特許第6397039号(P6397039)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6397039
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】部品実装装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20180913BHJP
   H05K 13/08 20060101ALI20180913BHJP
【FI】
   H05K13/04 Z
   H05K13/08 A
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-551405(P2016-551405)
(86)(22)【出願日】2014年9月30日
(86)【国際出願番号】JP2014076171
(87)【国際公開番号】WO2016051533
(87)【国際公開日】20160407
【審査請求日】2017年7月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 光弘
【審査官】 須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−099325(JP,A)
【文献】 特開昭62−166402(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/112064(WO,A1)
【文献】 特開2002−139379(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/04
H05K 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部品および第2部品の少なくとも2部品を同一の基板に実装する部品実装装置であって、
前記第1部品の特性値を測定する特性値測定装置と、
前記第1部品と前記第2部品をそれぞれ前記基板に実装するヘッドと、を備え、
前記第2部品は、前記ヘッドから情報を受信する受信部と、抵抗値が可変の可変抵抗部と、前記可変抵抗部の抵抗値を制御する制御部と、を備えるデジタルポテンショメータであり、
前記ヘッドは、前記特性値測定装置から情報を受信する受信部と、前記第2部品へ情報を送信する送信部と、前記可変抵抗部に電流を流す電源と、前記第1部品の特性値に応じた前記第2部品の抵抗値を記憶している記憶部と、制御部と、を備え、
前記ヘッドの前記制御部は、前記特性値測定装置により測定された前記第1部品の特性値を前記受信部を介して前記特性値測定装置から受信し、受信した前記第1部品の特性値に応じた前記第2部品の抵抗値を前記記憶部から特定し、特定した前記第2部品の抵抗値を前記送信部を介して前記第2部品に送信し、
前記ヘッドの前記電源は、前記第2部品の前記可変抵抗部に電流を流し、
前記ヘッドの前記制御部は、前記第2部品の前記制御部に対して、前記ヘッドから送信された前記第2部品の抵抗値を前記第2部品の前記受信部を介して受信させ、前記可変抵抗部に電流が流れている状態で、受信した前記第2部品の抵抗値に基づいて前記可変抵抗部の抵抗値を調節させる、部品実装装置。
【請求項2】
前記ヘッドは、前記電源に接続された電源プローブを備え、
前記第2部品は、前記可変抵抗部に接続された電源端子を備え、
前記電源プローブが前記電源端子に接したときに、前記電源から前記可変抵抗部に電流が流れる、請求項1に記載の部品実装装置。
【請求項3】
前記基板にRFタグが取り付けられており、
前記ヘッドの前記制御部は、前記第1部品の特性値および前記第2部品の抵抗値を前記RFタグに書き込む、請求項1または2に記載の部品実装装置。
【請求項4】
前記ヘッドの前記記憶部は、前記第1部品の特性値に応じた前記第2部品の抵抗値が予め設定されているテーブルを記憶している、請求項1から3のいずれかに記載の部品実装装置。
【請求項5】
前記特性値測定装置は、前記第1部品の特性値を送信する通信パッドを備え、
前記ヘッドは、前記受信部に接続された受信プローブを備え、
前記通信パッドに前記受信プローブが接したときに、前記第1部品の特性値が前記特性値測定装置から前記ヘッドに送信される、請求項1から4のいずれかに記載の部品実装装置。
【請求項6】
前記ヘッドは、前記送信部に接続された送信プローブを備え、
前記第2部品は、前記受信部に接続された受信端子を備え、
前記送信プローブが前記受信端子に接したときに、前記第2部品の抵抗値が前記ヘッドから前記第2部品に送信される、請求項1から5のいずれかに記載の部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示の技術は、部品を基板に実装する部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2009−004714号公報)には、部品実装装置が開示されている。特許文献1に記載の部品実装装置は、ノズルを有するヘッドを備えている。ヘッドは、ノズルにより部品を保持し、保持した部品を基板に実装する。ヘッドは、複数の部品を基板に実装する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
