(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6397330
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】ドライブトレイン、ギアボックス、発電機などの回転機械の残存耐用年数を測定
(51)【国際特許分類】
F03D 7/04 20060101AFI20180913BHJP
F03B 15/18 20060101ALI20180913BHJP
【FI】
F03D7/04 Z
F03B15/18 Z
【請求項の数】11
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-510891(P2014-510891)
(86)(22)【出願日】2012年5月21日
(65)【公表番号】特表2014-518978(P2014-518978A)
(43)【公表日】2014年8月7日
(86)【国際出願番号】GB2012051153
(87)【国際公開番号】WO2012160370
(87)【国際公開日】20121129
【審査請求日】2015年5月14日
(31)【優先権主張番号】1108476.1
(32)【優先日】2011年5月20日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】1110003.9
(32)【優先日】2011年6月14日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】1110360.3
(32)【優先日】2011年6月20日
(33)【優先権主張国】GB
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518068604
【氏名又は名称】インサイト アナリティクス ソリューションズ ホールディングス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(72)【発明者】
【氏名】プーン,アンディ
(72)【発明者】
【氏名】マ,シャオキン
(72)【発明者】
【氏名】コウルテート,ジョン カール
(72)【発明者】
【氏名】ゴリシェバ,エヴゲニア
【審査官】
田谷 宗隆
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−101417(JP,A)
【文献】
特開2004−301030(JP,A)
【文献】
特開2006−342766(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 7/04
F03B 15/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メンテナンスの必要な対象物を見分ける方法であって、
前記対象物は、風力タービン、水力タービン、またはそれらのその構成部品であり、
範囲を低、中、及び高として等価運転時間(EOH)データの階層を設定する工程と、
範囲を低、中、及び高として振動レベルの階級を設定する工程と、
前記対象物の等価運転時間(EOH)を決定する工程と、
前記対象物の振動データを定量観測する工程と、
前記対象物のEOHが,前記EOHデータの階層のいずれに属するかと,前記定量観測された振動データが,前記振動レベルの階級のいずれに属するかに応じて前記対象物のメンテナンス作業の優先順位に関する情報を提供する工程を含む、
方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって,
前記対象物のメンテナンス作業の優先順位に関する情報を提供する工程は,
前記EOHが低の階層に属し、前記定量観測された振動データが前記振動レベルの中の階級に属する場合に、調査が必要という情報を提供し、
前記EOHが高の階層に属し、前記定量観測された振動データが前記振動レベルの高の階級に属する場合に、タービンの点検を推奨するという情報を提供する、
方法。
【請求項3】
請求項1に記載された方法であって、
前記対象物の等価運転時間(EOH)を決定する工程は,
前記対象物の1又はそれ以上のEOH係数を提供する工程と,
前記工程で得られた1又はそれ以上のEOH係数と、それぞれのEOH係数での動作期間をかけたものを足し合わせる工程を含み,
