティを示すデータケイパビリティ情報
・端末装置が通信を中継することが可能な他の端末の数について示す中継容量情報
・端末装置で利用可能な電力供給に基づいて決定される電力供給情報
からなるグループから選択される少なくとも一つのデータ要素を含み得る。
【0040】
メッセージで送信される構成情報は、少なくともモビリティデータと出力電力ケイパビリティインジケータとを含み得る。
【0041】
構成情報を含むメッセージは、少なくとも一つの他の端末から構成情報の要求を受信したことへの応答として、少なくとも一つの他の端末に送信され得る。
【0042】
この方法は、端末装置が中継機として動作することが可能であることを示す告知メッセージを送信することを含み得、告知メッセージは、要求を受信するより前に、少なくとも一つの他の端末に送信される。
【0043】
この方法は、少なくとも一つの他の端末と無線アクセスネットワークのドナーeNodeB、すなわちDeNBとの間の通信を中継することを含み得る。
【0044】
この方法は、少なくとも一つの他の端末とDeNBとの間のデータ通信を中継することを含み得る。
【0045】
実施形態による装置、方法、およびシステムにおいて、端末装置と少なくとも一つの他の端末との間のシグナリングは、デバイスツーデバイス通信として実施され得る。
【0046】
実施形態による装置、方法、およびシステムにおいて、有効化される中継機能を有する端末装置は、基地局と少なくとも一つの他の端末との間の任意の方向への情報の中継または転送のケイパビリティを有するユニットとすることができる。中継機能は、任意のプロトコル層において適用され得る。中継機能は、物理層において実装され得る。端末装置において有効化される中継機能は、物理層信号の転送を実行するように動作可能であり得る。
【0047】
中継機能は、開放型システム間相互接続(OSI)層モデルの第2層、第3層、またはより上位の層において実装され得る。端末装置において有効化され得る中継機能は、OSI層モデルのより上位のプロトコル層において適用される中継機能についての情報を復号/符号化する、および/または復調/変調するように動作可能であり得る。
【0048】
様々な実施形態による装置、方法、およびシステムは、端末が無線通信システムにおいて端末装置を中継機に変換するための候補としてこの端末装置を識別することを可能にさせるシグナリングを提供する。
【0049】
上記の発明の概要および以下の発明を実施するための形態に記載されている特定の特徴が本発明の特定の実施形態および態様に関連して記載されているが、特に明記されない限り、実施形態および態様の特徴は、互いに結合され得る。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、本発明の例示的な実施形態についてより詳細に説明する。特に明記されない限り、本明細書に記載される様々な例示的な実施形態の特徴が互いに結合され得ることを理解されたい。同一または類似の参照番号は、同一または類似の構成要素を指す。
【0053】
図1は、一実施形態による通信システム1を示す。通信システム1は、セルラ無線通信システムとして構成される。通信システム1は、複数の基地局を含み得る。
図1において、基地局のうちの1つが基地局11として示されている。基地局は、ワイヤレス無線通信を介して、またはオペレータコアネットワークを介して互いに通信することができる。通信ネットワークは、LTE(Long Term Evolution)ネットワークとすることができる。通信ネットワークの無線アクセスネットワーク(RAN)は、発展型UTRAN(E−UTRAN)とすることができ、基地局11は、発展型NodeB(eNodeB)である。基地局11は、コアネットワークにおけるモビリティ管理エンティティ(MME)および/またはサービングゲートウェイ(S−GW)に接続され得る。
【0054】
基地局11は、端末装置3、4が無線周波数通信を介して基地局11と直接通信することができる無線セル9を提供する。端末装置3、4は、E−UTRANとの通信のための無線インタフェースをそれぞれ有し得る。
【0055】
少なくとも一つの他の端末2、5は、無線セル9外、すなわち、基地局11のカバレージ外に位置し得る。少なくとも一つの他の端末2、5は、E−UTRANまたは別のRANとの通信のために構成される無線インタフェースを有することもできる。しかしながら、
図1に図示されるように、少なくとも一つの他の端末2、5は、無線セル9外に位置するとき、基地局11と直接通信することができない。
【0056】
候補の中継機である端末装置3、4、および中継機能の有効化を要求し得る他の端末2、5はそれぞれ、通信するためにエンドユーザによって直接使用される装置とすることができる。端末装置3、4および他の端末2、5はそれぞれ、エンドユーザによって操作されるハンドヘルドデバイスまたは他の装置として構成され得る。特に、端末装置3、4および他の端末2、5は、3GPP LTEで定義されたユーザ機器(UE)とすることができる。「端末装置」という用語は、本明細書では、概して、それぞれの端末装置の中継機能に関連した構成情報を含むメッセージを送信する装置を指すために使用される。端末装置3、4および他の端末2、5はそれぞれ、ハンドヘルド電話、個人用携帯型情報端末、モバイル通信アダプタを備えるコンピューティング装置、モバイル通信インタフェースを有するマシン、または様々な他の装置のうちの任意の一つとして実装され得るモバイル通信端末であってもよい。
【0057】
端末装置3は、端末装置4、および/または端末装置3に近接して位置する他の端末2、5と直接通信するように構成される。対応するデバイスツーデバイス(D2D)通信6、7は、無線通信ネットワークの基地局のうちの任意の一つを介して送信される必要はなく、また、一般にそうではない。以下でより詳細に説明するように、端末装置3は、端末装置3の中継機能に関連した構成情報を少なくとも一つの他の端末2、5に提供するために、D2D通信を実行することができる。構成情報は、少なくとも一つの他の端末2、5と基地局1との間でメッセージを中継するための中継機として動作を開始するのに端末装置3が適しているかどうかを少なくとも一つの他の端末2、5が決定することを可能にさせる。少なくとも一つの他の端末2、5は、端末装置3によって送信された構成情報に基づいて端末装置3が中継機として動作するのに適していることを少なくとも一つの他の端末2、5が決定した場合、端末装置3にリピータとして動作を開始することを要求することができる。端末装置3は、構成情報を含むメッセージを少なくとも一つの他の端末2、5に送信する場合、端末装置3が中継機として動作を開始する前に、いかなる中継機能も実行しない従来のモバイル通信端末として動作可能であり得る。
【0058】
