特許第6397137号(P6397137)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6397137
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】内視鏡用形状検出装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20180913BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20180913BHJP
【FI】
   A61B1/00 552
   A61B1/00 680
   G02B23/24 A
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-544046(P2017-544046)
(86)(22)【出願日】2017年3月24日
(86)【国際出願番号】JP2017012140
(87)【国際公開番号】WO2017164401
(87)【国際公開日】20170928
【審査請求日】2017年8月18日
(31)【優先権主張番号】特願2016-62202(P2016-62202)
(32)【優先日】2016年3月25日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松井 將
【審査官】 安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−75929(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/010288(WO,A1)
【文献】 特開2002−65583(JP,A)
【文献】 特開2015−29642(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00−1/32
G02B 23/24−23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
列状に所定の間隔で配置された複数のセンサ本体と、
各前記センサ本体を保持する保持部材と、
前記各センサ本体を保持する各保持部材間に配置され、前記各センサ本体と接続される絶縁電線を被覆材で被覆するケーブルと、
前記各保持部材間において前記保持部材とこれに隣接する前記ケーブルの端部とを固定する固定部材と、
を備える、
内視鏡用形状検出装置。
【請求項2】
前記固定部材は、
前記保持部材に取り付けられた又は該保持部材と一体に形成された突起部材と、
前記突起部材と前記ケーブルの端部に巻き付けられることにより、該突起部材と該端部とを固定するワイヤと、
を有する、
請求項1に記載の内視鏡用形状検出装置。
【請求項3】
前記固定部材は、
略円筒形の前記センサ本体と前記隣接するケーブルとが略同軸となる位置で前記保持部材と該ケーブルの端部とを固定する、
請求項1又は請求項2に記載の内視鏡用形状検出装置。
【請求項4】
前記保持部材は、
複数の配線パターンが形成された3次元射出成形回路部品であり、
前記保持部材と隣接する一方のケーブル内の絶縁電線が、対応する配線パターンの一端に接続され、該保持部材と隣接する他方のケーブル内の絶縁電線が、対応する配線パターンの他端に接続されている、
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の内視鏡用形状検出装置。
【請求項5】
前記センサ本体は、
コイルである、
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の内視鏡用形状検出装置。
【請求項6】
前記センサ本体はコイルであり、
前記保持部材は、
前記内視鏡の基端側に位置する基端部と、
前記内視鏡の先端側に位置する先端部と、
を有し、
前記基端部に導通部が形成されており、
保持している前記コイルの各端より引き出された一対の端子線と、前記基端部と隣接するケーブル内の絶縁電線のうち該一対の端子線に対応する絶縁電線とを、前記導通部を介して接続しており、
前記配線パターンは、
前記基端部と隣接するケーブル内の絶縁電線のうち残りの絶縁電線と、前記先端部と隣接するケーブル内の絶縁電線であって、当該保持部材よりも前記内視鏡の先端側に位置する保持部材に保持されているセンサ本体が有する各端子線と接続される絶縁電線とを、接続する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の内視鏡用形状検出装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項記載の内視鏡用形状検出装置、
