(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
【0014】
[第一実施形態]
第一実施形態では、
図1に示すように、車椅子2に着座した患者Mの歯科治療を行うときに、患者Mの体位を安定させるための体位補助具1について説明する。
【0015】
体位補助具1は、車椅子2の背板3に取り付けられる下部枠体10と、下部枠体10に対して折り畳み自在に連結された上部枠体20と、上部枠体20に設けられた二つのロック部材30,30(
図2参照)と、を備えている。また、体位補助具1は、下部枠体10に設けられた二つのベルト40,40と、下部枠体10および上部枠体20に取り付けられたカバー50と、上部枠体20に取り付けられた二つの頭部支持ベルト60,60と、を備えている。
【0016】
体位補助具1は、下部枠体10および上部枠体20を開いた状態で、患者Mの背部Mbと車椅子2の背板3との間に挿入し、二つのベルト40,40によって下部枠体10を背板3に取り付ける。これにより、患者Mの背部Mbおよび頭部Maをカバー50の上部および頭部支持ベルト60によって支持することができる。
【0017】
下部枠体10は、
図3(a)に示すように、左右一対の側部フレーム11,11と、左右の側部フレーム11,11の下端部同士を連結する下端フレーム12と、を備えている。左右の側部フレーム11,11は下端フレーム12に対して垂直に配置されている。
側部フレーム11は金属製のパイプである。左右の側部フレーム11,11の幅は、車椅子2の背板3(
図1参照)の幅よりも僅かに小さく形成されている。
【0018】
下端フレーム12は、
図3(b)に示すように、前後方向の厚さが側部フレーム11よりも小さい平板である。下端フレーム12の両端部は、左右の側部フレーム11,11の下端部の前面にリベットやボルト等の固定手段によって固定されている(
図3(a)参照)。
【0019】
下端フレーム12は、左右方向の中間部が後方に突出するように全体が円弧状に湾曲している。すなわち、下端フレーム12は、患者Mの背部Mb(
図1参照)に沿うように湾曲している。なお、下端フレーム12は、左右の側部フレーム11,11よりも後方に突出しないように湾曲している。また、下端フレーム12にはウレタン製の筒状の保護パット12aが外嵌されている。
【0020】
上部枠体20は、
図3(a)に示すように、金属製のパイプを曲げ加工したものであり、左右一対の側部フレーム21,21と、左右の側部フレーム21,21の上端部同士を連結する上端フレーム22と、が形成されている。左右の側部フレーム21,21は、下端フレームの両側部フレーム11,11に平行して配置されている。
なお、第一実施形態では、パイプを曲げ加工して上部枠体20が形成されているが、上端フレーム22の両端部を、左右の側部フレーム21,21の上端部にリベットやボルト等の固定手段によって固定してもよい。
【0021】
上端フレーム22の左右方向の中央部には、下方に向けて窪んでいる凹部23が形成されている。
凹部23は、左右一対の支持フレーム24,24と、左右の支持フレーム24,24の下端部同士を連結する底部フレーム25と、によって形成されている。左右の支持フレーム24,24は底部フレーム25に対して垂直に配置されている。凹部23は、上端フレーム22のパイプを曲げ加工することで形成されている。
【0022】
凹部23は、
図1に示すように、体位補助具1を車椅子2の背板3に取り付けたときに、凹部23内に患者Mの頭部Maが配置される位置および大きさに形成されている(
図8(a)および
図9(a)参照)。
【0023】
上部枠体20の左右の側部フレーム21,21の幅は、
図3(a)に示すように、下部枠体10の左右の側部フレーム11,11の幅と同じである。
上部枠体20の左右の側部フレーム21,21の下端部は、
図2に示すように、下部枠体10の左右の側部フレーム11,11の上端部の前方に配置されている(
図4参照)。
【0024】
下部枠体10の左右の側部フレーム11,11の上端部には、板状の連結部材70がリベットやボルト等の固定手段によって固定されている。連結部材70には上部枠体20の左右の側部フレーム21,21の下端部が回動自在に軸支されている。これにより、上部枠体20は下部枠体10に対して前後方向に傾動自在となっている(