以下でより詳細に説明するように、端末装置3は、中継機として動作する端末装置4の適合性に関する構成情報のいくつかのデータ要素を生成するように構成される。端末装置3は、近接基準を満たす、すなわち、それが事前に定義された近接基準を満たすように、端末装置3の十分近くに位置する少なくとも一つの他の端末2、5に、構成情報を含むメッセージを送信するように構成される。端末装置3は、少なくとも一つの他の端末2、5から受信される構成情報の要求への応答として構成情報を含むメッセージを送信することができる。端末装置3は、構成情報を含むメッセージの送信後に、中継機能を選択的に有効化することができる。端末装置3は、中継機能を有効化するための中継移行要求への応答として中継機能を有効化することができ、中継移行要求は、構成情報を含むメッセージが以前送信された他の端末2、5のうちの一つから直接受信される。端末装置3において有効化された中継機能は、物理層またはより上位の層におけるデータまたはシグナリングメッセージの中継または転送を実行することができる。
【0059】
図2は、一実施形態による通信システム1の概略ブロック図である。RAN10の基地局11は、RANまたはコアネットワーク(CN)のノード12に接続されている。説明のために、eNodeBとして実装される基地局11では、ノード12は、MMEまたはS−GWとして実装され得る。
【0060】
端末装置3は、無線インタフェース25を有する。無線インタフェース25は、RAN10と通信するように構成され得る。無線インタフェース25は、E−UTRAエアインタフェースを介した通信のために構成され得る。
【0061】
端末装置3は、選択的に有効化され得る中継機能を実行するように動作可能であり得る。中継機が有効化されると、端末装置3は、他の端末2と基地局1との間でメッセージを中継する中継機として動作し得る。アップリンクでは、端末装置3は、受信機経路27で他の端末2からデータまたはシグナリングメッセージを受信することができ、送信機経路28およびアンテナ26を介してメッセージを基地局1に再送することができる。ダウンリンクでは、端末装置3は、基地局11から他のデータまたはシグナリングメッセージを受信することができ、メッセージを他の端末2に再送することができる。中継機能は、基地局1からの要求に応じて、または他の端末2からの要求に応じて非有効化され得る。中継機能は、処理装置29の制御下で実行され得る。処理装置29は、一つ以上のマイクロプロセッサ、一つ以上のマイクロコントローラ、一つ以上のプロセッサ、一つ以上のコントローラ、一つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、および/またはそうした装置の組合せを含み得る。処理装置29は、端末装置3に近接して位置する少なくとも一つの他の端末2を検出するように無線インタフェース25を制御するように構成され得る。
【0062】
処理装置29は、端末装置3の中継機能に関連する一つ以上のデータ要素を生成するように構成され得る。データ要素は、端末装置3が中継機として動作するのにどれくらい適しているかを示し得る。少なくとも一つのデータ要素を生成することは、履歴データを収集するために少なくともある時間間隔にわたって端末装置3を監視することと、履歴データを分析することとを含み得る。説明のために、監視することは、端末装置3の平均移動速度を示すモビリティデータを生成するために端末装置3の移動を監視することを含み得る。少なくとも一つのデータ要素の生成は、出力電力ケイパビリティ、利用可能な帯域幅、またはチャネル品質に関する履歴データを収集するために少なくともある時間間隔にわたって端末装置3を監視することと、履歴データを分析することとを含み得る。少なくとも一つの他のデータ要素を生成することは、端末装置3のセンサーに問い合わせを行うこと、またはメモリからデータを取り出すことを含み得る。説明のために、バッテリレベルは、センサーの出力信号を評価すること、および/またはメモリからバッテリレベルを示すデータを読み出すことによって決定され得る。
【0063】
処理装置29は、構成情報を含むメッセージを生成するように構成され得る。構成情報は、端末装置3がリピータとして動作するのにどれくらい適しているかに影響を及ぼし得る一つ以上のデータ要素を含み得る。処理装置29は、中継機として動作するのに適している端末装置を識別することを試みている他の端末2にメッセージを送信するように無線インタフェース25を制御することができる。
【0064】
端末装置29は、RRC無線リソース制御(RRC)シグナリングメッセージまたは非アクセス層(NAS)シグナリングメッセージとして構成情報を含むメッセージを送信するように無線インタフェース25を制御するように構成され得る。処理装置29は、インターネットプロトコル(IP)通信として構成情報を含むメッセージを送信するように無線インタフェース25を制御するように構成され得る。
【0065】
他の端末2は、無線インタフェース21を有する。無線インタフェース21は、RAN10と通信するように構成され得る。無線インタフェース21は、E−UTRAエアインタフェースを介した通信のために構成され得る。
【0066】
他の端末2は、無線インタフェース21に接続された処理装置25を有する。処理装置25は、一つ以上のマイクロプロセッサ、一つ以上のマイクロコントローラ、一つ以上のプロセッサ、一つ以上のコントローラ、一つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、および/またはそうした装置の組合せを含み得る。処理装置25は、他の端末2に近接して位置する端末装置3を検出するように無線インタフェース21を制御するように構成され得る。処理装置25は、アンテナ22を介して構成情報の要求を端末装置3に送信するように無線インタフェース21の送信機経路24を制御するように構成され得る。処理装置25は、端末装置3によって送信されるメッセージを処理するために、無線インタフェース21の受信機経路23に結合され得、メッセージは、中継機として動作する端末装置3の適合性に関連する構成情報を含む。処理装置25は、メッセージに含まれる構成情報に基づいて、端末装置3および少なくとも一つの他の候補の中継機の中で優先順位付けを実行するように構成され得る。処理装置25は、中継機として動作するための端末装置3または別の候補の中継機を選択するために、選択機構を実行することができる。処理装置25は、中継機能の有効化を要求するための中継移行要求を端末装置3または別の候補の中継機に送信するように送信機経路24を制御するように構成され得る。
【0067】
以下に
図3〜
図10を参照してより詳細に説明するように、端末装置3は、端末装置3が中継機に移行するのに適しているかどうかを他の端末2が決定することを可能にさせるシグナリングを実行する。他の端末2は、RAN10によるネットワークカバレージ、端末装置の出力電力ケイパビリティ、および/または端末装置のモビリティのうちの一つ以上を考慮に入れるとき、いくつかの端末装置の中で中継機として動作を開始するのに最も適しているものを選択することができる。他の端末2は、RAN10によるネットワークカバレージ、端末装置の出力電力ケイパビリティ、および/または端末装置のモビリティのうちの一つ以上を考慮に入れて、中継機として動作する別の端末装置へのハンドオーバを行うべきかどうかも決定することができる。端末装置3と少なくとも一つの他の端末2との間のシグナリングは、通信ネットワークを通過しない直接通信として実施され得る。
【0068】