被検体に対して挿入する可撓管、
を備え、
前記可撓管は、前記可撓管の先端部が前記被検体の内部の壁部と接触した状態で、前記可撓管を前記被検体のさらに内部に向かって進行させる力が加えられたとき、受動的に湾曲する部位を有する
ことを特徴とする内視鏡システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡の形状を検出するための内視鏡用形状検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
可撓性を持つ内視鏡の挿入部可撓管や湾曲部の形状を検出するためのコイルセンサを備えた内視鏡用形状検出装置が知られている。例えば特許文献1に、この種の内視鏡用形状検出装置の具体的構成が記載されている。
【0003】
特許文献1に記載の内視鏡用形状検出装置は、ワイヤ状の連結部材に間隔を空けて接着固定された複数のコイル装置を外皮チューブ内に挿通することによって構成されている。また、内視鏡用形状検出装置が屈曲されてコイル装置に負荷が加わる場合にコイルと信号線との接続部分への負荷の集中を避けるため、コイルの接続端及び信号線の接続端がコイル装置端部の絶縁部材に巻き付けられた上で半田付けされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−75929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の構成では、連結部材で連結された複数のコイル装置を、コイル装置の外径よりも極僅かに大きい程度の内径しか持たない細長い外皮チューブ内に挿通して配置する必要がある。そのため、組立ての難易度が高く、また、修理時の分解・再組立てを鑑みるとその保守性が低い。また、コイル装置が外皮チューブ内で固定されていないため、例えば外皮チューブの屈曲に伴いコイル装置が外皮チューブ内でずれる虞がある。コイル装置がずれることによって隣接するコイル装置同士の間隔が変わると、例えば外皮チューブの屈曲時に、コイル装置間に配線された信号線に負荷が集中して、信号線が断線する虞がある。
【0006】
上記の問題を解決するため、外皮チューブを構成要素から省くことが考えられる。しかし、特許文献1に記載の構成において外皮チューブを構成要素から省くと信号線が剥き出しになるため、例えば内視鏡用形状検出装置の屈曲に伴う負荷が信号線に大きく掛かってしまう。特に、コイル線材との半田付け部から露出する信号線の根元部分に負荷が集中し、この根元部分において信号線が断線する虞がある。
【0007】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、組立性及び保守性が改善された構成でありながらも信号線の断線を防ぐのに好適な内視鏡用形状検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る内視鏡用形状検出装置は、列状に所定の間隔で配置された複数のセンサ本体と、各センサ本体を保持する保持部材と、各センサ本体を保持する各保持部材間に配置され、各センサ本体と接続される絶縁電線を被覆材で被覆するケーブルと、各保持部材間において保持部材とこれに隣接するケーブルの端部とを固定する固定部材とを備える。
【0009】
また、本発明の一実施形態において、固定部材は、保持部材に取り付けられた又は該保持部材と一体に形成された突起部材と、突起部材とケーブルの端部に巻き付けられることにより、該突起部材と該端部とを固定するワイヤとを有する構成としてもよい。
【0010】
また、本発明の一実施形態において、固定部材は、略円筒形のセンサ本体と隣接するケーブルとが略同軸となる位置で保持部材と該ケーブルの端部とを固定する構成としてもよい。
【0011】
また、本発明の一実施形態において、保持部材は、複数の配線パターンが形成された3次元射出成形回路部品であり、保持部材と隣接する一方のケーブル内の絶縁電線が、対応する配線パターンの一端に接続され、該保持部材と隣接する他方のケーブル内の絶縁電線が、対応する配線パターンの他端に接続されている構成としてもよい。
【0012】
また、本発明の一実施形態において、センサ本体は、例えばコイルである。
【0013】
