特許第6397054号(P6397054)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6397054
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】霜及び曇りの受動式低減または解消
(51)【国際特許分類】
   G01D 11/26 20060101AFI20180913BHJP
   B60H 1/34 20060101ALI20180913BHJP
   G01D 11/24 20060101ALI20180913BHJP
【FI】
   G01D11/26 A
   B60H1/34 651C
   G01D11/24 B
【請求項の数】17
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-567490(P2016-567490)
(86)(22)【出願日】2014年5月14日
(65)【公表番号】特表2017-523389(P2017-523389A)
(43)【公表日】2017年8月17日
(86)【国際出願番号】CA2014050456
(87)【国際公開番号】WO2015172223
(87)【国際公開日】20151119
【審査請求日】2016年12月13日
(31)【優先権主張番号】14/275,541
(32)【優先日】2014年5月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】314015790
【氏名又は名称】フレクストロニクス グローバル サービシーズ カナダ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】FLEXTRONICS GLOBAL SERVICES CANADA INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100090022
【弁理士】
【氏名又は名称】長門 侃二
(72)【発明者】
【氏名】チャムチンスキ, プルゼミシャウ
(72)【発明者】
【氏名】ワーレン, ゲイリー
【審査官】 藤田 憲二
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−219817(JP,A)
【文献】 特開平02−279489(JP,A)
【文献】 特開2012−037375(JP,A)
【文献】 特開2006−184154(JP,A)
【文献】 特開平11−116884(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0199507(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 11/24−11/26
B60H 1/34
B60K 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズの曇りまたは霜を低減するように構成された乗り物用機器であって、
通気孔を備えると共に前記乗り物の第1の端部に配置されたハウジング、
前記ハウジング内の内部空間に曝された面を有するレンズ、及び
基部及び末端を有すると共に、前記基部が前記通気孔に作動的に接続されたチューブを備え、
前記機器は、気体が前記通気孔を介してのみ前記ハウジングに入ることができるように密閉され
前記ハウジングは、前記乗り物の複合計器に配置され、
前記末端は、前記ハウジングに引き込まれる気体がより低い水分量を有するように、前記ハウジング及び乗り物モータから離れた、前記乗り物の前記第1の端部と反対側の低い湿度を含む第2の端部に配置されている、
乗り物用機器。
【請求項2】
前記機器は、気体が前記チューブからのみ前記ハウジングに入ることができるように密閉されている請求項1に記載の乗り物用機器。
【請求項3】
さらに薄膜を備え、前記薄膜は、気体が前記ハウジング及びチューブの外側から前記薄膜を介してのみ前記ハウジングに入ることができるように配置されている、請求項1に記載の乗り物用機器。
【請求項4】
前記薄膜は、液体及び固体が前記ハウジング及びチューブの外側から前記ハウジングに入ることを妨げる、請求項3に記載の乗り物用機器。
【請求項5】
前記薄膜は微孔性薄膜を含んでいる、請求項4に記載の乗り物用機器。
【請求項6】
さらに通気プラグを備え、前記通気プラグは、気体が前記ハウジング及びチューブの外側から前記通気プラグを介してのみ前記ハウジングに入ることができるように配置されている、請求項1に記載の乗り物用機器。
【請求項7】
