特許第6397116号(P6397116)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6397116ワイヤレスデバイスからの伝送のCoMP受信を実行するためのネットワークノードおよびネットワークノードにおける方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6397116
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】ワイヤレスデバイスからの伝送のCoMP受信を実行するためのネットワークノードおよびネットワークノードにおける方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/16 20090101AFI20180913BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20180913BHJP
   H04W 92/12 20090101ALI20180913BHJP
【FI】
   H04W28/16
   H04W16/28 150
   H04W92/12
【請求項の数】22
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-500954(P2017-500954)
(86)(22)【出願日】2014年7月9日
(65)【公表番号】特表2017-528942(P2017-528942A)
(43)【公表日】2017年9月28日
(86)【国際出願番号】SE2014050879
(87)【国際公開番号】WO2016007055
(87)【国際公開日】20160114
【審査請求日】2017年3月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【弁理士】
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【弁理士】
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 亮
(72)【発明者】
【氏名】クリステンソン, アンデシュ
(72)【発明者】
【氏名】スコールビィ, クリスティアン
【審査官】 吉村 真治▲郎▼
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−537751(JP,A)
【文献】 特表2013−519341(JP,A)
【文献】 特表2012−525101(JP,A)
【文献】 特開2005−086304(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/132016(WO,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第02538603(EP,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第02498530(EP,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第02246992(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービング無線基地局(RBS)によってサーブされているワイヤレスデバイスからの伝送の協調マルチポイント(CoMP)受信を実行するための、ワイヤレス通信ネットワークにおけるネットワークノードによって実行される方法(100)であって、
−前記サービングRBSの受信ポイントおよび、前記サービングRBSと異なるそれぞれのRBSに属する少なくとも1つの潜在受信ポイントの、利用可能なバックホールキャパシティを決定すること(110)と、
−前記ワイヤレスデバイスから伝送され、前記サービングRBSの前記受信ポイントによって受信され、前記少なくとも1つの潜在受信ポイントによって受信された、受信信号の受信信号品質を決定すること(120)と、
記少なくとも1つの潜在受信ポイントの中から、前記ワイヤレスデバイスからの前記伝送の前記CoMP受信に含まれるべき連携受信ポイントを決定し、前記決定された利用可能なバックホールキャパシティおよび前記受信信号品質に基づいて、前記ワイヤレスデバイスからの前記伝送のためのトランスポートブロックサイズ(TBS)を決定すること(130)と、
−前記決定された連携受信ポイントのそれぞれのRBSに、前記CoMP受信にそれらが参加することを通知すること(140)と、を含む方法(100)。
【請求項2】
前記潜在受信ポイントの属する前記それぞれのRBSのそれぞれの負荷状況を決定すること(125)をさらに含み、
前記ワイヤレスデバイスからの前記伝送の前記CoMP受信に含まれるべき連携受信ポイントを決定すること(130、130a)は、前記決定された負荷状況にさらに基づく、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項3】
前記利用可能なバックホールキャパシティが第1の閾値より小さいとき、前記方法は、前記少なくとも1つの潜在受信ポイントの中のいかなる他の受信ポイントと連携することを控えること(132a)と、前記サービングRBSによって受信された、前記ワイヤレスデバイスからの受信済み伝送の前記受信信号品質に基づいて前記TBSを決定することと、を含む、請求項1または2に記載の方法(100)。
【請求項4】
前記利用可能なバックホールキャパシティが、第2の閾値より大きいとき、前記方法は、前記利用可能なバックホールキャパシティ、ならびに、前記サービングRBSの前記受信ポイントおよび前記連携受信ポイントによって受信された信号について前記決定された受信信号品質の両方に基づいて、前記TBSを決定すること(134)を含む、請求項1または2に記載の方法(100)。
【請求項5】
前記利用可能なバックホールキャパシティが第1の閾値より大きく、かつ第2の閾値より小さいとき、前記方法は、前記バックホールキャパシティが前記第2の閾値より大きい場合と比較して前記TBSがより小さく、前記バックホールキャパシティが前記第1の閾値より小さい場合と比較して前記TBSがより大きくなるように、前記TBSを適合させること(135)を含む、請求項1または2に記載の方法(100)。
【請求項6】
前記利用可能なバックホールキャパシティが、第1の閾値以下であるとき、つまり、バックホールリソースの量が制限されていること、および/または前記TBSが、前記サービングRBSによって受信された前記ワイヤレスデバイスからの伝送の前記受信信号品質に基づく前記TBSよりも大きくなることができないことを示しているとき、前記バックホールキャパシティがRBS間の連携を依然として可能にする場合に、前記方法は、前記サービングRBSによって受信された、前記ワイヤレスデバイスからの伝送の前記受信信号品質に基づく前記TBSより小さいかまたは同一であるようにTBSを選択すること(132b)と、決定された前記利用可能なバックホールキャパシティおよび前記受信信号品質の両方に基づいて選択された前記TBSを有する伝送の前記CoMP受信に含まれるべき連携受信ポイントを決定することと、を含む、請求項1または2に記載の方法(100)。
【請求項7】
前記利用可能なバックホールキャパシティが、第1の閾値以下であるとき、つまり、バックホールリソースの量が制限されていること、および/または前記TBSが、前記サービングRBSによって受信された前記ワイヤレスデバイスからの伝送の前記受信信号品質に基づく前記TBSよりも大きくなることができないことを示しているとき、前記方法は、前記サービングRBSへのバックホール上でのCoMPデータ交換に使用されるビット数を減少させるように、前記連携受信ポイントに命令することを含む、請求項1または2に記載の方法(100)。
【請求項8】
前記利用可能なバックホールキャパシティが、第1の閾値以下であるとき、つまり、バックホールリソースの量が制限されていること、および/または前記TBSが、前記サービングRBSによって受信された前記ワイヤレスデバイスからの伝送の前記受信信号品質に基づく前記TBSよりも大きくなることができないことを示しているとき、前記方法は、前記サービングRBSへバックホール上で、符号化データの代わりに復号データを伝送するように、前記連携受信ポイントの前記RBSに命令することを含む、請求項1または2に記載の方法(100)。
【請求項9】
前記第1又は第2の閾値は、動的に設定され、前記サービングRBSの電流負荷、それぞれの連携受信ポイントの電流負荷のうちの少なくとも1つに基づく、請求項3から8のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項10】