端末装置3と、端末装置3に近接して位置する他の端末2、5との間のD2D通信は、3GPP TS 22.278に記載されているように実施され得る。説明のために、D2D発見およびD2D通信は、3GPP TS 22.278 V12.3.0 (2013-06) entitled "3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Services and System Aspects; Service requirements for the Evolved Packet System (EPS) (Release 12)"に記載されているように実施され得る。D2D通信は、端末装置の中継機能に関連する構成情報を少なくとも一つの他の端末に提供するために端末装置によって実行されるシグナリングのために使用され得る。
【0069】
端末装置3と、端末装置に近接して位置する他の端末2、5との間のD2D通信は、3GPP TR 22.803に記載されているように実施され得る。説明のために、D2D発見およびD2D通信は、3GPP TR 22.803 V12.2.0 (2013-06) entitled "3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Services and System Aspects; Feasibility study for Proximity Services (ProSe) (Release 12)"に記載されているように実施され得る。D2D通信は、中継機能に関連する構成情報を少なくとも一つの他の端末に提供するために端末装置によって実行されるシグナリングのために使用され得る。
【0070】
このシグナリングの実装について、以下、
図3〜
図10を参照して説明する。D2D通信は、中継機能が有効化された後、端末装置3と少なくとも一つの他の端末2との間でメッセージを中継するためにも使用され得る。
【0071】
D2D通信は、例えばE−UTRANなど、RAN10と通信するように構成されるUEの無線インタフェースを介して実行され得る。D2D通信は、例えばE−UTRANなど、RAN10と通信するように構成される端末装置の無線インタフェースを介して実行され得る。中継機能に関連する構成情報を少なくとも一つの他の端末に提供するために実行されるシグナリングは、上記に言及した3GPP TR 23.703において定義された近接サービス(ProSe)通信として実施され得る。説明のために、中継機能に関連する構成情報を少なくとも一つの他の端末に提供するために実行されるシグナリングは、3GPP TR 23.703 V0.4.1 (2013-06) entitled "3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Services and System Aspects; Study on architecture enhancements to support Proximity Services (ProSe) (Release 12)"に記載されているように、ProSe通信として実施され得る。
【0072】
端末装置3の中継機能が有効化されるとき、端末装置3は、それ自体の一つ以上の物理セル識別子を有し得る。他の端末2と無線アクセスネットワーク10との間で中継されるデータ通信は、端末装置3のセル識別子を備え得る。端末装置3の制御下にあるセルのセル識別子は、例えばドナーeNodeB(DeNB)として動作するNodeBによってなど、無線アクセスネットワークのeNodeBによって割り当てられ得る。端末装置3は、中継機能が有効化されると、それ自体の同期信号およびシステム情報をブロードキャストするように構成され得る。端末装置3は、端末装置3と無線アクセスネットワークとの間のインタフェース上でのアップリンクおよびダウンリンクメッセージのためのスケジューリングを実行するように構成され得る。
【0073】
図3は、一実施形態による方法30のフローチャートである。方法30は、一実施形態による端末装置によって、または一実施形態による通信システムによって実行され得る。
【0074】
31で、端末装置は、端末装置の近接に位置する少なくとも一つの他の端末を発見する。ステップ31での発見において実行されるシグナリングは、D2D通信として実施され得る。シグナリングは、3GPP TR 22.803 V12.2.0(2013−06)において定義されるように、近接基準を満たす少なくとも一つの他のProSe可能なUEを検出するために、端末装置によって実施され得る。発見において送信されるメッセージは、基地局または無線通信ネットワークの別のノードを通過することなく、端末装置と少なくとも一つの他の端末との間に直接送信され得る。ステップ31での発見は、端末装置3から事前に定義された距離範囲内に位置し、ProSe可能である少なくとも他の端末を識別するために使用され得る。ステップ31での発見は、RANを通過しない端末装置3とのD2D通信において、安定性基準を満たす端末装置3における信号強度を生じる少なくとも一つの他の端末装置を識別するために使用され得る。説明のために、D2D発見は、メッセージがRANを移行しないとき、安定した直接通信が確立され得る他の端末を識別するために使用され得る。
【0075】
32で、端末装置は、端末装置の中継機能に関するデータ要素を生成することができる。データ要素は、31で識別された少なくとも一つの端末が、端末装置がリピータとして動作するのに適しているかどうかを確立することを可能にさせる情報を含み得る。送信のために生成されたデータ要素は、
・端末装置の移動速度を示す端末装置のためのモビリティデータ
・中継機能に利用可能な端末装置の出力電力を示す出力電力ケイパビリティインジケータ
・端末装置の無線チャネル特性に関する履歴データを提供するチャネル品質情報
・端末装置の利用可能なデータ転送ケイパビリティを示すデータケイパビリティ情報
・端末装置が通信を中継することが可能な他の端末の数について示す中継容量情報
・端末装置で利用可能な電力供給に基づいて決定される電力供給情報
のうちの一つ以上を含み得る。
【0076】
33で、端末装置は、中継機能に関連する構成情報を含むメッセージを送信することができる。構成情報は、32で生成されたデータ要素を含み得る。メッセージは、メッセージの目的を識別する識別子をさらに含み得る。識別子は、メッセージが中継機能を実行することができる端末装置の中継機能に関連する構成情報を提供するためのシグナリングメッセージであることを示し得る。メッセージは、メッセージを送信する端末装置のための一意の識別子を含み得る。メッセージは、3GPP TR 22.803 V12.2.0(2013−06)において定義されるように、ProSe1対1通信として、またはProSe1対多通信として送信され得る。33でメッセージが送信されるとき、中継機能は依然として非有効化であり得る。
【0077】
31で検出された少なくとも一つの他の端末のうちの要求端末が構成情報の送信を要求すると、33でのメッセージの送信がトリガされ得る。リピータケイパビリティに関する情報、および端末装置の中継機能に関連する構成情報を要求する少なくとも一つの他の端末から受信された中継機情報要求によって、33でのメッセージの送信がトリガされ得る。端末装置は、
