(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
読取可能データ保存デバイスは、第1の交換可能な消耗部品の第1の読取可能データ保存デバイスを含み、データ読取デバイスは、切断または溶接システムの少なくとも1つのデータ読取デバイスを含み、
動作データは、第1の読取可能データ保存デバイスからの動作データの第1のセットを含み、さらに
第2の交換可能な消耗部品の第2の読取可能データ保存デバイスと、切断または溶接システムの前記少なくとも1つのデータ読取デバイスのうちの1つとの間の通信を容易にする工程、および
第2の読取可能データ保存デバイスからの動作データの第2のセットを、前記少なくとも1つのデータ読取デバイスのうちの1つに伝送する工程
を含み、動作データの第2のセットは、切断または溶接システムの動作を調整するように構成されている、請求項10に記載の方法。
交換可能な消耗部品は第1の消耗部品であり、切断または溶接システムは、第2の消耗部品の物理的特徴に基づいて第2の消耗部品を特定するように更に構成される、請求項10に記載の方法。
切断または溶接システムによって使用されているファームウェアバージョンを決定する工程、および、その使用されているファームウェアバージョンを、ファームウェアアップデートのファームウェアバージョンと比較する工程を更に含む、請求項16に記載の方法。
前記パラメータは、ワークピースからのトーチの高さ、プラズマガスの流量、シールドガスの流量、プラズマガスまたは電流のタイミング、あるいはワークピースを切断するための処理プログラムを含む、請求項28〜32のいずれか一項に記載の方法。
第1の加熱トーチおよび第2の加熱トーチによる加工のために、第1のワークピースおよび第2のワークピースをそれぞれ提供する工程を更に含み、第1のワークピースと第2のワークピースとは少なくともほぼ同一である、請求項28〜33のいずれか一項に記載の方法。
第1の読取可能データ保存デバイスに保存された第1のデータを検知する工程は、第1の熱加工システムの信号検出器を用いて第1のデータを検知する工程を更に含む、請求項28〜34のいずれか一項に記載の方法。
第1または第2のデータの少なくとも一方は、対応する第1または第2の熱加工システムに、空気圧信号、無線信号、光信号、磁気信号または液圧信号として伝送される、請求項28〜37のいずれか一項に記載の方法。
前記パラメータは、第1または第2の加熱トーチの少なくとも一方を操作するために、第1または第2の熱加工システムの少なくとも一方によって構成可能なパラメータのセットに包含される、請求項28〜39のいずれか一項に記載の方法。
第1および第2の熱加工システムによって、第1および第2の加熱トーチをそれぞれ操作するためのパラメータのセットの各々に値を割り当てる工程を更に含む、請求項40に記載の方法。
前記パラメータは、ワークピースからのトーチの高さ、プラズマガスの流量、シールドガスの流量、プラズマガスまたは電流のタイミング、あるいはワークピースを切断するための工程を含む、請求項42または43に記載の方法。
第1または第2の読取可能データ保存デバイスは、加熱トーチの動作中の熱への曝露を最小限にするため、対応する第1または第2の交換可能な消耗部品の本体の表面に配置される、請求項42〜44のいずれか一項に記載の方法。
前記表面は、冷却機構に隣接しているか、プラズマアークから離れているか、または対応する第1または第2の交換可能な消耗部品のO−リング状チャネル内に配置されるか、あるいはこれらの組合せである、請求項45に記載の方法。
熱加工システムの1つまたは複数のパラメータを構成する工程は、データが基準を満たさない場合、熱加工システムが加熱トーチを操作するのを阻止する工程を含む、請求項48に記載の方法。
熱加工システムによって検知されたデータが存在しない場合、熱加工システムの1つまたは複数のパラメータの構成を阻止する工程を更に含む、請求項48〜52のいずれか一項に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、プラズマアークトーチに取り付けられた消耗品を検出する(例えば、プラズマアークトーチに取り付けられた適合しない消耗品を検出する)ためのシステムおよび方法が必要である。また、トーチの動作パラメータを自動的に調整して、切断性能を向上させ消耗品の耐用期間を長期化させるためのシステムおよび方法が必要である。特に、トーチシステムの様々な構成部品の間で効率的に情報を伝え、動作の制御および最適化を容易にするためのシステムおよび方法が必要である。
【0005】
プラズマアークトーチに取り付けられた消耗品を特定するために消耗品の表面に配置された信号デバイス(例えばデータ保存デバイス)に加えて、後述するような消耗品の内部または表面に配置される信号デバイスもまた、トーチ内に配置された受信器(例えばデータ読取デバイス(例えばRFID読取デバイス))と通信することによって情報(例えば、トーチシステム動作(データ/パラメータの操作)に関する情報)をトーチシステムに伝送するために使用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの態様において、切断または溶接動作を実行するための交換可能な消耗部品は、本体;およびその本体に結合されるかその本体内に組み込まれた読取可能データ保存デバイスを含み得る。データ保存デバイスは、切断または溶接装置のための動作命令を含む。
【0007】
いくつかの態様において、熱加工システムの制御装置に結合された切断または溶接工程のためのトーチは、交換可能な消耗部品;交換可能な消耗部品の内部または表面に配置された読取可能データ保存デバイス;データ保存デバイスを読み取るための、トーチの内部または表面にあるデータ読取デバイス;および、データ読取デバイスと制御装置との間の通信を可能にするデータ伝送機構を含み得る。データ保存デバイスは、熱加工システムの動作のためのデータを含む。
【0008】
いくつかの態様において、制御装置に結合された切断または溶接工程のためのトーチは、トーチの内部のレセプタクルであって、前記トーチは交換用の消耗部品を受容するように構成された、レセプタクル;トーチの内部または表面にあるデータ読取デバイス;およびトーチと制御装置との間の通信機能を提供するデータ伝送機構を含み得る。
【0009】
いくつかの態様において、切断または溶接システムの工程を少なくとも部分的に制御する方法は、(例えば切断プログラムを含む)動作パラメータを含むデータタグを有する消耗品を提供する工程;その消耗品を切断または溶接システムの用具に組み付ける工程;動作パラメータを用具の制御デバイスに伝達する工程;および、動作パラメータに従って切断または溶接工程を制御する工程を含み得る。
【0010】
実施形態は下記特徴のうちの1つ以上を含むことができる。
いくつかの実施形態において、動作命令は切断プログラムを含む。例えば、切断プログラムは電流またはガスのランピングプロファイル(ramping profile)、トーチシステム設定値、ワークピース切断アプリケーションを含み得る。
【0011】
いくつかの実施形態において、動作命令はファームウェアアップデートを含む。
いくつかの実施形態において、交換可能な消耗部品は加熱トーチの構成部品を含む。例えば、消耗部品はノズル、シールド、または電極を含むことができる。
【0012】
いくつかの実施形態において、読取可能データ保存デバイスはRFIDタグを含む。いくつかの実施形態において、読取可能データ保存デバイスは書き換え可能でもある。いくつかの場合、データ伝送機構は無線接続を含む。いくつかの場合、読取可能データ保存デバイスは書き換え可能である。
【0013】
いくつかの実施形態において、読取可能データ保存デバイスは、稼働中および/またはトーチの内部に配置されている間、書き込み可能である。
いくつかの実施形態において、データは切断プログラムを含む。いくつかの実施形態において、データは熱加工システムの性能特性の変更を行うように構成される。例えば、性能特性の変更は、データを伝送しないほぼ同様の交換可能な消耗部品を使用して得られるであろう元の切断性能に対して、向上した切断品質性能を含み得る。データはまた、熱加工システムのためのファームウェアアップデートを含み得る。
【0014】
いくつかの実施形態において、データ読取デバイスはRFID読取デバイスを含み得る。いくつかの場合、データ読取デバイスは、トーチ内に配置された消耗部品の内部または表面にあるデータ保存デバイスと通信するように構成される。いくつかの場合、データ読取デバイスは、データ保存デバイスにデータを書き込むように構成されたデータ書込デバイスでもある。
【0015】
いくつかの態様において、読取可能データ保存デバイスを含む交換可能な消耗部品を用いて切断または溶接システムに動作データを提供する方法は、読取可能データ保存デバイスと、切断または溶接システムのデータ読取デバイスとの間の通信を容易にする工程;および、動作パラメータを少なくとも部分的に規定する動作データを、読取可能データ保存デバイスからデータ読取デバイスに伝送する工程を含み得る。動作データは、切断または溶接システムの動作に作用するように構成されている。
【0016】
いくつかの実施形態において、読取可能データ保存デバイスは、第1の交換可能な消耗部品の第1の読取可能データ保存デバイスを含み、データ読取デバイスは、切断または溶接システムの少なくとも1つのデータ読取デバイスを含み、動作データは、第1の読取可能データ保存デバイスからの動作データの第1のセットを含み、さらに:第2の交換可能な消耗部品の第2の読取可能データ保存デバイスと、切断または溶接システムの上記少なくとも1つのデータ読取デバイスのうちの1つとの間の通信を容易にする工程;および、第2の読取可能データ保存デバイスからの動作データの第2のセットを、上記少なくとも1つのデータ読取デバイスのうちの1つに伝送する工程を含み、動作データの第2のセットは、切断または溶接システムの動作を調整するように構成されている。いくつかの場合、第1の交換可能な消耗部品は電極部品を含み、第2の交換可能な消耗部品はノズル部品を含む。いくつかの場合、切断または溶接システムを完全に動作させるために、動作データの第1のセットと動作データの第2のセットとの組合せが要求される。
【0017】
いくつかの実施形態において、交換可能な消耗部品は第1の消耗部品であり、切断または溶接システムは、第2の消耗部品の物理的特徴に基づいて第2の消耗部品を特定するように更に構成される。例えば、第2の消耗部品の物理的特徴に基づいて第2の消耗部品を特定することは、第2の消耗部品を通るガス流を測定することを含んでもよい。いくつかの場合、ガス流の測定は:切断または溶接システム内に配置された第2の消耗部品に関連付けられた流れ制限要素にガス流を通す工程;流れ制限要素に対して上流の位置でガス流の第1の圧力を決定する工程;流れ制限要素から下流の位置でガス流の第2の圧力を決定する工程;流れ制限要素を通過するガス流の流量を決定する工程;および、第1の圧力、第2の圧力、および上記流量を使用して、第2の消耗部品を特定する工程を含み得る。例えば、いくつかの場合、第1の圧力を決定する工程は、ガス流を既知の圧力に設定することを含んでもよく、また、流量を決定する工程は流量を測定することを含んでもよい。
【0018】
いくつかの実施形態において、動作データは切断または溶接システムのためのファームウェアアップデートを含む。いくつかの場合、上記方法はまた、切断または溶接システムによって使用されているファームウェアバージョンを決定する工程;および、その使用されているファームウェアバージョンを、ファームウェアアップデートのファームウェアバージョンと比較する工程を含む。いくつかの場合、ファームウェアアップデートは、そのファームウェアアップデートが切断または溶接システムに伝送されるべきか否かを決定するために使用される日付コードを含み得る。いくつかの場合、作用は制御ソフトウェアを完全に置換することを含む。
【0019】
いくつかの態様において、熱加工機械に使用される交換可能な消耗部品に、その交換可能な消耗部品が動作構成にある状態で情報を保存する方法は、熱加工機械のデータ書込デバイスとの通信のために、交換可能な消耗部品の書換可能データ保存デバイスを構成する工程;および、データ書込デバイスによって書換可能データ保存デバイスに情報を書き込む工程を含み得る。
【0020】
いくつかの実施形態において、情報は交換可能な消耗部品の過去の使用(例えば切断または溶接動作)と関連付けられてもよい。例えば、情報は交換可能な消耗部品の過去の使用の持続時間に関する情報を含むことができる。情報は、トーチ、交換可能な消耗部品、または熱加工機械の不具合やエラーに関する情報を含んでもよい。情報は、消耗品が熱加工機械に動作可能に取り付けられた状態で書き換えられてもよい。情報は動作中に繰り返し書き換えられてもよい。情報は、熱加工機械の使用頻度に関する情報を含んでいてもよい。情報は、交換可能な消耗部品が何回の切断サイクルに用いられたかに関する情報を含んでいてもよい。情報は、交換可能な消耗部品の過去の使用中の熱加工機械の動作パラメータに関する情報を含んでいてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態において、動作構成は使用中の熱加工機械を含み得る。
動作命令/プログラムは、(例えば、切断プログラム、電流またはガスランピングプロファイル、ファームウェアアップデート、システムの設定値、切断サイクルまたは耐用期間データ、ガス流量、ガスの種類、穿孔遅延時間(pierce delay time)、タイミングパラメータ、セットポイント、エラー状態、閾値、複数のパラメータの組合せ)を含んでもよい。
【0022】
いくつかの実施形態において、読取可能保存デバイスからデータ読取デバイスへ情報(例えば、動作データ、命令、またはプログラム)を伝送する結果、熱加工機械の操作者は、動作データが伝送されない場合には必要となる沢山の動作パラメータを手入力する必要がなくなる。
【0023】
交換可能な消耗品は、加熱トーチの構成部品(例えば、ノズル、シールド、または電極)を含んでもよい。データ読取デバイスはRFID読取デバイスであってもよい。動作データはワークピース切断アプリケーション(例えばキラーアプリケーション)を含んでもよい。
【0024】
動作データは、熱加工機械の性能特性の変更を行うように構成されてもよい。性能特性の変更は、動作データを伝送しないほぼ同様の交換可能な消耗部品を使用して得られるであろう元の切断性能に対して、より高速の切断性能を含み得る。
【0025】
信号デバイス(例えばタグ)は、書き換え可能(稼働中およびトーチ内にある間、書き込み可能)であってもよい。
