特許第6397047号(P6397047)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6397047高い生産率でのプレス焼き入れおよび被覆鋼部品の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6397047
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】高い生産率でのプレス焼き入れおよび被覆鋼部品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C21D 1/70 20060101AFI20180913BHJP
   C21D 9/00 20060101ALI20180913BHJP
   C21D 1/18 20060101ALI20180913BHJP
   C22C 38/00 20060101ALI20180913BHJP
   C23C 2/12 20060101ALI20180913BHJP
   C23C 28/00 20060101ALI20180913BHJP
   B23K 26/322 20140101ALI20180913BHJP
   B21D 22/20 20060101ALI20180913BHJP
   C22C 38/38 20060101ALN20180913BHJP
   C22C 18/04 20060101ALN20180913BHJP
   C22C 21/02 20060101ALN20180913BHJP
【FI】
   C21D1/70 E
   C21D9/00 A
   C21D1/18 C
   C22C38/00 301T
   C23C2/12
   C23C28/00 A
   B23K26/322
   B21D22/20 G
   B21D22/20 H
   B21D22/20 Z
   !C22C38/38
   !C22C18/04
   !C22C21/02
【請求項の数】22
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-559917(P2016-559917)
(86)(22)【出願日】2015年2月13日
(65)【公表番号】特表2017-518438(P2017-518438A)
(43)【公表日】2017年7月6日
(86)【国際出願番号】IB2015000143
(87)【国際公開番号】WO2015150892
(87)【国際公開日】20151008
【審査請求日】2016年11月25日
(31)【優先権主張番号】PCT/IB2014/000455
(32)【優先日】2014年3月31日
(33)【優先権主張国】IB
(73)【特許権者】
【識別番号】515214729
【氏名又は名称】アルセロールミタル
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドゥサン,クリスティーヌ
(72)【発明者】
【氏名】サナドゥル,ミシェル
【審査官】 鈴木 葉子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−515618(JP,A)
【文献】 特開2006−051543(JP,A)
【文献】 特開2005−336511(JP,A)
【文献】 特開2005−314737(JP,A)
【文献】 特開2008−195999(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/157522(WO,A1)
【文献】 特開2004−211151(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/147035(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/024831(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0085466(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C21D 1/02− 1/84
C21D 9/00− 9/44,9/50
C22C 38/00−38/60
C23C 2/00− 2/40
C23C 24/00−30/00
B32B 1/00−43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱処理のための鋼基材(1)を含み、その主面の少なくとも一方の少なくとも一部上が、アルミニウムまたはアルミニウム合金の層を少なくとも1つ含むプレコート(2)によって覆われ、前記プレコートの少なくとも一部上が、重合層(3)によって覆われ、前記重合層が、2μmから30μmの間の厚さを有し、ケイ素を含まず且つ前記層に対して表した窒素含有率が1重量%未満のポリマーから構成されるものである、板またはプレコートブランクにおいて、前記重合層が、前記重合層に対して表わした、3から30重量%の間の量の炭素顔料を含む、板またはプレコートブランク。
【請求項2】
前記ポリマーの元素が、C、H、O、Nからなるリストから選択されることを特徴とする請求項1に記載の板またはブランク。
【請求項3】
前記重合層が、水相中の分散体またはエマルジョンの形態の樹脂から得られることを特徴とする請求項1から2のいずれか一項に記載の板またはブランク。
【請求項4】
前記重合層が、非水性溶媒中の溶液の形態の樹脂から得られることを特徴とする請求項1から2のいずれか一項に記載の板またはブランク。
【請求項5】
前記重合層が、前記基材にロール圧接されたフィルムで構成されることを特徴とする請求項1から2のいずれか一項に記載の板またはブランク。
【請求項6】
前記重合層が、アクリル型の樹脂から得られることを特徴とする請求項3に記載の板またはブランク。
【請求項7】
前記重合層が、エポキシまたはアクリル型の樹脂から得られることを特徴とする請求項4に記載の板またはブランク。
【請求項8】
前記重合層が、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンまたはポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンのフィルムから構成されることを特徴とする請求項5に記載の板またはブランク。
【請求項9】
前記顔料が、少なくとも部分的に活性炭で構成されることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の板またはブランク。
【請求項10】
前記顔料が、少なくとも部分的に黒鉛で構成されることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の板またはブランク。
【請求項11】
前記重合層中の活性炭の量が、前記重合層に対して5重量%未満であることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の板またはブランク。
【請求項12】
前記アルミニウムまたはアルミニウム合金の層が、前記プレコートの厚さの50%超過を構成することを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の板またはブランク。
【請求項13】
