(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、ヒンジ部(5a−1)の厚みが薄く、ヒンジ部(5a−1)の強度が低いため、キャップ部材(6)が仮組状態であっても倒伏状態であっても、ヒンジ部(5a−1)が変形してしまうことがある。また、仮組み状態のキャップ部材(6)の安定性が低く、キャップ部材(6)ががたついたり、倒れたりする虞がある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は
、強度の高い組み付け構
造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するための請求項1に係る発明は、箱形に設けられ、上面が開口した内装部材と、
前記内装部材の内面に凹んだ状態に設けられた収容凹部と、
前記収容凹部の底面を貫通し、前記収容凹部の立壁面に沿って形成された保持孔と、
前記収容凹部の前記立壁面を貫通し、前記収容凹部の底面に沿って形成され、前記保持孔と一体となったガイド孔と、
前記保持孔の上において立てた状態に保持され、前に倒伏することで前記収容凹部に嵌め込まれるキャップ部材と、
立てた状態の前記キャップ部材の下端から延出して、前記保持孔に差し込まれた支持片と、
前記支持片の前面に凸状に設けられ、前記収容凹部の前記立壁面に相対する前記保持孔の縁近傍において前記収容凹部の底面に引っ掛かったガイ
ドと、を備える組み付け構造である。
また、請求項2に係る発明は、前記収容凹部の裏側の前記内装部材の外面のうち前記保持孔の側方に形成された係合面と、
前記収容凹部の裏側の前記内装部材の外面のうち前記保持孔の側方に形成され、前記係合面から前記収容凹部の前記立壁面の裏側に向かって延び、前記係合面との間に出隅を形成するように前記係合面に対して傾斜した摺動面と、
前記支持片の側面に凸状に設けられ、前記収容凹部の裏側において前記係合面に引っ掛かった引掛部と、を備える請求項1に記載の組み付け構造である。
【0007】
請求項
3に係る発明は、前記ガイ
ドの下面に凸柱面状に形成された転動面と、前記ガイ
ドの前端面に平面状に形成され、前記転動面の前端から上に延びたガイド面と、を備え、前記転動面が前記収容凹部の前記立壁面に相対する前記保持孔の縁近傍において前記収容凹部の底面に接触し、その接触部を中心とした鋭角が前記転動面と前記収容凹部の底面との間に形成される請求項1
又は2に記載の組み付け構造である。
【0008】
請求項
4に係る発明は、前記ガイド面が前記支持片の後面に対して平行であるか、又は前記ガイド面が前記支持片の後面に対して傾斜するとともに、前記支持片の後面から前記ガイド面の厚さが上に向かって漸減する請求項
3に記載の組み付け構造である。
【0009】
請求項
5に係る発明は、前記ガイ
ドの上面に形成され、前記ガイド面の上端から後方へ凸面状に湾曲した滑り面を更に備える請求項
3又は
4に記載の組み付け構造である。
【0010】
請求項
6に係る発明は、前記支持片の後面が前記収容凹部の前記立壁面に当接する請求項1から
5の何れか一項に記載の組み付け構造である。
【0011】
請求項
7に係る発明は、前記支持片の先端から前記キャップ部材側へ切り欠くように前記支持片に形成されたノッチと、前記収容凹部の前記立壁面に相対する前記保持孔の縁に凸状に設けられた台座部と、を更に備え、前記支持片のうち前記ノッチによって二叉に分かれた部位が前記台座部を跨いで、前記台座部が前記ノッチの底に当接する請求項1から
6の何れか一項に記載の組み付け構造である。
【0012】
請求項
8に係る発明は、前記ノッチの底が丸面取りされ、前記台座部の上面と後面の間の角部が丸面取りされている請求項
7に記載の組み付け構造である。
【0013】
請求項
9に係る発明は、前記キャップ部材が前記ガイ
ドと前記収容凹部の底面との接触部を支点として前に倒されることによって、前記引掛部が弾性変形して前記係合面から前記摺動面へ前記出隅を乗り越え、前記引掛部が前記摺動面に沿ってスライドしながら前記支持片が前記保持孔から前記ガイド孔へ振り上げられる請求項
2から
8の何れか一項に記載の組み付け構造である。
【0014】
請求項
10に係る発明は、前記支持片の後面が前記ガイド孔の上縁に当接するまで前記支持片が振り上げられると、前記ガイ
ド及び前記支持片が記収容凹部の前記立壁面に相対する前記保持孔の縁と前記ガイド孔の上縁とに挟まれた状態で、前記キャップ部材が前に倒れながら前記ガイ
ド及び前記支持片が前記引掛部の弾性変形からの復元力によって後方へスライドする請求項
9に記載の組み付け構造である。
【発明の効果】
【0018】
請求項
1に係る発明によれば
、立った状態
のキャップ部材を前に押せば
、キャップ部材がガイ
ドと収容凹部の底面との接触部を支点として前に倒れる際のキャップ部材の軌跡が安定する。そのため、キャップ部材が前に倒れると、キャップ部材が収容凹部にほぼ嵌まった状態となる。よって、キャップ部材が前に倒れた後に、キャップ部材の位置を大きく調整しなくても、キャップ部材を収容凹部に嵌め込むことができる。
また、キャップ部材を倒すのに際し、大きく変形させる部分が無いので、強度の高い組み付け構
造を提供することができる。
請求項2,9,10に記載の発明によれば、収容凹部の底面の反対側では引掛部が係合面に引っ掛かっているので、支持片が保持孔から抜けることを抑制することができ、キャップ部材が立った状態に保たれる。
