(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1および第2受け器の互いに対する長手方向の並進に影響を与える最大の力が、0.6mmの位置ずれ仕様で、30N以下、または25N以下、または20N以下、または15N以下、または10N以下、の標準偏差を有する、請求項1に記載のシートトラックアセンブリ。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図と組み合わせた以下の説明は、本明細書で開示された教示の理解を支援するために提供される。以下の論考は、本発明の教示の具体的な実施および実施形態に焦点を合わせている。これは本発明の教示を説明し易くするためのものであり、本発明の教示の範囲または適用可能性を限定すると解釈されるべきではない。しかしながら、他の実施形態を、本出願で開示されるような教示に基づいて使用することができる。
【0008】
用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「包含する(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」またはそれらの任意の他の変形は、非排他的な包含をカバーすることが意図される。たとえば、特徴のリストを含む、方法、物品、もしくは装置は、それらの特徴のみに必ずしも限定されず、明示的にリストされないか、または、かかる、方法、物品、もしくは装置に固有の他の特徴を包含することができる。さらに、それとは反対と明示的に述べられない限り、「または(or)」は、「包括的な(or)」を意味し、「排他的な(or)」を意味しない。たとえば、条件AまたはB、は下記のうちのいずれか1つによって満たされる。Aが真(または存在)であり、かつBが偽(または存在しない)である、Aが偽(または存在しない)であり、かつBが真(または存在)である、および、AとBの両方が真である(または存在する)。
【0009】
また、「1つの(aまたはan)」の使用は、本明細書に記載される要素および構成要素を記述するために利用される。これは、便宜上および本発明の範囲の一般的な意味を与えるために行なわれるにすぎない。この記述は、明らかにそうではないことを意味していない限り、1つ、少なくとも1つ、または単数が複数を包含し、あるいは逆も同様である、として読まれるべきである。たとえば、単一の項目が本明細書に記載される場合、2つ以上の項目が単一の項目の代わりに使用されてもよい。同様に、2つ以上の項目が本明細書に記載される場合、単一の項目で当該2つ以上の項目を置き換えてもよい。
【0010】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。材料、方法、および実施例は例示にすぎず、限定的であるとは意図されない。本明細書に記載されない範囲で、特定の材料および加工行為に関する多くの詳細は従来通りであり、直線運動技術における教本および他の資料中に見出され得る。
【0011】
図17は、第1構成部品402と、第2構成部品404と、第1および第2構成部品402と404の間に配置された摺動部材406とを含む直線運動アセンブリ400の断面立面図を示す。第1および第2構成部品402と404の間の直線運動は、一般に、紙面の中へ入る方向と外へ出る方向に起こり得る。ある用途では、回転運動がさらに時計方向または反時計方向の様式で起こり得る。
【0012】
特定の態様に沿って説明するように、摺動部材406は、細長い管を含むことができる。細長い管はそれぞれ、低摩擦材料からなる、または本質的に低摩擦材料からなる、または低摩擦材料を含む本体を含むことができる。穴部は、細長い管の少なくとも1つを貫通して延在し、摺動部材の内側表面を画定することができる。ばねまたは他の同様の支持機構を、穴部内に配置してもよい。一実施形態では、ばねは、本体から容易に分離可能であり得る。他の実施形態では、本体は、それぞれが、細長い管を少なくとも部分的に通って延在する複数の穴部を画定してもよい。細長い管の本体内の1つまたは複数の穴部の存在が公差吸収を促進することができる。
【0013】
別の態様では、摺動部材は、細長い形状を有する基材および基材の周囲に配置された低摩擦材料を含むことができる。低摩擦材料は、基材の周囲に巻かれたシート材料を含むことができる。一実施形態では、間隙が、摺動部材の軸方向長さに沿って延在することができる。別の実施形態では、基材の軸方向端部の少なくとも一方は、低摩擦材料から露出してもよい。さらなる実施形態では、空隙を、基材の一部と低摩擦材料との間に配置してもよい。前記空隙は、低摩擦材料の変形により公差吸収をすることができる。
【0014】
当業者は、以下の説明がシートトラックアセンブリを対象としているが、本開示はシートトラックアセンブリに限定されるものではなく、また、他の直線運動アセンブリを含むことができることを認識するであろう。他の直線運動アセンブリは、たとえば、シートクッション深さ調節アセンブリ、シート長さ調節アセンブリ、シートバック調節アセンブリ、調節可能な摺動コンソール、サンルーフおよびムーンルーフの摺動機構、ウィンドウ高さ調節システム、スライドドア、ステアリングシステムなどの伸縮アセンブリ、食器洗い機およびオーブン棚に見られるような摺動可能な棚とブラケット、摺動式引出しおよびキャビネット、摺動表面、リニアアクチュエータ、モーター、歯車、プリンタやファックス、スキャナー、コピー機、および複数のこのような動作を行なう部品などのオフィス用品、組み立て工程、自動化された機械およびアセンブリ、または2つ以上の構成部品の間で行なわれる直線運動を組み込んだ他の同様の構成部品またはアセンブリ、などである。当業者はさらに、本開示は、直線運動アセンブリを対象としているが、特定の用途は、回転に関する柔軟性を必要とすることを理解するであろう。ここで、摺動部材は、直線および回転の両方の並進運動に対して低摩擦表面を提供する。
【0015】
図1を参照して、シートアセンブリ2は、通常、底部4とシートバック6を有するシートを含む。シートバック6は、底部4と枢動可能に接続されてもよい。底部4は、フレーム8、カバー10およびフレーム8とカバー10との間に配置されるクッションまたは支持材を含むことができる。シートバック6は、内部支持体12を含むことができる。シートアセンブリ2は、車両の乗員が座ることができる場所を提供することができる。
【0016】
シートトラックアセンブリ100は、底部4に沿ってシートアセンブリ2に結合することができる。特定の実施形態では、シートトラックアセンブリ100は、フレーム8に取り付けてもよく、ねじまたは非ねじ留め具、または他の適切な取り付け方法によってフレーム8に固定することができる。あるいは、中間部材をシートトラックアセンブリ100とフレーム8との間に配置してもよい。中間部材は、シートアセンブリ2の調節および配置変更を可能にする1つまたは複数の調節機構または制御装置を含むことができる。シートトラックアセンブリ100は、車両の表面(たとえば、床面14)に取り付けることができ、シートアセンブリ2をそこに固定することができる。
【0017】
シートトラックアセンブリ100は、通常、互いに対して平行な向きに配置された2つの離間したレール102および104を含むことができる。レール102および104は、シートアセンブリ2の正面と背面との間に延在してもよい。
【0018】
各レール102および104は、横方向に離間して配置される受け器(本明細書では構成部品とも呼ばれる)106および108を含むことができ、互いに対して長手方向に並進可能である(
図2)。非限定的な実施形態では、受け器106および108は、それぞれ、頂部受け器および底部受け器を画定することができる。下部受け器108が床面14に取り付けられる一方、頂部受け器106は、フレーム8に取り付けることができる。代替実施形態では、受け器106および108は、左受け器と右受け器を画定することができ、または互いに対して任意の他の適切な空間的関係を有することができる。たとえば、受け器106または108の1つが他の受け器106または108の径方向内側に配置することができる。
【0019】
一実施形態では、受け器106および108は、それぞれ、たとえば、金属、合金、セラミック、またはポリマーなどの剛性材料を含むことができる。これに関して、受け器106および108は、負荷がかかるとき、たとえば、シートの底部4から受け器に横方向の力がかかるとき、著しい変形に耐えることができる。特定の実施形態では、受け器106および108は、鋼を含むことができる。
【0020】
受け器106および108は、随意で、腐食または他の潜在的な損傷から保護するための層でコーティングすることができる。特定の実施形態において、受け器106または108、または、その構成部品の少なくとも1つを、加工前に、それらの腐食を防止するために、1つまたは複数の一時的な腐食保護層で被覆することができる。層のそれぞれは、1ミクロンと50ミクロンの範囲の厚さ、たとえば、7ミクロンと15ミクロンの範囲の厚さ、を有することができる。層は、亜鉛、鉄、マンガン、リン酸、またはそれらの任意の組み合わせのリン酸塩を含むことができる。また、層は、ナノセラミック層とすることができる。さらに、層は機能性シラン、ナノスケールのシラン系プライマー、加水分解されたシラン、オルガノシラン接着向上剤、溶剤/水系シランプライマー、塩素化ポリオレフィン、不動態化された表面、市販の亜鉛(メカニカル/ガルバニック)コーティングまたは亜鉛−ニッケルコーティング、またはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。一時的な腐食保護層は、加工中に除去または保持することができる。
【0021】
特定の実施形態では、受け器106または108の少なくとも1つまたはそれらの一部は、さらに永久耐食性コーティングを含んでもよい。耐食性コーティングは、1ミクロンと50ミクロンの範囲内の厚さ、たとえば5ミクロンと20ミクロンの範囲の厚さ、またはさらには7ミクロンと15ミクロンの範囲の厚さ、を有することができる。耐食性コーティングは、接着向上剤層、およびエポキシ層を含むことができる。接着向上剤層は、亜鉛、鉄、マンガン、スズ、またはそれらの任意の組み合わせのリン酸塩を含むことができる。さらに、接着向上剤層は、ナノセラミック層とすることができる。接着向上剤層は、機能性シラン、ナノスケールのシラン系層、加水分解されたシラン、オルガノシラン接着向上剤、溶剤/水系シランプライマー、塩素化ポリオレフィン、不動態化された表面、市販の亜鉛(メカニカル/ガルバニック)コーティングまたは亜鉛−ニッケルコーティング、またはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0022】
エポキシ層は、熱硬化エポキシ、UV硬化エポキシ、IR硬化エポキシ、電子線硬化エポキシ、放射線硬化エポキシ、または空気硬化エポキシとすることができる。さらに、エポキシ樹脂は、ポリグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル、ビスフェノールA、ビスフェノールF、オキシラン、オキサシクロプロパン、エチレンオキシド、1,2−エポキシプロパン、2−メチルオキシラン、9,10−エポキシ−9,10−ジヒドロアントラセン、またはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。エポキシ樹脂は、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ホルムアルデヒドを有するベンゾグアナミン、またはそれらの任意の組み合わせに基づいて、合成樹脂変性エポキシ樹脂を含むことができる。一例として、エポキシ樹脂は、モノエポキソイド(epoxoide)、ビスエポキシド、直鎖状トリスエポキシド、分岐状トリスエポキシド、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。ここで、C
XH
YX
ZA
Uは、随意でハロゲン原子X
Zで水素原子を置換した直鎖状または分岐状の飽和または不飽和炭素鎖であり、随意で窒素、リン、ホウ素などの原子が存在し、Bは、炭素、窒素、酸素、リン、ホウ素、硫黄などの1つである。
【0023】
エポキシ樹脂は、さらに硬化剤を含むことができる。硬化剤は、アミン、酸無水物、フェノールノボラックポリ[N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド](PHPMI)などのフェノールノボラック硬化剤、レゾールフェノールホルムアルデヒド、脂肪アミン化合物、ポリカーボネート無水物、ポリアクリレート、イソシアナート、カプセル化ポリイソシアナート、三フッ化ホウ素アミン錯体、クロム系硬化剤、ポリアミド、またはこれらの任意の組み合わせ、を含むことができる。一般に、酸無水物は、式R−C=O−O−C=O−R’に合致することができ、ここで、Rは、上記のようにC
XH
YX
ZA
Uとすることができる。アミンは、モノエチルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン等の脂肪族アミン、脂環式アミン、環状脂肪族アミン、脂環式脂肪族アミン、アミドアミン、ポリアミド、ジシアンジアミド、イミダゾール誘導体等の芳香族アミン、またはこれらの任意の組み合わせ、を含むことができる。一般に、アミンは、式R
1R
2R
3Nに合致する第一級アミン、第二級アミン、または第三級アミンであることができ、ここで、Rは、上述したようにC
XH
YX
ZA
Uとすることができる。
【0024】
一実施形態では、エポキシ層は、カーボン充填剤、または炭素繊維、または炭素粒子、または黒鉛、または青銅、アルミニウム、および他の金属およびそれらの合金などの金属充填剤、または金属酸化物充填剤、または金属被覆カーボン充填剤、または金属被覆ポリマー充填剤、またはこれらの任意の組み合わせ、などの導電性を向上させる充填剤を含むことができる。導電性充填剤は、電流がエポキシコーティングを通過するのを可能にし、導電性充填剤なしのコーティングされたブッシュと比較して、コーティングされたブッシュの導電性を高めることができる。
【0025】
一実施形態では、エポキシ層は、耐食性を高めることができる。たとえば、エポキシ層は、実質的に腐食性要素、たとえば、水、塩、等が、受け器106または108と接触するのを防止することができ、それによってそれらの化学的腐食を抑制することができる。また、エポキシ層は、異種金属間の接触を防止することにより、ガルバニック腐食を抑制することができる。
【0026】
耐食層の塗布は、エポキシコーティングを塗布することを含むことができる。エポキシ樹脂は二成分エポキシ樹脂または単一成分エポキシ樹脂とすることができる。有利なこととして、単一成分エポキシ樹脂は、より長い寿命を持つことができる。寿命とは、エポキシ樹脂の調製から、エポキシがもはやコーティングとして塗布することができないまでの時間であり得る。たとえば、単一成分エポキシ樹脂は、数時間の寿命の二成分エポキシ樹脂に比べて数ヶ月の寿命を持つことができる。
【0027】
一実施形態では、エポキシ樹脂層は、スプレーコーティング、電着、ディップスピンコーティング、静電塗装、フローコーティング、ロールコーティング、ナイフコーティング、コイルコーティングなどによって塗布することができる。また、エポキシ樹脂層は、熱硬化、紫外線硬化、IR硬化、電子線硬化、放射線硬化、またはそれらの任意の組み合わせなどによって、硬化させることができる。好ましくは、硬化は、摺動層、接着層、織りメッシュ、または接着向上剤層のいずれかの崩壊温度を超えて構成部品の温度を増加させることなく達成することができる。したがって、エポキシ樹脂は、約250℃未満、さらに約200℃未満で硬化させることができる。
【0028】
一実施形態では、耐食性コーティング、および特にエポキシ層を、受け器106または108の露出した縁部を覆うように塗布することができる。電着および静電塗装は、非導電性摺動層を塗布することなく、すべての露出金属表面に耐食性コーティング層を塗布する際に特に有用であり得る。さらに、耐食性コーティングがクラックや空隙なしに連続的に露出面を覆うのが好ましい。連続的な、相似被覆は、塩および水のような腐食性要素が受け器106および108に接触するのを実質的に防ぐことができる。
【0029】
ある実施形態では、レール102および104は、互いに対して同一の、または略同一とすることができる。この点で、レール102または104のいずれかに特定した言及は、また、他のレール102または104に対する適切な構成を記述することになり得る。
【0030】
図2を参照し、レール102の断面が示される。非限定的な実施形態では、下部受け器108は、ベース110を有するチャネル部と、ベースから延在する2つの対向する側壁112aおよび112bと、側壁の終端上部の対向する上部フランジ部114aおよび114bとを含む。上部受け器106は、下部受け器108とほぼ反対で、反転した構成を含むことができ、頂部116と、頂部から下向きに延在する2つの対向する側壁118aおよび118bと、対向する側壁の終端下部における対向する端部120aおよび120bとを有する。
【0031】
端部120aおよび120bは、図に示したもの以外の構成を有してもよい。端部120aおよび120bは、それぞれ、上部フランジ部分114aと114bに対応するように配置される。
【0032】
受け器106および108は、インターロック配置で互いに対して長手方向に配置することができる。フランジ部分114aおよび114bならびに下部および上部受け器108および106の端部120aおよび120bは共に嵌合して、お互い、摺動接続することができ、上部受け器106および下部受け器108は、横方向に外れることなく、機能的に長手方向に並進することができる。
【0033】
ある実施形態では、受け器106および108は、垂直方向に横断する平面に対して鏡映対称であってもよい。この点で、各レール102および104の左右の構造は、同じ構造および大きさを有してもよい。このことにより、レール102および104の左右両側に沿って負荷分散が可能となり、構造的強度が増す。他の実施形態では、受け器106および108は、垂直方向に横断する平面に対して非対称であってもよい。このことにより、レール102と104を特定の形状に成形し、特定の負荷配置を伝達し、支持することが可能となる。
【0034】
1つまたは複数の摺動部材122は受け器106と108との間に配置することができる。より具体的には、複数の摺動部材122が受け器106と108の間に配置され、受け器106と108に対し互いに空間を作ることができる。この点では、摺動部材122は、受け器106および108の間に挟まれ、それらを支えてもよい。
【0035】
摺動部材122の少なくとも1つは、外部から塗布される潤滑剤を含まなくてもよい。一実施形態では、摺動部材122の少なくとも1つは自己潤滑性であってもよい。
【0036】
