特許第6397026号(P6397026)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6397026基準マーカ用の磁気共鳴コイルアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6397026
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】基準マーカ用の磁気共鳴コイルアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20180913BHJP
【FI】
   A61B5/055 390
   A61B5/055 355
【請求項の数】12
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-536170(P2016-536170)
(86)(22)【出願日】2014年12月8日
(65)【公表番号】特表2017-502724(P2017-502724A)
(43)【公表日】2017年1月26日
(86)【国際出願番号】EP2014076807
(87)【国際公開番号】WO2015086480
(87)【国際公開日】20150618
【審査請求日】2017年11月7日
(31)【優先権主張番号】13196450.4
(32)【優先日】2013年12月10日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(72)【発明者】
【氏名】ウールマン ファルク
(72)【発明者】
【氏名】クルーヘル サッシャ
(72)【発明者】
【氏名】ウィルツ ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ウェイス ステフェン
【審査官】 後藤 順也
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/137148(WO,A1)
【文献】 米国特許第05355087(US,A)
【文献】 米国特許第05469847(US,A)
【文献】 特開平11−155880(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3112702(JP,U)
【文献】 特表2010−528763(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/055
G01R 33/20−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気共鳴コイルアセンブリを有する医療機器であって、前記磁気共鳴コイルアセンブリが、
医療デバイスのシャフトを有し、又は前記シャフトを受けるように動作可能である、基準マーカと、
前記基準マーカから磁気共鳴場所データを受信するための第一のアンテナ部と第二のアンテナ部を有する磁気共鳴アンテナと、
クランプとを有し、
前記クランプが第一のクランプ部と第二のクランプ部を有し、前記第一のクランプ部と前記第二のクランプ部が開構成と閉構成の間で動かされるように動作可能であり、前記第一のクランプ部が前記第一のアンテナ部を有し、前記第二のクランプ部が前記第二のアンテナ部を有し、前記閉構成のとき、前記第一のクランプ部と前記第二のクランプ部が前記基準マーカを前記第一のアンテナ部と前記第二のアンテナ部の間の信号受信ボリューム内に固定し、前記開構成のとき、前記第一のクランプ部と前記第二のクランプ部が前記基準マーカを前記信号受信ボリュームを出入りして動けるようにする、
医療機器。
【請求項2】
前記磁気共鳴コイルアセンブリが、前記磁気共鳴アンテナから磁気共鳴信号を受信し、それを磁気共鳴イメージングシステムへ送信するように動作可能な送信器をさらに有する、請求項1に記載の医療機器。
【請求項3】
前記第一のアンテナ部が第一のサドルコイルであり、前記第二のアンテナ部が第二のサドルコイルである、請求項1又は2に記載の医療機器。
【請求項4】
前記第一のクランプ部が前記第一のアンテナ部に接続される第一の電気接点を有し、前記第二のクランプ部が前記第二のアンテナ部に接続される第二の電気接点を有し、前記クランプが前記第一の電気接点を前記第二の電気接点に接続して電気接続を形成するように動作可能であり、前記第一のアンテナ部と前記第二のアンテナ部が単一表面コイルを形成するように動作可能である、請求項1又は2に記載の医療機器。
【請求項5】
前記磁気共鳴コイルアセンブリが前記基準マーカを検知するための基準マーカセンサシステムをさらに有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の医療機器。
【請求項6】
前記基準マーカセンサシステムが、前記クランプが前記閉構成にあるかどうかを検知するためのスイッチ、前記基準マーカが前記信号受信ボリューム内にあるかどうかを決定する、及び/又は前記基準マーカのタイプを決定するために前記磁気共鳴アンテナのインピーダンスを測定するためのインピーダンス測定システム、並びにそれらの組み合わせ、のうちのいずれか一つを有する、請求項5に記載の医療機器。
【請求項7】
前記医療機器が、前記基準マーカセンサシステムが前記基準マーカを検知する場合に信号を表示するように動作可能なインジケータをさらに有する、請求項5又は6に記載の医療機器。
【請求項8】
前記基準マーカが医療デバイスのシャフトを有する、又はシャフトを受けるように動作可能である、請求項1に記載の医療機器。
【請求項9】
前記クランプが、前記閉構成のときに前記磁気共鳴コイルアセンブリへ前記シャフトを固定するように動作可能である、請求項8に記載の医療機器。
【請求項10】
前記基準マーカが前記シャフト用の孔を有し、前記基準マーカがトロイダルであり、前記基準マーカが前記シャフトを囲む磁気共鳴検出可能物質で満たされる管を有し、前記管がギャップを持ち、前記シャフトが前記ギャップを通して前記孔に対して直角に取り外されるように動作可能である、請求項8又は9に記載の医療機器。
【請求項11】
前記基準マーカがオブジェクトに付着するための接着剤を有する、請求項1又は8から10のいずれか一項に記載の医療機器。
【請求項12】
前記医療機器が、
被検者から磁気共鳴データを収集するための磁気共鳴イメージングシステムと、
前記被検者に挿入されるために適したシャフトを有する医療デバイスであって、前記基準マーカが前記シャフトに取り付けられるように動作可能である、医療デバイスと、
前記医療機器を制御するためのプロセッサと、
前記プロセッサによる実行のためのマシン実行可能命令を記憶するメモリと
をさらに有し、
前記命令の実行が前記プロセッサに、前記磁気共鳴データを収集させ、前記命令の実行がさらに前記プロセッサに、前記磁気共鳴データを磁気共鳴画像へ再構成させ、前記命令の実行がさらに前記プロセッサに、前記磁気共鳴画像内のターゲットボリュームの選択を受信させ、前記命令の実行がさらに前記プロセッサに、繰り返し、
前記磁気共鳴アンテナから前記磁気共鳴場所データを収集させ、前記磁気共鳴場所データが第一の磁気共鳴基準マーカの場所を記述し、
ディスプレイデバイス上にターゲットゾーンに対する前記シャフトの位置を示す前記磁気共鳴データのビューをレンダリングさせ、前記ビューが少なくとも前記場所データと前記ターゲットボリュームの場所を用いて決定される、
請求項1から11のいずれか一項に記載の医療機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は磁気共鳴イメージングに、特に磁気共鳴イメージングにおける基準マーカに関する。
【背景技術】
【0002】
インタラクティブリアルタイムMRI及び条件付きMR機器の利用可能性は、特に針若しくはリニアアブレーションプローブで実行される経皮手術においてMRガイダンスの使用増につながっている。電離放射線がないことに加え、MRガイダンスはかかる手術にとって多数の利点を提供し、その最も重要な一つはCT若しくはUSと比較する場合、MRの軟組織コントラストとフルトモグラフィ(断層撮影)能である。従来技術の臨床MRガイド経皮インターベンションは術前3D MR画像を用いてデバイス経路を計画し、そしてデバイスをターゲットとアラインしてその挿入をガイドするためのガイドとして定位デバイスが使用され、これはほとんどMRボア外で実行される。最後に、デバイスがターゲットに達していることを確認するためにMRが使用される。
