(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の熱源がそれぞれSSRを介して3相交流電源に接続され、複数のSSRの開閉制御による熱源への通電制御を行うことによって制御対象の温度制御を行う温度制御装置であって、
少なくとも前記制御対象の温度を検出し、該検出した温度が目標温度となるように各熱源に対する制御操作量を演算する操作量演算部と、
3相出力の1周期を制御周期とする同一の制御タイミングで、各熱源に対応する各SSRに対して入力された前記制御操作量を取得し、取得した制御操作量が所定値以上である場合、前記SSRを開閉制御する開閉制御信号をオン信号として出力し、前記制御操作量が前記所定値未満である場合、前記開閉制御信号をオフ信号として出力し、前記制御操作量が所定値を超える場合、前記開閉制御信号をオン信号として出力するとともに前記制御操作量から前記所定値を減算した値を繰越操作量として設定し、次の前記制御タイミングにおいて取得する前記制御操作量に前記繰越操作量を加算する開閉信号出力制御部と、
3相出力の1周期内で、該1周期を6分割した分割時間を単位とし前記制御タイミングを基準として各SSRへの前記開閉制御信号をずらして分散出力する分散出力制御部と、
を備えたことを特徴とする温度制御装置。
前記分散出力制御部は、入力された前記開閉制御信号をもとに各SSRを開閉制御する際、前記3相出力のうちの少なくとも所定の1相出力を基準相出力として入力し、前記基準相出力のゼロクロスタイミングから1周期内で、該1周期を6分割した分割時間を単位として各SSRへの前記開閉制御信号をずらして分散出力することを特徴とする請求項1に記載の温度制御装置。
前記操作量演算部と前記開閉信号出力制御部との間に設けられ、予め各熱源に対する初期操作量が異なるように設定し、最初の制御タイミングで、前記操作量演算部から出力された制御操作量に前記初期操作量を加算した指令操作量を前記開閉信号出力制御部に出力する初期分散出力制御部を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の温度制御装置。
複数の熱源がそれぞれSSRを介して3相交流電源に接続され、複数のSSRの開閉制御による熱源への通電制御を行うことによって制御対象の温度制御を行う温度制御方法であって、
少なくとも前記制御対象の温度を検出し、該検出した温度が目標温度となるように各熱源に対する制御操作量を演算する操作量演算ステップと、
3相出力の1周期を制御周期とする同一の制御タイミングで、各熱源に対応する各SSRに対して入力された前記制御操作量を取得し、取得した制御操作量が所定値以上である場合、前記SSRを開閉制御する開閉制御信号をオン信号として出力し、前記制御操作量が前記所定値未満である場合、前記開閉制御信号をオフ信号として出力し、前記制御操作量が所定値を超える場合、前記開閉制御信号をオン信号として出力するとともに前記制御操作量から前記所定値を減算した値を繰越操作量として設定し、次の前記制御タイミングにおいて取得する前記制御操作量に前記繰越操作量を加算する開閉信号出力制御ステップと、
3相出力の1周期内で、該1周期を6分割した分割時間を単位とし前記制御タイミングを基準として各SSRへの前記開閉制御信号をずらして分散出力する分散出力制御ステップと、
を含むことを特徴とする温度制御方法。
予め各熱源に対する初期操作量が異なるように設定し、最初の制御タイミングで、前記操作量演算ステップで演算された制御操作量に前記初期操作量を加算した指令操作量を前記開閉信号出力制御ステップに出力する初期分散出力制御ステップを含むことを特徴とする請求項8に記載の温度制御方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、精度の高い温度制御を実現するためには、オンオフ制御に替えて、連続的に熱を発生させる連続制御が有効である。したがって、全ての熱源に対して連続制御を行うことが好ましい。しかし、全ての熱源に対する連続制御を行おうとすると、部品点数が増えて装置が大型化してしまうという問題があった。
【0006】
そこで、装置の小型化を達成するため、上述したSSRを用いて複数の熱源を制御することが考えられる。しかし、交流電源を用い、複数の熱源に対して複数のSSRによるオンオフ制御を行う際、複数の熱源が同時にオン状態となる。この場合、突入電流が発生する。この突入電流の発生がある場合、温度制御装置は、この突入電流に耐え得る仕様の装置にする必要があるとともに、電気部品の容量を大きくする必要がある。
【0007】
このため、特許文献1,2では、複数の熱源に対するSSRのオン指令が同時に発生した場合、オン指令を逐次、時間的にずらし、SSRの同時オンによる電力の集中を抑えている。
【0008】