一態様において、第1の熱加工システムおよび第2の熱加工システムを構成する方法が提供される。この方法は、第1の加熱トーチで使用するための第1の消耗品、および第2の加熱トーチで使用するための第2の消耗品を提供する工程を含む。第1の消耗品および第2の消耗品はほぼ同一の物理的特性を有する。第1の消耗品は、第1のデータが符号化された第1の信号デバイスに関連付けられ、第2の消耗品は、第2のデータが符号化された第2の信号デバイスに関連付けられる。上記方法は、第1の熱加工システムにおいて第1のトーチに第1の消耗品を取り付け、第2の熱加工システムにおいて第2のトーチに第2の消耗品を取り付ける工程を含む。上記方法はまた、第1の信号デバイスに保存された第1のデータを第1の熱加工システムによって検知し、第2の信号デバイスに保存された第2のデータを第2の熱加工システムによって検知する工程を含む。上記方法は、検知された第1のデータに基づいて第1のトーチを操作するための第1の熱加工システムのパラメータを、第1の熱加工システムにより、第1の値をそのパラメータに割り当てることによって構成する工程を更に含む。さらに、上記方法は、検知された第2のデータに基づいて第2のトーチを操作するための第2の熱加工システムのパラメータを、第2の熱加工システムにより、第2の値をそのパラメータに割り当てることによって構成する工程を含む。第2の値は第1の値とは異なっていてもよい。
【0026】
別の態様において、第1の加熱トーチおよび第2の加熱トーチを組み立てる方法が提供される。この方法は、第1の消耗品に、第1の消耗品の本体の表面または内部に配置される第1の信号デバイスを提供し、第2の消耗品に、第2の消耗品の本体の表面または内部に配置される第2の信号デバイスを提供する工程を含む。上記方法は、第1の消耗品に関連付けられた第1のデータを、第1の信号デバイスに符号化する工程を含む。第1のデータは第1のトーチを操作するための第1の熱加工システムのパラメータの第1の値と関連する。上記方法は、第2の消耗品に関連付けられた第2のデータを、第2の信号デバイスに符号化する工程を更に含む。第2のデータは第2のトーチを操作するための第2の熱加工システムのパラメータの第2の値と関連する。第2の値は第1の値とは異なっていてもよい。
【0027】
他の例において、上記の態様はいずれも下記特徴のうちの1つ以上を含むことができる。いくつかの実施形態において、第1または第2のデータの少なくとも一方は、対応する第1または第2の消耗品の検出可能な物理的特性とは無関係のものである。第1または第2のデータの少なくとも一方は、対応する第1または第2の消耗品の種類を特定してもよい。対応する消耗品の種類には、ノズル、シールド、電極、内側保持キャップ、外側保持キャップ、渦状リングまたは溶接チップが含まれ得る。さらに、第1または第2のデータの少なくとも一方は、対応する第1または第2の消耗品に特有のシリアル番号を特定してもよい。第1または第2のデータの少なくとも一方は、対応する第1または第2の熱加工システムに、空気圧信号、無線信号、光信号、磁気信号または液圧信号として伝送されてもよい。
【0028】
いくつかの実施形態において、第1の信号デバイスまたは第2の信号デバイスの少なくとも一方は無線自動識別(RFID)タグを含む。第1の信号デバイスまたは第2の信号デバイスの少なくとも一方は、対応する第1または第2の消耗品の本体の表面または内部に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、第1または第2の信号デバイスは、トーチの動作中の熱への曝露を最小限にするため、対応する第1または第2の消耗品の本体の表面に配置される。この表面は、冷却機構に隣接させるか、プラズマアークから離すか、または対応する第1または第2の消耗品のO−リング状チャネル内に配置させるか、あるいはこれらの組合せとすることができる。
【0029】
いくつかの実施形態において、上記パラメータには、ワークピースからのトーチの高さ、プラズマガスの流量、シールドガスの流量、プラズマガスまたは電流のタイミング、あるいはワークピースを切断するための処理プログラムが含まれ得る。いくつかの実施形態において、上記パラメータは、第1または第2のトーチの少なくとも一方を操作するために、第1または第2の熱加工システムの少なくとも一方によって構成可能なパラメータのセットに包含される。この場合、第1および第2の熱加工システムは、第1および第2のトーチをそれぞれ操作するためのパラメータのセットの各々に値を割り当てることができる。
【0030】
いくつかの実施形態において、上記方法は、第1のトーチおよび第2のトーチによる加工のために、第1のワークピースおよび第2のワークピースをそれぞれ提供する工程を更に含む。第1および第2のワークピースは少なくともほぼ同一である。
【0031】
いくつかの実施形態において、第1の信号デバイスに保存された第1のデータを検知する工程は、第1の熱加工システムの信号検出器を用いて第1のデータを検知する工程を更に含む。信号検出器はRFID読取機とすることができる。信号検出器は第1のトーチの外部に配置されてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態において、第1および第2の熱加工システムは同一の熱加工システムである。
別の態様において、熱加工システムを構成する方法が提供される。この方法は、加熱トーチに使用するための消耗品を提供する工程を含む。この消耗品は、トーチへの取り付けを容易にする1つまたは複数の物理的特性を有する。上記方法は、トーチに消耗品を取り付ける工程、トーチを熱加工システムに結合する工程、および消耗品に関連付けられたデータを熱加工システムによって検知する工程を含む。上記方法は、検知されたデータが基準を満たすか否かに基づき、トーチを操作するための熱加工システムの1つまたは複数のパラメータを熱加工システムによって構成する工程を更に含む。
【0033】
いくつかの実施形態において、熱加工システムの1つまたは複数のパラメータを構成する工程は、データが基準を満たさない場合、熱加工システムがトーチを操作するのを阻止する工程を含む。データは、許可されたメーカーと一致しない消耗品のメーカーを特定してもよい。
【0034】
いくつかの実施形態において、データは消耗品に結合された信号デバイスに符号化される。検知は熱加工システムのRFID読取機によって実施されてもよい。
いくつかの実施形態において、上記方法は、熱加工システムによって検知されたデータが存在しない場合、熱加工システムの1つまたは複数のパラメータの構成を阻止する工程を更に含む。
【0035】
いくつかの態様において、いくつかの実施形態は下記の利点のうちの1つ以上を有し得る。データ保存デバイス(例えば読取可能または書換可能データ保存デバイス)を有する熱加工システム消耗部品(例えば、プラズマトーチノズル、シールド、保持キャップ、または他の消耗品)の使用を含む、本明細書に記載のシステムおよび方法の使用により、設定、使用、および/またはトラブルシューティングがより容易な熱加工システム(例えば切断または溶接システム)が得られる。例えば、本明細書に記載のように、消耗部品の内部または表面に配置されたデータ保存デバイスが、その消耗部品を使用する熱加工システムに情報(例えば動作パラメータ)を提供するために用いられる。いくつかの場合、システムの装置(例えばトーチ)に消耗部品を組み付けた時に、その情報は少なくとも半自動的に(例えば自動的に)熱加工システムに伝送され得る。情報がシステムに伝送される結果、機械を操作するのに必要な動作パラメータまたは命令の一部または全部が、その熱加工システムを使用する操作者によってシステムに入力(例えばプログラミング)される必要がなくなる。操作者からの必要な入力が少なくなることにより、操作がより簡単で、かつ低コストの処理システムがもたらされる。
【0036】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法の使用は、消耗品が加工システムの装置(例えばトーチ)に取り付けられた時にデータ保存デバイスから加工システムにソフトウェアを伝送することによる、熱加工システムの半自動的な(または自動的な)見直しおよびシステムソフトウェア(例えばファームウェア)のアップデートを可能にする。本明細書に記載のシステムおよび方法によらなければ、熱加工システムを試験し、ソフトウェアをアップデートするために必要とされるであろうメンテナンス(例えば操作者が始動するメンテナンス)およびダウンタイムは、本明細書に記載のシステムおよび方法による半自動的なソフトウェアアップデート性能の結果、概して減少する。
【0037】
さらに、本明細書に記載のシステムおよび方法を使用して熱加工システム設定情報または動作パラメータを伝送することは、特定の消耗部品に使用される切断または溶接特性のカスタマイズを可能にする。例えば、後述するように、構造的に類似した2つの異なる消耗部品のそれぞれにデータ保存デバイスを設けてもよく、ここで、一方のデータ保存デバイスは高速の粗切断工程に適した動作パラメータを含み、他方のデータ保存デバイスはより質の高い切断を行う低速の切断工程に適した動作パラメータを含む。すなわち、種々の切断性能特性のうちの任意のものに対して消耗品を好ましい状態にする情報(例えば動作パラメータ)を消耗部品に「プリロード(pre−load)」してもよい。データ保存デバイスを、個々の消耗品の特定の使用のために調整する結果、消費者(例えば機械の操作者)は単に、実施される切断または溶接の所望の種類に従って消耗品を選択し、その消耗品を加工システムに(例えばトーチに)取り付けるだけでよくなる。したがって、加工システムは操作者によって完全に設定されプログラミングされる必要はなく、消耗品をトーチに取り付けた時(例えば、情報がデータ保存デバイスからトーチに伝送された時)に加工システムは自動的に設定される。
【0038】
上述した本発明の利点および更なる利点は、以下の説明を添付の図面と共に参照することにより、より良く理解されよう。図面は必ずしも一定の縮尺ではなく、むしろ発明の原理を説明することに主眼を置いている。
【発明を実施するための形態】
【0040】
いくつかの態様において、トーチ内に配置された消耗部品の内部または表面に配置された信号デバイス(例えば、データ保存デバイスまたはデータタグ)と通信する受信器(例えば、データ読取デバイスおよび/またはデータ書込デバイス)を有する熱加工システムは、システムの制御装置(例えばプロセッサ)とトーチ内に取り付けられた消耗品との間で情報(例えば、動作命令またはトーチ使用に関する情報)を伝送するために使用され得る。
【0041】
図1は、熱加工システム(例えば切断または溶接システム)の例示的なプラズマアークトーチ100の断面図である。トーチ100は典型的にはトーチ本体102およびトーチ先端部104を含む。トーチ先端部104は、交換用の消耗品を受容するように構成されたレセプタクル(例えば消耗品レセプタクル)内に配置された1つまたは複数の消耗品(例えば、交換可能な消耗部品(例えば、電極105、ノズル110、保持キャップ115、渦状リング120、およびシールド125))を含む。種々の消耗品の各々が、本明細書に記載されているように、トーチ100の動作中に流体(例えばガスまたは液体)を方向付けることのできる種々の機構を画定する本体を含む。トーチ本体102は概して円筒形状であり、電極105およびノズル110を支持する。ノズル110は電極105とは離間しており、トーチ本体102内に設けられた中央出口オリフィスを有する。渦状リング120はトーチ本体102に取り付けられ、放射状に均等配置または角度付けされた一連のガス分配孔127を有する。ガス分配孔127はプラズマガス流に接線方向速度成分を与え、プラズマガス流の旋回をもたらす。同じく出口オリフィスを有するシールド125は、保持キャップ115に結合(例えばねじ込み)される。示されている保持キャップ115は、ノズル110にしっかりと結合(例えばねじ込み)された内側保持キャップである。いくつかの実施形態において、外側保持キャップ(図示略)がシールド125に固定されている。トーチ100は更に電気接続部、冷却通路、およびアーク制御流体(例えばプラズマガス)用通路、および電源を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、消耗品は点火された溶接ガスを通すためのノズルである溶接チップを含む。
【0042】
動作中、プラズマガスはガス入口管(図示略)および渦状リング120内のガス分配孔127を通って流れる。そこから、プラズマガスはプラズマチャンバー128に流入し、ノズル110の出口オリフィスおよびシールド125を通ってトーチ100から流出する。最初にパイロットアークが電極105とノズル110との間で生成される。パイロットアークは、ノズル出口オリフィスおよびシールド出口オリフィスを通過するガスを電離する。このアークは続いてノズル110からワークピース(図示略)に移動し、ワークピースを熱加工(例えば、切断または溶接)する。トーチ100における構成部品の配置、ガスや冷却流体の流れる方向、および電気接続部を含む説明された詳細は、様々な形態を取り得ることに留意されたい。
【0043】
動作工程が異なれば、要求されるシールドおよび/またはプラズマガス流量もしばしば異なり、このため、要求される消耗品のセットも異なる。その結果、現場では種々の消耗品が使用されている。適当な消耗品を使用し、それらを適切に適合させることは、最適な切断性能を実現するために不可欠である。消耗品の不適合(例えば、105アンペアで動作しているトーチに、65アンペアで動作するように作られた消耗品を使用する等)は、消耗品の耐用期間の短縮および/またはプラズマアークトーチの性能の低下を引き起こし得る。
【0044】
図2は、本発明の例示的な通信ネットワーク200を示す。通信ネットワーク200は、
図1のプラズマアークトーチ100のような加熱トーチの消耗品にそれぞれ割り当てられた1つまたは複数の信号デバイス(例えば読取可能データ保存デバイス)202を含む。いくつかの実施形態において、読取可能データ保存デバイス202は本体の表面に配置(例えば結合)されるか、または本体の内部に配置され(例えば内部に組み込まれ)る。例示的な消耗品は、電極105、ノズル110、保持キャップ115、渦状リング120、およびシールド125を含む。いくつかの実施形態において、信号デバイス202は、消耗品に関する情報を1つまたは複数の信号の形態で伝送するように構成された電気的に書き込み可能なデバイスである。例えば、信号デバイス202は、消耗部品に割り当てられた情報を保存するための無線自動識別(RFID)タグまたはカード、バーコードラベルまたはタグ、集積回路(IC)プレート等であってもよい。いくつかの実施形態において、読取可能データ保存デバイス202は書き換え可能である。すなわち、書換可能データ保存デバイス202は典型的には、データの初期書き込みの後に新しいデータを追加可能である(例えば、データ保存デバイスに存在する他のデータの消去または上書きを伴っても伴わなくてもよい)。特に、書換可能データ保存デバイス202は典型的には、トーチ100内に配置されている間に書き込まれた新しいデータを有することができる。いくつかの実施形態において、読取可能保存デバイス202はトーチの外側においても(例えば、トーチまたは消耗品の稼働中に)またはトーチ内に配置されている間も(例えばトーチの使用中に)書き換え可能である。いくつかの実施形態において、信号デバイス202は、消耗品の物理的特性を検出し、検出した情報を1つまたは複数の信号の形態で伝送するための検出器(例えばセンサ)である。