キャップ部材がガイドと収容凹部の底面との接触部を支点として前に倒れようとしても、引掛部が係合面と摺動面との間の出隅に引っ掛かって、その引掛部が出隅を乗り越えられないので、キャップ部材が前に倒れることを抑制することができる。
キャップ部材を前に押せば、引掛部が出隅を乗り越えて、キャップ部材を前に倒すことができる。この際、引掛部が係合面から摺動面へ出隅を乗り越えると、引掛部が摺動面に沿って案内されるので、キャップ部材がガイドと収容凹部の底面との接触部を支点として前に倒れる際のキャップ部材の軌跡が安定する。そのため、キャップ部材が前に倒れると、キャップ部材が収容凹部にほぼ嵌まった状態となる。よって、キャップ部材が前に倒れた後に、キャップ部材の位置を大きく調整しなくても、キャップ部材を収容凹部に嵌め込むことができる。
また、引掛部が出隅を乗り越えた後、引掛部の弾性変形が復元する際の力が摺動面に作用し、その力がキャップ部材の倒れに寄与する。
また、キャップ部材を倒すのに際し、大きく変形させる部分が無いので、強度の高い組み付け構造を提供することができる。
【0019】
請求項
3に係る発明によれば、キャップ部材を前に押すと、キャップ部材がガイ
ドと収容凹部の底面との接触部を支点として前に倒れる際に転動面が収容凹部の底面上を転動するから、キャップ部材が倒れる際の軌跡が安定するとともに、キャップ部材の倒れに対する抵抗が発生しづらい。
キャップ部材が大きく倒れると、ガイド面が保持孔の縁に接触するから、ガイド面がキャップ部材の前後の動きの抵抗にならない。そのため、引掛部の弾性変形が復元する際の力によってガイ
ドが後ろにスライドし、これによりキャップ部材も後ろに移動し、キャップ部材が収容凹部にほぼ嵌まった状態にすることができる。よって、キャップ部材が前に倒れた後に、キャップ部材の位置を大きく調整しなくても、キャップ部材を収容凹部に嵌め込むことができる。
【0020】
請求項
4に係る発明によれば、キャップ部材が大きく倒れて、支持片の後面がガイド孔の上縁に当接すると、支持片及びガイ
ドがガイド孔の上縁と保持孔の縁との間に挟まれる。そうであっても、ガイド面が支持片の後面に対して平行であるか、又は傾斜するから、支持片の後面及びガイド面がキャップ部材の前後の動きの抵抗にならない。そのため、引掛部の弾性変形が復元する際の力によってガイ
ドが後ろにスライドし、これによりキャップ部材も後ろに移動し、キャップ部材が収容凹部にほぼ嵌まった状態にすることができる。
【0021】
請求項
5に係る発明によれば、キャップ部材が前に大きく倒れた後にキャップ部材が後方へ移動すると、ガイ
ドと保持孔の縁との接触部がガイド面から滑り面に移り変わる。そのため、ガイ
ドが保持孔に入り込んで、キャップ部材が収容凹部にほぼ嵌まった状態にすることができる。その際、滑り面が凸面状に形成されているから、ガイ
ドが滑らかな動きで保持孔に入り込むので、キャップ部材の軌跡が安定するとともに、異音の発生を抑えることができる。
【0022】
請求項
6に係る発明によれば、キャップ部材が後ろに倒れることを抑制することができる。
【0023】
請求項
7に係る発明によれば、キャップ部が左右に傾くことを抑制することができる。
【0024】
請求項
8に係る発明によれば、キャップ部材を立った状態からスムーズに前へ倒すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の実施形態に係る車両用内装品の分解斜視図である。
【
図2】同実施形態に係る車両用内装品に設けられる内装部材の斜視図である。
【
図3】同実施形態に係る組み付け構造の分解斜視図である。
【
図4】同実施形態に係る車両用内装品に設けられる内装部材の外面を示した斜視図である。
【
図5】同実施形態に係る組み付け構造の表側の斜視図である。
【
図6】同実施形態に係る組み付け構造の裏側の斜視図である。
【
図7】キャップ部材が内装部材に仮組みされた状態のVII−VII断面図である。
【
図8】キャップ部材が内装部材に仮組みされた状態のVIII−VIII断面図である。
【
図9】キャップ部材が内装部材に仮組みされた状態のIX−IX断面図である。
【
図10】キャップ部材が内装部材に本組みされた状態のVII−VII断面図である。
【
図11】キャップ部材が内装部材に本組みされた状態のVIII−VIII断面図である。
【
図12】キャップ部材が内装部材に本組みされた状態のIX−IX断面図である。
【
図13】キャップ部材が倒れ始めた状態の表側を示した斜視図である。
【
図14】キャップ部材が倒れ始めた状態の裏側を示した斜視図である。
【
図15】キャップ部材が倒れ始めた状態のVII−VII断面図である。
【
図16】キャップ部材が倒れ始めた状態のVIII−VIII断面図である。
【
図17】キャップ部材が倒れ始めた状態のIX−IX断面図である。
【
図18】キャップ部材が
図13に示す状態よりも更に倒れた状態の表側を示した斜視図である。
【
図19】キャップ部材が
図14に示す状態よりも更に倒れた状態の裏側を示した斜視図である。
【
図20】キャップ部材が
図15に示す状態よりも更に倒れた状態のVII−VII断面図である。
【
図21】キャップ部材が
図16に示す状態よりも更に倒れた状態のVIII−VIII断面図である。
【
図22】キャップ部材が
図17に示す状態よりも更に倒れた状態のIX−IX断面図である。
【
図23】キャップ部材が
図19に示す状態よりも更に倒れた状態の裏側を示した斜視図である。
【
図24】キャップ部材が
図20に示す状態よりも更に倒れた状態のVII−VII断面図である。
【