公知のシートトラックアセンブリにおいて見られる典型的なボールベアリングの配置は、レールまたはボールベアリングの間で固着および軋みが発生するのを防ぐため、潤滑剤の使用を必要とする。最も顕著なことは、潤滑剤は、たとえば、グリースのような準または半固体潤滑剤からなることができる。グリースは、ボールベアリングの外側表面に沿って塗布してもよい。しかし、動作時には、そこから剥離または剥がれることがありうるので、車両の内部キャビンを汚す。さらさらのグリースは、粒子とキャビン汚れを集めてしまうことがあり、ボールベアリングシートトラックアセンブリ内での摺動力の状態を変えてしまう。また、ボールベアリングの外側表面に沿ったグリースの損失が、シートアセンブリの力特性を変えることがあり、そのことで、長手方向に、受け器を互いに対して並進させるのが困難になる。
【0037】
本明細書に記載の1つもしくは複数の実施形態によれば、摺動部材122の少なくとも1つは、少なくとも部分的に低摩擦材料を含むことができる。たとえば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフルオロポリマーである。その他の例示的なフルオロポリマーは、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびフッ化ビニリデンのターポリマー(THV)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレンクロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、またはこれらの任意の組み合わせ、を含むことができる。加えて、たとえば、商標名Norglide(登録商標)で出願人によって市販されているもののような摺動材料を使用することが可能である。別の実施形態では、摺動部材122の少なくとも1つは、たとえば、商標名Meldin(登録商標)2000、7000、8100、または9000で出願人によって市販されているもののようなポリイミドを、または、たとえば、商標名Meldin(登録商標)1000、3100、または5000で出願人によって市販されているもののような熱可塑性樹脂、を含むことができる。
【0038】
図3Aを参照すると、特定の態様では、摺動部材122の少なくとも1つは、その終(軸)端部の間に延在する側壁を有する細長い管または構造体(以下、構造体124)を含むことができる。側壁は、対向する終端部との間に、長さLで延在することができる。
【0039】
構造体124の長さLは、その幅Wおよび高さHよりも大きくすることができる。たとえば、構造体124の長さは1.0Wおよび1.0H(1.0WおよびH)より長く、たとえば、1.5WおよびHより長く、または2.0WおよびHより長く、または2.5WおよびHより長く、または3.0WおよびHより長く、または3.5WおよびHより長く、または4.0WおよびHより長く、または4.5WおよびHより長く、または5.0WおよびHより長く、または6.0WおよびHより長く、または7.0WおよびHより長く、または8.0WおよびHより長く、または9.0WおよびHより長く、またはさらに10.0WおよびHよりも長く、することができる。長さLは、500WおよびH以下、たとえば、400WおよびH以下、または300WおよびH以下、または200WおよびH以下、またはWおよびH100以下、であってもよい。
【0040】
構造体124は、少なくとも1mm、たとえば、少なくとも2mm、または少なくとも3mm、または少なくとも4mm、またはさらに少なくとも5mm、の最大幅または高さ(または、楕円形断面形状の場合は直径)を有してもよい。最大幅または高さ(または、楕円形断面形状の場合の直径)は、75mm以下、たとえば、60mm以下、または45mm以下、または30mm以下、または15mm以下、またはさらに10mm以下、とすることができる。構造体124の長さLは、少なくとも1mm、たとえば、少なくとも5mm、または少なくとも10mm、または少なくとも20mm、または少なくとも30mm、またはさらに少なくとも40mm、であってもよい。長さは、750mm以下、たとえば、500mm以下、またはさらに250mm以下とすることができる。
【0041】
一実施形態では、構造体124の少なくとも1つが楕円形の断面を画定する外側表面を有してもよい。構造体124の側壁は、閉じた曲線を画定する円弧状の断面形状を有してもよい。より特定の実施形態では、側壁の曲率半径は、その周囲に沿って一定であってもよい。別のより特定の実施形態において、側壁の曲率半径は、それに沿った異なる位置で異なってもよい。たとえば、側壁は、卵形断面形状(たとえば、
図3J)を画定することができる。例示的な卵形の形状はカッシーニの卵形、スーパー楕円形、デカルトの卵形、楕円形卵形線、または先が尖った楕円形を含む。
【0042】
別の実施形態では、構造体124の少なくとも1つは、多角形の断面を有してもよい。たとえば、構造体124は、以下の形状から選択される断面を有することができる。三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形、十一角形、十二角形、または別の適切な多角形。一実施形態では、構造体124のうちの少なくとも1つの断面形状は、それが等辺および等角(たとえば、
図3E)の両方であるような正多角形とすることができる。別の実施形態では、構造体124の断面形状は、それが等辺でなく、等角でなく、またはその両方ではないような、不規則な多角形とすることができる。
【0043】
さらに別の実施形態では、構造体124の少なくとも1つは、多角形部および楕円形部を有する断面を有してもよい。たとえば、断面の第2部分がその間の相対角度によって相互接続された1つまたは複数の直線セグメントを含む一方で、断面の第1部分は、略弓状表面を含んでもよい。一実施形態では、多角形部と楕円形部の両方を有する外側形状は、受け器106と108の間の空間内により正確に嵌合することができ、より均一な接触境界面を形成し、その間により均一な圧力分布を作ることができる。
【0044】
図3Bを参照して、一実施形態では、1つまたは複数の穴部126は、構造体124の対向する終端部の間に少なくとも部分的に延在してもよい。穴部は、少なくとも0.05L、たとえば、少なくとも0.1L、または少なくとも0.2L、または少なくとも0.3L、または少なくとも0.4L、または少なくとも0.5L、または少なくとも0.6L、または少なくとも0.7L、または少なくとも0.8L、またはさらに少なくとも0.9L、で延在することができる。特定の実施形態において、穴部(複数可)126は、構造体124の長さを貫通して全体に延在することができる。構造体124のすべてではないが、いくつかにおいて、穴部126を有することが可能である。また、異なる構造体124内の異なる場所で、または同じ相対位置で、異なる長さ、幅および形状の穴部126を有することが可能である。この点において、穴部126は構造体124に沿って適切な位置に配置することができる。
【0045】
特定の実施形態において、穴部126は、構造体124の長さに沿って測定したときに均一な形状を含んでもよい。このように、穴部126は、構造体124の長さに沿って一様に延在することができる。別の実施形態では、穴部126は、構造体124の長さに沿って測定したときに変化のある(変化する)断面形状を有することができる。たとえば、穴部126は、構造体124の長さに沿った第1位置で第1直径を、構造体124の長さに沿った第2位置で第1直径とは異なる第2直径を有してもよい。このように、穴部126の形状は、シートトラックアセンブリ100のある位置に沿って示した特定の圧力分布と勾配に適したものにすることができる。たとえば、穴部は、より高い圧力が構造体に対して作用する場所の近くでは小さくてもよい。
【0046】
穴部126のそれぞれは、楕円形断面、多角形断面、またはそれらの組み合わせを画定することができる。
図3C〜3Jは、構造および穴部(複数可)の例示的な断面形状を示している。
【0047】
図3Cは、複数の穴部184および184を有する構造体182を示す。各穴部184および184は、構造体182の長さに沿って少なくとも部分的に延在することができる。一実施形態では、穴部184および184は、構造体182にわたって等距離に延在することができる。別の実施形態では、穴部は、異なる長さを有することができる。特定の実施形態では、穴部は、構造体182の長さ対して異なる終点間に延在することができる。つまり、穴部の軸方向端部は、構造体182の長さに沿って異なる相対位置で終了することができる。図示のように、穴部184および184は、構造体182と交差する平面に対して鏡映対称とすることができる。一実施形態では、穴部184の少なくとも1つは、その全長に沿って測定したときに均一な形状を有することができる。別の実施形態では、穴部184の少なくとも1つが、その長さに沿って測定したときに変化のある形状であってもよい。
【0048】
図3Dは、複数の穴部188を有する構造186を示す。穴部188は、それぞれ、多角形の断面形状、たとえば、三角形の形状を有することができる。穴部188の少なくとも2つは互いに回転対称とすることができる。特定の実施形態において、穴部188は、構造体186の中心軸を中心に回転対称とすることができる。別の実施形態では、穴部188は、構造体186の中心軸から離間している線の回りで回転対称とすることができる。図示されない実施形態では、穴部186は、回転対称と鏡映対称の両方であってもよい。
【0049】
図3E〜3Jは、構造体124とその中に配置された穴部126のための様々な他の配置および構成を示す。図示の実施形態は、本開示の範囲を限定するものではない。当業者は、多くの他の形状および構成が構造体124および穴部126で可能であることを認識するであろう。たとえば、図示されない実施形態では、穴部の少なくとも1つは、構造体の終端部と構造体の側壁との間に延在することができる。このように、穴部の中心軸は、構造体の中心軸と平行ではない。また、図面に示される要素を、入れ替え、組み合わせ、または任意の組み合わせで除去することで、適切な力と公差補償特性を提供することができる。
【0050】
一実施形態では、構造体124の少なくとも1つは、均質な組成(たとえば、
図4A)を有することができる。この点で、構造体124の全体は、単一の材料を含むことができる。より具体的には、構造体124の全体は、たとえば、上述した材料などの低摩擦材料127を含むことができる。
【0051】
別の実施形態において、
図4Bおよび4Cに示すように、構造体124の少なくとも1つは複合構造を有することができる。たとえば、構造体124は、基材125に結合された低摩擦材料127を含むことができる。例示的な基材125は、金属、金属合金、セラミック、またはエラストマーなどのポリマーを含むことができる。基材125は、構造体124の1つまたは複数の穴部126内に少なくとも部分的に配置されてもよい。より特定の実施形態において、基材125は、穴部126の少なくとも1つの中に完全に配置されてもよい。
【0052】
一実施形態において、基材125は、穴部126の外周に沿って少なくとも部分的に配置されるように、構造体124内に配置することができる。より具体的には、基材125は、穴部126の全周に沿って配置することができる。たとえば、基材125は、穴部126の外側表面に沿って配置されたストリップまたは層の材料を含むことができる。ストリップまたは層は、穴部126の直径の半分よりも小さい厚さを有することができる。一実施形態では、ストリップが穴部126の全体を完全に占有しなくてもよい。
【0053】
特定の実施形態において、基材125は、ばねを含むことができる。例示的なばねは、円形またはそうでなければ楕円形のワイヤで形成されたコイルばね、および矩形またはそうでなければ多角形のワイヤで形成されたコイルばねを含む。コイルばねは、複数のコイル、たとえば、少なくとも2つのコイル、または少なくとも3つのコイル、または少なくとも4つのコイル、または少なくとも5つのコイル、または少なくとも10個のコイル、または少なくとも25個のコイル、またはさらに少なくとも100個のコイル、を含むことができる。一実施形態では、コイルばねは、10,000個以下のコイル、たとえば、5,000個以下のコイル、またはさら1,000個以下のコイル、を含むことができる。
【0054】
一実施形態では、コイルは、穴部126内で傾斜してもよい。すなわち、コイルを、穴部126内で角度を付けて付勢することができる。このことにより、非傾斜コイルを有するばねを有する構造体124と比較するとき、半径方向に構造体124を変形させるために必要な圧縮力を減少させることができる。
【0055】
一実施形態では、ばねは、低摩擦材料127との締まり嵌めによって穴部126内に固定することができる。別の実施形態では、ばねは、たとえば、接着剤、機械的留め具、他の適切な係合要素または方法、またはそれらの組み合わせによって、穴部126内に固定することができる。
【0056】
一実施形態では、ばねは、少なくとも部分的に低摩擦材料127内に埋め込んでもよい。すなわち、コイルの少なくとも1つの一部(たとえば、少なくとも1つのコイルの半径方向最も外側の表面)が、低摩擦材料127内に、元の穴部126を越えて半径方向外向きに延在することができる。
【0057】
別の適切なばねは、略円筒形状に巻かれたシート材料から形成されたリングを含んでもよい。特定の実施形態では、リングは、たとえば、ばね鋼などの鋼から形成することができる。一実施形態では、リングは、少なくとも0.1mm、たとえば、少なくとも0.2mm、または少なくとも0.3mm、または少なくとも0.4mm、またはさらに少なくとも0.5mm、の肉厚を有することができる。一実施形態では、リングは10mm以下、または3mm以下、たとえば2.5mm以下、または2.0mm以下、または1.5mm以下、またはさらに1.0mm以下、の肉厚を有することができる。
【0058】
間隙129は、リングの軸方向長さの少なくとも一部に沿って延在してもよい。特定の実施形態において、間隙129は、軸方向長さ全体に沿って延在することができる。この点で、リングは、その中心軸に沿って見たとき、略C字形状を有するスプリットリングとすることができる。特定の実施形態において、間隙129は、閉じていてもよい(たとえば、溶接により)。
【0059】
一実施形態において、間隙129の周方向幅は、ばねを穴部126内へ設置する前の間隙と比べたとき、設置後に異なっていてもよい。特定の実施形態では、間隙129の周方向幅は、ばねの穴部126内への設置後に減少することがある。
【0060】
1つまたは複数の実施形態によれば、ばねは、低摩擦材料127を外向きに付勢するように、径方向外側方向へのばね定数を与えることがある。ある実施形態では、ばねを含む構造体124はプログレッシブ特性、線形、またはデグレッシブ特性のばね定数特性を示すことができる。
【0061】
一実施形態では、ばねを含む構造体のばね定数は、少なくとも10N/mm、たとえば、少なくとも50N/mm、または少なくとも100N/mm、または少なくとも150N/mm、または少なくとも200N/mm、または少なくとも250N/mm、または少なくとも300N/mm、または少なくとも350N/mm、またはさらに少なくとも400N/mm、であってもよい。一実施形態では、ばねを含む構造体124のばね定数は、800N/mm以下、たとえば、700N/mm以下、または600N/mm以下、または550N/mm以下、または500N/mm以下、またはさらに450N/mm以下、であってもよい。高いばね定数を有する構造体は、公差吸収を縮小して、より大きな構造的支持を提供できる。一方、低いばね定数を有する構造体は、シートトラックアセンブリ内で公差、位置ずれをよりよく吸収することができる。
【0062】
非限定的な例では、構造体124は、6.7mmの外径および5.7mmの直径を有する中央に配置された穴部126を有する、構造体124と同じ長さを有するスプリットリングばねが穴部126内に挿入される。スプリットリングは、0.4mmの肉厚、1.5mmの周方向間隙幅および5.8mmの外径を有する。力が外側表面法線方向に外側表面に沿って構造体124に加えられる。64Nの力がかかると、構造体を0.15mm圧縮する。82Nの力が加えられると、構造体を0.2mm圧縮する。98Nの力が加えられると、構造体を0.25mm圧縮する。
【0063】
一実施形態では、ばねは、圧縮された状態で作動し、すべてのまたは殆どの状態で低摩擦材料127に対して外向きに付勢圧力を提供する。
【0064】
当業者は、他のばね構成が適切であり得ること、および、ばねの構成は上述した実施形態に限定されるものではないことを理解するであろう。
【0065】
図示されない実施形態では、基材125は穴部(複数可)から離間した位置での1つまたは複数の構造体124内に配置され得る。たとえば、構造体124の側壁が、その中に内蔵された、または少なくとも部分的に内蔵された埋め込み基材を有していてもよい。
【0066】
一実施形態では、基材は、低摩擦材料内に完全に封入され得る。この点で、構造体124の外側露出面全体は、低摩擦材料を含むことができる。別の実施形態では、基材は、その部分に沿って、たとえば、対向する終端部に沿って、露出されてもよい。このように、基材は、穴部126の外周に沿ってだけ密閉することができる。
【0067】
異なる材料の基材は異なる構造体124、またはさらに同じ構造体124内で利用することができる。一実施形態では、異なる材料の基材を、同じ構造体124の異なる穴部126内に配置してもよい。一実施形態では、異なる材料の基材であっても、同じ穴部126内で異なる相対位置に配置してもよい。たとえば、複数の基材は、穴部126の長さの少なくとも一部に沿って互いに隣接して延在することができる。代替的に、複数の基材を、連続した区域に配置してもよく、各基材は、穴部126の長さの一部に沿う。一実施形態では、複数の基材は、同軸であってもよく、たとえば、異なる基材がそれぞれ単一の基材の層を形成することができる。
【0068】
構造体124の力および公差分布は、構造体124内の穴部126の数および位置を変化させることによって、また構造体124内での1つまたは複数の基材の使用を含むか除外することによって、構造体124の長さに沿った様々な位置で、調節または適切に操作することができる。たとえば、構造体124内の穴部126の大きさまたは数を増加させることによって、構造体124内の物質の量を減少させることが構造体124の横方向の剛性を減少させうる。これにより、より大きな公差吸収が可能になる。逆に、穴部(複数または単数)内の基材を利用し、または穴部126のない構造体124を利用して、その中に基材を持たない穴部を有する構造体に対し、構造体124の横方向の剛性を高めることができる。
【0069】
