【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の観点による以下の方法が提案される。
本発明の方法は、セルラネットワーク内で動作する無線通信装置に接続された識別ユニットに加入者情報をダウンロードする方法であって、セルラネットワークは、少なくとも1つのパケットゲートウェイノードを備え;パケットゲートウェイノードには供給データベースを備えた少なくとも1つの遠隔供給サーバが接続されており;無線通信装置は、セルラネットワーク内で遠隔供給サーバに限定アクセスモードで動作し;前記方法は、−1つの遠隔供給サーバに関係する認証識別子とアクセス情報とを含む要請を識別ユニットから割当て通信チャネルを介してセルラネットワークへ送信するステップと;−セルラネットワークにおいて前記要請を識別ユニットから受信するステップと;−セルラネットワークにおいてアクセス情報に従って前もって構成した接続トンネルを用いて、前記要請をパケットゲートウェイノードからアクセス情報によって指定された遠隔供給サーバに転送するステップと;−前記要請を受信して、遠隔供給サーバにおいて、認証識別子に基づいて供給データベース内の加入者情報を決定するステップと;−加入者情報が検出されたとき、加入者情報に対応するデータを含む応答メッセージを前もって構成した接続トンネルを介して識別ユニットに提供するステップと;応答メッセージを受信して、加入者情報に対応する受信データに基づいて識別記録を生成し、識別ユニットの記憶手段に格納するステップと;を備える。
【0009】
提案の方法によると、無線通信装置はセルラネットワーク内で動作し、好ましくは少なくとも制御ユニット、通信ユニット、少なくとも1つの識別ユニット及びアンテナから構成される。識別ユニットはセルラネットワークをアクセスするための認証情報を安全に格納するために設けられている。識別ユニットは、好ましくは、コントローラを備えている。このコントローラは、好ましくは記憶手段中に格納されたソフトウェアライブラリに基きコマンドを実行することができる。
【0010】
無線アクセスネットワークである各セルラネットワークは、このセルラネットワークと接続性を持つセルエリアを供給する少なくとも2つのベースノードを備えている。さらにセルラネットワークは、その内部に、好ましくは追加のコンポーネント、特に、少なくとも無線アクセスネットワーク(RAN)とコアネットワーク(CN)とを備えている。
コアネットワーク(CN)は少なくとも1つのパケットゲートウェイノードを備えている。このパケットゲートウェイノードは、ワールド ワイド ウェブ(WWW)の一部であるサーバ、さらに企業ネットワーク内のサーバ、および/又は少なくとも1つの遠隔供給サーバ(RPS)を含む、セルラネットワークの外部にある一対のサーバとの接続を与える。
【0011】
ワールド ワイド ウェブ(WWW)のサーバはこのようにIP通信をサポートする無線通信装置によりアクセス可能である。無線通信装置はインターネット内のAccess Point Name(APN)に要請をアドレッシングすることによりWWWサーバをアドレスする。コアネットワークはこのAPNを少なくとも1つのアクセスポイントを備えたパケットゲートウェイノードと一致をとる。
パケットゲートウェイノードは、直接に無線通信装置からアドレスされたIPアドレスにより各サーバをアクセスすることが出来る。これは、ウェブページへの各アクセスには、無線通信装置が2つのアドレス、通常はユニフォームリソースロケータ(URL)の形でAPNアドレスとウェブアドレスとを必要としている、ことを意味する。
一般に、パケットゲートウェイノードを介してアクセス可能な他のすべてのサーバにアクセスする場合も同様である。
【0012】
本発明の方法は、上述したような遠隔供給サーバに限定アクセスモードで動作する無線通信装置に適用することができる。これは、無線通信装置がパケットゲートウェイノードにより遠隔供給サーバに直接アクセスする方法は無いことを意味する。
これは上述したような種々の理由から設けられている無線通信装置のアクセス制限のためである。このアクセス制限故に、例え遠隔供給サーバが分かっていても、無線通信装置の遠隔供給の認証と保全とが許可されることはない。それは遠隔供給サーバがセルラネットワークオペレータの領域外に位置しているためである。