図25】キャップ部材が
図21に示す状態よりも更に倒れた状態のVIII−VIII断面図である。
【
図26】キャップ部材が
図22に示す状態よりも更に倒れた状態のIX−IX断面図である。
【
図27】キャップ部材が
図23に示す状態よりも更に倒れた状態の裏側を示した斜視図である。
【
図28】キャップ部材が
図24に示す状態よりも更に倒れた状態のVII−VII断面図である。
【
図29】キャップ部材が
図25に示す状態よりも更に倒れた状態のVIII−VIII断面図である。
【
図30】キャップ部材が
図26に示す状態よりも更に倒れた状態のIX−IX断面図である。
【
図31】キャップ部材が
図28に示す状態よりも更に倒れた状態のVII−VII断面図である。
【
図32】キャップ部材が
図29に示す状態よりも更に倒れた状態のVIII−VIII断面図である。
【
図33】キャップ部材が
図30に示す状態よりも更に倒れた状態のIX−IX断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。但し、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が以下の実施形態に付されているので、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。なお、
図2〜
図33の何れの図面も透視投影図である。
【0028】
図1は、車両用内装品1の分解斜視図である。本実施形態では、この車両用内装品1がドアトリムであるものとして、車両用内装品1の説明を行う。但し、本発明に係る車両用内装品はドアトリム以外の内装品にも適用することができる。
【0029】
車両用内装品1は内装品本体10、内装部材20、キャップ部材40及び仮止め部41等を備える。
【0030】
内装品本体10は、ボルト、ネジ、金属製リベット、樹脂製リベット、鋲、係止爪その他の留め具によって自動車のドア本体の車室内側の面に取り付けられる。内装品本体10は樹脂成形品であって、射出成形法、モールドプレス法、複数色成形法、モールド成形法その他の成形法によって成形されたものである。内装品本体10は、別々に成形された樹脂成形品を組み立てることによって作られた複合品であってもよい。
【0031】
内装品本体10の上部には、ドアノブが収まる穴11が形成されている。
内装品本体10の上端と下端の間の中間部には膨出部15形成されており、この膨出部15が車室の内側へ膨出し、膨出部15の裏側(車室の外側)に空洞が形成されている。この膨出部15は、穴11の下において前後に延在する。膨出部15の上面には、取付穴17が形成されている。その取付穴17は膨出部15の裏側の空洞に通じている。
【0032】
この取付穴17には、内装部材20とキャップ部材40を仮組した組み付け構造が設けられている。この組み付け構造は内装部材20及びキャップ部材40等を備えるものであり、組み付け構造の構成について以下に詳細に説明する。
【0033】
内装部材20は、自動車のドアを閉める際に利用される。つまり、人差し指、中指、薬指及び小指を取付穴17から内装部材20の中空21に入れて、内装部材20及び膨出部15を掴んで、車両用内装品1ごとドア本体を引くことで、ドアを閉じることができる。つまり、内装部材20は把手部である。
【0034】
図2は、内装部材20の斜視図である。
図1及び
図2に示すように、内装部材20は上面が開口したポケット部材である。つまり、内装部材20が箱形に形成されているとともに中空21を有し、内装部材20の上面が開口して、中空21の上側が開放されている。この内装部材20が車室外の方から膨出部15の裏側の空洞に収められて、内装部材20の上面開口が取付穴17に重なり、内装部材20の中空21が取付穴17を通じて車室内に開放される。内装部材20は、ボルト、ネジ、金属製リベット、樹脂製リベット、鋲、係止爪その他の留め具によって内装品本体10に固定されている。
【0035】
図3は、内装部材20の内側から側板22を示した分解斜視図である。
図2及び
図3に示すように、内装部材20の側板22の内面22aには第一収容凹部23が凹んだ状態に形成されている。第一収容凹部23が矩形状に形成され、第一収容凹部23を囲う4つの立壁面23a〜23dが第一収容凹部23の底面23eに対して立てられている。なお、第一収容凹部23が形成される位置は内装部材20の内面であれば、底板、前板或いは後板の何れでもよい。
【0036】
第一収容凹部23の底面23eには、第二収容凹部24が凹んだ状態に形成されている。第二収容凹部24には円形状の通孔25が形成され、その通孔25が内装部材20の内面22aの裏側の面まで貫通する。車両用内装品1がドア本体に組み付けられた状態では、取付ネジ(締結具)98が通孔25に通され、その取付ネジがドア本体に締め付けられ、その取付ネジの頭部が第二収容凹部24の底に締め付けられている。以上により、内装部材20及び内装品本体10がドア本体に固定される。
【0037】
第一収容凹部23の底面23eには保持孔26と係合孔27,28が形成されており、これら保持孔26及び係合孔27,28は内装部材20の外側の面まで貫通する。
係合孔27,28は、第一収容凹部23の立壁面23a〜23dのうち立壁面23b寄りに形成されている。係合孔27,28は、立壁面23bに沿って形成されて、第一収容凹部23の底面23eと立壁面23bとの間の角部を通じて第一収容凹部23の裏側まで貫通する。
【0038】