前記プレコートが、金属間合金の層(4)であって、金属アルミニウム合金の層(5)によって覆われ、前記基材(1)と接触するものを含むことと、前記板またはブランクの少なくとも1つのプレコートされた表面上において、この重合層および前記金属アルミニウム合金(5)が区域(6)には存在せず、前記区域が、前記板またはブランクの周囲に位置することと、を特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の板またはブランク。
【請求項14】
少なくとも2つのブランクを溶接して得られる溶接ブランクであって、ブランクの少なくとも1つ(7)が、厚さeを有する請求項1から13のいずれか一項に記載のブランクであることと、ブランクの少なくとも1つが、ブランク(7)のアルミニウムまたはアルミニウム合金の層と同じアルミニウムまたはアルミニウム合金の層によって被覆された鋼基材によって構成される厚さeを有するブランク(8)であり、これらのブランク(7)および(8)の厚さが、
【数1】
であることと、を特徴とする溶接ブランク。
【請求項15】
ブランク(7)が、そのプレコート全体の上で前記重合層(3)に被覆されたブランクであることと、
【数2】
であることと、を特徴とする請求項14に記載の溶接ブランク。
【請求項16】
オーステナイト化によって、続いて、アルミニウムまたはアルミニウム合金の層を少なくとも1つ有するプレコートを含む板またはブランクをスタンピング工具内で保持することによるホットスタンピングおよび焼き入れによって得られる部品(9)であって、この部品の基材(10)の微細構造はマルテンサイトおよび/またはベイナイトを含み、この基材が、その主面の少なくとも1つ上で、この鋼基材とこのプレコートとの間の相互拡散により生じるコーティング(11)によって覆われており、このコーティング(11)が酸化物層(12)によって覆われているものにおいて、この部品(9)の表面下0から0.01μmの間の酸素の平均重量含有率が25%未満であることと、前記表面下0.1から0.2μmの間の酸素の平均重量百分率が10%未満であることと、を特徴とする部品。
【請求項17】
プレス焼き入れ部品を製造するための方法であって、連続して以下の工程:
− 熱処理用に板または鋼基材ブランクが提供される工程、
− 前記板またはブランクの主面の少なくとも一方上に、前記鋼基材と接触するアルミニウムまたはアルミニウム合金の層を少なくとも1つ有するプレコートが適用される工程、次いで
− このプレコート上に、重合層(3)が堆積される工程であって、前記重合層が、2から30μmの間の厚さを有し、ケイ素を含まず且つ該重合層に対して表す窒素含有率が1重量%未満であるポリマーから構成され、この重合層が、該重合層に対して表わした、3から30重量%の間の量の炭素顔料を含有するものである工程、次いで
− 前記ブランクまたは板が加熱され、前記鋼基材と前記プレコートとの間の相互拡散を得、且つ前記鋼に対して部分的にまたは完全にオーステナイト構造を与える工程、次いで
− 前記ブランクまたは板がホットスタンピングされ、部品を得る工程、次いで
− 前記鋼基材の微細構造が、ホットスタンピングされ、プレス焼き入れされた部品の少なくとも一部において、マルテンサイトおよび/またはベイナイトを含むように、ホットスタンピング工具内で前記部品を保持することによってそれが冷却される工程
を含む方法。
【請求項18】
この板またはブランクの厚さが、1から2mmの間であり、50から500℃の間のこのブランクまたはこの板の加熱速度が15から35℃/秒の間であることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記アルミニウムまたはアルミニウム合金の層が、前記プレコートの厚さの50%超過を占めることを特徴とする請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
このポリマーの元素が、C、H、O、Nからなるリストから選択されることを特徴とする請求項17から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
ホットスタンピングされ且つプレス焼き入れされた溶接ブランクを製造する方法であって、連続して、以下の工程:
− 少なくとも2つのブランクを溶接することによって作製される溶接ブランクであって、
− 厚さeを有する、請求項1から13のいずれか一項に従う少なくとも1つのブランク(7)、
− 厚さeを有し、上記のブランク(7)のプレコートと同一のプレコートのアルミニウムまたはアルミニウム合金の層で被覆された鋼基材から構成される少なくとも1つのブランク(8)を有し、
− ブランク(7)および(8)の厚さが、
【数3】
であるものを提供する工程、
− 前記溶接ブランクが加熱され、前記鋼基材と前記プレコートとの間の相互拡散を得、且つ前記鋼に対して部分的または完全にオーステナイト構造を与える工程、次いで
− 前記溶接ブランクがスタンピングされ、ホットスタンピングされた溶接ブランクを得る工程、次いで
− 前記ブランクが、スタンピング工具内でそれを保持することによって冷却され、前記ホットスタンピングされた前記溶接ブランクの基材の少なくとも一部にマルテンサイトおよび/またはベイナイトを得る工程
を含む方法。
【請求項22】
前記ブランク(7)がプレコート全体上で重合層(3)によって被覆されることと、
【数4】
であることと、を特徴とする、請求項21に記載の溶接され、ホットスタンピングされ且つ焼き入れされたブランクを製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱され、スタンピングされ、次いでプレス工具内で維持することにより得られる冷却の間に焼き入れされるプレコート鋼板からの部品の製造方法に関し、これらの部品は、とりわけ侵入防止機能またはエネルギー吸収機能を実行するために、自動車の構造部材として使用することが意図される。この種の部品はまた、例えば、農業機械の道具または部品を製造するために使用することができる。
【背景技術】
【0002】
この種の用途では、目的は高い機械的強度、良好な耐食性および良好な溶接性を組み合わせる鋼部品を製造することである。また、高い生産性の方法を使用してこれらのホットスタンプ部品を製造できなければならない。これらの要件は特に自動車産業においてあてはまり、そこでは目的は車両の重量を大幅に削減することである。侵入防止用部品、または、例えば、バンパー、ドア補強材または中柱のような自動車の安全性において役割を果たす部品では前記のような品質が要求される。これらの品質は、特に、その微細構造がマルテンサイト系またはベイナイト−マルテンサイト系である鋼部品により達成することができる。
【0003】
この種の部品の製造は、特に文献FR2780984号およびFR2807447号から知られており、これらによると熱処理用鋼板において切断され、金属または金属合金でプレコートされたブランクは炉内で加熱され、その後ホットスタンピングされる。プレコートは、アルミニウムもしくはアルミニウム合金、亜鉛もしくは亜鉛合金であってもよい。炉内での加熱の間、このプレコートは鋼基材と合金になり、脱炭およびスケールの形成からの鋼の表面の保護を提供する化合物を形成する。この化合物は熱間成形に適している。成形後に工具内にこの片を維持すると、急速な冷却が可能になり、そのことは鋼基材中に焼き入れされた微細構造の達成をもたらし、それは強度および硬さという良好な機械的特性に関連する。この方法は「プレス焼き入れ」として知られている。