前記1又はそれ以上のEOH係数を提供する工程は、
定格動作条件下および複数のフィールド動作条件下での前記対象物の損傷を評価する工程と、
前記定格動作条件下および複数のフィールド動作条件下での前記対象物の損傷から前記EOH係数を求める工程と、
を含む方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、
さらに対象物に関する情報を提供する工程を含み、
対象物に関する情報を提供する工程は、
次のグループから選ばれた1又はそれ以上のモデルを提供する工程を含む方法。
ベアリング滑りモデル;
動的モデル;
ライフモデル;
ギアボックス、ドライブトレインや発電機のノミナルモデル;
特定のギアボックス、ドライブトレインや発電機の1つかそれ以上の製造時のばらつきに関する情報を備えるギアボックス、ドライブトレインや発電機の独自モデル;
ギアボックス、ドライブトレインや発電機に対し6自由度のノードから成る完全に結合された有限モデル;と1つかそれ以上の構成部品に固有の1つかそれ以上のメタモデル。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載された方法であって、前記EOH係数が定格動作条件下の損傷とフィールド下での損傷の関数である方法。
【請求項6】
請求項3又は請求項4に記載された方法であって、前記EOH係数が定格動作条件下の損傷とフィールド下での損傷の比の関数である方法。
【請求項7】
請求項3又は請求項4に記載された方法であって、前記EOH係数は定格条件下での損傷とフィールド動作条件下での損傷の比である方法。
【請求項8】
請求項2から請求項7のいずれかに記載された方法であって、
前記対象物のEOHを決定する工程が、
前記1又は複数の動作条件に関するデータと、前記1又はそれ以上の動作条件に関する1又はそれ以上のEOH係数を求める工程を含む方法。
【請求項9】
請求項2から請求項7のいずれかに記載された方法であって、
前記対象物のEOHを決定する工程は、
前記1又は複数の動作条件に関するデータと、前記1又はそれ以上の動作条件に関する1又はそれ以上のEOH係数の積の合計を求める工程を含む方法。
【請求項10】
コンピュータに、請求項1から9のいずれかに記載された方法を実装させるためのプログラムを記憶した、コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項11】
請求項1から9のいずれかに記載された方法を実装するための手段を含むコンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、ドライブトレイン、ギアボックス、発電機などの回転機械の残存耐用年数を測定する方法に関わるものである。アプローチは機械の等価運転時間の限界の測定とそれと機械の等価運転時間の比較に関するものである。特に、風力と水力タービン及びその構成部品の残存耐用年数の測定と、タービン設備を操作及び管理するためにこれらのデータを使用する方法に関するものである。
【0002】
風力タービンギアボックスの設計寿命は一般に20年以上であるが、風力タービンギアボックスが4、5年の内に故障することは珍しくない。これは、残存耐用年数(RUL)の進行の計算手順が、想定動作プロファイルに基づいているのに対し、動作時には、実際のプロファイルが非常に異なる可能性があるからである。
【0003】
風力または水力タービンもしくはその構成要素の動作に関連する動作パラメータ
に関
し、これらのパラメータが動作
期間(ウインドウ)外となる時期を決定することは、何らかのメンテナンスまたは調査が必要であることを示す可能性がある。監視される動作パラメータには、潤滑温度、潤滑デブリ、振動、及びパワー出力を含むことができる。
【0004】
振動は、一般的に状態監視システムによって測定される。一般的に言えば、通常と比較して大きな振動は損傷を示すと考えられる。
【0005】