保持孔26は、立壁面23bに相対する立壁面23a寄りに形成されている。保持孔26は平面視で矩形状に形成されており、その一辺の縁26bが立壁面23aに沿っている。そして、保持孔26は、第一収容凹部23の底面23eからその裏側の面まで貫通する。保持孔26を囲う4辺のうち立壁面23aと反対側の縁26cの中央部には、台座部26aが凸状に設けられている。台座部26aの前面と上面の間の角部が丸面取りされている(
図3並びに後述の
図4及び
図7等参照)。
立壁面23aとその反対側の縁26cの面とは互いに平行に設けられている。立壁面23aと縁26cの面は平面状である。
【0039】
立壁面23aに矩形状のガイド孔29が形成され、そのガイド孔29が立壁面23aの裏側面まで貫通する。このガイド孔29は第一収容凹部23の底面23eに沿って形成され、ガイド孔29の下端が保持孔26の後端に連なり、ガイド孔29と保持孔26が一体に形成されている。ガイド孔29の幅は保持孔26の幅よりも狭い。
【0040】
以下の説明では、保持孔26が第一収容凹部23の底面23eを貫通する方向を上下方向とし、ガイド孔29が立壁面23aを貫通する方向を前後方向とし、ガイド孔29及び保持孔26の幅方向を左右方向とする(
図3に示す矢印参照)。第一収容凹部23が内装部材20の側板22の内面22aに形成されているので(
図1参照)、
図3に示す上下方向は車両の左右方向に相当し、
図3に示す左右方向は車両の上下方向に相当する。つまり、内装部材20とキャップ部材40を仮組した組み付け構造を説明するために、保持孔26の貫通方向を上下方向と定めるが、その上下方向は鉛直方向や車両の上下方向を必ずしも指すものではない。
【0041】
続いて、
図4を参照して第一収容凹部23の裏側について詳細に説明する。
図4は、第一収容凹部23の裏側を示した斜視図である。
図4に示す矢印の向きは
図3に示す矢印の向きに倣う。
第一収容凹部23の底面23eの裏側面(内装部材20の外面)であって保持孔26の左右両側には、係合面31,32がそれぞれ形成されている。更に、摺動面33,34も保持孔26の左右両側に形成されている。これら係合面31,32は、第一収容凹部23の底面23eに対して平行である。係合面31,32は平面状である。
【0042】
立壁面23aの裏側の面であってガイド孔29の左右両側には、裏側立壁面35,36がそれぞれ形成されている。裏側立壁面35,36は立壁面23aに対して平行である。
【0043】
係合面31と裏側立壁面35との間の角部が面取りされており、その角部には摺動面33が形成されている。この摺動面33は係合面31の後端から立壁面23aの裏側へ向かって延び、摺動面33が係合面31及び裏側立壁面35のどちらに対しても傾斜し、摺動面33の法線は後ろ斜め下へ延びる。摺動面33は平面状に形成されているか、曲率半径の大きな凸柱面状に形成されている。
【0044】
係合面31の後ろ側が摺動面33の前下側に連なり、係合面31の後ろ側のエッジ及び摺動面34の前下側のエッジには、係合面31と摺動面34によって成す出隅37が形成される。その出隅37が丸められており、出隅37の曲率半径は摺動面34の曲率半径よりも小さい。
【0045】
係合面32と裏側立壁面36との間の角部も面取りされて、摺動面34が形成されている。更に、係合面32と摺動面34によって成す出隅38も形成されている。
【0046】
ガイド孔29の上縁29aには、2つの突起22c,22cが形成されている。更に、内装部材20の側板22の外面22bであってガイド孔29から後方へ離れた位置には、突起22dが形成されている。
【0047】
続いて、
図5〜
図9を参照して、キャップ部材40及びそれに設けられた仮止め具50について詳細に説明する。
図5は、キャップ部材40を内装部材20に仮止めした状態を内装部材20の内側から示した斜視図である。
図6は、キャップ部材40を内装部材20に仮止めした状態を第一収容凹部23の裏側から示した斜視図である。
図7は、
図6に示すVII−VIIに沿った面を矢印方向に向かって見て示した断面図である。
図8は、
図6に示すVIII−VIIIに沿った面を矢印方向に向かって見て示した断面図である。
図9は、
図6に示すIX−IXに沿った面を矢印方向に向かって見て示した断面図である。
【0048】
図5〜
図9に示すように、キャップ部材40が矩形板状に設けられている。このキャップ部材40が内装部材20の中空21に収容され、仮止め具50によってキャップ部材40が内装部材20の中空21に仮止めされている。より具体的には、仮止め具50が保持孔26に装着されることによって、キャップ部材40が第一収容凹部23の底面23eに対して立てられた状態で保持されている。
【0049】
このキャップ部材40が倒伏可能である。車両用内装品1がドア本体に取り付けられる前には、
図5〜
図9に示すようにキャップ部材40が立った状態に保たれ、車両用内装品1がドア本体に取り付けられた後には、
図10〜
図12に示すようにキャップ部材40が倒伏されて、キャップ部材40が第一収容凹部23の底面23eに伏した状態で第一収容凹部23に嵌め込まれる。なお、
図10〜
図12は、キャップ部材40が倒伏した状態の場合の
図7〜
図9にそれぞれ相当する断面図である。
【0050】
立った状態のキャップ部材40の上端40dの前面40b寄りには、2つのフック71,72がこれらの間に間隔をおいて設けられている。フック71,72はキャップ部材40の上端40dから僅かに突出する。フック71,72は側面視で三角状に形成されており、フック71,72の前面には、前下がりに傾斜した第一傾斜面71a,72aがフック60形成され、フック71,72の後面には、後ろ下がり傾斜した第二傾斜面71b,72bが形成されている。