また、本発明の一実施形態において、保持部材は、内視鏡の基端側に位置する基端部と、内視鏡の先端側に位置する先端部とを有し、基端部に導通部が形成されており、保持しているコイルの各端より引き出された一対の端子線と、基端部と隣接するケーブル内の絶縁電線のうち該一対の端子線に対応する絶縁電線とを導通部を介して接続した構成としてもよい。この配線パターンは、基端部と隣接するケーブル内の絶縁電線のうち残りの絶縁電線と、先端部と隣接するケーブル内の絶縁電線であって、当該保持部材よりも内視鏡の先端側に位置する保持部材に保持されているセンサ本体が有する各端子線と接続される絶縁電線とを接続する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一実施形態によれば、組立性及び保守性が改善された構成でありながらも信号線の断線を防ぐのに好適な内視鏡用形状検出装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る電子内視鏡システムの外観図である。
図2】本発明の一実施形態に係る電子内視鏡システムに備えられる電子スコープの構成を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係る電子スコープに備えられる位置検出用プローブの外観を模式的に示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係る位置検出用プローブの構成を展開して示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係る位置検出用プローブに備えられるコイルベースの構成を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係る位置検出用プローブに備えられるコイルベースの構成を示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係る位置検出用プローブに備えられるコイルベースの構成を示す図である。
図8】本発明の一実施形態に係るコイルベースにコイルセンサを保持させた状態を示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係る位置検出用プローブの製造方法を説明するための図である。
図10】本発明の一実施形態に係る位置検出用プローブに備えられる信号線の接続について補助説明するための図である。
図11】挿入部可撓管11の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下においては、本発明の一実施形態として電子内視鏡システムを例に取り説明する。
【0017】
[電子内視鏡システム1の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る電子内視鏡システム1の外観図である。図1に示されるように、本実施形態の電子内視鏡システム1は、電子スコープ10、内視鏡用プロセッサ20、外部コイル装置30、形状検出用プロセッサ40及びモニタ50を備えている。図1では、図面を簡潔に示す便宜上、一部の装置同士の接続を矢印で示している。
【0018】
図1に示されるように、電子スコープ10は、可撓性を有するシースによって外装された挿入部可撓管11を備えている。挿入部可撓管11の先端には、湾曲部12の基端が連結されている。
【0019】
湾曲部12は、挿入部可撓管11の基端に連結された手元操作部13からの遠隔操作に応じて屈曲する。屈曲機構は、一般的な内視鏡に組み込まれている周知の機構であり、手元操作部13の湾曲操作ノブの回転操作に連動した操作ワイヤの牽引によって湾曲部12を屈曲させる。湾曲部12の先端面の方向が湾曲操作ノブの回転操作による屈曲動作に応じて変わることにより、電子スコープ10による撮影領域が移動する。
【0020】
手元操作部13からはユニバーサルケーブル14が延びている。ユニバーサルケーブル14の基端には、コネクタ部15が接続されている。電子スコープ10は、コネクタ部15が内視鏡用プロセッサ20のフロントパネル面に設けられたコネクタ部21に接続されることにより、内視鏡用プロセッサ20と接続される。
【0021】
内視鏡用プロセッサ20は、電子スコープ10より入力される撮影画像データを処理して映像信号を生成して、モニタ50に出力する。これにより、モニタ50に電子スコープ10による撮影画像が表示される。
【0022】
図2は、電子スコープ10の構成を示す図である。図2に示されるように、電子スコープ10内部には、その全長(湾曲部12からコネクタ部15)に亘り位置検出用プローブ100が配置されている。また、コネクタ部15内には、回路基板15aが取り付けられている。
【0023】
図3は、位置検出用プローブ100の外観を模式的に示す図である。図3に示されるように、位置検出用プローブ100は、列状に所定の間隔で配置された複数(本実施形態では12個)のセンサユニット110を備えている。