前記ネットワークノードは、前記サービングRBSであり、前記方法は、前記ワイヤレスデバイスからの伝送を受信することと、連携受信ポイントからの同一の伝送のバージョンを受信することと、前記受信済み伝送と前記同一の伝送の前記受信済みバージョンとを1つの受信済み伝送に結合することと、をさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項11】
サービング無線基地局(RBS)によってサーブされているワイヤレスデバイスからの伝送の協調マルチポイント(CoMP)受信を実行するための、ワイヤレス通信ネットワークにおけるネットワークノード(300、400)であって、
−前記サービングRBSの受信ポイントおよび、前記サービングRBSと異なるそれぞれのRBSに属する少なくとも1つの潜在受信ポイントの、利用可能なバックホールキャパシティを決定し、
−前記ワイヤレスデバイスから伝送され、前記サービングRBSの前記受信ポイントによって受信され、前記少なくとも1つの潜在受信ポイントによって受信された、受信信号の受信信号品質を決定し、
記少なくとも1つの潜在受信ポイントの中から、前記ワイヤレスデバイスからの前記伝送の前記CoMP受信に含まれるべき連携受信ポイントを決定し、決定された前記利用可能なバックホールキャパシティおよび前記受信信号品質に基づいて、前記ワイヤレスデバイスからの前記伝送のためのトランスポートブロックサイズ(TBS)を決定し、
−決定された前記連携受信ポイントのそれぞれのRBSに、前記CoMP受信にそれらが参加することを通知するように構成される、ネットワークノード(300、400)。
【請求項12】
前記潜在受信ポイントの属する前記それぞれのRBSのそれぞれの負荷状況を決定するようにさらに構成され、
前記ネットワークノード(300、400)は、前記決定された負荷状況にさらに基づいて、前記ワイヤレスデバイスからの前記伝送の前記CoMP受信に含まれるべき連携受信ポイントを決定するようにさらに構成される、請求項11に記載のネットワークノード(300、400)。
【請求項13】
前記利用可能なバックホールキャパシティが第1の閾値より小さいとき、前記ネットワークノード(300、400)は、前記少なくとも1つの潜在受信ポイントの中のいかなる他の受信ポイントと連携することを控え、サービングRBSによって受信された、ワイヤレスデバイスからの受信済み伝送の前記受信信号品質に基づいてTBSを決定するように構成される、請求項11または12に記載のネットワークノード(300、400)。
【請求項14】
前記利用可能なバックホールキャパシティが、第2の閾値より大きいとき、前記ネットワークノード(300、400)は、前記利用可能なバックホールキャパシティ、ならびに、前記サービングRBSの前記受信ポイントおよび前記連携受信ポイントによって受信された信号について前記決定された受信信号品質の両方に基づいて、前記TBSを決定するようにさらに構成される、請求項11または12に記載のネットワークノード(300、400)。
【請求項15】
前記利用可能なバックホールキャパシティが第1の閾値より大きく、かつ第2の閾値より小さいとき、前記ネットワークノード(300、400)は、前記バックホールキャパシティが前記第2の閾値より大きい場合と比較して前記TBSがより小さく、前記バックホールキャパシティが前記第1の閾値より小さい場合と比較して前記TBSがより大きくなるように、前記TBSを適合させるようにさらに構成される、請求項11または12に記載のネットワークノード(300、400)。
【請求項16】
前記利用可能なバックホールキャパシティが、第1の閾値以下であるとき、つまり、バックホールリソースの量が制限されていること、および/または前記TBSが、前記サービングRBSによって受信された前記ワイヤレスデバイスからの伝送の前記受信信号品質に基づく前記TBSよりも大きくなることができないことを示しているとき、前記バックホールキャパシティがRBS間の連携を依然として可能にする場合に、前記ネットワークノード(300、400)は、前記サービングRBSによって受信された、前記ワイヤレスデバイスからの伝送の前記受信信号品質に基づく前記TBSより小さいかまたは同一であるようにTBSを選択し、決定された前記利用可能なバックホールキャパシティおよび前記受信信号品質の両方に基づいて選択された前記TBSを有する伝送の前記CoMP受信に含まれるべき連携受信ポイントを決定するように、さらに構成される、請求項11または12に記載のネットワークノード(300、400)。
【請求項17】
前記利用可能なバックホールキャパシティが第1の閾値以下であるとき、つまり、バックホールリソースの量が制限されていること、および/または前記TBSが、前記サービングRBSによって受信された前記ワイヤレスデバイスからの伝送の前記受信信号品質に基づく前記TBSよりも大きくなることができないことを示しているとき、前記ネットワークノード(300、400)は、前記サービングRBSへの前記バックホール上でのCoMPデータ交換に使用されるビット数を減少させるように、前記連携受信ポイントに命令するように構成される、請求項11または12に記載のネットワークノード(300、400)。
【請求項18】
前記利用可能なバックホールキャパシティが第1の閾値以下であるとき、つまり、バックホールリソースの量が制限されていること、および/または前記TBSが、前記サービングRBSによって受信された前記ワイヤレスデバイスからの伝送の前記受信信号品質に基づく前記TBSよりも大きくなることができないことを示しているとき、前記ネットワークノード(300、400)は、前記サービングRBSへバックホール上で、符号化データの代わりに復号データを伝送するように、前記連携受信ポイントの前記RBSに命令するように構成される、請求項11または12に記載のネットワークノード(300、400)。
【請求項19】
前記第1又は第2の閾値は、動的に設定され、前記サービングRBSの電流負荷、それぞれの連携受信ポイントの電流負荷のうちの少なくとも1つに基づく、請求項13から18のいずれか一項に記載のネットワークノード(300、400)。
【請求項20】
前記ネットワークノードは、前記サービングRBSであり、前記ネットワークノード(300、400)は、前記ワイヤレスデバイスからの伝送を受信し、連携受信ポイントからの同一の伝送のバージョンを受信し、前記受信済み伝送と前記同一の伝送の前記受信済みバージョンとを1つの受信済み伝送に結合するようにさらに構成される、請求項11から19のいずれか一項に記載のネットワークノード(300、400)。
【請求項21】
請求項11から20のいずれか一項に記載のネットワークノード(300、400)内の構成に含まれる処理ユニット(406)での実行時に、請求項1から10のいずれか一項に記載の対応する方法をネットワークノード(300、400)に実行させる、コンピュータ可読コード手段を含むコンピュータプログラム(410)。
【請求項22】
請求項21に記載のコンピュータプログラム(410)を記憶する、コンピュータ可読媒体
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワイヤレス通信に関し、特に、サービング無線基地局(RBS)によってサーブされているワイヤレスデバイスからの伝送の協調マルチポイント(CoMP)受信を実行するネットワークノードおよびネットワークノードによって実行される方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレス通信システムまたはネットワークは、例えば無線セルまたはセクタと呼ばれる無線カバレッジエリアに分割されている、地理的エリアをカバーする。各無線カバレッジエリアは、RBSによってサーブされる。RBSは、ノードBまたはeノードB、eNBと呼ばれることもある。受信ポイントは、1つの無線カバレッジエリアにカバレッジを提供する共同設置アンテナのセットと呼ばれる。1つのRBSは、1つまたは複数の無線カバレッジエリアをサーブすることができる。
【0003】
アップリンク協調マルチポイント(CoMP)は、マルチアンテナ技法であり、それは通常、ワイヤレスデバイスからの伝送の受信を実行するときに、1つより多くのそのような受信ポイントからの受信信号を利用することをいう。これは、ワイヤレスデバイスに対する受信を実行するときに、1つの受信ポイントだけ、即ちサービング受信ポイントが使用される、通常の場合と比較することができる。
【0004】
全ての受信ポイントが同一のRBSに接続されている場合、RBS間でCoMPデータの追加移送が必要とされないため、マルチポイント信号受信の信号処理は、非常に簡単になる。しかし、特定のワイヤレスデバイスに最も有利な連携受信ポイントの候補が、同一のRBSの範囲内に共同設置されていないことがある。アップリンクCoMPは、以下でCoMP受信とも呼ばれ、異なるRBSに属する受信ポイント間のアップリンクCoMPが使用されるとき、それぞれのRBSの連携受信ポイントから受信された伝送は、サービングRBSに伝送されなければならない。