シートトラックアセンブリ100内の構造体124の配置および構成は、構造体がシートトラックアセンブリ100内で配置されている場所およびシートトラックアセンブリ100沿いの負荷状態に対して設定可能である。たとえば、高い横方向負荷状態(たとえば、主にシートトラックアセンブリ内の荷重支持領域で)を経験する位置で基材を含む少なくとも1つの穴部126を有する構造体124を利用するのが望ましい場合がある。一方、開いた(空の)穴部126を有する構造体が高いレベルの公差補償を必要とする場所(たとえば、シートトラックアセンブリ100内の非荷重支持領域で)で、より望ましい場合がある。そのような場所では、構造体124の変形により受け器106と108の間の位置ずれおよび変動の吸収が可能となる。適切な構成において構造体124を配置することによって、望ましい公差および強度特性をシートトラックアセンブリ100に沿って得ることができる。
【0070】
一実施形態では、開放穴部を有する第1構造体を、受け器108の対向する上部フランジ部分114aおよび受け器106の端部120aとの間に配置してもよい。一方で、充填された穴部を有する、または穴部を有しない第2構造体を、受け器106と受け器108のベース110との間に配置してもよい(
図2)。このように、第2構造体は、公差吸収を最小限として受け器106と108の間の垂直方向の支持を提供することができる。一方、第1構造体は、公差吸収を提供し、レール102内でゼロ隙間嵌合を形成することができ、その中のがたつきと望ましくない横方向の遊びを防止する。
【0071】
図5を参照すると、別の態様では、摺動部材の少なくとも1つがスライドピン128を含むことができる。スライドピン128は、長さL
SP、および直径D
SPを有する細長い円筒を含むことができる。スライドピン128は、幅に対する長さの比で測定された、アスペクト比を規定することができる。ボールベアリングとは異なり、アスペクト比が1:1であることは要求されない。たとえば、スライドピン128は、少なくとも1.1:1、たとえば、少なくとも1.5:1、または少なくとも2:1、または少なくとも3:1、または少なくとも4:1、または少なくとも5:1、またはさらには少なくとも10:1、のアスペクト比を有することができる。アスペクト比は、1,000:1ほどにも大きくしてもよい。別の実施形態では、スライドピン128は、0.9:1以下、たとえば、0.5:1以下、またはさらに0.25:1以下、のアスペクト比を有することができる。アスペクト比は0.001:1ほどに小さくすることができる。
【0072】
受け器106と108との間への設置前に、スライドピン128が対向する終端部間に延在する略円筒状側壁を有することができる。略円筒状の側壁は、受け器106と108の間への設置前に測定された、組み立て前の平均直径を画定し、および受け器106と108との間への設置後に測定された、組み立て前の平均直径とは異なる組み立て時の平均直径を画定することができる。より具体的には、組み立て時の平均直径を組み立て前の直径よりも小さくすることができる。この点で、スライドピン128は、設置前に超過した大きさとしてもよく、受け器106および108の間の空間内で公差を吸収するように構成されてもよい。また、スライドピン128は、受け器106と108の間でゼロクリアランスを維持することができる。
【0073】
図6を参照すると、より具体的な実施形態では、前の受け器106と108との間への設置前に、スライドピン128は、スライドピン128の直径が、端部132と比較して、中央部130で大きいように、たる形状を有することができる。たとえば、中央部の直径は、端部の直径の101%、たとえば、端部の直径の少なくとも102%、または端部の直径の少なくとも103%、または端部の直径の少なくとも104%、または端部の直径の少なくとも105%、または端部の直径の少なくとも110%、または端部の直径の少なくとも115%、または端部の直径の少なくとも120%、または端部の直径の少なくとも125%、または端部の直径の少なくとも130%、または端部の直径の少なくとも135%、または端部の直径の少なくとも140%、または端部の直径の少なくとも145%、またはさらに端部の直径の少なくとも150%、とすることができる。中央部の直径は、端部の直径の250%以下、たとえば、端部の直径の200%以下、またはさらに端部の直径の175%以下とすることができる。
【0074】
一実施形態では、スライドピン128の外側表面134は、スライドピン128の中心軸136に対して、端部132の一方から中央部130まで測定した角度が一定で延在することができる。別の実施形態では、外側表面134の角度は、端部132と中央部130の間で変化させることができる。
【0075】
特定の実施形態では、受け器106および108の間への設置時に、スライドピン128の少なくとも1つの外側表面134は、たる形状から円筒形状、または略円筒形状に変形することができる。ここで、組み立てられた状態で測定された中央部130の直径は、アセンブリ前に測定された中央部130の直径よりも小さい。このように、スライドピン128は、圧縮することができて、受け器106と108の間の空間内で公差と位置ずれに適応することができる。
【0076】
図7A、7Bおよび8に見られるように、スライドピン128は、基材138と低摩擦材料140を含むことができる。基材138は、金属またはポリマーなどの剛性材料を含むことができる。より具体的には、基材138は、ばね鋼などの鋼を含めることができる。基材138は、略円筒形状を画定することができる。一実施形態において、基材138は、中実であり、中空部を持っていない。代替の実施形態において、基材138は、中央空洞のような空洞を含む、中空であってもよい。中実の基材は、耐荷重用途でより適切であり得る。一方で、中空の基材は、受け器間の位置ずれや公差に対応することができる。したがって、適切な基材の構成は、シートトラックアセンブリ100内の相対位置に基づいて決定することができる。ある実施形態では、スライドピンのすべてがお互い同じであってもよい。他の実施形態では、アセンブリにおいて少なくとも2本のスライドピンは、互いに異なっていてもよい。
【0077】
ある実施形態において、基材138は、基材138の最大直径よりも小さい直径を有する環状凹部142を含んでいてもよい(たとえば、
図7A)。たとえば、環状凹部142の直径は、基材の最大直径の99%以下、たとえば、基材の最大直径の98%以下、または基材の最大直径の97%以下、または基材の最大直径の96%以下、または基材の最大直径の95%以下、または基材の最大直径の90%以下、またはさらに基材の最大直径の75%以下、であってもよい。また、環状凹部142の直径は、基材の最大直径の25%以上とすることができる。
【0078】
さらなる実施形態において、基材は、少なくとも2つの環状凹部、たとえば、少なくとも3つの環状凹部、またはさらに少なくとも4つの環状凹部、を含むことができる。環状凹部は、基材138の外周全体にわたって、または基材の外周の一部に沿って延在してもよい。環状凹部は、互いに同じ寸法特性を有してもよい。別の実施形態では、環状凹部の少なくとも2つが互いに異なる寸法特性を有することができる。
【0079】
一実施形態では、環状凹部142は、基材138の長さに沿って中央に配置することができる。別の実施形態では、環状凹部142は、基材138の中央部130からずらすことができる。たとえば、環状凹部142は、基材の長さの少なくとも1%、たとえば、基材の長さの少なくとも2%、または基材の長さの少なくとも3%、または基材の長さの少なくとも4%、または基材の長さの少なくとも5%、または基材の長さの少なくとも10%、または基材の長さの少なくとも15%、または基材の長さの少なくとも20%、または基材の長さの少なくとも25%、または基材の長さの少なくとも30%、または基材の長さの少なくとも35%、または基材の長さの少なくとも40%、またはさらに基材の長さの少なくとも45%、中央部130からずらしてもよい。一実施形態では、環状凹部142は、基材の長さの50%以下、たとえば、基材の長さの49%以下、または基材の長さの48%以下、または基材の長さの47%以下、またはさらに基材の46%以下、で中央部130からずらしてもよい。
【0080】
環状凹部142は、基材の長さの少なくとも10%に沿って、または基材の長さの少なくとも20%に沿って、または基材の長さの少なくとも30%に沿って、または基材の長さの少なくとも40%に沿って、またはさらに基材の長さの少なくとも50%に沿って、延在することができる。一実施形態では、環状凹部142は、たとえば、基材の長さの80%以下、たとえば、基材の長さの70%以下、に沿って延在することができる。
【0081】
低摩擦材料140は、スライドピン128の外側の層を形成するように、基材138の外周にわたって延在することができる。低摩擦材料140は、少なくとも基材138の一部に沿って基材138の外側表面に接触することができる。環状凹部142を含むこれらの実施形態は、あらかじめ設置されている状態で見られるように、基材138の外側表面と低摩擦材料140の内側表面の間の空隙144を含むことができる。ある実施形態では、設置時に、低摩擦材料140は、少なくとも部分的に空隙144にへこませることができる(
図7B)。このことにより、スライドピン128が受け器の間の公差と位置ずれに対し調節することができる。
【0082】
一実施形態では、低摩擦材料140を、基材138の少なくとも一部に対して、たとえば、そのすべてに対して、結合することができる。特定の実施形態では、低摩擦材料140を基材138上に押し出すか、成形することができる。低摩擦材料140は、溶融または半溶融状態で基材138上に、オーバーモールド成形、射出成形、または他の方法で、配置されてもよい。
【0083】
別の実施形態では、低摩擦材料140は、略中空円筒を含むことができる。基材138は、たとえば、低摩擦材料140の軸方向の両端の間の方向に基材138を押すことによって、円筒の中空内部に押し出されることができる。一実施形態では、低摩擦材料140は、間隙145を含むことができる。間隙145は、低摩擦材料140の軸方向長さの少なくとも一部に沿って延在することができる。より具体的には、間隙145は、低摩擦材料140の軸方向全長に沿って延在してもよい。一実施形態では、低摩擦材料140の周方向端部は、たとえば、少なくとも1°だけ、たとえば、少なくとも2°だけ、または少なくとも3°だけ、または少なくとも4°だけ、または少なくとも5°だけ、またはさらには少なくとも10゜だけ、離間させることができる。特定の実施形態では、間隙により、基材138が横方向に円筒の中空内部へ移動することが可能となる。
【0084】
さらに別の実施形態では、低摩擦材料140は、低摩擦材料のロールシートを含むことができる。ブランク品は、材料シートから切断されてもよい。材料シートは、均質であるか、または複合構造を有してもよい。ブランク品は、多角形形状、円弧形状、またはこれらの組み合わせを含むことができる。ブランク品は、略円筒形状に丸めることができる(たとえば、たる形状)。基材138回りまたは鋳型構造の回りに丸めることができる。材料シートのロールは、基材138に対して固定することができる。一実施形態では、材料シートのロールの固定は、基材138の軸方向端部に隣接した低摩擦材料の両端を曲げるか、または圧着することにより行うことができる。特定の例において、このことにより、基材138の一部が見えるように、露出したままにすることができる。別の例では、低摩擦材料の圧着が完全に基材138を覆うように、ブランク品の寸法設定を行うことができる。間隙は、スライドピンの軸方向長さに沿って存在してもよい。一実施形態では、間隙は、たとえば、溶接、接着、機械的相互接続(たとえば、パズルピース・インターフェース)、他の適切な方法、またはそれらの任意の組み合わせにより、閉じることができる。
【0085】
特定の実施形態では、スライドピン128が内部に配置された基材がない状態で、低摩擦材料140を含むことができる。低摩擦材料140は、上述した任意の特性を含むことができる。たとえば、低摩擦材料140は、低摩擦材料140の軸方向長さの少なくとも一部に沿って延在する間隙145を含むことができる。内部基材なしのスライドピン128の使用により、幾何学的により柔軟にすることができる。このことにより、スライドピン128の公差吸収能力を高めることができる。
【0086】
一実施形態では、低摩擦材料140は、基材138の直径よりも小さい側壁の厚さT
Sを画定することができる。たとえば、基材138の直径は、1.1T
Sよりも大きく、たとえば、1.5T
Sより大きく、または2T
Sより大きく、または3T
Sよりも大きく、または4T
Sよりも大きく、または5T
Sより大きく、または6T
Sよりも大きく、または7T
Sよりも大きく、または8T
Sより大きく、または9T
Sよりも大きく、または10T
Sより大きく、または15T
Sより大きく、または20T
Sより大きく、または25T
Sより大きく、または50T
Sより大きく、またはさらに75T
Sよりも大きく、することができる。ある実施形態では、基材138の直径は、500T
S以下、たとえば、250T
S以下、またはさらに100T
S以下、であってもよい。
【0087】
一実施形態では、T
Sは少なくとも0.1mm、たとえば、少なくとも0.5mm、または少なくとも1mm、または少なくとも2mm、または少なくとも3mm、または少なくとも4mm、または少なくとも5mm、またはさらに少なくとも10mm、であってもよい。一実施形態では、T
Sは、75mm以下であってもよい。
【0088】
低摩擦材料140は、接着剤、またはピンまたはカラーなどの機械的固定具により基材138に接着または固定することができる。代替的に、低摩擦材料140は、基材138に対して自由に動くことができ、基材138との間で、相対的に、回転または軸方向移動ができる。このように、低摩擦材料140は、基材138に対して、摺動または回転することができる。
【0089】
設置時に、スライドピン128は、受け器106と108の間に長手方向に挿入することができる。一実施形態では、スライドピン128は、側壁と、対向する端部132の少なくとも一方との間に配置された丸みを帯びた縁部146を含むことができる。丸みを帯びた縁部146はガイド部として作用することができる。丸みを帯びた縁部146により、スライドピン128と受け器106と108の間の配置をより容易にすることができる。一実施形態では、丸みを帯びた縁部146は、0.1mmと50mmの範囲の曲率半径、たとえば、0.5mmと10mmの範囲、またはさらに1mmと2mmの範囲、の曲率半径を有することができる。一実施形態では、曲率半径を10mm以下とすることができる。より特定の実施形態では、曲率半径は約1mmとすることができる。
【0090】
再び
図5を参照すると、1つまたは複数のスライドピン128は、少なくとも1つの対向する軸方向空洞148を含んでもよい。
図9を参照すると、支持機構150のピン、ポスト、または他の部材(図示せず)は、少なくとも部分的にスライドピン128の少なくとも1つの対向する軸方向空洞148に挿入することができる。少なくとも1つの対向する軸方向空洞148は、支持機構150と締まり嵌めを形成することができ、両者の相対的な分離を防止する。
【0091】
支持機構150は、その中に配置された複数の開口部154を有するフレーム152を含むことができる。フレーム152は、たとえば、硬質ポリマー、金属、または合金などの、比較的剛性の材料を含むことができる。一実施形態において、フレーム152は、シートトラックアセンブリのレールの長さ以下の長さL
Fを有してもよい。たとえば、シートトラックアセンブリの長さは、少なくとも1.0L
F、たとえば、少なくとも1.01L
F、または少なくとも1.02L
F、または少なくとも1.03L
F、または少なくとも1.04L
F、または少なくとも1.05L
F、または少なくとも1.1L
F、またはさらには少なくとも1.25L
F、であってもよい。さらなる実施形態では、シートトラックアセンブリの長さは、50L
F以下、たとえば、25L
F以下、または10L
F以下、または5L
F以下、さらにまたは2L
F以下、であってもよい。
【0092】
一実施形態において、フレーム152は、主要な対向面間で測定して、少なくとも0.1mmの厚さ、たとえば、少なくとも0.5mm、または少なくとも1mm、またはさらに少なくとも5mm、の厚さを有することができる。さらなる実施形態において、厚さは50mm以下、たとえば、20mm以下、またはさらに10mm以下、とすることができる。
【0093】
開口部154は、それぞれスライドピン128を受容するように寸法が設定され、成形することができる。特定の実施形態では、開口部154の少なくとも1つは、略多角形の形状を有してもよい。より特定の実施形態では、開口部154の少なくとも1つは、略長方形形状を有してもよい。別の実施形態では、開口部154の少なくとも1つは楕円形状を有してもよい。より特定の実施形態では、開口部154の少なくとも1つは、卵形の形状を有してもよい。特定の実施形態では、開口部154の少なくとも2つが互いに同一または類似の形状を有してもよい。さらなる実施形態では、すべての開口部154は、互いに同じ形状を有してもよい。別の実施形態では、開口部154の少なくとも2つが互いに異なる形状を有してもよい。スライドピン128の対向する軸方向空洞148は、フレーム152と結合することができる。一実施形態において、スライドピン128は、開口154内で自由に回転または摺動することができる。
【0094】
一実施形態では、支持機構150は、たとえば、頂部列156および底部列158などの、2列の開口154を含むことができる。特定の実施形態では、頂部列および底部列156および158は離間することができ、互いに対して平行に延在することができる。
【0095】
追加の開口部を、たとえば、列156と158との間に、フレーム152に沿って配置してもよい。追加の開口部は、フレーム152の質量を低減することができる。一実施形態では、構成部品は、レール内の相対的摺動性をさらに高めるために、追加の開口部の少なくとも1つ内に配置することができる。
【0096】
支持機構150は、受け器106と108との間に嵌合するように成形することができる。このように、組み立て済みの支持機構150(スライドピン128を含む)は、迅速に、レール内に設置されてもよい。ある実施形態において、支持機構150は、受け器106および108に対して浮遊することができる。つまり、支持機構150は、受け器106および108のどちらにも接触しなくてもよい。特定の実施形態では、既存のシートアセンブリの古いボールベアリングレースを、交換部品またはアフターマーケット用構成部品として、組み立て済みの支持機構150と交換できるようにすることができる。
【0097】
