(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1の実施形態>
(水晶発振器の概要)
図1を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る発振器の一例である水晶発振器1の概要について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る水晶発振器1の機能構成の一例を示す図である。
【0016】
水晶発振器1は、携帯機器等の様々な電子機器に搭載可能であり、所定周期の安定した発振信号を供給し続けるタイミングデバイスである。
図1に示すように、水晶発振器1は、発振部10と、フィルタ部20と、発熱部30と、温度センサ40と、温度制御回路42とを含む。
【0017】
発振部10は、所定周波数の発振信号を出力する。発振部10は、第1水晶振動子12と発振回路14を有する。発振回路14は、第1水晶振動子12を発振させることで発振信号を出力させる。なお、発振信号とともに不要な雑音成分も、発振部10から出力されうる。
【0018】
フィルタ部20は、第2水晶振動子22を有し、発振部10から出力された発振信号の中から所定の信号成分のみを通過させる。フィルタ部20は、マッチング回路24a、24b、24cを更に含み、発振部10から出力される不要な雑音成分を除去する。即ち、フィルタ部20は、発振信号の発振周波数と異なる離調周波数における減衰量が、発振周波数における減衰量よりも大きい周波数特性を有する。
【0019】
発熱部30は、電圧の供給に伴い流れる電流に応じて発熱する。発熱部30は、発熱することにより、発振部10の第1水晶振動子12やフィルタ部20の第2水晶振動子22を加熱する機能を有する。発熱部30は、第1水晶振動子12を加熱する第1発熱素子32と、第2水晶振動子22を加熱する第2発熱素子34とを含む。
【0020】
温度センサ40は、発振部10の第1水晶振動子12やフィルタ部20の第2水晶振動子22の周囲温度を測定する。温度センサ40としては、例えばサーミスタが用いられる。なお、後述するように、温度センサ40は、第1水晶振動子12と第2水晶振動子22のうちの第1水晶振動子12の近傍に配置されている。このため、温度センサ40は、第1水晶振動子12の周囲温度を精度良く測定できる。
【0021】
温度制御回路42は、発熱部30に流す電流量を制御することで、加熱対象の第1水晶振動子12や第2水晶振動子22の周囲温度を一定に保つ。具体的には、温度制御回路42は、温度センサ40の出力電圧が目標温度に対応する基準電圧と一致するように、発熱部30に流す電流量を制御する。
【0022】
(水晶発振器の内部構造)
図2を参照しながら、第1の実施形態に係る水晶発振器1の内部構造について説明する。
図2は、第1の実施形態に係る水晶発振器1の内部構造を示す図である。
図2(a)は水晶発振器1の平面図であり、
図2(b)は
図2(a)の矢印A方向から見た水晶発振器1の側面図である。
【0023】
図2に示すように、水晶発振器1は、前述した第1水晶振動子12、第2水晶振動子22、第1発熱素子32、第2発熱素子34、及び温度センサ40が取り付けられた基板60を含む。
【0024】
基板60は、
図2(a)に示すように矩形の形状を有し、
図2(b)に示すように両面(すなわち、表面62及び裏面64)に電子部品が取り付けられている。本実施形態では、表面62が第1面に該当し、裏面64が第2面に該当する。
【0025】
また、基板60は、
図2(b)に示すように、ピン80によってベース部材70に固定されている。また、基板60は、カバー部材72によって覆われている。そして、ベース部材70とカバー部材72によって密閉された空間(当該空間は、いわゆる恒温槽になっている)に、電子部品が取り付けられた基板60が配置されている。なお、
図2(a)では、説明の便宜上、ベース部材70及びカバー部材72が省略されている。
【0026】
基板60の主面である表面62には、発振部10の第1水晶振動子12と、第1発熱素子32と、温度センサ40とが取り付けられている。第1発熱素子32として、本実施形態では二つのトランジスタ32aと二つの抵抗体32bとが取り付けられている。
【0027】