【0051】
図5〜
図9に示すように、立った状態のキャップ部材40の下端40cには、仮止め具50が設けられており、キャップ部材40が閉じる方向(前方向)A及び開く方向(後ろ方向)Bへ倒れることが仮止め具50によって規制される。仮止め具50は、支持片51、ノッチ52(
図3参照)、左右一対のガイド兼ストッパ53,54、左右一対の引掛部55,56、左右一対の当接片57,58及び左右一対の傾斜面61,62(
図3参照)等を備える。
【0052】
支持片51及びノッチ52について詳細に説明する。
支持片51がキャップ部材40と一体に成形されたものである。この支持片51はキャップ部材40の下端40cの前面40b側に設けられている。この支持片51は、立った状態のキャップ部材40の下端40cの中央部から延出しているとともに、キャップ部材40と平行となるような帯板状に設けられている。支持片51の左右の幅はガイド孔29の左右の幅以下である。支持片51の後面51a及び前面51bが平面状に形成され、これらの面51a,51bが互いに平行である。
【0053】
支持片51の先端(下端)の中央部には、その先端からキャップ部材40の下端40cに向かって切り欠いたU字型のノッチ52が形成されており、そのノッチ52によって支持片51が二叉に分岐する。ノッチ52の底52aが丸面取りされている(主に
図3及び
図7等参照)。
【0054】
傾斜面61,62について詳細に説明する。
支持片51の前面51bには、傾斜面61,62が形成されている。これら傾斜面61,62はノッチ52の両側にそれぞれ配置され、これら傾斜面61,62の間にノッチ52がある。
図8に示すように、傾斜面61,62が支持片51の後面51a及び前面51bに対して傾斜し、傾斜面61,62の下端が支持片51の前面51bに交差し、側面視して支持片51の前面51bと傾斜面61,62の成す内角が90°以上180°未満である。傾斜面61,62から支持片51の後面51aまでの厚さは下から上に向けて漸増する。そして、傾斜面61,62から支持片51の後面51aまでの厚さは傾斜面61,62の上端において最大をとり、その最大の厚さは立壁面23aから縁26cの面までの距離に等しい。
【0055】
ガイド兼ストッパ53,54について詳細に説明する。
ガイド兼ストッパ53,54は支持片51と一体に成形されたものである。ガイド兼ストッパ53,54は、支持片51の前面51bであって傾斜面61,62の上側において凸状に形成されている。これらガイド兼ストッパ53,54は、リブ状(薄板状)に形成されている。ガイド兼ストッパ53,54はノッチ52の両側にそれぞれ配置され、これらガイド兼ストッパ53,54の間にノッチ52がある。
図5に示すように、ガイド兼ストッパ53,54は側面視で台形を基調とした形状に形作られており、ガイド兼ストッパ53,54の下面(転動面53a,54a)及び上面(滑り面53c,54c)が台形の脚を構成し、ガイド兼ストッパ53,54の前端面(ガイド面53b,54b)が台形の上底を構成する。
【0056】
ガイド兼ストッパ53,54の下面には、凸円柱面状の転動面53a,54aが形成されている。転動面53a,54aが支持片51の前面51bから、特に傾斜面61,62の上端から前へ立ち上がる。転動面53a,54aと傾斜面61,62との成す内角が90°以上であり、転動面53a、54aと支持片51の前面51bとの成す内角も90°以上である。転動面53a,54aと傾斜面61,62の成す角部の上下方向の位置は、ノッチ52の底52aの上下方向の位置に揃っている。
【0057】
ガイド兼ストッパ53,54の前端面(突端面)には平面状のガイド面53b,54bが形成されている。ガイド面53bの下端が転動面53aの前端に滑らかに連なっており、転動面53aとガイド面53bが連続した面となっており、転動面53aがガイド面53bの下端から後ろへ湾曲し、ガイド面53bが転動面53aの前端から上に延びる。ガイド面54bと転動面53aについても同様である。
ガイド面53b,54bが支持片51の後面51aに対して僅かに傾斜し、支持片51の後面51aを基準としたガイド兼ストッパ53,54の突出高さ(ガイド面53b,54bから支持片51の後面51aまでの厚さ)は上に向かって漸減する。なお、ガイド面53b,54bが支持片51の後面51aに対して平行であってもよい。
【0058】
ガイド兼ストッパ53,54の上面には、凸楕円柱面状の滑り面53c,54cが形成されている。ガイド面53bの上端が滑り面53cの前端に滑らかに連なっており、ガイド面53bと滑り面53cが連続した面となっており、側面視して滑り面53cがガイド面53bの上端から後ろへ湾曲する。滑り面54cとガイド面54bについても同様である。
【0059】
引掛部55,56及び当接片57,58について詳細に説明する。
引掛部55,56及び当接片57,58は支持片51と一体に成形されたものである。引掛部55,56は支持片51の左右の側面にそれぞれ形成されている。引掛部55,56は支持片51の側面から側方へ突出した突起であり、引掛部55,56の上縁55a,56aが支持片51の側面に対して垂直に切り立っている。引掛部55,56の側縁55b,56bの法線が下斜め側方に延びており、側縁55b,56bが支持片51の下端側において支持片51の側面に交差するように側縁55b,56bが支持片51の側面に対して傾斜する。そして、引掛部55,56の上縁55a,56aと側縁55b,56bの成す内角は鋭角である。また、引掛部55,56の前面55c,56cは支持片51の前面51bと面一になっている。