【0003】
定位手術は患者の動きや針の曲げに起因するレジストレーションエラーを生じやすいので、また複雑なワークフロー(ボアを出入りする患者の動き)を伴うので、今日では先端センターがいわゆるフリーハンド手術を実践しており、その中でデバイスはMR内部のリアルタイム画像ガイダンス下でいかなる物理的定位デバイスガイドも伴わずに進められる。これはターゲット病変とデバイスを高顕著性で視覚化する専用MRシーケンスによって、及びオープンMRシステムの利用可能性によって容易にされる。
【0004】
Coutts et al.,"Integrated and Interactive Position Tracking and Imaging of Interventional Tools and Internal Devices Using Small Fiducial Receiver Coils,"Magnetic Resonance in Medicine,vol.40,1998,pages 908‐913において、磁気共鳴スキャナ内の剛体デバイスの位置をトラッキングする方法が開示されている。位置トラッキングは個々の受信チャネルに取り付けられる二つ若しくは三つの小型磁気共鳴受信コイルを用いて実行される。
【0005】
米国特許US5307806は二つの枢動接続された前後セグメントを持つNMR骨盤コイルに関する。開位置において患者の骨盤がセグメント間の空間へ移動される。閉位置においてセグメントは患者の骨盤まわりにぴったりフィットする。
【0006】
国際特許出願公開WO2012/137148A1はトロイダル磁気共鳴信号ボリュームを囲む磁気共鳴受信コイルを有する磁気共鳴基準マーカを開示する。
【0007】
国際特許出願公開WO2007/046011A1は磁気共鳴イメージングスキャナにおいて基準マーカアセンブリをトラッキングするためのシステムを開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は独立請求項において医療機器を提供する。実施形態が従属請求項で与えられる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
当業者によって理解される通り、本発明の態様は装置、方法若しくはコンピュータプログラム製品として具体化され得る。従って、本発明の態様は完全にハードウェア実施形態、完全にソフトウェア実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、又は全て概して本明細書で"回路"、"モジュール"若しくは"システム"とよばれ得るソフトウェア及びハードウェア態様を組み合わせる実施形態の形をとり得る。さらに、本発明の態様はコンピュータ実行可能コードがその上に具体化される一つ以上のコンピュータ可読媒体において具体化されるコンピュータプログラム製品の形をとり得る。
【0010】
一つ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが利用され得る。コンピュータ可読媒体はコンピュータ可読信号媒体若しくはコンピュータ可読記憶媒体であり得る。本明細書で使用される'コンピュータ可読記憶媒体'とは、コンピュータデバイスのプロセッサによって実行可能な命令を記憶し得る任意の有形記憶媒体を包含する。コンピュータ可読記憶媒体はコンピュータ可読非一時的記憶媒体とよばれ得る。コンピュータ可読記憶媒体は有形コンピュータ可読媒体ともよばれ得る。一部の実施形態において、コンピュータ可読記憶媒体はコンピュータデバイスのプロセッサによってアクセスされることができるデータを記憶することもできてもよい。コンピュータ可読記憶媒体の実施例は、限定されないが、フロッピーディスク、磁気ハードディスクドライブ、ソリッドステートハードディスク、フラッシュメモリ、USBサムドライブ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、光学ディスク、磁気光学ディスク、及びプロセッサのレジスタファイルを含む。光学ディスクの実施例は、コンパクトディスク(CD)及びデジタル多用途ディスク(DVD)、例えばCD‐ROM、CD‐RW、CD‐R、DVD‐ROM、DVD‐RW、若しくはDVD‐Rディスクを含む。コンピュータ可読記憶媒体という語はネットワーク若しくは通信リンクを介してコンピュータデバイスによってアクセスされることができる様々なタイプの記録媒体もあらわす。例えばデータはモデムを介して、インターネットを介して、若しくはローカルエリアネットワークを介して読み出され得る。コンピュータ可読媒体上に具体化されるコンピュータ実行可能コードは、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなど、又は上記の任意の適切な組み合わせを含むがそれに限定されない、任意の適切な媒体を用いて送信され得る。
【0011】
コンピュータ可読信号媒体は、例えばベースバンドで若しくは搬送波の一部として、コンピュータ実行可能コードがその中に具体化される、伝搬データ信号を含み得る。かかる伝搬信号は、電磁、光学、若しくはそれらの任意の適切な組み合わせを含むがそれに限定されない、様々な形式のいずれかをとり得る。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体でない、命令実行システム、装置若しくはデバイスによる又はそれらに関連した使用のためのプログラムを通信、伝搬若しくは輸送することができる、任意のコンピュータ可読媒体であり得る。
【0012】
'コンピュータメモリ'若しくは'メモリ'はコンピュータ可読記憶媒体の一実施例である。コンピュータメモリはプロセッサに直接アクセス可能な任意のメモリである。'コンピュータストレージ'若しくは'ストレージ'はコンピュータ可読記憶媒体のさらなる実施例である。コンピュータストレージは任意の不揮発性コンピュータ可読記憶媒体である。一部の実施形態においてコンピュータストレージはコンピュータメモリであってもよく、又はその逆も同様であり得る。
【0013】
本明細書で使用される'プロセッサ'は、プログラム若しくはマシン実行可能命令若しくはコンピュータ実行可能コードを実行することができる電子コンポーネントを包含する。'プロセッサ'を有するコンピュータデバイスへの参照は一つより多くのプロセッサ若しくはプロセシングコアを含む可能性があると解釈されるべきである。プロセッサは例えばマルチコアプロセッサであり得る。プロセッサは単一コンピュータシステム内の、若しくはマルチコンピュータシステム間に分散される、プロセッサの集合もあらわし得る。コンピュータデバイスという語は各々が一つ若しくは複数のプロセッサを有するコンピュータデバイスの集合若しくはネットワークをあらわす可能性があるとも解釈されるべきである。コンピュータ実行可能コードは同じコンピュータデバイス内にあり得る、又はマルチコンピュータデバイス間に分散されてもよい、マルチプロセッサによって実行され得る。
【0014】
コンピュータ実行可能コードはプロセッサに本発明の一態様を実行させるマシン実行可能命令若しくはプログラムを有し得る。本発明の態様のためのオペレーションを実行するためのコンピュータ実行可能コードは、Java、Smalltalk、C++若しくは同様のものなどのオブジェクト指向プログラミング言語、及び"C"プログラミング言語若しくは同様のプログラミング言語などの従来の手続型プログラミング言語を含む一つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれ、マシン実行可能命令にコンパイルされ得る。場合によってはコンピュータ実行可能コードは高級言語の形又はプリコンパイル済の形であり得、オンザフライでマシン実行可能命令を生成するインタープリタと併用され得る。