図5を参照してより詳細に説明するように、その中継ケイパビリティを31で検出された少なくとも一つの他の端末に告知することができる。
【0078】
構成情報は、端末装置が中継機として動作するのに適しているかどうかを決定するために、少なくとも一つの他の端末によって使用され得る。少なくとも一つの他の端末装置は、中継機として動作を開始するために最も適している装置を決定するために、32での構成情報を含むメッセージを送信する端末装置、および少なくとも一つの他の候補の中継機の中で優先順位付けを実行することができる。説明のために、端末装置は、それが静止しており、および/または通信を中継するときに高い出力電力を送信することが可能である場合、リピータとして選択され得る。
【0079】
ステップ34で、端末装置は、その中継機能を有効化することができる。中継機能の有効化は、ステップ32でメッセージが送信された少なくとも一つの他の端末から受信された中継移行要求によってトリガされ得る。
【0080】
端末装置は、中継機能のための有効化手順を実行することができる。中継機能のための有効化手順は、リピータとして動作を開始するための許可を基地局に要求することを含み得る。基地局が要求を承認すると、端末装置は、中継機能の有効化を要求する端末と基地局との間の通信の中継を開始することができる。
【0081】
図4および
図5は、端末装置に近接して位置する別の端末が、端末装置が中継機として動作を開始するために適しているかどうかを決定することを可能にさせるように、端末装置が中継機能に関連する構成情報を送信する方法におけるシグナリングを示す図である。
図4では、無線通信ネットワークの基地局のカバレージ外にある他の端末(それが中継機能の有効化を要求するので
図4〜
図6において「要求端末」と呼ばれる)は、構成情報を要求することによって、シグナリングを開始する。
図5では、無線通信ネットワークの基地局のカバレージ内にある端末装置は、その中継ケイパビリティを告知することによって、シグナリングを開始する。
【0082】
図4は、要求端末が端末装置の中継機能の有効化を要求し、関連するシグナリングを開始する方法におけるシグナリングを示す図である。要求端末に近接して位置する2つの端末装置についてのシグナリングが示されているが、任意の他の数の端末装置が要求端末に近接して位置していてもよい。要求端末は、UEであってもよい。要求端末は、ProSe可能なUEであってもよい。
【0083】
要求端末に近接して位置する端末装置は、
図4において端末装置B1および端末装置B2とラベル付けされている。要求端末がそれらを適切なリピータと識別することができるようになる前に、端末装置は、基地局に接続される。この目的のために、第1の端末装置B1は、接続セットアップを実行することができる。説明のために、無線リソース制御(RRC)接続セットアップ35のシグナリングが実行され得る。第1の端末装置は、アタッチ/パケットデータネットワーク(PDN)接続確立36を実行することができる。同様に、第2の端末装置B2および/または要求端末に近接して位置する他の端末装置は、UEがそれらをリピータに移行するのに適した候補と識別することができるようになる前に、RRC接続セットアップ37およびアタッチ/PDN接続確立36を実行することができる。
【0084】
接続確立は、例えば、3GPP TS 36.331において定義されるシグナリングを使用して実行され得る。説明のために、3GPP TS 36.331 V11.4.0 (2013-06) entitled "3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Radio Resource Control (RRC); Protocol specification (Release 11)"において定義されているシグナリングは、端末装置とRANとの間の接続確立のために使用され得る。
【0085】
D2D発見41において、要求端末は、第1の端末装置(
図4においてB1とラベル付けされている)の存在を検出する。D2D発見51において、要求端末は、第2の端末装置(
図4においてB2とラベル付けされている)の存在を検出する。
【0086】
要求端末は、第1の端末装置に中継機能に関連する構成情報の情報要求42を送信する。情報要求42は、第1の端末装置のリピータケイパビリティに関する情報を要求するためにも使用され得る。情報要求42を受信したことへの応答として、第1の端末装置は、構成情報を含む応答43を送信する。応答43に含まれる第1の端末装置についての構成情報は、第1の端末装置でのネットワークカバレージ品質のためのインジケータおよび/または端末関連情報を含み得る。構成情報の少なくとも一部は、第1の端末装置で測定され得る。説明のために、構成情報は、第1の端末装置の移動履歴、および/または中継機能に利用可能な第1の端末装置の出力電力を示す出力電力ケイパビリティインジケータに基づいて決定されたモビリティデータ、および/または第1の端末装置の無線チャネル特性に関する履歴データを提供するチャネル品質データ、および/または第1の端末装置の利用可能なデータ転送ケイパビリティを示すデータケイパビリティ情報、および/または第1の端末装置が通信を中継することが可能な他の端末の数について示す中継容量情報、および/または利用可能な電力供給容量に関して制限があるかどうかを示し得る電力供給情報のうちの一つ以上を含み得る。
【0087】
要求端末は、第2の端末装置に構成情報の情報要求52を送信する。情報要求52は、第2の端末装置のリピータケイパビリティに関する情報を要求するためにも使用され得る。情報要求52を受信したことへの応答として、第2の端末装置は、構成情報を含む応答53を送信する。応答53に含まれる第2の端末装置についての構成情報は、第2の端末装置でのネットワークカバレージ品質のためのインジケータおよび/または端末関連情報を含み得る。構成情報の少なくとも一部は、第2の端末装置で測定され得る。説明のために、構成情報は、応答43に関連して記載したデータ要素のうちの一つ以上を含み得る。
【0088】
応答43、53は、RRC無線リソース制御(RRC)シグナリングメッセージまたは非アクセス層(NAS)シグナリングメッセージとすることができる。応答43、53は、インターネットプロトコル(IP)通信でもよい。
【0089】
端末装置から応答43、53を受信したことへの応答として、要求端末は、選択44を実行することができる。選択44は、それぞれの端末装置の中継機能に関連する構成情報を含む応答43、53を送信した端末装置の中での優先順位付けを含み得る。
【0090】
要求端末は、中継移行要求45を選択された端末装置に送信する。説明のために、選択44において第1の端末装置B1が第2の端末装置B2よりも優先される場合、中継移行要求45が第1の端末装置B1に送信される。中継移行要求45は、選択された端末装置がその中継機能を有効化すべきであることを示す。
【0091】
中継移行要求45は、有効化手順46でその中継機能を有効化するためのシグナリングを開始するために、選択された端末装置をトリガする。シグナリングは、無線通信ネットワークのRANと端末装置との間のメッセージの送信を伴い得る。有効化手順46でのシグナリングは、PCT出願PCT/IB2013/000949において開示される様々な技法のうちのいずれか一つに従って実行され得る。