【0060】
引掛部55,56の上縁55a,56aの前側には、当接片57,58がそれぞれ凸状に設けられている。当接片57,58の左右幅(支持片51の側面を基準とした当接片57,58の突出高さ)は引掛部55,56の左右幅よりも短く、引掛部55,56の上縁55a,56aの先端部には当接片57,58が形成されていない。当接片57,58の前側の面は、引掛部55,56の前面55c,56c及び支持片51の前面51bと面一になっている。
【0061】
一方の引掛部55の左右幅が他方の引掛部56の左右幅と異なり、一方の当接片57の左右幅が他方の当接片58の左右幅と異なる。これは、キャップ部材40が右ドア用のものであれば、そのキャップ部材40を左ドア用の内装品本体10及び内装部材20と組み合わせてしまうことを抑制するためである。
【0062】
続いて、キャップ部材40を内装部材20に仮組みした状態について説明する。
図5〜
図9に示すように、キャップ部材40が立てられ、支持片51がキャップ部材40から下へ垂下し、キャップ部材40及び支持片51の後面40a,51aが立壁面23a側に向けられ、キャップ部材40及び支持片51の前面40b,51bが立壁面23b側に向けられている。そして、支持片51が保持孔26の上から保持孔26に差し込まれ、台座部26aがノッチ52に差し込まれ、支持片51の二叉に分かれた部位が台座部26aを跨いで、ノッチ52の底52aが台座部26aの上面に当接する(主に
図5及び
図6参照)。支持片51の二叉部位が台座部26aを跨いでいるので、キャップ部材40が左右に傾くことを抑制することができる。
【0063】
ガイド兼ストッパ53,54が保持孔26の縁26c近傍において第一収容凹部23の底面23eに引っ掛かっている(主に
図5及び
図8参照)。具体的には、ガイド兼ストッパ53,54の転動面53a,54aが保持孔26の縁26c近傍において第一収容凹部23の底面23eに当接する。これにより、支持片51が更に下方へ保持孔26に挿入されることを抑制することができる。なお、転動面53a,54aが凸円柱面状に形成されているので、転動面53a,54aが第一収容凹部23の底面23eに線接触する(
図8参照)。そのため、その線接触部を中心とした鋭角が転動面53a,54aと第一収容凹部23の底面23eとの間に形成され、転動面53a,54aと第一収容凹部23の底面23eとの間の隙間が前側で拡開する。
【0064】
引掛部55,56は保持孔26を上から下へ突き抜けており、引掛部55,56が係合面31、32に引っ掛かって、引掛部55,56の上縁55a,56aが係合面31,32に当接する(主に
図6及び
図9参照)。これにより、支持片51が保持孔26から上へ抜けてしまうことを抑制することができる。
【0065】
キャップ部材40が転動面53a,54aと第一収容凹部23の底面23eとの接触部を支点として方向Aへ倒れようとしても、引掛部55,56が出隅37,38に引っ掛かって出隅37,38に圧接し、キャップ部材40の回転モーメントが引掛部55,56から出隅37,38に受けられる。これにより、引掛部55,56が出隅37,38を乗り越えられず、キャップ部材40がA方向へ倒れることを抑制することができる。
【0066】
支持片51が立壁面23aにもたせかけられ、支持片51の後面51aが立壁面23aに面接触する(主に
図7〜
図9参照)。また、傾斜面61,62の上端が保持孔26の縁26cに接触する(主に
図8参照)。これにより、キャップ部材40がB方向へ倒れることを抑制することができる。
【0067】
当接片57,58が保持孔26内に配置され、当接片57,58が保持孔26の縁26d,26eにそれぞれ当接する(主に
図6参照)。そのため、キャップ部材40及び支持片51のがたつきを抑制することができる。
【0068】
続いて、内装部材20とキャップ部材40を仮組した組み付け構造の製造方法について説明するとともに、車両用内装品1の製造方法について説明する。
【0069】
内装品本体10を射出成型法等によって成形する。
また、内装部材20を射出成型法等によって成形する。内装部材20の成形により、収容凹部23,24、通孔25、保持孔26、ガイド孔29、係合面31,32、摺動面33,34、裏側立壁面35,36、出隅37,38及び突起22c,22c,22d等も形成される。
また、キャップ部材40を射出成型法等によって成形するとともに、キャップ部材40の成形に際して支持片51、ノッチ52、ガイド兼ストッパ53,54、引掛部55,56、当接片57,58及び傾斜面61,62等をキャップ部材40と一体成形する。
【0070】
次に、内装部材20を内装品本体10の裏側から膨出部15の裏側の空洞に収容し、内装部材20の上面開口を取付穴17に重ねる。そして、内装部材20を留め具によって内装品本体10に固定する。
【0071】
次に、キャップ部材40及び支持片51を内装部材20の中空21に入れる。そのキャップ部材40及び支持片51の後面40a,51aを第一収容凹部23の立壁面23a側に向けるようにして、キャップ部材40及び支持片51を側板22の内面22a及び第一収容凹部23の底面23eに対して立てる。そして、支持片51の先端を先にして、支持片51及び引掛部55,56を保持孔26に差し込む。この際、支持片51の前面51bを立壁面23aに当接させて、支持片51を立壁面23aに沿ってスライドさせる。