【0005】
送信用または受信用のいずれかの複数のアンテナを使用することによって、キャパシティ、スループットおよび堅牢性の観点で、システム性能が改善される見込みが高い。例えば、複数のアンテナは、同一の情報の異なるコピーの送信/受信に使用され、よってダイバーシティおよび堅牢性を向上させることができる。あるいは、これらのアンテナは、空間多重化を通じて、異なる情報の送信/受信に使用され得る。送信アンテナおよび/または受信アンテナは、共同設置され、または分散配置されることができ、異なる受信ポイントまたはRBSに属することさえ可能である。
【0006】
アップリンクCoMPは、マルチアンテナ技法であり、そこでは、ワイヤレスデバイスの伝送信号が、サービング受信ポイントのアンテナにおいてだけでなく、近隣受信ポイントまたは連携受信ポイントのアンテナにおいても受信され、受信信号を使用して結合される。どの近隣(連携)受信ポイントを使用すべきかの選択は、例えば、これらの受信ポイントが、ワイヤレスデバイスの伝送からどのくらいの電力を受信するかに基づいてもよい。
【0007】
アップリンクCoMPを使用する際の1つの問題は、最も有益な連携受信ポイントが同一のRBSの範囲内にないことがある、ということである。これは、サービングRBSが、異なるRBSに属する近隣受信ポイントからCoMPデータをリクエストしなければならないということを意味する。連携RBS間のX2接続は、通常、キャパシティまたは帯域幅が制限されたバックホール上にはあるが、存在する可能性がある。単純な解決策は、RBS間でCoMPデータを送信することもできるようにするために、X2インターフェース上により高いキャパシティを提供することである。X2およびS1はいずれも論理インターフェースである。即ち、それらは、例えば物理的なケーブルによって直接接続される必要はない。概して、それらはインターネットプロトコル(IP)上で動作する。X2は、あるRBSから別のRBSへの「直接接続」のためのインターフェースではあるが、実際には、トラフィックは、S1関連トラフィックと同一のバックホールに沿って移送される可能性がある。しかしながら、この解決策には極めて費用がかかり、または既存インフラストラクチャのために不可能ですらあるかもしれない。存在し得る他の制限の例は、バックホール上の高すぎるレイテンシ、到来するCoMPデータを処理するためのサービングRBSのキャパシティ、またはサービングRBSにCoMPデータを送信するための連携RBSのキャパシティである。
【0008】
これらの制限全てが、まとめられたバックホールキャパシティの制限ということになり、それは送信時間間隔(TTI)からTTIまででも、急速に変化している。連携候補を決定する際の入力としてこの制限を使用することによって、連携が成功かそうでないかを決定することができる。しかしながら、連携候補を選択するためにこの評価基準を使用すると、連携するのが有益であったかもしれない候補を除外することになる可能性がある。
【発明の概要】
【0009】
目的は、上記で概説した問題のうちの少なくともいくつかを未然に防ぐことである。特に、サービングRBSによってサーブされているワイヤレスデバイスからの伝送のCoMP受信を実行するネットワークノードおよびネットワークノードによって実行される方法を提供することが目的である。これらの目的および他の目的は、以下に添付された独立請求項によるネットワークノードおよびネットワークノードにおける方法を提供することによって得られる。
【0010】
ある態様によれば、サービングRBSによってサーブされているワイヤレスデバイスからの伝送のCoMP受信を実行するネットワークノードによって実行される方法が提供される。方法は、サービングRBSの受信ポイントおよびそれぞれのさらなるRBSの少なくとも1つの潜在受信ポイントの、利用可能なバックホールキャパシティを決定することと、ワイヤレスデバイスから伝送され、サービングRBSの受信ポイントによって受信され、それぞれのさらなるRBSの少なくとも1つの潜在受信ポイントによって受信された、受信信号の受信信号品質を決定することとを含む。方法は、それぞれのさらなるRBSの少なくとも1つの潜在受信ポイントの中から、ワイヤレスデバイスからの伝送のCoMP受信に含まれるべき連携受信ポイントを決定し、決定された利用可能なバックホールキャパシティおよび受信信号品質に基づいて、ワイヤレスデバイスからの伝送のためのトランスポートブロックサイズ(TBS)を決定することと、決定された連携受信ポイントのそれぞれのRBSに、CoMP受信にそれらが参加することを通知することと、をさらに含む。
【0011】
ある態様によれば、サービングRBSによってサーブされているワイヤレスデバイスからの伝送のCoMP受信を実行するように適合されたネットワークノードが提供される。ネットワークノードは、サービングRBSの受信ポイントおよびそれぞれのさらなるRBSの少なくとも1つの潜在受信ポイントの、利用可能なバックホールキャパシティを決定し、ワイヤレスデバイスから伝送され、サービングRBSの受信ポイントによって受信され、それぞれのさらなるRBSの少なくとも1つの潜在受信ポイントによって受信された、受信信号の受信信号品質を決定するように構成される。ネットワークノードは、それぞれのさらなるRBSの少なくとも1つの潜在受信ポイントの中から、ワイヤレスデバイスからの伝送のCoMP受信に含まれるべき連携受信ポイントを決定し、決定された利用可能なバックホールキャパシティおよび受信信号品質に基づいて、ワイヤレスデバイスからの伝送のためのTBSを決定し、決定された連携受信ポイントのそれぞれのRBSに、CoMP受信にそれらが参加することを通知するようにさらに構成される。
【0012】
ネットワークノードによって実行される方法およびネットワークノードは、複数の考えられる利点を有する可能性がある。考えられる1つの利点は、利用可能な無線リソースおよび移送リソースが、システム性能全体を最大化するために効率的に利用され得るということである。考えられる別の利点は、インターフェース、例えばバックホールの、発生し得るオーバロードを回避することができ、よって他のより重要なトラフィックの潜在的な断絶を回避することができるということである。さらに考えられる別の利点は、連携リクエストが成功して、期待する性能改善を保証することが、確実にできるということである。さらに考えられる利点は、バックホールが混雑している場合CoMP受信が実行されないため、混雑のためにデータが失われる恐れがないということである。
【0013】
ここで、添付図面に関連して、実施形態をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1a】例示する実施形態による、サービングRBSによってサーブされているワイヤレスデバイスからの伝送のCoMP受信を実行するネットワークノードによって実行される方法のフローチャートである。
図1b】さらに例示する実施形態による、サービングRBSによってサーブされているワイヤレスデバイスからの伝送のCoMP受信を実行するネットワークノードによって実行される方法のフローチャートである。
図1c】さらに例示する実施形態による、サービングRBSによってサーブされているワイヤレスデバイスからの伝送のCoMP受信を実行するネットワークノードによって実行される方法のフローチャートである。
図1d】別の例示する実施形態による、サービングRBSによってサーブされているワイヤレスデバイスからの伝送のCoMP受信を実行するネットワークノードによって実行される方法のフローチャートである。
図1e】さらに例示する実施形態による、サービングRBSによってサーブされているワイヤレスデバイスからの伝送のCoMP受信を実行するネットワークノードによって実行される方法のフローチャートである。
図2a】サービングRBS、ワイヤレスデバイス、および連携RBSの図である。
図2b】利用可能なバックホールキャパシティがRBS間の連携を制限しているときの、信号対干渉および雑音比(SINR)の関数としてのTBSの図である。
図2c】利用可能なバックホールキャパシティがRBS間の連携を可能にしているときの、SINRの関数としてのTBSの図である。
図2d】利用可能なバックホールキャパシティが、利用可能なバックホールキャパシティを利用する適合されたTBSサイズでRBS間の連携を可能にしているときの、SINRの関数としてのTBSの図である。
図3】例示する実施形態による、サービングRBSによってサーブされているワイヤレスデバイスからの伝送のCoMP受信を実行するように適合されたネットワークノードのブロック図である。
図4】例示する実施形態による、サービングRBSによってサーブされているワイヤレスデバイスからの伝送のCoMP受信を実行するネットワークノードのブロック図である。