【0092】
D2D発見41、51において、および/またはメッセージ42、43、52、53による端末装置からの関連した情報を取り出す際に、および/またはメッセージ45による中継機能の有効化の要求の際に実行されるシグナリングは、RANを通過しないD2D通信とすることができる。
【0093】
図5は、無線通信ネットワークの基地局のカバレージ内にある端末装置がD2D発見後にそのリピータケイパビリティを告知することができる別の実施形態による方法におけるシグナリングを示す図である。基地局のカバレージ内にある端末装置は、これによって、その中継機能の有効化を最終的にもたらすシグナリングを開始することができる。
【0094】
図4を参照して記載されているように、端末装置は、シグナリング35、36を使用して無線通信ネットワークとの接続を確立し、D2D発見41を実行する。
【0095】
端末装置は、D2D発見41において検出される少なくとも一つの他の端末に、その中継機ケイパビリティをシグナリングする。端末装置は、その中継機ケイパビリティの告知メッセージ49を要求端末およびおそらくD2D発見41において検出された他の端末に送信することができる。告知メッセージ49は、端末装置が有効化され得る中継機能を有することを示す情報を含むことができる。
【0096】
要求端末は、中継機能に関連する構成情報を要求するための要求42を送信することができ、端末装置は、
図4を参照して説明されるように、構成情報を含む応答43を送信することができる。リピータケイパビリティが告知メッセージ49によってすでに告知されているので、応答43は、中継機ケイパビリティに関する情報を含む必要はない。応答43に含まれる構成情報は、
図4を参照して説明される様々なデータ要素のうちの任意の一つ、または任意の組合せを含むことができる。
【0097】
構成情報の一部または全部は、告知メッセージ49にも含まれ得る。要求端末は、後で構成情報についての要求42を依然として送信することができる。これは、端末装置が中継機として動作を開始するために適しているかどうかを決定するときに、構成情報の変化、例えば端末装置の出力電力ケイパビリティまたは電力供給の変化が考慮に入れられることを可能にさせる。また、構成情報の再送信は、それが別の中継機に切り替わるべきであるか、および/または、可能な場合、基地局との直接通信を開始すべきであるかを要求端末が決定することも可能にさせる。
【0098】
図4において要求端末に近接して位置する2つの端末装置についてのシグナリング、および
図5において一つの端末装置についてのシグナリングが示されているが、任意の他の数の端末装置が要求端末に近接して位置していてもよい。候補の中継機である端末装置および要求端末は、ProSe可能なUEであってもよい。候補の中継機である端末装置は、ProSe可能な公共安全UEであってもよい。
【0099】
図6は、端末装置の中継機能を有効化するために端末装置と基地局との間で実行されるシグナリングの例示的な実装を示す。
【0100】
中継移行要求45を受信したことへの応答として、端末装置は、許可要求61を基地局に送ることができる。端末装置の中継機能を有効化するための許可を要求するために、許可要求61が送信される。
【0101】
端末装置は、基地局から応答を受信する。基地局が端末装置の中継機能を有効化するための許可を与える場合、基地局は、許可肯定応答メッセージ62を端末装置に送信することができる。基地局から許可肯定応答62が受信された場合、端末装置は、基地局から中継機能を構成するためのパラメータ63を受信することができる。説明のために、パラメータは、要求端末に通信データを転送するための無線信号の最大出力電力、それが新しい無線セルをセットアップする場合に端末装置によって使用されるべきセル識別子、基地局の近隣に位置する近隣の基地局の近隣セル識別子、および要求端末にデータまたはシグナリングメッセージを転送するための無線信号の周波数帯域を定義することができる。中継機能は、その後、端末装置において有効化される。中継機能は、端末装置の処理装置の制御下で実行され得る。
【0102】
要求端末は、端末装置によって基地局に中継され得る登録64を実行することができる。次のデータ通信65において、端末装置は、要求端末から受信されるアップリンクのデータ通信を基地局に転送することができる。データ通信は、IPアドレスが割り振られたデータ通信として実行され得る。端末装置は、基地局から受信されるダウンリンクのデータ通信を要求端末に転送することができる。要求端末と端末装置との間の送信は、D2D通信として実施され得る。送信経路のこの区間、すなわち、要求端末と中継機として動作する端末装置との間の区間は、メッセージが基地局を通過しないように実施され得る。
【0103】
端末装置の中継機能は、それぞれのデータメッセージに含まれるデジタルデータを修正することなく、要求端末から受信されたアップリンクのデータメッセージが基地局に転送されるように実装され得る。端末装置の中継機能は、それぞれのデータメッセージに含まれるデジタルデータを修正することなく、基地局から受信されたダウンリンクのデータメッセージが要求端末に転送されるように実装され得る。この場合、メッセージを転送するとき、トラフィックおよび/またはシグナリングメッセージのデジタルデータコンテンツは同一であり得るが、無線パラメータ(例えば周波数帯域など)は依然として異なり得る。
【0104】
端末装置の中継機能は、端末装置の中継機能がメッセージを転送する前に、ダウンリンクおよび/またはアップリンクにおいて送信されるデータメッセージまたはシグナリングメッセージに含まれるデジタルデータの一部が修正されるように実装され得る。説明のために、新しいセル識別子は、リピータとして動作するとき、端末装置によってセットアップされるセルに割り当てられ得る。端末装置の中継機能は、次に、要求端末と基地局との間でデータメッセージまたはシグナリングメッセージを転送するとき、アップリンクおよびダウンリンク通信においてセル識別子をそれぞれ置き換えることができる。すなわち、端末装置は、依然として中継機として動作する間、要求端末と基地局との間で転送されるメッセージの少なくとも一部のデータを修正することもできる。
【0105】
要求端末と中継機として動作する端末装置との間の送信経路の区間は、Uuインタフェースを介したトラフィックおよびシグナリングの送信を含み得る。中継機として動作する端末装置と基地局との間の送信経路の区間は、Uuインタフェースを介したデータおよびシグナリングメッセージの送信を含み得る。
【0106】
端末装置の中継機能は、いつでも非有効化され得る。説明のために、中継機能は、基地局から対応する要求66を受信すると、非有効化され得る。この場合、端末装置は、基地局が許可をキャンセルしたことを要求端末に知らせるために、許可キャンセルメッセージ67を要求端末に送信することができる。代わりにまたは加えて、要求端末からの要求があると、中継機能は、非有効化され得る。
【0107】