【0072】
支持片51及び引掛部55,56を保持孔26に差し込んでいる際、引掛部55,56の側縁55b,56bを保持孔26の左右の縁26d,26eに押し当て、引掛部55,56が保持孔26の左右の縁26d,26eによってノッチ52側へ押される。これにより、支持片51のうち二叉に分かれた部位を撓ませて、その部位の間隔を狭め、引掛部55,56に第一収容凹部23の底面23eからその裏側の係合面31,32へ保持孔26の縁26d,26eを乗り越えさせる。引掛部55,56の側縁55b,56bが傾斜しているので、引掛部55,56が保持孔26の縁26d,26eを乗り越えやすい。
【0073】
以上のようにして引掛部55,56に保持孔26の縁26d,26eを乗り越えさせることによって、引掛部55,56を係合面31,32に引っ掛けて、引掛部55,56の上縁55a,56aを係合面31,32に当接させる。
【0074】
以上のように支持片51を保持孔26に差し込むことによって、支持片51の二叉に分かれた部位を台座部26aに引っ掛けて、ノッチ52の底52aを台座部26aの上面に当接させる。更に、ガイド兼ストッパ53,54を保持孔26の縁26c近傍の第一収容凹部23の底面23eに引っ掛けて、ガイド兼ストッパ53,54の転動面53a,54aと第一収容凹部23の底面23eによって鋭角を成すように転動面53a,54aを底面23eに当接させる。従って、支持片51を差し込み過ぎることを抑制することができる。
【0075】
以上のように支持片51を保持孔26に差し込むことによって、当接片57,58も保持孔26内に配置して、当接片57,58を保持孔26の縁26d,26eにそれぞれ当接させる。
【0076】
以上の説明では、キャップ部材40と内装部材20の組み付け工程が内装部材20と内装品本体10の組み付け工程の後であった。それに対して、キャップ部材40と内装部材20の組み付け工程が内装部材20と内装品本体10の組み付け工程の前であってもよいし、これらの工程が同時であってもよい。
【0077】
以上のようにキャップ部材40を内装部材20に取り付けると、キャップ部材40が内装部材20の内面22aにおいて立った状態に保たれる。その後、車両用内装品1を組み立て工場に搬送して、車両用内装品1を車室の内側(ドア本体の内側)に組み付ける。その組付け方法について以下に詳細に説明する。
【0078】
まず、内装品本体10をドア本体に組み付ける。つまり、内装品本体10の裏側面をドア本体の車室内側の面に向けて、内装品本体10をドア本体に貼り合わせ、内装品本体10を留め具によってドア本体に固定する。
【0079】
次に、取付ネジ(留め具)98を通孔25に通して、その取付ネジ98をドア本体に締め付けることによって内装部材20をドア本体に固定する。
【0081】
キャップ部材40を前に押すと、キャップ部材40がガイド兼ストッパ53,54の転動面53a,54aと第一収容凹部23の底面23eとの接触部を支点として方向Aへ倒れ始める(
図13〜
図17参照)。この際、転動面53a,54aが底面23e上を前方に転がり、転動面53a,54aと底面23eとの接触部が前へ変位する(
図13及び
図16参照)。
【0082】
一方、第一収容凹部23の裏側では、キャップ部材40を前に押す荷重によって引掛部55,56が係合面31,32から摺動面33,34へ出隅37,38を乗り越える。その際に、引掛部55,56が弾性変形して、引掛部55,56の変形によるクリック感が得られる。引掛部55,56が出隅37,38を乗り越えるのに抵抗が生じるのは、キャップ部材40が前に倒れる際に、転動面53a,54aと底面23eとの接触部が前へ変位するためである。引掛部55,56が出隅37,38を乗り越えることによって、支持片51が後ろへ振り上げられ、支持片51がガイド孔29の下からガイド孔29に入り込む。なお、
図13〜
図17は、引掛部55,56が出隅37,38を乗り越えた直後の状態を示す。
【0083】
引掛部55,56が係合面31,32から出隅37,38に移動したまさにその時が、引掛部55,56が最も大きく弾性変形する。そして、引掛部55,56が出隅37,38から摺動面33,34に移動すると、出隅37,38から引掛部55,56への反力が解消され、引掛部55,56が復元する。引掛部55,56が復元する際に生じる動的荷重が支持片51、キャップ部材40及びガイド兼ストッパ53,54に掛かる。その動的荷重の向きは、引掛部55,56と摺動面33,34の接触部における摺動面33,34の法線の向きである。引掛部55,56が出隅37,38を乗り越えた直後に、引掛部55,56の復元による動的荷重によって転動面53a,54aが底面23eから浮くこともあるし、そのような動的荷重によっても転動面53a,54aが底面23eに接していることもある。なお、ノッチ52の底52aが丸面取りされ、台座部26aの後面と上面の間の角部が丸面取りされているので、キャップ部材40がスムーズに前へ倒れる。
【0084】
その後、キャップ部材40を前に押した荷重の慣性によって転動面53a,54aが底面23e上を転動し、キャップ部材40が更に前に倒れ(
図18〜
図22参照)、支持片51が更に後ろに振り上げられる。引掛部55,56の復元による動的荷重はキャップ部材40の倒れに寄与する。一方、引掛部55,56は、復元しながら、摺動面33,34に沿って出隅37,38側から裏側立壁面35,36側へスライドする(
図18及び