【0015】
コンピュータ実行可能コードは完全にユーザのコンピュータ上で、一部ユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、一部ユーザのコンピュータ上でかつ一部リモートコンピュータ上で、又は完全にリモートコンピュータ若しくはサーバ上で実行し得る。後者のシナリオにおいて、リモートコンピュータはローカルエリアネットワーク(LAN)若しくはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを通じてユーザのコンピュータに接続され得るか、又は接続は(例えばインターネットサービスプロバイダを用いてインターネットを通じて)外部コンピュータへなされ得る。
【0016】
本発明の態様は本発明の実施形態にかかる方法、装置(システム)及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及び/又はブロック図を参照して記載される。フローチャート、説明図、及び/又はブロック図のブロックの各ブロック又は部分は、適用可能であるときコンピュータ実行可能コードの形でコンピュータプログラム命令によって実施され得ることが理解される。相互排他的でないとき、異なるフローチャート、説明図、及び/又はブロック図におけるブロックの組み合わせが組み合わされ得ることがさらに理解される。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ若しくは他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサを介して実行する命令が、フローチャート及び/又はブロック図の一つ若しくは複数のブロックに規定される機能/動作を実施するための手段を作り出すように、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、若しくはマシンを製造する他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに提供され得る。
【0017】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読媒体に格納される命令が、フローチャート及び/又はブロック図の一つ若しくは複数のブロックに規定される機能/動作を実施する命令を含む製品を生成するように、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置又は他のデバイスを特定の方法で機能するように指示することができるコンピュータ可読媒体にも格納され得る。
【0018】
コンピュータプログラム命令は、コンピュータ若しくは他のプログラム可能装置上で実行する命令が、フローチャート及び/又はブロック図の一つ若しくは複数のブロックに規定される機能/動作を実施するためのプロセスを提供するように、一連の動作ステップをコンピュータ、他のプログラム可能装置若しくは他のデバイス上で実行させてコンピュータ実施プロセスを生成するために、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、若しくは他のデバイス上にロードされてもよい。
【0019】
本明細書で使用される'ユーザインターフェース'とはユーザ若しくはオペレータがコンピュータ若しくはコンピュータシステムと相互作用することを可能にするインターフェースである。'ユーザインターフェース'は'ヒューマンインターフェースデバイス'ともよばれ得る。ユーザインターフェースはオペレータへ情報若しくはデータを提供し、及び/又はオペレータから情報若しくはデータを受信し得る。ユーザインターフェースはオペレータからの入力がコンピュータによって受信されることを可能にし、コンピュータからユーザへ出力を提供し得る。言い換えれば、ユーザインターフェースはオペレータがコンピュータを制御若しくは操作することを可能にし、インターフェースはオペレータの制御若しくは操作の効果をコンピュータが示すことを可能にし得る。ディスプレイ若しくはグラフィカルユーザインターフェース上のデータ若しくは情報の表示はオペレータへの情報提供の一実施例である。キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッド、ポインティングスティック、グラフィックタブレット、ジョイスティック、ゲームパッド、ウェブカム、ヘッドセット、ギアスティック、ステアリングホイール、ペダル、有線グローブ、ダンスパッド、リモートコントロール、及び加速度計を通じたデータの受信はオペレータから情報若しくはデータの受信を可能にするユーザインターフェースコンポーネントの全実施例である。
【0020】
本明細書で使用される'ハードウェアインターフェース'はコンピュータシステムのプロセッサが外部計算装置及び/又は機器と相互作用する及び/又は制御することを可能にするインターフェースを包含する。ハードウェアインターフェースはプロセッサが外部計算装置及び/又は機器へ制御信号若しくは命令を送信することを可能にし得る。ハードウェアインターフェースはプロセッサが外部計算装置及び/又は機器とデータを交換することも可能にし得る。ハードウェアインターフェースの実施例は、限定されないが、ユニバーサルシリアルバス、IEEE1394ポート、パラレルポート、IEEE1284ポート、シリアルポート、RS‐232ポート、IEEE‐488ポート、Bluetooth接続、無線ローカルエリアネットワーク接続、TCP/IP接続、Ethernet接続、制御電圧インターフェース、MIDIインターフェース、アナログ入力インターフェース、及びデジタル入力インターフェースを含む。
【0021】
本明細書で使用される'ディスプレイ'若しくは'ディスプレイデバイス'は、画像若しくはデータを表示するために適した出力装置若しくはユーザインターフェースを包含する。ディスプレイは視覚、聴覚、及び/又は触覚データを出力し得る。ディスプレイの実施例は、限定されないが、コンピュータモニタ、テレビ画面、タッチスクリーン、触覚電子ディスプレイ、点字スクリーン、ブラウン管(CRT)、蓄積管、双安定ディスプレイ、電子ペーパー、ベクトルディスプレイ、フラットパネルディスプレイ、真空蛍光ディスプレイ(VF)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、エレクトロルミネッセントディスプレイ(ELD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)、プロジェクタ、及びヘッドマウントディスプレイを含む。
【0022】
磁気共鳴(MR)データは本明細書において、磁気共鳴イメージングスキャン中に磁気共鳴装置のアンテナによって記録される原子スピンによって発せられる高周波信号の測定であると定義される。磁気共鳴データは医用画像データの一実施例である。磁気共鳴イメージング(MRI)画像は本明細書において磁気共鳴イメージングデータ内に含まれる解剖学的データの再構成された二次元若しくは三次元視覚化であると定義される。この視覚化はコンピュータを用いて実行され得る。
【0023】
本明細書で使用される磁気共鳴場所データは基準マーカの場所を決定するために取得される磁気共鳴データを包含する。
【0024】
一態様において本発明は磁気共鳴コイルアセンブリを有する医療機器を提供する。磁気共鳴コイルアセンブリは基準マーカから磁気共鳴場所データを受信するための第一のアンテナ部と第二のアンテナ部を有する磁気共鳴アンテナを有する。一部の実施例において第一及び第二のアンテナ部はアンテナ素子であり得る。他の実施例において第一及び第二のアンテナ部は単一アンテナ素子を形成するように組み立てられる若しくは接続されるアンテナの部品であり得る。本明細書で使用される基準マーカは、磁気共鳴イメージングシステムの視野に置かれ得る、磁気共鳴データから生成若しくは再構成される磁気共鳴画像にあらわれる、オブジェクトを包含する。基準マーカは基準点として若しくは測定点としての使用のためである。
【0025】