図5】例示する実施形態による、サービングRBSによってサーブされているワイヤレスデバイスからの伝送のCoMP受信を実行するように適合されたネットワークノード内の構成のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
簡単に説明すると、サービングRBSによってサーブされているワイヤレスデバイスからの伝送のCoMP受信を実行するネットワークノードおよびネットワークノードによって実行される方法が提供される。ネットワークノードは、現在利用可能なバックホールキャパシティ、ならびにサービングRBSの受信ポイントおよびそれぞれのRBSの少なくとも1つの潜在的な連携受信ポイントの受信信号品質に関する情報を取得する。次いで、現在利用可能なバックホールキャパシティ、ならびにサービング受信ポイントおよび潜在的な連携受信ポイントのそれぞれの受信信号品質の両方に基づいて、ネットワークノードは、どの受信ポイントがCoMP受信に含まれるべきか、およびワイヤレスデバイスからの伝送のためのTBSを決定する。
【0016】
バックホールは、様々な異なるS1トラフィックまたはX2トラフィックも搬送するため、CoMP受信方式は、そのようなトラフィックとバックホールを共有しなければならない。RBSは、制御プレーントラフィックのためのモビリィティ管理エンティティ(MME)を有するS1−MME(Mobility Management Entity)インターフェース上で、S1アプリケーションプロトコルを使用することができる。
【0017】
RBSによってサーブされているワイヤレスデバイスからの伝送のCoMP受信を実行する、ワイヤレス通信ネットワークにおけるネットワークノードによって実行される方法の実施形態について、ここで図1a〜1eを参照して説明する。
【0018】
図1aは、サービングRBSの受信ポイントおよびそれぞれのさらなるRBSの少なくとも1つの潜在受信ポイントの、利用可能なバックホールキャパシティを決定すること110と、ワイヤレスデバイスから伝送され、サービングRBSの受信ポイントによって受信され、それぞれのさらなるRBSの少なくとも1つの潜在受信ポイントによって受信された、受信信号の受信信号品質を決定すること120と、を含む方法100を示す。方法は、それぞれのさらなるRBSの少なくとも1つの潜在受信ポイントの中から、ワイヤレスデバイスからの伝送のCoMP受信に含まれるべき連携受信ポイントを決定し、決定された利用可能なバックホールキャパシティおよび受信信号品質に基づいて、ワイヤレスデバイスからの伝送のためのトランスポートブロックサイズ(TBS)を決定すること130と、決定された連携受信ポイントのそれぞれのRBSに、CoMP受信にそれらが参加することを通知すること140と、をさらに含む。
【0019】
ネットワークノードは、ワイヤレスデバイスからの伝送のCoMP受信を実行するかどうかについての決定を行う役割をする。ネットワークノードは、サービングRBSまたはサービングRBSを制御する無線ネットワークコントローラ(RNC)であってもよい。
【0020】
CoMP受信を実行することを決定するために、ネットワークノードは、その決定の基礎とするいくつかの情報を有するべきである。したがって、ネットワークノードは、受信ポイントのサービングRBSが利用可能なバックホールキャパシティを決定する。CoMPは、ワイヤレスデバイスからの伝送を受信する少なくとも2つの受信ポイントを必要とし、少なくとも2つの受信ポイントは、異なるRBSに含まれるかまたは連結されてもよいため、RBSは、通信可能である必要がある。例えば、連携受信ポイントのRBSは、サービングRBSの受信ポイントに受信済み伝送を転送することができるべきである。これは、バックホール上で行われ、したがってそれを行うのに十分な、利用可能なキャパシティがバックホール上に存在するべきである。利用可能なバックホールキャパシティは、バックホール負荷状況の使用レベルを測定することによって決定され得る。しかしながら、利用可能なバックホールキャパシティを決定する方法については、本開示の範囲外である。
【0021】
ネットワークノードはまた、ワイヤレスデバイスから伝送され、サービングRBSの受信ポイントによって受信され、それぞれのさらなるRBSの少なくとも1つの潜在受信ポイントによって受信された、受信信号の受信信号品質を決定する。受信信号は、CoMP受信が潜在的に実行されるワイヤレスデバイスから到来する伝送ではなく別の信号である。その別の信号は、ワイヤレスデバイスから伝送され、少なくとも2つの受信ポイントで受信されるデータ伝送または参照信号であってもよい。CoMP受信を効率的にするために、連携受信ポイントは、少なくとも比較的良好な受信信号品質を有すべきである。さらに、サービングRBSの受信信号品質が良好または非常に優良である場合、信号品質に関しては、CoMP受信に携わる利益がほとんどないかもしれない。しかしながら、以下でより詳細に説明するように、それでもCoMP受信に携わる他の理由がある可能性がある。よって、サービングRBSの受信ポイントの受信信号品質およびそれぞれのさらなるRBSの潜在受信ポイントの受信信号品質が決定される。
【0022】
利用可能なバックホールキャパシティ、ならびにサービングRBSの受信ポイントの受信信号品質およびそれぞれのさらなるRBSの潜在受信ポイントの受信信号品質に基づいて、ネットワークノードは、それぞれのさらなるRBSの少なくとも1つの潜在受信ポイントの中から、ワイヤレスデバイスからの伝送のCoMP受信に含まれるべき連携受信ポイントを決定する。さらに同じ情報に基づいて、ネットワークノートは、ワイヤレスデバイスからの伝送のためのTBSを決定する。LTEの場合、TBSは、例えば、変調および符号化方式(MCS)、割り当てられた物理リソースブロック(PRB)の数、ならびに例えば、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)、参照シンボル(RS)などにどのくらいの数のREが確保されているかによる、利用可能なリソースエレメント(RE)の数に基づいて計算されることができる。
【0023】
どの受信ポイントが(および、したがってさらにはどのRBSが)CoMP受信に参加するかを、ネットワークノードが一度決定すると、ネットワークノードは、決定された連携受信ポイントのそれぞれのRBSに、CoMP受信にそれらが参加することを通知する。これは、それぞれのRBSが受信済みの伝送をサービングRBSに転送するために行われる。それによって、RBSは、それ自体が受信した伝送のバージョンおよび連携受信ポイントのそれぞれのバージョンを使用して、ワイヤレスデバイスからの伝送を処理し得る。
【0024】
ネットワークノードによって実行される方法は、複数の考えられる利点を有し得る。考えられる1つの利点は、利用可能な無線リソースおよび移送リソースが、システム性能全体を最大化するために効率的に利用され得るということである。考えられる別の利点は、インターフェース、例えばバックホールの、発生し得るオーバロードを回避することができ、よって他のより重要なトラフィックの潜在的な断絶を回避することができるということである。さらに考えられる別の利点は、連携リクエストが成功して、期待する性能改善を保証することが、確実にできるということである。さらに考えられる利点は、バックホールが混雑している場合CoMP受信が実行されないため、混雑のためにデータが失われる恐れがないということである。
【0025】
図1bに示すように、方法100は、潜在受信ポイントのそれぞれのRBSのそれぞれの負荷状況を決定すること125をさらに含み、ワイヤレスデバイスからの伝送のCoMP受信に含まれるべき連携受信ポイントを決定すること130、130aは、潜在受信ポイントのそれぞれのRBSの決定された負荷状況にさらに基づく。
【0026】
利用可能なバックホールキャパシティ、ならびにサービングRBSの受信ポイントの受信信号品質およびそれぞれのさらなるRBSに属する潜在受信ポイントの受信信号品質を決定することに加えて、ネットワークノードは、潜在受信ポイントのそれぞれのRBSの負荷状況を決定する。潜在受信ポイントのRBSが比較的高い負荷を体感している場合、その受信ポイントの受信信号品質が比較的良好であっても、それをCoMP受信に含めることによって、そのRBSに不必要な負担がかがる恐れがある。よって、ネットワークノードは、受信済み伝送をサービングRBSに転送することの余分な負担をRBSにかけないために、その受信ポイントをCoMP受信に含めないことを決定してもよい。
【0027】
潜在受信ポイントのそれぞれのRBSの負荷は、様々な方法で決定され得る。例えば、ネットワークノードは、それらの個々の負荷を示すそれぞれのRBSのレポートを受信してもよい。
【0028】
図1cに示す例では、利用可能なバックホールキャパシティが第1の閾値より小さいとき、方法は、それぞれのさらなるRBSの少なくとも1つの潜在受信ポイントの中から、任意の他のそれぞれのRBSの任意の他の受信ポイントと連携することを控えること132aと、サービングRBSによって受信された、ワイヤレスデバイスからの受信済み伝送の信号品質に基づいてTBSを決定することと、を含む。