【0004】
この種の方法では、ブランクは、通常、連続炉で加熱され、そのためブランクはこれらの炉内でローラ上を前方に移動させられる。この段階は、加熱工程を含み、その後炉内で一般に約900から950℃に温度保持される。保持温度および保持時間は、とりわけブランクの厚さおよびブランク上のプレコートの種類の関数である。生産性の理由から、炉内での加熱工程を可能な限り短縮することを可能にする方法を使用することが望まれる。この点について、文献EP2312005号は、アルミニウムプレコートを有する鋼のコイルを提供し、600から750℃で1時間から200時間の範囲の期間アニールする方法を開示する。プレアロイ生成物が得られる時点まで基材からプレコートへの鉄の拡散が起こる。切断後、これらのプレアロイブランクが、特にプレアロイング処理によって引き起こされる放射率の変化のために、より急速に加熱することができる。しかし、この方法は、事前に時間のかかるコイルのアニールを必要とする。
【0005】
文献EP2463395号も、様々な方法、即ち、黒色塗料の事前塗布、ショットブラスト、圧延、レーザーまたは酸性溶液における浸漬エッチングによる表面粗さの修正によってブランクの反射率を局所的に低下させることにより加熱段階の反応速度を加速することを提案する。この文献は、水相または溶媒相中のポリエステル/メラミン系黒色塗料中の顔料が、亜鉛メッキプレコート上に堆積された例も記載する。従来の混合割合、即ち、乾燥後の塗料層中の90から92%のポリエステルおよび8から10%のメラミン(C1530)ならびに30%という体積による最大顔料濃度を考慮すると、これらの試験で使用された塗料層中の窒素含有率は乾燥後に1.7から2.4%のオーダーである。しかし、この方法はこれらの部品の後の使用に関連する特定の重要な問題を完全に無視する。ホットスタンピング後、部品は電気泳動による塗装に適していなければならず、溶接可能で耐食性でなければならない。しかし、以下に示すように、ホットスタンピング前に高温に耐性のある従来の黒色塗料を塗布することは、これらの特性を得ることを可能にしない。
【0006】
従って、同時にホットスタンピング方法の生産性を高め、こうして得られたホットスタンピングされ且つ焼き入れされた部品が従来の工業的生産条件に適合するように、即ち、それらが、例えば、これらの部品を組み立てるための抵抗スポット溶接機の既存の設定の修正を必要としないように、この方法を制御することを可能にする方法を特定する試みがなされた。この方法は、文献EP2007545号に記載されているように、ブランクの周囲のプレコートの一部を事前にアブレーションすることを必要とする、アルミコーティングでプレコートされた溶接ブランクの製造にも適合しなければならない。
【0007】
製造条件の特定の潜在的な変動に比較的鈍感である方法を特定するための試みもされてきた。特に、その結果がプレコートされたブランクの製造条件に比較的鈍感な方法を考案する試みがなされてきた。
【0008】
また、遅延亀裂に対する優れた耐性を得ることができる方法が求められている。プレス焼き入れによって非常に高い機械的強度を有する部品が得られ、その微細構造は、例えば、部品の切断から生じるもののような応力の存在下での水素の存在により亀裂に対して敏感であり得ることが知られている。従って、遅延亀裂のリスクの増加を示さないまたはこのリスクに対する感度を低下させることすら可能にする方法を明確にする試みがなされてきた。
【0009】
異なる厚さの板から溶接ブランクを製造することを可能にする方法において、これらの溶接ブランクの異なる部品において著しく異なる加熱速度をもたらさない方法を明確にする追加の試みがなされてきた。
【0010】
最後に、その構成工程および物理的要素が法外なコストの上昇をもたらすことなく、その方法の実施を可能にする方法を考案する試みがされてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】仏国特許第2780984号明細書
【特許文献2】仏国特許第2807447号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第2312005号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第2463395号明細書
【特許文献5】欧州特許第2007545号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
驚くべきことに、本発明者らは、上記課題は、アルミニウムまたはアルミニウム合金の少なくとも1つの層を含むプレコート上にホットスタンピング前に重合層を堆積させることによって、経済的に解決できることを示し、重合層は、3から30重量%の間の量で炭素顔料を含む特定のポリマーから構成される。
【0013】
この目的を達成するために、本発明の第1の主題は、熱処理のための鋼基材1を含み、その主面の少なくとも一方の少なくとも一部上が、アルミニウムまたはアルミニウム合金の少なくとも1つの層を含むプレコート2により覆われ、プレコートの少なくとも一部上が、重合層3により覆われ、重合層3は2から30μmの間の厚さを有し、ケイ素を含まず且つ層に対して表された窒素含有率が1重量%未満であるポリマーから構成されたものである、プレコート板またはブランクであって、上記の重合層は、層に対して表わした、3から30重量%の間の量で炭素顔料を含む、プレコート板またはブランクである。
【0014】
好ましくは、ポリマーの元素はC、H、O、Nからなるリストから選択される。
【0015】
1つの好ましい実施形態では、重合層は、水相中の分散体またはエマルジョンの形態の樹脂から得られる。
【0016】
別の好ましい実施形態によれば、重合層は、非水性溶媒中の溶液の形態の樹脂から得られる。
【0017】
別の好ましい実施形態では、重合層は基材にロール圧接されたフィルムからなる。
【0018】
好ましくは、重合層はアクリル型の樹脂から得られる。
【0019】
1つの好ましい実施形態では、重合層は、非水性溶媒中の溶液の形態のエポキシまたはアクリル型の樹脂から得られる。
【0020】
別の好ましい実施形態では、重合層はポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンまたはポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンフィルムからなる。
【0021】
顔料は、好ましくは、少なくとも部分的に活性炭から構成される。
【0022】
1つの好ましい実施形態では、顔料は、少なくとも部分的に黒鉛から構成される。
【0023】
重合層中の活性炭の量は、層に対して重量で表して、好ましくは5%未満である。
【0024】
好ましくは、アルミニウムまたはアルミニウム合金層はプレコートの厚さの50%超過を構成する。
【0025】
本発明のさらなる対象は、上述した実施形態の1つによる板またはブランクであって、プレコートが、金属アルミニウム合金の層5によって覆われ、基材1と接触する金属間合金の層4を含むこと、および、板の少なくとも1つのプレコートされた表面上において、重合層および金属合金層は区域6には存在せず、この区域は板またはブランクの周囲に位置することを特徴とする、板またはブランクである。本発明のさらなる対象は、少なくとも2つのブランクを溶接して得られた溶接ブランクであって、ブランクの少なくとも1つ7が、厚さeを有する上記の特性のいずれか1つによるブランクであり、ブランクの少なくとも1つが、ブランク7のアルミニウムまたはアルミニウム合金の層と同じアルミニウムまたはアルミニウム合金の層によって被覆された鋼基材によって構成される厚さeを有するブランク8であり、ブランク7および8の厚さが以下のようである、溶接ブランクである。