振動解析は、一般に、規定のしきい値を超えるセンサーによって提供される測定に依存しており、しきい値の設定が低すぎると誤警報を受けやすい。しきい値レベルは、必ずしも一定ではなく、周波数(ひいては速度)で変化し得る。衝撃や外来振動の存在は、しきい値レベルが誤警報のリスクを最小限にするに十分高く設定されていなければならないことを意味する。さらに、しきい値は、耐用年数中を通じて発生する可能性があるセンサー性能の「クリープ」に起因する悪影響を避けるため、十分高くなければならない。また、故障や損傷に関連した振動と、故障や損傷の指標とされない振動との区別は
ない。
【0006】
ロータのアンバランスなど、動作時に発達する欠点は、その設計寿命が低下するなど予想された結果を超えてベアリングの負荷を作り出す可能性もある。アンバランスなどのような初期不良は、振動痕跡の分析から検出する事ができる。これによって不均衡の大きさが与えられ、不均衡に起因する加振力は、不均衡の大きさと速度の2乗の関数である。従って故障に起因する加振力は、フィールド運転条件から計算し、個々の構成部品負荷の計算に使用することができる。想定オペレーティングプロファイルからの偏差は、タービンシャフトでの負荷を決定するための包括的な風力シミュレーションモデルを使用して対処することができる。これにより、フィールド運転条件に基づいた個々の構成部品の負荷が算出できる。これらを組み合わせることにより、各構成部品の合計不可がわかる。それを各構成部品とギアボックスの残りの残存耐用年数を推定するのに使うことが出来る。
【0007】
しかし、風力シミュレーションモデルの欠点は、タービンシャフトの負荷が確実または正確に判定できない可能性があるということである。
【0008】
等価運転時間(EOH)とは、簡単な言い方をすれば、風力・水力タービンやその構成部品
を定格動作条件下に
1時間動作させた際に生じる損傷に相当する損傷である。EOHは、
ある動作条件におけるEOH係数にその動作条件
での動作期間をかけたものに等しい。どのような動作条件下で生じた損傷も定格動作条件下において予想されるものと同じである
とすれば、1時間後の構成部品のEOHは1hであり、
EOH係数は1.0である。実際の動作条件により、より多くの損傷を生じた場合、EOHはそれに従って減少する。
EOH係数が0.7の動作条件が0.2h続いた場合は、1時間後のEOHは
0.8×1+0.2×0.7=0.94である。
【0009】
最初の側面によると、本発明は
風力タービン、水力タービンまたはその構成部品の残存耐用年数を予測する方法を提供する
。その方法は次のステップを含む
。風力タービン、水力タービンまたはその構成部品のEOH限界値を求める
。風力・水力タービンまたはその構成部品のEOHを求める
。EOH限界値とEOHの比較をする。
【0010】
好適には、EOHの測定は次のステップを含む:1つかそれ以上の動作条件に
関するデータの提供;1つかそれ以上の動作条件に関する1つかそれ以上のEOH係数の提供。
【0011】
好適には、1つかそれ以上のEOH係数の提供は次のステップを含む:定格動作条件下と複数のフィールド動作条件下での
風力タービン、水力タービン
またはその構成部品の損傷の評価;定格動作条件下と複数のフィールド動作条件下での損傷から
EOH係数を計算;損傷を評価するステップは、
風力タービン、水力タービンまたはその構成部品についての情報を提供するステップを含む。
【0012】
好適
には、
情報の提供は次のグループからモデルを選択することを含む:ベアリング滑りモデル;動的モデル;ライフモデル;ギアボックス、ドライブトレインや発電機のノミナルモデル;特定のギアボックス、ドライブトレインや発電機の1つかそれ以上の製造時のばらつきに関する情報を含むギアボックス、ドライブトレインや発電機の独自モデル;ギアボックス、ドライブトレインや発電機に対し6自由度のノードから成る完全に結合された有限モデル;と1つかそれ以上の構成部品に固有の1つかそれ以上のメタモデル。好適には、
EOH係数は定格動作条件下の損傷とフィールド動作条件下の損傷との関数である。好適には、
EOH係数は定格動作条件下の損傷とフィールド動作条件下の損傷の比の関数である。好適には、
EOH係数は定格動作条件下の損傷とフィールド動作条件下の損傷の比である。好適には、EOH
を決定する工程は、1つかそれ以上の動作条件に関するデータと
、その1つかそれ以上の動作条件に関するEOH係数を計算することを含む。好適には、EOH
を決定する工程は、1つかそれ以上の動作条件に関する