中継機への端末装置の移行は、近接サービス(ProSe)として実装され得る。近接ベースのサービスは、選択的に有効にされ得る。近接ベースのサービスは、例えば、
図8を参照してより詳細に説明するように、緊急事態または他の公共安全のシナリオにおいて中継機能を必要とすることを要求端末が示すかどうかに応じて選択的に有効にされ得る。代わりにまたは加えて、要求端末に近接して位置する端末装置は、それらがUEのための中継機能を有効化することが可能かどうかを決めるための様々な他の基準のいずれか一つを使用することができる。説明のために、ネットワークオペレータ、および/または端末装置のユーザは、中継機能を有効化するための基準、例えば、中継機能がある特定の組織または人によって操作される要求端末にのみ提供され得るように、要求端末の識別子に応じて中継機能を選択的に有効化する、またはサービング基地局の近隣の基地局に障害があるときのみ、中継機能を有効化するための基準を指定することができる。いくつかの端末装置のユーザは、緊急通信または他の公共安全関連の通信を中継することを除いて、それぞれの端末装置が概して中継機として動作しないものとすることを指示する場合もある。
【0108】
図7は、端末装置の中継機能に関連する構成情報を含む一実施形態による端末装置によって送信されるメッセージ70を示す。メッセージ70は、
図4または
図5を参照して説明されるシグナリングで応答43として送信され得る。メッセージ70は、RRC無線リソース制御(RRC)シグナリングメッセージまたは非アクセス層(NAS)シグナリングメッセージとすることができる。メッセージ70は、インターネットプロトコル(IP)通信でもよい。
【0109】
メッセージ70は、メッセージ70を送信する端末装置の中継機能に各々関連付けられている一つ以上のデータ要素72−74を含み得る。データ要素72−74は、端末装置がリピータとして動作するのに適しているかどうかを基地局のカバレージ外に位置する少なくとも一つの端末装置が決定することを可能にさせる構成情報を形成する。
【0110】
構成情報は、モビリティデータ72を含み得る。端末装置は、端末装置の移動履歴に基づいてモビリティデータ72を決定するように構成され得る。端末装置は、位置の変化を監視することができ、それに基づいてそのモビリティについての量化子を計算することができる。説明のために、端末装置がサービング無線セルを変えた回数は、例えば、平均移動速度の尺度としてなど、そのモビリティを定量化するために使用され得る。例えば、端末装置が事前に定義された時間間隔に移動した距離についてのインジケータなど、他のインジケータが使用されてもよい。モビリティ統計は、通常、多くの端末装置において検出される。このモビリティ統計は、構成情報に含まれる端末装置モビリティについてのインジケータを生成するために使用され得る。
【0111】
モビリティデータ72を生成するために、端末装置によってより複雑な技法が使用されてもよい。説明のために、端末装置の位置または位置の変化が監視され得る。端末装置の移動速度を監視するために、測位システムおよび/または他の位置、速度または加速度センサーの信号が評価され得る。平均速度が計算され、モビリティデータ72として使用され得る。
【0112】
代わりにまたは加えて、構成情報は、中継機能に利用可能な端末装置の出力電力を示す出力電力ケイパビリティインジケータ73を含み得る。例えば、中継機能に利用可能な出力電力は、無線通信ネットワークによって構成され得る。端末装置は、その電力供給および/または端末装置において設定されるパラメータに基づいて、出力電力ケイパビリティインジケータを決定することができる。出力電力ケイパビリティインジケータは、端末装置が中継機として動作する他の端末への通信のために中継機能に利用可能な出力電力の上限または最大値を示し得る。
【0113】
加えてまたは代わりに、構成情報は、構成情報にデータ要素74として含まれるチャネル品質情報を含み得る。チャネル品質情報は、第1の端末装置の無線チャネル特性に関する履歴データを提供し得る。端末装置は、基地局から受信される信号についての受信信号強度を監視するように構成され、それに基づいてチャネル品質のインジケータを生成することができる。加えてまたは代わりに、例えば信号対雑音比など、受信信号強度以外の品質インジケータが使用されてもよい。
【0114】
加えてまたは代わりに、構成情報は、構成情報にデータ要素74として含まれるデータケイパビリティ情報を含み得る。データケイパビリティ情報は、端末装置の利用可能なデータ転送ケイパビリティを示し得る。端末装置は、データケイパビリティ情報を決定するために利用可能な帯域幅および/または処理負荷を監視するように構成され得る。
【0115】
加えてまたは代わりに、構成情報は、構成情報にデータ要素74として含まれる中継容量情報を含み得る。中継容量情報は、端末装置が通信を中継することが可能な他の端末の数について示し得る。中継容量情報は、ネットワークオペレータによって端末装置において構成されてもよく、および/または、端末装置に記憶され得る、事前に定義された、一定の数であってもよい。
【0116】
加えてまたは代わりに、構成情報は、構成情報にデータ要素74として含まれる端末装置についての電力供給インジケータを含み得る。端末装置は、電力供給インジケータを生成するために、バッテリレベルを監視することができる。
【0117】
代わりのまたは追加のデータ要素が構成情報に含まれていてもよい。
【0118】
メッセージ70は、さらなる情報を含んでいてもよい。メッセージ70は、メッセージ70を送信する端末装置のための一意の識別子を含み得るアドレス情報71を含み得る。メッセージ70は、メッセージ70が送信される無線通信ネットワークのカバレージ外に位置する少なくとも一つのProSe可能なUEの識別子を含み得る。
【0119】
図8は、一実施形態による端末装置3を有する通信システムのアーキテクチャを示す。少なくとも一つの他の端末2は、端末装置3に中継機として動作を開始するよう要求する。端末装置3および少なくとも一つの他の端末2は、それぞれProSe可能なUEでもよい。E−UTRANのeNodeBは、ドナーeNodeB(DeNB)81として動作し得る。
【0120】
端末装置3は、一つ以上の物理的なセル識別子が割り当てられている可能性がある。一つ以上の物理的なセル識別子は、DeNBまたは無線通信ネットワークの別のノードによって割り当てられ得る。端末装置3は、それ自体の同期信号およびシステム情報をブロードキャストすることができる。端末装置3は、端末装置3とDeNB81との間のUnインタフェース上でのアップリンクおよびダウンリンク送信のスケジューリングも担い得る。端末装置3は、それによって、DeNB81の無線セルのカバレージ外に位置する間に、少なくとも一つの他の端末2が接続される、それ自体の無線セルをセットアップすることができる。
【0121】
DeNB81は、中継機として動作する端末装置3を制御することができる。DeNBは、例えば、
図6を参照して説明されるように、端末装置3の中継機能を構成することができる。
【0122】