図7参照)。
【0025】
上部枠体20を下部枠体10に対して傾動させることで、
図7に示すように、下部枠体10および上部枠体20を開閉させることができる。下部枠体10および上部枠体20を二つ折りに折り畳んだときには、下部枠体10および上部枠体20が前面側で折り重なる。
また、下部枠体10および上部枠体20を開いた状態では、
図3(a)に示すように、下部枠体10および上部枠体20によって長方形の枠体が形成される。
【0026】
なお、下部枠体10および上部枠体20を開いたときには、上部枠体20の左右の側部フレーム21,21の下部が、下部枠体10の左右の側部フレーム11,11の上端部に前方から当接することで、上部枠体20が下部枠体10よりも後方に傾斜するのを防ぐことができる(
図4参照)。
【0027】
ロック部材30は、
図2に示すように、下部枠体10および上部枠体20が閉じるのを防ぐための部材である。ロック部材30,30は、上部枠体20の左右の側部フレーム21,21の下部に取り付けられている。
【0028】
ロック部材30は、
図5(a)に示すように、上部枠体20の側部フレーム21に嵌合される回動部31と、下部枠体10の側部フレーム11に嵌合される嵌合部32と、嵌合部32の外面に設けられた突出片33と、を備えている。さらに、ロック部材30は、
図5(b)に示すように、回動部31に形成された位置決め溝34と、上部枠体20の突起部21aに係合される係合溝35と、を備えている。
【0029】
回動部31は、
図5(a)に示すように、上部枠体20の側部フレーム21の外周面に嵌合される略半円形状の部位である。回動部31は、上部枠体20の側部フレーム21に嵌合された状態で、側部フレーム21の軸回り(上下方向の軸回り)に回動自在であるとともに、側部フレーム21に対して上下方向に移動自在となっている。
【0030】
嵌合部32は、回動部31の側部に連続して形成されており、下部枠体10の側部フレーム11の外周面に嵌合される略半円状の部位である。
回動部31を上部枠体20の側部フレーム21の軸回りに回動させることで、嵌合部32を側部フレーム11に対して着脱させることができる。
【0031】
図2に示すように、下部枠体10および上部枠体20を開いた状態で、二つのロック部材30,30の嵌合部32,32(
図5(a)参照)を下部枠体10の左右の側部フレーム11,11に嵌合させることで、下部枠体10および上部枠体20に対して両ロック部材30,30を固定することができる。これにより、下部枠体10および上部枠体20が固定されるため、下部枠体10および上部枠体20を開いた状態に保つことができる。
【0032】
突出片33は、
図5(a)に示すように、嵌合部32の外周面に突設された板状の部位である。ロック部材30を回動および上下方向に移動させるときに、操作する人の指を突出片33に押し当てることで、ロック部材30を操作し易くなっている。
【0033】
図5(b)に示すように、回動部31の上下方向の中間部には位置決め溝34が開口している。回動部31を上部枠体20の側部フレーム21に嵌合させるときに、側部フレーム21の外周面に設けられた突起部21aを位置決め溝34内に配置することで、ロック部材30を側部フレーム21の下端部に位置決めすることができる。
なお、突起部21aは、上部枠体20の側部フレーム21の外周面に取り付けられたボルトの頭部であるが、突起部21aの構成は限定されるものではない。
【0034】
また、位置決め溝34の上縁部には、突起部21aに係合される凹状の係合溝35が形成されている。
図5(c)に示すように、ロック部材30を側部フレーム11に対して押し下げることで、係合溝35が突起部21aに係合するように構成されている。係合溝35に突起部21aが係合した状態では、回動部31は側部フレーム11に対して回動することができなくなり、ロック部材30が側部フレーム21に固定される。
【0035】
二つのベルト40,40は、
図1に示すように、下部枠体10を車椅子2の背板3に取り付けるための帯状の部材である。ベルト40は、
図3(a)に示すように、両端部が下部枠体10の左右の側部フレーム11,11の上部に取り付けられている。なお、ベルト40は、スナップボタンを用いて側部フレーム11に着脱自在に取り付けられているが、取付方法は限定されるものではない。