一実施形態では、支持機構150の頂部列および底部列156と158は異なる摺動部材122を含むことができる。特定の実施形態では、少なくとも1つの構造体124は、支持機構150の頂部列156の開口部154内に配置することができる。一方で、少なくとも1つのスライドピン128は、支持機構150の底部列158の開口部154内に配置することができる。別の特定の実施形態では、頂部列156は、すべての構造体124含むことができ、底部列158はすべてのスライドピン128を含むことができる。より具体的には、底部列158は、充填されたスライドピン128を含むことができる。すなわち、スライドピン128が変形に対する横方向強度および抵抗を増大させるための基材を含む。代替実施形態では、頂部列156は、すべてのスライドピン128を含むことができ、底部列158は、すべての構造体124を含むことができる。
【0098】
図10および11を参照して、一実施形態では、支持フレーム152の頂部列には、スライドピン128と構造体124を含むことができる。底部列は、スライドピン128だけを、または1つまたは複数の構造体124と組み合わせてスライドピン128を含むことができる。頂部列を参照すると、特定の実施形態では、構造体124は、2つ以上のスライドピン128との間に配置されてもよい。構造体124は、スライドピン128の長さよりも長い長さを有してもよい。
【0099】
一実施形態では、頂部列に配置された構造体124は、変形していない状態で測定して、頂部列のスライドピン128の外径よりも大きい外径を有することができる。さらなる実施形態では、構造体124の外径は、変形していない状態で測定して、受け器106と108の間の間隙距離より大きくすることができる。
図11において、フレーム152の頂部列の構造体124は、設置前の姿で見えるように、変形していない状態で、受け器106および108の内部で誇張して表示されている。構造体124を超過した大きさとすることで、受け器106と108の間でより良好な公差および位置ずれ吸収が可能となる。このことにより、シートトラックアセンブリ内での騒音、振動、およびハーシュネスの伝達(NVH)の発生を低減することができ、乗客が円滑で静かな体験をすることができる。
【0100】
一実施形態では、構造体124の直径は、変形していない状態で測定して、スライドピン128のうちの少なくとも1つの直径の少なくとも1.01倍、たとえば、スライドピンのうちの少なくとも1つの直径の少なくとも1.02倍、またはスライドピンのうちの少なくとも1つの直径の少なくとも1.03倍、またはスライドピンのうちの少なくとも1つの直径の少なくとも1.04倍、またはスライドピンのうちの少なくとも1つの直径の少なくとも1.05倍、またはスライドピンのうちの少なくとも1つの直径の少なくとも1.1倍、またはさらにスライドピンのうちの少なくとも1つの直径の少なくとも1.15倍、とすることができる。より特定の実施形態において、構造体124の直径は、変形していない状態で測定して、すべてのスライドピン128の直径の少なくとも1.01倍、たとえば、すべてのスライドピンの直径の少なくとも1.02倍、またはすべてのスライドピンの直径の少なくとも1.03倍、またはすべてのスライドピンの直径の少なくとも1.04倍、またはすべてのスライドピンの直径の少なくとも1.05倍、またはすべてのスライドピンの直径の少なくとも1.1倍、またはさらにすべてのスライドピンの直径の少なくとも1.15倍、とすることができる。
【0101】
図示されない実施形態では、構造体を、フレーム152の底部列に沿って配置してもよい。頂部列における構造体124に類似し、底部列内の構造体の利用はシートトラックアセンブリ内のNVHをさらに低減することができる。
【0102】
当業者は、この説明を読んだ後に、レール設計が異なる一方で、耐荷重摺動部材122をレール内のある位置に置き、非耐荷重公差補償摺動部材122をレール内の他の位置に置くことは概して望ましいことを、認識されるであろう。このように、剛性基材を含む、充填された構造体124またはスライドピンは、垂直荷重を支持することができる。一方、空洞の構造体124は、優れた公差補償を提供することができる。
【0103】
図12を参照すると、別の態様で、摺動部材122の少なくとも1つは、低摩擦材料164に結合された基材162を含む複合ストリップ160であってもよい。低摩擦材料164は、たとえば、PTFEなどのフルオロポリマーを含む、上記の任意の低摩擦材料を含むことができる。基材162は、上述したような剛性材料を含むことができる。たとえば、基材162は、金属、合金、または硬質ポリマーを含むことができる。特定の実施形態において、基材162は、ばね鋼などの鋼を含めることができる。
【0104】
一実施形態では、低摩擦材料164は、たとえば、積層プロセスによって、または熱、圧力、溶接、または接着剤を適用することにより、基材162に貼り付けることができる。別の実施形態では、低摩擦材料164は、たとえば、押出しまたはスプレーコート加工により、基材162上にコーティングされてもよい。
【0105】
ストリップ160は、低摩擦材料164の貼り付け後に、たとえば、カレンダー加工または酸洗処理により機械加工を行って、適切な表面仕上げに影響を及ぼすことができる。他の適切なプロセスを、所望の表面仕上げを得るために利用することができる。
【0106】
非限定的な実施形態において、ストリップ160は、それに沿って延在する、1つまたは複数の波形、ノッチ、溝、スロット、または他の同様の機構を含むことができる。これらの機構は、ストリップ160の剛性分布を変更することができる。より具体的には、これらの機構は、剛性が増加または減少する局所的な点を作ることができ、ストリップ160の精密な構造設計を可能にする。これらの機構は、ストリップ160の公差補償特性を変えることができる。より具体的には、これらの機構は、公差吸収能力が増加または減少する局所的な点を作ることができる。この点では、ストリップ160のある部分に沿って公差吸収を強化できるようにすることが可能である。同時に、ストリップ160のより硬い部分が他の場所にあるようにすることが可能である。
【0107】
ストリップ160は、側面から見たとき、1つまたは複数の楕円形部166を含むことができる。一実施形態では、楕円形部166は、ストリップ160の部分を成形することによって形成することができる。より具体的には、楕円形部166は、対向する端部に向かって、ストリップ160の端部を折り曲げて、少なくとも部分的に形成することができる。
【0108】
成形前に、ストリップ160は、初期に(第1)主表面168および厚さ分だけ離間する(第2)主表面を画定する平らなストリップ材料を初期に含むことができる。一実施形態では、成形前に、主表面は、略平行な平面に沿って延在することができる。さらなる実施形態では、ストリップ160は、成形前に測定したときに均一な厚さを有することができる。
【0109】
一実施形態では、成形前に、ストリップ160は、第1縁部、第2縁部、第3縁部、および第4縁部を画定することができる。より特定の実施形態において、第1および第3縁部は、ストリップ160の両側に配置することができ、第2および第4縁部は、ストリップ160の両側に配置することができる。別の実施形態では、ストリップ160は、四縁より多い縁部または四縁より少ない縁部を画定することができる。たとえば、ストリップ160は、三角形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形、または任意の数の追加の縁部を有する任意の他の多角形を画定することができる。より特定の実施形態において、ストリップ160は、略長方形形状を有することができる。この点で、第1および第3縁部を互いに平行とすることができ、第2および第4縁部を、互いに平行とすることができる。また、第1および第3縁部を、第2および第4縁部に対して垂直とすることができる。
【0110】
成形時に、ストリップ160の第1縁部は第3縁部に向かって成形することができる。たとえば、ストリップ160は、第1および第3縁部の間の距離が、楕円形部166を形成するために、それに沿って1つまたは複数の位置で減少するように、折り畳まれるか、曲げられるか、または他の方法で操作することができる。特定の実施形態において、第1縁部を均一に第3縁部に向かって成形することができる。すなわち、楕円形部166は、第1縁部の長さに沿って均一な形状と大きさを有している。
【0111】
第3縁部に向かって第1縁部を成形した後、ストリップ160の第3縁部は、第1縁部に向かって成形することができる。たとえば、ストリップ160は、第3および第1縁部間の距離が減少するように、折り畳まれ、曲げられ、またはその他の操作をすることができる。
【0112】
ストリップ160の楕円形部(複数可)166は、それぞれ1つまたは複数の穴部172を画定することができる。穴部172は、楕円形部166の長さに平行な平面に沿って延在することができる。
【0113】
図12に示すように、本実施形態によれば、穴部172は、互いに対して異なる相対的な形状および大きさを有することができる。たとえば、上部穴部172は、下部穴部172よりも狭い幅を有することができる。あるいは、下部穴部172は、上部穴部172よりも小さい幅を有することができる。本明細書中で使用される空間的な説明への言及は、図に示す向きに関してなされる。
【0114】
ストリップ160は、レール102または104に設置時に変形することができる。たとえば、
図13に示すように、下部楕円形部166bは、それ自体を押し付けて、下部受け器108に沿って摺動することができる。負荷状態、たとえば、乗員の体重を、(線174で示すような)垂直荷重状態がかかる垂直方向にかけることで、ストリップ160を変形させることができる。一実施形態では、楕円形部166bは、変形し、隣接する受け器106または108の接触面に一致、または実質的に一致することができる。
【0115】
初期変形が完了したら、たとえば、レール102は、ストリップ160がもはや荷重状態に変形せず、ストリップ160が「なじんだ」と考えることができるように、平衡状態にある。この状態では、ストリップ160が受け器106と108の間で、正確、またはほぼ正確に、嵌合することができる。
【0116】
ある実施形態では、上部楕円形部166aは、受け器106と108の間で最小限の垂直方向の支持を提供することができる。むしろ、楕円形部166aは、受け器106および108内で許容可能な製造誤差および位置ずれを吸収するための公差補償を提供することができる。さらに、特定の実施形態では、上部楕円形部166aは、横方向の安定性と横方向公差補償特性を提供することができる。
【0117】
各ストリップ160は、長さを持つことができる。いくつかの実施形態では、ストリップ160の長さは、レール102の長さの少なくとも大部分に沿って延在することができる。たとえば、ストリップ160は、レール102の長さの少なくとも55%、たとえば、レールの少なくとも60%、またはレールの少なくとも65%、またはレールの少なくとも70%、またはレールの少なくとも75%、またはレールの少なくとも80%、またはレールの少なくとも85%、またはさらにレールの少なくとも90%、を延在することができる。そのような実施形態では、受け器106の反対側面で単一のストリップ160を利用することが可能であってもよい。他の実施形態では、受け器106の反対側面に配置された2つ以上のストリップ160を利用することが望ましいことがある。このように、各ストリップ160は、レール102内の特定の位置で表れる負荷状態に適したものすることができる。特定の実施形態では、受け器106のそれぞれ反対側面上の複数のストリップ160が相互に接続されてもよい。たとえば、接続部(図示せず)は、横方向両側のストリップ160の下端の間に延在することができる。接続部は、楕円形部166bの間に延在することができる。あるいは、楕円形部166bを省略してもよい。単一のストリップ材料が、横方向両側楕円形部166aと166aとの間に延在することができる。複数のストリップ160を有する特定の実施形態では、複数のストリップ160は、自由に互いに独立して並進することができる。
【0118】
図14および
図15を参照すると、別の態様では、レール102および104の少なくとも1つは、外側受け器200、少なくとも部分的に外側受け器200に内接する内側受け器202、およびそれらの間に配置される1つまたは複数の摺動バー204を含むことができる。
【0119】
特定の実施形態では、摺動バー204の少なくとも1つは、
図3A〜3Jの構造体と同様とすることができる。別の実施形態では、摺動バー204の少なくとも1つは、受け器200と202の間に半径方向に延在する略弾丸形状の突起を含むことができる。特定の実施形態では、摺動バー204の少なくとも2つが互いに同じ幾何学的形状を有してもよい。さらなる実施形態では、摺動バー204のすべてが互いに同じ幾何学的形状を有してもよい。別の実施形態では、摺動バー204の少なくとも2つが互いに異なる幾何学的構成を有することができる。
【0120】
一実施形態では、摺動バー204の少なくとも1つを、受け器200および202に対する適切な位置および向きを維持するために、支持構成部品206内に配置してもよい。支持構成部品206は、たとえば、接着剤、機械的係合、ねじまたは非ねじ留め具、または任意の他の適切な係合によって、受け器200または202の1つに結合することができる。
【0121】
一実施形態では、摺動バー204の少なくとも1つは、レール102の長さの少なくとも大部分に沿って延在することができる。たとえば、少なくとも1つの摺動バー204は、レール102の長さの少なくとも55%、たとえば、レールの少なくとも60%、またはレールの少なくとも65%、またはレールの少なくとも70%、またはレールの少なくとも75%、またはレールの少なくとも80%、またはレールの少なくとも85%、またはさらにレールの少なくとも90%、で延在することができる。別の実施形態では、少なくとも1つの摺動バー204は、レール102の長さの20%未満で、たとえば、レールの長さの15%未満、またはレールの長さの10%未満、またはレールの長さの5%未満、またはさらにレールの長さの1%未満、で延在することができる。
【0122】
一実施形態では、複数の摺動バー204は、レール102の長さに沿って間隔をおいて配置することができる。このように、摺動バー204と受け器200と202との間で境界面に沿った摩擦の蓄積を減少させることができる。一実施形態では、レール102内に少なくとも4つの摺動バー204、たとえば、少なくとも6つの摺動バー、または少なくとも8つの摺動バー、または少なくとも10個の摺動バー、またはさらには少なくとも12個の摺動バー、を配置することができる。さらなる実施形態では、レール102内に100個以下の摺動バー、たとえば、75個以下の摺動バー、または50個以下の摺動バー、またはさらに20個以下の摺動バー、が存在することができる。
【0123】
一実施形態では、摺動バー204の少なくとも1つは、補完的な係合境界面208、たとえば、目違い継ぎ配置などを介して支持構成部品206の少なくとも1つと係合することができる。実施形態では、摺動バー204または支持構成部品206の1つが凹部を含むことができ、他方は、凹部内に延在し固定するように構成された突起を含むことができる。さらなる実施形態では、凹部は、さらにそこから延在するフランジ状の凹部を含んでもよい。突起は、凹部のフランジ状の凹部内に延在し、固定するように構成されるフランジ延長部を含むことができる。これは、たとえば、T字形またはY字形に似てもよい。ある実施形態では、補完的な係合境界面208の係合は、摺動バー204と支持構成部品品206の1つまたは両方を、互いに対して長手方向に並進させることよって行なわれてもよい。
【0124】
一実施形態では、摺動バー204は、さらに、接着剤、ねじまたは非ねじ留め具、またはたとえばクリップや戻り止めなどの適切な機械的係合手段、によって支持構成部品206に固定することができる。
【0125】
摺動バー204は接触境界面210に沿って受け器202に接触してもよい。一実施形態では、接触境界面210は、摺動バー204の長さの少なくとも一部に沿って延在する線接触、または略線接触とすることができる。別の実施形態では、接触境界面210は、たとえば、長さおよび幅を有する接触などの、面接触を含むことができる。
【0126】
一実施形態では、摺動バー204は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフルオロポリマーを含むことができる。その他の例示的なフルオロポリマーは、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびフッ化ビニリデンのターポリマー(THV)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレンクロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、またはこれらの任意の組み合わせを、含むことができる。加えて、たとえば、商標名Norglide(登録商標)で出願人によって市販されているもののような摺動材料を使用することが可能である。別の実施形態では、摺動バー204は、たとえば、商標名Meldin(登録商標)2000、7000、8100、または9000で出願人によって市販されているもののようなポリイミドを、または、たとえば、商標名Meldin(登録商標)1000、3100、または5000で出願人によって市販されているもののような熱可塑性樹脂、を含むことができる。
【0127】
支持構成部品(複数可)206は、たとえば、金属、合金、または硬質ポリマーなどの剛性材料を含むことができる。支持構成部品(複数可)206は、中実の構造を含むことができる。一実施形態では、支持構成部品206は、受け器200と202の間の公差や位置ずれを吸収するように構成された、1つまたは複数の穴部(図示しない)を含むことができる。一実施形態では、支持構成部品206は、一体構造とすることができる。たとえば、支持構成部品206は、均一な構造を含む。
【0128】
ある実施形態において、レール102は、さらに、受け器200と202の間に配置された1つまたは複数の公差吸収要素212を含むことができる。一実施形態では、公差吸収要素212のそれぞれを、摺動バー204の1つに直径方向に対向して配置してもよい。
【0129】
公差吸収要素212は、受け器200と202の間で公差を吸収することができる。公差吸収要素212は、幾何公差容量を有する曲がったストリップを含むことができる。公差吸収要素212は、受け器200と202の間のばね力を提供することができ、受け器200と202を離間させるよう付勢する。
【0130】
一実施形態では、公差吸収要素212は、レール102に最小限の垂直支持を提供することができる。代わりに、公差吸収要素212は、受け器200と202の間でゼロ隙間嵌合が可能となる。
【0131】
本明細書に記載の1つまたは複数の実施形態によれば、受け器の設計および向きにおいて、位置ずれと公差変動の範囲にわたってレール内で比較的均一な摺動力を得ることが可能となる。
【0132】