複数の部品が基板に実装される場合、部品同士の相性が良くないと、部品が良好に機能しなくなる場合がある。例えば、一方の部品の特性値(例えば静電容量値等)が他方の部品の特性値(例えば抵抗値等)に対して適切な特性値でない場合、いずれかの部品が適切に機能しなくなる場合がある。そこで本明細書は、特性値変化が相互に影響する第1部品と第2部品を基板に実装する場合において、基板に実装された第1部品および第2部品を良好に機能させることができる部品実装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に開示する部品実装装置は、第1部品および第2部品の少なくとも2部品を同一の基板に実装する装置である。部品実装装置は、第1部品の特性値を測定する特性値測定装置と、第1部品と第2部品をそれぞれ基板に実装するヘッドとを備えている。第2部品は、ヘッドから情報を受信する受信部と、抵抗値が可変の可変抵抗部と、可変抵抗部の抵抗値を制御する制御部とを備えるデジタルポテンショメータである。ヘッドは、特性値測定装置から情報を受信する受信部と、第2部品へ情報を送信する送信部と、可変抵抗部に電流を流す電源と、第1部品の特性値に応じた第2部品の抵抗値を記憶している記憶部と、制御部とを備えている。ヘッドの制御部は、特性値測定装置により測定された第1部品の特性値を受信部を介して特性値測定装置から受信し、受信した第1部品の特性値に応じた第2部品の抵抗値を記憶部から特定し、特定した第2部品の抵抗値を送信部を介して第2部品に送信する。ヘッドの電源は、第2部品の可変抵抗部に電流を流す。ヘッドの制御部は、第2部品の制御部に対して、ヘッドから送信された第2部品の抵抗値を第2部品の受信部を介して受信させ、可変抵抗部に電流が流れている状態で、受信した第2部品の抵抗値に基づいて可変抵抗部の抵抗値を調節させる。
【0005】
このような構成によれば、第1部品および第2部品をそれぞれ基板に実装するときに、第1部品の特性値に応じた抵抗値を有する第2部品を実装することができる。よって、基板に実装されている第1部品に適した第2部品を同一の基板に実装できる。第1部品および第2部品が同一の基板に実装されると、第1部品は、第2部品の抵抗値の影響を受ける。例えば、第2部品の抵抗値が高いと、第1部品に流れる電流が低くなる場合がある。このときに、第1部品の特性値と第2部品の抵抗値との相性が良くないと、第1部品が良好に機能しない場合がある。例えば、第2部品の抵抗値が高すぎることにより、第1部品に流れる電流値が低くなりすぎ、第1部品が良好に機能しなくなる場合がある。しかしながら、上記の部品実装装置では、第1部品の特性値に応じて第2部品の抵抗値が調節されるので、第1部品が良好に機能する。また、第2部品も同様に良好に機能する。よって、基板に実装された第1部品および第2部品を良好に機能させることができる。また、ヘッドの制御部が、特性測定装置から第1部品の特性値を受信し、その特性値に応じて第2部品にその抵抗値を調整させる。ヘッドの制御部のみで処理を行うことができるため、第1部品及び第2部品の実装作業を短時間で効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】部品実装装置の概略構成を示す斜視図である。
図2】部品実装装置の概略構成を示す側面図である。
図3】第2部品の断面図である。
図4】第2部品のブロック図である。
図5】ヘッドの概略構成図である。
図6】ヘッドのブロック図である。
図7】ヘッドの記憶部に記憶されたテーブルを示す図である。
図8】部品実装装置の作動を説明する図である(1)。
図9】部品実装装置の作動を説明する図である(2)。
図10】部品実装装置の作動を説明する図である(3)。
図11】部品実装装置の作動を説明する図である(4)。
図12】部品実装装置の作動を説明する図である(5)。
図13】部品実装装置の作動を説明する図である(6)。
図14】他の実施形態に係る部品実装装置の作動を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に説明する実施形態の主要な特徴を列記する。なお、以下に記載する技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものである。
【0008】
(特徴1)ヘッドは、電源に接続された電源プローブを備えていてもよい。第2部品は、可変抵抗部に接続された電源端子を備えていてもよい。電源プローブが電源端子に接したときに、電源から可変抵抗部に電流が流れてもよい。
【0009】
(特徴2)基板にRFタグが取り付けられていてもよい。ヘッドの制御部は、第1部品の特性値および第2部品の抵抗値をRFタグに書き込んでもよい。