しかしながら、特許文献1,2に記載された装置では、装置が複雑であるとともに、単相交流電源を用いることを前提としていることから、交流電流のきめの細かい温度制御を簡易に行うことは困難である。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、複数のSSRを用いて複数の熱源に対する交流電流のオンオフ制御を行う場合であっても、簡易な構成で、きめの細かい制御を行って制御対象の温度制御を精度高く行うことができる温度制御装置及び温度制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる温度制御装置は、複数の熱源がそれぞれSSRを介して3相交流電源に接続され、複数のSSRの開閉制御による熱源への通電制御を行うことによって制御対象の温度制御を行う温度制御装置であって、少なくとも前記制御対象の温度を検出し、該検出した温度が目標温度となるように各熱源に対する制御操作量を演算する操作量演算部と、各熱源に対応する各SSRに、入力された前記制御操作量が所定値以上である場合、開閉制御信号をオン信号として出力し、前記制御操作量が所定値を超えて余る場合、残余の操作量を繰越操作量として設定し、次の制御タイミングにおける前記制御操作量に前記繰越操作量を加算する開閉信号出力制御部と、前記開閉制御信号をもとに、3相出力の1周期内で、該1周期を6分割した分割時間を単位として各SSRへの開閉制御信号をずらして分散出力する分散出力制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる温度制御装置は、上記の発明において、前記分散出力制御部は、入力された前記開閉制御信号をもとに各SSRを開閉制御する際、前記3相出力のうちの少なくとも所定の1相出力を基準相出力として入力し、前記基準相出力のゼロクロスタイミングから1周期内で、該1周期を6分割した分割時間を単位として各SSRへの開閉制御信号をずらして分散出力することを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる温度制御装置は、上記の発明において、前記分散出力制御部は、前記分割時間を、商用電源の既知の1周期を6分割した時間に設定し、前記3相出力の1周期内で、前記分割時間を単位として各SSRへの開閉制御信号をずらして分散出力することを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる温度制御装置は、上記の発明において、前記開閉制御信号は、1周期長を単位とするオンオフ信号であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかる温度制御装置は、上記の発明において、前記操作量演算部と前記開閉信号出力制御部との間に設けられ、予め各熱源に対する初期操作量が異なるように設定し、最初の制御タイミングで、前記操作量演算部から出力された制御操作量に前記初期操作量を加算した指令操作量を前記開閉信号出力制御部に出力する初期分散出力制御部を備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明にかかる温度制御装置は、上記の発明において、前記初期操作量は、0を含む負の異なる値であることを特徴とする。
【0016】
また、本発明にかかる温度制御装置は、上記の発明において、前記SSRは、トライアックを含む半導体スイッチであることを特徴とする。
【0017】
また、本発明にかかる温度制御方法は、複数の熱源がそれぞれSSRを介して3相交流電源に接続され、複数のSSRの開閉制御による熱源への通電制御を行うことによって制御対象の温度制御を行う温度制御方法であって、少なくとも前記制御対象の温度を検出し、該検出した温度が目標温度となるように各熱源に対する制御操作量を演算する操作量演算ステップと、各熱源に対応する各SSRに、入力された前記制御操作量が所定値以上である場合、開閉制御信号をオン信号として出力し、前記制御操作量が所定値を超えて余る場合、残余の操作量を繰越操作量として設定し、次の制御タイミングにおける前記制御操作量に前記繰越操作量を加算する開閉信号出力制御ステップと、前記開閉制御信号をもとに、3相出力の1周期内で、該1周期を6分割した分割時間を単位として各SSRへの開閉制御信号をずらして分散出力する分散出力制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0018】
