(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6397165
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】燃料予混合器を有する燃焼器アセンブリ
(51)【国際特許分類】
F23R 3/30 20060101AFI20180913BHJP
F23R 3/14 20060101ALI20180913BHJP
【FI】
F23R3/30
F23R3/14
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-116562(P2013-116562)
(22)【出願日】2013年6月3日
(65)【公開番号】特開2013-253769(P2013-253769A)
(43)【公開日】2013年12月19日
【審査請求日】2016年5月30日
(31)【優先権主張番号】13/490,061
(32)【優先日】2012年6月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】モハン・クリッシュナ・ボッバ
(72)【発明者】
【氏名】アブドル・ラフィー・カーン
【審査官】
金田 直之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−083541(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0077760(US,A1)
【文献】
特開2002−031343(JP,A)
【文献】
特開2010−096487(JP,A)
【文献】
特開2010−60275(JP,A)
【文献】
特開2012−145322(JP,A)
【文献】
特開2011−7479(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23R 3/14−3/16,3/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料予混合器を有する燃焼器アセンブリであって、
内部の空気流と燃料とを混合するためのダクトと、
燃料源から燃料を受け入れるように前記ダクト内で同軸上に位置合わせされ、前記燃料を前記ダクト内の少なくとも1つの軸方向位置に分配するように構成された中心本体部と、
前記空気流および前記燃料源と連通して燃料の第1の噴射を行い、前記空気流に流動調整効果をもたらす前記ダクト内の平面状翼部と、
を備え、
前記平面状翼部は、複数の比較的平面状の翼を備え、前記平面状の翼のそれぞれは、後縁から軸方向に離れた前縁を含み、前記平面状の翼のそれぞれの前記前縁及び後縁は、軸方向に位置合わせされ、前記複数の平面状の翼は、円周上に相隔てて並び、前記平面状の翼のそれぞれは、前記ダクトの縦方向に沿って配設されて前記空気流を直線化する平面状部分を備え、円周上に隣接する2つの前記平面状の翼がそれぞれ、当該2つの平面状の翼の間に流路を形成し、
前記燃焼器アセンブリは、前記ダクト内で前記平面状翼部の下流に配設されたスワラ翼部をさらに備え、
前記スワラ翼部は、円周上に離間する複数のスワラ翼を備え、前記複数のスワラ翼のそれぞれは、前記複数の平面状翼部の、前記円周上に隣接する2つの平面状の翼の対応する後縁から下流に位置する前縁を備え、前記各スワラ翼の前記前縁は、前記複数の平面状翼部の、前記円周上に隣接する2つの平面状の翼からオフセットしており、これにより前記平面状翼部と前記スワラ翼部との間で食い違い配置を形成し、
前記スワラ翼のそれぞれは、前記縦方向に位置合わせされた比較的平面状の部分と、該比較的平面状の部分から該縦方向に対し1つの角度のみをなして下流に向けて延びる下流部分とを備え、
該スワラ翼部が、燃料の第2の噴射を行い、前記燃料と前記空気流との混合を行うように構成された
燃焼器アセンブリ。
【請求項2】