第1水晶振動子12は、
図2(b)に示すように、ピン16によって表面62との間に隙間ができるように取り付けられている。本実施形態において第1水晶振動子12の外観形状は、円柱状であるものとする。なお、第1水晶振動子12の内部構造は、公知の構造と同一なので、詳細な説明は省略する。
【0028】
トランジスタ32aと抵抗体32bは、第1水晶振動子12と表面62の隙間に取り付けられている。また、トランジスタ32aと抵抗体32bは、第1水晶振動子12の中心から放射状に、かつ周方向において等間隔で交互に配置されている。このように発熱素子を配置することで、第1水晶振動子12を効率良く加熱できる。
【0029】
温度センサ40は、第1水晶振動子12の中央側の下方に位置し、第1水晶振動子12の周囲温度を測定する。このため、第1水晶振動子12の温度を高精度に管理できる。ところで、本実施形態では、第1水晶振動子12の近傍に温度センサ40を配置する一方で、第2水晶振動子22の近傍には温度センサを配置していない。これは、以下の理由からである。
【0030】
すなわち、温度変化による影響は、フィルタ部20の減衰特性よりも発振部10の出力周波数の方が大きい。このため、水晶発振器1から出力される出力信号の雑音特性向上のためには、発振部10の第1水晶振動子12の温度管理を高精度に行わなければならない一方で、フィルタ部20の第2水晶振動子22の温度管理については高精度が要求されない。
【0031】
基板60の裏面64には、フィルタ部20の第2水晶振動子22と、第2発熱素子34とが取り付けられている。第2発熱素子34として、本実施形態では二つのトランジスタ34aと二つの抵抗体34bとが取り付けられている。
【0032】
第2水晶振動子22は、
図2(b)に示すように、ピン26によって裏面64との間に隙間ができるように取り付けられている。第2水晶振動子22の外観形状は、第1水晶振動子12と同一である。
【0033】
本実施形態において、
図2(a)に示すように、第2水晶振動子22の裏面64への取付領域(第2取付領域)の一部が、第1水晶振動子12の表面62への取付領域(第1取付領域)と重なっている。このように、基板60の両面に取付領域が重なるように二つの水晶振動子を取り付けることによって、基板60において二つの水晶振動子の取り付けに要する部分を狭くできるので、基板60のサイズも小さくできる。この結果、水晶発振器1も小型化することができる。
【0034】
トランジスタ34aと抵抗体34bは、第2水晶振動子22と裏面64の隙間に取り付けられている。また、トランジスタ34aと抵抗体34bは、第2水晶振動子22の中心から放射状に、かつ周方向において等間隔で交互に配置されている。このように発熱素子を配置することで、第2水晶振動子22を効率良く加熱できる。
【0035】
また、本実施形態では、
図2(a)に示すように、第1取付領域と第2取付領域との重なっている領域(重複領域とも呼ぶ)に、第2発熱素子34の抵抗体34bと第1発熱素子32の抵抗体32bとが取り付けられている。これにより、重複領域に二つの発熱素子が配置されることにより、重複領域に対応する第1水晶振動子12と第2水晶振動子22の部分への熱の伝達が促進されるので、第1水晶振動子12と第2水晶振動子22を効率良く加熱できる。
【0036】
また、
図2(a)に示すように、基板60には、第1水晶振動子12、第2水晶振動子22、第1発熱素子32、及び第2発熱素子34の周囲を囲むように、貫通溝66が形成されている。このような貫通溝66を形成した場合には、貫通溝66で囲まれた領域(
図1に示す加熱領域R)に熱が伝達されやすい一方で、加熱領域Rの外側の領域には熱が伝達され難い。これにより、加熱領域R内の第1発熱素子32及び第2発熱素子34が発した熱が、第1水晶振動子12や第2水晶振動子22に効率良く伝達される。
【0037】
なお、基板60の第1水晶振動子12や第2水晶振動子22の取付領域に対応する部分に、多数のスルーホールを形成しても良い。かかる場合には、例えば裏面64に取り付けられた第2発熱素子34が発した熱が、スルーホールを介して表面62側に伝達され、第1水晶振動子12の加熱に寄与できる。
【0038】