また、本発明にかかる温度制御方法は、上記の発明において、予め各熱源に対する初期操作量が異なるように設定し、最初の制御タイミングで、前記操作量演算ステップで演算された制御操作量に前記初期操作量を加算した指令操作量を前記開閉信号出力制御ステップに出力する初期分散出力制御ステップを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、開閉信号出力制御部が、各熱源に対応する各SSRに、操作量演算部が演算した制御操作量が所定値以上である場合、前記SSRの開閉制御信号をオン信号として出力し、前記制御操作量が所定値を超えて余る場合、残余の操作量を繰越操作量として設定し、次の制御タイミングにおける前記制御操作量に前記繰越操作量を加算し、分散出力制御部が前記開閉制御信号をもとに、3相出力の1周期内で、該1周期を6分割した分割時間を単位として各SSRへの開閉制御信号をずらして分散出力するようにしている。これにより、複数のSSRを用いて複数の熱源に対する交流電流のオンオフ制御を行う場合であっても、簡易な構成で、きめの細かい制御を行って制御対象流体の温度制御を精度高く行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
【0022】
(実施の形態1)
[全体構成]
図1は、本発明の実施の形態1である温度制御装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、この温度制御装置は、流入する純水Wを温度制御対象流体とする純水加熱装置である。この温度制御装置は、ハロゲンランプなどの複数の熱源11〜16をオンオフ制御して熱源11〜16から純水Wに熱を供給し、純水Wを目標温度SVに温度制御して出力するものである。純水Wは、各熱源11〜16から熱が供給される領域を形成するボトル21〜26内を通る。ボトル21〜26は、順次接続されている。そして、純水Wは、ボトル21〜26を通過する際、コントローラCの制御のもとに、熱源11〜16から順次、熱の供給を受けて温度制御される。
【0023】
複数の熱源11〜16には、それぞれ複数のSSR1〜6を介して3相電源7が接続される。また、3相電源7から各熱源11〜16への電源供給は、それぞれSSR1〜6のスイッチングによって制御される。
【0024】
SSR1〜6は、入力側(コントローラC側)と出力側(熱源11〜16側)とが絶縁されている。SSR1〜6の入力側と出力側とは、フォトトライアックカプラなどによって光接続される。SSR1〜6の出力側には3相電源7の各相をスイッチングによって導通させるトライアックなどの半導体スイッチが設けられる。オンオフ信号である開閉制御信号DBがSSR1〜6の入力側に入力されると、フォトトライアックカプラを介してSSR1〜6の出力側に開閉制御信号DBが送られる。出力側のトライアックは、交流電流のゼロクロス点で開閉制御信号DBがオンの場合、交流電流を導通し、次のゼロクロス点までこの導通状態を維持する。トライアックは、次のゼロクロス点で開閉制御信号DBがオンの場合、さらに交流電流の導通を維持し、次のセロクロス点で開閉制御信号DBがオフの場合、交流電流の導通を遮断するラッチ機能を有する。
【0025】
一方、コントローラCは、操作量演算部30と開閉信号出力部50と分散出力制御部60とを有する。操作量演算部30には、目標温度SVと、最上流側のボトル26の入口側に配置された温度センサS1が検出した入口温度PVinと、最下流側のボトル21の出口側に配置された温度センサS0が検出した出口温度PVoutと、流量センサ31から送られる純水Wの流量Fとが入力される。操作量演算部30は、入口温度PVinと、出口温度PVoutと、流量Fを加味したボトル21〜26内の純水Wの熱容量とをもとに各ボトル22〜26の出口温度を推定し、ボトル21〜26から出力される純水Wの温度を目標温度SVにするための制御操作量MVを演算して開閉信号出力制御部50に出力する。この制御操作量MVは、0〜100%の値で示される。また制御操作量MVは、熱源11〜16毎に演算する。
【0026】
開閉信号出力制御部50は、各熱源11〜16に対応する各SSR1〜6に、入力された制御操作量MVが所定値(例えば100%)以上である場合、開閉制御信号DAをオン信号として出力してSSR1〜6をオンさせ、制御操作量MVが所定値を超えて余る場合、残余の操作量を繰越操作量として設定し、次の制御タイミングにおける制御操作量MVに繰越操作量を加算する。なお、開閉信号出力制御部50は、初期状態として開閉制御信号DAをオフ(オフ信号)にしており、入力された制御操作量MVが所定値(例えば100%)未満である場合、開閉制御信号DAをオフ状態にする。
【0027】
分散出力制御部60は、開閉信号出力制御部50が出力した開閉制御信号DAを各SSR1〜6に出力する際、3相電源7の3相出力のうちの所定の1相出力(R相)を基準相出力として入力し、R相のゼロクロスタイミングから1周期内で、該1周期を6分割した分割時間を単位として各SSR1〜6に対して開閉制御信号DAをずらし、時間的に分散した開閉制御信号DBを生成して出力する。
【0028】
[分散出力制御処理]
ここで、