【0036】
二つのベルト40,40は、上下方向に間隔を空けて配置されている。上下のベルト40,40は、
図1に示すように、下部枠体10を車椅子2の背板3の前面に重ねたときに、肘掛部4よりも上方に配置される。
【0037】
ベルト40は、
図3(a)に示すように、左右方向の中間部で分割されており、差込式のバックル41によって連結されている。
図1に示すように、体位補助具1を車椅子2の背板3に取り付ける場合には、下部枠体10を背板3の前面に重ね合わせ、上下のベルト40,40のバックル41,41を背板3の後面側でそれぞれ連結する。このようにして、上下のベルト40,40を背板3に縛り付けることで、下部枠体10を背板3の前面に取り付けることができる。
【0038】
カバー50は、
図3(a)に示すように、下部枠体10に被せられる下部袋体51と、上部枠体20に被せられる上部袋体52と、を備えている。下部袋体51および上部袋体52は、
図4に示すように、前面側で連続して形成されている。下部袋体51および上部袋体52の開口部51a,52aは、カバー50の後面側で上下に対向している。
【0039】
上部袋体52の上端部は開口しており、上部袋体52を上部枠体20に被せたときに、凹部23の底部フレーム25よりも上側の部位が上部袋体52から突出するように構成されている。
【0040】
カバー50は、
図3(a)に示すように、伸縮性を有するメッシュ状のシートによって袋状に形成されている。カバー50は前後方向に透視可能な透視性を有している。すなわち、カバー50全体に透視領域が形成されている。
【0041】
下部袋体51と上部袋体52との間には、ベルト位置決め部53が形成されている。ベルト位置決め部53は、カバー50の左右側縁部に亘って形成された帯状の部位である。ベルト位置決め部53が上下二つのベルト40,40の間に配置されることで、上下のベルト40,40が位置決めされる。
【0042】
カバー50を下部枠体10および上部枠体20に被せる場合には、
図6に示すように、下部袋体51の開口部51aと上部袋体52の開口部52aとの間を折り目として、カバー50の前面側が折り重なるように、カバー50を二つ折りに折り畳む。
さらに、下部枠体10および上部枠体20を折り畳み、下部枠体10の下端部を下部袋体51の開口部51aに挿入するとともに、上部枠体20の上端部を上部袋体52の開口部52aに挿入する。
その後、
図2に示すように、下部枠体10および上部枠体20を開くことで、カバー50を下部枠体10および上部枠体20に装着することができる。
【0043】
なお、下部枠体10および上部枠体20を開いた状態では、カバー50を下部枠体10および上部枠体20から取り外すことができない。したがって、体位補助具1の使用時にカバー50が下部枠体10および上部枠体20から外れるのを防ぐことができる。
【0044】
第一実施形態の体位補助具1では、
図3(a)に示すように、凹部23の両支持フレーム24,24には、二つの頭部支持ベルト60,60が左右方向に掛け渡されている。
頭部支持ベルト60は、
図9(a)に示すように、患者Mの頭部Maおよび頸椎Mcを支持するものである。
凹部23内には、二つの頭部支持ベルト60,60が上下方向に間隔を空けて設けられており(
図3(a)参照)、上下の頭部支持ベルト60,60によって、患者Mの頭部Maおよび頚椎Mcを安定して支持することができる。
【0045】
頭部支持ベルト60は、布製のベルトである。また、頭部支持ベルト60には、両支持フレーム24,24の間において頭部支持ベルト60の長さを変えるためのベルト長さ調節機構61を有している。
【0046】
頭部支持ベルト60の左端部は、
図8(a)に示すように、左側の支持フレーム24の外周面に巻き付けられており、リベットなどの取付手段によって、支持フレーム24に取り付けられている。
【0047】
頭部支持ベルト60の右側の部位は、前後に折り返されており、その折り返し部が右側の支持フレーム24に巻き付けられている。頭部支持ベルト60の右端部の前面は、両支持フレーム24,24の間で頭部支持ベルト60の後面に重ね合わされている。
【0048】