前記通気プラグは、液体及び固体が前記ハウジング及びチューブの外側から前記ハウジングに入ることを妨げる、請求項6に記載の乗り物用機器。
【請求項8】
前記通気プラグは微孔性薄膜を含んでいる、請求項6に記載の乗り物用機器。
【請求項9】
レンズを有する機器であって、
ハウジング、及び
基部及び末端を有すると共に、前記基部が前記ハウジングに作動的に接続されたチューブを備え、
前記ハウジング内に圧力低下が起きた場合、該圧力低下が前記チューブから気体を前記ハウジングに引き入れるように密閉され
前記ハウジングは、前記乗り物の第1の端部における複合計器に配置され、
前記末端は、前記ハウジングに引き込まれる気体がより低い水分量を有するように、前記ハウジング及び乗り物モータから離れた、前記乗り物の前記第1の端部と反対側の低い湿度を含む第2の端部に配置されている、
機器。
【請求項10】
前記機器は、気体が前記チューブからのみ前記ハウジングに入ることができるように密閉されている、請求項に記載の機器。
【請求項11】
機器レンズの曇りまたは霜を低減する方法であって、
通気孔、内部空間、及び内部面を有する機器ハウジングを設けるステップ、
前記内部面がレンズ面を含むように構成されたレンズを設けるステップ、及び
前記通気孔に作動的に基部を接続されたチューブを設けるステップ、を備え
前記機器ハウジングは、前記乗り物の第1の端部における複合計器に配置され、
前記チューブの末端は、前記ハウジングに引き込まれる気体がより低い水分量を有するように、前記ハウジング及び乗り物モータから離れた、前記乗り物の前記第1の端部と反対側の低い湿度を含む第2の端部に配置されている、
ている方法。
【請求項12】
前記機器は、気体が前記通気孔を介してのみ前記ハウジングに入ることができるように密閉されている、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記機器は、気体が前記チューブからのみ前記ハウジングに入ることができるように密閉されている、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記機器は、気体が前記機器の外部から前記チューブの前記末端の端部を介してのみ前記ハウジングに入ることができるように密閉されている、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
さらに、前記ハウジングを第1の端部に配置するステップ、及び前記チューブの末端の端部を第2の端部に配置するステップを備え、前記第1の端部と前記第2の端部との間に湿度差が存在する、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
さらに、前記ハウジングを第1の端部に配置するステップ、及び前記チューブの末端の端部を第2の端部に配置するステップを備え、前記第1の端部と前記第2の端部との間に温度差が存在する、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
さらに、前記レンズに曇り止め処理を施すステップを備える、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
この出願は、2014年5月12日に出願された米国非仮出願No. 14/275,541の利益を主張するものであり、参照により完全に援用される。
【0002】
本発明は、レンズまたは他の表面上の霜または曇りの低減に関し、より具体的には霜及び曇りの受動式低減または解消に関する。
【背景技術】
【0003】
結露は、物体の表面の温度が周囲空気の露点温度よりも低く下がると、その表面に生じ得る。この現象は、ガラス上の露、飲み物用グラス上の小滴、または窓あるいはレンズの曇りの形成に観察され得る。氷点に近い状態において、結露は、物体の表面上に霜の形で蓄積され得る。
【0004】
そのような曇りまたは霜は、それを介して見るのに、あるいは光を透過するのに必要なレンズまたは他の表面、例えば乗り物の計器盤のレンズに好ましくない。
【発明の概要】
【0005】
機器レンズの内側面のレンズの曇りまたは霜は、機器ハウジングをシールすることによって低減または防止することができる。比較的低い湿度を有する場所へチューブを介してハウジングに通気孔をつけることによって、当該ハウジング内の圧力の増大または減少が原因する、シールされたハウジングの損傷または破裂を避けることができると共に、ハウジング内への湿気の導入を低減するものである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】複合計器の実施例の断面図である。