【0013】
本発明は、接続トンネルを設けることにより、アクセス制限にもかかわらず識別ユニットが無線通信装置を介して遠隔供給要請を直接に遠隔供給サーバに送信することを可能としている。
したがって、本発明の方法は、識別ユニットが、上述したケースであっても常に使用可能な割当て通信チャネル上で要請をセルラネットワークに送信することから開始される。
既知のセルラ通信規格によると、識別ユニット、特にSIMやUICCはセルラネットワークコンポーネントに直接接続できる。これは、特にベアラ独立プロトコルの場合にはその通りである。これにより上述したような制限があったとしても識別ユニットはセルラネットワーク内でサーバと割当て通信チャネルを確立することが許可される。
【0014】
本発明による要請は、特に、遠隔供給サーバをアドレスする認証識別子とアクセス情報とを含んでいる。これらの一連の情報は好ましくは識別ユニットの記憶手段に格納される。各識別ユニットは一連の情報を格納する能力を供給するために、記憶手段を備えている。問題の一連の情報は、好ましくは、識別ユニットのプロバイダ、好ましくはセルラネットワークのオペレータにより事前設定される。
認証識別子は、識別ユニットの識別子とその所有者とについての情報をそれぞれ遠隔供給サーバに配信する識別子である。
アクセス情報には、要請がセルラネットワークとインターネットのような潜在的に添付されたネットワークとを介してルートされ、遠隔供給サーバをアクセスするのに必要とされるすべての情報が含まれる。
【0015】
次のステップで、セルラネットワーク、次いでそのアドレスされたコンポーネントは、識別ユニットからの要請を受信する。アドレスされたコンポーネントは、特に、パケットゲートウェイノードである。上述したアクセス制限から、一般には、無線通信装置が利用可能な通信チャネルを介してセルラネットワークの外部の遠隔サーバにアクセスすることは不可能である。従って、本発明では、アクセス情報に従って事前設定されたパケットゲートウェイノードから少なくとも1つの遠隔供給サーバへの少なくとも1つの接続チャネルを備えたセルラネットワークが提案されている。
提供されたアクセス情報から、セルラネットワークは以下の事実を通知される。
a)アクセス制限のある外部遠隔供給サーバがアクセスされる必要のあること。
b)遠隔供給サーバが複数の時はどのサーバが選択される必要があるのかということ。
【0016】
次いで、本発明では、好ましくはパケットゲートウェイノードによって遠隔供給サーバをアクセスするために、そのように事前設定された接続トンネルが使用される。
遠隔供給サーバで、構成された認証識別子を取り出すために要請が分析される。この認証識別子を使って、供給データベースを検索し、無線通信装置の加入者情報を得る。仮に供給データベース中に適切なデータセットが見出せなかった場合には2つのオプションがある。
【0017】
第1のオプションは、要請に対し、要請の拒絶を示すエラーコードを含むメッセージを持って応答することである。第2のオプションは、回答を抑制することである。セルラネットワークコンポーネント又は識別ユニットのいずれかの要請した側は、タイムアウトにより認証が失敗したことに気付く。必要なら、要請された加入者情報を伴った適切なデータセットが供給データベース中に見出された時、加入者情報はセルラネットワークの事前設定された接続チャネルを介して応答メッセージ中で識別ユニットに戻される。通常、加入者情報は、加入者情報に対応するデータとして応答メッセージ中にコード化される。これは、加入者情報はコンパクトなフォームで格納され、この加入者情報に基いて無線通信装置が動作するために必要となった情報セットのみが提供されることを意味している。この加入者情報は、特に、加入者識別子、共有秘密鍵、および/または証明書のようなアクセスおよび/またはサービス証明書を含んでいる。
【0018】
応答メッセージが識別ユニットで受信されると、加入者情報に対応するデータが取り出される。次いで、加入者情報から識別ユニットは識別子記録(アイデンティティレコード)を生成し、この識別子記録を識別ユニットの記録手段中に格納する。