前記複数の比較的平面状の翼のそれぞれは、前記中心本体部に動作可能に接続され、前記中心本体部から半径方向外向きに延在し、前記燃料は、前記複数の比較的平面状の翼を通して分配され、複数の半径方向位置のところで前記ダクトの流れ経路へ吐出されて前記空気流と混合する請求項1記載の燃焼器アセンブリ。
【請求項3】
前記複数のスワラ翼を通して分配される前記燃料が、複数の半径方向位置のところで前記ダクトの流れ経路へ吐出されて前記空気流と混合する請求項1又は2記載の燃焼器アセンブリ。
【請求項4】
前記空気流は、圧縮機から受け入れられ、前記燃料源は、燃料マニホールドである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の燃焼器アセンブリ。
【請求項5】
前記燃料は、前記平面状翼部と前記スワラ翼部とを通して前記ダクトの流れ経路に分配され、前記燃料の第1の割合部分は、前記平面状翼部を通して分配され、前記燃料の残りの割合部分は、前記スワラ翼部を通して分配される請求項1乃至4のいずれか1項に記載の燃焼器アセンブリ。
【請求項6】
燃料予混合器を有する燃焼器であって、
前記燃焼器の上流に配設されている圧縮機から空気流を受け入れるための第1の端部を有するダクトであって、前記空気流は、前記ダクトの縦方向に沿って前記ダクトを通して移送される、ダクトと、
前記ダクト内に、前記ダクトの縦方向に沿って配設され、前記ダクトの前記第1の端部の近くにある少なくとも1つの燃料マニホールドから燃料を受け入れるように構成された中心本体部と、
円周上に相隔てて並び、前記ダクト内の第1の軸方向位置のところに配設された複数の比較的平面状の翼を備える平面状翼部であって、前記平面状翼部は、前記空気流および燃料源と連通する、平面状翼部と、
を備え、
前記複数の平面状の翼のそれぞれは、後縁から軸方向に離れ、前記ダクトの縦方向に沿って配設さた前縁を含んで前記空気流を直線化し、円周上に隣接する2つの前記平面状の翼がそれぞれ、当該2つの平面状の翼の間に流路を形成し、
前記燃焼器は、円周上に相隔てて並び、前記ダクト内の第2の軸方向位置のところに配設された複数のスワラ翼を備えるスワラ翼部をさらに備え、
前記スワラ翼部は、円周上に離間する複数のスワラ翼を備え、前記複数のスワラ翼のそれぞれは、前記複数の平面状翼部の、前記円周上に隣接する2つの平面状の翼の対応する後縁から下流に位置する前縁を備え、前記各スワラ翼の前記前縁は、前記複数の平面状翼部の、前記円周上に隣接する2つの平面状の翼からオフセットしており、これにより前記平面状翼部と前記スワラ翼部との間で食い違い配置を形成し、前記第2の軸方向位置は、前記第1の軸方向位置の下流にあり、前記スワラ翼のそれぞれは、前記縦方向に位置合わせされた比較的平面状の部分と、該比較的平面状の部分から該縦方向に対し1つの角度のみをなして下流に向けて延びる下流部分とを備える、
燃焼器。
【請求項7】
前記複数の比較的平面状の翼のそれぞれは、前記中心本体部に動作可能に接続され、前記中心本体部から半径方向外向きに延在し、前記燃料は、前記複数の比較的平面状の翼を通して分配され、複数の半径方向位置のところで前記ダクトの流れ経路へ吐出されて前記空気流と混合する請求項6記載の燃焼器。
【請求項8】
前記複数のスワラ翼のそれぞれは、前記中心本体部に動作可能に接続され、前記中心本体部から半径方向外向きに延在し、前記燃料は、前記複数の比較的平面状の翼を通して分配され、複数の半径方向位置のところで前記ダクトの流れ経路へ吐出されて前記空気流と混合する請求項6又は7に記載の燃焼器。
【請求項9】
ガスタービンシステムであって、
空気流を供給するための圧縮機と、
燃料予混合器であって、
前記空気流を受け入れるためのダクトであって、前記空気流は第1の方向に前記ダクトを通して移送され、燃料と混合される、ダクトと、
円周上に相隔てて並び、中心本体部と前記ダクトの内壁との間で半径方向に延在する複数の比較的平面状の翼を備える第1の翼部と
を備える燃料予混合器と
を具備し、