なお、基板60は、例えば樹脂基板であっても良い。かかる場合には、基板60の内部において第1水晶振動子12や第2水晶振動子22の取付領域に対応する部分に、銅層を形成しても良い。このようにすることで、銅層によって熱が伝達されやすくなるため、樹脂基板に取り付けられた第1水晶振動子12や第2水晶振動子22を加熱しやすくなる。
【0039】
上記では、第1発熱素子32のトランジスタ32a及び抵抗体32bの数は、それぞれ2個であることとしたが、これに限定されず、例えばそれぞれ3個以上又は1個であっても良い。また、第1発熱素子32は、抵抗体32bのみで構成されても良い。第2発熱素子34についても、第1発熱素子32と同様な構成であっても良い。
【0040】
また、上記では、第1水晶振動子12及び第1発熱素子32が基板60の表面62に取り付けられ、第2水晶振動子22及び第2発熱素子34が裏面64に取り付けられていることとしたが、これに限定されない。例えば、第1水晶振動子12及び第1発熱素子32が裏面64に取り付けられ、第2水晶振動子22及び第2発熱素子34が表面62に取り付けられても良い。
【0041】
(第1の実施形態に係る水晶発振器の有効性)
上述した第1の実施形態に係る水晶発振器1の有効性について、
図3に示す比較例と対比しながら説明する。
図3は、比較例に係る水晶発振器900の内部構造を示す図である。
図3(a)は水晶発振器900の平面図であり、
図3(b)は水晶発振器900の側面図である。
【0042】
比較例においては、基板960の表面962と裏面964のうちの表面962に、発振用の第1水晶振動子912とフィルタ用の第2水晶振動子922とが取り付けられている。第1水晶振動子912と第2水晶振動子922の接触を避けるために、第1水晶振動子912と第2水晶振動子922を離して取り付ける必要がある。基板60において二つの水晶振動子の取り付けに要する部分が広くなるので、基板960のサイズも大きくなりやすい。また、第1水晶振動子912を加熱するトランジスタ932a及び抵抗体932bと、第2水晶振動子922を加熱するトランジスタ934a及び抵抗体934bとが、基板960の表面962に取り付けられている。このように多数の発熱素子を同じ面に取り付ける場合には、取付できる位置の制約もあり、基板960のサイズが大きくなりやすい。
【0043】
これに対して、第1の実施形態では、水晶発振器1の基板60の第1面(ここでは表面62)に第1水晶振動子12が取り付けられ、基板60の第1面とは反対側の第2面(ここでは裏面64)に第2水晶振動子22が取り付けられている。そして、第1水晶振動子12が取り付けられた表面62の第1取付領域の一部は、第2水晶振動子22が取り付けられた裏面64の第2取付領域と重なっている。
【0044】
かかる場合には、基板60のサイズが小さくても、表面62だけで無く裏面64を活用することで、基板60において二つの水晶振動子の取り付けに要する部分を狭くできる。この結果、水晶発振器1を小型化することができる。特に、第1取付領域と第2取付領域との重なる重複領域を大きくする場合には、基板60のサイズを一層小さくできるので、水晶発振器1の小型化に有効である。
【0045】
また、第1水晶振動子12と第2水晶振動子22を重なるように取り付けることで、第1水晶振動子12を加熱する第1発熱素子32によって、第2水晶振動子22の加熱を促すことが可能となる。同様に第2水晶振動子22を加熱する第2発熱素子34によって、第1水晶振動子12の加熱を促すことが可能となる。また、上記のように水晶発振器1が小型化されることで、熱効率を更に高めることが可能となる。
【0046】
<第2の実施形態>
図4を参照しながら、水晶発振器1の内部構造の第2の実施形態について説明する。
図4は、第2の実施形態に係る水晶発振器1の内部構造を示す図である。
図4(a)は水晶発振器1の平面図であり、
図4(b)は水晶発振器1の側面図である。
【0047】
第2の実施形態においても、発振部10(
図1)の第1水晶振動子212は、基板260の表面262に端子214を介して取り付けられている。フィルタ部20(
図1)の第2水晶振動子222は、裏面264に端子224を介して取り付けられている。第1水晶振動子212と第2水晶振動子222の外観形状は、円柱状の第1の実施形態とは異なり、直方体となっている。このため、第1水晶振動子212と第2水晶振動子222は、それぞれ4つの側面213a〜213d、側面223a〜223dを有する。