【0045】
通信ネットワーク200はまた、(i)信号デバイス202によって伝送された信号を受け取る(例えば、データ保存デバイス202を読み取る)ため、(ii)その信号によって伝えられるデータを抽出するため、および(iii)抽出したデータを、分析およびさらなる処理のためにプロセッサ206に提供するための、少なくとも1つの受信器(例えば、トーチの内部または表面に配置されたデータ読取デバイス)204を含む。いくつかの実施形態において、データ読取デバイス204は、トーチ内に配置された書換可能保存デバイスにデータを書き込むように構成されたデータ書込デバイスでもある。プロセッサ(例えば制御装置)206は、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、コンピュータ、コンピュータ数値制御(CNC)工作機械、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、特定用途向け集積回路(ASIC)等とすることができる。いくつかの実施形態において、トーチ100はまた、データ読取デバイス204と制御装置206との間の通信を可能にするデータ伝送機構を含む。例えば、データ伝送機構は、信号デバイス202から受信したデータまたは信号を制御装置206に伝送するように構成された有線接続または無線接続を含むことができる。それに代えて、またはそれに加えて、データ伝送機構は、制御装置206からのデータを、消耗品上に配置された書換可能データ保存デバイス202に読取デバイス204を介して送り返すように構成されてもよい。
【0046】
いくつかの実施形態において、各信号デバイス202には、その信号デバイス202が割り当てられている消耗品に関する情報が符号化される。符号化情報は、消耗品の名称、商標、メーカー、シリアル番号、および/または種類のような一般情報または固定情報とすることができる。符号化情報は、例えば、消耗品がノズルであることを一般的に示すためのモデル番号を含むことができる。いくつかの実施形態において、符号化情報は、消耗品の金属組成、消耗品の重量、消耗品が製造された日付、時間および/または場所、消耗品の担当責任者といった、消耗品に固有のものである。一例として、符号化情報は、製造された各トーチ構成部品に特有のシリアル番号、例えば、ノズルタイプA、シリアル番号1と、ノズルタイプA、シリアル番号2とを識別するためのシリアル番号を提供可能である。
【0047】
いくつかの実施形態において、対応する消耗品の製造時に、情報が信号デバイス202に符号化される。情報は、消耗品の耐用期間中に、例えば毎回の消耗品の使用後に信号デバイス202に符号化されてもよい。そのような情報は、消耗品使用の日付、時間および場所、使用中に検出された任意の異常、および/または使用後の消耗品の状態を含むことができ、これにより消耗品に関連する故障事象または耐用期間末期の事象を予測するための記録を取ることができる。
【0048】
いくつかの実施形態において、信号デバイス202に符号化された情報は、動作パラメータ(例えば、動作命令または動作データ)を特定することもできる。例えば、シールド125に関連付けられた信号デバイス202について、その信号デバイス202に符号化されたデータは、シールドガスの種類および/またはそのシールド125にとって適切なガス流量を示すことができる。いくつかの実施形態において、信号デバイス202の符号化データは他の関連するトーチ構成部品に関する情報を提供する。例えば、符号化データは割り当てられた消耗品と適合する他のトーチ構成部品を特定することができ、特定の性能測定基準に達するように消耗品セット全体のトーチへの取り付けを支援する。いくつかの実施形態において、動作パラメータは、使用中の熱加工システム100によって利用され得る様々な種類の情報またはデータのうちの1つ以上を含む。動作パラメータの例として、切断プログラム、電流(例えば点火電流または切断電流)またはガス(例えばプラズマガスまたはシールドガス)のランピングプロファイル、熱加工システムの設定値、トーチの消耗品の切断サイクルまたは耐用期間データ、ガス流量(例えば点火または切断ガス流量)、ガスの種類(例えばガス選択命令)、穿孔遅延時間、タイミングパラメータ、セットポイント、エラー状態、閾値、または複数のパラメータの組合せが挙げられる。いくつかの場合、動作データは「キラーアプリケーション」のようなワークピース切断アプリケーションを含む。例えば、「キラーアプリケーション」は所望の動作性能特性、特徴、または切断アプリケーションを提供するように構成され得る。
【0049】
いくつかの実施形態において、消耗部品から送られる情報は、熱加工システムのためのソフトウェア情報を含んでいてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、消耗品は熱加工システムのためのファームウェアアップデートを含んでもよい。いくつかの場合、制御装置は、熱加工システムによって使用されているファームウェアバージョンを決定し、それを読取可能データ保存デバイスに含まれているファームウェアアップデートのバージョンと比較して、読取可能データ保存デバイスに存在するファームウェアアップデートが現在使用されているものよりも新しいか否かを決定することができる。2つのファームウェアバージョンを比較することにより、制御装置は、ファームウェアアップデートが読取可能データ保存デバイスからデータ読取デバイスに伝送されるべきか否か、そしてその後、熱加工システムにインストールされるべきか否かを決定することができる。例えば、読取可能データ保存デバイスに存在するファームウェアアップデートは、データ読取デバイスが読み取り、検討することのできる任意の識別コード(例えば、日付コード、バージョン識別子(例えば改訂番号)、または様々な他の適切な識別コードのうちの任意のもの)を含むことができる。いくつかの場合、情報は、データ読取デバイスに送られ、制御装置によってインストールされることのできる完全な制御ソフトウェアを含む。
【0050】
いくつかの実施形態において、トーチに送られる動作パラメータは熱加工システムの性能特性の変更を行うように構成される。例えば、いくつかの実施形態において、性能特性の変更は、動作パラメータを伝送しないほぼ同様の交換可能な消耗部品を使用して得られるであろう元の切断性能に対して、より高速の切断性能を含む。すなわち、例えば、ほぼ同様の(例えば構造的に類似した)2つの異なるノズルのそれぞれに、異なる切断パラメータを有するデータ保存デバイスを設けてもよい。これにより、一方のノズルは高速切断(すなわち、ワークピースに沿ったプラズマアークの高速の動き)によく適合した切断パラメータを提供し、他方のノズルは低速切断および/またはより高品質の切り口に適した切断パラメータを提供する。つまり、種々の切断性能特性のうちの任意のものに対して消耗品を好ましい状態にする情報(例えば動作パラメータ)を消耗部品に「プリロード」することができる。データ保存デバイスを、個々の消耗品の特定の使用のために調整する結果、消費者(例えば機械の操作者)は単に、実施される切断または溶接の所望の種類に従って消耗品を選択し、その消耗品を加工システムに(例えばトーチに)取り付けるだけでよくなる。好ましい切断特性の例として、高速切断、低速切断、高品質の切り口、切溝の低減、ワークピースの飛散の低減、直線切断、曲線切断、円形切断、右回りまたは左回りの切断、または様々な他の切断特性が挙げられる。
【0051】
したがって、いくつかの態様において、加工システムは操作者によって完全に設定されプログラミングされる必要はなく、消耗品をトーチに取り付けた時(例えば、情報がデータ保存デバイスからトーチに伝送された時)に加工システムは自動的に設定される。例えば、いくつかの実施形態において、操作者は消耗部品(例えばノズル)をトーチに取り付けることができ、ノズルの内部または表面にある信号デバイス(例えば読取可能保存デバイス(例えばRFIDタグ))202は、プロセッサ(例えば制御装置)206によって使用のための機械設定情報(例えば動作パラメータ)が熱加工システムに自動的にプログラミングされるように、トーチの受信器(例えばデータ読取デバイス)204と通信することができる。いくつかの場合、読取可能保存デバイスからデータ読取デバイスへ情報(例えば、動作パラメータ、命令、またはプログラム)を伝送する結果、熱加工機械の操作者は、動作データが伝送されない場合には必要となる沢山の動作パラメータを手入力する必要がなくなる。
【0052】
上述したように、いくつかの実施形態において、熱加工システム(例えばデータ読取/書込デバイス)は情報(例えばデータ)を書換可能データ保存デバイスに伝送するように構成される。いくつかの場合、熱加工システムは、消耗品がトーチ内に配置(例えば動作可能に取り付け)されている間(例えばトーチの使用中)に定期的に(例えば繰り返しまたは連続的に)データを書換可能保存デバイスに書き込むように構成される。書換可能保存デバイスに伝送された情報は、熱加工システム、消耗品が取り付けられているトーチ、または、書換可能保存デバイスが取り付けられている交換可能な消耗部品の過去の使用(例えば切断または溶接動作)と関連付けられてもよい。例えば、情報は、使用頻度(例えば、所定の期間にわたって交換可能な消耗部品が何回の切断または溶接動作に用いられたか)に関する情報、交換可能な消耗部品が(例えば合計で)何回の切断サイクルに用いられたかに関する情報、または交換可能な消耗部品の過去の使用期間(すなわち、過去の使用においてトーチが動作状態にあった時間の長さがどのくらいか)に関する情報を含んでもよい。
【0053】
いくつかの実施形態において、情報は、交換可能な消耗部品の過去の使用中の熱加工機械の動作パラメータに関するものであってもよい。いくつかの場合、情報は、トーチ、消耗品、または熱加工システムの過去の使用中の不具合やエラーに関する情報を含んでもよい。
【0054】
いくつかの実施形態において、第三者が干渉(例えば不正目的で干渉)することや信号デバイス202に保存された情報を変更することを制限する(例えば阻止する)ために、信号デバイス202および/または受信器204は暗号化される。例えば、第三者が不正目的で誤った使用データや設定情報(例えば動作パラメータ)を消耗品に保存すると、熱加工システムが使用済みの(例えば耐用期間の終わりまで使用された)消耗品を使用可能な消耗品と取り違え、または使用可能な消耗品であると誤解する恐れがあるが、暗号化はこのような第三者による不正目的の保存を制限するのに役立つ。それに代えて、またはそれに加えて、暗号化は消耗品を1種類の(例えばメーカーまたはOEMブランドの)熱加工システムのみに使用されるようにコード化する目的で使用されてもよい。
【0055】
いくつかの実施形態において、信号デバイス202は、対応する消耗品に関する情報であって、その消耗品の検出可能な物理的特性とは無関係の情報を含む。消耗品の検出可能な物理的特性の例として、トーチに取り付けられた検出器によって測定される消耗品の磁気特性、表面反射率、密度、音響特性および他の触覚的特徴が挙げられる。したがって、消耗品の検出可能な物理的特性と無関係な消耗品データの例には、消耗品の名称、種類、メーカー、製造日、製造場所、シリアル番号、または消耗品の他の非触覚的特徴が挙げられる。いくつかの実施形態において、信号デバイス202は、トーチに取り付けられる前に、消耗品の物理的特性を含む予め収集された情報を保存するが、信号デバイス202は物理的特性を能動的に測定または検出するようには構成されていない。しかしながら、信号デバイス202は、センサ等の別のデバイスによって測定または検出された消耗品に関する物理的特性を保存することができる。
【0056】
いくつかの実施形態において、信号デバイス202はトーチ100の内部または表面に配置される。例えば、信号デバイス202は、トーチ先端部104の内部に最終的に取り付けられる消耗品の表面に装着されてもよい。信号デバイス202は、トーチ100の内部の、割り当てられた消耗品以外の構成部品に装着されてもよい。例えば、信号デバイス202を電極105に関するデータを保存するために割り当て、かつその信号デバイス202を保持キャップ115の表面に取り付けることができる。いくつかの実施形態において、信号デバイス202はトーチ100とは物理的に結合していない外部源に結合される。例えば、消耗品を保管するために使用され、かつ消耗品がトーチ100に取り付けられると消耗品から離されるパッケージに、信号デバイス202が装着されてもよい。信号デバイス202がトーチ100の内部に配置される場合、信号デバイス202が装着される表面は、トーチ100の動作中に熱への曝露を抑制または最小限にするように選択され得る。例えば、熱への曝露を抑制または最小限にするために、信号デバイス202をトーチ100の冷却機構の付近に配置させるか、プラズマアークから離すか、O−リング状チャネル内に配置させるか、またはこれらの組合せとすることができる。さらに、トーチの動作中にデバイスが過熱する可能性を低減するために、信号デバイス202を熱保護材料で被覆してもよい。概して、信号デバイス202は、別のトーチ構成部品によって遮蔽されるなどして、熱エネルギー、放射線、有害ガス(例えばオゾン)、および/または高周波エネルギーへの曝露が最小限になるような状態に置かれる。
【0057】
いくつかの実施形態において、信号デバイス202は、1回または複数回のトーチ点火の最中またはその後も耐久性であるように、すなわち機能するように設計される。いくつかの実施形態において、信号デバイス202は毎回のトーチ使用ごとにまたは数回の使用ごとに使い捨てされる。いくつかの実施形態において、信号デバイス202は、例えば消耗品が最初に製造された時にその消耗品に関する情報を符号化するために、1回書き込み可能である。いくつかの実施形態において、信号デバイス202は、例えば対応する消耗品の耐用期間全体にわたって複数回書き込み可能である。
【0058】
通信ネットワーク200において、信号デバイス202は保存している情報を1つまたは複数の信号の形態で受信器204に無線で伝送することができる。受信器204はこれらの信号を処理して、消耗品についての関連データを抽出し、そのデータを分析のためプロセッサ206に転送するように適合されている。いくつかの実施形態において、受信器204はプラズマアークトーチ100の中または表面に配置される。例えば、受信器204はトーチ本体102の中に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、受信器204は、電源モジュール、ガスコンソール、プロセッサ206等に装着されるなど、トーチ100の外部に配置される。
【0059】