前記複数の比較的平面状の翼のそれぞれは、後縁から軸方向に離れ、前記ダクトの縦方向に沿って位置合わせされて、前記空気流を直線化し、円周上に隣接する2つの前記平面状の翼がそれぞれ、当該2つの平面状の翼の間に流路を形成し、
前記燃料予混合器は、円周上に相隔てて並び、前記中心本体部と前記ダクトの前記内壁との間で半径方向に延在する複数のスワラ翼をさらに備え、
前記スワラ翼部は、円周上に離間する複数のスワラ翼を備え、前記複数のスワラ翼のそれぞれは、前記複数の平面状翼部の、前記円周上に隣接する2つの平面状の翼の対応する後縁から下流に位置する前縁を備え、前記各スワラ翼の前記前縁は、前記複数の平面状翼部の、前記円周上に隣接する2つの平面状の翼からオフセットしており、これにより前記平面状翼部と前記スワラ翼部との間で食い違い配置を形成し、
前記複数のスワラ翼のそれぞれは、前記縦方向に位置合わせされた比較的平面状の部分と、該比較的平面状の部分から該縦方向に対し1つ角度のみをなして下流に向けて延びる下流部分とを備え、
前記燃料は、前記第1の翼部と前記スワラ翼部とを通して前記ダクトの流れ経路に分配され、前記燃料の第1の割合部分は、前記第1の翼部を通して分配され、前記燃料の残りの割合部分は、前記スワラ翼部を通して分配される
ガスタービンシステム。
【請求項10】
前記複数のスワラ翼の前記スワラ翼前縁部は、前記複数の比較的平面状の翼のインライン平面からオフセットされる、請求項9に記載のガスタービンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示されている発明対象は、ガスタービンシステム用の燃焼器アセンブリに関するものであり、より具体的には、そのような燃焼器アセンブリ用の燃料予混合器(fuel pre−mixers)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンシステムの燃焼プロセスから出る排出ガスは、関心事になっており、法的な規制を受ける。ある種のガスタービンエンジンは、低排出ガス運転、特に、低NOx(窒素酸化物)運転を行い、燃焼ダイナミックスを低減し、自動点火および保炎マージンを十分にとるように設計されている。低NOx燃焼器は、多くの場合、少なくとも1つの燃料予混合器を備え、圧縮空気と燃料とをこの少なくとも1つの燃料予混合器を通るときに混合する。圧縮空気と燃料とを効率的に混合することは、一部は、燃焼室に移送される前に空気と燃料との均質な混合を促すように流れを調整することを含む。このような効率的な混合は、ガスタービンシステムの全体的効率を損なうことなく達成されなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7836698号明細書
【発明の概要】
【0004】
本発明の一態様によれば、燃焼器アセンブリは内部の空気流と燃料とを混合するためのダクトを備える燃料予混合器を有する。また、燃料源から燃料を受け入れるようにダクト内で同軸上に位置合わせされ、燃料をダクト内の少なくとも1つの軸方向位置に分配するように構成された中心本体部も備える。さらに、空気流および燃料と連通して燃料の第1の噴射を行い、空気流に流動調整効果をもたらす平面状翼部を備える。さらに、平面状翼部の下流に配設されているスワラ翼部も備え、スワラ翼部は燃料の第2の噴射を行い、燃料と空気流との混合を行うように構成される。
【0005】
本発明の別の態様によれば、燃焼器アセンブリは燃焼器アセンブリの上流に配設されている圧縮機から空気流を受け入れるための第1の端部を有するダクトを備える燃料予混合器を有し、空気流は、ダクトの縦方向に沿ってダクトを通して移送される。また、ダクト内に、ダクトの縦方向に沿って配設され、ダクトの第1の端部の近くにある少なくとも1つの燃料マニホールドから燃料を受け入れるように構成された中心本体部も備える。さらに、円周上に相隔てて並び、ダクトの縦方向にダクト内の第1の軸方向位置のところに配設された複数の比較的平面状の翼を備える平面状翼部を備え、平面状翼部は、空気流および燃料と連通する。さらに、円周上に相隔てて並び、ダクト内の第2の軸方向位置のところに配設された複数のスワラ翼を備えるスワラ翼部を備え、第2の軸方向位置は、第1の軸方向位置の下流にある。