図2図1に示される複合計器に類似した複合計器を有する乗り物の実施例の断面図である。
図3図1に示される複合計器に類似し、薄膜を備えた複合計器の実施例の断面図である。
図4】薄膜の別の可能な位置を示す、図3に示される複合計器の実施例の断面図である。
図5】薄膜のさらに別の可能な位置を説明する、図3に示される複合計器の実施例の断面図である。
図6図1に示される複合計器に類似し、通気プラグを備えた複合計器の実施例の断面図である。
図7】通気プラグの別の可能な位置を説明する、図6に示される複合計器の実施例の断面図である。
図8】通気プラグのさらに別の可能な位置を説明する、図6に示される複合計器の実施例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
より詳細な理解は、添付の図面と合わせて実施例としての以下の記載から得ることができる。
不必要な結露が起こり得る表面の一例は、乗り物の計器、計器盤、または複合計器を覆うレンズである。なお、ここで用いるレンズという用語は、視認窓のような屈折及び非屈折光伝達素材の両方、並びに透明素材と同様に半透明素材を含むことを注記する。レンズの曇りは、周囲の状況に依り、レンズの内側または外側のどちらかに起こり得る。レンズの外側面から曇りをクリアすることは可能かもしれないが、内側面の曇りはその複合計器の形状に依り、除去することがより困難となり得る。
【0008】
該レンズの内側面上の曇りは、例えば湿気が複合計器に存在し、または入ると起こり得る。この場合、レンズの温度が露点よりも低く下がると、レンズの内側面上において空気中の湿気の結露が起こり得る。
【0009】
曇りを低減する一つのアプローチは、レンズの1以上の面に、コーティングまたは表面仕上げとして曇り止め処理を適用することができる。この場合、レンズ上に凝結する水分が、該曇り止め処理により、広げられまたは吸収されて、結露が見えにくくなり、結果としてレンズの視界または光伝導性が妨げられにくくなる。
【0010】
しかしながら、レンズの温度が湿気の霜点または凍結温度よりも低く下がると、もしそうでなければ曇り止め処理により吸収されまたは広げられた結露の多少の結露が、凍結されてレンズを介しての視界を妨げる霜をつくりだす。そのような凍結状況における霧は、霜または氷結と言われる。
【0011】
レンズの内側面上における霜の形成を低減することができる、レンズ曇りを低減する別のアプローチは、複合計器を気密的に密封することが可能である。もし複合計器が、内部が低湿度の内容である気密的に密封されたユニットとして構成されるならば、曇り及び氷結の両方とも、結露に利用される湿気がないので、低減することができる。
【0012】
しかしながら、複合計器を気密的に密封することは、外部の大気圧に関して複合計器内に圧力を発生することを許容し得る。複合計器は、昼及び夜の気温の変化、またはエンジンあるいはキャビンの温度あるいは圧力の変化のように、周期的な温度及び/または天候の変化に起因する周期的な圧力変化の対象となる。これらの周期的な変化は、複合計器が乗り物のキャビンの内側もしくはエンジンの近くに取り付けられた場合、または乗り物が例えば急な標高変化を経験する場合、起こり得る。これらの圧力は、複合計器の構成部品にストレス及び疲労を増大させ、複合計器の構成部品の使用期間を短縮し得る。
【0013】
図1は、ハウジング110、レンズ120、及び内部構成部品130を有する複合計器100の実施例を示す。ハウジング110は、同ハウジング110の内側と外側間の圧力差を等しくすることを可能にする通気孔140を備えている。
【0014】
ハウジング110は、チューブ160に接続された通気孔140を除いて実質的に気密性を有している。通気孔140は、チューブ160への接続を容易にするために、図示されるような継手を備え、または継手に取付けられている。通気孔140とチューブ160との接続は、やはり気密性を有している。チューブ160は、基部に近い端部170と末端の端部180を有している。
【0015】
ハウジング110内の圧力が増大した場合、その圧力の増大は、ハウジング110内の存在する空気または他の気体を、通気孔140を介して流出させ、かくして圧力を等しくしまたは圧力の変化を低減する。ハウジング110内の圧力が低下した場合、その圧力の低下は、通気孔140を介してハウジング110内に空気または他の気体を引き入れ、かくして圧力を等しくしまたは圧力の変化を低減する。
【0016】
