【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的は、独立請求項1のフィーチャを持つシステムにより満たされる。有利な実施例及び更なる改良は、下位請求項及び以下の記載から集められうる。
【0007】
可変視野角からライブX線画像を提供するX線画像取得装置と、ライブ超音波画像を提供する超音波プローブを持つ心エコー撮像装置と、前記X線画像取得装置及び前記心エコー撮像装置に接続可能な処理ユニットとを有する医療ビューイングシステムが、提案される。前記医療ビューイングシステムは、2つの異なる視野角において前記超音波プローブのX線蛍光透視画像の第1のセットを取得するように構成される。前記処理ユニットは、
‐前記X線蛍光透視画像の第1のセットに基づいてライブ超音波及びライブX線画像を位置合わせし、
‐後のフレームにおいて特徴的フィーチャのセットの位置を特定し、
‐前記特徴的フィーチャの認識された位置にマッチするようにマーカのセットを確立し、
‐前記X線画像取得装置の最適な視野角を決定し、前記最適な視野角において前記マーカがX線視野において所定の関係を持つ、
ように構成される。
【0008】
前記X線画像取得装置は、好ましくは、X線源及び前記X線源の真向かいに取り付けられたX線検出器を持つCアーム構造、並びに前記Cアーム構造の回転移動に対するモータ付駆動装置を含むCアームアセンブリを有してもよい。前記Cアーム構造は、回転軸の周りで及び可変視野角で複数のX線投影を取得するアイソセンタの周りで回転スキャンを実行するように備えられる。前記X線画像取得装置に接続された前記処理ユニットは、前記Cアーム構造の運動及びX線画像の取得を制御することができる。
【0009】
前記心エコー撮像装置は、先端に超音波トランスデューサを含むプローブを持つ撮像装置として理解されるべきであり、前記プローブは、ライブ超音波画像及びドップラ評価を提供するために患者の体内に注入されうる又は体上に配置されうる。前記プローブは、患者の食道内に挿入されるべき経食道心エコー(TEE)プローブ、又は前記患者の胸部上にはいちされるべき経胸壁心エコー(TTE)プローブのような、様々な異なるプローブから選択されうる。特に、TEEは、心臓専門医に心臓組織のリアルタイム三次元撮像を提供する。
【0010】
前記処理ユニットは、プロセッサと、メモリと、ユーザ入力及び前記X線画像取得装置及び前記心エコー撮像装置からのライブ画像データを受信し、データ及び制御信号を出力するインタフェースとを持つ計算ユニットとして理解されるべきである。更に、前記処理ユニットは、上述の機能を実行する複数のアルゴリズムを実行するように構成される。
【0011】
X線画像データ及び心エコーデータの合理的な融合を可能にする基本的な準備機能は、2つの異なる視野角における前記心エコープローブのX線蛍光透視画像の第1のセットを提供することにある。これは、更なる追跡装置を採用する必要なしに画像ベースの心エコープローブ位置特定を行うことを可能にする。
【0012】
前記プローブ位置特定を行った後に、三次元心エコー画像及び二次元蛍光透視画像の正確なリアルタイム位置合わせが、可能である。これは、周知の位置合わせ技術のいずれによって行われてもよく、保護範囲を限定すべきでない。
【0013】
前記処理ユニットは、更に、大動脈弁の尖底のような、検査されるべき体/器官の特徴的フィーチャのセットの位置を特定することができる。これは、自動又は半自動でありうる異なる処理によって達成されうる。例えば、前記処理ユニットは、インターベンション医により入力されうる又は前記処理ユニットにより推定されうるマーカ位置の予備セットを受信するように構成される。このマーカ位置の予備セットは、特に、三次元心エコー画像において作成されてもよい。しかしながら、これらは、前記ライブ二次元X線画像において設定されてもよい。これに対する代替例として、三次元画像データも、前記マーカのセットを確立するように前記画像モダリティの1つから使用されてもよい。
【0014】
一度前記特徴的フィーチャのセットの位置の座標が特定されると、これらの位置の座標は、マーカ位置に自動的に割り当てられる。この割り当ては、直接的であり、例えば無冠尖及び左冠尖が、それぞれ、大動脈造影(aortogram)画像の探索エリアの左下領域及び右上領域に配置される。同時に、前記ライブ心エコー画像がライブ大動脈造影画像と同時に前記処理ユニットに送信され、位置合わせされるので、前記マーカ位置は、同様に前記心エコー画像上で自動的に調節される。
【0015】
一度前記マーカが、前記特定された位置に配置されると、前記処理ユニットは、容易に前記X線画像取得装置の視野角を調節することができる。これは、前記マーカ(のセット)が所定の関係を有する場合に、前記X線画像取得装置が最適な視野角まで迅速に回転するように制御されることを意味する。特に、TAVR処置に対して、これらは、X線視野において単一の線上にあり、互いから等間隔である。他の処置に対して、他の関係が可能でありうる。