【0024】
位置検出用プローブ100内に列状に配置された各センサユニット110は、位置検出センサとして機能するコイルセンサ111を備えている。また、位置検出用プローブ100は、コイルセンサ111と接続される信号線120aを被覆材で被覆したケーブル120を各センサユニット110間に備えている。信号線120aは絶縁電線であり、例えばエナメル線である。
【0025】
図4は、位置検出用プローブ100の構成(主に配線関連の構成)を展開して示す図である。図4に示されるように、各センサユニット110は、電子スコープ10の挿入部内(挿入部可撓管11内及び湾曲部12内)に互いに機械的に干渉しない程度の間隔を空けて配置されている。一例として、各センサユニット110は、湾曲部12内では50mmピッチで配置されており、挿入部可撓管11内では100mmピッチで配置されている。
【0026】
各センサユニット110のコイルセンサ111は、対応する信号線120aを介して回路基板15a上の回路と接続されている。回路基板15a上の回路は、コネクタケーブル16(図1参照)を介して形状検出用プロセッサ40と接続されている。
【0027】
外部コイル装置30は、内蔵アンテナから交流磁界を発生させる。内蔵アンテナから発生された交流磁界により、位置検出用プローブ100に配置された各コイルセンサ111に起電力が発生して誘導電流が流れる。各コイルセンサ111を流れる誘導電流は、信号線120a、回路基板15a上の回路及びコネクタケーブル16を介して形状検出用プロセッサ40に入力される。
【0028】
形状検出用プロセッサ40は、各コイルセンサ111を流れる誘導電流に基づいて各コイルセンサ111の位置を検出し、検出された各コイルセンサ111の位置を線で繋ぐことにより、電子スコープ10の挿入部の軸線を推定する。形状検出用プロセッサ40は、電子スコープ10を模したモデルを上記軸線に沿って貼り付けたものをモニタ50に出力する。これにより、モニタ50に、患者の体腔内に挿入された電子スコープ10の推定形状画像が表示される。なお、モニタ50には、電子スコープ10の推定形状画像が単独で若しくは電子スコープ10による撮影画像と並べて又は重ねて表示される。
【0029】
[位置検出用プローブ100の構成及び製造方法]
次に、位置検出用プローブ100の構成及び製造方法について具体的に説明する。
【0030】
センサユニット110は、コイルセンサ111を保持するコイルベース112を備えている。図5図7に、コイルベース112の構成を示す。また、図8に、コイルベース112にコイルセンサ111を保持させた状態を示す。また、図9に、位置検出用プローブ100の製造方法を説明するための図を示す。
【0031】
図5(a)は、コイルベース112の側面図である。図5(b)、図5(c)、図5(d)、図5(e)は、それぞれ、コイルベース112を図5(a)の矢印B方向、矢印C方向、矢印D方向、矢印E方向から見たときの図である。なお、図5においては、図面の明瞭化の便宜上、後述のパッド部112bD、配線パターン112bE及びランド部112bFの図示を省略している。
【0032】
図5に示されるように、コイルベース112は、側面から見たときにコの字状となるように、円筒を一部刳り抜いた形状となっている。言い換えると、コイルベース112は、円筒形状を持つ一方の端部(図5(b)や図5(d)に示される端部)と他方の端部(図5(c)や図5(e)に示される端部)とを軸線直交方向の断面が略六日月状となる柱部で接続した形状となっている。以下、説明の便宜上、図5(b)や図5(d)に示されるコイルベース112の端部を「先端部112a」と記し、図5(c)や図5(e)に示されるコイルベース112の端部を「基端部112b」と記す。位置検出用プローブ100は、コイルベース112の先端部112aが電子スコープ10の先端(湾曲部12)側に向くように、電子スコープ10内に組み込まれる。
【0033】
図6は、コイルベース112を図5(b)のA−A線で切断したときの断面図である。図5及び図6に示されるように、コイルベース112の先端部112aには、軸固定穴112aA及び部材固定穴112aBが形成されている。また、コイルベース112の基端部112bには、軸固定穴112bA、部材固定穴112bB及び一対のスルーホール112bCが形成されている。
【0034】
次に、主に図9を用いて、本発明の一実施形態に係る位置検出用プローブ100の製造方法について説明する。なお、図9においては、図面の明瞭化の便宜上、配線パターン112bEの図示を省略している。以下に説明する製造方法の各工程は、矛盾しない範囲であれば適宜前後してもよい。