多くの異なる態様および実施形態が可能である。これらの態様および実施形態のうちのいくつかを以下に記載する。この明細書を読んだ後に、当業者は、これらの態様および実施形態は単なる例示であり、本発明の範囲を制限しないということを理解するであろう。実施形態は、以下にリストアップした1つまたは複数の実施形態に従うことができる。
【0133】
実施形態1.
ある距離だけ離間し、互いに対して平行に延在する、第1レールおよび第2レールを含み、
前記第1および前記第2レールの少なくとも1つが、
第1受け器と、
第2受け器であって、前記第1および前記第2受け器が、互いに対して長手方向に並進可能である、第2受け器と、
その間に配置される摺動部材であって、低摩擦材料を含み、前記摺動部材を少なくとも部分的に通って延在する穴部を有する、摺動部材とを含む
シートトラックアセンブリ。
【0134】
実施形態2.
ある距離だけ離間し、互いに対して平行に延在する、第1レールおよび第2レールを含み、
前記第1および前記第2レールの少なくとも1つが、
第1受け器と、
第2受け器であって、前記第1および前記第2受け器が、互いに対して長手方向に並進可能である、第2受け器と、
その間に配置される摺動部材とを含み、
前記第1および前記第2受け器の互いに対する長手方向の並進に影響を与える最大の力が、0.6mmの位置ずれ仕様で、30N以下の、たとえば、25N以下、または20N以下、または15N以下、または10N以下、または9N以下、または8N以下、または7N以下、または6N以下、または5N以下、またはさらに4N以下の、標準偏差を有する
シートトラックアセンブリ。
【0135】
実施形態3.
本体であって、
低摩擦材料と、
前記本体の少なくとも一部に沿って延在する穴部
とを含む、本体を含む、シートトラックアセンブリ用の摺動部材。
【0136】
実施形態4.
前記摺動部材が低摩擦材料を含む、実施形態2に記載のシートトラックアセンブリ。
【0137】
実施形態5.
前記低摩擦材料がポリマーを含む、実施形態1、3および4のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0138】
実施形態6.
前記低摩擦材料は、フルオロポリマーを含む、実施形態1および3から5のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0139】
実施形態7.
前記低摩擦材料は、PTFEを含む、実施形態1および3から6のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0140】
実施形態8.
前記摺動部材は、さらに基材を含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0141】
実施形態9.
前記基材は、前記低摩擦材料の少なくとも一部の径方向内側に配置される、実施形態8に記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0142】
実施形態10.
前記基材が前記低摩擦材料全体の径方向内側に配置される、実施形態8および9のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0143】
実施形態11.
前記基材は少なくとも部分的に金属を含む、実施形態8から10のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0144】
実施形態12.
前記基材は、少なくとも部分的にポリマーを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0145】
実施形態13.
前記摺動部材は、外部潤滑剤なしで動作するように構成される、先行する実施形態のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0146】
実施形態14.
前記摺動部材は、外部のグリースなしで動作するように構成されるように、グリースレスである、先行する実施形態のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0147】
実施形態15.
前記摺動部材は、長さ、幅、および高さを有し、前記長さが前記幅および前記高さと異なる、先行する実施形態のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0148】
実施形態16.
前記長さが前記幅よりも大きく、前記長さが前記高さよりも大きい、実施形態15に記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0149】
実施形態17.
前記シートトラックアセンブリは、100N以下、または75N以下、または60N以下、または45N以下、または40N以下、または35N以下、または30N以下、または29N以下、または28N以下、または27N以下、または26N以下、または25N以下、または24N以下、または23N以下、または22N以下、または21N以下、または20N以下、または19N以下、または18N以下、または17N以下、または16N以下、またはさらに15N以下、の長手方向に配向する力を加えたとき、長手方向に並進するように構成される、先行する実施形態のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0150】
実施形態18
前記シートトラックアセンブリは、少なくとも0.1N、たとえば、少なくとも1N、またはさらには少なくとも5N、の長手方向に配向する力を加えたとき、長手方向に並進するように構成された、先行する実施形態のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0151】
実施形態19.
前記第1および第2受け器の間の位置ずれが0.6mm以下で測定したとき、前記第1および第2受け器の互いに対する長手方向の並進に影響を与える最大の力が、10N以下、たとえば、9N以下、または8N以下、または7N以下、または6N以下、または5N以下、またはさらに4N以下、の標準偏差を有する、実施形態1および3から18のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0152】
実施形態20.
前記第1および第2受け器の間の位置ずれが0.6mm以下で測定したとき、前記第1および第2受け器の互いに対する長手方向の並進に影響を与える最大の力が、少なくとも0.01N、たとえば、少なくとも0.1N、またはさらに少なくとも1N、の標準偏差を有する、先行する実施形態のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0153】
実施形態21.
前記摺動部材は、さらに、前記摺動部材を少なくとも部分的に通って延在する穴部を含む、実施形態2および4から20のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0154】
実施形態22.
前記摺動部材は、長さLを有し、前記穴部は、少なくとも0.05L、たとえば、少なくとも0.1L、または少なくとも0.2L、または少なくとも0.3L、または少なくとも0.4L、または少なくとも0.5L、または少なくとも0.6L、または少なくとも0.7L、または少なくとも0.8L、またはさらに少なくとも0.9L、延在する、実施形態1および3から21のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0155】
実施形態23.
前記穴部は、前記摺動部材の長さ全体を通って延在する、実施形態1および3から22のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0156】
実施形態24.
前記穴部は、幅を画定し、前記摺動部材は、幅を画定し、前記摺動部材の前記幅は、前記穴部の前記幅よりも大きい、実施形態1および3から23のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0157】
実施形態25.
前記摺動部材は、前記穴部の幅の少なくとも101%、たとえば、少なくとも102%、または少なくとも103%、または少なくとも104%、または少なくとも105%、または少なくとも110%、または少なくとも115%、または少なくとも120%、または少なくとも125%、または少なくとも130%、または少なくとも135%、または少なくとも140%、または少なくとも150%、または少なくとも160%、または少なくとも170%、または少なくとも180%、または少なくとも190%、またはさらに少なくとも200%、である幅を画定する、実施形態1および3から24のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0158】
実施形態26.
前記摺動部材が前記穴部の幅の1000%以下、たとえば、900パーセント以下、または800%以下、または700パーセント以下、または600%以下、または500%以下、または400%以下、または300%以下、またはさらに225パーセント以下、である幅を画定する、実施形態1および3から25のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0159】
実施形態27.
前記摺動部材は、少なくとも0.1mm、たとえば、少なくとも0.2mm、または少なくとも0.3mm、または少なくとも0.4mm、またはさらに少なくとも0.5mm、の平均肉厚を有する、先行する実施形態のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0160】
実施形態28.
前記摺動部材は、10mm以下、たとえば、5mm以下、またはさらに1mm以下、の平均肉厚を有する、先行する実施形態のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0161】
実施形態29.
前記穴部は、少なくとも0.1mm、たとえば、少なくとも0.2mm、または少なくとも0.3mm、または少なくとも0.4mm、または少なくとも0.5mm、または少なくとも1mm、または少なくとも2mm以上、または少なくとも3mm、または少なくとも4mm、またはさらに少なくとも5mm、の直径を有する、実施形態1および3から28のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0162】
実施形態30.
前記穴部は、15mm以下、たとえば、10mm以下の直径有する、実施形態1および3から29のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0163】
実施形態31.
前記穴部は、少なくとも部分的に楕円形の断面を有する、実施形態1および3から30のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0164】
実施形態32.
前記穴部は、少なくとも部分的に円形または卵形の形状を有する、実施形態1および3から31のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0165】
実施形態33.
前記穴部は、少なくとも部分的に多角形の断面を有する、実施形態1および3から32のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0166】
実施形態34.
前記穴部は、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形、十一角形、または十二角形から選択されるs形状を画定する、実施形態1および3から33のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0167】
実施形態35.
前記穴部は複数の穴部を含む、実施形態1および3から34のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0168】
実施形態36.
前記複数の穴部の少なくとも2つの穴部は、互いに対して平行に延在する、実施形態35に記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0169】
実施形態37.
前記複数の穴部の少なくとも2つの穴部は、互いに対して非平行な方向に延在する、実施形態35および36のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0170】
実施形態38.
少なくとも2つの穴部は、互いに同じ直径を有する、実施形態35から37のいずれか1項に記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0171】
実施形態39.
少なくとも2つの穴部は、互いに異なる直径を有している、実施形態35から38のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0172】
実施形態40.
前記穴部の少なくとも1つが楕円形断面を有している、実施形態35から39のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0173】
実施形態41.
前記穴部の少なくとも1つが多角形断面を有する、実施形態35から40のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0174】
実施形態42.
前記穴部が三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形、十一角形、または十二角形から選択される形状を画定する、実施形態35から41のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0175】
実施形態43.
少なくとも2つの穴部が互いに同じ長さを有する、実施形態35から42のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0176】
実施形態44.
少なくとも2つの穴部が互いに異なる長さを有する、実施形態35から43のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0177】
実施形態45.
前記穴部が前記摺動部材の断面領域に沿って等しく離間されている、実施形態35から44のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0178】
実施形態46.
前記穴部が前記摺動部材の断面領域に沿って等距離ではない、実施形態35から44のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0179】
実施形態47.
少なくとも2つの穴部が平面の回りに鏡映対称である、実施形態35から46のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0180】
実施形態48.
少なくとも2つの穴部が点の回りに回転対称である、実施形態35から47のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0181】
実施形態49.
少なくとも1つの穴部が開いている、実施形態35から48のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0182】
実施形態50.
少なくとも1つの穴部が少なくとも部分的に充填されている、実施形態35から49のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0183】
実施形態51.
少なくとも1つの穴部が少なくとも部分的にポリマーで充填される、実施形態35から50のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0184】
実施形態52.
少なくとも1つの穴部が少なくとも部分的に金属または合金で充填される、実施形態35から51のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0185】
実施形態53.
前記穴部が閉じた周縁部を有する、実施形態1および3から52のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0186】
実施形態54.
間隙が前記穴部の外周に沿った位置に存在するように、前記穴部は開いた周縁部を有する、実施形態1および3から52のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0187】
実施形態55.
前記穴部が開いている、実施形態1および3から54のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0188】
実施形態56.
前記穴部が少なくとも部分的に充填されている、実施形態1および3から55のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0189】
実施形態57.
前記穴部が少なくとも部分的にポリマーで充填される、実施形態1および3から56のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0190】
実施形態58.
前記穴部が少なくとも部分的に金属または合金で充填される、実施形態1および3から57のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0191】
実施形態59.
前記穴部の少なくとも10%、たとえば、少なくとも15%、または少なくとも20%、または少なくとも25%、または少なくとも30%、または少なくとも35%、または少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、またはさらに少なくとも75%、が充填されている、実施形態1および3から58のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0192】
実施形態60.
前記穴部の100%以下、たとえば、99%未満、または98%未満、または97%未満、または96%未満、または95%未満、または90%未満、または85%未満、またはさらに80%未満、が充填されている、実施形態1および3から59のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0193】
実施形態61.
前記シートトラックアセンブリ内への設置に先立って、前記摺動部材は、さらに、前記低摩擦材料の少なくとも一部とその中に配置された基材との間に配置された空隙を含む、実施形態1および3から60のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0194】
実施形態62.