【0016】
したがって、前記医療ビューイングシステムは、前記マーカが尖底に配置されるので、最適な視野角に対するX線ビューイング装置の正確な位置決めを提供する。この技術は、特に前記最適な視野角を決定するのにこの医療ビューイングシステムを使用する場合にTAVR処置に対する臨床ワークフローを明確に単純化及び改良する。
【0017】
前記処置が開始する前に前記最適な視野角が何であるかの事前指示なしで、複数の大動脈造影が、この角度を決定するのに要求される。例えば、ライブ心エコー画像内の前記弁尖上にマーカを配置することにより、大動脈造影内の弁尖底に前記マーカをアラインする自動補正が、これらのいくつかの代わりに前記最適な視野角を見つけるのに単一の大動脈造影のみを要求する。
【0018】
したがって、本発明による撮像システムは、理想的な角度が見つけられるまでの患者に対する放射線量及び造影剤使用の両方を減少させる大きな可能性を持つ。
【0019】
この医療ビューイングシステムにより達成可能な前記方法は、他の心臓弁、例えば、僧房弁の置換に対して適用されることもあり得る。
【0020】
前記医療ビューイングシステムが、前記決定された最適な視野角まで前記X線画像取得装置を移動するように構成されることは、好適である。
【0021】
有利な実施例において、前記特徴的フィーチャのセットの位置を特定することは、オペレータにより与えられたマーカの予備セットの周りの心エコー画像又はX線画像、すなわち大動脈造影における前記特徴的フィーチャのセットの位置を認識することを有し、前記処理ユニットは、前記認識された位置によって前記マーカの予備セットを調節するように更に構成される。
【0022】
このマーカの予備セットのマーカ位置の精度を改良するために、典型的には、固定の視野角におけるX線大動脈造影が、取得される。これに関連して、大動脈造影は、特に、前記X線画像取得装置により取られた心臓弁の画像のシーケンスを有する。心臓弁及びその周囲の十分な不透明性及びより良好な改良された視覚的検出可能性を提供するために、これらの画像は、造影剤(CA)が血管又は心腔に注入された後に取得される。前記大動脈造影が、注入された造影剤の下で1つの画像のみを有してもよいことは、言うまでもない。また、表現「大動脈造影」の代わりに、表現「弁造影(valvogram)」も、この処理を記述するのに適していてもよい。
【0023】
前記大動脈造影画像は、前記大動脈造影画像シーケンスにおける特に前記弁尖底に対する自動探索を行うことを可能にする。点又はフィーチャ検出探索アルゴリズムは、前記大動脈造影画像シーケンスの後のフレームが前記処理ユニットにより受信及び表示されると当該フレームにおいて尖底を位置特定しようと試みてもよい。尖底は、弁尖湾曲が方向を変える前記弁尖上の場所であるので、これは、前記探索を単純化しうる。
【0024】
したがって、前記医療ビューイングシステムは、特に自然大動脈弁尖の底を位置特定するようにライブ又は保存された大動脈造影画像シーケンスの1以上の画像フレーム上で点又はフィーチャ検出探索を実行することにより正確な補正を提供する。前記マーカは、この場合、前記大動脈造影内の弁尖底まで自動的に移動及びアラインされる。前記ライブX線及びライブ心エコー画像は、同時に前記処理ユニットに転送され、位置合わせされるので、前記マーカ位置は、前記大動脈造影において更新された後に前記心エコー画像において自動的に補正及び更新される。
【0025】
換言すると、本発明による医療ビューイングシステムは、人工弁位置決め及び展開の前の標準的治療の一部として既に得られているX線大動脈造影画像シーケンスに含まれる情報を使用する補正技術を提供する。弁尖底は、前記心エコー画像より前記大動脈造影において容易に検出されることができる。この技術は、前記大動脈造影画像シーケンス内のフィーチャ情報に基づいて弁尖底まで前記マーカを自動的に移動するのにアルゴリズムを使用する。
【0026】
他の典型的な実施例において、前記処理ユニットは、前記X線画像シーケンスの中心領域において前記特徴的フィーチャのセットの位置を認識するように構成される。前記処理ユニットは、前記X線画像シーケンスの中心領域、特に前記X線画像シーケンスの第1のフレーム上の右冠尖のマーカ位置を中心とする領域において尖底を認識するように構成されてもよい。前記マーカを認識する前記アルゴリズムに対して要求される労力は、これにより、明らかに減少されることができる。
【0027】
更に他の実施例において、前記処理ユニットは、前記心エコー画像に基づいて前記マーカのセットの運動を繰り返し追跡するように構成される。例えば、前記マーカのセットが確立された後に、大動脈基部が移動するときに、前記マーカが前記底に留まることを保証することは、明らかに有利である。更に、前記X線画像取得装置の視野角は、繰り返し再調整されてもよい。両方の撮像モダリティが、前記マーカ位置を追跡するのに使用されてもよいが、特に尖底の場所を示すように前記X線画像内に造影剤がもはや存在しない場合にマーカ運動追跡が可能ではないので、これは、前記心エコー画像に基づいて行う方がおそらく単純である。