磁気共鳴コイルアセンブリはクランプを有する。クランプは第一のクランプ部と第二のクランプ部を有する。第一のクランプ部と第二のクランプ部は開構成と閉構成の間で動かされるために動作可能である。第一のクランプ部は第一のアンテナ部を有する。第二のクランプ部は第二のアンテナ部を有する。閉構成にあるとき、第一のクランプ部と第二のクランプ部は第一のアンテナ部と第二のアンテナ部の間の信号受信ボリューム内に基準マーカを固定するために動作可能である。開位置にあるとき、第一のクランプ部と第二のクランプ部は基準マーカが信号受信ボリュームを出入りして動かされることを可能にするように動作可能である。この実施形態は、基準マーカ上にクランプされることができる磁気共鳴コイルアセンブリを提供するので、有益であり得る。これは磁気共鳴アンテナを基準マーカから離したままにする。本明細書で使用されるコイルはアンテナと解釈され得る。磁気共鳴イメージング技術においてコイルという語は典型的にはアンテナという語の代わりに使用される。
【0026】
基準マーカは磁気共鳴イメージングが実行されるときに信号発生物質を含み得る。例えば基準マーカは磁気共鳴画像にあらわれる液体若しくは材料で満たされる管若しくは他の容器を持ち得る。磁気共鳴アンテナは基準マーカ付近に置かれる局所アンテナとして機能する。基準マーカは磁気共鳴基準マーカともよばれ得る。基準マーカは信号ボリュームを有し得る。信号ボリュームは磁気共鳴信号発生物質を含み得る。信号ボリュームは一部の実施例ではトロイダルであり得る。信号ボリュームは他の実施例ではトロイドの一部に中断若しくは開領域を伴い部分的にトロイダルであり得る。
【0027】
別の実施形態において磁気共鳴コイルアセンブリは、磁気共鳴イメージングシステムへ送信される、磁気共鳴アンテナからの磁気共鳴信号を受信するために動作可能な送信器をさらに有し得る。様々な実施例において送信器という語は異なって解釈され得る。場合によってはこれは光学送信デバイスをあらわしてもよく、磁気共鳴イメージングシステムへデータを送信するために光ファイバが使用され得る。
【0028】
他の実施例において送信器は無線で機能し得る。例えばWi‐Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)若しくは他の無線送信標準規格が使用されることができる。特に無線送信器の場合、これは磁気共鳴アンテナを使用するために必要な配線の数を削減し得るので有益であり得る。例えば医師が基準マーカと一つ以上の磁気共鳴アンテナを使用してカテーテルをガイドするために医療機器を使用している場合、複数の配線を使用することはカテーテルの使用を容易にし得る。
【0029】
別の実施形態において第一のアンテナ部は第一のサドルコイルであり、第二のアンテナ部は第二のサドルコイルである。
【0030】
この実施形態において二つのサドルコイルは基準マーカにまたがり、基準マーカからの良好な磁気共鳴信号受信を可能にし得る。
【0031】
別の実施形態において第一のクランプ部は第一のアンテナ部に接続される第一の電気接点を有する。第二のクランプ部は第二のアンテナ部に接続される第二の電気接点を有する。クランプは電気接続を形成するように第一の電気接点を第二の電気接点へ接続するために動作可能である。第一のアンテナ部と第二のアンテナ部は単一表面コイルを形成するように動作可能である。この実施形態は表面コイルが基準マーカ付近に好都合に置かれることを可能にするので有益であり得る。
【0032】
別の実施形態において磁気共鳴コイルアセンブリは基準マーカを検知するための基準マーカセンサシステムをさらに有する。
【0033】
別の実施形態において基準マーカセンサシステムは以下のうちのいずれか一つを有する:クランプが閉構成で閉じられるかどうかを検知するためのスイッチ、基準マーカが信号受信ボリューム内にあるかどうかを決定するため及び/又は基準マーカのタイプを決定するために磁気共鳴アンテナのインピーダンスを測定するためのインピーダンス測定システム、並びにそれらの組み合わせ。この実施形態は、基準マーカが磁気共鳴コイルアセンブリに適切に挿入されることを保証するのに役立ち得るので有益であり得る。
【0034】
別の実施形態において、医療機器は基準マーカセンサシステムが基準マーカを検知する場合に信号を表示するために動作可能なインジケータをさらに有する。これは磁気共鳴コイルアセンブリを用いるオペレータ若しくは医師が、基準マーカが磁気共鳴コイルアセンブリへ適切に挿入されるかどうかを簡便に知ることができるので、有益であり得る。
【0035】
別の実施形態において医療機器は基準マーカをさらに有する。
【0036】
別の実施形態において基準マーカは医療デバイスのシャフトを有するか若しくはシャフトを受けるように動作可能である。この実施形態は、シャフト若しくはインサータ若しくはカテーテルの場所が医療機器を用いて決定されることができるので有益であり得る。
【0037】
別の実施形態においてクランプは閉構成にあるときに磁気共鳴コイルアセンブリへシャフトを固定するために動作可能である。例えば磁気共鳴コイルアセンブリが閉じられるとき、これはシャフトを締め付けるか若しくはつかみ得る。
【0038】
別の実施形態において基準マーカはシャフト用の孔を有する。基準マーカはトロイダルである。基準マーカはシャフトを囲む磁気共鳴検出可能物質で満たされる管を有する。管はギャップを持つ。シャフトはギャップを通して孔に対して直角に取り外されるように動作可能である。この実施形態は、例えばカテーテルの挿入後に基準マーカを取り除くことが望まれ得るので、有益であり得る。
【0039】
別の実施形態において基準マーカはオブジェクトに付着するための接着剤を有する。例えばオブジェクトは被検者であり得る。基準マーカをオブジェクト若しくは被検者上に置くことは、オブジェクト若しくは被検者へのエントリポイントを決定するために有用であり得るので、有益であり得る。
【0040】
別の実施形態において医療機器はインターベンションデバイスを有する。
【0041】
別の実施形態においてインターベンションデバイスは基準マーカを有する。基準マーカはインターベンションデバイスに取り付けられるか若しくは永久的に取り付けられ得る。
【0042】
基準マーカは一部の実施形態においてトロイダル形状信号ボリュームを含み得る。これは一つ若しくは二つのマーカのみで、ただし点状マーカの場合にあり得るように針の軸をブロックすることなく、針の軸の位置及び/又は配向の測定を可能にし得る。従って、本発明の実施形態はいかなる針状デバイスにも適合し、付加的に、例えばスタイレット若しくは生検デバイスなどの二次デバイスが中空針へ導入されることができる。
【0043】
別の実施形態においてインターベンションデバイスは針である。
【0044】
別の実施形態においてインターベンションデバイスはリニアアブレーションプローブである。
【0045】
別の実施形態においてインターベンションデバイスはクライオプローブである。クライオプローブは低温流体を供給するか、又はプローブ先端付近を極低温度に冷却して、組織をアブレーション点まで冷却する。
【0046】
別の実施形態においてインターベンションデバイスはレーザアブレーションプローブである。
【0047】
別の実施形態においてインターベンションデバイスは生検針である。
【0048】
別の実施形態においてインターベンションデバイスは中空針である。
【0049】
別の実施形態においてインターベンションデバイスはマイクロ波プローブである。マイクロ波プローブはシャフトの先端付近で組織にマイクロ波エネルギーを供給するために適している。
【0050】
別の実施形態においてインターベンションデバイスはガイドワイヤ送達システムである。ガイドワイヤは例えば中空針若しくは他の構造を用いて送達され得る。そしてガイドワイヤは別のインターベンション装置をターゲットゾーンへ送達するために使用され得る。
【0051】