【0010】
(特徴3)ヘッドの記憶部は、第1部品の特性値に応じた第2部品の抵抗値が予め設定されているテーブルを記憶していてもよい。
【0011】
(特徴4)特性値測定装置は、第1部品の特性値を送信する通信パッドを備えていてもよい。ヘッドは、受信部に接続された受信プローブを備えていてもよい。通信パッドに受信プローブが接したときに、第1部品の特性値が特性値測定装置からヘッドに送信されてもよい。
【0012】
(特徴5)ヘッドは、送信部に接続された送信プローブを備えていてもよい。第2部品は、受信部に接続された受信端子を備えていてもよい。送信プローブが受信端子に接したときに、第2部品の抵抗値がヘッドから第2部品に送信されてもよい。
【0013】
以下、実施形態について添付図面を参照して説明する。図1および図2に示すように、実施形態に係る部品実装装置1は、特性値測定装置20、ヘッド40、フィーダ50およびコンベア30を備えている。部品実装装置1は、第1部品11および第2部品12を基板10に実装する装置である。
【0014】
第1部品11としては、特に限定されるものではないが、例えば、センサ、キャパシタ、メモリ、LED等の電子部品を用いることができる。第1部品11は、特性値を有している。第1部品11の特性値は、第1部品11の構成に応じて様々なものがある。例えば第1部品11の特性値としては、抵抗、静電容量、インダクタンス、インピーダンス、輝度等の電気的な特性値がある。本実施形態では、第1部品11としてキャパシタを用いており、第1部品11の特性値として静電容量を用いている。
【0015】
第2部品12としては、デジタルポテンショメータを用いることができる。第2部品12は、抵抗値を有している。第2部品12の抵抗値は可変である。第2部品12は、図3に示すように、受信端子101と、一対の電源端子102、102を備えている。また、第2部品12は、図4に示すように、受信部123、可変抵抗部124、記憶部122および制御部121を備えている。
【0016】
受信端子101は、金属により形成されており、第2部品12の表面に露出する範囲に形成されている。一対の電源端子102、102は、金属により形成されており、第2部品12の表面に露出する範囲に形成されている。一対の電源端子102、102は、可変抵抗部124に接続されている。
【0017】
受信部123は、受信端子101に接続されている。受信部123は、受信端子101を介して情報を受信する。受信部123が受信する情報は、例えば、ヘッド40から送信される。
【0018】
可変抵抗部124は、一対の電源端子102、102に接続されている。抵抗が可変の可変抵抗部124には、一対の電源端子102、102を介して電流が流れる。可変抵抗部124に流れる電流は、ヘッド40から供給することができる。
【0019】
記憶部122は、第2部品12の抵抗値を記憶する。制御部121は、可変抵抗部124の抵抗値を制御する。制御部121は、記憶部122に記憶されている情報に基づいて可変抵抗部124の抵抗値を制御する。
【0020】
図2に示すように、特性値測定装置20は、基台23、測定ステージ21および通信パッド22を備えている。基台23は、測定ステージ21および通信パッド22を支持している。
【0021】
測定ステージ21は、基台23の上に配置されている。測定ステージ21の上に第1部品11が配置される。測定ステージ21は、プローブカード(図示省略)を備えており、測定ステージ21の上に配置された第1部品11の特性値を測定可能に構成されている。プローブカードは、複数のプローブを備え、複数のプローブを介して電子部品の電気的な特性値を測定できる構成である。
【0022】
通信パッド22は、基台23の上に配置されている。通信パッド22は、測定ステージ21の隣に配置されている。通信パッド22は、測定ステージ21に電気的に接続されている。通信パッド22は、測定ステージ21により測定された第1部品の特性値をヘッド40に送信する。
【0023】
ヘッド40は、図5に示すように、ノズル41、受信プローブ43、送信プローブ44、および一対の電源プローブ45、45を備えている。また、ヘッド40は、図6に示すように、受信部403、送信部404、電源405、記憶部402および制御部401を備えている。
【0024】
ノズル41は、ヘッド本体に対してz方向に上下動するように構成されている。ノズル41は、第1部品11および第2部品12をそれぞれ保持することができる。具体的には、ノズル41は、先端部に部品を吸着するように構成されており、吸着により第1部品11および第2部品12をそれぞれ保持できる。ヘッド40は、ノズル41により第1部品11あるいは第2部品12をフィーダ50から吸着して保持し、基板10まで搬送する。また、ノズル41は、保持した第1部品11あるいは第2部品12を基板10に実装する。
【0025】