図22等参照)。この際、引掛部55,56の復元による動的荷重によって支持片51、キャップ部材40及びガイド兼ストッパ53,54が引掛部55,56と摺動面33,34の接触部における摺動面33,34の法線の向きへ引かれる。そのため、転動面53a,54aと底面23eとの間に滑りが生じ、転動面53a,54aが転動しながら底面23eに沿って後方へスライドする。そして、転動面53a,54aが保持孔26の縁26cに至る時には、引掛部55,56が摺動面33,34の裏側立壁面35,36側の端部に至る(
図18〜
図22参照)。このように、転動面53a,54aが第一収容凹部23の底面23e上を転動する上、引掛部55,56が摺動面33,34に沿って案内されるので、キャップ部材40及び支持片51の軌跡が安定する。
【0085】
その後、キャップ部材40が更に倒れるとともに支持片51が更に振り上げられると、引掛部55,56が摺動面33,34から上に離れる。その時には、ガイド兼ストッパ53,54と保持孔26の縁26cの接触部が転動面53a,54aからガイド面53b,54bに移り変わるとともに、支持片51の後面51aがガイド孔29の上縁29aに接触する。そうすると、引掛部55,56の復元による動的荷重の慣性力によってガイド面53b,54bが保持孔26の縁26cに対して後方へ滑るとともに、支持片51の後面51aがガイド孔29の上縁29aに対して後方へ滑る。よって、キャップ部材40が更に前に倒れ、支持片51が更に振り上げられつつ、支持片51及びガイド兼ストッパ53,54が後方へスライドしてガイド孔29に差し込まれていく(
図23〜
図26参照)。また、ガイド面53b,54bが支持片51の後面51aに対して僅かに傾斜しているので、支持片51及びガイド兼ストッパ53,54がガイド孔29の上縁29aと保持孔26の縁26cとの間に挟まれる力によって後方への分力が発生し、この分力によって支持片51及びガイド兼ストッパ53,54が後方へスライドする。保持孔26の縁26cとガイド面53b,54bが接すると共に、支持片51の後面51aとガイド孔29の上縁29aが接していると、支持片51及びガイド兼ストッパ53,54が後方へスライドしやすいので好ましいが、どちらかが離れていてもよい。なお、ガイド面53b,54bが支持片51の後面51aに対して平行であると、後方への分力が殆ど発生しないが、それでも、引掛部55,56の復元による動的荷重の慣性力によって支持片51及びガイド兼ストッパ53,54が後方へスライドする。
【0086】
キャップ部材40が更に倒れつつ、支持片51、ガイド兼ストッパ53,54及びキャップ部材40が後方へ移動すると、ガイド兼ストッパ53,54と保持孔26の縁26cの接触部がガイド面53b,54bから滑り面53c,54cに移り変わる。その時、支持片51の後面51aがガイド孔29の上縁29aから下に離れる。
【0087】
キャップ部材40が更に倒れつつ、支持片51、ガイド兼ストッパ53,54及びキャップ部材40が後方へ移動する時には、滑り面53c,54cと保持孔26の縁26cとが滑って、ガイド兼ストッパ53,54が保持孔26に入り込む(
図27〜
図30)。滑り面53c,54cが凸面状に形成されているから、ガイド兼ストッパ53,54が滑らかな動きで保持孔16に入り込むので、キャップ部材40の軌跡が安定するとともに、異音の発生を抑えることができる。ガイド兼ストッパ53,54が保持孔26に落ち込む際には、キャップ部材40の下端40cが立壁面23a寄りにおいて第一収容凹部23に入り込む。
【0088】
更に、キャップ部材40が更に倒れると、フック71,72が第一収容凹部23の立壁面23b側の縁に当たって、キャップ部材40の倒れが止まる(
図31〜
図33参照)。
フック71,72の第一傾斜面71a,72aが第一収容凹部23の縁に衝突することで、第一傾斜面71a,72aが第一収容凹部23の縁によって後方へ押される。これにより、キャップ部材40及び支持片51が後方へ移動し、キャップ部材40の下端40cが立壁面23aに近づく。
【0089】
キャップ部材40が第一収容凹部23に嵌まり込む直前で止まったら、キャップ部材40の後面40aを第一収容凹部23に押し込むと、キャップ部材40が第一収容凹部23に嵌まる(
図10〜
図12参照)。この際、第一傾斜面71a,72aが第一収容凹部23の縁によって後方へ押されることで、キャップ部材40の下端40cが立壁面23aに近づく。そして、第一傾斜面71a,72aが第一収容凹部23の縁を乗り越えることで、フック71,72が係合孔27,28に嵌まって係合する。また、支持片51の後面51aが内面22aの裏側面全体に当たるのではなく、突起22c,22c,22dに当たる。そのため、支持片51の衝突音を軽減することができる。
【0090】
以上のように、キャップ部材40を倒して第一収容凹部23に嵌め込むに際して、大きく変形する部分が無いので、強度の高い組み付け構造及び車両用内装品1を提供することができる。
【0091】
続いて、
図10〜
図12を参照して、キャップ部材40が倒伏した状態について説明する。
キャップ部材40が前に倒伏した状態では、キャップ部材40の前面40bが下に向けられ、キャップ部材40の後面40aが上に向けられ、キャップ部材40が伏せた状態で第一収容凹部23内に収容されている。支持片51が後ろに振り上げられており、その支持片51が保持孔26から外れている。そして、支持片51がガイド孔29を前後に貫通する。引掛部55,56が立壁面23aの裏側に配置されている。ガイド兼ストッパ53,54がガイド孔29から立壁面23aの裏側に抜けている。