端末装置3と少なくとも一つの他の端末2との間のトラフィックおよびシグナリングは、Uuインタフェースを介して送信され得る。端末装置3とDeNBとの間のトラフィックおよびシグナリングは、Unインタフェースを介して送信され得る。UnインタフェースおよびUuインタフェースは、同じ搬送波周波数を使用することができ、または異なる搬送波周波数を使用してもよい。
【0123】
DeNB81と端末装置3との間のX2インタフェースは、端末装置3と別の基地局との間のハンドオーバをサポートすることができる。X2インタフェースは、データおよびシグナリングメッセージをトランスポートするためにUnインタフェースを使用することができる。DeNB81は、X2インタフェースを介してデータおよびシグナリングメッセージを別のeNodeB(図示せず)に送信することができる。
【0124】
S1インタフェースは、端末装置3の中継機能が発展型パケットコア(EPC)82のサービングゲートウェイ(S−GW)84および/またはモビリティ管理エンティティ(MME)83と直接通信することを可能にさせる。MME83と端末装置3との間のシグナリングのために、S1−MMEインタフェースが使用され得る。データメッセージのために、S1−Uインタフェースが使用され得る。
【0125】
S11インタフェースは、MME83が、S−GWと同じ方法でそれを処理することによって、DeNB81内にS1トンネル機能を構成することを可能にさせる。
【0126】
すべてのインタフェースは、3GPP TR 36.806に従って構成され得る。説明のために、すべてのインタフェースは、3GPP TR V9.0.0 (2010-03) entitled "3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Relay architectures for E-UTRA (LTE-Advanced) (Release 9)"に従って構成され得る。
【0127】
図9は、一実施形態による端末装置によって実行され得る方法90のフローチャートである。端末装置は、
図1〜
図8を参照して説明される構成のうちのいずれか一つを有し得る。この方法は、少なくとも一つの他の端末に端末装置の中継機能に関連する構成情報を知らせるために実行され得る。
【0128】
91で、端末装置は、少なくとも一つの他の端末から情報要求を受信する。少なくとも一つの他の端末は、端末装置および少なくとも一つの他の端末が近接基準を満たすように、端末装置に十分に近くてよい。
【0129】
92で、端末装置は、緊急通信についてのインジケータが少なくとも一つの他の端末から受信される情報要求に含まれるかどうかを決定する。緊急通信についてのインジケータが含まれる場合、この方法は、中継機能に関連する構成情報を含むメッセージのためのデータ要素を生成するために、ステップ95に進む。さもなければ、この方法は、ステップ93に進み得る。
【0130】
93で、端末装置は、それが任意の他の理由のためにその中継機能を有効化することができるかどうかを決定することができる。説明のために、端末装置は、端末装置のメモリに記憶されたユーザ選好に基づいて、および/またはネットワークオペレータによって定義された設定に基づいて、それが非緊急通信のための中継機として動作することができるかどうかを決定することができる。端末装置は、端末装置のメモリに記憶されたユーザ選好に基づいて、ネットワークオペレータによって定義された設定に基づいて、またはユーザ入力に基づいて、少なくとも一つの他の端末のためにその中継機能を有効化することができる状態が満たされるかどうかも決定することができる。少なくとも一つの他の端末のためにその中継機能を有効化させることができないと端末装置が決定した場合、方法はステップ94に進む。94で、メッセージが生成され、少なくとも一つの他の端末に送信され得る。94のメッセージは、端末装置が少なくとも一つの他の端末のための中継機として動作することができないことを示し得る。少なくとも一つの他の端末のためにその中継機能を有効化させることができると端末装置が決定した場合、方法はステップ95に進む。
【0131】
95で、中継機能に関連する構成情報のデータ要素が生成される。データ要素は、
図1〜
図8を参照して説明されるデータ要素のうちの任意の一つまたは任意の組合せを含み得る。端末装置は、例えば、端末装置の移動に関するデータおよび/または出力電力ケイパビリティおよび/または電力供給を連続的または断続的に収集することができ、それに基づいて95でデータ要素を生成することができる。ステップ91での要求が受信される前であっても、95において構成情報のデータ要素を生成するために、評価されるデータの収集が開始されてもよい。説明のために、端末装置は、基地局から受信される信号についての受信信号強度を監視し、それに基づいてネットワークカバレージ品質のインジケータを生成することができる。端末装置は、位置の変化を監視することができ、それに基づいてそのモビリティについての量化子を計算することができる。端末装置は、電力供給インジケータを生成するために、バッテリレベルを監視することができる。
【0132】
96で、構成情報が生成される。構成情報は、95で生成される、中継機能に関する一つ以上のデータ要素を含む。構成情報は、端末装置が中継機として動作するのに適しているかどうかを少なくとも一つの他の端末が決定することを可能にさせる一つ以上のデータ要素を含み得る。
【0133】
97で、端末装置は、91において、要求が少なくとも一つの他の端末から受信され、その少なくとも一つの他の端末にメッセージを送信する。メッセージは、中継機能に関連する構成情報を含む。
【0134】
端末装置が中継機として動作するために選択される場合、ステップ98−100がその後実行され得る。98で、端末装置は、他の端末から中継移行要求を受信する。99で、端末装置は、その中継機能のための有効化手順を開始する。100で、端末装置は、基地局と他の端末との間でのデータメッセージおよび/またはシグナリングメッセージの中継を開始する。
【0135】
図10は、一実施形態による端末装置の機能ブロック図である。一実施形態による端末装置3の処理装置29によって様々な機能が実行され得る。一実施形態による端末装置において様々な機能のすべてが実装される必要があるというわけではない。
【0136】
端末装置3の処理装置29は、構成情報生成機能111を実行するように構成され得る。構成情報生成機能111は、受信データのための処理経路122で構成情報の要求を受信したことへの応答として実行され得る。構成情報生成機能111は、中継機能に関連する構成情報を含むメッセージを送信するために、送信データのための処理経路121を制御する。メッセージは、端末装置3がデータおよびシグナリングメッセージを中継するための中継機に移行することができるかどうかを示す、端末装置3のリピータケイパビリティに関する情報を含むために生成され得る。
【0137】
端末装置3の処理装置29は、端末装置3についての構成情報を含むようにメッセージを生成するように構成される。処理装置29は、構成情報のデータ要素を生成するための機能を実行することができる。
【0138】
説明のために、中継機能の出力電力ケイパビリティを決定するための機能112が実行され得る。機能112は、DeNBによって設定される中継機能の構成設定に基づいて、出力電力ケイパビリティを決定することができる。