【0029】
利用可能なバックホールキャパシティが第1の閾値より小さいとき、それは、バックホール上の利用可能なキャパシティが制限されるか、または利用可能なキャパシティがほとんどないということをネットワークノードに示す役割をする。よって、この例では、ネットワークノードは、バックホールにさらなる負荷をかけないために、任意の他のそれぞれのRBSの任意の他の受信ポイントと連携することを控えるように決定する。
【0030】
任意の他のRBSの他の連携受信ポイントがないため、ネットワークノードは、サービングRBSによって受信された、ワイヤレスデバイスからの受信済み伝送の信号品質に基づいてTBSを決定する。
【0031】
別の例では、利用可能なバックホールキャパシティが第2の閾値より大きいとき、方法は、利用可能なバックホールキャパシティ、ならびに、サービングRBSの受信ポイントおよびそれぞれのさらなるRBSの連携受信ポイントによって受信された信号について決定された信号品質の両方に基づいて、TBSを決定すること134を含む。
【0032】
この例では、利用可能なバックホールキャパシティが大きく、CoMP受信に関して制限がほとんどないか、または全くないことを意味する。上述の第1の閾値と比較して、第2の閾値は、第1の閾値よりも大きいと仮定される。ネットワークノードは、利用可能なバックホールキャパシティに対し、限定した考慮が必要であるか、それどころか考慮を全く必要としない。その代わりに、それぞれのさらなるRBSの少なくとも1つの潜在受信ポイントの中から、どの連携受信ポイントがワイヤレスデバイスからの伝送のCoMP受信に含まれるべきかを、潜在受信ポイントの受信信号品質に大部分、またはそれのみに基づいて、ネットワークノードは決定することができる。
【0033】
どの受信ポイントがCoMP受信に含まれるべきかを、ネットワークノードが一度決定すると、ネットワークノードは、利用可能なバックホールキャパシティ、ならびに、サービングRBSの受信ポイントおよびそれぞれのさらなるRBSの連携受信ポイントによって受信された信号について決定された信号品質の両方に基づいて、TBSを決定する。
【0034】
さらなる例では、利用可能なバックホールキャパシティが第1の閾値より大きく、かつ第2の閾値より小さいとき、方法は、バックホールキャパシティが第2の閾値より大きい場合と比較してTBSがより小さく、バックホールキャパシティが第1のバックホール閾値より小さい場合と比較してTBSがより大きくなるように、TBSを適合させること135を含む。
【0035】
非常に単純化すると、いくつかの状況では、バックホールキャパシティが大きいほど、可能性のあるTBSが大きいといえる。しかしながら、以下でより詳細に説明されるように、CoMP受信で達成されるべきものにも基づき、TBSを決定する多くの他の要因が存在し得る。利用可能なバックホールキャパシティが、第1の閾値より大きく、第2の閾値より小さいとき、利用可能なキャパシティが第2の閾値より大きいときよりも、よりキャパシティが制限される。よって、ネットワークノードは、TBSを自由に決定することはできず、TBSがバックホールキャパシティに与える影響を考慮しなければならない。したがって、バックホールキャパシティが、第2の閾値より大きい場合と比較してTBSがより小さく、バックホールキャパシティが第1のバックホール閾値よりも小さい場合と比較してTBSがより大きいように、ネットワークノードはTBSを適合させる。
【0036】
このように、ネットワークノードは、恐らくバックホール上のオーバロードを引き起こすことなく、リソース利用およびシステム性能全体をさらに改善することができるTBSを用いて、連携受信ポイントでのCoMP受信を実行することができる。
【0037】
さらなる例では、利用可能なバックホールキャパシティが、第1の閾値以下であるとき、つまり、バックホールリソースの量が制限されていること、および/またはTBSが、サービングRBSによって受信されたワイヤレスデバイスからの伝送の信号品質に基づくTBSよりも大きくなることができないことを示しているとき、バックホールキャパシティが依然として、RBS間の連携を可能にする場合に、方法は、サービングRBSによって受信された、ワイヤレスデバイスからの伝送の信号品質に基づくTBSより小さいかまたは同一であるようにTBSを選択すること132bと、決定された利用可能なバックホールキャパシティおよび受信信号品質の両方に基づいて選択されたTBSを有する伝送のCoMP受信に含まれるべき連携受信ポイントを決定することと、を含む。
【0038】
利用可能なバックホールキャパシティが、第1の閾値以下であるとき、バックホールは、比較的高い負荷を体感している。よって、利用可能なバックホールリソースの量が制限されている。CoMP受信が使用されない場合、TBSが、サービングRBSによって受信されたワイヤレスデバイスからの伝送の信号品質に基づくTBSよりも大きくなることはできない。利用可能なバックホールキャパシティが、第1の閾値以下であるため、特に、利用可能なバックホールキャパシティが、第1の閾値と等しいかすぐ下である場合に、依然としてバックホールにいくらかのキャパシティが残されている可能性がある。
【0039】
しかしながら、バックホールキャパシティが制限されている場合であっても、サービングRBSについてのエアインターフェースリソース使用を減少させることが、やはり望ましいかもしれない。バックホールキャパシティは、RBS間の連携をさらに可能にし、よって、ネットワークノードが、サービングRBSによって受信された、ワイヤレスデバイスからの伝送の信号品質に基づくTBSより小さいかまたは同一であるようにTBSを選択すること132bと、決定された利用可能なバックホールキャパシティおよび受信信号品質の両方に基づいて選択されたTBSを有する伝送のCoMP受信に含まれるべき連携受信ポイントを決定することと、を含む。このようにして、サービングRBSについてのエアインターフェースリソース使用が減少されることができ、利用可能なバックホールリソースが、効果的に利用され得る。
【0040】
言い換えると、ネットワークノードは、より少ないエアインターフェースリソース使用(より小さい割り当てサイズ)で同一のTBSを使用することができる。より少ないエアインターフェースリソース使用によって、エアインターフェースキャパシティが、他のワイヤレスデバイスによって使用され得ることとなるかもしれない。別の選択肢は、例えば、ワイヤレスデバイスが、実際に悪い無線環境にあり、CoMP受信のために連携受信ポイントを追加することによって、カバレッジが著しく改善されているときに、サービングRBSの受信ポイントのみによって伝送を受信することにより達成できるものよりも、小さなTBSを使用することである。
【0041】
ある実施形態によれば、利用可能なバックホールキャパシティが、第1の閾値以下であるとき、つまり、バックホールリソースの量が制限されていること、および/またはTBSが、サービングRBSによって受信されたワイヤレスデバイスからの伝送の信号品質に基づくTBSよりも大きくなることはできないことを示しているとき、方法は、サービングRBSへのバックホール上でのCoMPデータ交換に使用されるビット数を減少させるように、連携受信ポイントに命令することを含む。
【0042】
制限された量のバックホールキャパシティの一部を使用することがやはりできるために、ネットワークノードは、CoMP受信によって起こるバックホールキャパシティへの影響を制限するよう試みてもよい。サービングRBSへのバックホール上でのCoMPデータ交換に使用されるビット数を減少させるように、連携受信ポイントに命令することによって、連携受信ポイントの受信済み伝送のサービングRBSへの転送は、バックホールに負荷をあまりかけないこととなり、バックホール上の各伝送の合計ビット数を減少させ、それによって、サービングRBSおよび連携受信ポイントによるCoMP受信が可能となる。
【0043】
このように、バックホール上の各伝送についての合計データ量は、その負荷を減らすために減少され得る。それによって、サービングRBSおよび連携受信ポイントによるCoMP受信が可能となる。
【0044】
さらにある実施形態によれば、利用可能なバックホールキャパシティが、第1の閾値以下であるとき、つまり、バックホールリソースの量が制限されていること、および/またはTBSが、サービングRBSによって受信されたワイヤレスデバイスからの伝送の信号品質に基づくTBSよりも大きくなることはできないことを示しているとき、方法は、サービングRBSへのバックホール上で、符号化データの代わりに復号データを伝送するように、連携受信ポイントのRBSに命令することを含む。
【0045】