識別子記録は、好ましくは、無線通信装置がセルラネットワーク中でこの識別子記録の加入者情報に基いて識別ユニットの手段により動作するように格納される。一般に、このような識別ユニットは特別の記録手段を持ち、使用に当ってどの識別子記録が利用可能かを示すフラグを立てる。
【0019】
次いで、無線通信装置は、識別ユニットにアクセスし、識別子記録によって示されるアイデンティティについての情報を受信する。この情報は各セルラネットワークでの認証に使用される。
無線通信装置を介しての識別ユニットとセルラネットワークとの協働努力によって、アドレス目標に到達できることは明白である。さらに、この目標に到達するためにエアインターフェイスの両サイドで既存のコンポーネントが格別の変更なく再利用できることは有利である。
【0020】
好ましい実施例では、以下の方法が提案される。
前述の方法において、アクセス情報は、識別ユニットの記憶手段に格納され、アクセス情報は更に、パケットゲートウェイノードに位置する複数のアクセスポイントの1つを指定し、前記指定されたアドレスポイントは、接続トンネルによって遠隔供給サーバをアクセスするのに供される。
【0021】
この実施例によると、パケットゲートウェイノードに予め規定された遠隔供給サーバに対する接続トンネルにアクセスするために供される複数のアクセスポイントの1つが規定される。アクセスポイントは、アクセスポイント名(APN)によってアクセスされる。APNは好ましくは、識別ユニットに格納されているアクセス情報の一部である。
各サーバへのコアネットワークのセットアップにより特別アクセスポイントが規定される。代替として、パケットゲートウェイノードが1つのAPNでアドレスされ、それ以外のサーバはサーバアドレスにより差別されるようにしてもよい。
【0022】
このようなレイアウトは、識別ユニット内の利用可能なアクセス情報から遠隔供給サーバへの接続が、無線通信装置の動作にアクセス制限があるにもかかわらず、パケットゲートウェイノードの特別アクセスポイントから遠隔供給サーバへの接続トンネルの手段により設立されることが既に決定出来るので利点がある。
パケットゲートウェイノード内の他のアクセスポイントは利用可能であるから、通常動作、例えばVPN内で到達可能な企業サーバへのアクセス、には影響はない。
【0023】
好ましい他の実施例では、以下の方法が提案されている。
前述の方法において、アクセス情報は、少なくとも1つのセルラネットワークの一部である1を越える指定されたアクセスポイントの手段によって遠隔供給サーバへのアクセスを許可するのを受け入れる。
【0024】
この実施例では、異なるセルラネットワークから、特に規制ルールにより同一アクセスポイント名(APN)を持つ特別セルラネットワーク中の各アクセスポイントをアドレスするアクセス情報の手段によりアクセスが可能となる。代替として、ルール規定により、接続トンネルを通って各遠隔供給サーバにルーティングされるサブドメイン又はトップレベルドメインを規定することができる。
好ましくは、異なるセルラネットワークのマッピングテーブルにより内部アクセスポイントへの、特にIPアドレスによって到達可能な標準APNの問題は解決できる。
このように、無線通信装置が動作しているセルラネットワークと関係なく、遠隔サーバは、標準アクセス情報を有する識別ユニットを備えた無線通信装置により到達される。
【0025】
さらに好ましい実施例が提案されている。
前述の方法において、指定されたアクセスポイントは、1を越えるセルラネットワークによって遠隔供給サーバへのアクセスを許可するよう構成されている。
この実施例では、アクセスポイントは1を越えるセルラネットワークによってアクセス可能で、特に、異なるオペレータからのセルラネットワークと同様に同一オペレータの異なるRANによるアクセスも含まれる。これは特にローミングにおいて利点がある。
上述の実施例では、現在及び少なくとも1つの追加のセルラネットワークによりアクセス可能な遠隔供給サーバは、APNを介してアドレス可能である。これにより、セルラネットワークの外から加入者情報をダウンロードすることが出来る。
【0026】
さらに好ましい実施例が提案されている。