図2に示したフローチャートを参照して、分散出力制御部60による分散出力制御処理手順について説明する。なお、分散出力制御部60は、各熱源11〜16に、各熱源11〜16を制御する開閉制御信号DBを出力する。ここでは、熱源12に対する分散出力制御処理手順について説明する。
【0029】
分散出力制御部60は、最初に割当数Nを取得する(ステップS101)。この割当数Nは、各熱源11〜16に対して割り当てたゼロクロスの順番位置に対応する数である。各熱源11〜16に対する割当数Nは、それぞれ0〜5である。したがって、熱源12に対する割当数Nは、1である。なお、後述するように、割当数Nは、熱源11〜16の数が増減しても、0〜5の値である。これは、3相出力では、1周期のゼロクロスが6つであるため、上述した分割時間を単位とする分散時間の種類が最大6つであるからである。
【0030】
その後、割当数Nをもとに、分散時間ΔTを算出する(ステップS102)。分散時間ΔTは、1周期に(N/6)を乗算した値である。したがって、熱源12に対する分散時間ΔTは、1周期が20msec(3相電源7の周波数=50Hzの場合)となり、20×(1/6)msecとなる。
【0031】
その後、分散出力制御部60は、3相電源7の基準相(R相)の1周期のゼロクロスを検出する(ステップS103)。さらに、分散出力制御部60は、分散時間ΔTを経過したか否かを判断する(ステップS104)。すなわち、分散出力制御部60は、R相のゼロクロス検出時点からの経過時間が分散時間ΔTとなったか否かを判断する。なお、ステップS103では、1周期のゼロクロスを検出するのは、1周期内のR相は、2つのゼロクロスが存在するからである。
【0032】
分散時間ΔTを経過していない場合(ステップS104,No)、分散出力制御部60は、この判断処理を繰り返す。一方、分散時間ΔTを経過した場合(ステップS104,Yes)、分散出力制御部60は、制御対象の熱源11〜16に対するSSR1〜6に開閉制御信号DBを出力し(ステップS105)、ステップS103に移行して上述した処理を繰り返す。ここで、分散時間ΔTは、最大6つであるため、熱源11〜16が6つの場合、各熱源11〜16に対してすべて異なる分散時間ΔTを設定することができる。なお、開閉制御信号DBは、1周期長を単位とするオンオフ信号である。
【0033】
上述した分散出力制御処理では、1周期内で、各熱源11〜16に対して入力された開閉制御信号DAを異なる分散時間ΔTを用いて時間的にずらして出力することによって開閉制御信号DBを時間的に分散出力している。
【0034】
[分散出力制御処理の一例]
ここで、
図3及び
図4に示したタイムチャートを参照して、分散出力制御処理の一例について説明する。
図3及び
図4では、6つの熱源11〜16に対して操作量演算部30から入力される制御操作量MVが同時に50%である状態が続く場合であって、開閉信号制御部50から入力される開閉制御信号DAが同時にオンとなった場合における分散出力制御処理を示している。
【0035】
図3に示すように、各熱源11〜16に対する開閉制御信号DB(DB1〜DB6)は、順次、R相のゼロクロス時点t1から分割時間分、時間的に遅れてオン出力される(t2〜t6)。この結果、全体電力量は、1周期をかけて緩やかに増大し、その後に全ての開閉制御信号DB1〜DB6が時間的に遅れてオフになる(t7〜t12)ため、1周期をかけて緩やかに減少する。
【0036】
図4は、
図3に示した開閉制御信号DB1〜DB6が出力された場合の各電源11〜16に流れる電流波形を示している。
図4に示すように、各熱源11〜16に流れる電流は、開閉制御信号DB1〜DB6と同様に、1周期内で分散出力される。特に、
図4では、制御操作量が50%であるため、開閉制御信号DA1〜DA6のオンオフが同時に繰り返される場合であっても、平坦な電力分布となる。
【0037】
特に、起動後の定常動作時は、低操作量である場合が多いが、この分散出力制御処理を行うことによって、オンオフ信号である開閉制御信号DA1〜DA6を用いても、連続制御と同等の処理を行うことができる。この結果、定常動作時における熱源11〜16間の温度差を小さくすることができ、きめが細かく精度の高い温度制御を実現することができる。すなわち、上述した分散出力制御処理では、3相出力が1周期で時間的に分散した6つのゼロクロスが発生することを利用して、開閉制御信号DA1〜DA6を1周期内で分散出力し、純水Wの温度制御を精度高く行っている。
【0038】
また、上述した分散出力制御処理は、起動時にも適用できる。この起動時であっても、1周期内で電力分布を時間的に緩やかにすることができるため、突入電流の発生を抑制することができる。
【0039】
なお、上述した実施の形態1では、3相出力の1周期のゼロクロスに合わせて6つの熱源11〜16を制御するようにしていたが、熱源数は、これに限らない。例えば、