いくつかの実施形態において、信号デバイス202の少なくとも1つはRFIDタグであり、受信器204はそのRFIDタグからデータを得るために用いられる読取機である。そのような実施形態において、RFIDタグは情報を保存するためのマイクロチップおよびRF信号を受信および伝送するためのアンテナを含む。読取機は、(1)タグからデータを得るために、RF信号をRFIDタグに伝送するアンテナ、および(2)RFIDタグによって伝送された応答を、プロセッサ206に転送する前に解読するためのコンポーネントを含むことができる。RFIDタグはアクティブ型でもパッシブ型でもよい。アクティブRFIDタグは、読取機へのより強力な電磁的リターン信号を生成するためのバッテリーを含み、これによりRFIDタグと読取機との間の可能な伝送距離が増加する。RFIDタグと読取機との間の距離は、出力、使用される無線周波数、およびRF信号を伝送させる材料の種類に応じて、2.5cm(1インチ)未満から30.5m(100フィート)以上までとすることができる。一例では、RFIDタグと、対応する読取機アンテナとの間の距離は約2〜4cmである。読取機アンテナおよび残りの読取機構成部品は同じパッケージ内にある必要はない。例えば、読取機アンテナがトーチ本体102の表面または内部に配置され、かつ残りの読取機構成部品がトーチ100の外部にあってもよい。RFIDタグを使用すると、これを読取機と(例えばワイヤを介して)直接接触させる、あるいは(例えば光信号を介して)直接的な見通し線上に置く必要がなく、過酷な環境での使用にも十分適するため、有利である。
【0060】
いくつかの実施形態において、信号デバイス202は、消耗品をその種類または個性によって特異的に識別するために、その消耗品の少なくとも1つの物理的マーカーを検出する検出器(例えばセンサ)である。物理的マーカーは、例えば消耗品の物理的変更とすることができる。
図3に示すように、消耗品の特定は、消耗品がトーチ100内に取り付けられた時に隣接する冷却通路402の壁に作用することで、そこを流れるクーラントの速度が変化するような態様で、消耗品の形状を変更することにより達成される。具体的には、クーラント通路402の変更された部分はクーラント流の速度を制限してもよい。信号デバイス202は、クーラント流速の関数としての圧力変化の測定に使用されてもよい。したがって、クーラント圧力変化の測定値は消耗品の識別材料としての役割を果たす。別の例では、
図3に示されるように、ノズル110を特定するために、バルブおよび流量計に結合した予備ベント線404がノズル110に取り付けられている。プラズマアーク点火の前にバルブが開けられ、パージサイクルの間、予備ベント線流量が、プラズマ圧力の関数として信号デバイス202によって測定される。したがって、測定流量はノズル110の識別材料としての役割を果たす。別の例では、外側保持キャップがトーチ100に取り付けられたら、外側保持キャップを特定するために1つまたは複数の特有の大きさの計量孔(図示略)を外側保持キャップに穿設してもよい。各計量孔の大きさは、閉バルブ圧力および/またはシールドガスの流量に対し特有の作用を与えるように構成される。したがって、パイロットアーク点火前のプリフロールーチンにおいて信号デバイス202によって得られたこれらの測定値は、外側保持キャップを特定する役割を果たす。
【0061】
さらに別の例において、シールド125が参照トーチデータムに対する消耗品の長さを測定することによって特定されてもよい。例示的な測定工程において、トーチ高さ制御装置は、既知のトーチが点火してワークピースを切断し始める高さを決定するために使用される。この高さは参照トーチデータムとして機能し得る。続いて、トーチに未特定の消耗品を取り付けた後、参照データムに対する高さを決定する。したがって、上記2つの高さを用いた簡単な計算によって、未特定の消耗品の相対的長さを決定することができる。この相対的消耗品長さは、続いて、例えば相対的消耗品長さを消耗品パーツと関連付けるルックアップテーブルを参照することによって、消耗品の特定に使用することができる。
【0062】
いくつかの実施形態において、信号デバイス202は、対応する消耗品に関するデータの光学的機械表現を提供するバーコードである。バーコードは、バーコードリーダの形態の受信器204によって読み取ることができる。概して、信号デバイス202は消耗品に関するデータを、無線信号、光信号または他の光に基づく信号(例えば赤外線信号または紫外線信号)、磁気信号、空気圧信号、または液圧信号を含む任意の機械読み取り可能な信号の形態で伝えることができる。
【0063】
いくつかの実施形態において、トーチの各消耗品に単一の信号デバイス202が割り当てられ、対応する消耗品に関する関連情報を伝送する。いくつかの実施形態において、同一の消耗品に2つまたはそれ以上の信号デバイス202が割り当てられ、その消耗品に関する異なる情報を伝送する。例えば、1つの信号デバイス202がモデル番号や消耗品の種類についての動作パラメータといった消耗品の種類に特有の情報を伝送し、一方、別の信号デバイス202が消耗品の重量および利用履歴といった消耗品それ自体に特有の情報を伝送してもよい。いくつかの実施形態において、通信ネットワーク200内の信号デバイス202はデータ伝送の様々な態様を採用する。例えば、1つの信号デバイス202はデータをRF信号として伝送し、一方、別の信号デバイス202はデータを光信号として伝送する。いくつかの実施形態において、ネットワーク200は複数の受信器204を含む。各受信器204は1つまたは複数の信号デバイス202からの信号を読み取り、抽出されたデータをプロセッサ206に伝送するように構成(例えば調整)される。いくつかの実施形態において、通信ネットワーク200内の全ての信号デバイス202からの信号を読み取るために単一の受信器204が用いられる。したがって、プロセッサ206は複数の消耗品に関連付けられたデータを同時に処理することができる。
【0064】
図4は、
図1のプラズマアークトーチ100のような加熱トーチの動作を制御するために
図2の通信ネットワークを用いる例示的な熱加工システム300である。プラズマアークトーチ100は、ノズル110、電極105、シールド125、内側保持キャップ115および外側保持キャップ302を含む1つまたは複数の消耗品を備えていてもよい。少なくとも1つの信号デバイス202が、消耗品の少なくとも1つと関連付けられて、対応する消耗品に関する情報を受信器204を介してプロセッサ206に伝送する。システム300はまた、トーチ100においてプラズマアークを発生させるために必要な電流を提供するための電源304を含む。信号デバイス202から収集された各消耗品に関するデータは、プロセッサ206によって、プラズマ電源304、モータおよびドライバ306、ガスコンソール308、高さ制御装置310およびネスティングソフトウェア312のうちの少なくとも1つの動作を制御および最適化するために使用され得る。
【0065】
プロセッサ206はプラズマアークトーチ100の内部または外部に配置され得る。いくつかの実施形態において、プロセッサ206は電源304内に収容される。いくつかの実施形態において、プラズマ電源304、モータおよびドライバ306、ガスコンソール308、高さ制御装置310およびネスティングソフトウェア312の各々は、信号デバイス202からのデータを処理して各モジュール304、306、308または310の機能を制御するための少なくとも1つのプロセッサを収容する。
【0066】
信号デバイス202から収集された情報に基づき、プロセッサ206は多くのプラズマシステム機能を同時またはほぼ同時に、かつリアルタイムまたはほぼリアルタイムで調節することができる。これらのシステム機能は、開始シーケンス、CNCインターフェース機能、ガスおよび動作パラメータ、およびシャットオフシーケンスを含むがこれらに限定されない。いくつかの実施形態において、プロセッサ206はシステム300の様々なパラメータを自動的に設定するために消耗品情報を用いる。いくつかの実施形態において、プロセッサ206は、システム300の特定のプリセットパラメータがトーチ100の内部の消耗品と適合するか否かを確認するために消耗品情報を用いる。一例として、トーチ100の複数の消耗品に関する収集されたデータに基づき、プロセッサ206は下記のシステム構成要素のうちの1つまたは複数を制御および点検することができる:(i)トーチ100への電力を調節するための電源304の設定、(ii)ワークピースを加工するためのネスティングソフトウェア312の設定、(iii)トーチ100に供給されるシールドガスおよび/またはプラズマガスを制御するためのガスコンソール308の設定、(iv)トーチ100とワークピースとの間の高さを調整するための高さ制御装置310の設定、および(v)様々なモータおよびドライバ306の設定。
【0067】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の信号デバイス202から収集されたデータに基づき、プロセッサ206はネスティングソフトウェア312と相互作用して、ワークピースを加工するための切断速度、方向、経路、ネスティングシーケンス等のようなパラメータを設定する切断プログラムを自動的に選択する。切断プログラムはまた、収集された消耗品データを考慮して、ガスの種類、ガス圧力および/またはフロー設定およびトーチの高さ制御設定を決定することもできる。従来、消耗品のセットがトーチに組み付けられると、トーチの切断プログラムを作成するために、操作者が加工されるワークピース材料の種類および厚さ、使用されるガスの種類、および消耗品セットの定格電流を含む情報をソフトウェアに与えることによって手動でネスティングソフトウェア312を構成することが必要である。特に、操作者がプロセッサ206に消耗品セットの定格電流を手入力する必要がある。本発明では、各消耗品の定格電流情報は少なくとも1つの信号デバイス202に保存されているため、プロセッサ206はそのような情報を、1つまたは複数の信号デバイス202から電子的に収集し、ユーザの入力なしに適切な電流設定を自動的に決定することができる。
【0068】
いくつかの実施形態において、収集された消耗品データに基づき、プロセッサ206は、信号デバイス202からの消耗品データ、ならびに、切断されるワークピースの特性および所望の切断形状を含むユーザ入力動作パラメータを考慮して、適切なネスティングソフトウェア312から切断プログラムを選択する。例えば、操作者は最初にネスティングソフトウェア312にジェネリックプログラムファイルを送ってもよい。ジェネリックプログラムファイルは、各ワークピースについて、厚さ、可変切断速度、ガス流、切口補償(kerf compensations)、トーチ高さ等を特定し、これらは異なる消耗品パーツによって変化する。したがって、信号デバイス202を用いて消耗品を特定した後、プロセッサ206はジェネリックプログラムファイルと相互作用してトーチの切断プログラムを構成する。いくつかの実施形態において、切断プログラムが作成された後、プロセッサ206は信号デバイス202から収集された消耗品データを用いて、そのプログラムに適切な正しい消耗品がトーチに取り付けられているか確認する。さらに、プロセッサ206はネスティングソフトウェア312に対し、トーチに取り付けられた消耗品との適合性を促進するプログラムのパラメータを自動的に設定または修正するように指示してもよい。例えば、400Aの電流を必要とする消耗品は、130Aの電流を必要とする消耗品と比較して大きい切り口および引込線を有する。したがって、400A用消耗品がトーチに取り付けられた場合、ネスティングソフトウェア312は、プログラムのネストへの当てはめ用に、より少ないパーツを選択することができる。
【0069】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の信号デバイス202から収集されたデータに基づき、プロセッサ206は、ガスコンソール設定を点検し調整することにより、プラズマガスおよびシールドガスのトーチ100への流れを制御するようにガスコンソール308を操作することができる。ガスコンソール308は、電磁弁、流量計、圧力計、ならびにプラズマガス流およびシールドガス流の制御に用いられるスイッチを収容する。例えば、流量計はプラズマガスおよびシールドガスのプリフロー流量および切断流量を設定するのに用いられる。また、ガスコンソール308は、プラズマガスとシールドガスとが合わさる複数入口式ガス供給領域を有する。所望のガスを選択するために、トグルスイッチが使用されてもよい。プラズマガスおよびシールドガスはガス圧力センサによってモニタリングされる。一例において、プラズマアークトーチ100のシールド125に関連付けられた信号デバイス202は、シールド125と共に使用するのに適切な1つまたは複数のシールドガスの種類および組成、ならびにそのシールドガスの最適な流量設定に関する情報を保存してもよい。このデータに基づき、プロセッサ206はガスコンソール308と相互作用してプラズマアークトーチ100に適切なシールドガスを最適な流量で提供することができる。
【0070】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の信号デバイス202から収集されたデータに基づき、プロセッサ206は、ワークピースに対するトーチ100の高さを設定するトーチ高さ制御装置310を操作する。トーチ高さ制御装置310は、切断中に、所定のアーク電圧値を維持するように離間状態(すなわち、トーチ100とワークピースとの間の距離)を調整することによりアーク電圧を制御するための制御モジュールを含むことができる。トーチ高さ制御装置310はまた、上記離間状態を調整する外部制御モジュールを含んでいてもよい。トーチ高さ制御装置310は、トーチ100をワークピースに対して垂直方向に摺動させて切断中の所望の電圧を維持するために、上記制御モジュールによってモータまたはドライバ306を介して制御されるリフターを更に含むことができる。一例において、トーチの消耗品から収集されたデータに基づき、トーチ高さ制御装置310は、トーチをワークピースの頂部に対して位置決めする高さを自動的に決定することができる。したがって、トーチ高さ制御装置310は、アーク電圧制御の開始前に適切な穿孔高さおよび切断高さを設定するための高さ検知を行わなくてよい。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の信号デバイス202から収集されたデータに基づき、プロセッサ206はトーチ100をワークピースの表面に関して横方向に動かすように、モータおよびドライバ306を操作する。プロセッサ206はまた、トーチ100をワークピースの表面に関して縦方向に動かすように、高さ制御装置310を操作することもできる。
【0071】