前述の方法において、識別ユニットは、開始時に少なくとも1つの初期識別記録を含み、初期識別記録は遠隔供給サーバのアクセスに供される。
この有利な実施例は、識別ユニットの初期設定についての1つのオプションを示している。基本的にセルラネットワークとそのコンポーネント、特にアドレスされたアクセスポイント/パケットゲートウェイノードをアクセスするためには、無線通信装置に接続された識別ユニットは、無線通信装置にセルラネットワークをアクセスする資格を与える加入者情報を提供する必要がある。最初に無線通信装置が動作するための加入者情報をダウンロードする場合には、現在のセルラネットワーク用の初期加入者情報の識別記録を持った識別ユニットを装備することが提案される。
【0027】
さらに、以下の方法が提案されている。
前述の方法において、無線通信装置は、識別ユニットの記憶手段に格納された第1識別記録によって表わされる第1加入者情報下でセルラネットワーク内で動作し、前記方法は、生成された識別記録を第2識別記録として格納した後、第1加入者情報下のセルラネットワーク内での動作を第2識別記録によって表わされるセルラネットワーク内での動作に切替えるステップを含む。
【0028】
それが完全な加入者情報又は初期加入者情報であろうと、第1加入者情報の種類とは無関係に、本実施例には、遠隔供給サーバからダウンロードされた加入者情報に基いて、第1加入者情報から第2加入者情報に切替えることが示唆されている。
第1加入者情報の種類、識別ユニットの能力及び一般使用ケースに応じて、第1加入者情報を置換又は保持することが提案されている。
初期加入者情報の場合には、これを置換するのが望ましい。何故なら初期加入者情報は始動段階で必要となるだけだからである。ダウンロードされて完全に動作する加入者情報が備われば、通常、初期加入者情報を保持する必要はない。
【0029】
しかし、初期加入者情報が、例えば、接続トンネルを介して特定の遠隔供給サーバへの特別アクセス権を有し、第2加入者情報では利用できない場合には、初期加入者情報を保持することが好ましい。
好ましくは第1加入者情報の置換は、第2加入者情報を使用してセルラネットワークとの接続が成功裏に確立されたことが確認されるまでは行わない。
第1加入者情報が本格的な加入者情報の場合、その取扱いは識別ユニットの目的に依拠する。識別ユニット、特にUICC、が複数の識別子を維持するように構成され、これらの間で切替え可能となっている場合には、第1加入者情報も維持するのが良い。仮に上述した切替えがユーザの無線通信装置の操作に基いて又は自動的になされた場合、本実施例の範囲および無線通信装置の能力の一部である。
【0030】
好ましい実施例による自動的に行なわれる切替えとして、以下の方法が提案されている。
前述の方法において、前記方法は、第2加入者情報下のセルラネットワーク内の動作に切替えた後、以下のいずれかのイベントを検出すると第1加入者情報下の動作に戻る方法。
−タイマーの満了
−マニュアルコマンドの入力、および/又は
−信号品質インジケータの所定閾値への到達。
【0031】
この実施例によると、第1加入者情報は維持される。
加入者情報データのダウンロードをフォローする第2加入者情報への切替えが行なわれた後、第1加入者情報へのスイッチバックをトリガする何らかのイベントがあるかチェックされる。通常、その後の第1加入者情報と第2加入者情報との間の切替えは、本実施例では、スイッチバックのための上述した同一グループのイベントによって支配される。
【0032】
さらに、好ましい以下の方法が提案されている。
前述の方法において、無線通信装置は、さらに基本パケットベース通信プロトコル手段を備え、識別ユニットは、無線通信装置によって提供される基本パケットベース通信プロトコル手段を使用することにより高度パケットベース通信プロトコル手段を含むコントローラを備え、前記方法は、前記要請を高度パケットベース通信プロトコル手段により送信するステップを備える。
【0033】
この改良された方法は、パケットベース通信用にはそれ自体が具備されていない無線通信装置に関する。これは特にEU eSafety Initiativeに従う緊急コールボックスにあたるケースである。これらのコールボックスは、通常、緊急コールの必要通信手段用に供される通信モジュールを備えている。これは回線交換、即ち、すべての通信は音声ベースである。