【0026】
【数1】
【0027】
ブランク(7)は、好ましくは、プレコート全体の上で重合層3に被覆されたブランクであり、厚さeおよびeは以下のようである。
【0028】
【数2】
【0029】
本発明のさらなる対象は、アルミニウムまたはアルミニウム合金の少なくとも1つの層を含むプレコートを有する板またはブランクの、オーステナイト化によって、続いてホットスタンピングおよびスタンピング工具内で保持することによる焼き入れによって得られる部品9であって、部品の基材10の微細構造はマルテンサイトおよび/またはベイナイトを含み、基材は、その主面の少なくとも一方上で、鋼基材とプレコートとの間の相互拡散により生じるコーティング11によって覆われており、コーティング11は酸化物12の層に覆われており、部品の表面下0から0.01μmの間の、重量による酸素の平均割合は25%未満であり、表面下0.1から0.2μmの間の、重量による酸素の平均割合は10%未満である、部品である。
【0030】
本発明のさらなる対象は、プレス焼き入れ部品を製造するための方法であって、連続して以下の工程:
− 熱処理用の鋼板またはブランク基材が提供される工程、
− 板またはブランクの主面の少なくとも一方上に、鋼基材と接触するアルミニウムまたはアルミニウム合金の少なくとも1つの層を含むプレコートが行われる工程、次いで
− プレコート上に、重合層3が堆積される工程であって、重合層3は2から30μmの間の厚さを有し、ケイ素を含まず、且つその窒素含有率が層に対して表わした、1重量%未満であるポリマーから構成され、重合層3は、層に対して表わした、3から30重量%の間の量の炭素顔料を含有する工程、次いで
− ブランクまたは板が加熱され、鋼基材とプレコートとの間の相互拡散を得、鋼上に部分的にまたは完全にオーステナイト構造を得る工程、次いで
− ブランクまたは板がホットスタンピングされ、部品を得る工程、次いで
− 部品がスタンピング工具内でそれを保持することによって冷却され、鋼基材の微細構造が、部品の少なくとも一部において、マルテンサイトおよび/またはベイナイトを含むようになる工程
を含む方法である。
【0031】
1つの好ましい実施形態では、板またはブランクの厚さは1から2mmの間であり、50から500℃の間のブランクまたは板の加熱速度は15から35℃/秒の間である。
【0032】
好ましくは、アルミニウムまたはアルミニウム合金の層は、プレコートの厚さの50%超過を占める。
【0033】
1つの好ましい実施形態では、ポリマーの元素は、C、H、O、Nからなるリストから選択される。
【0034】
本発明のさらなる対象は、ホットスタンピングされ且つプレス焼き入れされた溶接ブランクを製造する方法であって、連続して、以下の工程:
− 少なくとも2つのブランクを溶接することによって作製される溶接ブランクであって、
− 厚さeを有する、上記の特徴の1つによる少なくとも1つのブランク7、
− 厚さeを有し、ブランク7のプレコートと同一のプレコートのアルミニウムまたはアルミニウム合金の層で被覆された鋼基材から構成される少なくとも1つのブランク8を含み、
− ブランク7および8の厚さは
【0035】
【数3】
のようである溶接ブランクが提供される工程、
− 溶接ブランクが加熱され、鋼基材とプレコートとの間の相互拡散がもたらされ、鋼上に部分的または完全にオーステナイト構造を付与する工程、次いで
− 溶接ブランクがスタンピングされ、ホットスタンピングされた溶接ブランクを得る工程、次いで
− ホットスタンピングされた溶接ブランクが、これをスタンピング工具内で保持することによって冷却され、ホットスタンピングされた溶接ブランクの基材の少なくとも一部にマルテンサイトおよび/またはベイナイトを得る工程
を含む方法である。
【0036】
好ましくは、本発明による、ホットスタンピングされ且つ焼き入れされた溶接ブランクは、ブランク7がプレコート全体にわたり重合層3によって被覆されることと、
【0037】
【数4】
であること、を特徴とする。
【0038】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付図面を参照して例として与えられる以下の説明で明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】ホットスタンピング前の、本発明によるプレコートされた板またはブランクの概略的な例を示す。
図2】2つのブランクが同一の厚さを有していない、本発明により溶接されたブランクの概略的な例を示す。
図3】レーザー溶接し、次にホットスタンピングされることが意図された本発明によるブランクの概略的な例を示す。
図4】本発明によるホットスタンピング片に観察された層の構成の一例の概略図である。 これらの図は、縮尺どおりに、異なる構成要素の相対的な寸法を再現しようとしないことに留意すべきである。
図5】900℃までの加熱後にホットスタンピングおよびプレス焼き入れした後の酸素含有率の表面プロファイル分析を示す。
図6】900℃までの加熱後にホットスタンピングおよびプレス焼き入れした後の炭素含有率の表面プロファイル分析を示す。
図7】900℃での処理後にホットスタンピングおよびプレス焼き入れした後の、本発明によらないプレコートされたブランクの炭素、酸素およびケイ素の表面プロファイル分析を示す。
図8】本発明によるホットスタンピング部品の表面の外観を示す。
図9】炭素顔料を有するポリマー層の事前の堆積を含まないホットスタンピング部品を示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明の方法において使用される鋼板の厚さは約0.5から4mmの間であり、自動車産業用の構造または補強部品の製造に特に使用される厚さの範囲であることが好ましい。
【0041】
基材の鋼は熱処理用鋼、即ち、オーステナイト化後に焼き入れし、クエンチングにより急冷することが可能な鋼である。
【0042】
一例として、鋼は有利には以下の元素を含み、組成は重量パーセントで表される。
− 0.07から0.5%の間、好ましくは0.09から0.38重量%の間、非常に好ましくは0.15から0.25重量%の間の炭素含有率。この元素は、焼き入れ性およびオーステナイト化処理に続く冷却後に得られる機械的強度に大きな役割を果たす。0.07重量%の含有率未満では、焼き入れ適性が低下し、プレス焼き入れ後の機械的引張強度が不十分である。0.15%Cの含有率は最も高い熱間加工区域に十分な焼き入れ性を保証することができる。0.5重量%の含有率より高いと、特に最大の厚さを有する部品に対し、焼き入れ中に欠陥の形成のリスクが増加する。また、プレス焼き入れ後の部品の屈曲時に延性を保証することが困難となる。部品の微細構造が完全にマルテンサイトである場合に、0.09から0.38%の間の炭素含有率により約1000から2050MPaの間の引張強度Rmを得ることができる。
【0043】