【0035】
〔工程1:図9(a)〕
本工程1では、コイルベース112の先端部112aに形成された部材固定穴112aBに、突起部材113が取り付けられて固定される。また、コイルベース112の基端部112bに形成された部材固定穴112bBにも、突起部材113が取り付けられて固定される。突起部材113は、例えば接着や圧入により各部材固定穴に固定される。なお、突起部材113は、コイルベース112に一体形成されたものであってもよい。この場合、本工程1が不要となる。
【0036】
〔工程2:図9(b)〕
図8(a)は、センサユニット110の内部構造を示す図である。図8(b)は、センサユニット110を図8(a)の矢印H方向から見たときの図である。図8に示されるように、コイルセンサ111は、コイル線材が芯材(磁性コア)111aの外周面上に巻き回されることによって形成されている。以下、芯材111aに巻き回されたコイル線材の巻線部分を「コイル111b」と記す。
【0037】
本工程2では、コイルベース112にコイルセンサ111を保持させる。具体的には、コイルベース112の先端部112aに形成された軸固定穴112aAに、芯材111aの一端が挿入され、且つ、基端部112bに形成された軸固定穴112bAに、芯材111aの他端が挿入されることにより、コイルセンサ111がコイルベース112に保持される。
【0038】
各軸固定穴への芯材111aの挿入に先立ち、基端部112bに形成された一対のスルーホール112bCに、コイル111bの各端より引き出されたコイル線材(一対の端子線111bA)が挿通される。各端子線111bAは、スルーホール112bCを挿通された先端部分(接続端)が基端部112bに形成されたランド部112bFに半田付けされる。
【0039】
〔工程3:図9(c)〕
コイルベース112の基端部112b側のケーブル120(以下、説明の便宜上、「基端側ケーブル120’」と記す。)内には、センサユニット110に対応する一対の信号線120a(以下、説明の便宜上、「信号線120a’」と記す。)に加えて、当該センサユニット110よりも電子スコープ10の先端側に位置することになるセンサユニット110に対応する複数の信号線120aが被覆保護されている。例示的には、電子スコープ10内で最も基端側に位置することになるセンサユニット110に接続される基端側ケーブル120’は、24芯ケーブル(一対の信号線120a’と、当該センサユニット110よりも電子スコープ10の先端側に位置することになる残り(11個)の各センサユニット110に接続される十一対の信号線120a)となっている。
【0040】
本工程3では、センサユニット110にケーブル120が接続される。具体的には、基端側ケーブル120’内の一対の信号線120a’の接続端は、コイルベース112の基端部112bに形成された、対応するパッド部112bDに半田付けされる。パッド部112bDと接続されたランド部112bFにコイル111bの端子線111bAが半田付けされていることから、コイル111bと信号線120a’とが電気的に接続される。
【0041】
図7(a)は、コイルベース112の側面図である。図7(b)は、コイルベース112を図7(a)の矢印F方向又は矢印G方向から見たときの図である。なお、図7においては、図面の明瞭化の便宜上、軸固定穴112aAをはじめとする、図5に示される各穴形状の図示を省略している。
【0042】
図7に示されるように、コイルベース112は、表面に複数の配線パターンが形成された3次元射出成形回路部品(MID(Molded Interconnect Device))である。コイルベース112には、複数(ここでは22本)の配線パターン112bEが形成されている。図7(b)に示されるように、複数の配線パターン112bEは、一端がコイルベース112の基端部112bの外周面上に等間隔で並べて形成され、基端部112bと先端部112aとを接続する柱部上に直線状に延びて形成され、他端が先端部112aの外周面上に等間隔で並べて形成されている。
【0043】
基端側ケーブル120’内の残りの信号線120a(一対の信号線120a’以外の信号線)の接続端は、コイルベース112の基端部112bに形成された、対応する配線パターン112bEの一端に半田付けされる。
【0044】
コイルベース112の先端部112a側のケーブル120(以下、説明の便宜上、「先端側ケーブル120”」と記す。)内には、複数の信号線120aが被覆保護されている。先端側ケーブル120”内の各信号線120aの接続端は、先端部112aに形成された、対応する配線パターン112bEの他端に半田付けされる。これにより、基端側ケーブル120’内の各信号線120aと先端側ケーブル120”内の各信号線120aとが各配線パターン112bEを介して電気的に接続される。