データと、その1つかそれ以上の動作条件に関する1つかそれ以上のEOH係数
の積の和を計算すること、を含む。
【0013】
好適には、データを提供するステップは過去データを提供することを含む。
好適にはデータを提供するステップは1つかそれ以上の定常状態条件によるデータを提供することを含む。好適には、データを提供するステップは1つかそれ以上の過渡状態動作条件によるデータを提供することを含む。好適には、データを提供するステップは1つかそれ以上の動作条件をモニターする1つかそれ以上のセンサーからのデータ収集を含む。好適には、データを提供するステップは動作条件をモニターするデータを含む。
【0014】
好適には、1つかそれ以上のEOH係数を提供するステップは1つかそれ以上の定格動作条件下でのEOH係数を提供することを含む。好適には、1つかそれ以上のEOH係数を提供するステップは1つかそれ以上の過渡状態動作条件下でのEOH係数を提供することを含む。
【0015】
好適には、EOHはEOHの限界値よりも大きい場合は、追加的に、次にステップを備える:
風力タービン、水力タービンやその構成部品のメンテナンス。
【0016】
好適には、風力・水力タービンやその構成部品が故障があり、EOHがEOHの限界値よりも小さい場合は、追加的に、次のステップを備える;風力・水力タービンやその構成部品のメンテナンス。
【0017】
好適には、
風力タービン、水力タービンやその構成部品のメンテナンスのステップは、
風力タービン、水力タービンやその構成部品の損傷の調査を含む。
【0018】
好適には、損傷の調査は次のグループから選択することを含む: 内視鏡の使用、振動分析、潤滑解析。
【0019】
好適には、
風力タービン、水力タービンやその構成部品に損傷がある場合は、
風力タービン、水力タービンやその構成部品のメンテナンスのスケジュールを立てる。
【0020】
好適には、
風力タービン、水力タービンやその構成部品に損傷がある場合は、
風力タービン、水力タービンやその構成部品をリファビッシュ
(修理)する。
風力タービン、水力タービンやその構成部品に修理不可能な損傷がある場合は、
風力タービン、水力タービンやその構成部品を交換する。好適には、方法は次の追加のステップを備える:
風力タービン、水力タービンとその構成部品のEOHを0に設定する。
【0021】
追加的に開示されているのはメンテナンスの必要な
風力タービン、水力タービンやその構成部品の見分け方である。その方法は次のステップを備える:
風力タービン、水力タービンとその構成部品のEOHを測定する;
風力タービン、水力タービンとその構成部品の動作データを分析する;動作データとEOHに関する閾値を比較する。
【0022】
好適には、EOH
を決定する工程は、次のステップを備える:1つかそれ以上の動作条件に関するデータ
を提供する。その1つかそれ以上の動作条件に関するEOH係数
を提供する。
【0023】
好適には、1つかそれ以上のEOH係数の提供は次のステップを備える:定格動作条件下と複数のフィールド動作条件下における
風力タービン、水力タービンやその構成部品の損傷の評価;定格条件下の損傷と複数のフィールド動作条件下に生じる損傷から
EOH係数を計算する;損傷の評価は
風力タービン、水力タービンやその構成部品の情報を提供することを備える。
【0024】
好適には、情報の提供は1つかそれ以上のモデルを次のグループから選択し提供することを備える:ベアリング滑りモデル;動的モデル;ライフモデル;ギアボックス、ドライブトレインや発電機のノミナルモデル;特定のギアボックス、ドライブトレインや発電機の1つかそれ以上の製造時のばらつきに関する情報を含むギアボックス、ドライブトレインや発電機の独自モデル;ギアボックス、ドライブトレインや発電機に対し6自由度のノードから成る完全に結合された有限モデル;と1つかそれ以上の構成部品に固有の1つかそれ以上のメタモデル。
【0025】
好適には、重み係数は定格動作条件下の損傷とフィールド動作条件下の損傷との関数である。好適には、 重み係数は定格動作条件下の損傷とフィールド動作条件下の損傷の比の関数である。好適には、重み係数は定格動作条件下の損傷とフィールド動作条件下の損傷の比である。
【0026】
好適には、EOH
を決定する工程は、1つかそれ以上の動作条件に関するデータと1つかそれ以上の動作条件に関するEOH係数を計算することを含む。