いくつかの実施形態において、プロセッサ206は、トーチ100に取り付けられた消耗品が互いに不適合であると判断した場合、熱加工システム300と適合しないと判断した場合、または操作者によって入力された他の事前選択動作パラメータと不整合であると判断した場合、熱加工システム300がワークピースに対する操作を開始するのを阻止するように構成される。このような判断がなされた場合、プロセッサ206は音声警報または視覚警報を発し、操作者に、取り付けられた消耗品のうちの1つまたは複数が対応しておらずその消耗品を取り換えるか、操作者の入力を修正するべきであることを指示する。加えて、プロセッサ206は警報が発せられた場合に操作の開始を阻止することができる。例えば、プロセッサ206は、シールド125に割り当てられた信号デバイス202によってプロセッサ206に送られるシールド125の電流設定が、ノズル110に対応する異なるまたは同じ信号デバイス202によってプロセッサ206に送られるノズル110の電流設定と異なる場合、トーチの動作を停止させることができる。
【0072】
いくつかの実施形態において、プロセッサ206は、トーチ100に取り付けられた消耗品の少なくとも1つが許可されたメーカーによって製造されていないか、あるいはサポートされていないと判断した場合、熱加工システム300が動作するのを阻止するように構成される。例えば、プロセッサ206は、消耗品の信号デバイスによって伝えられるメーカーの証明となるもの、シリアル番号および/または部品番号を認識できない場合、トーチの動作を停止させることができる。したがって、熱加工システム300は粗悪なまたは偽造の消耗品の使用を検出し防止するのに使用することができる。
【0073】
いくつかの実施形態において、プロセッサ206は操作者に対し、警報状態に対処するための1つまたは複数の是正措置を勧告する。例えば、プロセッサ206は、熱加工システム300の他の構成部品との潜在的な不適合を避けるためにトーチ100に取り付けるべき1つまたは複数の消耗品を提案してもよい。プロセッサ206は、取り付けられた消耗品セットの定格に基づいて、加工されるワークピースの適切な種類を提案してもよい。プロセッサ206は、取り付けられた消耗品の設定と、操作者によって提供された設定とを調和させるための切断シーケンスを勧告してもよい。
【0074】
概して、信号デバイス202は消耗品以外のトーチ構成部品に関する情報を保存可能である。例えば、信号デバイス204はトーチ本体102または1つまたは複数のリード線に関する情報を保存可能である。したがって、当業者は十分に理解するであろうが、
図2の例示的な通信ネットワーク200および
図3の構成は、任意のトーチ構成部品に関する情報を保存するように容易に適合可能である。
【0075】
図5は、
図2の通信ネットワーク200を用いて
図1のプラズマアークトーチ100のような加熱トーチの動作に影響を与え、制御し、または他の態様で作用を与える、別の例示的な熱加工システム500である。熱加工システム500は、コンピュータ数値制御装置(CNC)502、電源504、自動プロセス制御装置508、トーチ高さ制御装置512および駆動システム516を含み、これらはそれぞれ、動作システム400のプロセッサ206、電源304、ガスコンソール308、高さ制御装置310、ならびにモータおよびドライバ306に類似している。さらに、熱加工システム500は切断テーブル520を含む。
【0076】
熱加工システム500を操作するために、操作者はワークピースを切断テーブル520の上に置き、構台522に装着されたトーチ高さ制御装置512にトーチ100を取り付ける。駆動システム516および高さ制御装置512がトーチ100の先端とワークピースとの間の相対的な動きを提供するのと同時に、トーチ100はワークピース上の加工経路に沿ってプラズマアークを当てる。いくつかの実施形態において、トーチ100の1つまたは複数の消耗品に関連付けられた少なくとも1つの信号デバイス202によって発せられた信号を受信するために、少なくとも1つの受信器204が熱加工システム500の構成部品に装着される。例えば、受信器204は構台522に結合されて、トーチ100がシステム500に取り付けられた後にトーチ100からの信号を読み取ってもよい。受信器204はまた、例えば、CNC502、高さ制御装置512、駆動システム516または切断テーブル520を含む他のシステム構成部品に装着されてもよい。いくつかの実施形態において、受信器204はトーチ100の内側または表面に取り付けられる。いくつかの実施形態において、トーチ100の外部のシステム500の全体に、各々がトーチ100の1つまたは複数の特定の消耗品に関するデータを読み取るように調整された複数の受信器204が分配されてもよい。例えば、1つの受信器204がノズルに割り当てられた信号デバイス202からデータを受信するのに使用され、一方、別の受信器204がシールドに割り当てられた信号デバイス202からのデータを読み取るのに使用される。信号デバイス202から情報を得た後、受信器204はその情報をCNC502に伝送してもよく、CNC502はその情報を用いて熱加工システム500を加工のために構成する。
【0077】
いくつかの実施形態において、物理的に同一(または少なくともほぼ同一)の消耗品の2つのセットに関連付けられた信号デバイス202には、異なる消耗品情報が符号化され、2つの異なるトーチに取り付けられる。例えば、あるトーチのノズルのための信号デバイスに対しシリアル番号Aが符号化され、一方、第2のトーチのノズルのための別の信号デバイスに対しシリアル番号Bが符号化されてもよく、これは2つのノズルが同一の設計仕様で製造されている場合にも当てはまる。これらのノズルはそれぞれのトーチに取り付けられる。2つのトーチはそれぞれの熱加工システムに取り付けられ、各熱加工システムの受信器204は各トーチの信号デバイス202から消耗品データを受信してもよい。いくつかの実施形態において、2つのトーチの消耗品が互いに物理的に同一であり、かつ外的要因が全て同一(例えば、2つのトーチによって加工されるワークピースの材料の種類および厚さが同一)である場合であっても、異なる消耗品データに基づき、熱加工システムは、各トーチを異なる態様で操作するように、システムの1つまたは複数の動作パラメータを適切に調整するように適合される。例えば、異なる消耗品データに基づき、消耗品データは、熱加工システムを個々のネスティングソフトウェア312と相互作用させて2つのトーチのための異なる切断プログラムを可能にさせ、かつ/または、個々の高さ制御装置512と相互作用させて2つのトーチのための異なる高さを設定させる。概して、異なる消耗品データに基づき、一方のトーチに対応する1つの熱加工システムは特徴A、B、またはCを含むように構成されることができ、他方のトーチに対応する第2の熱加工システムは特徴X、YまたはZを含むように構成されることができる。いくつかの実施形態において、2つのトーチに符号化された消耗品データに応じて、同一の熱加工システムが異なる態様で構成されてもよい。熱加工システムによってカスタマイズ可能な特徴の例には、プラズマガス流およびタイミング、シールドガス流およびタイミング、切断電流およびタイミング、パイロットアークの開始およびタイミング、ワークピースの表面からのトーチの高さおよび/またはワークピースの表面と平行なトーチの横方向の動きが挙げられる。
【0078】
いくつかの実施形態において、熱加工システムは、トーチにおける1つまたは複数の消耗品に関する情報が、特定のメーカーによって製造されている等の、ある基準を満たすと判断した後にのみトーチを操作するための専用プロセスを始動するように適合される。この情報は、消耗品に結合された1つまたは複数の信号デバイス202に保存され、熱加工システムによってアクセス可能である。したがって、消耗品が異なるメーカーによって製造され、信号デバイス202に符号化された正しい(または何らかの)情報を持たない場合、たとえその「正しくない」消耗品が所望のメーカーの製造した消耗品と物理的に同一であったとしても、熱加工システムは専用プロセスを開始しない。いくつかの実施形態において、熱加工システムは、システムがトーチ消耗品から何らかのデータを検知しない時は専用プロセスを開始しない。これは、例えば消耗品が信号デバイス202に関連付けられていない場合、または信号デバイスに欠陥がある場合にも生じ得る。したがって、熱加工システムによって実行される構成プロセスは単純に、消耗品が正しいデータに関連付けられているか否かを検出するシステムを含むもの、および/または、消耗品から情報が検出されないか、または正しくない情報が検出された場合に操作者に警告するものとすることができる。警告の例として、警報、視覚的表示、またはそれらの組合せが挙げられる。さらに、システムは消耗品から情報が検出されないか、または正しくない情報を検出したことに応答してトーチの動作を阻止してもよい。
【0079】
本明細書に記載された様々な種類の信号デバイスおよび受信器は、プラズマトーチ構成部品(例えば、消耗部品またはトーチ本体)の内部に、十分な構造的および熱流体的保護を提供できるとともに信号デバイスと受信器との間の必要な通信を可能にする様々な任意の構成で配置されパッケージングされてもよい。例えば、
図12を参照すると、いくつかの実施形態において、加熱トーチ1200は、トーチ本体1201に沿って異なる位置に配置された複数の受信器(例えば、上述したようなRFID読取デバイス)を含むことができる。受信器の各々は1つまたは複数の信号デバイス(例えば、上述したような読取可能または書換可能RFIDデバイス)と通信する(例えばデータを読み取る)ように構成されている。
【0080】
説明したように、いくつかの実施形態において、第1の受信器(例えばトーチ本体RFID読取機)1204aがトーチ本体1201内に配置され、異なるトーチ構成部品(例えば消耗部品)に取り付けられた様々な信号デバイスと通信するように構成されている。特に、受信器1204aはトーチ本体1201上に配置された1つまたは複数のトーチ本体信号デバイス1202a、電極1205上に配置された電極信号デバイス1202b、プラズマガス渦1220上に配置された渦状リング信号デバイス1202c、および/またはノズル1210上に配置されたノズル信号デバイス1202dと通信(例えば、これを特定しまたはこれに書き込むことが)可能である。
【0081】
さらに、第2の受信器(例えば保持キャップRFID読取機)1204bが、外側保持キャップ(例えばシールド保持キャップ)1215上に配置された外側保持キャップ信号デバイス1202e、内側保持キャップ(例えばノズル保持キャップ)1217上に配置された内側保持キャップ信号デバイス1202f、および/またはシールド1225に沿って配置されたシールド信号デバイス1202gのうちの1つ以上と通信(例えばこれを特定)するために、トーチの保持キャップ1215の構造要素に沿って配置される。
【0082】
図12で説明したように、信号デバイスは、信号デバイスと受信器との間の通信を助けるために、概してそれぞれの構成部品の内部に配置される。例えば、各信号デバイスは典型的には、それが通信しようとする受信器の比較的近くに配置される。受信器と信号デバイスとの間の許容される間隔は、使用されるデバイスの種類、ならびにそのデバイスを囲んでいる(またはその他の態様で近接している)材料の種類および量に基づいて変動し得るが、典型的には、本明細書に記載の信号デバイスは受信器と約0mm〜約10mm(例えば約3mm〜約6mm)の間隔で離間している。さらに、トーチ本体RFID読取機1204aに関して説明したように、トーチ本体RFID読取機1204aとそれが通信する信号デバイスとの間の通信能力を可能にしまたは向上させるため、受信器とその受信器が通信する様々な信号デバイスとの間の空間は、典型的には他の構成部品によって遮られていない(すなわち、空間に配置された材料(例えば非金属材料)は殆どまたは全くない)。つまり、受信器と信号デバイスとの間の障害物(例えば金属片)はデバイス間の有効な通信を阻害(例えば妨害)し得るため、そのような障害物は概して避けられる。信号デバイスと受信器との間の有効な通信を可能にするのを助けるため、信号デバイスと受信器との間に配置される構成部品(例えばシールド保持キャップ1215のバッフル)は、種々のプラスチック材料のうちの1つ以上のような非金属材料で形成され得る。
【0083】
信号デバイス1202a〜gは、受信器1204a、1204bと通信するのに適した様々な形状および構成とすることができる。例えば、いくつかの実施形態において、信号デバイスは1つまたは複数のRFIDタグを含むあるいは封入している円形の環状部品から形成され、上記RFIDタグはそれらが取り付けられる様々なトーチ構成部品に関する情報を保存する。この環状信号デバイスはそれぞれのトーチ構成部品に対し、ねじ結合、接着剤または溶接による結合、あるいは圧入や摩擦嵌めを含む様々な任意の結合技術で取り付けることができる。それに代えて、またはそれに加えて、いくつかの実施形態において、環状信号デバイスはトーチ消耗品の1つの機構として一体的に形成されてもよい。しかしながら、他の配置や構成も可能である。
【0084】
本明細書に記載のように、様々な信号デバイスが、トーチに取り付けられる消耗品(例えばトーチ上の受信器)に関連付けられた、トーチシステムの設定および使用に使用可能な情報を提供することができる。例えば、いくつかの実施形態において、使用のためのトーチ動作パラメータを自動的にプログラミングするために、トーチシステムは信号デバイスを使用して、トーチに装着された消耗品の特定の組合せを特定することができる。信号デバイスはまた、トーチシステムに様々な他の種類の情報を提供するために使用されてもよい。
【0085】
上記の信号デバイスは、熱加工システムへおよびそこからの情報を伝送するための1つまたは複数のプロセスを実行するために使用されてもよい。
例えば、いくつかの態様において、トーチ内に配置された消耗部品の内部または表面に配置された信号デバイス(例えばデータ保存デバイスまたはデータタグ)202(または信号デバイス1202a〜g)と通信する受信器(例えばデータ読取および/またはデータ書込デバイス)204(または受信器1204a、1204b)を有する熱加工システム(例えば熱加工システムトーチ100)は、システムの制御装置(例えばプロセッサ)206とトーチ内に取り付けられた消耗品との間で情報(例えば、動作命令またはトーチの使用に関する情報)を伝送するために用いられてもよい。
【0086】
例えば、
図9を参照すると、いくつかの態様において、切断または溶接システムの工程を少なくとも部分的に制御する例示的な方法(900)は、情報(例えば動作パラメータ)を含む読取可能データタグを有する消耗部品(例えば、電極105、ノズル110、渦状リング120、シールド125、または他の消耗部品)を提供する工程を含む(902)。例えば、データタグは信号デバイス202(または信号デバイス1202a〜g)を含んでもよく、上述したように、消耗部品に関する情報を伝えるための視覚的特性を有するRFIDタグまたは光タグの形態としてもよい。いくつかの場合、データタグは例えばデータタグがトーチ内に配置されている間に書き換え可能である。