前記空隙が、シートトラックアセンブリ内への設置後、大きさが減少する、実施形態61に記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0195】
実施形態63.
前記空隙は、少なくとも10%、たとえば、少なくとも20%、または少なくとも30%、または少なくとも40%、または少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%、またはさらに100%、低減される、実施形態62に記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0196】
実施形態64.
長さを有し、前記長さの少なくとも一部に沿って延在する穴部を画定する側壁を含む、
シートトラックアセンブリ用の摺動部材。
【0197】
実施形態65.
開口部を有する支持機構と、
前記開口部内に配置され、長さを有し、前記長さの少なくとも一部に沿って延在する穴部を画定する側壁を含む、摺動部材とを含む
シートトラックアセンブリ用のプリアセンブリ。
【0198】
実施形態66.
第1受け器と、
第2受け器であって、前記第1および第2受け器が互いに対して長手方向に並進可能である、第2受け器と、
前記第1および第2受け器との間に配置された摺動部材であって、長さを有し、前記長さの少なくとも一部に沿って延在する穴部を画定する側壁を含む、摺動部材とを含む
シートトラックアセンブリ。
【0199】
実施形態67.
前記穴部が前記側壁の全長に沿って延在する、実施形態64から66のいずれか1つに記載の摺動部材、プリアセンブリ、またはシートトラックアセンブリ。
【0200】
実施形態68.
前記摺動部材がたる形状を有している、実施形態64から67のいずれか1つに記載の摺動部材、プリアセンブリ、またはシートトラックアセンブリ。
【0201】
実施形態69.
前記摺動部材は、第1および第2の対向する終端部およびその間に配置される中央部を含み、前記中央部の直径は、前記第1および第2の対向する終端部のうちの少なくとも1つの直径よりも大きい、実施形態64から68のいずれか1つに記載の摺動部材、プリアセンブリ、またはシートトラックアセンブリ。
【0202】
実施形態70.
前記中央部の直径は、前記端部の直径の少なくとも101%、たとえば、少なくとも102%、または少なくとも103%、または少なくとも104%、または少なくとも105%、または少なくとも110%、または少なくとも115%、または少なくとも120%、または少なくとも125%、または少なくとも130%、または少なくとも135%、または少なくとも140%、または少なくとも145%、またはさらには少なくとも150%、である、実施形態69に記載の摺動部材、プリアセンブリ、またはシートトラックアセンブリ。
【0203】
実施形態71.
前記中央部の直径は、前記端部の直径の250%以下、たとえば、200%以下、またはさらに175%以下、である、実施形態69および70のいずれか1つに記載の摺動部材、プリアセンブリ、またはシートトラックアセンブリ。
【0204】
実施形態72.
さらに、前記側壁の第1および第2の対向する終端部の間で前記側壁に沿って延在する間隙を含む、実施形態64から71のいずれか1つに記載の摺動部材、プリアセンブリ、またはシートトラックアセンブリ。
【0205】
実施形態73.
前記間隙が前記第1および第2の対向する終端部の間で全体に延在する、実施形態72に記載の摺動部材、プリアセンブリ、またはシートトラックアセンブリ。
【0206】
実施形態74.
前記側壁は、前記側壁の少なくとも1つの軸方向端部に沿って先細りになっている、実施形態64から73のいずれか1つに記載の摺動部材、プリアセンブリ、またはシートトラックアセンブリ。
【0207】
実施形態75.
前記側壁は、前記側壁の少なくとも1つの終端部に沿ってガイド部を有する、実施形態64から74のいずれか1つに記載の摺動部材、プリアセンブリ、またはシートトラックアセンブリ。
【0208】
実施形態76.
前記側壁が一体式である、実施形態64から75のいずれか1つに記載の摺動部材、プリアセンブリ、またはシートトラックアセンブリ。
【0209】
実施形態77.
前記側壁は、少なくとも0.05mm、たとえば、少なくとも0.1mm、または少なくとも0.2mm、または少なくとも0.3mm、または少なくとも0.4mm、またはさらに少なくとも0.5mm、の肉厚を有する、実施形態64から76のいずれか1つに記載の摺動部材、プリアセンブリ、またはシートトラックアセンブリ。
【0210】
実施形態78.
前記側壁は、10mm以下、たとえば、9mm以下、または8mm以下、または7mm以下、または6mm以下、またはさらに5mm以下、の肉厚を有する、実施形態64から77のいずれか1つに記載の摺動部材、プリアセンブリ、またはシートトラックアセンブリ。
【0211】
実施形態79.
さらに、前記側壁の前記穴部内に配置された基材を含む、実施形態64から78のいずれか1つに記載の摺動部材、プリアセンブリ、またはシートトラックアセンブリ。
【0212】
実施形態80.
前記基材は、前記穴部の全容積を満たす、摺動部材、プリアセンブリ、または実施形態79に記載のシートトラックアセンブリ。
【0213】
実施形態81.
前記シートトラックアセンブリへの設置以前に見たとき、空隙が、前記基材と前記側壁との間に配置される、実施形態79に記載の摺動部材、プリアセンブリ、またはシートトラックアセンブリ。
【0214】
実施形態82.
前記空隙は、前記側壁の長さに沿って中央に配置される、実施形態81に記載の摺動部材、プリアセンブリ、またはシートトラックアセンブリ。
【0215】
実施形態83.
前記空隙は、前記側壁の中心点からのある距離に配置される、実施形態81に記載の摺動部材、プリアセンブリ、またはシートトラックアセンブリ。
【0216】
実施形態84.
前記空隙は、前記シートトラックアセンブリにおける前記摺動部材への設置時に、大きさが減少する、実施形態81から83のいずれか1つに記載の摺動部材、プリアセンブリ、またはシートトラックアセンブリ。
【0217】
実施形態85.
前記基材は、弾性材料を含む、実施形態79から84のいずれか1つに記載の摺動部材、プレアセンブリ、またはシートトラックアセンブリ。
【0218】
実施形態86.
前記基材は、剛性材料を含む、実施形態79から85のいずれか1つに記載の摺動部材、プリアセンブリ、またはシートトラックアセンブリ。
【0219】
実施形態87.
前記基材は、少なくとも部分的に金属または金属合金を含む、実施形態79から86のいずれか1つに記載の摺動部材、プリアセンブリ、またはシートトラックアセンブリ。
【0220】
実施形態88.
前記基材は、少なくとも部分的にポリマーを含む、実施形態79から87のいずれか1つに記載の摺動部材、プリアセンブリ、またはシートトラックアセンブリ。
【0221】
実施形態82.
前記基材は、一体式である、実施形態79から89のいずれか1つに記載の摺動部材、プリアセンブリ、またはシートトラックアセンブリ。
【0222】
実施形態90.
前記基材は、側面から見たとき砂時計形状を有する、実施形態79から89のいずれか1つに記載の摺動部材、プリアセンブリ、またはシートトラックアセンブリ。
【0223】
実施形態91.
前記基材は、前記側壁の肉厚より大きい平均厚さを有する、実施形態79から90のいずれか1つに記載の摺動部材、プリアセンブリ、またはシートトラックアセンブリ。
【0224】
実施形態92.
前記摺動構成部品は、アセンブリ前の測定で最大直径D
MAXおよび長さLを画定し、Lは、少なくとも1.5D
MAX、たとえば、少なくとも1.75D
MAX、または少なくとも2.0D
MAX、または少なくとも2.25D
MAX、または少なくとも2.5D
MAX、または少なくとも2.75D
MAX、または少なくとも3.0D
MAX、または少なくとも3.25D
MAX、または少なくとも3.5D
MAX、または少なくとも3.75D
MAX、またはさらに少なくとも4.0D
MAX、である、実施形態64から91のいずれか1つに記載の摺動部材、プリアセンブリ、またはシートトラックアセンブリ。
【0225】
実施形態93.
前記側壁は、設置前の測定で最大直径D
MAXを有し、前記側壁は、設置後の測定で最小の機能的直径D
MINを有し、D
MAX/D
MINは、少なくとも1.001、たとえば、少なくとも1.01、または少なくとも1.02、または少なくとも1.03、または少なくとも1.04、または少なくとも1.05、またはさらには少なくとも1.06、である、実施形態64から92のいずれか1つに記載の摺動部材、プリアセンブリ、またはシートトラックアセンブリ。
【0226】
実施形態94.
前記側壁は、設置前の測定で最大直径D
MAXを有し、前記側壁は、設置後の測定で最小の機能的直径D
MINを有し、D
MAX/D
MINは、1.5以下、たとえば、1.4以下、または1.3以下、または1.2以下、またはさらに1.1以下、である、実施形態64から93のいずれか1つに記載の摺動部材、プリアセンブリ、またはシートトラックアセンブリ。
【0227】
実施形態95.
前記摺動構成部品は、前記側壁の長さに垂直な方向に測定したとき、最大0.33mmまでたわむように構成される、実施形態64から94のいずれか1つに記載の摺動部材、プリアセンブリ、またはシートトラックアセンブリ。
【0228】
実施形態96.
前記側壁は、低摩擦材料を含む、実施形態64から95のいずれか1つに記載の摺動部材、プリアセンブリ、またはシートトラックアセンブリ。
【0229】
実施形態97.
前記側壁は、ポリマーを含む、実施形態96に記載の摺動部材、プリアセンブリ、またはシートトラックアセンブリ。
【0230】
実施形態98.
前記側壁は、フルオロポリマーを含む、実施形態96および97のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0231】
実施形態99.
前記側壁は、PTFEを含む、実施形態96から98のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0232】
実施形態100.
厚さだけ離間した第1および第2の対向する主表面を有する複合ストリップであって、最大厚さが、第1位置での前記第1主表面および第2位置での前記第1主表面の間で測定されるように、成形される、複合ストリップを含む、
シートトラックアセンブリ用の摺動部材。
【0233】
実施形態101.
厚さだけ離間した第1および第2の対向する主表面を有する基材と、
前記基材の前記第1主表面に結合された低摩擦材料とを含み、
前記第1主表面は、第1位置で第1平面に沿って存在し、前記第1主表面は、第2位置で第2平面に沿って存在し、前記第1および第2平面が交差する
シートトラックアセンブリ用の摺動部材。
【0234】
実施形態102.
第1受け器と、
第2受け器であって、前記第1および第2受け器が、互いに対して長手方向に並進可能である、第2受け器と、
前記第1および第2受け器との間に配置された摺動部材とを含み、
前記摺動部材が、
厚さだけ離間された第1および第2の対向する主表面を有する基材と、
前記基材の前記第1主面に結合された低摩擦材料とを含み、
前記第1主表面が、第1位置で第1平面に沿って存在し、前記第1主表面が第2位置で第2平面に沿って存在し、前記第1および第2平面が交差する
シートトラックアセンブリ。
【0235】
実施形態103.
前記複合ストリップは、基材に結合された低摩擦材料を含む、実施形態100に記載の摺動部材。
【0236】
実施形態104.
前記低摩擦材料は、PTFEのようなフルオロポリマーなどのポリマーを含む、実施形態101から103のいずれか1つに記載の摺動部材またはシートトラックアセンブリ。
【0237】
実施形態105.
前記基材は、剛性材料を含む、実施形態101から104のいずれか1つに記載の摺動部材またはシートトラックアセンブリ。
【0238】
実施形態106.
前記基材は少なくとも部分的に金属を含む、実施形態101から105のいずれか1つに記載の摺動部材またはシートトラックアセンブリ。
【0239】
実施形態107.
前記基材は、少なくとも部分的に合金を含む、実施形態101から106のいずれか1つに記載の摺動部材またはシートトラックアセンブリ。
【0240】
実施形態108.
前記基材は、少なくとも部分的にポリマーを含む、実施形態101から107のいずれか1つに記載の摺動部材またはシートトラックアセンブリ。
【0241】
実施形態109.
前記第1主表面の少なくとも一部は、前記低摩擦材料によって画定される、実施形態101から108のいずれか1つに記載の摺動部材またはシートトラックアセンブリ。
【0242】
実施形態110.
前記第1主表面の少なくとも25%が、前記低摩擦材料によって画定され、たとえば、少なくとも30%が前記低摩擦材料によって画定され、または少なくとも35%が前記低摩擦材料によって画定され、または少なくとも40%が前記低摩擦材料によって画定され、または少なくとも45%が前記低摩擦材料によって画定され、または少なくとも50%が前記低摩擦材料によって画定され、または少なくとも55%が前記低摩擦材料によって画定され、または少なくとも60%が前記低摩擦材料によって画定され、または少なくとも65%が前記低摩擦材料によって画定され、または少なくとも70%が前記低摩擦材料によって画定され、または少なくとも75%が前記低摩擦材料によって画定され、または少なくとも80%が前記低摩擦材料によって画定され、または少なくとも85%が前記低摩擦材料によって画定され、またはさらに少なくとも90%が前記低摩擦材料によって画定される、実施形態101から109のいずれか1つに記載の摺動部材またはシートトラックアセンブリ。
【0243】
実施形態111.
前記第1主表面全体が前記低摩擦材料によって画定される、実施形態101から110のいずれか1つに記載の摺動部材またはシートトラックアセンブリ。
【0244】
実施形態112.
前記第2主表面の少なくとも一部は、前記基材によって画定される、実施形態101から111のいずれか1つに記載の摺動部材またはシートトラックアセンブリ。
【0245】
実施形態113.
前記第2主表面の少なくとも25%は、前記基材によって画定され、たとえば、前記第2主表面の少なくとも30%が前記基材によって画定され、または前記第2主表面の少なくとも35%が前記基材によって画定され、または前記第2主表面の少なくとも40%が前記基材によって画定され、または前記第2主表面の少なくとも45%が前記基材によって画定され、または前記第2主表面の少なくとも50%が前記基材によって画定され、または前記第2主表面の少なくとも55%が前記基材によって画定され、または前記第2主表面の少なくとも60%が前記基材によって画定され、または前記第2主表面の少なくとも65%が前記基材によって画定され、または前記第2主表面の少なくとも70%が前記基材によって画定され、または前記第2主表面の少なくとも75%が前記基材によって画定され、または前記第2主表面の少なくとも80%が前記基材によって画定され、または前記第2主表面の少なくとも85%が前記基材によって画定され、またはさらに前記第2主表面の少なくとも90%が前記基材によって画定される、実施形態101から112のいずれか1つに記載の摺動部材またはシートトラックアセンブリ。
【0246】
実施形態114.
前記第2主表面全体は、前記基材によって画定される、実施形態101から113のいずれか1つに記載の摺動部材またはシートトラックアセンブリ。
【0247】
実施形態115.
前記摺動部材は、第1楕円形部を画定し、前記第1楕円形部は穴部を画定する、実施形態101から114のいずれか1つに記載の摺動部材またはシートトラックアセンブリ。
【0248】
実施形態116.
前記穴部が閉じた周縁部を有する、実施形態115に記載の摺動部材またはシートトラックアセンブリ。
【0249】
実施形態117.
前記穴部が、開いた周縁部を有するように、間隙を含む、実施形態115に記載の摺動部材またはシートトラックアセンブリ。
【0250】
実施形態118.
前記穴部は、前記受け器の間への前記摺動部材の挿入前に、略楕円形部を画定する、実施形態115から117のいずれか1つに記載の摺動部材またはシートトラックアセンブリ。
【0251】
実施形態119.
前記穴部は、前記受け器の間への前記摺動部材の設置前に、略多角形部を画定する、実施形態115から118のいずれか1つに記載の摺動部材またはシートトラックアセンブリ。
【0252】
実施形態120.
前記穴部は、設置前に第1形状を有し、設置後に第2形状を有し、前記第1形状は、前記第2形状と異なっている、実施形態115から119のいずれか1つに記載の摺動部材またはシートトラックアセンブリ。
【0253】
実施形態121.