図5に示すように、1から8つまでの熱源11〜18を制御することもできる。ただし、熱源数に合わせて各熱源11〜18に接続する相出力を適切に設定することが必要である。例えば、
図5に示すように、熱源数が3つの場合、熱源11の割当数Nは0、熱源12の割当数Nは2、熱源13の割当数Nは4となる。また、熱源数が8つの場合、熱源11〜16は上述した実施の形態と同じ割当数Nと相出力とが設定される。一方、熱源17,18に対しては、他の熱源11〜16と重複して出力することになるが、各熱源17,18の出力を時間的に離隔して出力している。すなわち、割当数Nを1,4に設定している。
【0040】
また、上述した実施の形態では、分散出力制御部60が、3相電源7のR相を分散出力制御部60に入力し、R相を基準相としてR相のゼロクロスを検出していたが、他のS相あるいはT相を基準相としてゼロクロスを検出するようにしてもよい。さらに、3相のうちの2相のゼロクロスを検出してもよいし、3相すべてのゼロクロスを検出してもよい。このような複数相のゼロクロスを用いることによって、分散時間ΔTの計時処理が軽減される。
【0041】
なお、基準相のゼロクロスを用いなくてもよい。例えば、任意の時点を基準のゼロクロス時点とし、このゼロクロス時点から、使用する既知の電源周波数の1周期を6分割した分割時間を求める。この求めた分割時間を順次加算した値は分散時間ΔTとして用いることができる。任意の時点を基準のゼロクロス時点としても、出力される開閉制御信号DB1〜DB6は、1つの分割時間内に発生し、しかも、各開閉制御信号DB1〜DB6は、重複した分割時間内に発生することがない。そして、各SSR1〜6は、開閉制御信号DB1〜DB6のオン出力から分割時間未満内にオンするとともに、開閉制御信号DB1〜DB6のオフ出力から分割時間未満内にオフする。この結果、上述した実施の形態1によるSSR1〜6のオンオフと同じオンオフを行うことができる。
【0042】
(実施の形態2)
[全体構成]
次に、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態2では、装置の初期起動における突入電流の発生を抑えるようにしている。このため、
図6に示すように、実施の形態1の分散出力制御部60に替えて、出力制御部61を設け、開閉信号出力制御部50の前段に初期分散出力制御部40を新たに設けている。その他の構成は、実施の形態1と同じである。実施の形態2では、3相電源7のR相は出力制御部61に入力される。なお、初期分散出力制御部40は、熱源11〜16毎に対する制御を行う。
【0043】
[初期分散出力制御処理]
ここで、
図7に示すフローチャートを参照して、初期分散出力制御部40による初期分散出力制御処理手順について説明する。
図7に示すように、初期分散出力制御部40は、まず制御開始1回目の制御タイミングであるか否かを判断する(ステップS201)。
【0044】
制御開始1回目の制御タイミングである場合(ステップS201,Yes)、初期分散出力制御部40は、予め熱源11〜16毎に設定された初期操作量を取得する(ステップS202)。なお、各熱源11〜16の初期操作量は、
図10に示した熱源数が6つの場合の値が設定されている。具体的には、熱源11〜16に対する初期操作量は、それぞれ、0%、−(100%×1/熱源数=6)、−(100%×2/熱源数=6)、−(100%×3/熱源数=6)、−(100%×4/熱源数=6)、−(100%×5/熱源数=6)である。すなわち、熱源11〜16に対する初期操作量は、0%、−16.7%、−33.3%、−50.0%、−66.7%、−83.3%となる。これらの初期操作量は、熱源11が0である場合を除き、すべて負の値に設定している。また、各熱源11〜16に設定された初期操作量の負の値は同じ値にはならない。そして、初期操作量を負の値に設定しておくことによって、各熱源11〜16に対する全電力量を徐々に増やすことができ、突入電流を抑えることができる。
【0045】
その後、初期分散出力制御部40は、指令操作量OUTMVを算出して(ステップS203)、開閉信号出力制御部50に出力し、ステップS201に移行して上述した処理を繰り返す。このステップS203の指令操作量OUTMVは、初期操作量に、操作量演算部30が演算した制御操作量MVを加算することによって得られる。
【0046】
一方、制御開始1回目の制御タイミングでない場合(ステップS201,No)には、制御操作量MVを指令操作量OUTMVとして算出して(ステップS204)、開閉信号出力制御部50に出力し、ステップS201に移行し、上述した処理を繰り返す。
【0047】
[開閉信号出力制御処理]
ここで、
図8に示すフローチャートを参照して、開閉信号出力制御部50による開閉信号出力制御処理手順について説明する。