【0027】
好適には、EOH
を決定する工程は、1つかそれ以上の動作条件に関するデータ
と、その1つかそれ以上の動作条件に関する、1つかそれ以上のEOH係数
の積の和を求める工程を含む。
【0028】
好適には、方法は次の追加として1つかそれ以上のEOH値の範囲に対する動作データの閾値の設定を含む。
【0029】
好適には、動作データは振動データである。
【0030】
好適には、メンテナンスの必要な
風力タービン及び水力タービンやその構成部品の見分け方は、動作データが閾値よりも大きい
風力タービン、及び力タービンやその構成部品を見分けることを含む。
【0031】
また、
風力タービン及び水力タービンやその構成部品のEOH係数の計算方法も開示される。その方法は次のステップを含む:風力タービンや水力タービンやその構成部品の定格動作条件下と複数のフィールド動作条件下での損傷を評価する;
EOH係数を定格条件下と複数のフィールド動作条件下の損傷から計算する;損傷の評価のステップは
風力タービン及び水力タービンやその構成部品の情報を提供することを含む。
【0032】
好適には、情報の提供は1つかそれ以上の以下のグループから選択されたモデルを提供することを含む。:ギアボックス、ドライブトレインや発電機のノミナルモデル;特定のギアボックス、ドライブトレインや発電機の1つかそれ以上の構成部品の1つかそれ以上の製造時のばらつきに関する独自モデル;ギアボックス、ドライブトレインや発電機の固有で6自由度のノードを含む完全結合のベアリング滑りモデル;動的モデル;ライフモデル 有限要素モデル;さらに、1つかそれ以上の構成部品に対し特有の1つかそれ以上のメタモデル。
【0033】
好適には、重み係数は定格動作条件下あるいは、フィールド動作条件下での損傷の関数である。好適には、重み係数は定格動作条件下での期待耐用年数とフィールド動作条件下での損傷の比率の関数である。好適には、重み係数は定格動作条件下での損傷と、フィールド動作条件下での損傷の比率の関数である。
【0034】
また、前述のいずれかに記載の方法のステップを実施するために設計されたコンピュータ可読製品も開示される。
【0035】
また、前述のいずれかに記載の方法のステップを実施するために設計されたコンピューターシステムも開示されている。
【0036】
本発明を添付図を参照しながら一例として説明する:
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1は、風力または水力タービン、あるいはその構成部品の残存耐用年数を予測するフローチャートを示す;
図2は、風力または水力タービン、あるいはその構成部品の損傷を予測するフローチャートを示す;
図3は、風力または水力タービン、あるいはその構成部品の損傷をモデル形式を用いて計算する方法のステップを示す;
図4、5、6は、メタモデルの構築段階を示す;
図7は、風力または水力タービン、あるいはその構成部品のメンテナンス・スケジュールをEOH分析に基づいて立てるフローチャートを示す;
図8は、累積損傷に基づいたギアボックスのリファビッシュのフローチャートを示す;
図9は、風力発電所で動くタービンのEOH動作モデルを振動データと合わせて表示したグラフを示す;
図10は、本発明の種々の実施例における装置の概略図を示す;
【発明を実施するための形態】
【0038】
ギアボックス、ドライブトレイン、発電機、
風力タービン、水力タービンなどの回転機械やそれぞれの構成部品の損傷を測定するための方法が、
図1に示される。
【0039】
最初のステップ100では、タービン
負荷データ(シミュレートあるいは測定されたもの)が集められる。種々のベアリングの温度やオイルの状態等の動作条件が感知され記録される。動作条件データはある範囲を表すデータを選ぶか、SCADAやその他
のモニタリング
システムから記録された履歴データを取り寄せることもできる。このデータはステップ102でEOH測定モデルあるいは、メタモデルとして定常状態での動作に関する
EOH係数108を
決定するのに使用できる。非定常
(過渡)状態での動作に対応するEOH係数106は
、風力タービンとその構成部品の動的モデルやベアリング滑りモデル、潤滑システムモデル等を使いステップ104で