【0048】
このように、第1水晶振動子212を表面262に取り付け、第2水晶振動子222を裏面264に取り付けることで、基板260のサイズが小さくても、第1水晶振動子212と第2水晶振動子222を取り付けることができる。この結果、水晶発振器1を小型化することができる。
【0049】
なお、振動子212(222)の端子214(224)が繋がった側面213b(223d)に、側面213b(223d)よりも広いフランジが設けられている場合がある。かかる場合には、基板260にフランジを逃げるための逃げ孔を形成することで、第1水晶振動子212と第2水晶振動子222の取付領域が重なる範囲を広くできる。かかる場合には、基板260のサイズを一層小さくできるので、水晶発振器1の小型化に有効である。
【0050】
また、第1水晶振動子212を加熱するトランジスタ232aが表面262に、第2水晶振動子222を加熱するトランジスタ234aが裏面264に、それぞれ取り付けられている。第2の実施形態では、トランジスタ232aが第1発熱素子に該当し、トランジスタ234aが第2発熱素子に該当する。なお、第2の実施形態では、発熱素子として抵抗体が用いられていないが、第1の実施形態と同様に抵抗体を取り付けても良い。
【0051】
図4(a)に示すように、トランジスタ232aは、第1水晶振動子212の側面213aに隣接し、トランジスタ234aは、第2水晶振動子222の側面223cに隣接する。すなわち、水晶発振器1を平面視した際に、トランジスタ232aとトランジスタ234aが対向する位置関係にある。ここで、側面223cは、第1水晶振動子212の側面213aと対向する側面213cに対して基板260から見て反対側に位置する反対側面である。
【0052】
トランジスタ232a(234a)を振動子212(222)の側面213a(223c)に隣接させることで、振動子を効果的に加熱することができる。また、トランジスタ232aが発した熱は、第2水晶振動子222を加熱する機能も有する。このため、平面視した際にトランジスタ232aとトランジスタ234aが対向する位置関係にあることで、少ない数の発熱素子により第1水晶振動子212及び第2水晶振動子222を加熱することが可能となる。
【0053】
第2の実施形態でも、第1水晶振動子212、第2水晶振動子222、トランジスタ232a、及びトランジスタ234aの周囲を囲むように、貫通溝266が形成されている。これにより、トランジスタ232a、234aが発した熱が、第1水晶振動子212や第2水晶振動子222に効率良く伝達される。
【0054】
第2の実施形態でも温度センサ40が基板260の表面262に取り付けられている。温度センサ40は、
図4(a)に示すように第1水晶振動子212の側面213aと側面213bとの角に隣接している。これにより、第1水晶振動子212の温度を高精度に管理できる。
【0055】
上記では、トランジスタ232aが側面213aに隣接し、トランジスタ234aが側面223cに隣接することとしたが、これに限定されない。例えば、トランジスタ232aが側面213bに隣接し、トランジスタ234aが側面223dに隣接しても良い。かかる場合には、トランジスタ232a、234aが、それぞれ端子214、224に接触しないように配置することが望ましい。なお、上述した以外の構成は、第1の実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略するものとする。
【0056】
<第3の実施形態>
図5を参照しながら、水晶発振器1の内部構造の第3の実施形態について説明する。
図5は、第3の実施形態に係る水晶発振器1の内部構造を示す図である。
図5(a)は水晶発振器1の平面図であり、
図5(b)は水晶発振器1の側面図である。以下では、第2の実施形態と異なる構成について主に説明する。
【0057】
第3の実施形態では、第1水晶振動子212が基板260の表面262に、第2水晶振動子222が裏面264に、それぞれ半田等で直接取り付けられている。すなわち、第1水晶振動子212と第2水晶振動子222の底面が、それぞれ半田で基板260に固定されている。このように半田で取り付ける場合には、基板260から熱が伝達されやすくなり、第1水晶振動子212と第2水晶振動子222を効率良く加熱できる。