【0006】
本発明のさらに別の態様によれば、ガスタービンシステムは、空気流を供給するための圧縮機を備える。また、燃料予混合器も備える。燃料予混合器は、空気流を受け入れるためのダクトを備え、空気流は、第1の方向にダクトを通して移送される。燃料予混合器は、円周上に相隔てて並び、中心本体部とダクトの内壁との間で半径方向に延在する複数の比較的平面状の翼を備える第1の翼部も具備し、複数の比較的平面状の翼のそれぞれは、第1の方向に位置合わせされる。燃料予混合器は、円周上に相隔てて並び、中心本体部とダクトの内壁との間で半径方向に延在する複数のスワラ翼を備える第2の翼部もさらに具備し、複数のスワラ翼のそれぞれの少なくとも一部は、第1の方向に対してある角度で配設される。
【0007】
これらおよび他の利点ならびに特徴は、図面と併せて以下の詳細な説明を読むと明らかになるであろう。
【0008】
発明とみなされる本発明対象は、明細書の終わりの請求項において特に指摘され、明確に区別できる形で請求される。本発明の前記および他の特徴および他の利点は、付属の図面と併せて以下の詳細な説明を読むとより明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】燃焼器アセンブリを有するガスタービンシステムの略図である。
【
図2】燃焼器アセンブリの燃料予混合器の略側面、正面図である。
【
図3】第1の実施形態の第1の翼部および第2の翼部の配置構成を示す略図である。
【
図4】第2の実施形態の第1の翼部および第2の翼部の配置構成を示す略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
「発明を実施するための形態」において、例として図面を参照しつつ本発明の実施形態について利点および特徴と併せて説明する。
【0011】
図1を参照すると、ガスタービンシステムの概略が、参照番号10を付けて例示されている。ガスタービンシステム10は、圧縮機12、燃焼器アセンブリ14、タービン16、およびシャフト18を備える。ガスタービンシステム10の一実施形態は、複数の圧縮機12、燃焼器アセンブリ14、タービン16、および/またはシャフト18を備えることができることは理解されるであろう。圧縮機12およびタービン16は、シャフト18によって結合される。シャフト18は、単一のシャフトであるか、または一緒に結合されたシャフト18を形成する複数のシャフトセグメントであるものとしてよい。
【0012】
燃焼器アセンブリ14は、天然ガスもしくは水素を豊富に含む合成ガスなどの可燃性液体および/または気体燃料を使用してガスタービンシステム10を運転する。燃焼器アセンブリ14は、空気流24および燃料源26と流体的に連通する燃料予混合器22と流体的に連通する燃焼室20を備える。燃料予混合器22は、空気/燃料混合気を生成し、この空気/燃料混合気を燃焼室20内に放出し、それにより、燃焼を引き起こし高温加圧排出ガスを発生する。燃焼室20は、高温加圧ガスをトランジションピースに通してタービン16内に導き、タービン16を回転させる。タービン16が回転すると、シャフト18が回転し、これにより、空気が圧縮機12内に流れ込むときに空気が圧縮される。
【0013】
次に
図2を参照すると、燃料予混合器22は、圧縮機12から圧縮空気であってもよい空気流24を、さらには燃料マニホールドなどの燃料源26から燃料を受け入れる。燃料予混合器22は、内部領域32を画成する内壁30を有するダクト28を備える。ダクト28は、空気流24を受け入れるように構成された第1の端部34と、空気/燃料混合気を燃焼室20に移送して中で燃焼させるための第2の端部36とを備える。ダクト28は、典型的には、チューブ状の幾何学的形状を有するが、ダクト28は、さまざまな幾何学的断面構成を有することができることは理解されるであろう。