頭部支持ベルト60の後面には、面ファスナー62のループ62aが設けられている。また、頭部支持ベルト60の右端部の前面には、面ファスナー62のフック62bが設けられている。
【0049】
頭部支持ベルト60では、ループ62aに対するフック62bの接合位置を左右方向に変えることで、両支持フレーム24,24の間の区間の長さを変えることができる(
図8(b)参照)。すなわち、第一実施形態の体位補助具1では、頭部支持ベルト60に設けられた面ファスナー62によってベルト長さ調節機構61が構成されている。
【0050】
図8(a)に示すように、フック62bを両支持フレーム24,24の間の略中央部でループ62aに接合した場合には、両支持フレーム24,24の間において頭部支持ベルト60の長さが小さくなり、頭部支持ベルト60の弛みが小さくなる。
図8(b)に示すように、フック62bを右側の支持フレーム24の近くでループ62aに接合した場合には、両支持フレーム24,24の間において頭部支持ベルト60の長さが大きくなり、頭部支持ベルト60の弛みが大きくなる。
【0051】
体位補助具1を運搬する場合には、
図7に示すように、下部枠体10および上部枠体20を折り畳み、下側のベルト40を上部枠体20の後面側に掛け渡し、バックル41を連結する。このようにして、下部枠体10および上部枠体20を下側のベルト40で縛ることによって、下部枠体10および上部枠体20を閉じた状態に保つことができる。
そして、上側のベルト40を肩掛け用や手提げ用のストラップとして利用して、体位補助具1を持ち運ぶことができる。
【0052】
体位補助具1を車椅子2の背板3(
図1参照)に取り付けるときには、
図2に示すように、下部枠体10および上部枠体20を開いた状態にする。この状態で、左右のロック部材30,30を下部枠体10の左右の側部フレーム11に嵌合させる。これにより、下部枠体10および上部枠体20を開いた状態に保つことができる。
【0053】
続いて、
図1に示すように、患者Mの背部Mbと車椅子2の背板3との間に体位補助具1を挿入する。このとき、下部枠体10の下端フレーム12(
図2参照)から背部Mbと背板3との間に挿入することになる。
下端フレーム12は、
図3(b)に示すように、前後方向の厚さが小さくなるとともに、患者Mの背部Mb(
図1参照)に沿うように湾曲している。したがって、
図1に示すように、患者Mの背部Mbと背板3との間に体位補助具1を挿入するときに、下端フレーム12(
図2参照)が患者Mの背部Mbに押し付けられる圧力を低減することができる。
【0054】
下部枠体10を背板3の前面に重ね合わせた後に、上下のベルト40,40のバックル41,41を背板3の後面側でそれぞれ連結する。このようにして、上下のベルト40,40を背板3に縛り付けて、下部枠体10を背板3の前面に取り付けることで、体位補助具1が背板3に固定される。
【0055】
下部枠体10を背板3に固定すると、
図8(a)に示すように、患者Mの頭部Maは上部枠体20の凹部23内に配置される。これにより、
図9(a)に示すように、頭部Maおよび頸椎Mcが二つの頭部支持ベルト60,60によって支持される。
【0056】
体位補助具1では、患者Mの顔を正面方向に向かせる場合には、
図8(a)に示すように、両支持フレーム24,24の間において、両頭部支持ベルト60,60の弛みを小さくする。これにより、
図9(a)に示すように、患者Mの頭部Maは、両頭部支持ベルト60,60によって鉛直に起きた状態に支持され、患者Mの顔が正面方向に向いた状態となる。
【0057】
また、体位補助具1では、患者Mの顔を上向きにする場合には、
図8(b)に示すように、両支持フレーム24,24の間において、両頭部支持ベルト60,60の弛みを大きくする。これにより、
図9(b)に示すように、患者Mの頭部Maは、両頭部支持ベルト60,60によって支持された状態で後方に傾倒し、患者Mの顔が上向きになる。
【0058】
以上のような体位補助具1は、
図1に示すように、上下二つのベルト40,40によって車椅子2の背板3に対して安定させることができる。
体位補助具1を運搬するときには、
図7に示すように、下側のベルト40によって下部枠体10および上部枠体20が開くのを防ぐとともに、上側のベルト40を肩掛け用や手提げ用のストラップとして利用することができるため、下部枠体10および上部枠体20を折り畳んだ状態で運搬し易くなっている。