しかし、上述のような無線通信装置であっても遠隔供給を行う必要があり得る。上述のように遠隔供給はTCP/IPデータ通信を必要とするので、如何にして無線通信装置にその能力無しで遠隔供給セッションを実行させるかの解決法が必要である。
【0034】
ここでは本実施例が動作する。本実施例では、無線通信装置、特にその通信ユニットが基本パケットベース通信プロトコル手段を提供するよう考慮されている。
この基本パケットベース通信プロトコル手段は、好ましくは、異なる通信プロトコル手段から構成される。無線通信装置のこの能力に基いて、識別ユニットが高度パケットベース通信プロトコル手段、特に、TCP/IP又はUDPを実行できるようにすることが提案されている。
【0035】
このように、識別ユニットが特別アクセス情報に従って事前設定された接続トンネルを介して遠隔供給サーバに達するために、IP要請をセルラネットワークとAPNに発する。
この方法の第1の利点は、ローエンド(low−end)、即ち、安価な通信ユニットをそのような無線通信装置に使用し得る点にある。
第2の利点は、識別ユニットは、通常、既にこのような高度パケットベース通信プロトコル手段を実行する追加の保全対策を有している点である。
このように、識別ユニットは既に耐タンパー性を備え、高度パケットベース通信をカバーし、さらにはダウンロードされた識別子の取り扱いもできる。無線通信装置によって取扱われる限りにおいては、それは、詐欺行為(fraud actions)を防止する多大な努力を必要とする分野である。
【0036】
他の好ましい実施例として以下の方法が提案されている。
前述の方法において、無線通信装置は、インバンドモデム機能を提供するよう構成され、識別ユニットのコントローラは、割当て通信チャネルベース通信のためにインバンドモデム機能をアクセスするよう構成され、前記方法は;前記要請を、割当て通信チャネルを使用してインバウンドモデム機能の手段により導くステップを備える。
【0037】
この好ましい実施例は、特にインバンドモデム機能を提供できる通信ユニットを備えた無線通信装置に関する。この実施例は、特に上記のようにセットされた緊急通信可能通信ユニットにおいてまさに適合する。
提案されている方法は、識別ユニットとセルラネットワークとの間の割当て通信チャネルに関する。このような割当て通信チャネルは基本的にはベアラ独立プロトコル(BIP)である。
【0038】
割当て通信チャネルを使用して、識別ユニットは、セルラネットワーク、特に、無線通信装置が現在動作しているセルラネットワークのパケットゲートウェイノードとコンタクトすることができる。
一般には、遠隔供給要請を伴ってBIPを介してパケットゲートウェイノードをアクセスすることは、その無線通信装置がパケットベース通信をサポートしていないか又は十分にはサポートできないときには問題になる。本実施例では、割当て通信チャネル、特に無線通信装置のインバンドモデム機能を備えたベアラ独立プロトコルを基礎とするよう提案している。
【0039】
こうすることにより、識別ユニットは、特に適切なプロトコル能力を備えたとき、割当て通信チャネルを介して遠隔供給要請を持ってパケットゲートウェイノードをアクセスすることが可能となる。これにより、緊急通話目的のみに使用できる安価な通信ユニットを備えた無線通信装置に対しても遠隔提供を実施することができる。
これは、特に多くの車両が安価な通信ユニットを含む緊急通話ユニットを備えることが提案され、後に、車両の所有者がその緊急通信ユニットを使って、遠隔供給により実行されるその他のサービスも実行しようとするときに有利である。ここで提案されている実施例はこのような要求を満たすように供されている。
【0040】
他の好ましい実施例として次のような方法が提案されている。
1を越える接続トンネルを含むセルラネットワークにおける以下のステップを含む方法。
要請を送信するに先立って、セルラネットワークでアクセス情報に基いて遠隔供給サーバに対する各接続トンネルを選択し、選択された接続トンネルを参照する接続トンネルの事前設定ステップを実行するステップ。