前記第1楕円形部が設置時に塑性変形する、実施形態115から120のいずれか1つに記載の摺動部材またはシートトラックアセンブリ。
【0254】
実施形態122.
さらに、第2楕円形部を含み、前記第2楕円形部は、穴部を画定する、実施形態115から120のいずれか1つに記載の摺動部材またはシートトラックアセンブリ。
【0255】
実施形態123.
前記第2楕円形部は、前記第1楕円形部から離間している、実施形態122に記載の摺動部材またはシートトラックアセンブリ。
【0256】
実施形態124.
前記第1および第2楕円形部は、前記摺動部材の両側に配置される、実施形態122および123のいずれか1つに記載の摺動部材またはシートトラックアセンブリ。
【0257】
実施形態125.
前記第2楕円形部の前記穴部が閉じた周縁部を有している、実施形態122から124のいずれか1つに記載の摺動部材またはシートトラックアセンブリ。
【0258】
実施形態126.
前記第2楕円形部の前記穴部が、開いた周縁部を有するように、間隙を画定する、実施形態122から124のいずれか1つに記載の摺動部材またはシートトラックアセンブリ。
【0259】
実施形態127.
前記第2楕円形部の前記穴部が、受け器間への前記摺動部材の設置前に、略多角形部を画定する、実施形態122から126のいずれか1つに記載の摺動部材またはシートトラックアセンブリ。
【0260】
実施形態128.
前記第2楕円形部の前記穴部が、受け器間への摺動部材の設置前に、略多角形部を画定する、実施形態122から127のいずれか1つに記載の摺動部材またはシートトラックアセンブリ。
【0261】
実施形態129.
前記第2楕円形部の前記穴部が、設置前に、第1形状を有しており、設置後に、第2形状を有しており、前記第1形状は、前記第2形状と異なっている、実施形態122から128のいずれか1つに記載の摺動部材またはシートトラックアセンブリ。
【0262】
実施形態130.
前記第1楕円形部の前記穴部が、前記第2楕円形部の前記穴部と比較した場合、異なる形状を有する、実施形態122から129のいずれか1つに記載の摺動部材またはシートトラックアセンブリ。
【0263】
実施形態131.
前記第1楕円形部の前記穴部が、前記第2楕円形部の前記穴部とは異なる大きさを有している、実施形態122から130のいずれか1つに記載の摺動部材またはシートトラックアセンブリ。
【0264】
実施形態132.
前記基材は、前記低摩擦材料に接着される、実施形態101から131のいずれか1つに記載の摺動部材またはシートトラックアセンブリ。
【0265】
実施形態133.
さらに、前記基材と前記低摩擦材料との間に配置された中間層を含む、実施形態101から132のいずれか1つに記載の摺動部材またはシートトラックアセンブリ。
【0266】
実施形態134.
第1受け器であって、その長さに沿って延在する開口部を画定する第1受け器と、
開口部内に配置される第2受け器であって、前記第1および第2受け器が互いに対して長手方向に並進可能である、第2受け器と、
前記第1および第2受け器の間に配置された複数の摺動バーであって、それぞれが、第1受け器に固定され、低摩擦材料を含む、摺動バーとを含む
シートトラックアセンブリ。
【0267】
実施形態135.
さらに前記第1受け器と前記摺動バーの少なくとも1つとの間に配置された支持構成部品を含む、実施形態134に記載のシートトラックアセンブリ。
【0268】
実施形態136.
前記支持構成部品は、前記第1受け器に固定される、実施形態135に記載のシートトラックアセンブリ。
【0269】
実施形態137.
前記支持構成部品は、前記摺動バーの少なくとも1つに固定される、実施形態135および136のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0270】
実施形態138.
前記支持構成部品は、補完的な係合境界面に沿って前記摺動バーに係合している、実施形態135から137のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0271】
実施形態139.
前記補完的な係合境界面は、目違い継ぎ境界面を含む、実施形態138に記載のシートトラックアセンブリ。
【0272】
実施形態140.
前記摺動バーは、PTFEのようなフルオロポリマーなどの低摩擦材料を含む、実施形態134から139のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0273】
実施形態141.
前記摺動バーは、さらに基材を含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0274】
実施形態142.
前記基材は、前記第1受け器と前記摺動バーとの間に形成された接触境界面に沿って露出しないように、前記摺動バー内に配置される、実施形態141に記載のシートトラックアセンブリ。
【0275】
実施形態143.
前記基材は、金属、合金、またはポリマーなどの剛性材料を含む、実施形態141および142のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0276】
実施形態144.
前記第2受け器は、略楕円形の断面を有する、実施形態134から143のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0277】
実施形態145.
前記第2受け器は、略円形の断面を有する、実施形態134から144のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0278】
実施形態146.
前記第1受け器は、略多角形の断面を有する、実施形態134から145のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0279】
実施形態147.
前記第1受け器は、略長方形の断面を有する、実施形態133から145のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0280】
実施形態148.
前記複数の摺動バーは、少なくとも2つの摺動バー、たとえば、少なくとも3つの摺動バー、または少なくとも4つの摺動バー、または少なくとも5つの摺動バー、または少なくとも6つの摺動バー、または少なくとも7つの摺動バー、または少なくとも8つの摺動バー、または少なくとも9つの摺動バー、またはさらに少なくとも10個の摺動バー、を含む、実施形態134から147のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0281】
実施形態149.
前記複数の摺動バーは100個以下の摺動バー、たとえば、50個以下の摺動バー、またはさらに25個以下の摺動バー、を含む、実施形態134から148のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0282】
実施形態150.
前記摺動バーの少なくとも1つと前記第2受け器の間に形成される接触境界面は、線接触である、実施形態134から149のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0283】
実施形態151.
前記摺動バーの少なくとも1つと前記第2受け器の間に形成される接触境界面は、面接触である、実施形態134から150のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0284】
実施形態152.
前記シートトラックアセンブリは、上半分と下半分を含み、前記摺動バーのすべては、前記上半分と前記下半分の一方に配置される、実施形態134から151のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0285】
実施形態153.
前記摺動バーのすべては、前記シートトラックアセンブリの前記下半分に配置される、実施形態152に記載のシートトラックアセンブリ。
【0286】
実施形態154.
さらに複数の公差吸収要素を含む、実施形態134から153のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0287】
実施形態155.
前記公差吸収要素の少なくとも1つは、前記第1受け器に取り付けられる、実施形態154に記載のシートトラックアセンブリ。
【0288】
実施形態156.
前記公差吸収要素の少なくとも1つは、前記第2受け器に取り付けられる、実施形態154および155のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0289】
実施形態157.
前記シートトラックアセンブリは、上半分と下半分を含み、前記公差吸収要素のすべては、前記上半分と前記下半分の一方に配置される、実施形態154から156のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0290】
実施形態158.
前記公差吸収要素のすべては、前記シートトラックアセンブリの前記上半分に配置される、実施形態157に記載のシートトラックアセンブリ。
【0291】
実施形態159.
前記第2受け器は、さらに、前記第2受け器の長さの少なくとも一部に沿って前記第2受け器から延在する延長部を含む、実施形態134から158のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0292】
実施形態160.
前記延長部は、前記第2受け器の全長に沿って延在する、実施形態159に記載のシートトラックアセンブリ。
【0293】
実施形態161.
前記第2受け器の前記延長部は、前記第1受け器のスロットを通って延在し、前記第1受け器の前記スロットは、前記第1受け器の長さの少なくとも一部に沿って前記第1受け器に沿って延在する、実施形態159および160のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0294】
実施形態162.
前記スロットは、前記第1受け器の全長に沿って延在する、実施形態159から161のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0295】
実施形態163.
前記延長部は、前記第1受け器の外側表面を過ぎて延在する、実施形態159から162のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0296】
実施形態164.
前記延長部は、シートに取り付け可能である、実施形態159から163のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0297】
実施形態165.
前記第1受け器は、車両の床に取り付け可能である、実施形態159から164のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0298】
実施形態166.
前記第2受け器は、さらに、前記第2受け器と前記摺動バーとの間に形成された接触境界面の少なくとも一部に沿って前記第2受け器に沿って配置された低摩擦摺動表面を含む、実施形態134から165のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0299】
実施形態167.
前記第2受け器の前記低摩擦材料は、PTFEのようなフルオロポリマーなどのポリマーを含む、実施形態166に記載のシートトラックアセンブリ。
【0300】
実施形態168.
ある距離だけ離間し、互いに対して平行に延在する第1レールおよび第2レールを含み、前記第1および第2レールの少なくとも1つが、
第1受け器と、
第2受け器であって、前記第1および第2受け器が互いに対して長手方向に並進可能である、第2受け器と、
その間に配置される摺動部材とを含み、前記摺動部材が、
頂部列および底部列を画定する開口部を有する支持部材と、
前記頂部および底部列に配置された複数のスライドピンと、
前記頂部列に配置された構造体とを含む
シートトラックアセンブリ。
【0301】
実施形態169.
前記構造体は、低摩擦材料を含み、前記構造体を少なくとも部分的に通って延在する穴部を有する、実施形態168に記載のシートトラックアセンブリ。
【0302】
実施形態170.
前記頂部列は、少なくとも2つのスライドピンを含む、実施形態169に記載のシートトラックアセンブリ。
【0303】
実施形態171.
前記構造体は、前記スライドピンの間に配置される、実施形態170に記載のシートトラックアセンブリ。
【0304】
実施形態172.
前記支持部材の前記底部列は、2つのスライドピンを含む、実施形態168から171のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0305】
実施形態173.
前記支持部材の前記底部列は、構造体を持たない、実施形態168から172のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0306】
実施形態174.
前記構造体の直径は、前記スライドピンのうちの少なくとも1つの直径よりも大きい、実施形態168から173のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0307】
実施形態175.
前記構造体の直径は、すべてのスライドピンの直径よりも大きい、実施形態168から174のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0308】
実施形態176.
前記構造体の直径は、スライドピンの直径の少なくとも1.01倍、たとえば、直径の少なくとも1.02倍、または直径の少なくとも1.03倍、または直径の少なくとも1.04倍、または直径の少なくとも1.05倍、または直径の少なくとも1.1倍、またはさらに直径の少なくとも1.15倍、である、実施形態174および175のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0309】
実施形態177.
さらに前記構造体の前記穴部内に配置された材料を含む、実施形態169から176のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0310】
実施形態178.
前記材料は、ばねを含む、実施形態177に記載のシートトラックアセンブリ。
【0311】
実施形態179.
前記ばねは、少なくとも10N/mm、たとえば、少なくとも50N/mm、または少なくとも100N/mm、または少なくとも150N/mm、または少なくとも200N/mm、または少なくとも250N/mm、または少なくとも300N/mm、または少なくとも350N/mm、またはさらに少なくとも400N/mm、のばね定数を提供する、実施形態178に記載のシートトラックアセンブリ。
【0312】
実施形態180.
前記ばねは、600N/mm以下、たとえば、550N/mm以下、または500N/mm以下、またはさらに450N/mm以下、のばね定数を提供する、実施形態178および179のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0313】
実施形態181.
前記ばねは略円筒形の本体を有するばねシート材料を含む、実施形態178から180のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0314】
実施形態182.
前記略円筒形の本体は、その軸方向長さに少なくとも部分的に沿って延在する間隙を含む、実施形態181に記載のシートトラックアセンブリ。
【0315】
実施形態183.
前記ばねシートは、少なくとも0.2mm、たとえば、少なくとも0.3mm、または少なくとも0.4mm、またはさらに少なくとも0.5mm、の厚さを有する、実施形態181および182のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0316】
実施形態184.
前記構造体は、長さを有し、前記スライドピンはそれぞれ長さを有し、前記構造体の長さは、スライドピンの長さよりも大きい、実施形態168から183のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0317】
実施形態185.
前記スライドピンはそれぞれ、半径方向の剛性を有し、前記構造体は、半径方向の剛性を有し、前記構造体の半径方向剛性は、前記スライドピンの半径方向の剛性よりも小さい、実施形態168から184のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0318】
実施形態186.
前記スライドピンは、基材を含み、前記基材は金属を含む、実施形態168から185のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0319】
実施形態187.
前記支持部材は金属を含む、実施形態168から186のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0320】
実施形態188.
前記スライドピンは、前記支持部材内で回転可能である、実施形態168から187のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0321】
実施形態189.
前記構造体は、前記支持部材内で回転可能である、実施形態168から188のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0322】
実施形態190.
前記構造体は、前記構造体の長さ方向に沿って測定したときに一定の形状を有する、実施形態168から189のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0323】
実施形態191.
前記第1および第2レールは、車両シートと結合するように構成される、実施形態168から190のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0324】
実施形態192.
前記支持部材は、前記第1および第2受け器のいずれにも接触しない、実施形態168から191のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0325】
実施形態193.
前記頂部列に配置された前記複数のスライドピンは、少なくとも2つのスライドピン、たとえば、少なくとも3本のスライドピン、または少なくとも4本のスライドピン、またはさらは少なくとも5本のスライドピン、を含む、実施形態168から192のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0326】
実施形態194.
前記頂部列に配置された前記複数のスライドピンは、100本以下のスライドピン、たとえば、50本以下のスライドピン、または25本以下のスライドピン、またはさらに10本以下のスライドピン、を含む、実施形態168から193のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0327】
実施形態195.
前記スライドピンの少なくとも1つが、少なくとも部分的にMeldin(登録商標)を含む、実施形態168から194のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0328】
実施形態196.
前記構造体は、先細の軸方向端部を有する、実施形態168から195のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリ。
【0329】
実施形態197.
前記先細の軸方向端部は、前記第1および第2受け器の間の空間に前記構造体をガイドするように構成される、実施形態196に記載のシートトラックアセンブリ。
【0330】
実施形態198.
ある距離だけ離間し、互いに対して平行に延在する第1レールおよび第2レールを含み、前記第1および第2レールの少なくとも1つが、
第1受け器と、
第2受け器であって、前記第1および第2受け器が互いに対して長手方向に並進可能である、第2受け器と、
その間に配置される摺動部材とを含み、前記摺動部材が、
頂部列および底部列を画定する開口部を有する支持部材と、
前記頂部列に配置された複数のスライドピンと、
前記頂部列内の前記スライドピンのうちの少なくとも2つの間に配置された構造体であって、前記頂部列内の前記スライドピンのうちの少なくとも1つの直径は、前記構造体の直径よりも小さい、構造体と、
前記底部列に配置された複数のスライドピンとを含む
シートトラックアセンブリ。
【0331】
実施形態199.
シートに結合された第1受け器と、
表面に結合された第2受け器であって、前記第1および第2受け器が、互いに対して長手方向に並進可能である、第2受け器と、
前記第1および第2受け器との間に配置される摺動部材であって、摺動部材の長手方向の長さに沿って延在する穴部を含む低摩擦材料を含む、摺動部とを含む
シートトラックアセンブリ。
【0332】
実施形態200.
さらに、前記穴部内に配置され前記低摩擦材料に対して外向きに付勢力を提供するように構成されるばね、または内側表面から前記穴部内に延在する機構、またはそれらの組み合わせ、を含む、実施形態199に記載のシートトラックアセンブリ。
【0333】
実施形態201.
シートに結合された第1受け器と、
表面に結合された第2受け器であって、前記第1および第2受け器が、互いに対して長手方向に並進可能である、第2受け器と、
前記第1および第2受け器との間に配置される摺動部であって、細長い形状を有する基材と前記基材の周囲に配置された低摩擦材料とを含む、摺動部材とを含む
シートトラックアセンブリ。
【0334】
実施形態202.
空隙が、前記基材の一部と前記低摩擦材料との間に配置され、前記空隙は、前記アセンブリ内への設置前の測定で第1容積V1を有し、設置後の測定で第2容積V2を有し、V1はV2よりも大きい、実施形態201に記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0335】
実施形態203.