【0059】
また、体位補助具1では、車椅子2に着座した患者Mの体位を車椅子2の後方からカバー50を通じて見ることができるため、治療時に患者Mの様子を車椅子2の後方から把握することができ、治療の安全性を高めることができる。
また、体位補助具1では、カバー50が通気性を有するメッシュ状のシートによって形成されているため、患者Mの背部Mbが蒸れるのを防ぐことができる。
【0060】
また、体位補助具1では、
図8(b)および
図9(b)に示すように、頭部支持ベルト60を緩めることで、患者Mの頭部Maを後方に向けて傾倒させることができる。このように、体位補助具1では、頭部支持ベルト60の長さを変えることで、患者Mの頭部Maの角度を調整することができる。
さらに、体位補助具1では、ベルト長さ調節機構61である面ファスナー62の接合位置を変えることで、頭部支持ベルト60の長さを簡単に微調整することができる。
したがって、体位補助具1では、歯科治療の治療内容に応じて、患者Mの頭部Maを所望の角度に的確に傾倒させることができるため、患者Mを治療し易くなる。
【0061】
以上、本発明の第一実施形態について説明したが、本発明は前記第一実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
第一実施形態では、
図8(a)および(b)に示すように、面ファスナー62によってベルト長さ調節機構61が構成されているが、ベルト長さ調節機構61の構成は限定されるものではなく、スナップボタンやバックルなどの各種の長さ調整手段を用いることもできる。
【0062】
第一実施形態では、
図3(a)に示すように、上端フレーム22よりも下方に両支持フレーム24,24が形成されているが、両支持フレーム24,24を上端フレーム22よりも上方に形成してもよい。
【0063】
第一実施形態では、上下二つの頭部支持ベルト60,60が設けられているが、頭部支持ベルト60の本数は限定されるものではなく、一つまたは三つ以上の頭部支持ベルト60を設けてもよい。
また、患者の頭部を支持するための枕を頭部支持ベルト60の前面に取り付けてもよい。さらに、頭部支持ベルト60がカバー50に覆われていてもよい。
【0064】
第一実施形態のカバー50では、メッシュ状のシートによって透視領域が形成されているが、その構成は限定されるものではない。
例えば、透視領域はポリ塩化ビニル製の透明なシートによって形成してもよい。また、透視領域は複数の穴や溝が開口したシートによって形成してもよい。さらに、透視領域は複数の帯状のシートや複数の紐を並設または格子状に配置することで形成してもよい。
【0065】
また、第一実施形態では、
図1に示すように、車椅子2の背板3の前面に下部枠体10が重ねられているが、背板3の後面に下部枠体10を重ねて固定してもよい。
【0066】
また、第一実施形態では、下部枠体10に上下二つのベルト40,40が設けられているが、二つ以上のベルト40を設けてもよい。また、複数のベルト40を上部枠体20に設けてもよく、下部枠体10および上部枠体20の両方に設けてもよい。
【0067】
また、第一実施形態では、
図3(a)に示すように、二つのロック部材30が上部枠体20に設けられているが、ロック部材30の形状および数は限定されるものではない。さらに、ロック部材30を下部枠体10に設けてもよい。
【0068】
また、第一実施形態のカバー50は、下部袋体51および上部袋体52が形成されているが、カバー50を一つの袋体によって構成し、カバー50の外周縁部にファスナーを設けることで、カバー50の外周縁部に開口部を設けてもよい。
【0069】
また、第一実施形態では、下部枠体10および上部枠体20が金属材料によって形成されているが、強度を十分に確保することができるのであれば、下部枠体10および上部枠体20の全体または一部にカーボン等の樹脂材料を用いてもよい。
【0070】
また、第一実施形態では、枠体が下部枠体10および上部枠体20に分割されているが、下部枠体および上部枠体を一体に形成してもよい。すなわち、左右一対の側部フレームと、下端フレームおよび上端フレームとによって枠体を構成してもよい。