【0087】
続いて、消耗部品は加工システムに組み付けられる(904)。例えば、消耗部品は切断または溶接システムの用具(例えばトーチ)に取り付けられてもよい。いくつかの場合、消耗部品はトーチ内の指定の凹部に挿入され、ねじ結合(例えばねじ式保持キャップ)などの様々な任意の保持機構によって所定位置に保持される。
【0088】
トーチ内の所定位置にある消耗部品を用いて、動作パラメータが加工システムの制御デバイスに伝達(例えば送信)される(906)。例えば、いくつかの実施形態において、信号デバイス(例えば読取可能データタグ)がトーチ内に配置された受信器(例えばデータ読取デバイス)と通信(例えば有線または無線通信)状態に置かれる。いくつかの例では、データタグはRFIDタグであり、無線通信(例えば近距離無線通信)状態に置かれる。それにより、データ読取デバイスはデータタグからの動作パラメータを読み取り、情報(例えば動作パラメータ)を熱加工システムに伝送することができる。
【0089】
データ読取デバイスが動作パラメータを読み取り、熱加工システムに伝送すると、熱加工システムはデータタグから伝達された動作パラメータに従って、工程(例えば切断または溶接工程)を制御することができる(908)。本明細書に記載のように、消耗部品のデータタグに含まれる動作パラメータには、切断プログラム、切断アプリケーション、電流(例えば点火または切断電流)またはガス(例えばプラズマまたはシールドガス)のランピングプロファイル、熱加工システムの設定値、トーチの消耗品の切断サイクルまたは耐用期間データ、ガス流量(例えば点火または切断ガス流量)、ガスの種類(例えばガス選択命令)、穿孔遅延時間、タイミングパラメータ、セットポイント、エラー状態、閾値、または複数のパラメータの組合せを含む任意の様々なパラメータが含まれ得る。
【0090】
いくつかの場合、読取可能保存デバイスからデータ読取デバイスへ情報(例えば、動作パラメータ、命令、またはプログラム)を伝送する結果、熱加工機械の操作者は、動作データが伝送されない場合には必要となる沢山の動作パラメータを手入力する必要がなくなる。すなわち、いくつかの態様において、読取可能データタグを有する消耗部品を使用する方法900を用いることで、熱加工機械の設定および動作を自動化または半自動化することができる。
【0091】
いくつかの実施形態において、消耗品の信号デバイスから加工システムへ情報を伝送する方法は、消耗品の物理的特徴に基づいてその消耗品を特定する方法と組み合わせて実施され得る。例えば、いくつかの場合、トーチに取り付けられた1つの消耗品がトーチシステムに情報を伝送するように構成された信号デバイスを含み、そのトーチに取り付けられた別の消耗品が、その消耗品の物理的特徴を用いて特定されてもよい。例えば、
図7〜8を参照して説明したように、様々な消耗品の中または周囲における流体の流れの変化が、モニタリングされ、トーチに取り付けられた消耗品を特定するために用いられてもよい。
【0092】
いくつかの態様において、
図10を参照すると、読取可能データ保存デバイス(例えば、信号デバイス202または信号デバイス1202a〜g)を有する交換可能な消耗部品を用いて情報(例えば動作パラメータ)を熱加工システム(例えば切断または溶接システム)に提供するための例示的方法(1000)は、第1に切断または溶接システムの読取可能データ保存デバイスとデータ読取デバイス(例えば、受信器204または受信器1204a〜b)との間の通信(例えば、有線または無線通信)を容易にする工程(1002)を含む。例えば、本明細書に記載のように、読取可能データ保存デバイスはRFIDタグの形状とすることができ、読取可能データ保存デバイスと無線通信(例えば近距離無線通信)状態に置かれてもよい。
【0093】
読取可能データ保存デバイスとデータ読取デバイスとの間の通信が確立されたら、読取可能データ保存デバイスからデータ読取デバイスへ情報(例えば、動作パラメータを少なくとも部分的に規定する動作データ)が伝送される(1004)。例えば、動作データは典型的には切断または溶接システムの動作に作用するように構成される。本明細書に記載のように、消耗部品のデータタグに含まれる動作データは、切断プログラム、切断アプリケーション、電流(例えば点火または切断電流)またはガス(例えばシールドまたはプラズマガス)のランピングプロファイル、熱加工システムの設定値、トーチの消耗品の切断サイクルまたは耐用期間データ、ガス流量(例えば点火または切断ガス流量)、ガスの種類(例えばガス選択命令)、穿孔遅延時間、タイミングパラメータ、セットポイント、エラー状態、閾値、または複数のパラメータの組合せを含む任意の様々な動作特性に作用するように構成されてもよい。いくつかの場合、上述したように、保存デバイスから送られた情報は、熱加工システムのためのソフトウェア情報を含んでもよい。例えば、いくつかの例では、消耗品は熱加工システムのためのファームウェアアップデートを含んでもよい。いくつかの場合、制御装置は、読取可能データ保存デバイスに存在するファームウェアアップデートが現在使用されているものよりも新しいか否かを決定するために、熱加工システムによって使用されているファームウェアバージョンを決定し、それを読取可能データ保存デバイスに含まれるファームウェアアップデートのバージョンと比較してもよい。
【0094】
いくつかの場合、動作パラメータを分割し、トーチに取り付けられ得る2つ以上の交換可能な消耗部品(例えば、ノズルと電極、ノズルとシールド、または任意の他の消耗品の組合せ)に配置された2つ以上のデータ保存デバイスに分配してもよい。例えば、いくつかの実施形態において、方法(1000)はまた、切断または溶接システムの第2の読取可能データ保存デバイスとデータ読取デバイス(例えば、受信器204または受信器1204a〜b)との間の通信(例えば有線または無線通信)を容易にする工程(1006)を含む。例えば、本明細書に記載のように、読取可能データ保存デバイスはRFIDタグの形状とすることができ、読取可能データ保存デバイスと無線通信(例えば近距離無線通信)状態に置かれてもよい。第2の読取可能データ保存デバイスは、第1の読取可能データ保存デバイスが通信するものと同じデータ読取デバイスと通信状態に置かれてもよいし、トーチ内に配置された(第1の読取デバイスと共通する制御装置と通信状態にある)異なるデータ読取デバイスと通信状態に置かれてもよい。読取可能データ保存デバイスとデータ読取デバイスとの間の通信が確立されたら、読取可能データ保存デバイスからデータ読取デバイスへ、動作パラメータを少なくとも部分的に規定する動作データが伝送される(1004)。
【0095】
データを異なる消耗品へ分割または分配することにより、概して、1つの信号デバイスに保存することが必要なデータが少なくなる。それにより、信号デバイスの構成、プログラム、および管理が容易になる。さらに、データを異なる消耗部品へ分割することにより、トーチシステムに対する十分な動作パラメータを適切に提供しつつ、異なる消耗部品を種々の異なる構成で混在させ適合させることが可能になるため、より用途の広いカスタマイズ可能な熱加工システムが得られると期待される。
【0096】
いくつかの態様において、交換可能な消耗部品が動作構成にある最中に、熱加工システムから情報を伝送し、消耗部品の内部または表面に配置されたデータ保存デバイスに保存することができる。例えば、
図11を参照すると、熱加工機械に使用される交換可能な消耗部品に情報を保存するための例示的な方法(1100)は、データ書込デバイス(例えば受信器204または受信器1204a〜b)との通信のためのデータ保存デバイス(例えば信号デバイス202または信号デバイス1202a〜g)を構成する工程(1102)を含む。例えば、いくつかの実施形態において、データ保存デバイスは書換可能データ保存デバイス(例えば書換可能RFIDタグ)である。すなわち、書換可能データ保存デバイスは典型的には、データの初期書き込みの後に新しいデータを追加可能である(例えば、データ保存デバイスに存在する他のデータの消去または上書きを伴っても伴わなくてもよい)。特に、書換可能データ保存デバイスは典型的には、トーチ内に配置されている間に書き込まれた新しいデータを有することができる。いくつかの実施形態において、動作構成は、使用できる状態にある熱加工システムのトーチに取り付けられている消耗部品を含む。いくつかの場合、動作構成は、動作のために電源の入った状態(例えば使用中)の熱加工システムを含む。例えば、動作構成は使用中の(例えば、現場で加工(例えば切断)動作を実行中の)トーチを含み得る。
【0097】
構成が済むと、情報がデータ保存デバイスに書き込まれてもよい(1104)。例えば、いくつかの実施形態において、データ書込デバイスは情報をデータ保存デバイスに伝送する(書き込む)。書換可能保存デバイスに伝送される情報は、熱加工システムと、消耗品が取り付けられているトーチと、または書換可能保存デバイスが取り付けられている交換可能な消耗部品の過去の使用(例えば切断または溶接動作)と関連付けられてもよい。例えば、上述したように、情報は、使用頻度(例えば、所定の期間にわたって交換可能な消耗部品が何回の切断または溶接動作に用いられたか)に関する情報、交換可能な消耗部品が(例えば合計で)何回の切断サイクルに用いられたかに関する情報、または交換可能な消耗部品の過去の使用期間(すなわち、過去の使用においてトーチが動作状態にあった時間の長さがどのくらいか)に関する情報を含んでいてもよい。
【0098】
いくつかの実施形態において、情報は、交換可能な消耗部品の過去の使用中の熱加工機械の動作パラメータに関するものでもよい。いくつかの場合、情報は、過去の使用中のトーチ、消耗品、または熱加工機械の不具合やエラーに関する。いくつかの場合、熱加工システムは、消耗品がトーチ内に配置(例えば動作可能に取り付け)されている間(例えばトーチの使用中)に定期的に(例えば繰り返しまたは連続的に)データを書換可能保存デバイスに書き込むように構成される。データ保存デバイスに書き込まれたそのような情報は、潜在的に様々な目的で使用可能である。例えば、情報は、機械のトラブルシューティングの目的で、保証問題を(例えば、保証の問合せに先立って操作者が過去に消耗品および熱加工システムをどのように使用したか確認できるようにすることにより)検討および処理する目的で、または消耗品の耐用期間を予測する目的で、使用を監視するために使用され得る。
【0099】
いくつかの実施形態において、消耗品を使用しながら、データ保存デバイスに書き込まれたデータを使用する結果、データ保存デバイスからトーチ制御装置へ伝送される動作パラメータは、トーチへのその後の取付けの間に、消耗品の以前の使用に基づいて変更またはアップデート可能となる。すなわち、特定の消耗品が長期間にわたり使用されるにつれて好ましい動作パラメータは変化し得るため、その特定の消耗品の使用を設定するためにトーチに伝送される動作パラメータもそれに従って変化し得る。例えば、電極がその耐用期間の終了に近づき電極のエミッタが損耗するにつれて、好ましいトーチ高さの設定値(例えば、使用中のワークピースから離れた高さ)を、電極からのアーク放出を相殺するために、未使用の電極の場合よりも電極の表面から深いポイントに調整することが必要となり得る。
【0100】
図6Aおよび6Bは、
図2の通信ネットワーク200の例示的な動作を示すフロー図である。
図6Aは、1つまたは複数の消耗品および信号デバイス202を含むように加熱トーチを組み立てるための例示的な工程を示す。具体的には、工程602において、2つの消耗品が提供され、両方の消耗品は同一の、またはほぼ同一の物理的仕様に基づいて製造される。その結果、2つの消耗品は同一の、またはほぼ同一の物理的特性を有する。RFIDタグのような信号デバイス202が2つの消耗品の各々に結合されてもよい。各信号デバイス202は、対応する消耗品の本体の表面または内部に配置することができる。工程604Aおよび604Bにおいて、各消耗品のための信号デバイス202には、対応するトーチを操作するためのシステム構成設定を決定するのに使用可能なデータが符号化される。例えば、一方の消耗品にはデータAを符号化し、他方の消耗品にはデータBを符号化することができる。ここで、データAおよびBは、それぞれのトーチを操作するためのそれぞれの熱加工システムの1つまたは複数の動作パラメータを設定するために使用することができる。いくつかの実施形態において、データAおよびデータBは、それぞれの消耗品に割り当てられた異なるシリアル番号を含み、これらは熱加工システムの動作パラメータを設定するための異なる値と関連する。熱加工システムに関連付けられた動作パラメータの例として、ワークピースからのトーチの高さ、トーチを通るプラズマガスの流量およびトーチを用いてワークピースを加工するための切断プログラムが挙げられる。工程608Aおよび608Bにおいて、工程602で製造された各消耗品が、それぞれの信号デバイス202とともにトーチに組み付けられる。
【0101】
図6Bは、
図6Aの2つのトーチの操作に備えて、
図4の熱加工システム400または
図5の熱加工システム500のような2つの熱加工システムを構成するための例示的な工程を示す。工程612Aおよび612Bにおいて、トーチをそれぞれの熱加工システムに取り付ける。熱加工システム500を参照すると、各トーチは切断テーブル520の上にある構台522に装着することができる。工程614Aおよび614Bにおいて、それぞれの熱加工システムの受信器204を用いて、対応する消耗品の信号デバイス202に符号化された消耗品データを読み取る。例えば、工程614Aにおいて、受信器204は、第1のトーチの消耗品に関連付けられた信号デバイス202からデータAを読み取ることができる。工程614Bにおいて、別の受信器204は、第2のトーチの消耗品の信号デバイス202からデータBを読み取ることができる。工程618Aおよび618Bにおいて、熱加工システムの受信器204は、熱加工システムのそれぞれのCNCにデータを転送する。CNCは、受信したデータに基づき対応するトーチを操作するために、対応する熱加工システムの特定のパラメータを設定および/または調整する。いくつかの実施形態において、2つの消耗品に関して符号化されたデータにおける差異は、それらの消耗品が互いに物理的に同一であっても、熱加工システムの動作パラメータを設定するための異なる値に変換される。いくつかの実施形態において、熱加工システムは、符号化されたデータが相違していても動作パラメータに同じ値を割り当てる。
【0102】
いくつかの実施形態において、
図6Bを参照して説明した方法は、両方のトーチを同時にまたは順番に(すなわち一度に1つのトーチを)操作するためにシステムの動作パラメータを設定するように適合された単一の熱加工システムによって実行される。
【0103】