これは、バックホール上で伝送されるデータの合計量をどのようして減少させるかの別の例である。符号化されたデータは、復号されたデータよりも多くのオーバヘッドを伴うため、連携受信ポイントのRBSは、復号されたデータをサービングRBSに伝送してもよい。よって、連携受信ポイントのRBSは、ワイヤレスデバイスからの伝送を受信し、受信済み伝送を復号し、次いで、受信済み伝送の復号バージョンをサービングRBSに伝送する。
【0046】
サービングRBSもまた、ワイヤレスデバイスからの伝送を受信し、連携受信ポイントの復号バージョンを受信し、次いで、サービングRBS自体が受信した伝送のバージョンと、連携受信ポイントから受信した、伝送の復号バージョンとに基づいて、ワイヤレスデバイスからの伝送を処理することができる。
【0047】
利用可能なバックホールキャパシティに関する閾値は、動的に設定されてもよく、サービングRBSの電流負荷、それぞれの連携受信ポイントの電流負荷のうちの少なくとも1つに基づいてもよい。
【0048】
バックホール負荷制限に関する別の閾値は、静的であってもよく、または、動的に決定されてもよい。閾値の設定は、ネットワークノードによって、または例えば、運用保守管理(OAM)ノードによって、決定されてもよい。閾値は、1つまたは複数の特性単独で、または1つまたは複数の特性の任意の組み合わせに基づいて動的に設定されてもよい。例えば、利用可能なバックホールキャパシティに関する閾値は、計算したTBSを使用することが原因で発生したバックホール負荷を計算することによって決定されてもよい。よって、第1の閾値は、サービングセルのTBS結果のみを使用して発生したバックホール負荷であってもよく、第2の閾値は、CoMP受信から得られる追加的なSINR利得を利用するTBS結果を使用した負荷であってもよい。言い換えると、これらの閾値は、ユーザ固有であり、パラメータのスケジューリング範囲およびCoMP利得の推定に依存する。CoMP受信リソース量を定義するバックホール負荷制限に関する閾値が利用されてもよく、OAMノードを介して設定されてもよく、それは、静的であってもよく、またはいくつかのキャパシティ制限および電流負荷状況(S1トラフィックおよび他のCoMPトラフィックからの)を使用することによって動的に決定されてもよい。
【0049】
例えば、閾値は、例えば、サービングRBSの電流負荷またはサービングRBSの干渉状況に基づいて動的に設定されてもよい。サービングRBSの電流負荷が高い場合、望ましくない干渉状況を生じるとみられ、CoMP受信の必要性が、反対の状況の場合よりも非常に大きいかもしれない。その場合に、閾値は、サービングRBSの負荷が低く干渉状況が有利である場合よりも低く設定されてもよい。
【0050】
例えば、ネットワークノードはサービングRBSであり、方法は、ワイヤレスデバイスからの伝送を受信することと、連携受信ポイントからの同一の伝送のバージョンを受信することと、受信済み伝送と同一の伝送の受信済みバージョンとを1つの受信済み伝送に結合することと、をさらに含む。
【0051】
簡単に上述したように、サービングRBSは、ワイヤレスデバイスから伝送を受信することになる。連携受信ポイントもまた、ワイヤレスデバイスから伝送を受信することになる。連携受信ポイントは、受信済み伝送のそのバージョン/または連携受信ポイントのバージョンをサービングRBSに転送することになる。よって、RBSは、サービングRBSによって受信されたものとしての伝送それ自体のバージョンと、連携受信ポイントによって受信されたものとしての伝送のバージョンとを有することとなる。次いで、RBSは、例えば、それらを結合することによって異なるバージョンを処理し、1つの受信済み伝送を導き出す。
【0052】
図2aは、サービングRBS210、ワイヤレスデバイス220、および連携RBS200の図である。ワイヤレスデバイス220は、受信ポイントによってサービングRBS210に接続される。サービングRBS210はまた、デジタルユニット(不図示)を含み、デジタルユニットは、その受信ポイントをハンドリングし、連携受信ポイントから到来するデータのCoMP受信について、結合された信号の処理またはその一部を実行する役割であってもよい。ワイヤレスデバイス220および連携受信ポイント選択についてのスケジューリング決定は、サービング受信ポイントをハンドリングするサービングRBS210、またはサービングRBS210を制御するRNCにおいて行われてもよい。CoMP受信に使用される受信ポイントのセットに受信ポイントを追加する場合、潜在利得についての正確な評価を行うために測定値が収集される。評価されるべき受信ポイントは、実際にはネットワーク内のいかなる受信ポイントであってもよい。しかしながら、いわゆる「探索セット」(即ち、潜在的な連携受信ポイントのセット)は、通常数個の候補のみ、例えば、全ての規定された近隣RBS、またはCoMP方式をサポートするRBSの受信ポイントに限定される。これは、受信ポイントのオペレータ設定セット、または、例えば自己最適化ネットワーク(SON)ベースの機能によって自動的に設定されたセットであってもよい。
【0053】
潜在的な連携受信ポイントのセットから収集されるべき測定値は、例えば、スループット、カバレッジまたはエアインターフェースリソース使用の減少において達成され得る潜在利得をネットワークノードが評価する助けとなり得る。この利得の1つの実現例が、信号対干渉および雑音比(SINR)利得と呼ばれる。候補の受信ポイントが、サービング受信ポイントのRBS210とは別のRBS、例えば図2のRBS200に属するとき、バックホール230の利用可能なキャパシティについての情報が利用可能であるはずである。このキャパシティまたは制限は、現在のバックホール負荷情報の測定値、および他の制限要因に基づき得る、固定の設定可能な制限または適合可能な制限であってもよい。受信ポイントの評価およびワイヤレスデバイス220のためのスケジューリングは、これらの測定値が利用可能となると行われ得る。この手続きの一例が以下である。
【0054】
1)サービング受信ポイントとは異なるRBSに属する1つまたは数個の受信ポイントが、ワイヤレスデバイス220に対してSINR利得を与えるために識別されている。このワイヤレスデバイス220は、TBSなどのいくつかの送信バラメータを最終的に決定する、スケジューリング評価に参加するところである。
【0055】
2)ネットワークノードは、サービング受信ポイントのみでの推定SINRに基づいて最大TBSを評価し、最大TBSのサイズは、識別されたRBSとの連携によって達成可能である。
【0056】
3)ネットワークノードにおけるスケジューラは、問題となるそれぞれのRBSから、利用可能なバックホールキャパシティ、またはバックホール制限を意識している。この利用可能なキャパシティまたは制限は、いくつかの異なるメカニズムによって課される可能性がある。制限の例は、RBSに接続されている移送ネットワークの移送キャパシティ、サービングRBSもしくは協調RBSのキャパシティ、または利用可能なリソースを利用する、既にスケジュール済みの他のワイヤレスデバイスである。図2bでは、TBSが現在の利用可能なキャパシティまたは制限を超えているバックホールに負荷を発生させるため、バックホールは、スケジューラを制限1に制限して潜在的な連携RBSを選択する。この場合、サービング受信ポイントのみを使用するか、または他の連携候補の探索を続けるほうが良いであろう。図2cでは、スケジューラは、より大きなTBSが、別のRBSと連携することによって達成され得ると結論付ける。現在の利用可能なバックホールキャパシティまたは制限である制限2が、この連携リクエストによって発生されるさらなる負荷よりもかなり上であるため、バックホールによって、この連携が行われることも可能となる。図2dでは、スケジューラは、RBS間の連携がもたらす推定SINR利得によって、TBSを増大することは不可能であると結論付ける。しかしながら、バックホール負荷制限、制限3(現在のキャパシティに対応する)によって、減少したが、依然としてサービング受信ポイント210のみ使用と比較して大きいTBSでの連携が可能となるため、スケジューラは、それが一旦移転されたらCoMP受信がバックホール230をオーバロードしないようにTBSを適合する。このようなタイプの状況において利用可能なバックホールキャパシティに動的に適合させるためのスケジューラの能力によって、余分な移送キャパシティをより効率的に使用することが可能となる。
【0057】
4)スケジュールされそうな次のワイヤレスデバイスが、正確に評価され得るように、利用可能なバックホールキャパシティまたはバックホール制限が更新される。
【0058】
5)ワイヤレスデバイス220が送信許可(サービングRBS210のスケジューラによって発行される)を受信する。選択が成功したら、RBS200の連携受信ポイントがワイヤレスデバイス220から伝送を受信することとなる。次いで、サービング受信ポイント210は、CoMP受信を受信し、トランスポートブロックの最終的な集合体を作成することとなる。