別の実施形態において医療機器は被検者から磁気共鳴データを収集するための磁気共鳴イメージングシステムをさらに有する。医療機器はシャフトを有する医療デバイスをさらに有する。シャフトは被検者へ挿入されるために適している。基準マーカはシャフトに取り付けられるために動作可能である。医療機器は医療機器を制御するためのプロセッサをさらに有する。医療機器はプロセッサによる実行のためのマシン実行可能命令を記憶するためのメモリをさらに有する。命令の実行はプロセッサに磁気共鳴データを収集させる。命令の実行はさらにプロセッサに磁気共鳴データを磁気共鳴画像へ再構成させる。命令の実行はさらにプロセッサに磁気共鳴画像内のターゲットボリュームの選択を受信させる。
【0052】
命令の実行はさらにプロセッサに、磁気共鳴アンテナから磁気共鳴場所データを繰り返し収集させる。磁気共鳴場所データは第一の磁気共鳴基準マーカの場所を記述する。命令の実行はさらにプロセッサに、ディスプレイデバイス上にターゲットゾーンに対するシャフトの位置を示す磁気共鳴データのビューをレンダリングさせる。ビューは少なくとも場所データとターゲットボリュームの場所を用いて決定される。
【0053】
この実施形態は、シャフトが好都合に表示されるように医療機器が磁気共鳴イメージングシステムのための画像データのビューを調節することを可能にするので、有益であり得る。
【0054】
他の実施形態若しくは実施例において医療機器は各々が磁気共鳴イメージングシステムへデータを供給する複数の磁気共鳴アンテナを有し得る。磁気共鳴装置とクランプは複数の磁気共鳴アンテナへ入れるための複数の基準マーカも持つ、又は有し得る。
【0055】
本発明の上述の実施形態の一つ以上は、組み合わされた実施形態が相互排他的でない限り組み合わされ得ることが理解される。
【0056】
以下、本発明の好適な実施形態が、ほんの一例として、図面を参照して記載される。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1】磁気共鳴コイルアセンブリの一実施例を図示する。
図2】基準マーカの一実施例を図示する。
図3】基準マーカのさらなる実施例を図示する。
図4】基準マーカのさらなる実施例を図示する。
図5】基準マーカのさらなる実施例を図示する。
図6】磁気共鳴コイルアセンブリのさらなる実施例を図示する。
図7】磁気共鳴コイルアセンブリのさらなる実施例を図示する。
図8】磁気共鳴コイルアセンブリのさらなる実施例を図示する。
図9】磁気共鳴コイルアセンブリの一実施例を図示する。
図10】磁気共鳴コイルアセンブリのさらなる実施例を図示する。
図11】磁気共鳴コイルアセンブリのさらなる実施例を図示する。
図12】医療機器の一実施例を図示する。
図13図12の医療機器を操作する方法を図示するフローチャートを示す。
図14図12の医療機器を操作する代替法を図示するフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0058】
これらの図中、類似する番号の要素は均等な要素であるか若しくは同じ機能を実行する。前に論じられている要素は、機能が均等である場合、後の図中で必ずしも論じられない。
【0059】
基準マーカを有し得るトラッキングデバイス、及びMRガイドインターベンションのための方法の一実施例が記載される。これはトロイダル形状である可能性があるパッシブマーカ若しくは基準マーカと併用される二つのサドル形アクティブマーカを備える小型クランプオンデバイス(本明細書でクランプともよばれる)を有し得る。基準マーカは磁気共鳴(MR)信号ボリュームを提供する。一部の実施例においてこれらのトラッキングデバイスの二つがインターベンション器具(例えば生検針)の軸上に置かれる。
【0060】
パッシブマーカのトロイダル形状はその機能を損なうことなく、並びにその軸若しくはバックローディング性能を妨げることなく、いかなる針状器具の位置及び配向の測定も可能にする。従って、例えばスタイレット若しくは生検デバイスなどの二次デバイスが中空針に導入されることができる。
【0061】
トラッキングデバイスのクランプオン機構は以下を可能にし得る:
‐インターベンション中の任意の点における容易な配置と除去
‐インターベンションデバイスの軸へのアライメントと固定
‐パッシブマーカの固定。
【0062】
トラッキングデバイスの小型サイズと低重量は、針デバイスを患者の中へ進めるときに要求される妥協のない操縦性と微細な触覚フィードバックを可能にする。
【0063】
低価格の使い捨てパッシブマーカと無菌用の付属部品が開示される。同様のプロトタイプシステム実施例はWiPである。
【0064】
インタラクティブリアルタイムMRI及び条件付きMR器具の利用可能性は、特に針若しくはリニアアブレーションプローブで実行される経皮手術においてMRガイダンスの使用増につながっている。電離放射線がないことに加え、MRガイダンスはかかる手術にとって多数の利点を提供し、その最も重要な一つは、CT若しくはUSと比較する場合、MRの軟組織コントラストとフルトモグラフィ(断層撮影)能である。従来技術の臨床MRガイド経皮インターベンションは術前3D MR画像を使用してデバイス経路を計画し、デバイスをターゲットとアラインしてその挿入をガイドするために定位デバイスが使用され、これはほとんどMRボア外で実行される。最後に、デバイスがターゲットに達したことを確認するためにMRが使用される。
【0065】
定位手術は組織運動/変形及び針の曲げに起因するレジストレーションエラーを生じやすいので、また複雑なワークフロー(ボアを出入りする患者)を伴うので、今日では、デバイスがMR内部のリアルタイム画像ガイダンス下で進められる手術を先端センターが実践している。これはターゲット病変とデバイスを高顕著性で視覚化する専用MRシーケンスによって、並びにワイドボア及びオープンマグネットMRシステムの利用可能性によって容易にされる。
【0066】
しかしながら、このアプローチは針及び/又はターゲット病変とのイメージングスライスのアライメントを要する。スライスの手動調節が現在の実務であるが、インターベンション技師が要求されたスライス調節をMR室外のMRオペレータへ伝えることを要し、これは簡単なことではなく、経験を積んだよく同調したチームを要する。かかるフリーハンドインターベンションのワークフローをサポートし、自動化し、改良する手段が、使用の普及を助長するために必須である。
【0067】
スキャン面の自動適応のために、デバイスの位置トラッキングと各自動スキャン面定義のためのアクティブマーカの技術が使用され得る。最近、使いやすく、高速で正確なスキャン面制御を可能にする、各MRシステムソフトウェア修正を伴う手持ち式のアクティブトラック針ガイダンスツールが示された。針ガイダンスツールはMRシステムに直接接続され、最適ガイダンス及びナビゲーションのためにリアルタイムMRイメージングを制御するために使用されることができる。
【0068】
既存の基準マーカとアンテナの組み合わせは以下の欠点を持ち得る:インターベンション手術中に、インターベンションデバイスのトラッキングは常に要求されるわけではない。トラッキングデバイスは以前のデザインよりもかなり小さいが、それらは除去されることができないので、依然デバイスの取り扱いを妨げ、或いはトリップリスクをもたらす可能性がある。アイドルタイム中にそれらを分離するプラグを導入することは、信頼できる機械的/電気的接続と、容易な分離可能性との間で困難な妥協であり、(使い捨て)デバイスのコストを増す。
【0069】
本明細書で記載される小型軽量クランプオンデバイス若しくは磁気共鳴コイルアセンブリは、トロイダル形パッシブマーカ上にクランプされることができる二つのサドル形コイル(若しくは他のタイプのコイル)を備え得る。マーカとクランプオンデバイスはインターベンションデバイス(例えば針)上に置かれ、それにより、単一マーカチャネルで、B0に対するガイドの配向に関係なく、針の軸上の各点を位置特定する若しくは位置決めすることを可能にする。既知の空間関係を伴うかかるトラッキングデバイスの二つは例えば針の軸の位置及び配向を定義することを可能にし得る。クランプオン機構は必要に応じてトラッキングデバイスの容易な取り外しと再取り付けを可能にし得る。
【0070】
インターベンションデバイスの既知の位置と角度形成により、デバイス及び対応する画像面の視覚化が上記ワークフローの単純化を可能にする。
【0071】