− その脱酸素の役割に加えて、マンガンはまた、特にそれが0.5重量%を超える、好ましくは0.8重量%を超える量で存在する場合に、焼き入れ性に大きな効果を有する。しかし、過剰な偏析を防止するために、3重量%にその添加を制限すること、非常に優先的には1.5重量%にそれを制限することが好ましい。
【0044】
− 鋼のケイ素含有率は0.02から0.5重量%の間、好ましくは0.1から0.35%の間にしなければならない。その濃度は、酸化物の過度の形成を防止するために、およびそのホット・ディップ塗布性への悪影響を防ぐために制限しなければならないが、溶鋼の脱酸素におけるその役割に加えて、この元素は鋼の焼き入れに寄与する。
【0045】
− 0.01%を超える濃度を超えると、クロムは焼き入れ性を高め、熱間加工操作後の高強度の達成に貢献する。1%、好ましくは0.3%に等しい濃度を超えると、部品の機械的特性の均一性に対するクロムの効果が飽和する。
【0046】
− アルミニウムは窒素の酸化および析出を促進する元素である。過剰量では、粗いアルミン酸塩が製鋼中に形成され、それにより延性が低下する傾向があり、その結果アルミニウム含有率は0.25重量%に制限される。0.001%の最小濃度により加工中に液体の状態で鋼を酸化することができる。
【0047】
− 過剰量では、硫黄およびリンは脆化の増大を生じる。これがこれらの元素の濃度をそれぞれ0.05および0.1重量%に制限することが好ましい理由である。
【0048】
ホウ素の含有率は0.0005から0.010重量%の間、好ましくは0.002から0.005重量%の間でなければならないが、ホウ素は焼き入れ性の面で重要な役割を果たす元素である。0.0005%の含有率を下回ると、焼き入れ性に対する十分な効果が得られない。完全な効果は0.002%の含有率に対して得られる。靭性に悪影響を与えないように、最大のホウ素含有率は0.010%、好ましくは0.005%未満でなければならない。
【0049】
− チタンは窒素に対して強い親和性を有する。それはホウ素を、この元素が遊離形態であるように保護し、それによりホウ素が焼き入れ性へ完全な効果を有することが可能になる。しかし、0.2%を超えると、溶鋼中に粗大な窒化チタンを形成するリスクが存在し、そのことは靭性に悪影響を及ぼす。チタン含有量は0.02から0.1%の間であることが好ましい。
【0050】
− 場合により、鋼は、0.001から0.3重量%の間の量でタングステン含むこともできる。示された量では、この元素は、炭化物の形成により焼き入れ性および焼き入れ適性を増大させる。
【0051】
− 場合により、鋼は、0.0005から0.005%の間の量でカルシウムを含むこともできる。酸素および硫黄と組み合わせて、カルシウムは、板またはそれらから製造された部品の延性に望ましくない影響を有する大型介在物の形成を防止する。
【0052】
鋼の組成の残部は鉄および加工に起因する不可避的不純物で構成される。
【0053】
好ましくは、重量パーセントで、0.20から0.25%のC、1.1から1.35%のMn、0.15から0.35%のSi、0.02から0.06%のAl、0.02から0.05%のTi、0.02から0.25%のCr、0.002から0.004%のB、鉄および不可避的不純物からなる残部を含む22MnB5鋼が使用される。
【0054】
鋼基材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金のプレコートを含む。後者の場合、コーティングは、従って、50重量%を超えるアルミニウム含有率を含む。好ましくは、連続的なホットディップ法によって適用される、このプレコートは、有利には7から15重量%のケイ素、2から4重量%の鉄、場合により15から30ppmのカルシウム、アルミニウムおよび加工に起因する不可避的不純物からなる残部を含有するアルミニウム−ケイ素合金である。
【0055】
プレコートは、40から45%のZn、3から10%のFe、1から3%のSi、アルミニウムおよび加工に起因する不可避的不純物からなる残部を含むアルミニウム合金であってもよい。
【0056】
プレコートは連続工程で堆積された層の重ね合わせで構成することもでき、層の少なくとも1つはアルミニウムまたはアルミニウム合金である。アルミニウムまたはアルミニウム合金の層は(この種の層が複数ある場合は、これらの層の厚さの合計)、好ましくはプレコートの厚さの50%超過を占める。
【0057】
このプレコートは、板の主表面の少なくとも一方上を、炭素顔料を含有する重合層によって覆われる。この層は、金属プレコートの全体にわたって、またはその一部上にのみ堆積させることができる。この後者の場合には、以下に説明するこの層によって付与される効果は、層が存在する区域で得られる。この層の特に熱効果に関して、熱効果はまた、層が堆積された区域に局所的に隣接する区域においてより少ない程度にあてはまる。
【0058】
この重合層は、特に、次の手順によって得ることができる。
− 水相中の分散液またはエマルジョンの形態の樹脂から始まる。具体的には、アクリル型の樹脂を用いることができる。
− 非水性溶媒中の溶液の形態の樹脂から始まる。具体的には、エポキシ型の樹脂、例えば、エポキシ−フェノールまたはアクリル樹脂を用いることができる。
− 基材板にロール圧接された熱可塑性ポリマーフィルムから始まる。具体的には、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンまたはポリブチレンテレフタレートまたはポリプロピレンフィルムを用いることができる。
【0059】
生産性と厚さの規則性の理由で、この層は、好ましくはロールコーティングにより堆積することができる。重合および/または乾燥した後、重合層が得られ、その厚さは2から30μmの間にある。2μm未満の厚さでは方法を実施するために十分な被覆率を得ることができない。30μmを超える厚さはその後の加熱時の炉の汚染のリスクの増加をもたらす。
【0060】
板またはプレコートブランクは図1に概略的に示されている。図1は、それ自体炭素顔料を含有する重合層3に覆われる金属プレコート2、によって覆われる熱処理用鋼基材1を示す。
【0061】
この段階では、鋼基材はまだ焼き入れされない、即ち、それは焼き入れに起因する構成要素を全く含まず、または少なくともごく少数の構成要素、例えば、10%未満のマルテンサイトしか含まない。板またはブランクは、本質的に平らな形状を有する。
【0062】
プレス焼き入れ方法では、鋼基材は、そのオーステナイト化をもたらす温度Tγに加熱され、その後の冷却時に、少なくとも部分的に、マルテンサイトまたはベイナイト変態を達成する。塗料で被覆された板がこのような温度に加熱される場合、Tγより高い温度Tに対して耐性である塗料、即ち、バインダーが、塗料中の顔料に関してその機能を保持する塗料を選択することが自然であろう。高温に耐性のある顔料は、一般にシリコーンまたはポリシロキサン樹脂であり、従ってケイ素を含有することが知られている。実際に、それらは非常に安定した結合を含有し、高温に耐性があるSi−O−Si鎖に基づく。しかし、本発明者らは、驚くべきことに、ケイ素を含まないポリマーを使用することが必要であることを見出した。以下に説明する有利な効果は、ポリマーの構成元素が、炭素、水素、酸素または窒素の中から選択された場合に得られる。加熱中、これらのポリマーはTγ未満の温度で分解し、炉の雰囲気の酸素と部分的に結合される。そこで、バインダーを奪われた塗料の顔料が、もはや基板に接着せず、分離された状態になるであろうことが予想される。また、加熱後、その後の電気泳動または抵抗溶接の実施を妨げることとなる、塗料の分解から発生する層が存在することになることを恐れる理由があるかもしれない。しかし、本発明者らは、驚くべきことに、これらの望ましくない結果は、本発明の条件下では生じないことを示した。