【0059】
受信ポイント間の連携は、1つの連携受信ポイントだけを含むように限定されないことに留意されたい。スケジューリング中の受信ポイント選択では、全ての候補を評価してもよく、受信ポイントは、それらが性能に寄与しているときに、連携受信ポイントのセットに追加されてもよく、それらがもはや用いられなくなるか、または他の制限が課されているときには、セットから除外されてもよい。
【0060】
別の例では、スケジューラは、例えば、そのような低い利用可能なバックホールキャパシティのいくつかのバックホール制限に起因して、TBSサイズを増大させることができないと識別する。しかしながら、スケジューラは、2つまたは数個の受信ポイント間の連携が開始されている場合に、同じTBSサイズがより小さな割り当てサイズで達成され得ると識別する。現在のバックホール負荷制限によって、この連携が行われることが可能となる場合、この特定のスケジュールされたワイヤレスデバイスのための割り当てサイズ減少によって、セル内の別のワイヤレスデバイスによって利用され得るリソースが解放されてもよい。この例によって、スケジューラは、追加のバックホール負荷のため乏しいエアインターフェースリソースが利用可能なときに交換できるようになる。
【0061】
本明細書の実施形態は、サービングRBSによってサーブされているワイヤレスデバイスからの伝送のCoMP受信を実行するように適合されるネットワークノードにも関係する。ネットワークノードは、ネットワークノードによって実行される方法と同一の技術的特徴、利点および目的を有する。よって、ネットワークノードについて、図2および3を参照し、不必要な繰り返しを避けるために簡単に説明する。
【0062】
図3および図4は、ネットワークノード(300、400)を示し、ネットワークノード(300、400)は、サービングRBSの受信ポイントおよびそれぞれのさらなるRBSの少なくとも1つの潜在受信ポイントの、利用可能なバックホールキャパシティを決定し、ワイヤレスデバイスから伝送され、サービングRBSの受信ポイントによって受信され、それぞれのさらなるRBSの少なくとも1つの潜在受信ポイントによって受信された、受信信号の受信信号品質を決定させるように構成される。ネットワークノード300、400は、それぞれのさらなるRBSの少なくとも1つの潜在受信ポイントの中から、ワイヤレスデバイスからの伝送のCoMP受信に含まれるべき連携受信ポイントを決定し、決定された利用可能なバックホールキャパシティおよび受信信号品質に基づいて、ワイヤレスデバイスからの伝送のためのTBSを決定し、決定された連携受信ポイントのそれぞれのRBSに、CoMP受信におけるそれらの関与について通知するようにさらに構成される。
【0063】
ネットワークノード300、400は、異なる方法で実装され、または実現されてもよい。例示する実装が、図3に示されている。図3は、プロセッサ321およびメモリ322を備えるネットワークノード300を示し、メモリは、例えば、コンピュータプログラム323による命令を含む。プロセッサ321によって実行されるとき、コンピュータプログラム323は、ネットワーク300に、サービングRBSの受信ポイントおよびそれぞれのさらなるRBSの少なくとも1つの潜在受信ポイントの、利用可能なバックホールキャパシティを決定させ、ワイヤレスデバイスから伝送され、サービングRBSの受信ポイントによって受信され、それぞれのさらなるRBSの少なくとも1つの潜在受信ポイントによって受信された、受信信号の受信信号品質を決定させる。プロセッサ321によって実行されるとき、命令は、さらにネットワークノード300に、それぞれのさらなるRBSの少なくとも1つの潜在受信ポイントの中から、ワイヤレスデバイスからの伝送のCoMP受信に含まれるべき連携受信ポイントを決定させ、決定された利用可能なバックホールキャパシティおよび受信信号品質に基づいて、ワイヤレスデバイスからの伝送のためのTBSを決定させ、決定された連携受信ポイントのそれぞれのRBSに、CoMP受信におけるそれらの関与について通知させる。
【0064】
ネットワークノードの代替的な例示する実装が、図4に示されている。図4は、サービングRBSの受信ポイントおよびそれぞれのさらなるRBSの少なくとも1つの潜在受信ポイントの、利用可能なバックホールキャパシティを決定し、ワイヤレスデバイスから伝送され、サービングRBSの受信ポイントによって受信され、それぞれのさらなるRBSの少なくとも1つの潜在受信ポイントによって受信された、受信信号の受信信号品質を決定し、それぞれのさらなるRBSの少なくとも1つの潜在受信ポイントの中から、ワイヤレスデバイスからの伝送のCoMP受信に含まれるべき連携受信ポイントを決定し、決定された利用可能なバックホールキャパシティおよび受信信号品質に基づいて、ワイヤレスデバイスからの伝送のためのTBSを決定する決定ユニット403を備えるネットワーク400を示す。図4はまた、決定された連携受信ポイントのそれぞれのRBSに、CoMP受信にそれらが参加することを通知する通知ユニット404を備える、ネットワークノード400を示す。
【0065】
ネットワークノードは、ネットワークノードによって実行される方法と同一の考えられる利点を有する。考えられる1つの利点は、利用可能な無線リソースおよび移送リソースが、システム性能全体を最大化するために効率的に利用され得るということである。考えられる別の利点は、インターフェース、例えばバックホールの、発生し得るオーバロードを回避することができ、よって他のより重要なトラフィックの潜在的な断絶を回避することができるということである。さらに考えられる利点は、連携リクエストが成功して、期待する性能改善を保証することが、確実にできるということである。さらに考えられる利点は、バックホールが混雑している場合CoMP受信が実行されないため、混雑のためにデータが失われる恐れがないということである。
【0066】
ある実施形態によれば、ネットワークノード300、400は、潜在受信ポイントのそれぞれのRBSのそれぞれの負荷状況を決定するようにさらに構成され、ネットワークノード300、400は、潜在受信ポイントのそれぞれのRBSの決定された負荷状況にさらに基づいて、ワイヤレスデバイスからの伝送のCoMP受信に含まれるべき連携受信ポイントを決定するようにさらに構成される。
【0067】
さらにある実施形態によれば、利用可能なバックホールキャパシティが第1の閾値より小さいとき、ネットワークノード300、400は、それぞれのさらなるRBSの少なくとも1つの潜在受信ポイントの中から、任意の他のそれぞれのRBSの任意の他の受信ポイントと連携することを控え、サービングRBSによって受信された、ワイヤレスデバイスからの受信済み伝送の信号品質に基づいてTBSを決定するように構成される。
【0068】
さらにある実施形態によれば、利用可能なバックホールキャパシティが第2の閾値より大きいとき、ネットワークノード300、400は、利用可能なバックホールキャパシティ、ならびに、サービングRBSの受信ポイントおよびそれぞれのさらなるRBSの連携受信ポイントによって受信された信号について決定された信号品質の両方に基づいて、TBSを決定するように、さらに構成される。
【0069】
別の実施形態によれば、利用可能なバックホールキャパシティが第1の閾値より大きく、かつ第2の閾値より小さいとき、ネットワークノード300、400は、バックホールキャパシティが第2の閾値より大きい場合と比較してTBSがより小さく、バックホールキャパシティが第1のバックホール閾値よりも小さい場合と比較してTBSがより大きくなるように、TBSを適合させるように、さらに構成される。
【0070】
さらなる実施形態によれば、利用可能なバックホールキャパシティが、第1の閾値以下であるとき、つまり、バックホールリソースの量が制限されていること、および/またはTBSが、サービングRBSによって受信されたワイヤレスデバイスからの伝送の信号品質に基づくTBSよりも大きくなることはできないことを示しているとき、バックホールキャパシティが依然として、RBS間の連携を可能にする場合に、ネットワークノード300、400は、サービングRBSによって受信された、ワイヤレスデバイスからの伝送の信号品質に基づくTBSより小さいかまたは同一であるようにTBSを選択し、決定された利用可能なバックホールキャパシティおよび受信信号品質の両方に基づいて選択されたTBSを有する伝送のCoMP受信に含まれるべき連携受信ポイントを決定するように、さらに構成される。
【0071】
さらにある実施形態によれば、利用可能なバックホールキャパシティが、第1の閾値以下であるとき、つまり、バックホールリソースの量が制限されていること、および/またはTBSが、サービングRBSによって受信されたワイヤレスデバイスからの伝送の信号品質に基づくTBSよりも大きくなることはできないことを示しているとき、ネットワークノード300、400は、サービングRBSへのバックホール上でのCoMPデータ交換に使用されるビット数を減少させるように、連携受信ポイントに命令するように構成される。