前記基材の軸方向端部の少なくとも一方の少なくとも一部が露出している、実施形態201に記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0336】
実施形態204.
低摩擦材料と穴部を画定する内側表面を含む本体を含み、
ばねが、前記穴部内に配置され、前記低摩擦材料に対して外向きに付勢力を提供するように構成されるか、または
機構が、前記内側表面から前記穴部へ延在するか、または
それらの組み合わせである
シートトラックアセンブリ用の摺動部材。
【0337】
実施形態205.
前記穴部が前記摺動部材の長手方向軸と平行に延在する、実施形態199および204のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0338】
実施形態206.
前記穴部が前記摺動部材を貫通して全体に延在する、実施形態199および204のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0339】
実施形態207.
前記穴部が、それぞれが前記本体の少なくとも一部を通って延在する複数の穴部を含む、実施形態199および204のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0340】
実施形態208.
前記穴部が内側表面によって画定され、機構が、前記内側表面から前記穴部へ延在する、実施形態199および204のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0341】
実施形態209.
前記第1および第2受け器の互いに対する長手方向の並進に影響を与える最大の力が、0.6mmの位置ずれ仕様で、10N以下の標準偏差を有する、実施形態199、201、および204のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0342】
実施形態210.
さらに、開口部を有する支持部材を含み、
前記摺動部材が、前記支持部材の前記開口部に配置される、
実施形態199、201、および204のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0343】
実施形態211.
前記低摩擦材料が、低摩擦材料のロールシートを含む、実施形態199、201、および204のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0344】
実施形態212.
低摩擦材料の前記ロールシートが、前記摺動部材の軸方向長さの少なくとも一部に沿って延在する間隙を含む、実施形態211に記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0345】
実施形態213.
前記低摩擦材料が、フルオロポリマーを含む、実施形態199、201、および204のいずれか1つに記載のシートトラックアセンブリまたは摺動部材。
【0346】
実施形態214.
低摩擦材料を含む本体を含む細長い管であって、穴部を画定する内側表面を含む、細長い管を含み、
ばねが、前記穴部内に配置され、前記低摩擦材料に対して外向きに付勢力を提供するように構成されるか、または
前記穴部が、それぞれが前記細長い管を少なくとも部分的に通って延在する複数の穴部を含むか、または
それらの組み合わせである
摺動部材。
【0347】
実施形態215.
第1部材と、
第2部材と、
前記第1および第2部材との間に配置された摺動部材とを含み、
前記第1および第2部材の少なくとも1つが前記摺動部材に対して長手方向に並進するように構成され、前記摺動部材が、低摩擦材料を含む本体を含む細長い管を含み、前記細長い管が、前記細長い管の長手方向の長さに沿って延在する穴部を画定する
直線運動アセンブリ。
【0348】
実施形態216.
細長い管であって、低摩擦外側表面を有する本体と、前記細長い管の軸方向長さを少なくとも部分的に通って延在する穴部とを含む細長い管を形成することと、
前記穴部内にばねを設置することとを含む
摺動部材を形成する方法。
【0349】
実施形態217.
前記ばねが前記細長い管に固定して取り付けられていない、実施形態214および216のいずれか1つに記載の方法。
【0350】
実施形態218.
前記穴部が前記細長い管の全長に沿って延在する、実施形態214から217のいずれか1つに記載の摺動部材、アセンブリ、または方法。
【0351】
実施形態219.
前記穴部が、それぞれが少なくとも部分的に前記細長い管内に延在する複数の穴部を含む、実施形態214および216のいずれか1つに記載の摺動部材、アセンブリ、または方法。
【0352】
実施形態220.
前記複数の穴部のすべてがお互い同じ形状を有する、実施形態219に記載の摺動部材、アセンブリ、または方法。
【0353】
実施形態221.
前記本体の一部が、前記穴部を互いに分離する、実施形態214から216のいずれか1つに記載の摺動部材、アセンブリ、または方法。
【0354】
実施形態222.
細長い形状を有する基材と、
前記基材の周囲に配置された低摩擦材料とを含み、
前記基材の軸方向端部の少なくとも一方が前記低摩擦材料から露出しているか、または
前記低摩擦材料が、前記摺動部材の軸方向長さの少なくとも一部に沿って延在する間隙を含むか、または
空隙が、前記基材の一部と、前記低摩擦材料との間に配置されるか、または
それらの組み合わせである
摺動部材。
【0355】
実施形態223.
前記空隙は、アセンブリ内への設置前の測定で第1容積V1を有し、設置後の測定で第2容積V2を有し、V1はV2より大きい、実施形態222に記載の摺動部材。
【0356】
実施形態224.
第1部材と、
第2部材と、
実施形態222および223のいずれか1つに記載の摺動部材とを含む
直線運動システム。
【0357】
実施形態225.
細長い形状を有する基材を提供することと、
低摩擦材料を含むシートを提供することと、
低摩擦ブランク品を形成するためにシートを切断することと、
前記基材の周りに低摩擦ブランク品を成形することとを含む
摺動部材を形成する方法。
【0358】
実施形態226.
さらに、前記低摩擦ブランク品の円周方向で隣接する側面同士を固定することとを含む、実施形態225に記載の方法。
【0359】
実施形態227.
前記摺動部材は、長手方向に並進可能な構成部品の間への設置前に、たる状の外側表面を有する、実施形態222、223、および225のいずれか1つに記載の摺動部材、アセンブリ、または方法。
【0360】
実施形態228.
前記低摩擦材料が前記基材に固定して取り付けられていない、実施形態222、223、および225のいずれか1つに記載の摺動部材、アセンブリ、または方法。
【実施例】
【0361】
所与の位置ずれの範囲にわたって相対摺動力を測定するために試験を実施した。内側受け器302、外側受け器304、およびそれらの間に配置された摺動層306を有するトラックアセンブリ300(
図16)が提供される。摺動層306は、内側受け器302の下方および外側受け器304の上方に配置される。内側受け器302は、鋼から形成された逆T字形状を有している。外側受け器304は、内側受け器302の下側部分の上に延在する上部フランジ付きのU字形状を有している。外側受け器304も、鋼から形成される。間隙308は、内側受け器302と外側受け器304との間に形成される。
【0362】
2つの摺動部材310が、内側受け器302の両側の間隙308に挿入される。摺動部材310は、トラックアセンブリ300の軸方向終端から間隙308に長手方向に並進し、シートトラックアセンブリ300の軸方向終端部の間に完全に配置されるまで、連続的に付勢される。摺動部材310は圧縮状態で間隙308に挿入される。すなわち、摺動部材310の初期の変形していない直径は、設置された摺動部材310の直径よりも大きい。摺動部材310をあらかじめ圧縮しておくことで、ゼロクリアランス試験が可能になる。
【0363】
受け器302および304を、長手方向に互いに対して並進させながら、受け器302および304を並進させるのに必要な力を測定し、記録する。曲げ、および望ましくない横方向の力の発生を最小限に抑えるために、受け器302および304は、半分前方位置から半分後方位置までのみ測定される。半分前方位置で、受け器302の第1の半分が、受け器304内に配置され、受け器302の第2の半分が、受け器304の外側に配置されるようにして、受け器302が引っ張られる。受け器302は、次に、半分後方位置に並進する。ここで、受け器302の第2の半分は、受け器304内に配置され、受け器302の第1の半分は、受け器304の外側に配置されている。このようにして、受け器302および304は、受け器302の全長に沿って互いに対して並進する。
【0364】
トラックアセンブリ300の間隙308は、たとえば、6.5mmの大きさを有する。トラックアセンブリ300の間隙308に挿入すると、摺動部材310は、間隙308の大きさ、たとえば、6.5mmにほぼ等しい外径を有するように圧縮される。試験は、その間隙サイズで行なわれる。次に、間隙が変化分の距離、たとえば、0.1mm、だけ減少され、テストは、新しい間隙距離で行なわれる。所望の位置ずれ仕様が達成されるまでこのプロセスが繰り返される。「位置ずれ仕様は」位置ずれの変化を説明する。たとえば、5.9mmと6.5の範囲内の間隙距離を有するトラックアセンブリをテストすることは、位置ずれ仕様が0.6mmという結果となる。
【0365】
サンプル1は、
図3Dに示すように成形された2つの摺動部材310を含み、それぞれは、PTFEで形成され、初期の変形していない外径は6.7mmである。穴部が、中心の位置に沿って摺動部材310のそれぞれの長さ全体を通って均一に延在しており、5.9mmの穴部直径を有する。摺動部材310の肉厚は0.4mmである。
【0366】
サンプル2は、穴部がシリコンで充填されている以外は、サンプル1とほぼ同じである。
【0367】
サンプル3は、
図3Dに示すように成形された2つの摺動部材310を含み、それぞれは、PTFEで形成され、初期の変形していない外径は6.7mmである。穴部が、中心の位置に沿って摺動部材310のそれぞれの長さ全体を通って均一に延在しており、5.7mmの穴部直径を有する。摺動部材310の肉厚は0.5mmである。
【0368】
サンプル4は、穴部がシリコンで充填されている以外は、サンプル3とほぼ同じである。
【0369】
サンプルを最初に6.5mmの間隙を有するトラックアセンブリに挿入する。トラックアセンブリ300は、半分前方位置に並進し、並進を完了するために必要な力を測定し記録する。次に、トラックアセンブリ300は、半分後方位置に並進し、並進を完了するために必要な力を測定し記録する。摺動部材310を、間隙308から取り出し、間隙308が6.4mmとなるように、トラックアセンブリ300を調節する。再び、摺動部材310は、間隙308(今度は、6.4mmに圧縮される)内に配置され、半分前方位置、および半分後方位置にトラックアセンブリ300を並進させる力を測定し記録する。このプロセスは、間隙の寸法の範囲(6.3mm、6.2mm、6.1mm、6.0mmおよび5.9mm)にわたって繰り返される。
【0370】
表1は、半分前方位置にトラックアセンブリを並進させるために必要な力を示している。表2は、半分後方位置にトラックアセンブリを並進させる力を示している。
【0371】
【表1】
【0372】
【表2】
【0373】
前後方向にシートトラックアセンブリを並進させるのに必要な平均の力は14.86Nである。表1および表2に示すように標準偏差は、0.6mmの位置ずれ仕様でサンプル4に対して最大である(標準偏差4.21N)。半分前方、および半分後方の並進で4つのサンプルを使用してシートトラックアセンブリを並進させるのに必要な力の平均標準偏差は3.09Nである。したがって、本明細書に記載した1つまたは複数の実施形態に係る摺動部材を使用したレールは、0.6mmのシートトラック位置ずれ仕様で、10N未満、たとえば、9N未満、または8N未満、または7N未満、または6N未満、または5N未満、または4N未満、または3N未満、またはさらに2.75N未満、の摺動力標準偏差を達成することができる。
【0374】
表3は、表1および表2に記録されたデータを利用して0.5mmの位置ずれ仕様でのサンプルの標準偏差を示す。
【0375】
【表3】
【0376】
表3に示すように、0.5mmの位置ずれ仕様でのサンプルの平均標準偏差は2.62Nである。したがって、本明細書に記載した1つまたは複数の実施形態に係る摺動部材を使用したレールは、0.5mmのシートトラック位置ずれ仕様で、10N未満、たとえば、9N未満、または8N未満、または7N未満、または6N未満、または5N未満、または4N未満、または3N未満、またはさらに2.75N未満、の摺動力標準偏差を達成することができる。
【0377】
さらなる試験が、組み立て後にレールの摺動力が比較的一定のままとなるのに必要な慣らし期間、すなわちサイクル数を決定するために実施された。慣らし期間をテストするために、様々な摺動部材の構成が、シートトラックアセンブリ内に配置され、シートトラックアセンブリの受け器が、前方(F)および後方(B)の間で互いに対して並進する。受け器の1つは、所定の位置に保持され、他の受け器は、それに対して並進する。第1方向に受け器を離すように並進させるのに必要な力を測定し、記録する。第2の反対方向に受け器を離すように並進させるのに必要な力を測定し、記録する。1サイクルは、互いに対して受け器が初期位置への復帰することで完了する。繰り返しサイクルが行なわれ、たとえば、105サイクルが、様々な摺動部材の構成のそれぞれについて実行される。
【0378】
サンプル1は、わずかに超過した大きさの鋼鉄製ボールベアリングを有し、摩擦抵抗を減らすための潤滑剤を利用する従来のボールベアリングアセンブリを含むトラックアセンブリである。
【0379】
サンプル2は、本明細書に記述の実施形態に係る構造体を含むトラックアセンブリである。
【0380】
サンプル3は、本明細書に記述の実施形態に係るスライドピンを含むトラックアセンブリである。
【0381】
サンプル4は、本明細書に記述の実施形態に係る楕円端部を有するストリップを含むトラックアセンブリである。
【0382】
サンプル5は、外側受け器、外側受け器内に内接する内側受け器、およびそれらの間に配置される摺動バーを含む。
【0383】
【表4】
【0384】
表4に示すように、サンプル1は、サイクル1〜5とサイクル101〜105で力が44%変化している。比較すると、すべて同じサイクル数で測定したとき、サンプル2は力が2.3%変化し、サンプル3は力が18.2%変化し、サンプル4は力が21.4%変化し、およびサンプル5は力が0%変化している。このように、超過した大きさのボールベアリングを用いた従来のアセンブリと比較して、サンプル2、3、4と5はすべて、慣らし期間が減少した。
【0385】
テスト中に、サンプル1は、外側コーティングの剥離を示し、ボールベアリングの外側コーティングが摩耗し、下の鋼から剥がれ落ちたことに注目されたい。外側コーティングのずれた断片は、トラックアセンブリを汚し、粒子の蓄積を生じる。また、サンプル1は、他の試験実施サンプルと比較して、トラックアセンブリのブリネリングが大きくなった。
【0386】
前述の特徴のすべてが必要なわけではなく、特定の特徴の一部は必要ではないかもしれない、また、1つ以上の特徴が前述されたものに加えて提供されてもよいことに注意されたい。なおさらに、特徴が説明されている順序は必ずしも特徴が備え付けられる順序ではない。
【0387】
別々の実施形態の状況において、明確にするために本明細書に記載されている特定の複数の特徴は、1つの実施形態の中で組み合わせても提供できる。逆に、簡潔にするため1つの実施形態の状況において説明した種々の特徴も、別々に提供したり、任意の副次的な組み合わせで提供したりすることができる。
【0388】
利点、他の長所、および問題に対する解決法を、特定の態様に関して本明細書において前述のとおり説明してきた。しかし、これらの利益、利点、問題の解決法、ならびに、何らかの利益、利点、または解決法を発生させたり、より顕著にしたりすることがある、あらゆる特徴が、特許請求の範囲のいずれかまたはすべての重要な、必要な、または本質的な特徴として解釈されるべきではない。
【0389】
本明細書および本明細書に記載の実施形態の説明は、種々の実施形態の構造の一般的な理解を与えることを意図している。本明細書および説明は、本明細書に記載の構造または方法を使用する装置および系の構成要素および特徴のすべてを網羅的および包括的に記載する役割を果たすことを意図するものではない。単一の実施形態に別の実施形態を組み合わせて行ってもよいし、逆に、簡略のため単一の実施形態の状況において記載した様々な特徴を、別々に、あるいは任意の副次的な組み合わせで行ってもよい。さらに、数値を範囲で記載する場合は、その範囲内のありとあらゆる数値が含まれる。本明細書を読んで初めて、多くの他の実施形態が当業者に明らかになるかもしれない。本開示の範囲から逸脱しない範囲で構造の置換、論理の置き換えまたは任意の変更を行なえるように、他の実施形態を使用してもよく、本開示から他の実施形態を得てもよい。したがって、本開示は、限定的なものではなく例示的なものと見なすべきである。