末端の端部180は、ハウジング110の位置とは異なる湿度を有する位置に据え付けられている。したがって、通気孔140を介してハウジング110内へ引き入れられる空気または他の気体は、末端の端部180の位置にほぼ類似した湿度を有している。末端の端部180が比較的低い湿度の環境に位置する場合、これは、ハウジング110をより湿度の高い環境に位置することを可能にすると共に、ハウジング110の局所的な湿気がハウジング110内へ引き入れることを避けることができるという利点を有する。
【0017】
曇り止め処理150をレンズ120の内側面に適用することが可能である。なお、曇り止め処理150は或る実施例において省略できることを注記する。ここに論じるように、曇り止め処理は、例えば表面活性剤または親水性の表面あるいは物質である。レンズ120の内側面上に凝結する水分が、該曇り止め処理150により、広げられまたは吸収されて、見えにくくなり、レンズを介しての視界が妨げられにくくなる。しかしながら、レンズ120の温度が湿気の霜点よりも低く下がると、曇り止め処理150により吸収されまたは広げられた結露の一部が、凍結されてレンズを介しての視界を妨げる霜をつくりだす。
【0018】
しかしながら、レンズ120の内側面上の霜の形成は、上述したように末端の端部180の配置によるように、ハウジング110内を低い湿度環境に維持することにより低減することができる。この構成は、内部構成部品130が湿度及び圧力の変化に曝されることを低減することにより、それらの使用期間も改善できる。
【0019】
図2は、図1に関して説明された複合計器100に類似し、ハウジング210、レンズ(図示せず)、及びチューブ220を有する複合計器200の実施例を示す。チューブ220は、基部に近い端部230と末端の端部240を有している。
【0020】
乗り物200はモータ250を備えている。モータ250が運転しているときは、その温度が上昇し、ハウジング210を加熱し得る。ハウジング210への日射または他の状況は同様にその温度を上昇させ得る。ハウジング210内の空気の温度が上昇するにつれ、ハウジング210内の圧力も上昇する。ハウジング210内の圧力上昇は、空気がハウジング210からチューブ220を介して排出されるので、放圧される。
【0021】
モータ250がその後に停止された場合、その温度は低下し、ハウジング210が冷却されることを可能にする。日暮れまたは他の状況は、同様にハウジング210の温度を低下させる。ハウジング210内の空気の温度が低下するにつれ、ハウジング210内の圧力も低下する。このハウジング210内の圧力下降(負圧または真空)は、末端の端部240の付近から空気がチューブ220を介してハウジング210内へ引き入れられるので、放圧される。
【0022】
図2に示されるように、末端の端部240は、ハウジング210及びモータ250から離れた、乗り物200の後部の近くに配置されている。この末端の端部240の位置は、ハウジング210及びモータ250付近の空気よりも、より冷たい空気の付近、または他の理由がために、より低い湿度の内容を有する空気の付近が可能である。
【0023】
例えば、上述したように、モータ250の運転中、ハウジング210付近の温度がハウジング210自身の温度と共に上昇し得る。ハウジング210及びその付近への日射もこれらの温度を上昇させ得る。より暖かい空気は、比較的冷たい空気よりもより多量の湿気を吸収することができるので、ハウジング210付近の空気の湿度は、例えば蒸発した液体の吸収によって上昇し得る。モータ250が停止して冷却を開始した後、または例えば日光がもはやハウジング上に降り注がれなくなった後、ハウジング210内の圧力は減少し始め、末端の端部240からチューブ220を介して空気が引き入れられる。ハウジング210付近の空気における湿気は、局所的な表面上に凝縮される。しかしながら、この末端の端部240は、ハウジング210付近の湿気のある空気から離れて位置されているので、ハウジング210内へ引き込まれる空気は、比較的少量の湿気をハウジング210の内側面上に凝縮するのに利用できるようにすることが可能であり、かくしてレンズ(図示せず)の内側面上の曇りを低減する。
【0024】
なお、乗り物200はスノーモービルが図示されているが、ハウジング210及びチューブ220は、他のタイプの乗り物、例えば航空機、船舶、モータサイクル、及び自動車、または他の非乗り物、例えば屋外の工業設備において取り付けることが可能であることを注記する。また、末端の端部240は乗り物200の後部付近に配置されて示されているが、この末端の端部240は、適切な他の場所、例えば比較的低い湿度を有する場所に配置することができる。そのような場所は、別のやり方でレンズの曇り、霜、または構成部品の湿気への露出の理由のために好ましい環境よりも、より湿った環境において、ハウジング210の取付けを可能にする。