この実施例は、セルラネットワークが1を越える接続トンネルを有している状況に基く。
【0041】
ここでは、各パケットゲートウェイノードに対し正しい接続トンネルを選択するための課題を解く必要がある。これによると、アクセス情報はどの接続トンネルが選択されるべきかをセルラネットワークに示す選択情報を含んでいる。このようにする1つのオプションは、パケットゲートウェイノードの特定のアドレス、特にAPNを選択することである。
仮にパケットゲートウェイノードで1つの接続トンネルにより識別ユニットから1つの遠隔供給サーバのみにアクセスすることが可能なら、選択はあいまいとはならない。
【0042】
接続トンネル用の直接識別子のような他の方法も本実施例に含まれる。この提案された解決法は選択を識別ユニットの手中に委ねている点で有利である。識別ユニットは遠隔供給サーバ用のアクセス情報を既に格納しているので、少なくとも1つのセルラネットワーク用の選択情報は好ましくは追加的に加えられる。
1を越える選択情報を識別ユニット内に格納することは更に有利である。これらは、識別ユニットがその中で動作している複数の異なるセルラネットワーク、特に図中のすべてのセルラネットワークに割当てられる。
識別ユニットがどのセルラネットワーク内で動作しているかを見出すと、適切な選択情報を拾い上げ、各セルラネットワーク内で遠隔供給要請を実行するための接続トンネルにリンクしたパケットゲートウェイノード中のアクセスポイントを示す適切なアクセスポイント名を選択する。
【0043】
本発明の第2の観点に従って以下の識別ユニットが提案されている。
本発明の識別ユニットは、無線通信装置に接続可能な識別ユニットであって、識別ユニットは、コントローラと、認証識別子と1つの遠隔供給サーバに関係するアクセス情報とを格納する記憶手段とを備え、識別ユニットのコントローラは、−認証識別子とアクセス情報とを含む要請をセルラネットワークの割当て通信チャネル上で、アクセス情報に従って前もって構成した接続トンネルを介して遠隔供給サーバに送信し、−遠隔供給サーバから前もって構成した接続トンネルを介して加入者情報に対応するデータを受信し、−受信した加入者情報に基づいて識別記録を生成し、−生成された識別記録を記憶手段に格納するよう構成される。
【0044】
この第2の観点では、識別ユニットは遠隔供給サーバから加入者情報を要求するために積極的な役割をはたす。本発明の第1の観点に従った方法の利点も共有している。
好ましい実施例として以下が提案されている。
前述の識別ユニットは、接続された無線通信装置は、基本パケットベース通信プロトコル手段を備え、識別ユニットは、基本パケットベース通信プロトコル手段を使用する高度パケットベース通信プロトコル手段を備え、コントローラは;前記要請を高度パケットベース通信プロトコル手段により送信するよう構成される。
ここでは、識別ユニットは、接続された無線通信装置から基本パケットベース通信プロトコル手段に基く高度パケットベース通信プロトコル手段を備えている。このような高度パケットベース通信プロトコル手段は、特に、ソフトウェアパッケージ又は識別ユニットのコントローラ上で動作することの出来るライブラリとして実装されている。
【0045】
本発明の第3の観点に従って以下の無線通信装置が提案されている。
本発明の無線通信装置は、セルラネットワーク内で動作する無線通信装置であって、無線通信装置は、前述の識別ユニットに接続されるよう構成され、さらに、−識別ユニットの記憶手段に格納された第1識別記録によって表わされる加入者情報下でセルラネットワーク内で動作し、−制限アクセスモードでセルラネットワーク内の遠隔供給サーバに動作し、−セルラネットワーク内で第1加入者情報下での動作からセルラネットワーク内で第2識別記録によって表わされる第2加入者情報下での動作に切替えるよう構成される。
このような無線通信装置はアクセス制限がかけられており、前述したように識別ユニットへの接続が要求される。
しかし、識別ユニットはそのタスクを実現するために本発明の本観点に従って提案される無線通信装置を使用する。
【0046】
本発明の第4の観点から以下のセルラネットワークが提案されている。