さらに、当業者は十分に理解するであろうが、本明細書に記載された発明はプラズマ切断装置だけでなく、溶接タイプのシステムおよび他の熱加工システムにも適用可能である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載された発明は、プラズマアーク、レーザ、酸素燃料、および/またはウォータージェット技術を含むがこれらに限定されない種々の切断技術を用いて動作するように構成される。例えば、信号デバイス202は上記切断技術の1つまたは複数を用いて動作するように構成された1つまたは複数の消耗品に結合されてもよい。プロセッサ206は、信号デバイス202によって伝送された情報を用いて、トーチに取り付けられた消耗品が特定の切断技術と適合するか否かを決定することができる。いくつかの実施形態において、選択された切断技術および消耗品情報に基づき、プロセッサ206は、ワークピースからの切断ヘッドの高さ等の、切断技術および消耗品に応じて変化し得る動作パラメータを適切に設定または調整することができる。
【0104】
一例として、高圧かつ高速のウォータージェットを生じるウォータージェットシステムを使用して、様々な材料を切断することが知られている。これらのシステムは典型的には、水または別の適切な流体を高圧(例えば最大621MPa(90,000ポンド/スクエアインチ)以上)に加圧し、小さいノズルオリフィスにその流体を高速で通過させて大量のエネルギーを小さい領域に集中させることにより機能する。アブレーシブジェットはウォータージェットの一種であり、より硬い材料を切断するため、流体ジェット中に研磨材料を含む場合がある。いくつかの実施形態において、信号デバイス202は、ウォータージェットノズル、アブレーシブジェットノズル、研磨粒子を流体と混合するのに用いられる混合チューブ、および/または1つまたは複数のバルブおよびフィルタ等のウォータージェットシステムの消耗品に装着される。アブレーシブジェットノズルに関連付けられた信号デバイス202は、例えばそのノズルでの使用に適切な研磨材の種類、ノズルに供給可能な加圧流体の圧力の大きさを特定することができ、また、特定のノズルでの使用に適切な他の消耗品を指示することができる。所定のウォータージェットシステムのための特定の消耗品セットの組合せの特定は、所定のシステムとの適合性を確認するために、または、最大圧力またはフロー設定、あるいは研磨材の種類または量といった動作条件およびパラメータを制限するために行われてもよい。
【0105】
信号デバイスを使用することに加え、いくつかの態様では、熱切断システム(例えばプラズマアーク切断トーチ)はまた、ガス流をトーチに通し(例えば消耗部品の機構を通し)、そのガス流がトーチおよび消耗部品を通るにつれて変化する態様を検出することにより、トーチ内に取り付けられた消耗部品の検出(例えば特定)を可能にするデバイスおよび機構を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態において、ガス流は消耗品(例えばノズル)上に配置された機構(例えば、ベントホールやガス出口オリフィスを含む流れ制限要素)に通される。流れ制限要素の上流および下流において観察された1つ以上の流体流れ特性(例えばガス圧力または流量)の変化に基づいて、流れ制限要素の大きさ、したがって消耗品それ自体を、評価(例えば特定)することができる。
【0106】
トーチシステムを通るガス流をモニタリングするために、プラズマアークトーチシステムは、バルブ、圧力検出器、圧力調整装置、ガス流量計、および他の装置等の様々なガス流検出装置を含むことができ、それらの全てが、ガス用ゴム管(例えば半硬質管または可撓性ホース)によって相互に連通するように連結可能である。
図7を参照すると、いくつかの実施形態において、ガスをトーチ(例えばトーチヘッド)701に送達するためのガス送達システム700は、ガス供給(例えば圧縮空気槽または空気圧縮機)702、供給用開閉バルブ704、供給圧力センサ706、供給ガス流検出器708、供給ガス圧力調整装置710、閉バルブ圧力センサ712、トーチプラズマプレナム圧力センサ714、ベント用開閉バルブ716、トーチベントガス流検出器718、およびトーチベントガス出口720を含んでもよい。これらの構成要素の一部または全てが、ガス送達システムのモニタリングおよび制御のために、制御ユニット(例えばトーチシステム制御ユニット内のプロセッサ)と通信(例えば無線または有線通信)状態にあり得る。これらの様々な構成要素の構成に基づき、ガス流はトーチの1つまたは複数の異なる領域から流出することができる。例えば、ガス流がトーチヘッド701に流入した時、ガスの流れG1は典型的にはトーチヘッドから(例えばノズルオリフィスを介して)吐き出される。ガスの流れG1は主に、プラズマ流を生成して材料を加工するのに通常用いられるガスを含む。さらに、ベントシステムを有するトーチシステムに関し、ベントシステムの特定の構成要素(例えばベント用開閉バルブ716)が開いているか閉じているかに基づいて、第2のガスの流れG2がトーチからベントシステムを介して放出され得る。特に、いくつかの実施形態において、ガスの流れG2は、ベント用開閉バルブ716が開いている時にトーチヘッドから放出される。ガスの流れG2は、トーチヘッド内の様々な流路およびオリフィス内を(例えば消耗品(例えばノズル)のベントホールから出て)流れるガスによって生じ得る。すなわち、概略的に説明したように、ガス流は閉バルブホースを介してトーチに流入し、ガスがトーチ内に配置された消耗部品を通って流れると同時に、トーチヘッド内でガスの流れG1およびガスの流れG2に分割され得る。簡潔性のため、トーチ内でのガスの流れG1およびガスの流れG2へのガスの分割は、消耗部品を示すことなく概略的に説明されている。
【0107】
様々なガス送達構成要素を、トーチシステムの一部として、相互に対し任意の数の様々な異なる構成で配置することができる。例えば、いくつかの実施形態において、ガス供給702はトーチシステム制御ユニットと(例えば硬質ガス管を介して)連通している。供給用開閉バルブ704、供給圧力センサ706、および供給ガス流検出器708はいずれもトーチシステム制御ユニット内に収容されてもよい。供給ガス圧力調整装置710および閉バルブ圧力センサ712は、制御ユニットから離れた場所、例えば、トーチにガスおよび電気を提供するために制御ユニットに接続されたトーチガス供給誘導ライン上またはその内部に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、閉バルブ圧力センサ712はトーチの付近に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、供給ガス圧力調整装置710および閉バルブ圧力センサ712は、制御ユニットとは反対側の端部において誘導ラインに接続されたトーチの付近(例えば約3m(10フィート)以内(例えば約1.8m(6フィート)以内))に配置される。これらの構成要素をトーチの付近に配置することにより、誘導ライン内で供給ガス圧力調整装置710および閉バルブ圧力センサ712によって制御およびモニタリングされるガス圧力は、トーチに送達される実際の圧力をより厳密に表すことができる。
【0108】
説明したように、これらの様々な構成要素は、任意の様々な構造的および化学的に適切な管またはホースによって相互に連結することができる。適切なホースの例として、可撓性ホース(例えば可撓性のプラスチック製またはゴム製ホース)、硬質の管(例えば、硬質の金属製、プラスチック製または複合材料製の管)、または、外側に編組要素(例えば編組シース)を有する可撓性のホースのような可撓性層および硬質層の組合せから形成された管が挙げられる。トーチヘッドの様々なガス経路内のガス圧力を測定および制御するために、ガス経路をガス流測定装置(例えばガス圧力センサまたはガス流センサ)と連通させてもよい。別法として、いくつかの場合、ガス流測定装置はトーチヘッド内に配置されてもよい。
【0109】
図8を参照すると、いくつかの実施形態において、トーチ800は、1つまたは複数の流れ制限要素(例えば、ノズル出口オリフィス805またはノズルベントホール807)を有する消耗品(例えばノズル)803の端部に配置されたプラズマチャンバー802を含む。プラズマチャンバー802は、プラズマチャンバー802内のガス圧力および/またはプラズマプレナム806がモニタリングまたは測定されるように、圧力センサ(例えばトーチプラズマプレナム圧力センサ714)と連通していてもよい。いくつかの場合、プラズマチャンバー802は、ベント線809と連通するプラズマプレナム806を介して圧力センサと連通する。使用中、ガス(例えばプラズマ切断ガス)はガス送達システム700からガス供給領域804に送達されてもよく、その後プラズマプレナム806に(ベントホール807およびベントシステムに向かって)方向付けられ、かつ/またはオリフィス805に通されて、トーチから吐き出されてもよい。いくつかの場合、トーチ内に取り付けられた消耗品は、ガス流をこれらの流れ制限要素(例えば、ベントホール807および/またはオリフィス805)に通し、モニタリングすることにより特定され得る。
【0110】
いくつかの実施形態において、ガスがトーチベントシステムから(例えばプラズマプレナム806、ノズルベントホール807、およびベント線809を通って)流出するのを制限するために、消耗品は最初にトーチベントバルブ(例えばベント用開閉バルブ716)を閉じることにより検出(例えば特定)されてもよい。ベントが閉じられると、トーチに供給される圧力が(例えばガス調節装置710を介して)調整されて、プラズマプレナム内の所定の圧力(例えば27.6kPa(4psig))が達成される。いくつかの場合、所定の圧力が達成されると、消耗品が特定され得る。例えば、いくつかの場合、トーチに取り付けられた消耗品の種類を示すために、トーチに提供されるガス流が(例えば供給ガス流検出器708によって測定されるように)測定され、異なるトーチ消耗品についての予測値と比較されてもよい。例えば、測定値は、様々な特定の消耗品に関して過去に測定された値のルックアップテーブルと比較されてもよい。それに代えて、またはそれに加えて、いくつかの場合、プラズマプレナムにおいて所定の圧力を達成するために必要とされるトーチの上流におけるガス流の圧力は、トーチに取り付けられた消耗品を特定するために(例えば、閉バルブ圧力センサ712によって測定されるように)測定され使用されてもよい。例えば、測定されたガス圧力は、異なる消耗品についての予測圧力値と比較されてもよい。
【0111】
それに代えて、またはそれに加えて、いくつかの実施形態において、所定のガス圧力が達成されると、ベントが(例えばベント用開閉バルブ716を開けることにより)開けられ、消耗品を特定するために流れ特性が観察されてもよい。ベント用開閉バルブが開いている時、一部のガスはプラズマプレナムから流れ、ノズルベントホールを通り、ベントから出る(すなわちガスの流れG2)。この時、ベントは大気圧に開放されるが、プラズマプレナム圧力はあまり低下しない(例えば、所定の圧力未満にまで大きく低下しない)と予想され、したがってベントホールの上流に(例えば、所定の圧力等のプラズマプレナムにおいて)特定の圧力が存在し、ベントホールの下流において異なる(例えば大気の)圧力が存在し、そこを通るガス流が存在するであろう。いくつかの場合、ベントホールを通るガス流はベントガス流検出器718または供給ガス流検出器708によって測定することができる。このようにして、流れ制限要素(例えばノズルベントホール)の上流および下流の圧力およびそこを通るガス流は、消耗品を特定するために測定および使用され得る。例えば、測定値は、消耗品を特定するために異なる消耗品に関連付けられた実例の予測値(例えば経験的データのルックアップテーブル)と比較されてもよい。
【0112】
消耗品を特定するために流れ特性を使用する特定の実施形態を説明したが、他の実施形態も可能である。
以下、上記の実施形態から把握できる技術的思想を付記する。
【0113】
(付記1)
切断または溶接動作を実行するように構成された加熱トーチのための交換可能な消耗部品であって、
本体、および
前記本体に結合されるか前記本体内に組み込まれた読取可能データ保存デバイス
を含み、前記読取可能データ保存デバイスは、切断または溶接装置のための動作命令を含み、
前記読取可能データ保存デバイスは、前記消耗部品を加熱トーチに取り付ける際に加熱トーチの内部に配置され、かつ前記読取可能データ保存デバイスは、加熱トーチの内部で読み取り可能であるように構成されている、消耗部品。
【0114】
(付記2)
動作命令が切断プログラムを含む、付記1に記載の消耗部品。
(付記3)
切断プログラムがトーチシステム設定値を含む、付記2に記載の消耗部品。
【0115】
(付記4)
動作命令がワークピース切断アプリケーションを含む、付記1〜3のいずれか一項に記載の消耗部品。
【0116】
(付記5)
動作命令がファームウェアアップデートを含む、付記1〜4のいずれか一項に記載の消耗部品。
【0117】
(付記6)
交換可能な消耗部品が加熱トーチの構成部品を含む、付記1〜5のいずれか一項に記載の消耗部品。
【0118】
(付記7)
読取可能データ保存デバイスがRFIDタグを含む、付記1〜6のいずれか一項に記載の消耗部品。
【0119】
(付記8)
読取可能データ保存デバイスが更に書き換え可能である、付記1〜7のいずれか一項に記載の消耗部品。
【0120】
(付記9)
熱加工システムの制御装置に結合された切断または溶接工程のためのトーチであって、
付記1〜8のいずれか一項に記載の消耗部品、
トーチの内部で読取可能データ保存デバイスを読み取るための、トーチの内部または表面にあるデータ読取デバイス、および
データ読取デバイスと制御装置との間の通信を可能にするデータ伝送機構
を含み、読取可能データ保存デバイスは、熱加工システムの動作のためのデータを含む、トーチ。
【0121】
(付記10)
データ伝送機構は無線接続を含む、付記9に記載のトーチ。
(付記11)
読取可能データ保存デバイスは、稼働中およびトーチの内部に配置されている間のうちの少なくとも一方の間、書き込み可能である、付記9または10に記載のトーチ。
【0122】
(付記12)
データが熱加工システムの性能特性の変更を行うように構成される、付記9〜11のいずれか一項に記載のトーチ。
【0123】
(付記13)
性能特性の変更が、データを伝送しないほぼ同様の交換可能な消耗部品を使用して得られるであろう元の切断性能に対して、向上した切断品質性能を含む、付記12に記載のトーチ。
【0124】
(付記14)
データが熱加工システムのためのファームウェアアップデートを含む、付記9〜13のいずれか一項に記載のトーチ。
【0125】
(付記15)
データ読取デバイスがRFID読取デバイスを含む、付記9〜14のいずれか一項に記載のトーチ。
【0126】
(付記16)
制御装置に結合された切断または溶接工程のためのトーチであって、
トーチの内部のレセプタクルであって、前記トーチは付記1〜8のいずれか一項に記載の消耗部品を受容するように構成された、レセプタクル、
トーチの内部または表面にあるデータ読取デバイス、および