【0072】
またさらなる実施形態によれば、利用可能なバックホールキャパシティが、第1の閾値以下であるとき、つまり、バックホールリソースの量が制限されていること、および/またはTBSが、サービングRBSによって受信されたワイヤレスデバイスからの伝送の信号品質に基づくTBSよりも大きくなることはできないことを示しているとき、ネットワークノード300、400は、サービングRBSへのバックホール上で、符号化データの代わりに復号データを伝送するように、連携受信ポイントのRBSに命令するように構成される。
【0073】
閾値は、動的に設定されてもよく、サービングRBSの電流負荷、それぞれの連携受信ポイントの電流負荷のうちの少なくとも1つに基づいてもよい。
【0074】
別の実施形態によれば、ネットワークノードはサービングRBSであり、ネットワークノード300、400は、ワイヤレスデバイスからの伝送を受信し、連携受信ポイントからの同一の伝送のバージョンを受信し、受信済み伝送と同一の伝送の受信済みバージョンとを1つの受信済み伝送に結合するようにさらに構成されている。
【0075】
図4では、ネットワークノード400は、通信ユニット401を備えることも示している。このユニットを通じて、ネットワークノード400は、ワイヤレス通信ネットワーク内の他のノードおよび/またはエンティティと通信するように適合される。通信ユニット401は、1つよりも多くの受信構成を含み得る。例えば、通信ユニット401は、有線およびアンテナの両方に接続されてもよく、それによって、ネットワークノード400がワイヤレス通信ネットワーク内の他のノードおよび/またはエンティティと通信可能となる。同様に、通信ユニット401は、1つより多くの伝送構成を備えてもよく、伝送構成はひいては、有線およびアンテナの両方に接続されてもよく、それによって、ネットワークノード400がワイヤレス通信ネットワーク内の他のノードおよび/またはエンティティと通信可能となる。ネットワークノード400は、データを記憶するメモリ402をさらに備える。さらに、ネットワークノード400は、制御または処理ユニット(不図示)を含んでもよく、制御または処理ユニットは、ひいては異なるユニット403〜404に接続される。これは、単に説明的な例であり、ネットワークノード400は、図4に示されるユニットと同様の方法で、ネットワークノード400の機能を実行する、より多くの、より少ない、または他のユニットまたはモジュールを備えてもよいことを指摘しておきたい。
【0076】
図4は、単に、論理的意味でネットワークノード400内の様々な機能ユニットを説明するものであることに留意されたい。実際の機能は、任意の適切なソフトウェアおよびハードウェア手段/回路などを使用して実装され得る。よって、実施形態は、概して、図示されたネットワークノード400の構造および機能ユニットに限定されない。したがって、前述した例示的な実施形態は、多くの方法で実現され得る。例えば、1つの実施形態は、命令が記憶されたコンピュータ可読媒体を含む。命令は、ネットワークノード400において方法ステップを実行する制御または処理ユニットによって実行可能である。コンピュータシステムによって実行可能であり、コンピュータ可読媒体に記憶された命令は、特許請求の範囲に記載したようなネットワークノード400の方法ステップを実行する。
【0077】
図5は、ネットワークノード内の構成500の実施形態を概略的に示している。ここで、ネットワークノード内の構成500は、例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP)を有する処理ユニット506を備える。処理ユニット506は、本明細書に記載した手続きの様々な動作を実行する、単独のユニットまたは複数のユニットであってもよい。ネットワークノードは、また、他のエンティティから信号を受信する入力ユニット502、および他のエンティティに信号を提供する出力ユニット504を備えてもよい。入力ユニットおよび出力ユニットは、統合されたエンティティとして、または1つまたは複数のインターフェース401として図4の例に示されるように構成されてもよい。
【0078】
さらに、ネットワークノード内の構成は、例えば、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリおよびハードドライブなどの不揮発性メモリの形態の、少なくとも1つのコンピュータプログラム製品508を備える。コンピュータプログラム製品508は、コンピュータプログラム510を含み、コンピュータプログラム510は、ネットワークノード内の構成の処理ユニット506で実行される場合に、例えば図1a〜1eとともに前述した手続きの動作をネットワークノードに実行させる、コード手段を含む。
【0079】
コンピュータプログラム510は、コンピュータプログラムモジュール510a〜510eに構築されたコンピュータプログラムコードとして構成され得る。したがって、例示する実施形態では、ネットワークノードのコンピュータプログラム内のコード手段は、サービングRBSの受信ポイントおよびそれぞれのさらなるRBSの少なくとも1つの潜在受信ポイントの、利用可能なバックホールキャパシティを決定し、ワイヤレスデバイスから伝送され、サービングRBSの受信ポイントによって受信され、それぞれのさらなるRBSの少なくとも1つの潜在受信ポイントによって受信された、受信信号の受信信号品質を決定し、それぞれのさらなるRBSの少なくとも1つの潜在受信ポイントの中から、ワイヤレスデバイスからの伝送のCoMP受信に含まれるべき連携受信ポイントを決定し、決定された利用可能なバックホールキャパシティおよび受信信号品質に基づいて、ワイヤレスデバイスからの伝送のためのTBSを決定する決定ユニットまたはモジュールを備える。コンピュータプログラムは、決定された連携受信ポイントのそれぞれのRBSに、CoMP受信にそれらが参加することを通知する通知ユニットまたはモジュールをさらに備える。
【0080】
コンピュータプログラムモジュールは、本質的に、図1aに示したフローの動作を実行して、ネットワークノード400をエミュレートすることができる。言い換えると、異なるコンピュータプログラムモジュールが処理ユニット506で実行されるとき、それらは、図4のユニット403〜404に対応し得る。
【0081】
図4とともに上記開示された実施形態におけるコード手段は、処理ユニットで実行されるときに、上記の図とともに上述した動作をネットワークノードに実行させるコンピュータプログラムモジュールとして実装されるが、コード手段のうちの少なくとも1つは、代替の実施形態では、少なくとも部分的にハードウェア回路として実装されてもよい。
【0082】
プロセッサは、単独の中央処理装置(CPU)であってもよいが、2つ以上の処理ユニットを備えるものであってもよい。例えば、プロセッサは、汎用マイクロプロセッサ、命令セットプロセッサおよび/もしくは関連するチップセット、ならびに/または特定用途向け集積回路(ASIC)などの専用マイクロプロセッサを含んでもよい。プロセッサは、キャッシング目的の基板メモリを備えてもよい。コンピュータプログラムは、プロセッサに接続されるコンピュータプログラム製品によって保持され得る。コンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読媒体を備えてもよい。例えば、コンピュータプログラム製品は、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)またはEEPROMであってもよく、上述のコンピュータプログラムモジュールは、代替の実施形態では、ネットワークノード内のメモリの形態で、異なるコンピュータプログラム製品上に分散されることができる。
【0083】
インタラクティングユニットの選択は、本開示内のユニットの名前と同様に、単なる例示目的であり、上述の方法のいずれかを実行するのに適切なノードは、提案された手続き動作を実行可能にするために、複数の代替的方法で構成され得ると理解されたい。
【0084】
本開示に記載されたユニットが、論理的エンティティとして考えられ、別々の物理エンティティである必要はないことにも留意されたい。
【0085】
実施形態は、いくつかの実施形態に関して説明されたが、その代替物、修正物、置換物および均等物は、明細書の読解および図面の検討によって明らかになることが企図されている。したがって、以下の添付の特許請求の範囲は、そのような代替物、修正物、置換物および均等物を、実施形態の範囲内に入り、係属中の特許請求の範囲によって規定されるものとして含むことを意図している。
図1a
図1b
図1c
図1d
図1e
図2a
図2b
図2c
図2d
図3
図4
図5