【0071】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係る体位補助具1Aについて説明する。
第二実施形態の体位補助具1Aは、
図10に示すように、前記した第一実施形態の体位補助具1と略同様の構成であり、左右の支持フレーム24,24の構成と、枕65が設けられている点とが異なっている。
【0072】
第二実施形態の上部枠体20では、側部フレーム21の上端部に連続して支持フレーム24が形成されている。このように、第二実施形態では、側部フレーム21と支持フレーム24とが一体に形成されている。
そして、第二実施形態の上部枠体20では、両支持フレーム24,24が上端フレーム22よりも上方に突出している。また、両支持フレーム24,24には一つの頭部支持ベルト60が掛け渡されている。
【0073】
第二実施形態の体位補助具1Aでは、両支持フレーム24,24の間に枕65が設けられている。枕65は、患者Mの頭部Maおよび頸椎Mc(
図12(a)参照)を支持するものであり、両支持フレーム24,24の間の中央部に配置されている。
【0074】
枕65は、
図12(a)に示すように、ウレタン製の本体部66と、本体部66に取り付けられた支持部材67と、を備えている。
本体部66は、内部のウレタン材に対して表層のウレタン材が低反発で軟らかくなっている。このように、本体部66を固さが異なるウレタン材によって二重構造にすることで、本体部66は患者Mの頭部Maおよび頚椎Mcを支持するのに適した硬さとなっている。
【0075】
また、本体部66は、上部から下部に向かうに従って前方に突出しており、略台形状の側断面となっている。また、本体部66の前面は中央部が窪むように湾曲している。このような形状の本体部66では、患者Mの頭部Maおよび頚椎Mcを安定して支持することができる。
【0076】
支持部材67は、本体部66を上端フレーム22に対して所定の高さに支持するものである。支持部材67の下端部は上端フレーム22に取り付けられている。また、支持部材67の上端部は本体部66の下面に取り付けられている。
支持部材67の基端部は、蝶番68を介して上端フレーム22に取り付けられている。支持部材67および本体部66は、
図12(b)に示すように、蝶番68を回動中心として、上端フレーム22の後側の領域において、前後方向に傾動自在である。
【0077】
図11(a)に示すように、枕65の後面には、左右方向に貫通したベルト挿通部65aが形成されている。ベルト挿通部65aには、頭部支持ベルト60が挿通されている。これにより、枕65の後面が頭部支持ベルト60に支持されている。
【0078】
第二実施形態の体位補助具1Aでは、患者Mの顔を正面方向に向かせる場合には、
図11(a)に示すように、両支持フレーム24,24の間において、頭部支持ベルト60の弛みを小さくする。これにより、
図12(a)に示すように、枕65は、頭部支持ベルト60によって鉛直に起きた状態に支持され、患者Mの顔が正面方向に向いた状態となる。
【0079】
また、第二実施形態の体位補助具1Aでは、患者Mの顔を上向きにする場合には、
図11(b)に示すように、両支持フレーム24,24の間において、頭部支持ベルト60の弛みを大きくする。これにより、
図12(b)に示すように、枕65は、頭部支持ベルト60によって支持された状態で後方に傾倒し、患者Mの顔が上向きになる。
さらに、患者Mの顔を上向きから正面方向に戻す場合には、
図12(a)に示すように、頭部支持ベルト60の弛みを小さくして、枕65を前方に向けて傾動させることで、患者Mの頭部Maを起き上がらせる。
【0080】
以上のような第二実施形態の体位補助具1Aでは、
図12(b)に示すように、頭部支持ベルト60を緩めることで、枕65を後方に向けて傾倒させることができる。このように、体位補助具1Aでは、頭部支持ベルト60の長さを調整することで、枕65の角度を簡単に微調整することができ、患者Mの頭部Maを所望の角度に的確に傾倒させることができる。
【0081】
以上、本発明の第二実施形態について説明したが、本発明は前記第二実施形態に限定されるものではなく、前記第一実施形態と同様に、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。