【0139】
代わりにまたは加えて、モビリティを監視するための機能113が実行され得る。モビリティ監視のための機能113は、サービング無線セル、動きパターン、または端末装置3のモビリティを示す他の量の変化を追跡することができる。モビリティ監視のための機能113は、モビリティ統計を収集することができる。
【0140】
代わりにまたは加えて、バッテリレベルを検出するための機能114が実行され得る。機能114は、中継機能が有効化される場合、利用可能な電力供給に関して制限があるかどうかを決定するように動作可能であり得る。
【0141】
代わりにまたは加えて、チャネル品質を監視するための機能115が実行され得る。機能115は、無線アクセスネットワークから受信されたデータメッセージおよび/またはシグナリングメッセージの受信信号強度または信号対雑音比を監視することができる。
【0142】
代わりにまたは加えて、データケイパビリティを決定するための機能116が実行され得る。機能116は、利用可能な帯域幅の履歴データに基づいて、および/またはDeNBによって設定される中継機能の構成設定に基づいて、データケイパビリティを決定することができる。
【0143】
代わりにまたは加えて、中継容量を決定するための機能117が実行され得る。中継容量は、端末装置が中継を同時に実行することができる他の端末の数を示し得る。機能117は、記憶装置に記憶された情報に基づいて、またはDeNBによって設定される中継機能の構成設定に基づいて中継容量を決定することができる。
【0144】
処理デバイス29は、中継機能のための有効化手順118を実行することができる。有効化手順118は、端末装置3がリピータ中継機として動作を開始するための許可を基地局に要求することを含み得る。処理装置29は、中継機能119を実行するように構成され得る。中継機能119は、アップリンクおよびダウンリンクにおいて少なくとも一つの他の端末装置と基地局との間でデータメッセージまたはシグナリングメッセージを転送するように動作可能であり得る。中継機能は、例えば装置またはセル識別子を送信または受信するための識別子など、メッセージに含まれる制御データの一部を修正するように動作可能であり得る。
【0145】
実施形態のいずれか一つにおいて、端末装置は、無線通信ネットワークのカバレージ外にある少なくとも一つの他の端末が中継機に移行にされる端末装置を介して通信経路を確立することを望むときだけでなく、構成情報を含むメッセージを送信することができる。端末装置は、端末装置が少なくとも一つの他の端末装置が無線アクセスネットワークとすでに通信している中継機よりも適した中継機であり得るかどうかを少なくとも一つの他の端末装置が決定することを可能にさせるための構成情報を含むメッセージを送信することができる。
【0146】
中継接続が失われると、端末装置によって送信される構成情報が使用されてもよい。これは、中継機として動作する端末装置のモビリティおよび/または中継機として端末装置を使用する少なくとも一つの他の端末のモビリティのために起こり得る。
【0147】
中継接続が失われると、基地局のカバレージ外に位置する少なくとも一つの他の端末は、中継機に移行することができる新しい端末装置を識別するために中継機能をそれぞれ有する端末装置から以前受信された構成情報を使用することができる。基地局のカバレージ外に位置する少なくとも一つの他の端末は、少なくとも一つの他の端末が中継機に移行することができる新しい端末装置を識別することを可能にさせるために、それぞれの端末の中継機能に関連する構成情報を再度送信するように、候補の中継機である端末装置に要求することもできる。
【0148】
基地局のカバレージ外に位置する少なくとも一つの他の端末は、様々な基準のいずれか一つに応じて、それが古い構成情報を使用すべきか、または中継接続の紛失の後更新された構成情報の送信を要求すべきかを決定することができる。基準は、構成情報が以前送信されてから経過した期間、中継機を必要とする少なくとも一つの他の端末のモビリティ、および/または候補の中継機である端末装置のモビリティのうちの一つ以上、またはその組合せを含み得る。
【0149】
実施形態による通信システムの端末装置および/または基地局は、端末装置が中継機として動作する間に少なくとも一つの他の端末が無線通信ネットワークの基地局のカバレージエリアに移動するとき、ハンドオーバ手順を実行するように構成され得る。端末装置を制御する基地局は、中継を非有効化し、ハンドオーバ手順を実行することを決めることができる。ハンドオーバ手順は、端末装置が中継機として動作した少なくとも一つの他の端末が、無線通信ネットワークの同じ基地局または別の基地局との直接通信を続けるように実行され得る。
【0150】
本発明の実施形態について、図面を参照して説明してきた。様々な実施形態のうちの任意の一つにおいて、端末装置にリピータ中継機に移行させるための手順は、近接ベースのサービスとして実施され得る。識別に関与するシグナリングおよび端末装置の選択は、端末装置と無線通信ネットワークの基地局を通過しない少なくとも一つの他の端末との間の直接通信として実行され得る。
【0151】
様々な実施形態のうちの任意の一つにおいて、中継機能に関連する構成情報の送信を含むシグナリングは、開放型システム間相互接続(OSI)層モデルの第1層、第2層、または第3層において実施され得る。構成情報を含むメッセージの送信は、OSI層モデルの第1層、第2層、または第3層において実施され得る。構成情報を含むメッセージの送信は、OSI層モデルの第1層、第2層、または第3層においてD2Dシグナリングとして実施され得る。
【0152】
様々な実施形態のうちの任意の一つにおいて、中継機として動作するのに適した端末装置を識別するために使用されるシグナリングは、E−UTRANネットワークカバレージ内にない状態で実行され得る。
【0153】
他の実施形態において修正または変更が実施されてもよい。説明のために、追加の情報が、端末装置によって受信され、端末装置に構成情報を含むメッセージを送信させる情報要求に含まれ得る。追加の情報は、端末装置の中継機能が必要とされる通信についての帯域幅要件を示し得る。追加の情報は、端末装置の中継機能が必要とされるサービスのタイプを示し得る。
【0154】
さらなる説明のために、構成情報を含むメッセージは、専用のシグナリングメッセージとして、例えば、ProSe1対1通信として、少なくとも一つの端末の各端末に送信され得るが、リピータ情報要求は、例えばProSe1対多通信として、ブロードキャストまたはマルチキャストメッセージとして送信されてもよい。D2D発見は、省略されてもよい。
【0155】
さらなる説明のために、リピータ情報応答における構成情報としての送信に適した典型的なデータ要素について説明してきたが、代わりにまたは加えて、他の情報が構成情報としてリピータ情報応答に含まれていてもよい。説明のために、セキュリティ関連の情報が構成情報に含まれ得る。
【0156】
本発明の実施形態は、基地局のカバレージエリア外に位置する端末がリピータ中継機に移行するのに適した端末装置を選択するために必要とされる情報を取得することを可能にさせるシグナリングを提供する。