【0063】
重合層3の窒素含有率は、スタンピングに必要な温度まで加熱する間にHCN型の化合物または過剰量のアンモニアを形成するというペナルティの下で、1%、好ましくは0.5%、非常に好ましくは0.2%に制限されなければならない。
【0064】
重合層3に対して表される炭素顔料の重量含有率は3から30%の間である。3%未満では、加熱サイクル時間の低減が不十分である。30%を超えると、混合物は塗布に適さない粘度を有する。この範囲の含有率では、以下に示すように、ホットスタンピング後に得られる部品は、炭素についてほとんど何の表面濃縮も有さない。
【0065】
炭素顔料は、黒鉛または活性炭の形態であり得る。後者は高温炭化工程によって得られるが、非晶質構造および活性炭に高い吸着力を与える大きな比表面積を有する。堆積層に対して表される活性炭の重量含有率は、ポリマーとの混合に適するために5%未満でなければならない。
【0066】
金属プレコートおよび炭素粒子を含むポリマー層を含むブランクは、通常の雰囲気下で炉内で周囲温度から温度Tγ、通常900℃付近まで加熱され、それにより後続のホットスタンピングが可能になる。加熱中、層内の炭素はこの加熱工程の大部分においてブランクの表面に存在したままであり、即ち、反射率へのその影響はこの工程の大部分にわたり作用し、そのためそれはこの工程の持続時間を極めて著しく削減することに寄与する。本発明の条件下では、本発明者らは、それは徐々に加熱中に炉内の酸素と結合し、ブランクが温度Tγに達したときにほぼ完全に消えることを見出した。本発明者はまた、本発明による塗料の塗布は電気泳動によるその後の塗装に悪影響を与える可能性のある潜在的な酸化物層を除去するための後続のサンドブラスト処理を必要としないことを見出した。本発明の塗料の塗布は、ホットスタンピング後の部品の抵抗溶接に対する適性を変更せず、溶接機の設定を変更する必要がない。また、以下に示されるように、本発明に係る方法により、拡散性水素量の低減のために、ホットスタンピング部品の遅延亀裂に対する耐性を高めることができる。本発明による塗料の塗布は、ホットスタンピング部品の耐食性を低下させない。
【0067】
本発明は、
【0068】
【数5】
であるような、それぞれの厚さeおよびeを有する2つのブランク7および8を含む溶接ブランクを概略的に示す図2に図示されている、1つの特定の態様で実行することができる。これらの2つのブランクはアルミニウムまたはアルミニウム合金でプレコートされた鋼基材を含み、プレコートは両方のブランクで同一である。溶接継手は、任意の適切な方法、特にアーク溶接またはレーザー溶接によって作成することができる。この種の溶接シームがホットスタンピングのために加熱される場合は、構成部品の異なる厚さはこの2つの部品の異なる加熱速度をもたらし、ブランク7はより薄いブランク8ほど急激には加熱されない。そのことはひいては、ホットスタンピング後の部品7および8の基材およびコーティングにおいて異なる微細構造および異なる特性をもたらし得る。特定の場合には、溶接継手の異なる構成ゾーンに所望の特性を得るための、加熱温度および保持時間のような十分な操作条件を決定することはできない。
【0069】
本発明は、上述したポリマーの層が、より厚いブランク7上に3から30%の炭素顔料を含有する重合層を得るために堆積されることを教示する。より薄いブランク8は、アルミニウムまたはアルミニウム合金プレコート上にそのような層を有さない。ホットスタンピング部品上の特性の所望の均一性に依存して、ブランク7の全体にわたりまたはその一部上のみにその層を堆積することができる。溶接ブランクは、その後、炉内に配置される。塗料の層の事前の塗布により、ブランク7の放射率を高め、厚さのその違いに起因する2つのブランク7および8の間の加熱速度の差を小さくすることができる。
【0070】
本発明者らは、ブランクが、
【0071】
【数6】
であるような形態で提供される場合に、加熱の持続時間は部品7および8で実質的に同じであることを示した。何故ならば、本発明の塗料の層の塗布により、加熱サイクルに対するブランク7および8の厚さの差の影響をほぼ完全に補償するために放射率が変化し、そのことはホットスタンピングおよびプレス焼き入れ後の部品の特性の優れた均一性を保証するからである。
【0072】
ブランク7および8は、例えば、7から15重量%のケイ素、2から4%の鉄、場合により15から30ppmの間のカルシウム、アルミニウムおよび加工から生じる不可避不純物からなる残部を含有する、アルミニウム−ケイ素合金でプレコートすることができる。これらの条件下では、図3に概略的に示されているように、プレコート2は、鋼基材1と接触する、多数を占めるFeAl、FeAlおよびFeAlSiを含む、数マイクロメートルの厚さの金属間合金層4を含む。この金属間合金層4は金属合金Al−Si−Feの層5によって覆われる。より厚いブランク7上には、この層5自体が3から30%の炭素顔料を含む、上述のポリマーの層3によって覆われる。溶接時に溶融ゾーンの脆い金属間化合物の形成を防ぐために、金属合金の層5はブランクの周囲では除去され、金属間合金の薄層4を所定の位置に残す。この局所除去は、任意の手段によって、特に、パルスレーザーを用いる溶融および気化により行うことができる。本発明者らは、炭素顔料を有するポリマー層の存在はこのアブレーションを妨害しないことを示しており、除去は生産性の良好な条件で行うことができる。一例として、所望の結果は、50Wから1.5kWのレーザー出力、3から6m/mmのオーダーのアブレーション速度および300から1500nmの波長を使用して得ることができる。
【0073】
図3は、塗料の層3および金属合金の層5が、プレコートされた塗装ブランクの一端で除去された一例を示す。従って、金属間コーティング4は、このアブレーション後は表面6で露出している。図3は、アブレーションがブランクの片面で行われた例を示す。再溶融により溶融溶接金属中に導入されるアルミニウムの量を最小限にすることが望ましい場合、両面にこの除去を行うこともできる。
【0074】
ブランクは、アブレーションが行われた端部に沿って溶接される。次いで、ブランクは、加熱され、ホットスタンピングされ、プレス焼き入れされる。
【0075】
本発明者らは、本発明に係る方法は、スポット溶接および電気泳動による塗装に対する良好な適性、腐食および遅延亀裂に対する良好な耐性を有するホットスタンピング部品を製造することを可能にすることを示した。
【実施例】
【0076】
非限定的な例として、以下の実施形態は本発明によって得られる利点を説明する。
【0077】
[実施例1]
1mm厚のブランクは重量パーセントで以下の組成、即ち、0.228%のC、1.189%のMn、0.014%のP、0.001%のS、0.275%のSi、0.028%のAl、0.034%のTi、0.003%のB、0.177%のCrを有し、残部は鉄および加工に起因する不純物である鋼製で提供された。これらのブランクは各表面上に9重量%のケイ素、3重量%の鉄を含み、残部はアルミニウムおよび不可避的不純物である24μm厚のプレコートを含む。これらのブランクのいくつかの上に、2つの表面の全体に、以下の表に示す異なる条件下で、ロールコーティングによって水相中のポリマーおよび炭素顔料からなる層を堆積した。アクリルフェノキシ樹脂は、堆積層の上に、0.2%未満の窒素を含む。これらのロール被覆された層中の炭素顔料の重量パーセントは、以下の表1に示す。堆積層は、5分間70℃で釜を通過させることによって乾燥させた。