図8に示すように、開閉信号出力制御部50は、まず、出力操作量の算出を行う(ステップS301)。この出力操作量の算出は、初期分散出力制御部40が出力した指令操作量OUTMVに、前回の繰越操作量を加算する。
【0048】
その後、開閉信号出力制御部50は、出力操作量が100%(所定値)以上であるか否かを判断する(ステップS302)。出力操作量が100%以上である場合(ステップS302,Yes)、開閉制御信号DAをオン(ON)にする指示を出力制御部61に出力する(ステップS303)。そして、開閉信号出力制御部50は、繰越操作量を算出し(ステップS304)、ステップS301に移行し、上述した処理を繰り返す。このステップS304の繰越操作量の算出は、出力操作量から100%を減算する。
【0049】
一方、出力操作量が100%以上でない場合(ステップS302,No)には、開閉制御信号DAをオフ(OFF)にする指示を出力制御部61に出力する(ステップS305)。そして、開閉信号出力制御部50は、繰越操作量を算出し(ステップS306)、ステップS301に移行して上述した処理を繰り返す。このステップS306の繰越操作量の算出は、現在の出力操作量をそのまま繰越操作量とする。
【0050】
[出力制御処理]
さらに、
図9に示すフローチャートを参照して、出力制御部61による出力制御処理手順について説明する。
図9に示すように、まず、出力制御部61は、3相電源7の基準相(R相)の1周期のゼロクロスを検出する(ステップS401)。その後、出力制御部61は、検出した1周期のゼロクロスに合わせて、制御対象の熱源11〜16に対するSSR1〜6に開閉制御信号DBを出力し(ステップS402)、ステップS401に移行して上述した処理を繰り返す。
【0051】
[初期分散出力制御処理の一例]
ここで、
図11に示したタイムチャートをもとに、初期分散出力制御処理の一例を説明する。
図11に示した初期分散出力処理では、6つの熱源11〜16に対し、
図10に示したように、初期操作量を、0、及び−(100%/(熱源数=1〜5))とする負の値に設定している。なお、
図11では、各熱源11〜16に対する各制御操作量MVが50%であるときの開閉制御信号DB(DB1〜DB6)とそのときの熱源11〜16に流れる電流の出力状態を示している。
【0052】
図11に示すように、1回目の制御タイミングt11では、各熱源11〜16のいずれも50%で100%に達しておらず、2回目の制御タイミングt12で初めて、初期操作量が0である熱源11(SSR1)の出力操作量が100%になって開閉制御信号DB1がオンとなる。その後、3回目の制御タイミングt13で熱源12,13,14(SSR2,3,4)の出力操作量が100%以上となり、開閉制御信号DB2,DB3,DB4が始めてオンとなる。さらに、4回目の制御タイミングt14で熱源11,15,16(SSR1,5,6)の出力操作量が100%以上となり、開閉制御信号DB1,DB5,DB6がオンとなる。以後の制御タイミングでは、各制御タイミングで3つの熱源が100%以上となり、3つの開閉制御信号DBがオンとなることを繰り返す。
【0053】
そして、各SSR1〜6は、開閉制御信号DB1〜DB6に応じて熱源11〜16に交流電流を流す。これによって、起動初期時に、突入電流が発生することを抑えることができる。
【0054】
なお、上述した実施の形態2では、3相交流電源を用いた初期分散出力制御処理を行うものであった。しかし、この初期分散出力制御は、単相交流電源を用いた場合であっても、直流電源を用いた場合であっても、適用可能である。
【0055】
(実施の形態3)
[全体構成]
次に、本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態3では、実施の形態1に示した分散出力制御処理と実施の形態2に示した初期分散出力制御処理とを組み合わせている。すなわち、
図12に示すように、操作量演算部30の後段に、初期分散出力制御部40を設け、さらに初期分散出力制御部40の後段に開閉信号出力制御部50を設けるとともに、開閉信号出力制御部50の後段に分散出力制御部60を設けている。その他の構成は、実施の形態1,2と同じである。
【0056】
初期分散出力制御部40は、実施の形態2と同様に、制御開始1回目の制御タイミングで、操作量演算部30が出力した制御操作量MVに、予め各熱源11〜16に対して設定された初期操作量を加算した指令操作量OUTMVを開閉信号出力制御部50に出力する。そして、初期分散出力制御部40は、制御開始2回目の制御タイミングで、操作量演算部30が出力した制御操作量MVを指令操作量OUTMVとして開閉信号出力制御部50に出力する。
【0057】
開閉信号出力制御部50は、初期分散出力制御部40から入力された指令操作量OUTMVと前回の繰越操作量とを加算し、加算値が100%以上となった場合に、開閉制御信号DA(DA1〜DA6)をオンにして分散出力制御部60に出力する。