トラッキングデバイス若しくは磁気共鳴コイルアセンブリの一実施例は、図1にスケッチされる通り、二つのクランプ部分にアクティブサドル形コイルを含む軽量クランプオンデバイスと、信号ボリュームを提供するパッシブマーカ(例えば市販の接着皮膚マーカ)とから構成され得る。
【0072】
図1は医療機器100の一実施例を示す。医療機器は磁気共鳴コイルアセンブリ102を有するものとして示される。磁気共鳴コイルアセンブリは第一のクランプ部104と第二のクランプ部106を持つ。第一のクランプ部104と第二のクランプ部106はトング形である。第一のクランプ部104は第一のアンテナ部108を持ち、第二のクランプ部106は第二のアンテナ部110を持つ。第一のアンテナ部108と第二のアンテナ部110は両方ともサドルコイルであるとみなされ得る。サドルコイル108、110間の領域は信号受信ボリュームを形成する。サドルコイル108、110はアンテナ接続112に接続される。アンテナ接続112は例えば磁気共鳴イメージングシステムの高周波受信器に接続され得る。第一のクランプ部104を第二のクランプ部106の方へ引っ張る弾性部114が示される。ピボット116は二つのクランプ部104、106がピボットまわりに回転し、弾性部114によって互いに引き寄せられることを可能にする。
【0073】
クランプ部104、106の各々はハンドル117に接続される。ハンドル117を握ることによって磁気共鳴コイルアセンブリ102は開位置になり、基準マーカ118が二つのトング形クランプ部104、106の間に挿入されることができる。この実施例では基準マーカ118が中にフィットすることができる空間がある。しかしながら、他のデザインでは基準マーカ118を収容するようにフィットされるスロット若しくは溝があってもよい。
【0074】
パッシブマーカは器具(例えば針)を通過させる中心開口を持ち得る。この場合パッシブマーカは針上に位置し、クランプオンデバイス(MRシステムに接続される)はアクティブトラッキングが必要なときのみそれにクランプされる(図4参照)。クランプオンデバイスはクランプ力を通じてそれ自体及びパッシブマーカを固定し、アラインする。パッシブマーカは既知の幾何学形状を持ち、クランプのインナーシェルによって近接して囲まれ得る。
【0075】
クランプの中心軸に沿ったアライメント/固定ノッチ(例えば異なる直径に適応し、クランプされるデバイスへの摩擦を増すダイヤモンド形状)は針上にトラッキングデバイスを中心に置き、固定する。
【0076】
クランプのシェルの少なくとも一つの側壁が十分に薄く、アライメントノッチが十分に大きい場合、クランプは針の容易な挿入を可能にしながらエントリポイントを定義するために患者の皮膚へ取り付けられるパッシブマーカ上に置かれることもできる。
【0077】
基本的なトラッキング機能に加えて、(例えば機械的スイッチによる又は検出されるMR若しくはインピーダンス信号の量の変化による)クランプ開口の検知が、インターベンションセットアップの態様を制御するために、例えば画像収集を開始/停止するため、異なるクランプデバイスタイプを検出するため、並びにそのキャリブレーション若しくは視覚化を修正するために、使用されることができる。即時検知性能はトラッキングSNRを検出するためにMR測定を実行するオプションに存在する。開いた/離れたクランプは信号を持たず、従って検出可能である。
【0078】
中心アライメント及び固定ノッチセクションのための異なる機械的インサートが、それらが所定デバイス(例えば異なる直径の針)若しくはマーカを含む付着点に特異的にフィットするように適応され得る。これらのインサートはクランプデバイスに取り付けられる(及びクランプが開かれるときに開く)か、又はトラックされるインターベンションデバイスに取り付けられることができる。この"機械的デバイス識別"は、それらの各幾何学モデルとその結果として変換される座標系によって記述される多数の他のデバイスへの空間的基準を維持するために使用されることができる。
【0079】
別の実施例では、非回転対称付着点(及びクランプインサート)が非回転対称マーカボリュームと併用して、一つのマーカだけで及び/又はその長手方向デバイス軸まわりの回転でデバイスをトラックすることを可能にし得る。
【0080】
上記実施例はトロイダル形状を持つパッシブマーカに基づいていた。代替的に、このトロイドは、針が適所にとどまりながら針上にクランプされ針から外されることができるように、片側にギャップを持ち得る。
【0081】
最終的に、個別部品としてのパッシブマーカの使用は完全に除外され得る。代わりに、信号ボリュームはクランプオンデバイスのサドルコイルに組み込まれ得る。これは針位置を常に受動的に見つけるオプションを失うことを犠牲に、トラッキングデバイス全体の迅速な取り外しを可能にする。
【0082】
パッシブマーカは無菌使い捨てデバイスとして製造され包装され得る。無菌環境でのクランプオンデバイスの使用は、針上にクランプされる前にクランプオンデバイスの上に巻かれることができる無菌専用使い捨てプラスチックドレープを設けることによって可能になる。ドレープの形状はクランプオンデバイスの形状にぴったりフィットするように適応される。
【0083】
リアルタイムトラッキングデバイスは小型で、軽量であり、最小限の配線を備え得る。
【0084】
これは、臨床ワークフロー/インターベンションステージによって要求される通り、トラックされるデバイスにアライン及び固定されるだけでなく、デバイスから容易に取り外されることができる。
【0085】
パッシブマーカと無菌ドレープは使い捨てデバイスとして実現され、デバイスに基づく収益を生じることを可能にする。
【0086】
本発明は線形形状(若しくは他の記載の実施形態では任意形状)のデバイスで実行される全てのMRガイドインターベンションに適用されることができる。
【0087】
図2は基準マーカ118の斜視図200と断面図202を示す。断面図202においてケース材料206に包まれるMR信号発生物質204の管があることが見られる。例えばケース材料206はプラスチックであり得る。MR発生物質204は例えば使用されている特定磁気共鳴プロトコルによってピックアップされ得る水若しくは脂肪若しくは他の材料であり得る。
【0088】
図3は基準マーカ300のさらなる実施例を示す。基準マーカ300は斜視図302と断面図304で示される。基準マーカ300は球状若しくはシャフト形オブジェクトを受けるために動作可能な貫通孔306がある点を除き図2に示すものと同様である。基準マーカ300は医療器具若しくはデバイスのシャフト上に置かれ得る。これは磁気共鳴イメージング中の手順において使用されるときに医療器具若しくはツールの位置を位置決めするために有用であり得る。
【0089】
図4は基準マーカ400のさらなる実施例を示す。基準マーカ400は図3に示すものと同様であるが、付加的にリムーバブルプラグ406がある。MR信号発生物質204にギャップ408がある。固体である代わりに、シャフトがシャフトの軸に垂直な方向に孔306から取り外されることを可能にするように引っ張り出されることができるリムーバブルプラグ408がある。この実施形態は医療器具が位置付けられた若しくは使用された後に取り外すことが望まれる場合に有益であり得る。例えばカテーテルが挿入された後、カテーテルを再度取り外して基準マーカ400を外すことは不都合であり得る。これは基準マーカ400がシャフトを動かすことなく容易に取り外されることを可能にする。
【0090】
図5は基準マーカ500のさらなる実施例を示す。基準マーカ500は図3に示すものと同様である。しかしながら、孔の内部に永久に取り付けられるシャフト506がある。例えば医療器具は基準マーカ500が事前に取り付けられ位置付けられた状態で販売され得る。
【0091】