【0025】
図3は、図1に関して示されかつ説明された複合計器100に類似し、さらに薄膜390を備えた、複合計器300の実施例を示す。
【0026】
複合計器300は、ハウジング310、レンズ320、及び内部構成部品330を備えている。ハウジング310は、ハウジング310の内側と外側の圧力差を等しくすることを可能にする通気孔340を備えている。通気孔340はチューブ360に接続されている。
【0027】
ハウジング310は、チューブ360に接続された通気孔340を除いて実質的に気密性を有している。通気孔340は、チューブ360への接続を容易にするために、図示されるような継手を備え、または継手に取付けられている。通気孔340とチューブ360との接続は、やはり気密性を有している。チューブ360は、基部に近い端部370と末端の端部380を有している。
【0028】
薄膜390は、気体が薄膜390を介してのみ末端の端部380に入れるように同末端の端部380に取付けられている。薄膜390は、微孔質薄膜または気体の通過が可能であると共に液体あるいは個体の通過を阻止あるいは妨げる他の適切な薄膜が可能である。
【0029】
なお、薄膜390は、基部に近い端部370またはチューブ360の別の位置に、気体が末端の端部380から薄膜390を介してのみ通過できるような適切な方法(図示せず)で取付けることが可能であることを注記する。また薄膜390は、気体が薄膜390のみを介してハウジング310に入ることができるような適切な方法(図示せず)で通気孔340を覆って取付けることが可能である。
【0030】
ハウジング310内の圧力が低下した場合、その圧力の低下は、末端の端部380から薄膜390、チューブ360、及び通気孔340を介してハウジング310内に空気または他の気体を引き入れることができる。
【0031】
末端の端部380は、ハウジング310内の位置と異なる湿気を有する位置に取付けることができる。かくして、通気孔340を介してハウジング310内に引き入れられる空気または他の気体は、末端の端部380の位置と実質的に類似した湿度を有する。末端の端部380が比較的低い湿度の環境に配置された場合、これは、ハウジング310をより湿度の高い環境に配置することを可能にすると共にハウジング310の局所的な湿度がハウジング310内に引き入れられることを避けることができるという利点を有する。
【0032】
さらに、液体がハウジング310は入り込むことを防ぐように薄膜390を構成することにより、ハウジング310内の湿度をさらに制御することができる。また薄膜390は、薄膜390を介してハウジング310に入る空気または他の気体の湿度を低減できる。
【0033】
曇り止め処理350をレンズ320の内側面に適用することが可能である。なお、曇り止め処理350は或る実施例において省略できることを注記する。ここに論じられるように、曇り止め処理は、例えば表面活性剤または親水性の表面あるいは物質である。レンズ320の内側面上に凝結する水分が、該曇り止め処理350により、広げられまたは吸収されて、見えにくくなり、レンズを介しての視界が妨げられにくくなる。しかしながら、レンズ320の温度が湿気の霜点よりも低く下がると、曇り止め処理350により吸収されまたは広げられた結露の一部が、凍結されてレンズを介しての視界を妨げる霜をつくりだす。
【0034】
しかしながら、レンズ320の内側面上の霜の形成は、上述したように末端の端部180の配置及び薄膜390の取付けに依るように、ハウジング310内を低い湿度環境に維持することにより低減することができる。この構成は、内部構成部品330が湿度及び圧力の変化に曝されることを低減することにより、それらの使用期間も改善できる。
【0035】
図4及び5は、薄膜390のような薄膜の代替位置を示す。図4は、通気孔340を覆って取付けられた薄膜400を有する複合計器300の実施例を説明している。図5は、チューブ360内に取付けられた薄膜500を有する複合計器300の実施例を示す。薄膜500は、示されるように適切な直列の継手を用いて取付けられている。なお、他のタイプの継手を用いることが可能であることを注記する。薄膜400及び500は上述の薄膜390と実質的に類似している。
【0036】
図6は、図1に関して示されかつ説明された複合計器100に類似し、さらに通気プラグ690を備えた、複合計器300の実施例を示す。
【0037】
複合計器600は、ハウジング610、レンズ620、及び内部構成部品630を備えている。ハウジング610は、ハウジング610の内側と外側の圧力差を等しくすることを可能にする通気孔640を備えている。通気孔640はチューブ660に接続されている。