本発明のセルラネットワークは、少なくとも1つのパケットゲートウェイノードを備えたセルラネットワーク内で動作する無線通信装置を備えたセルラネットワークであって、セルラネットワークは、更に、パケットゲートウェイノードに接続された供給データベースを備えた少なくとも1つの遠隔供給サーバを備え、セルラネットワークは、割当て通信チャネルの手段により少なくとも1つの識別ユニットに接続され、識別ユニットは無線通信装置に接続され、セルラネットワークは、−認証識別子とアクセス情報とを含む要請を識別ユニットから受信し、−アクセス情報に従って前もって構成した接続トンネルを使用して前記要請を、パケットゲートウェイノードからアクセス情報によって指定された遠隔供給サーバに送信し、−加入者情報に対応するデータを割当て通信チャネルを介して遠隔供給サーバから識別ユニットに提供するよう構成される。
【0047】
この提案されたセルラネットワークは、本発明の第1の観点の利点を共有する。
アクセス情報に従って事前設定された少なくとも1つの接続トンネルがパケットゲートウェイノードから遠隔供給サーバへ提供されている。特に、アクセス情報は、接続トンネルへのアクセスのみを許可するパケットゲートウェイノードの所定アクセスポイントをアドレスするアクセスポイント名(APN)を含む。
【0048】
このような接続トンネルは、セルラネットワークに対して既知の遠隔供給サーバをアクセスする場合に供される。遠隔供給サーバは物理的にセルラネットワーク内に位置する必要はないが、セルラネットワークの一部として見られており、制限アクセス無線通信装置からのアクセスを許可する。無線通信装置において、外部サーバの識別ユニットを、例えば、インターネットでそれぞれ規定し、それにアクセスすることは好ましくは可能ではない。これは、そのような接続トンネルが遠隔供給サーバ、パケットゲートウェイノード及び/又はアクセスポイントに供されている場合には、特にそうである。
【0049】
本発明の上記観点による好ましい以下の実施例のセルラネットワークが提案されている。
本発明のセルラネットワークは、1を越える接続トンネルを備え、セルラネットワークは、−前記要請の受信後に、要請からアクセス情報を決定し、−アクセス情報に基づき複数の接続トンネルの1つを選択し、前記選択に基づき遠隔供給サーバに対して接続トンネルを前もって構成するよう命ずるよう構成される。
【0050】
本実施例は、第1の観点で前述した実施例と結び付けられるもので、セルラネットワーク内に1を越える接続トンネルが存在する。セルラネットワークは、どの接続トンネルをパケットゲートウェイノードから遠隔供給サーバに使用するかの遠隔供給要請用の識別としてどんなタイプかを期待する。特に識別は、それぞれの接続トンネルにリンクしているパケットゲートウェイノード中のアクセスポイントの中の1つのアクセスポイント名である。
無線通信装置を介して識別ユニットから受信した識別により、セルラネットワークは、提供されたアクセス情報に基いて適切な接続トンネルを選択し、この接続トンネルにより遠隔供給要請を遠隔供給サーバへ送信することができる。
【0051】
本発明の第5の観点から、以下のシステムが提案されている。
本発明のシステムは、加入者情報を請求項10又は11に係る識別ユニットにダウンロードし、請求項12に係る無線通信装置に接続されるよう構成され、さらに、請求項13又は14に係るセルラネットワークを備えたシステムであって、前記システムは、−1つの遠隔供給サーバに関係する認証識別子とアクセス情報とを含む要請を割当て通信チャネル上で識別ユニットからセルラネットワークに送信し、−識別ユニットからの要請をセルラネットワークで受信し、−前記要請をセルラネットワークで、前もって構成された接続トンネルに基づき、アクセス情報によって指定された遠隔供給サーバへ送信し、−前記要請の受信時に、認証識別子に基づいて、遠隔供給サーバにおいて供給データベース中に加入者情報を見出し、−加入者情報が検出されたときには、加入者情報に対応するデータを前もって構成された接続トンネルを介して識別ユニットに供給し、−加入者情報の受信時に、受信した加入者情報に基づいて識別記録を生成し、生成された識別記録を識別ユニットの記憶手段に格納するよう構成される。
このシステムは、本発明の前述の観点の利点を共有する。