【0058】
分散出力制御部60は、3相電源7のR相出力のゼロクロスタイミングから1周期内で、1周期を6分割した分割時間を単位とする各熱源11〜16に対する分散時間ΔTを算出する。そして、分散出力制御部60は、各熱源11〜16に対する分散時間ΔTを用いて、入力された開閉制御信号DA1〜DA6を時間的にずらした開閉制御信号DB1〜DB6を生成して各SSR1〜6に対して分散出力する。
【0059】
[コントローラによる分散出力制御処理]
ここで、
図13に示すフローチャートを参照して、コントローラCによる分散出力制御処理手順について説明する。
図13に示すように、まず、初期分散出力制御部40は、まず制御開始1回目の制御タイミングであるか否かを判断する(ステップS501)。
【0060】
制御開始1回目の制御タイミングである場合(ステップS501,Yes)、初期分散出力制御部40は、予め熱源11〜16毎に設定された初期操作量を取得する(ステップS502)。
【0061】
その後、初期分散出力制御部40は、指令操作量OUTMVを算出して(ステップS503)、開閉信号出力制御部50に出力し、ステップS505に移行する。このステップS503の指令操作量OUTMVは、初期操作量に、操作量演算部30が演算した制御操作量MVを加算することによって得られる。
【0062】
一方、制御開始1回目の制御タイミングでない場合(ステップS501,No)には、制御操作量MVを指令操作量OUTMVとして算出して(ステップS504)、開閉信号出力制御部50に出力し、ステップS505に移行する。
【0063】
その後、ステップS505では、開閉信号出力制御部50は、出力操作量の算出を行う。この出力操作量の算出は、初期分散出力制御部40が出力した指令操作量OUTMVに、前回の繰越操作量を加算する。
【0064】
その後、開閉信号出力制御部50は、出力操作量が100%(所定値)以上であるか否かを判断する(ステップS506)。出力操作量が100%以上である場合(ステップS506,Yes)、開閉制御信号DAをオン(ON)にする指示を分散出力制御部60に出力する(ステップS507)。そして、開閉信号出力制御部50は、繰越操作量を算出する(ステップS508)。このステップS508の繰越操作量の算出は、出力操作量から100%を減算する。
【0065】
その後、開閉制御信号オンの指示を受けた分散出力制御部60は、まず、割当数Nを取得する(ステップS509)。この割当数Nは、各熱源11〜16に対して割り当てたゼロクロスの順番位置に対応する数である。各熱源11〜16に対する割当数Nは、それぞれ0〜5である。
【0066】
その後、分散出力制御部60は、割当数Nをもとに、分散時間ΔTを算出する(ステップS510)。分散時間ΔTは、1周期に(N/6)を乗算した値である。したがって、熱源12に対する分散時間ΔTは、1周期が20msec(3相電源7の周波数=50Hzの場合)となり、20×(1/6)msecとなる。
【0067】
その後、分散出力制御部60は、3相電源7の基準相(R相)の1周期のゼロクロスを検出する(ステップS511)。さらに、分散出力制御部60は、分散時間ΔTを経過したか否かを判断する(ステップS512)。すなわち、分散出力制御部60は、R相のゼロクロス検出時点からの経過時間が分散時間ΔTとなったか否かを判断する。
【0068】
分散時間ΔTを経過していない場合(ステップS512,No)、分散出力制御部60は、この判断処理を繰り返す。一方、分散時間ΔTを経過した場合(ステップS512,Yes)、分散出力制御部60は、制御対象の熱源11〜16に対するSSR1〜6をオンにする開閉制御信号DBをSSR1〜6に出力し(ステップS513)、ステップS501に移行して上述した処理を繰り返す。
【0069】
一方、出力操作量が100%以上でない場合(ステップS506,No)、開閉信号出力制御部50は、開閉制御信号DAをオフ(OFF)にする指示を分散出力制御部60に出力する(ステップS514)。その後、開閉信号出力制御部50は、繰越操作量を算出する(ステップS515)。このステップS515の繰越操作量の算出は、現在の出力操作量をそのまま繰越操作量とする。ステップS514の開閉制御信号DBをオフにする指示を受けた分散出力制御部60は、SSR1〜6をオフにする開閉制御信号DBをSSR1〜6に出力し(ステップS516)、ステップS401に移行して上述した処理を繰り返す。
【0070】
[コントローラによる分散出力制御処理の一例]
図14は、コントローラCによる分散出力制御処理の一例を示すタイムチャートである。
図14に示した処理は、
図13に示したように初期分散出力制御部40による初期分散出力処理に、分散出力制御部60による分散出力制御処理を加えた結果となる。なお、操作量演算部30は、各制御タイミングで50%の制御操作量を算出することを前提としている。また、初期操作量は、