図6は医療機器のさらなる実施例を示す。医療機器600は磁気共鳴コイルアセンブリ102'を有するものとして示される。磁気共鳴コイルアセンブリ102'は第一のクランプ部104'と第二のクランプ部106'を有する。先と同様、第一のクランプ部104'に埋め込まれる第一のアンテナ部108'と、第二のクランプ部106'に埋め込まれる第二のアンテナ部110'がある。この実施例におけるアンテナは図1に示すものとは異なる。この場合アンテナ部108'、106'は基準マーカ118まわりに表面コイルを形成する。二つのクランプ部104'、106'を一緒にまとめるラッチ602がある。第一の電気接点604が第一のアンテナ部108'の一端にあり、第二の電気接点606が第二のアンテナ部110'のもう一端にある。クランプ602は第一及び第二の電気接点604、606を互いに押し付ける。閉位置において第一のアンテナ部108'と第二のアンテナ部110'は単一表面コイル若しくはアンテナを基準マーカ118まわりに形成する。第一のコイルはリード112を用いて磁気共鳴イメージングシステムの高周波受信器に接続され得る。二つのクランプ部104'、106'はピボット116によってヒンジされるものとして示される。
【0092】
図7は医療機器700のさらなる実施例を示す。医療機器700は図6に示す医療機器600と同様である。しかしながら、受信器に接続するリード112の代わりに基準マーカ700は表面コイル108'、110'に直接接続される受信器704を持つ。受信器704と送信器706に電力供給するためのバッテリ702がある。送信器706は受信器704によって受信される信号をとり、磁気共鳴イメージングシステムへそれを再送する。バッテリ702は電力供給するケーブル若しくは任意の他のエネルギー収集手段によって置き換えられ得る。受信器704は本質的に表面コイル108'、110'上の信号をデジタル化し、そして送信器706がそれを磁気共鳴イメージングシステムへ送信するプロトコルを使用する。送信器706は例えばWi‐Fi(登録商標)若しくはBluetooth(登録商標)送信器又は他の高周波送信システムであり得、これは例えば光ファイバを介して光学的に送信されてもよい。図7に示される受信器と送信器の配置は図1に示されるような他の実施形態にも適用され得る。
【0093】
図8は医療機器800のさらなる実施例を示す。図8に示す医療機器800は図7に示すものと非常に似ている。しかしながら、付加的にビジュアルインジケータ802がある。例えば基準マーカ118が適切に設置されるときに閉じられる埋め込みスイッチがあり得る。代替的に基準マーカ118が存在する場合に表面コイル108'、110'のインピーダンスも変更され得る。例えば受信器704は表面コイル108'、110'のインピーダンスを測定することができるトランシーバによって置き換えられ得る。基準マーカ118が検出されるとき、ビジュアルインジケータ802が点灯され、基準マーカ118が適切に設置されていることをオペレータに示し得る。かかるインジケータ802は図1に示す実施例とも使用され得る。
【0094】
図1図6図7及び図8において、本願に図示又は記載の基準マーカのいずれもが使用され得る。付加的に図2‐5に示す基準マーカはオブジェクトに若しくは被検者の表面に付着する接着層を片側に持ってもよい。
【0095】
図9は磁気共鳴アンテナ回路の略図900の一実施例を示す。図10及び11は医療機器100のさらなる実施例を示す。
【0096】
図10は磁気共鳴コイルアセンブリ1000のさらなる実施例の斜視図1002を示し、図11は上面図1100を示す。機構は図1に示すものと同様である。しかしながら、サドルコイルまわりに空間がない。二つのクランプ部104、106はヒンジ1004によって結合される。クランプ部104、106はシャフト1006と基準マーカ300を締め付ける。ダイヤモンド形状のアライメント及び固定ノッチ1008がある。二つのクランプ部104、106の間にギャップ1010がある。基準マーカ300は内部サドルコイルによって部分的に囲まれる。矢印1012は内部スプリングによって加えられる閉じる力の方向をマークする。
【0097】
図12は本発明の一実施形態にかかる医療機器1200を示す。医療機器1200は磁気共鳴イメージングシステム1202を有する。磁気共鳴イメージングシステム1202はオープン磁石1204を有する。オープン磁石において、二つの超電導コイルが互いに重なり合って取り付けられ、それらはヘルムホルツコイルと同様に磁場を生じる。オープン磁石1204の利点はこれが被検者1210への容易なアクセスを提供することである。
【0098】
磁石1204は超電導コイルとともに液体ヘリウム冷却クライオスタットを持つ。永久磁石若しくは抵抗磁石を使用することも可能である。異なるタイプの磁石の使用も可能であり、例えばスプリット円筒磁石及び円筒磁石の両方を使用することも可能であるが、両方ともオープン磁石よりは使いにくい。スプリット円筒磁石は磁石のiso‐planeへのアクセスを可能にするためにクライオスタットが二つのセクションに分割されている点を除き、標準円筒磁石と同様である。オープン磁石は被検者を受け入れるために十分な大きさの空間を間に持つ上下の二つの磁石セクションを持つ。上述の通り二つのセクションの配置はヘルムホルツコイルのものと同様である。オープン磁石は、被検者があまり閉じ込められないので、一般的である。円筒磁石のクライオスタットの内部に、超電導コイルの集合がある。磁石1204内に、磁場が磁気共鳴イメージングを実行するために十分に強く均一である、イメージングゾーン1208がある。
【0099】
磁石1204の内部に、磁石のイメージングゾーン内の磁気スピンを空間エンコードするために磁気共鳴データの収集のために使用される傾斜磁場コイル1206がある。傾斜磁場コイル1206は傾斜磁場コイル電源1207に接続される。傾斜磁場コイルは代表例の意図である。典型的に傾斜磁場コイルは三つの直交空間方向に空間エンコードするための三つの個別コイルセットを含む。傾斜磁場電源は傾斜磁場コイルに電流を供給する。磁場コイルへ供給される電流は時間の関数として制御され、ランプ若しくはパルス化され得る。被検者1210は被検者支持台1212上に横になり、部分的にイメージングゾーン1208内にある。
【0100】
表面コイル1214は被検者1210の表面上にあるとみられ得る。表面コイル1214はイメージングゾーン内の磁気スピンの配向を操作するため、及び同様にイメージングゾーン内にあるスピンからの無線伝送を受信するための高周波アンテナである。表面コイル1214はトランシーバ1216に接続される。高周波トランシーバ1216は個別の送信及び受信コイル並びに個別の送信器と受信器によって置き換えられ得る。高周波トランシーバは単に代表例であることが理解される。表面コイルは専用送信アンテナ及び専用受信アンテナをあらわすことが意図される。例えば、磁気共鳴イメージングシステムは磁気スピンを励起するためのボディコイルも含み得る。同様にトランシーバは個別送信器と受信器もあらわし得る。トランシーバ1216はマルチチャネルトランシーバであり、これは磁気共鳴コイルアセンブリ102と表面コイル1214へ接続される。磁気共鳴コイルアセンブリ102は基準マーカ300まわりにクランプされている。磁気共鳴コイルアセンブリと基準マーカの他の実施例が描かれたものの代わりに使用されてもよい。付加的に、一つより多くの磁気共鳴コイルアセンブリと基準マーカが使用され得る。
【0101】
被検者1210内にターゲットゾーン1218がある。シャフト若しくは針1220が被検者1210の中に挿入されている。磁気共鳴基準マーカ300はシャフト1220上にある。磁気共鳴基準マーカ300はトランシーバ1216にも接続される。トランシーバ1216と傾斜磁場コイル電源1207はコンピュータシステム1224のハードウェアインターフェース1226に接続される。コンピュータシステムはプロセッサ1228をさらに有する。プロセッサ1228はコマンド信号を磁気共鳴イメージングシステム1202へ送受信するためにハードウェアインターフェース1226を使用する。プロセッサ1228はハードウェアインターフェース1226を介して磁気共鳴イメージングシステム1202を制御することができる。
【0102】