【0028】
他の有利な実施例において、前記処理ユニットは、前記マーカのセットを形成するために、少なくとも1つの関心器官、例えば大動脈弁の三次元モデルから前記特徴的フィーチャのセットの位置を抽出するように構成される。特に、この実施例は、尖底の場所が前記モデルにおいて既知であり、前記モデル内のこれらの底の場所が前記大動脈造影画像シーケンス内の前記底の位置に容易に適合されうるので、大動脈弁尖の前記心エコー又は大動脈造影画像上に手動でマーカを配置しなくてはならない必要を克服する。前記モデルメッシュは、大動脈弁の前記大動脈造影画像シーケンスに適合及び適応されることだけを必要とし、尖底の場所が前記モデルにおいて既知であるので、この実施例は、前記大動脈造影において尖底を探索する必要性をも取り除く。
【0029】
他の実施例において、前記処理ユニットは、インターベンションに対する準備プロセスとしてこのような三次元モデルを生成するように構成されてもよい。特に、このモデルは、大動脈弁の複数の以前に取得されたCT画像データセットから作成されてもよい。前記モデルは、事前にマークされた前記特徴的フィーチャの場所を持ちえ、前記モデルは、この場合、保存された又はライブの大動脈造影画像が前記処理ユニットにより受信されると当該画像において自然器官を自動的にフィットさせるように構成されることができる。
【0030】
更に他の実施例において、前記処理ユニットは、大動脈造影実行を記録、保存及び再生するように構成されてもよい。これは、前記特徴的フィーチャの位置における前記マーカの第1のセットの配置を容易化する追加オプションとして有用でありうる。例えば、前記底を検出する自動探索アルゴリズムは、前記大動脈造影の保存された画像シーケンス全体又は前記大動脈造影の単一の画像フレームのいずれかに対して試みられることができる。単一画像フレームを使用する場合に対して、ユーザは、尖底を位置特定するのにいずれの画像フレームを使用するかを選択するオプションを持つ。保存された大動脈造影画像シーケンス全体又は単一画像フレームのいずれかにおいて尖底上にマーカを手動で配置することができるオプションは、前記底の自動探索が成功しない場合に非常に有用である。一度前記マーカが前記保存された大動脈造影画像において自動又は手動アプローチのいずれかを使用して前記底に移動されると、前記マーカ位置は、ライブTEE画像上に記録及び更新される。
【0031】
本発明は、医療画像を提供する方法にも関し、前記方法は、X線画像取得装置を用いて2つの異なる視野角において心エコー撮像装置の超音波プローブのX線蛍光透視画像の第1のセットを取得するステップと、処理ユニットを用いて前記X線蛍光透視画像の第1のセットに基づいてライブ心エコー画像及びライブX線画像を位置合わせするステップと、後のX線フレームにおいて特徴的フィーチャのセットの位置を特定するステップと、前記特定された位置にマッチするようにマーカのセットを確立するステップと、前記X線画像取得装置の最適な視野角を決定するステップとを有し、前記最適な視野角において、前記マーカのセットのマーカは、X線視野において所定の関係を有し、例えば、TAVR処置に対して単一の線上にあり、互いから等間隔である。前記決定された最適な視野角まで移動するように前記X線画像取得装置を制御することも有利である。これら及び以下の方法ステップは、前記医療ビューイングシステムの上の記載と同様である。
【0032】
有利な実施例において、前記方法は、更に、オペレータにより与えられたマーカの予備セットの周りで心エコー画像又はX線画像における前記特徴的フィーチャの位置を認識するステップと、前記認識された位置によって前記マーカの予備セットを再調節するステップとを有する。
【0033】
更に、これらの位置を認識することは、前記X線画像シーケンスの中心領域、特に前記X線画像シーケンスの第1のフレームにおける右冠尖のマーカ位置を中心とする領域において行われてもよい。
【0034】
代替的な実施例において、前記方法は、前記マーカのセットを形成するために少なくとも1つの関心器官の三次元モデルから前記特徴的フィーチャのセットの位置を抽出するステップを有する。
【0035】
また、前記方法は、前記処理ユニットにより受信されると保存された又はライブの大動脈造影画像において自然器官を自動的にフィッティングするステップをも有してもよい。
【0036】
前記特徴的フィーチャのセットが、弁尖底及び体、特に人体の特定の器官の他の特徴的フィーチャを有してもよいことは、言うまでもない。
【0037】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施例を参照して説明され、明らかになる。