受信プローブ43および送信プローブ44は、金属により針状に形成されている。受信プローブ43および送信プローブ44は、それぞれ、ヘッド本体に対してz方向に上下動するように構成されている。受信プローブ43は、下方に移動したときに、特性値測定装置20の通信パッド22に接触する。受信プローブ43と通信パッド22が接触すると、ヘッド40と特性値測定装置20が通信可能になる。送信プローブ44は、下方に移動したときに、第2部品12の受信端子101に接触する。送信プローブ44と受信端子101が接触すると、ヘッド40と第2部品12が通信可能になる。受信プローブ43は、受信部403に接続されている。送信プローブ44は、送信部404に接続されている。
【0026】
一対の電源プローブ45、45は、金属により針状に形成されている。一対の電源プローブ45、45は、ヘッド本体に対してz方向に上下動するように構成されている。一対の電源プローブ45、45は、下方に移動したときに、第2部品12の一対の電源端子102、102に接触する。一対の電源プローブ45、45と一対の電源端子102、102が接触すると、ヘッド40と第2部品12が通電する。一対の電源プローブ45、45は、電源405に接続されている。
【0027】
受信部403は、受信プローブ43に接続されている。受信部403は、受信プローブ43を介して情報を受信する。受信部403が受信する情報は、特性値測定装置20から送信される。具体的には、受信部403は、特性値測定装置20から送信される第1部品11の特性値を受信する。
【0028】
送信部404は、送信プローブ44に接続されている。送信部404は、送信プローブ44を介して情報を送信する。送信部404が送信する情報は、第2部品が受信する。具体的には、送信部404は、第2部品12の抵抗値を第2部品へ送信する。
【0029】
電源405は、一対の電源プローブ45、45に接続されている。電源405から一対の電源プローブ45、45を介して電流が流れる。電源405から流れる電流は第2部品12に供給される。
【0030】
記憶部402は、各種の情報を記憶する。記憶部402は、例えばヘッド40の作動を制御するためのプログラム等を記憶している。記憶部402は、例えば、公知のRAMおよびROMを備えており、RAMおよびROMにより情報を記憶する。記憶部402は、図7に示すように、第1部品11の特性値に応じた第2部品12の抵抗値が予め設定されたテーブルを記憶している。このテーブルは、第1部品11の特性値と第2部品12の抵抗値を関連付けて登録している。本実施形態では、キャパシタ(第1部品11)の静電容量値(特性値)と、デジタルポテンショメータ(第2部品12)の抵抗値が対応している。このテーブルに基づいて、第1部品11の特性値に応じた第2部品12の抵抗値が特定される。
【0031】
制御部401は、ヘッド40の作動を制御する。制御部401は、記憶部402に記憶されている情報、ならびに、受信部403および送信部404により送受信される情報(部品実装装置1の本体側から送信される情報を含む)に基づいてヘッド40を制御する。制御部401は、例えば、公知のCPUを備えており、CPUにより情報処理を行う。制御部401による制御については、後に詳細に説明する。
【0032】
図2に示すように、コンベア30は、特性値測定装置20の隣に配置されている。コンベア30は、第1部品11および第2部品12を実装するための基板10を搬送および支持する。コンベア30は、複数の基板10を所定の間隔で順次搬送し、基板10に第1部品11および第2部品12が実装されるときに、基板10を支持する。
【0033】
図1に示すように、フィーダ50には、第1フィーダ50aと第2フィーダ50bが含まれる。第1フィーダ50aは、第1部品11を供給する。第2フィーダ50bは、第2部品12を供給する。第1フィーダ50aと第2フィーダ50bは、供給する部品が異なる他は同じ構成である。フィーダ50(第1フィーダ50aおよび第2フィーダ50b)は、テープフィーダであり、テープの上に並んで配置された複数の部品(第1部品11あるいは第2部品12)をテープの進行により順次供給する(図8または図11参照)。なお、部品実装装置1には、第1フィーダ50aと第2フィーダ50b以外にも、複数のフィーダ50が備えられる。こられのフィーダ50からも部品が供給され、供給された部品は部品実装装置1により基板10に実装される。ただし、本実施例では、第1部品11及び第2部品12の実装に特徴があるため、以下では、第1部品11及び第2部品12を実装するときの作動について説明する。
【0034】
次に、上記の構成を備える部品実装装置の作動について説明する。上記の部品実装装置1では、まず、図8に示すように、ヘッド40が移動し、第1フィーダ50aのテープ53により供給された第1部品11を保持する。より詳細には、ヘッド40のノズル41が、テープ53に配置されている第1部品11を吸着する。次に、図9に示すように、ヘッド40は、保持した第1部品11を特性値測定装置20まで搬送する。ヘッド40は、搬送した第1部品11を特性値測定装置20の測定ステージ21の上に配置する。また、第1部品11が測定ステージ21の上に配置されたときに、ヘッド40の受信プローブ43が下方に移動し、特性値測定装置20の通信パッド22に接触する。