【0014】
燃料予混合器22は、ダクト28内の同軸上に配設された中心本体部38も備える。中心本体部38は、燃料源26と流体的に連通し、ダクト28の第1の端部34の近くで燃料を受け入れる。中心本体部38は、ダクト28を通して延在し、より具体的には、第1の翼部40と第2の翼部42とに接続され、第1の翼部40と第2の翼部42とを通り、ダクト28の第1の端部34の近くからダクト28の第2の端部36に延在する。中心本体部38は、ダクト28の内壁30の半径方向内向きに配設され、間に流れ経路44を画成する。
【0015】
第1の翼部40は、中心本体部38に動作可能に接続され、中心本体部38から半径方向に遠ざかる形で延在する複数の比較的平面状の翼46を備える。比較的平面状の翼の数は、用途に基づき変わりうることは理解されるであろう。複数の比較的平面状の翼46は、ダクト28内の第1の軸方向位置48のところに配設され、ダクト28の内壁30の方へ延在し、ダクト28の内壁30に接続しうる。複数の比較的平面状の翼46のそれぞれは、第1の軸方向位置48のところで円周上に相隔てて並び、中心本体部38から燃料を受け入れるように構成される。複数の比較的平面状の翼46のそれぞれは、第1の軸方向位置48のところで流れ経路44のさまざまな円周上および半径方向の位置に燃料を選択的に分配するための複数の開口(図示せず)を備える。複数の比較的平面状の翼46は、中を通る空気流24がダクト28の縦方向に配設されている複数の比較的平面状の翼46の平面状部分に基づき低い抵抗を受けるように(つまり、空気流24の主方向に対して0°の角度で)位置合わせされる。複数の比較的平面状の翼46の位置合わせを行うとその結果、流動調整効果、つまり、空気流24が第1の翼部40を通過するときにクリーンで均一な流れプロファイルをもたらす流れの直線化が生じる。燃料は、複数の比較的平面状の翼46上に配置されている複数の開口を通って吐出されるときに、第1の翼部40内で空気流24と混合される。
【0016】
第2の翼部42は、中心本体部38に動作可能に接続され、中心本体部38から半径方向に遠ざかる形で延在する複数のスワラ翼50を備える。スワラ翼の数は、用途に応じて変わりうることは理解されるであろう。複数のスワラ翼50は、ダクト28内の第2の軸方向位置52のところに配設され、ダクト28の内壁30の方へ延在し、ダクト28の内壁30に接続しうる。第2の軸方向位置52は、第1の軸方向位置48の下流にあり、第1の軸方向位置48と第2の軸方向位置52との間の実際の軸方向間隔は、用途に基づき変わりうることは理解されるであろう。複数のスワラ翼50のそれぞれは、第2の軸方向位置52のところで円周上に相隔てて並び、中心本体部38から燃料を受け入れるように構成される。複数の比較的平面状の翼46と同様に、複数のスワラ翼50のそれぞれは、第2の軸方向位置52のところで流れ経路44のさまざまな円周上および半径方向の位置に燃料を選択的に分配するための複数の開口を備える。複数のスワラ翼50は、空気流24、または燃料が第2の翼部42の上流に導入される場合には空気/燃料混合気のスワール流が得られ、空気流24と流れ経路44に導入された燃料との混合をさらに高めるように位置合わせされる。複数のスワラ翼50の位置合わせは、結果として、流れに影響を及ぼす、つまり、上で説明されているように、混合を促進する流れのスワール流を生じる。これは、複数のスワラ翼50の全体的部分を流れの方向に対して何通りもの角度で向き付けることによって達成されうる。代替的に、または複数のスワラ翼50の全体的部分をある1つの角度で配設することと組み合わせて、複数のスワラ翼50の一部のみを流れの方向に対してある1つの角度で配設することができる。このような構成では、複数のスワラ翼50は、ダクト28の縦方向に(つまり、流れの方向に対して0°の角度で)位置合わせされた比較的平面状の部分54と、例えば、