【0045】
図10(a)は、信号線120aの接続について補助説明するための図である。図10(b)は、図10(a)の説明補足図である。図10(b)に示されるように、図10(a)では、コイル111bを符号Cで記し、配線パターン112bEを符号Pで記す。符号C及び符号Pを囲う矩形の図形は、センサユニット110を示している。符号Cに入力される矢印上の数字は、コイル111bの各端子線111bAに接続される信号線120a’の本数(ここでは必ず「2」)を示し、符号Pに入力される矢印上の数字は、コイルベース112の基端部112b上に形成された各配線パターン112bEに接続される信号線120aの本数を示す。符号Pと先端側ケーブル120”とを接続する線上の数字は、コイルベース112の先端部112a上に形成された各配線パターン112bEに接続される信号線120aの本数を示す。図10(a)においては、説明の便宜上、電子スコープ10内で最も基端側に位置することになるセンサユニット110から順にアルファベットを付す。
【0046】
図10(a)に示されるように、センサユニット110Aに接続される基端側ケーブル120’内には24本(十二対)の信号線120aが被覆保護されている。センサユニット110Aに対し、24本の信号線120aのうち、2本(一対)の信号線120a’がコイル111bの各端子線111bAとパッド部112bDで半田接続され、残りの22本(十一対)の信号線120aがコイルベース112の基端部112b上に形成された各配線パターン112bEの一端と半田接続される。一方、センサユニット110Aに接続される先端側ケーブル120”内には22本(十一対)の信号線120aが被覆保護されている。センサユニット110Aに対し、22本全ての信号線120aがコイルベース112の先端部112a上に形成された各配線パターン112bEの他端と半田接続される。
【0047】
次のセンサユニット110Bに対しては、基端側ケーブル120’内(上記の先端側ケーブル120”)の2本(一対)の信号線120a’がコイル111bの各端子線111bAとパッド部112bDで半田接続され、残りの20本(十対)の信号線120aがコイルベース112の基端部112b上に形成された各配線パターン112bEの一端と半田接続される。一方、センサユニット110Aに接続される先端側ケーブル120”内には20本(十対)の信号線120aが被覆保護されている。センサユニット110Bに対し、20本全ての信号線120aがコイルベース112の先端部112a上に形成された各配線パターン112bEの他端と半田接続される。
【0048】
このように、基端側のセンサユニット110から順にケーブル120内の信号線120aをセンサユニット110に一対ずつ接続し、ケーブル120内の残りの信号線120aを次のセンサユニット110に接続する作業を繰り返すことにより、図4の展開図に示されるように、各センサユニット110のコイルセンサ111が、対応する信号線120aを介して回路基板15a上の回路と接続される。
【0049】
本工程3では、更に、センサユニット110とケーブル120の端部とが固定される。具体的には、図9(c)に示されるように、コイルベース112の各端部に取り付けられた突起部材113とケーブル120の端部にワイヤ114が巻き付けられることにより、センサユニット110とケーブル120の端部とが固定される。
【0050】
なお、コイルベース112及び突起部材113は、突起部材113とケーブル120の端部とをワイヤ114で巻き付けたときに、略円筒形を持つコイル111bとケーブル120とを略同軸に位置させる形状となっている。コイル111bとケーブル120とを略同軸に位置させることにより、位置検出用プローブ100の細径化が図れる。
【0051】
〔工程4:図9(d)〕
本工程4では、半田付け部を含むコイルベース112の各端部、突起部材113、ワイヤ114及びケーブル120の端部の全体が接着剤により補強される。
【0052】
〔工程5:図9(e)〕
本工程5では、工程4で補強された接着部を含むセンサユニット110の全体が熱収縮チューブ115によって被覆保護される。
【0053】
以上の各工程が各センサユニット110に対して行われることにより、位置検出用プローブ100の全体が完成する。
【0054】
本発明の一実施形態に係る位置検出用プローブ100は、外皮チューブを備えない構成であるため、列状に配置された複数のセンサユニット110を細長い外皮チューブ内に挿通して配置する必要がない。また、修理時にセンサユニット110や信号線120aを外皮チューブから取り外したり挿通配置したりする必要がない。そのため、従来と比べて組立性及び保守性が改善されている。