【0038】
ハウジング610は、チューブ660に接続された通気孔640を除いて実質的に気密性を有している。通気孔640は、チューブ660への接続を容易にするために、図示されるような継手を備え、または継手に取付けられている。通気孔640とチューブ660との接続は、やはり気密性を有している。チューブ660は、基部に近い端部670と末端の端部680を有している。
【0039】
通気プラグ690は、気体が通気プラグ690を介してのみ末端の端部680から基部側の端部670に入れるようにチューブ660に取付けられている。通気プラグ690は、微孔質プラグまたは気体の通過が可能であると共に液体あるいは個体の通過を阻止あるいは妨げる他の適切な構造が可能である。
【0040】
なお、通気プラグ690は、基部に近い端部670またはチューブ660の別の位置に、気体が末端の端部680から基部に近い端部670へ通気プラグ690を介してのみ通過できるような適切な方法(図示せず)で取付けることが可能であることを注記する。また通気プラグ690は、気体が通気プラグ690のみを介してハウジング610に入ることができるような適切な方法(図示せず)で通気プラグ640を覆って取付けることが可能である。
【0041】
ハウジング610内の圧力が低下した場合、その圧力の低下は、末端の端部380から通気プラグ690、チューブ660、及び通気孔640を介してハウジング610内に空気または他の気体を引き入れることができる。
【0042】
末端の端部680は、ハウジング610の位置と異なる湿気を有する位置に取付けることができる。かくして、通気孔640を介してハウジング610内に引き入れられる空気または他の気体は、末端の端部680の位置と実質的に類似した湿度を有する。末端の端部680が比較的低い湿度の環境に配置された場合、これは、ハウジング610をより湿度の高い環境に配置することを可能にすると共にハウジング610の局所的な湿度がハウジング610内に引き入れられることを避けることができるという利点を有する。
【0043】
さらに、液体がハウジング610に入り込むことを防ぐように通気プラグ690を構成することにより、ハウジング610内の湿度をさらに制御することができる。また通気プラグ690は、通気プラグ690を介してハウジング610に入る空気または他の気体の湿度を低減することができる。
【0044】
曇り止め処理650をレンズ620の内側面に適用することが可能である。なお、曇り止め処理650は或る実施例において省略できることを注記する。ここに論じられるように、曇り止め処理は、例えば表面活性剤または親水性の表面あるいは物質である。レンズ620の内側面上に凝結する水分が、該曇り止め処理650により、広げられまたは吸収されて、見えにくくなり、レンズを介しての視界が妨げられにくくなる。しかしながら、レンズ620の温度が湿気の霜点よりも低く下がると、曇り止め処理650により吸収されまたは広げられた結露の一部が、凍結されてレンズを介しての視界を妨げる霜をつくりだす。
【0045】
しかしながら、レンズ620の内側面上の霜の形成は、上述したように末端の端部680の配置及び通気プラグ690の取付けに依るように、ハウジング610内を低い湿度環境に維持することにより低減することができる。この構成は、内部構成部品630が湿度及び圧力の変化に曝されることを低減することにより、それらの使用期間を改善することもできる。
【0046】
図7及び8は、通気プラグ690のような通気プラグの代替位置を示す。図7は、通気孔640内に取付けられた通気プラグ700を有する複合計器600の実施例を説明している。図8は、チューブ660内の末端の端部680付近に取付けられた通気プラグ800を有する複合計器600の実施例を示す。通気プラグ700及び800は、上述の通気プラグ690に実質的に類似している。
【0047】
なお、結露、曇り、及び霜は、例えば望遠鏡及び光学機器、またはレンズ及びハウジングを有する他の物体及び装置のような、他のタイプの機器においても起こり得ることを注記する。種々の技術を説明するためにここでは乗り物用複合計器が用いられているが、ここに説明した種々の技術は、これらのタイプの機器及び光学機器のいずれに対して、またはレンズ及びハウジングを有する他の物体に対して適用できることを注記する。
【0048】
特徴及び構成要素は特別な組合せにおいて上記に説明されているが、当業者は、各特徴または構成要素を単独でまたは他の特徴及び構成要素とのあらゆる組合せにおいて用いることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8