【0035】
続いて、特性値測定装置20の測定ステージ21が、測定ステージ21の上に配置された第1部品11の特性値を測定する。本実施形態では、第1部品11としてキャパシタを用いており、測定ステージ21が第1部品11の特性値として静電容量値を測定する。
【0036】
続いて、測定ステージ21において測定された第1部品11の特性値が、通信パッド22および受信プローブ43を介してヘッド40に送信される。ヘッド40の制御部401は、受信プローブ43および受信部403により、特性値測定装置20から送信された第1部品11の特性値を受信する。また、ヘッド40の制御部401は、受信した第1部品11の特性値を、記憶部402に記憶する。
【0037】
続いて、図10に示すように、ヘッド40は、保持している第1部品11を、特性値測定装置20から基板10に搬送する。そして、ヘッド40は、搬送した第1部品11を基板10に実装する。
【0038】
次に、ヘッド40の制御部401は、記憶部402に記憶されているテーブルに基づいて、第1部品11の特性値に応じた第2部品12の抵抗値を特定する(図7参照)。本実施形態では、キャパシタの静電容量値に応じたデジタルポテンショメータの抵抗値が特定される。
【0039】
続いて、図11に示すように、ヘッド40が移動し、第2フィーダ50bのテープ53により供給された第2部品12を保持する。より詳細には、ヘッド40のノズル41が、テープ53に保持されている第2部品12を吸着する。次に、図12に示すように、ヘッド40は、保持した第2部品12を基板10に搬送する。そして、ヘッド40は、搬送した第2部品12を基板10に実装する。第2部品12は、第1部品11と電気的に接続される。
【0040】
第2部品12が基板10に実装されると、図13に示すように、ヘッド40の一対の電源プローブ45,45が下方に移動し、第2部品12の一対の電源端子102、102に接触する。また、第2部品12が基板10に実装されると、ヘッド40の送信プローブ44が下方に移動し、第2部品12の受信端子101に接触する。
【0041】
一対の電源プローブ45,45が一対の電源端子102、102に接触すると、ヘッド40の電源405から、一対の電源プローブ45,45および一対の電源端子102、102を介して、基板10に実装された第2部品12の可変抵抗部124に電流が流れる。よって、可変抵抗部124が通電する。
【0042】
また、送信プローブ44が受信端子101に接触すると、ヘッド40の制御部401が、送信部404を介して第2部品12に情報を送信する。より詳細には、ヘッド40の制御部401は、図7に示すテーブルに基づいて特定した第2部品12の抵抗値を第2部品12に送信する。
【0043】
第2部品12の抵抗値が第2部品12に送信されると、第2部品12の制御部121は、受信部123を介して、この第2部品12の抵抗値を受信する。また、第2部品12の制御部121は、受信した第2部品12の抵抗値を記憶部122に記憶する。また、第2部品12の制御部121は、記憶部122に記憶した第2部品12の抵抗値に基づいて可変抵抗部124の抵抗値を調節する。第2部品12の制御部121は、可変抵抗部124に電流が流れている状態で、可変抵抗部124の抵抗値を調節する。このようにして、第1部品11の特性値に応じて第2部品12の抵抗値が調節される。
【0044】
以上の説明から明らかなように、上記の部品実装装置1では、第2部品12がデジタルポテンショメータである。また、特性値測定装置20が第1部品11の特性値を測定する。また、ヘッド40が第1部品11および第2部品12をそれぞれ基板10に実装する。ヘッド40の制御部401は、特性値測定装置20により測定された第1部品11の特性値を、受信部403を介して特性値測定装置20から受信し、受信した第1部品11の特性値に応じた第2部品12の抵抗値を特定し、特定した第2部品12の抵抗値を、送信部404を介して第2部品12に送信する。また、ヘッド40の電源405は、第2部品12の可変抵抗部124に電流を流す。ヘッド40の制御部401は、第2部品12の制御部121に対して、ヘッド40から送信された第2部品12の抵抗値を、受信部123を介して受信し、可変抵抗部124に電流が流れている状態で、受信した第2部品12の抵抗値に基づいて可変抵抗部124の抵抗値を調節させる。このような構成によれば、第1部品11の特性値に応じた第2部品12の抵抗値を特定し、その抵抗値に基づいて第2部品12の可変抵抗部124の抵抗値を調節できる。これにより、第1部品11の特性値に応じた抵抗値を有する第2部品12を基板10に実装することができる。よって、第1部品の特性値に適した第2部品を基板10に実装できる。
【0045】