トーチと制御装置との間の通信機能を提供するデータ伝送機構
を含む、トーチ。
【0127】
(付記17)
データ読取デバイスは、トーチ内に配置された消耗部品の内部または表面にある読取可能データ保存デバイスと通信するように構成される、付記16に記載のトーチ。
【0128】
(付記18)
データ読取デバイスが、読取可能データ保存デバイスにデータを書き込むように構成されたデータ書込デバイスでもある、付記17に記載のトーチ。
【0129】
(付記19)
切断または溶接システムの工程を少なくとも部分的に制御する方法であって、
付記1〜8のいずれか一項に記載の消耗部品を提供する工程、
前記消耗部品を切断または溶接システムの用具に、前記読取可能データ保存デバイスが前記用具の内部に配置されるように組み付ける工程、
動作命令を前記用具の制御デバイスに伝達する工程、および
動作命令に従って切断または溶接工程を制御する工程
を含む、方法。
【0130】
(付記20)
付記1〜8のいずれか一項に記載の消耗部品を用いて切断または溶接システムに動作データを提供する方法であって、
前記消耗部品を、切断または溶接システムの加熱トーチの内部に、前記読取可能データ保存デバイスが加熱トーチの内部に配置されるように取り付ける工程、
前記読取可能データ保存デバイスが、加熱トーチの内部で読み取り可能であるように、読取可能データ保存デバイスと、切断または溶接システムのデータ読取デバイスとの間の通信を確立する工程、および
動作命令を少なくとも部分的に規定する動作データを、読取可能データ保存デバイスからデータ読取デバイスに伝送する工程
を含み、動作データは切断または溶接システムの動作に作用するように構成されている、方法。
【0131】
(付記21)
読取可能データ保存デバイスは、第1の交換可能な消耗部品の第1の読取可能データ保存デバイスを含み、データ読取デバイスは、切断または溶接システムの少なくとも1つのデータ読取デバイスを含み、
動作データは、第1の読取可能データ保存デバイスからの動作データの第1のセットを含み、さらに
第2の交換可能な消耗部品の第2の読取可能データ保存デバイスと、切断または溶接システムの前記少なくとも1つのデータ読取デバイスのうちの1つとの間の通信を容易にする工程、および
第2の読取可能データ保存デバイスからの動作データの第2のセットを、前記少なくとも1つのデータ読取デバイスのうちの1つに伝送する工程
を含み、動作データの第2のセットは、切断または溶接システムの動作を調整するように構成されている、付記20に記載の方法。
【0132】
(付記22)
切断または溶接システムを完全に動作させるために、動作データの第1のセットと動作データの第2のセットとの組合せが要求される、付記21に記載の方法。
【0133】
(付記23)
交換可能な消耗部品は第1の消耗部品であり、切断または溶接システムは、第2の消耗部品の物理的特徴に基づいて第2の消耗部品を特定するように更に構成される、付記20に記載の方法。
【0134】
(付記24)
第2の消耗部品の物理的特徴に基づいて第2の消耗部品を特定することは、第2の消耗部品を通るガス流を測定することを含む、付記23に記載の方法。
【0135】
(付記25)
ガス流の測定は、
切断または溶接システム内に配置された第2の消耗部品に関連付けられた流れ制限要素にガス流を通す工程、
流れ制限要素に対して上流の位置でガス流の第1の圧力を決定する工程、
流れ制限要素から下流の位置でガス流の第2の圧力を決定する工程、
流れ制限要素を通過するガス流の流量を決定する工程、および
第1の圧力、第2の圧力、および前記流量を使用して、第2の消耗部品を特定する工程を含む、付記24に記載の方法。
【0136】
(付記26)
動作データが切断または溶接システムのためのファームウェアアップデートを含む、付記20〜25のいずれか一項に記載の方法。
【0137】
(付記27)
切断または溶接システムによって使用されているファームウェアバージョンを決定する工程、および、その使用されているファームウェアバージョンを、ファームウェアアップデートのファームウェアバージョンと比較する工程を更に含む、付記26に記載の方法。
【0138】
(付記28)
前記作用が制御ソフトウェアを完全に置換することを含む、付記20に記載の方法。
(付記29)
熱加工機械に取り付けられる付記1〜8のいずれか一項に記載の消耗部品に情報を保存する方法であって、
熱加工機械のデータ書込デバイスとの通信のために、交換可能な消耗部品の書換可能データ保存デバイスを構成する工程であって、前記消耗部品が動作構成にあり、かつ前記書換可能データ保存デバイスが熱加工機械の内部にある状態で構成する工程、および
データ書込デバイスによって書換可能データ保存デバイスに情報を書き込む工程
を含む、方法。
【0139】
(付記30)
前記情報が、前記交換可能な消耗部品の過去の使用と関連付けられている、付記29に記載の方法。
【0140】
(付記31)
前記情報が、前記交換可能な消耗部品の過去の使用の持続時間に関する情報を含む、付記30に記載の方法。
【0141】
(付記32)
前記情報が、トーチ、交換可能な消耗部品、または熱加工機械の不具合またはエラーに関する情報を含む、付記30または31に記載の方法。
【0142】
(付記33)
前記情報が、動作中に繰り返し書き換え可能である、付記30〜32のいずれか一項に記載の方法。
【0143】
(付記34)
前記情報が、熱加工機械の使用頻度に関する情報を含む、付記30〜33のいずれか一項に記載の方法。
【0144】
(付記35)
前記情報は、前記交換可能な消耗部品が何回の切断サイクルに用いられたかに関する情報を含む、付記30〜34のいずれか一項に記載の方法。
【0145】
(付記36)
前記情報が、前記交換可能な消耗部品の過去の使用中の熱加工機械の動作パラメータに関する情報を含む、付記30〜35のいずれか一項に記載の方法。
【0146】
(付記37)
前記動作構成が、使用中の熱加工機械を含む、付記29〜36のいずれか一項に記載の方法。
【0147】
(付記38)
第1の熱加工システムおよび第2の熱加工システムを構成する方法であって、
第1の加熱トーチで使用するための第1の付記1〜8のいずれか一項に記載の消耗部品、および第2の加熱トーチで使用するための第2の付記1〜8のいずれか一項に記載の消耗部品を提供する工程であって、(1)第1の消耗部品および第2の消耗部品はほぼ同一の物理的特性を有し、(2)第1の消耗部品は、第1のデータが符号化された第1の読取可能データ保存デバイスに関連付けられ、(3)第2の消耗部品は、第2のデータが符号化された第2の読取可能データ保存デバイスに関連付けられている、工程、
第1の熱加工システムの第1の加熱トーチに、第1の消耗部品を、第1の読取可能データ保存デバイスが第1の加熱トーチの内部に配置されるように取り付け、第2の熱加工システムの第2の加熱トーチに、第2の消耗部品を、第2の読取可能データ保存デバイスが第2の加熱トーチの内部に配置されるように取り付ける工程、
第1の読取可能データ保存デバイスに保存された第1のデータを第1の熱加工システムによって、第1の加熱トーチの内側から検知する工程、
第2の読取可能データ保存デバイスに保存された第2のデータを第2の熱加工システムによって、第2の加熱トーチの内側から検知する工程、
検知された第1のデータに基づいて第1の加熱トーチを操作するための第1の熱加工システムのパラメータを、第1の熱加工システムにより、第1の値をそのパラメータに割り当てることによって構成する工程、および
検知された第2のデータに基づいて第2の加熱トーチを操作するための第2の熱加工システムのパラメータを、第2の熱加工システムにより、第1の値とは異なる第2の値をそのパラメータに割り当てることによって構成する工程
を含む、方法。
【0148】
(付記39)
第1または第2のデータの少なくとも一方は、対応する第1または第2の消耗部品の検出可能な物理的特性とは無関係である、付記38に記載の方法。
【0149】
(付記40)
第1または第2のデータの少なくとも一方は、対応する第1または第2の消耗部品の種類を特定する、付記38に記載の方法。
【0150】
(付記41)
前記対応する消耗部品の種類は、ノズル、シールド、電極、内側保持キャップ、外側保持キャップ、渦状リングまたは溶接チップを含む、付記40に記載の方法。
【0151】
(付記42)
第1または第2のデータの少なくとも一方は、対応する第1または第2の消耗部品に特有のシリアル番号を特定する、付記38に記載の方法。
【0152】
(付記43)
前記パラメータは、ワークピースからのトーチの高さ、プラズマガスの流量、シールドガスの流量、プラズマガスまたは電流のタイミング、あるいはワークピースを切断するための処理プログラムを含む、付記38〜42のいずれか一項に記載の方法。
【0153】
(付記44)
第1の加熱トーチおよび第2の加熱トーチによる加工のために、第1のワークピースおよび第2のワークピースをそれぞれ提供する工程を更に含み、第1のワークピースと第2のワークピースとは少なくともほぼ同一である、付記38〜43のいずれか一項に記載の方法。
【0154】
(付記45)
第1の読取可能データ保存デバイスに保存された第1のデータを検知する工程は、第1の熱加工システムの信号検出器を用いて第1のデータを検知する工程を更に含む、付記38〜44のいずれか一項に記載の方法。
【0155】
(付記46)
信号検出器がRFID読取機である、付記45に記載の方法。
(付記47)
信号検出器が第1の加熱トーチの外部に配置される、付記45または46に記載の方法。
【0156】
(付記48)
第1または第2のデータの少なくとも一方は、対応する第1または第2の熱加工システムに、空気圧信号、無線信号、光信号、磁気信号または液圧信号として伝送される、付記38〜47のいずれか一項に記載の方法。
【0157】
(付記49)
第1および第2の熱加工システムが同一の熱加工システムである、付記38〜48のいずれか一項に記載の方法。
【0158】
(付記50)
前記パラメータは、第1または第2の加熱トーチの少なくとも一方を操作するために、第1または第2の熱加工システムの少なくとも一方によって構成可能なパラメータのセットに包含される、付記38〜49のいずれか一項に記載の方法。
【0159】
(付記51)
第1および第2の熱加工システムによって、第1および第2の加熱トーチをそれぞれ操作するためのパラメータのセットの各々に値を割り当てる工程を更に含む、付記50に記載の方法。
【0160】
(付記52)
第1の加熱トーチおよび第2の加熱トーチを組み立てる方法であって、
第1の交換可能な消耗部品に、第1の交換可能な消耗部品の本体の表面または内部に配置される第1の読取可能データ保存デバイスを提供する工程、
第2の交換可能な消耗部品に、第2の交換可能な消耗部品の本体の表面または内部に配置される第2の読取可能データ保存デバイスを提供する工程、
第1の交換可能な消耗部品に関連付けられた第1のデータを、第1の読取可能データ保存デバイスに符号化する工程であって、第1のデータは第1の加熱トーチを操作するための第1の熱加工システムのパラメータの第1の値と関連する、工程、
第2の交換可能な消耗部品に関連付けられた第2のデータを、第2の読取可能データ保存デバイスに符号化する工程であって、第2のデータは第2の加熱トーチを操作するための第2の熱加工システムのパラメータの第2の値と関連し、第2の値は第1の値とは異なる、工程、
第1の交換可能な消耗部品を、第1の加熱トーチに、第1の読取可能データ保存デバイスが第1の加熱トーチの内部に配置されるように取り付ける工程、および
第2の交換可能な消耗部品を、第2の加熱トーチに、第2の読取可能データ保存デバイスが第2の加熱トーチの内部に配置されるように取り付ける工程を含む、方法。
【0161】
(付記53)
第1の熱加工システムおよび第2の熱加工システムが同一の熱加工システムである、付記52に記載の方法。
【0162】
(付記54)
前記パラメータは、ワークピースからのトーチの高さ、プラズマガスの流量、シールドガスの流量、プラズマガスまたは電流のタイミング、あるいはワークピースを切断するための工程を含む、付記52または53に記載の方法。
【0163】
(付記55)
第1または第2の読取可能データ保存デバイスは、加熱トーチの動作中の熱への曝露を最小限にするため、対応する第1または第2の交換可能な消耗部品の本体の表面に配置される、付記52〜54のいずれか一項に記載の方法。
【0164】
(付記56)
前記表面は、冷却機構に隣接しているか、プラズマアークから離れているか、または対応する第1または第2の交換可能な消耗部品のO−リング状チャネル内に配置されるか、あるいはこれらの組合せである、付記55に記載の方法。
【0165】
(付記57)
第1または第2のデータは、無線信号、空気圧信号、磁気信号、光信号、または液圧信号として伝送される、付記52〜56のいずれか一項に記載の方法。
【0166】
(付記58)
熱加工システムを構成する方法であって、
加熱トーチに使用するための付記1〜8のいずれか一項に記載の消耗部品を提供する工程であって、前記消耗部品は加熱トーチへの取り付けを容易にする1つまたは複数の物理的特性を有する、工程、
消耗部品に関連付けられた読取可能データ保存デバイスが加熱トーチの内部に配置されるように、加熱トーチに消耗部品を取り付ける工程、
加熱トーチを熱加工システムに結合する工程、
読取可能データ保存デバイスに符号化され、消耗部品に関連付けられたデータを、熱加工システムによって加熱トーチの内部で検知する工程、および
検知されたデータが基準を満たすか否かに基づき、加熱トーチを操作するための熱加工システムの1つまたは複数のパラメータを熱加工システムによって構成する工程
を含む、方法。
【0167】
(付記59)
熱加工システムの1つまたは複数のパラメータを構成する工程は、データが基準を満たさない場合、熱加工システムが加熱トーチを操作するのを阻止する工程を含む、付記58に記載の方法。
【0168】
(付記60)
前記データが、許可されたメーカーと一致しない消耗部品のメーカーを特定する、付記59に記載の方法。
【0169】
(付記61)
前記データが、消耗部品に結合された読取可能データ保存デバイスに符号化されている、付記58〜60のいずれか一項に記載の方法。
【0170】
(付記62)
検知が熱加工システムのRFID読取機によって実施される、付記58〜61のいずれか一項に記載の方法。
【0171】
(付記63)
熱加工システムによって検知されたデータが存在しない場合、熱加工システムの1つまたは複数のパラメータの構成を阻止する工程を更に含む、付記58〜62のいずれか一項に記載の方法。
【0172】
本発明の様々な態様および実施形態はまた、様々な方法で組み合わせ可能であることが理解されるべきである。本明細書の教示に基づき、当分野の通常の技術者は、これらの様々な実施形態をどのように組み合わせるか容易に決定することができる。さらに、当業者が本明細書を読めば、変更例も想起可能であろう。本願はそのような変更例も包含し、請求項の範囲によってのみ限定される。