【0078】
【表1】
【0079】
熱重量分析は、アクリル樹脂の大部品が約400℃で分解することを示す。
【0080】
上記の表に示された条件下で製造された鋼ブランクを通常の雰囲気下で炉内で周囲温度から900℃まで加熱し、この温度で1分間保持し、その後スタンピング工具内でそれらを保持することによりホットスタンピングし、焼き戻し硬化した。このようにして得られた急冷により、鋼基材上にマルテンサイト構造が与えられる。機械的強度Rmは約1500MPaである。
【0081】
熱サイクルは、コーティングによる基材の鉄の合金化を引き起こし、それによって、本質的にアルミニウム、鉄およびケイ素を含む金属間合金を生じさせる。
【0082】
上記条件の各々では、加熱の持続時間
【0083】
【数7】
即ち、ブランクが周囲温度にある時とそれが900℃に達した時の間で経過する時間を測定するために熱電対を使用した。結果を表2に示す。
【0084】
【表2】
【0085】
炭素顔料を含む重合層を塗布することにより(試験I1からI5およびR1)、金属プレコート単独(試験R2)と比較して50%を超えて加熱時間を短縮することができる。
【0086】
条件I3およびR2で調製された1から2mmの間の厚さを有するブランクについて50から500℃の間の加熱中に得られた平均速度も測定した。表3に得られた結果を示す。
【0087】
【表3】
【0088】
従って、本発明の条件下では、厚さの全範囲に対し50から500℃の間で15から40℃/秒の加熱速度を得ることができる一方で、この速度は参照条件R2下では12℃/秒未満のままであることが示された。
【0089】
図5は、900℃まで加熱し、その後焼き入れしたブランクについて実行したグロー放電光学分光法による酸素分析を示す。これらの分析は、プレス焼き入れ部品の表面から始まる厚さの関数としての重量パーセントにおける酸素含有率の変化を表す。参照試験R1(ポリシロキサン系コーティング)およびR2(塗料を塗布しない金属プレコート)に関して、本発明(I3)による樹脂および炭素顔料の塗布により、最端の表面上の酸化物層の減少がもたらされる。試験I3の場合には、表面下0から0.01μmの間で測定された平均酸素含有率は16.7%であり、一方試験R2に対しては、それは30.3%である。この平均表面酸素含有率の減少により接触抵抗を低減することができ、それによりスポット抵抗溶接のための適性が向上する。特定の理論に縛られないが、本発明のポリマー層の堆積は、ある程度アルミニウム合金の下地層を保護し、表面上のアルミナの形成を減少させると考えられる。
【0090】
他の試験I4およびI5では、深さの関数としての酸素含有率の変化は図5にI3のために示したものと非常に類似していることが見出された。
【0091】
試験R1の場合、ポリシロキサン系ポリマーの使用により厚い酸化物層の形成がもたらされる。表面下0.1から0.2μmの間で測定された平均酸素含有率は18%であり、一方本発明の条件下ではそれは10%未満であり、即ち試験I3では3.8%、試験I4では3%、試験I5では4.8%である。試験R1の場合、電気泳動によるその後の塗装を行うためには、高価なサンドブラストまたはショットブラスト処理によって酸化物層を除去することが必要であり、これらの処理は本発明の場合には必要ではない。何故ならば、酸化物層がずっと薄い厚さを有するからである。
【0092】
以下の表に示すように、本発明による試験I3からI5では、プレス焼き入れ後の表面の酸素含有率は、プレコート上に堆積された重合層の厚さとは比較的無関係である。
【0093】
【表4】
【0094】
これは、炭素の粒子を有するポリマー層を堆積させる最初の工程は、厚さの点では特定の許容範囲内で行うことができ、そのため特定の高価な塗布方法の実施を必要としないことを意味する。
【0095】
本発明(試験I3およびI5)の条件下で、ポリマーと共に炭素顔料を堆積することによって、参照状況R2と比べて炭素の大幅な表面濃縮が引き起こされないことが図6で観察される。予想されたであろうものに反して、本発明者らは、炭素顔料の添加によりプレス焼き入れ処理後の先端の表面上での炭素含有率が減少すらすることを示す。これは、大気中の酸素と炭素の反応が、炉内のブランクの加熱段階中にほぼ完全に生じていることを示す。
【0096】
本発明の条件下では、加熱中に異なる温度で中断された試験は、炭素は、この工程の大部分についてブランクの表面に存在するままであること、即ち、加熱サイクルの非常に大きな部分中に反射率に及ぼす影響が直接発生することを示す。しかし、上記のように、ブランクが900℃の温度に達したとき、大気中の酸素と炭素の段階的な組み合わせにより後者の元素のほとんど完全な消失がもたらされる。
【0097】
参照条件(R1)下に置かれた堆積物の場合において、図7は、900℃まで加熱し、この温度で1分間保持し、その後ホットスタンピングおよびプレス焼き入れすることによって得られた部品について測定された炭素、酸素およびケイ素の重量含有率の変化を示す。本発明のI3からI5による試験よりも高い酸素含有率に加えて、1.5ミリオームより大きい接触抵抗の急激な増加のために抵抗溶接に対する適性を変化させる酸化物の形態で存在するケイ素の表面含有率の有意な増加がある。350daNの溶接加圧力下でスポット溶接を実行することによって、条件I2およびR2に応じて作成された部品のスポット抵抗溶接に対する適性を評価した。十分な機械的強度に関連付けられた6mmのスポット径を得ることを可能にする最小強度Iminと、それを超えると溶接の間の液体金属の排出がある最大強度Imaxの間の差によって、溶接性の範囲の幅を評価した。溶接性の範囲の幅(Imax−Imin)は条件I2およびR2に対して約1500Aであり、同等である。同様に、スポット接合部に対する横方向の引張試験の結果が同一であることが見出された。溶接強度Iminに対し、機械的強度は3370N(条件R2)および3300N(条件I2)に等しい。溶接強度Imaxに対し、機械的強度は4290N(条件R2)および4127(条件I2)に等しい。従って、本発明によるポリマーおよび炭素粒子の塗布は、スポット溶接に対する適性を変化させない。本発明は、溶接機の設定を変更することなく実現することができる。アルミニウムまたはアルミニウム合金でプレコートされ、本発明によるポリマーおよび炭素の堆積物を有する板と、プレコートのみなされた板を溶接することが、溶接条件がこれら2つの種類の板に完全に適切であることの保証の下において可能である。
【0098】
条件I1から3およびR2の下でホットスタンピングされ、焼き入れされた部品の表面を、走査型電子顕微鏡で頂点について観察した。参照条件(R2、図8)の下では、表面粗さが著しく、それにより後の電気泳動による良好な塗装性が保証される。
【0099】
図9は、本発明の条件(I2)下で製造された部品の表面粗さが類似していることを示す。条件I1およびI3に対し、同じ観察を実施した。本発明により製造された部品の表面は炭素に富んでいないことが上記で示されているので、そのことは電気泳動に対する適性がポリマーおよび炭素顔料の事前の塗布によって低下しないことを保証する。
【0100】
[実施例2]