プロセッサ1228はさらにユーザインターフェース1230、コンピュータストレージ1232、及びコンピュータメモリ1234に接続される。コンピュータストレージ1232は磁気共鳴データ1240を含むものとして示される。コンピュータストレージ1232はさらに磁気共鳴データ1240から再構成される磁気共鳴画像1242を含むものとして示される。コンピュータストレージ1232はさらにターゲットゾーン1218の場所1244を含むものとして示される。これらはターゲットゾーン1218の座標である。コンピュータストレージ1232はさらに磁気共鳴場所データ1246を含むものとして示される。コンピュータストレージ1232はターゲットゾーン1218に対するシャフト1220の関係を示す、レンダリングされている画像1248を含むものとして示される。
【0103】
コンピュータメモリ1234はさらに制御モジュール1250を含むものとして示される。制御モジュール1250は医療機器1200の動作と機能を制御するためのコンピュータ実行可能コードを含む。コンピュータメモリ1234はさらに場所識別モジュール1252を含むものとして示される。場所識別モジュール1252は磁気共鳴場所データ1246を用いて磁気共鳴基準マーカ300の場所を決定することができる。コンピュータメモリ1234はさらに画像セグメンテーションモジュール1254を含むものとして示される。画像セグメンテーションモジュール1254は磁気共鳴画像1242を用いてターゲットゾーン、シャフトエントリポイント、及び/又は解剖学的構造を位置決めするために適している。コンピュータメモリ1234はさらにレンダリングモジュール1256を含むものとして示される。レンダリングモジュール1256は最低でも、磁気共鳴場所データ1246とターゲットゾーン1244の場所を用いて画像1248を生成するために使用される。コンピュータメモリ1234はさらに画像再構成モジュール1258を含むものとして示される。画像再構成モジュール1258は磁気共鳴データ1240から磁気共鳴画像1242を再構成するためのコンピュータ実行可能コードを含む。
【0104】
ユーザインターフェース1230の一部としてグラフィカルユーザインターフェース1260がディスプレイデバイス上に表示される。グラフィカルユーザインターフェース1260内に画像1262がある。これは磁気共鳴画像であり得るか又は生成される画像であり得る。画像1262内に被検者1264の場所が示される。被検者1264内にターゲットゾーン1268がある。ターゲットゾーン1268に対するその位置とともに針1270も示される。1272とマークされた点は被検者1210、1264へのシャフト1220のシャフトエントリポイント1272である。
【0105】
図13図12に示す医療機器を操作する代替方法を図示するフロー図を示す。ステップ1300において磁気共鳴データが収集される。ステップ1302において磁気共鳴画像が磁気共鳴データを用いて再構成される。ステップ1304において被検者内のターゲットボリュームの選択が受信される。これは例えば手動で実行され得、選択はグラフィカルユーザインターフェースから受信され得る。他の実施形態においてターゲットボリュームはセグメンテーションモジュールを用いて自動的に磁気共鳴画像において識別される。次にステップ1306において磁気共鳴場所データが第一の磁気共鳴場所マーカから収集される。ステップ1308においてディスプレイデバイス上にビューがレンダリングされる。ビューはターゲットボリュームに対するシャフトの場所を示す。一部の実施形態において磁気共鳴画像はビュー上にも表示される。ステップ1306と1308はインターベンションデバイスを用いる手順中に繰り返される。
【0106】
図14図12に示す医療機器を操作する代替方法を図示するフロー図を示す。ステップ1400において磁気共鳴データが収集される。ステップ1402において磁気共鳴画像が磁気共鳴データを用いて再構成される。ステップ1404において磁気共鳴画像におけるターゲットボリュームの選択が受信される。ステップ1406において磁気共鳴場所データが第一の磁気共鳴場所マーカから収集される。次にステップ1408において磁気共鳴データが再収集される。ステップ1410において磁気共鳴画像が再収集された磁気共鳴データを用いて再構成される。ステップ1412においてビューがディスプレイデバイス上にレンダリングされる。ビューはターゲットボリュームに対するシャフトの場所を示し、磁気共鳴画像がビューの一部として表示される。ステップ1406、1408、1410及び1412はシャフトを有するインターベンションデバイスを用いる手順中に繰り返される。
【0107】
本発明は図面と以下の説明において詳細に図示され記載されているが、かかる図示と記載は例示若しくは説明であって限定ではないとみなされるものとする。本発明は開示の実施形態に限定されない。
【0108】
開示の実施形態への他の変更は図面、開示及び添付の請求項の考察から、請求される発明を実施する上で当業者によって理解されもたらされることができる。請求項において、"有する"という語は他の要素若しくはステップを除外せず、不定冠詞"a"若しくは"an"は複数を除外しない。単一のプロセッサ若しくは他のユニットは請求項に列挙される複数の項目の機能を果たし得る。特定手段が相互に異なる従属請求項に列挙されるという単なる事実は、これら手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示さない。コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に若しくはその一部として供給される光学記憶媒体若しくはソリッドステート媒体などの適切な媒体上に格納/分散され得るが、インターネット又は他の有線若しくは無線通信システムなどを介して他の形式で分散されてもよい。請求項における任意の参照符号は範囲を限定するものと解釈されてはならない。
【符号の説明】
【0109】
100 医療機器
102 磁気共鳴コイルアセンブリ
102' 磁気共鳴コイルアセンブリ
104 第一のクランプ部
104' 第一のクランプ部
106 第二のクランプ部
106' 第二のクランプ部
108 第一のアンテナ部
108' 第一のアンテナ部
110 第二のアンテナ部
110' 第二のアンテナ部
111 信号受信ボリューム
112 アンテナ接続
114 弾性部
116 ピボット
117 ハンドル
118 基準マーカ
200 斜視図
202 断面図
204 MR信号発生物質
206 ケース材料
300 基準マーカ
302 斜視図
304 断面図
306 孔
400 基準マーカ
402 斜視図
404 断面図
406 リムーバブルプラグ
408 ギャップ
500 基準マーカ
502 斜視図
504 断面図
506 シャフト
600 医療機器
602 クランプ
604 第一の電気接点
606 第二の電気接点
700 医療機器
702 バッテリ
704 送信器
706 送信器
800 医療機器
802 ビジュアルインジケータ
900 磁気共鳴アンテナ回路
1000 医療機器
1002 斜視図
1004 ヒンジ
1006 シャフト
1008 アライメント及び固定ノッチ
1010 ギャップ若しくは開口
1110 上面図
1200 医療機器
1202 磁気共鳴イメージングシステム
1204 オープン磁石
1206 傾斜磁場コイル
1207 傾斜磁場コイル電源
1208 イメージングゾーン
1210 被検者
1212 被検者支持台
1214 表面コイル
1216 トランシーバ
1218 ターゲットゾーン
1220 シャフト
1224 コンピュータシステム
1226 ハードウェアインターフェース
1228 プロセッサ
1230 ユーザインターフェース
1232 コンピュータストレージ
1234 コンピュータメモリ
1240 磁気共鳴データ
1242 磁気共鳴画像
1244 ターゲットゾーンの場所
1246 磁気共鳴場所データ
1248 画像
1250 制御モジュール
1252 場所識別モジュール
1254 画像セグメンテーションモジュール
1256 レンダリングモジュール
1258 画像再構成モジュール
1260 グラフィカルユーザインターフェース
1262 画像
1264 被検者
1268 ターゲットゾーン
1270 シャフト
1272 シャフトエントリポイント
図1
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