【0055】
また、信号線120aは、剥き出しになっておらず、位置検出用プローブ100の屈曲動作を妨げない程度の適度な剛性を持つケーブル120によって被覆保護されている。加えて、突起部材113とケーブル120の端部とがワイヤ114で巻き付けられて固定されている。そのため、位置検出用プローブ100の屈曲時等の負荷が耐屈曲性の高いケーブル120に掛かり、一般に負荷が集中しやすいと考えられる部分(パッド部112bDの半田付け部から露出する信号線120a’の根元部分)をはじめとする信号線120aの全体に実質的に掛からない。そのため、信号線120aの断線が防止される。
【0056】
以上が本発明の例示的な実施形態の説明である。本発明の実施形態は、上記に説明したものに限定されず、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。例えば明細書中に例示的に明示される実施形態等又は自明な実施形態等を適宜組み合わせた内容も本発明の実施形態に含まれる。
【0057】
図11は、挿入部可撓管11の変形例を示す図である。以上説明した実施形態において、挿入部可撓管11のうち湾曲部12と手元操作部13との間の箇所において、力がかかると受動的に湾曲する部分(受動湾曲部)11’を設けるともできる。例えば湾曲部12を腸内に挿入する場合、湾曲部12が腸壁に当たって力が加えられると、部分11’が自動的に撓む。これにより、湾曲部12を腸壁に対して押し付ける力が、湾曲部12を前方(腸のより奥部)へ進行させる力に変換されることになる。したがって、湾曲部12が腸壁に接触した際に、患者に対して与える痛みを軽減することができる。
【0058】
挿入部可撓管11の一部を受動的に湾曲するように構成した場合、オペレータによる操作が必ずしもそのまま挿入部可撓管11の形状として反映されるとは限らないので、高い熟練度が必要になる傾向がある。本実施形態を適用することにより、挿入部可撓管11の形状を正確に検出することができるので、受動的に湾曲する部分11’を備える構成において好適である。
【0059】
すなわち受動湾曲部11’を備える内視鏡システムは、以下の構成を備えるものである:
本実施形態に係る内視鏡用形状検出装置、
被検体に対して挿入する可撓管、
を備え、
前記可撓管は、前記可撓管の先端部が前記被検体の内部の壁部と接触した状態で、前記可撓管を前記被検体のさらに内部に向かって進行させる力が加えられたとき、受動的に湾曲する部位を有する
ことを特徴とする内視鏡システム。
【0060】
従来の内視鏡位置検出装置において外皮チューブを除去した場合、位置検出用プローブ100を屈曲させたとき信号線120a’の根元部分に負荷が集中するのは、ケーブル120が根元から屈曲するからであると考えられる。本発明においては、突起部材113がケーブル120の剛性を補強することにより、少なくともケーブル120のうち突起部材113と隣接している部分はその他部分と比較して屈曲しにくくなっている。換言すると本発明においては、位置検出用プローブ100を屈曲させたときケーブル120が屈曲するのは、信号線120a’の根元部分ではなく突起部材113の先端部分である。したがって信号線120a’の根元部分から断線することを防止できる。この観点においては、突起部材113の剛性はケーブル120の剛性よりも高いことが望ましいが、突起部材113によってケーブル120が屈曲することを防止または屈曲の程度を抑制できれば、必ずしもその限りではない。
【符号の説明】
【0061】
1 電子内視鏡システム
10 電子スコープ
11 挿入部可撓管
12 湾曲部
13 手元操作部
14 ユニバーサルケーブル
15 コネクタ部
15a 回路基板
16 コネクタケーブル
20 内視鏡用プロセッサ
21 コネクタ部
30 外部コイル装置
40 形状検出用プロセッサ
50 モニタ
100 位置検出用プローブ
110 センサユニット
111 コイルセンサ
111a 芯材
111b コイル
111bA 端子線
112 コイルベース
112a 先端部
112aA 軸固定穴
112aB 部材固定穴
112b 基端部
112bA 軸固定穴
112bB 部材固定穴
112bC スルーホール
112bD パッド部
112bE 配線パターン
112bF ランド部
113 突起部材
114 ワイヤ
115 熱圧縮チューブ
120 ケーブル
120a 信号線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11