図11に示した初期操作量を用いている。
【0071】
図14に示すように、1回目の制御タイミングt11では、初期操作量が0及び負の値であることから、各熱源11〜16のいずれも100%に達しておらず、2回目の制御タイミングt12で初めて熱源11の指令操作量OUTMVが100%になって開閉制御信号DA1がオンとなる。熱源11に対する分散時間ΔTは0であるため、開閉制御信号DA1がそのまま開閉制御信号DB1としてSSR1に出力される。その後、3回目の制御タイミングt13で熱源12,13,14の指令操作量OUTMVが100%以上となり、開閉制御信号DA2,DA3,DA4が始めてオンとなる。そして、分散出力制御部60は、開閉制御信号DA2,DA3,DA4を、制御タイミングt13から、それぞれ20×(1/6)msec、20×(2/6)msec、20×(3/6)msecずらした開閉制御信号DB2,DB3,DB4としてSSR2,3,4に出力する。さらに、4回目の制御タイミングt14で熱源11,15,16の指令操作量OUTMVが100%以上となり、開閉制御信号DA1,DA5,DA6がオンとなる。そして、分散出力制御部60は、開閉制御信号DA1,DA5,DA6を、制御タイミングt14から、それぞれ0msec、20×(4/6)msec、20×(5/6)msecずらした開閉制御信号DB1,DB5,DB6としてSSR1,5,6に出力する。以後の制御タイミングでは、各制御タイミングで3つの熱源が100%以上となり、分散出力された3つの開閉制御信号DBがオンとなる。
【0072】
本実施の形態3では、初期分散出力制御処理によって初期起動時における突入電流の発生をさらに抑え、分散出力制御処理によって定常動作時に精度の高い温度制御を行うことができる。
【0073】
(実施の形態3の変形例)
上述した実施の形態1〜3では、ボトル21〜26を順次直列接続し、それぞれ熱源11〜16に熱を供給して純水Wを温度制御していた。本変形例では、直列接続されたボトル21〜23とボトル24〜26との2系統を並列接続し、ボトル21〜26をそれぞれ熱源11〜16に熱を供給して純水Wを温度制御するようにしている。
【0074】
図15は、本実施の形態3の変形例である温度制御装置の構成を示すブロック図である。
図15に示すように、制御対象の純水Wは、入口側で2つに分岐され、それぞれボトル21〜23とボトル24〜26とに流入し、出口側で1つの流路に結合されて出力される。
【0075】
コントローラCの操作量演算部30は、目標温度SVと、上流側のボトル23,26の入口側に配置された温度センサS1a,S1bが検出した入口温度PVin1,PVin2と、下流側のボトル21,24の出口側に配置された1つの温度センサS0が検出した出口温度PVoutと、流量センサ31a,31bから送られる純水Wのボトル23,26への流量F1,F2とが入力される。操作量演算部30は、入口温度PVin1,PVin2と、出口温度PVoutと、流量F1,F2を加味したボトル21〜26内の純水Wの熱容量とをもとに各ボトル22,23,25,26の出口温度を推定し、ボトル21〜26から出力される純水Wの温度を目標温度SVにするための制御操作量MVを演算して初期分散出力制御部40に出力する。その他の構成は実施の形態3と同じである。
【0076】
上述した実施の形態3では、直列接続されたボトル21〜26に対応した熱源11〜16の1系統に対して接続順に、6分割した分散時間ΔT及び初期操作量の設定を行うようにしていた。本実施の形態3の変形例では、並列接続されたボトル21〜23とボトル24〜26とに対応した熱源11〜13と熱源14〜16との2系統に対し、接続順で、かつ、交互に、6分割した分散時間ΔT及び初期操作量の設定を行うようにしている。
【0077】
例えば、
図16に示すように、分散時間ΔTは、熱源11、14、12、15、13、16の順序で増大する設定が行われる。また、
図16に示すように、初期操作量も熱源11、14、12、15、13、16の順序で負の値を大きくする設定が行われる。
【0078】
図17は、
図15に示した温度制御装置に対して
図16に示した分散時間及び初期操作量を設定した場合における、コントローラCによる分散出力制御処理時の開閉制御信号と熱源に流れる電流との関係の一例を示すタイムチャートである。この変形例では、ボトル21〜26及び熱源11〜16を並列接続した場合であっても、並列接続された2系統に対して交互に熱供給を行うため、均一な熱供給が可能となり、精度の高い温度制御を行うことができる。
【0079】
なお、本変形例は、上述した実施の形態1,2にも適用することができる。また、並列接続の態様は、種々の形態が可能である。例えば、全て並列接続してもよいし、3以上の直接接続系統を3以上の並列接続としてもよい。