第1部品と第2部品が同一の基板に実装されると、第1部品は、第2部品の抵抗値の影響を受ける。例えば、第2部品の抵抗値が高くなると、第1部品に流れる電流値が低くなる場合がある。第1部品の特性値と第2部品の抵抗値との相性が良くないと、第1部品が良好に機能しなくなる場合がある。例えば、第2部品の抵抗値が高すぎることにより、第1部品に流れる電流値が低くなり、第1部品が良好に機能しなくなる場合がある。しかしながら、上記の部品実装装置1では、第1部品11の特性値に応じた抵抗値を有する第2部品12が基板10に実装されるので、第1部品11が良好に機能する。また、第2部品12も同様に良好に機能する。
【0046】
また、上記の部品実装装置1では、第1部品11の特性値の受信から第2部品12の特性値の調整までの一連の処理が、ヘッド40の制御部401で行われる。すなわち、特性値測定装置20から送信される測定結果の受信、受信した測定結果に基づく第2部品12の特性値の決定、及び、決定した特性値に基づく第2部品12の特性値の調節を、ヘッド40の制御部401が行う。ヘッド40の制御部401のみで処理を行うことができるため、第1部品11及び第2部品12の実装作業を短時間で効率的に行うことができる。また、部品実装装置1の本体側の制御部は、特性値測定装置20から送信される測定結果の受信、受信した測定結果に基づく第2部品12の特性値の決定、及び決定した特性値に基づく第2部品12の特性値の調整に関する処理をしなくてよい。このため、部品実装装置1の本体側の制御部は、ヘッド40の制御部401が上記の処理をする間、それ以外の処理を行うことができ、複数のフィーダ50から部品(第1部品11及び第2部品を含む)を基板10に実装する処理時間を短くすることができる。
【0047】
以上、一実施形態について説明したが、具体的な態様は上記実施形態に限定されるものではない。他の実施形態では、図14に示すように、基板10にRFタグ61が取り付けられている。図14において、上述の説明における構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。RFタグ61には、RFID(Radio Frequency IDentification)により情報が書き込まれる。RFタグ61は、記憶部(図示省略)を備えており、書き込まれた情報を記憶部に記憶する。また、ヘッド40が、RFタグ61と情報通信する通信部407を備えている。ヘッド40の制御部401が、通信部407を介してRFタグ61に非接触で情報を書き込む。ヘッド40の制御部401は、第1部品11の特性値および第2部品12の抵抗値をRFタグ61に書き込む。なお、RFIDの技術については、公知であるので詳細な説明を省略する。
【0048】
また、上記の実施形態では、第2部品12としてのデジタルポテンショメータが記憶部122を備えていたが、この構成に限定されるものではない。他の実施形態では、デジタルポテンショメータが記憶部122を備えていなくてもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、特性値測定装置20の通信パッド22とヘッド40の受信プローブ43を介して、有線通信により、第1部品11の特性値を送受信していたが、この構成に限定されるものではない。第1部品11の特性値の送受信は、有線通信に限定されず、無線通信により行うこともできる。例えば、特性値測定装置20およびヘッド40が、それぞれアンテナ(図示省略)を備えており、アンテナを介した無線通信により、第1部品11の特性値が送受信されてもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、ヘッド40の送信プローブ44と第2部品12の受信端子101を介して、有線通信により、第2部品の抵抗値を送受信していたが、この構成に限定されるものではない。第2部品の抵抗値の送受信は、有線通信に限定されず、無線通信により行うこともできる。例えば、ヘッド40および第2部品12が、それぞれアンテナ(図示省略)を備えており、アンテナを介した無線通信により、第2部品の抵抗値が送受信されてもよい。
【0051】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0052】
1;部品実装装置
10;基板
11;第1部品
12;第2部品
20;特性値測定装置
21;測定ステージ
22;通信パッド
23;基台
30;コンベア
40;ヘッド
41;ノズル
43;受信プローブ
44;送信プローブ
45;電源プローブ
50;フィーダ
51;リール
52;スプロケット
53;テープ
61;RFタグ
62;ライタ
101;受信端子
102;電源端子
121;制御部
122;記憶部
123;受信部
124;可変抵抗部
401;制御部
402;記憶部
403;受信部
404;送信部
405;電源
407;通信部
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