図3および4に例示されている角度で配設された下流部分56とを備えることができる。第2の翼部42内において、燃料は空気流24、または燃料が第2の翼部42の上流にすでに導入されている場合には燃料/空気混合気と混合される。第1の翼部40と同様に、燃料は、複数のスワラ翼50上に配置された複数の開口を通して吐出される。
【0017】
第1の翼部40および/または第2の翼部42を通して空気流24と混合するための燃料と流れ経路44との分配比を制御することができる。このようにして、第1の翼部40および第2の翼部42を通して流れ経路44に導入される燃料の各割合を変化させて、空気流24との混合を効率的に行うことができる。例えば、燃料の50%を第1の翼部40および第2の翼部42のそれぞれに通して流れ経路44に分配することができる。この比は、第1の翼部40と第2の翼部42の両方に対して0%〜100%の範囲内で変化しうることは理解されるであろう。燃料分配比は、固定されるか、または能動的に制御することができる。能動的制御の場合、1つまたは複数のコントローラを使用して、燃料予混合器22の動作中に分配比を能動的に変化させることができる。さらに、追加の翼部が、燃料を分配し、および/または流れ特性に影響を及ぼすために使用されうることが企図される。
【0018】
次に
図3を参照すると、燃料予混合器22の第1の実施形態が例示されている。例示的な実施形態では、複数のスワラ翼50に関する複数の比較的平面状の翼46の位置合わせは、「インライン」位置合わせとして説明される。複数の比較的相平面状の翼46のそれぞれは、ダクト28の縦方向に延在する「インライン」平面58を備える。複数のスワラ翼50のそれぞれは、複数のスワラ翼50の上流位置のところに配設された前縁部60を備える。例示されている実施形態では、複数のスワラ翼50のそれぞれの前縁部60は、複数の比較的平面状の翼46のインライン平面58と位置合わせされる。
【0019】
次に
図4を参照すると、燃料予混合器22の第2の実施形態が例示されている。例示的な実施形態では、複数のスワラ翼50に関する複数の比較的平面状の翼46の位置合わせは、食い違い配置による位置合わせとして説明される。例示されている実施形態では、複数のスワラ翼50のそれぞれの前縁部60は、複数の比較的平面状の翼46のインライン平面58に対してオフセットして位置合わせされる。食い違い配置による位置合わせでは、燃料分配パターンが向上する。
【0020】
したがって、翼の複数の部分上に燃料噴射を拡散することで、本質的に、燃料分布を複数の段階に分け、燃料と空気流24との混合を助ける。このような配置構成では、燃料/空気混合気のスワール流の上流にある燃料噴射位置との「よりクリーンな」流動場の相互作用に基づき、保炎およびNOx排出の性能が改善される。
【0021】
本発明は、限られた数の実施形態に関してのみ詳細に説明されているが、本発明は、そのような開示されている実施形態に制限されないことは容易に理解されるであろう。むしろ、本発明は、これまでに説明されていないが、本発明の精神と範囲に適合している、多くの変更、改変、置換、または同等の配列を組み込むように修正することができる。それに加えて、本発明のさまざまな実施形態について説明されているが、本発明の態様は、説明されている実施形態の一部のみを含みうることは理解されるであろう。したがって、本発明は、前記の説明によって制限されるものとみなされるべきではなく、付属の請求項の範囲によってのみ制限される。
【符号の説明】
【0022】
10 ガスタービンシステム
12 圧縮機
14 燃焼器アセンブリ
16 タービン
18 シャフト
20 燃焼室
22 燃料予混合器
24 空気流
26 燃料源
28 ダクト
30 内壁
32 内部領域
34 第1の端部
36 第2の端部
38 中心本体部
40 第1の翼部
42 第2の翼部
44 流れ経路
46 比較的平面状の翼
48 第1の軸方向位置
50 スワラ翼
52 第2の軸方向位置
54 比較的平面状の部分
56 下流部分
58 インライン平面
60 前縁部