【0058】
また、第1水晶振動子212及び第2水晶振動子222の底面を基板に直接取り付ける場合には、第1水晶振動子212の取付領域と第2水晶振動子222の取付領域とを全部重ねることが可能である。かかる場合には、基板260のサイズを一層小さくできるので、水晶発振器1の小型化により有効である。
【0059】
第3の実施形態では、第1水晶振動子212と第2水晶振動子222とにそれぞれ二つのトランジスタが隣接している。具体的には、第1水晶振動子212の側面213aと側面213cにそれぞれトランジスタ332aが隣接し、第2水晶振動子222の側面223bと側面223dにそれぞれトランジスタ334aが隣接している。すなわち、水晶発振器1を平面視した際に、4つのトランジスタが、振動子の4つの異なる側面にそれぞれ隣接する位置関係にある。ここで、側面213aと側面213cが第1側面対に該当し、側面223bと側面223dが第2側面対に該当する。
【0060】
水晶発振器1を平面視した際に、4つのトランジスタが振動子の4つの異なる側面にそれぞれ隣接することで、振動子全体を均等に加熱しやすくなるので、第1水晶振動子212及び第2水晶振動子222を効率良く加熱できる。
【0061】
上記では、基板260の表面262側の二つのトランジスタ332aが、対向する側面213a及び側面213cに隣接することとしたが、これに限定されない。例えば、二つのトランジスタ332aが、側面213aと側面213bに隣接しても良い。かかる場合には、裏面264側の二つのトランジスタ334aが、側面223cと側面223dに隣接することが望ましい。これにより、水晶発振器1を平面視した際に、4つのトランジスタが、振動子の4つの異なる側面にそれぞれ隣接する位置関係となる。
【0062】
<第4の実施形態>
図6を参照しながら、水晶発振器1の内部構造の第4の実施形態について説明する。
図6は、第4の実施形態に係る水晶発振器1の内部構造を示す図である。
図6(a)は水晶発振器1の平面図であり、
図6(b)は水晶発振器1の側面図である。以下では、第2の実施形態及び第3の実施形態と異なる構成について主に説明する。
【0063】
第4の実施形態では、第1水晶振動子212が基板260の表面262に、第2水晶振動子222が裏面264に、それぞれ半田等で直接取り付けられている。すなわち、第1水晶振動子212と第2水晶振動子222の底面が、それぞれ半田で基板260に固定されている。このように半田で取り付ける場合には、基板260から熱が伝達されやすくなり、第1水晶振動子212と第2水晶振動子222を効率良く加熱できる。
【0064】
また、第1水晶振動子212及び第2水晶振動子222の底面を基板に直接取り付ける場合には、第1水晶振動子212の取付領域と第2水晶振動子222の取付領域とを全部重ねることが可能である。かかる場合には、基板260のサイズを一層小さくできるので、水晶発振器1の小型化により有効である。
【0065】
第4の実施形態では、第1水晶振動子212と第2水晶振動子222とにそれぞれ2つのトランジスタが隣接している。具体的には、第1水晶振動子212の側面213aと側面213cにそれぞれトランジスタ432aが隣接し、第2水晶振動子222の側面223aと側面223cにそれぞれトランジスタ434aが隣接している。すなわち、水晶発振器1を平面視した際に、4つのトランジスタが水晶振動子の対向する側面に配置されている。そして、側面213a及び側面223a側に隣接した二つのトランジスタは、表裏で互い違いに配置される位置関係となり、側面213c及び側面223c側に隣接した二つのトランジスタも、表裏で互い違いに配置される位置関係となる。
【0066】
水晶発振器1を平面視した際に、4つのトランジスタが一つの側面に2個ずつ配置され、かつ対向する側面を挟み込むように配置されることで、振動子全体を均等に加熱しやすくなるので、第1水晶振動子212及び第2水晶振動子222を効率良く加熱できる。
【0067】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。