条件I2(AlSiプレコートおよび本発明による塗装)およびR2(AlSiプレコート単独)に応じて、製造された、ホットスタンピングおよびプレス焼き入れ部品の腐食の異なる形に対する耐性を評価した。
【0101】
表面的な腐食への耐性を以下の条件で決定した。異なる深さの引っかき傷を作り、これはコーティングのみ(条件A)に影響を与えるか、または、ホットスタンピング部品の基材(条件B)にも影響を与える。これらの部品を、それ自体既知である「新VDA試験233−102」に記載の条件下での6週間の生理食塩水ミストの温度および湿度のサイクルに供した。次いで、引っかき傷のレベルでの水泡形成の幅を測定した。結果を表5に示す。
【0102】
【表5】
【0103】
参照試験R2に比べて、本発明に係る塗料の塗布は、表面的な腐食に対する耐性を低下させないことが見出された。
【0104】
穿孔腐食に対する耐性を、上記で示した「新VDA」試験条件下で12週間にわたって実施した試験により評価した。条件I2およびR2の下で製造された部品に対し測定された重量損失は以下のとおりである。
【0105】
【表6】
【0106】
参照試験R2に比べて、本発明の塗料の塗布は、穿孔腐食に対する耐性を低下させない。
【0107】
条件I2およびR2に応じてホットスタンピングされ、製造された1mmの部品を電気泳動による塗装に供した。市松模様に引っかき傷をつけた後、この電気泳動層の付着を測定し、続いて50℃の水に10日間浸漬した。本発明に係る塗料の塗布は電気泳動層の密着性を低下させないことが見出された。
【0108】
[実施例3]
両面に、9%のSiおよび3%のFeを含み、残部がアルミニウムおよび不可避的不純物である23μmの厚さのプレコートを含む1.5mmおよび2mm厚の22MnB5鋼製のブランクを得た。ブランクのいくつかに、ポリマーおよび炭素顔料からなる層を、表1に示した本発明に応じる条件I2の下で両主面全体にロールコーティングによって堆積した。他のブランクは塗装されなかった(条件R)。
【0109】
ブランクを900℃まで加熱し、この温度で1分間保持し、次にホットスタンピングし、スタンピング工具でそれらを保持することにより焼き入れした。拡散性水素含有量を、それ自体が既知である昇温脱離分析法を用いて測定した。これらのブランクの拡散性水素含有量を表7に示す。
【0110】
【表7】
【0111】
本発明の特定の塗料の堆積により、拡散性水素の含有量を非常に大きく低減することができる。理論に束縛されないが、本発明者らは、本発明による堆積物の塗布により、スタンピング前の加熱工程の間に水素を吸着することができる時間の長さが短縮すると考えている。従って、本発明は、ホットスタンピングされ、焼き入れされた部品の遅延亀裂に対する感度を大幅に低下させることができる。このため、本発明の実施により、より高い濃度の合金元素を含む鋼を利用することが可能になり、ホットスタンピング後により高い機械的強度がもたらされ、全ては遅延亀裂に関するリスクの増加なしにもたらされる。
【0112】
[実施例4]
両面に、9%のSiおよび3%のFeを含み、残部がアルミニウムおよび不可避的不純物である23μmの厚さのプレコートを含む1.2および2.5mm厚の22MnB5鋼製のブランクを得た。プレコートは金属間合金の薄い層で構成され、その大部分は鋼基材と接触した約4μm厚の、FeAl、FeAlおよびFeAlSiからなる。この金属間層は19μm厚のAl−Si系金属合金の層によって覆われている。
【0113】
ブランクのいくつかの上に、ポリマーおよび炭素顔料から構成された層を、表1に示す条件I2の下に2つの主面の全体にロールコーティングによって堆積した。
【0114】
これらのブランクを900℃まで加熱した。熱電対によって測定された熱サイクルにより、熱放射率を決定することができた。本発明により塗装された板については、熱放射率は熱サイクルの間に約0.6から0.3に低下する。塗装されていない参照板については、放射率は、加熱サイクルの間に約0.2から0.1に低下する。
【0115】
概略の図2を参照すると、厚さの異なる2つのブランクをレーザー溶接によって組み立てた。厚さeを有する、8と識別される、ブランクのより薄いものは前記アルミニウム合金でプレコートされた板で構成される。厚さeを有する、7と識別される、より厚いブランクは、同じアルミニウム合金および上の条件I2による重合層でプレコートされた板で構成される。溶接の間に溶融されたゾーン内の金属間化合物の形成を防止するために、金属間合金の薄層を所定の位置に残し、パルスレーザーを使用して、アブレーションによりブランクの外周から1.1mmの幅にわたる両面上の金属Al−Si−Fe合金コーティングを除去した。塗装されていないプレコートされたブランクの場合には、金属合金の層のみを除去した。重合層を有するプレコートされたブランクの場合には、金属合金の層と同様に重合層を、上に示した幅にわたって除去した。3m/mnのアブレーション速度により所望の結果を得ることができる。
【0116】
これらの溶接ブランクを、溶接ブランクの2つの部品7および8(厚さeおよびeを有するブランク)の各々に配置された熱電対を使用して温度を測定することにより、900℃まで加熱した。こうして部品7および8の各々における加熱時間
【0117】
【数8】
ならびにこれらの2つの部品の間の温度差を加熱の全ての瞬間で決定した。加熱サイクルの間の最大温度差
【0118】
【数9】
ならびに
【0119】
【数10】
を表8に示す。その後、溶接ブランクをホットスタンピングし、プレス焼き入れした。
【0120】
【表8】
【0121】
比較として、表9には、2mmおよび1mmのそれぞれの厚さを有する、Al−Si合金でプレコートされ、塗装されていない2つのブランクによって構成される溶接ブランクの加熱中に得られた結果を示す。
【0122】
【表9】
【0123】
本発明の条件(試験I4およびI5)の下で、加熱時間は、溶接継手を構成する2つの部品7および8で非常に類似している。これにより、オーステナイト化後の鋼基材および相互拡散によって得られたコーティングの微細構造が、溶接継手の部品7および8で非常に類似していることを確実にすることが可能になる。比較すると、参照試験R3は、溶接ブランクのより厚い部品が薄い部品よりもはるかにゆっくり900℃まで加熱される状況をもたらす。従って、厚い部品が900℃に達するように溶接継手の薄い部品が900℃で190秒間保持されることが必要な場合には、それはより薄い部品の鋼基材で望ましくないオーステナイト結晶粒の成長、またはこの部品においてプレコートと基材の間の過度の相互拡散をもたらすおそれがある。本発明の方法によれば、これらの問題を防止することができる。
【0124】
【数11】
が2.5に等しい試験I5では、加熱サイクルの任意の時点で溶接継手の2つの部品の間の温度差が特に低く、2℃未満であり、一方試験I4
【0125】
【数12】
ではその温度差は44℃に等しい。この厚さの比が2.2から2.6の間である優先的態様が、溶接ブランクの加熱中の最大限の考えられる熱均一性を目的とする場合に選択されることとなる。
【0126】
従って、本発明は、生産性が向上した条件の下で、スポット溶接および電気泳動による塗装に対する良好な適性、腐食および遅延亀裂に対する高い耐性を示すホットスタンピング片の製造を可能にする。これらの部品は、有利には、自動車の構造の分野の構造部品または補強材として使用することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9