決定できる。ステップ116では、現在または過去のデータが提供され
、EOHはステップ106と108で
決定される
EOH係数から以下の関係によって導き出される。EOH=f(動作条件、EOH係数)
【0040】
ステップ112と114では、EOHの限界がフィールドデータから導き出される。EOHの限界は簡単に言えば、
風力タービンや水力タービンの寿命である。
【0041】
ステップ118は、EOHの限界とEOHの比較で、構成部品の残存耐用年数(RUL)に対し値を生み出す。
【0042】
本発明では、EOH重み
要素、すなわちEOH係数は、フィールド動作下での
風力タービン、水力タービンやその構成部品の損傷と、同期間の定格動作条件下での
風力タービン、水力タービンやその構成部品の損傷を評価することで得られる。
【0043】
風力タービン、水力タービンやその構成部品は様々な部品から成る、例えば、タービン、タービンシャフト、ギアボックス・ドライブトレインと発電機の他に、ギア、ドライブシャフトなどの補助部品も含まれる。
【0044】
EOH重み
要素、すなわちEOH係数は、定格動作条件下での損傷と同期間のフィールド動作条件下での損傷の関数である。
それは、定格条件下での損傷と
、同期間のフィールド動作条件下での損傷の比率の関数で表すこともできる。
【0045】
図2は
風力タービン、水力タービンやその構成部品の損傷202
を決定する際のフローチャートである。負荷データ204、206、例えば
風力タービン、水力タービンやその構成部品に働く力やモーメントが提供される。負荷データ204は、例えば
風力タービン、水力タービンやその構成部品が想定して設計された、定格動作条件下での動作(C
R)に関するものである。負荷データ204は設計データ208から得られます。負荷データ206はフィールド動作条件下での負荷に関するものである(C
O)。フィールド動作条件では過去のセンサーデータか、CMSから得られるか、派生したデータが使用可能である。フィールド動作条件では
風力タービン、水力タービンやその構成部品が動作している、実際の動作条件のリアルタイムのセンサーデータ212を使用できる。これは、EOH重み
要素、すなわちEOH係数が実際の時間内で計算できるということである。EOH重み
要素、すなわちEOH係数は保存され、同種のフィールド条件下で再び使用可能であり、必要とされる計算能力を軽減する効果がある。
【0046】
フィールド動作条件は
風力タービン、水力タービンやその構成部品が動作する能性と予想される動作条件のライブラリ214でありうる。代替的または追加的に、予想される動作条件は過去のデータ210かリアルタイムデータ212から成る。これは、EOH重み
要素、すなわちEOH係数が動作前に計算できるということであり、動作中に必要とされる計算能力の軽減に繋がる。
【0047】
設計データ208、過去データ210、リアルタイムデータ212とライブラリーデータ214はコンティニュアス・データあるいは、データをビンに階層化し計算を単純にすることもできる。
【0048】
動作条件は定常状態動作条件または過渡状態動作条件でも良い。
【0049】
定格動作条件またはフィールド動作条件下での損傷202は
風力タービン、水力タービンまたはその構成部品の情報から測定される。情報は検査か、
風力タービン、水力タービンやその構成部品のモデル218を使用して提供される。
【0050】
EOH重み
要素、すなわちEOH係数220は、定格動作条件下での損傷と同期間のフィールド動作条件下での損傷の関数である。定格動作条件下での損傷と同期間のフィールド動作条件下での損傷の比率の関数でもある。定格動作条件下での損傷と同期間のフィールド動作条件下での損傷の比率でもある。
【0051】
設計データ208、過去データ210、リアルタイムデータ212やライブラリーデータ214が測定あるいは指定された付加情報を持たない時、データ204、206は他の測定あるいは指定されたデータのパラメーターから導き出すことが出来る。導出は利用可能なデータの単純な操作、あるいは
風力タービン、水力タービンやその構成部品(示されていない)のモデル218を使用することで可能である。
【0052】
種々のモデルが利用可能である。例えば、生産ラインを残す1つかそれ以上の
風力タービン、水力タービンの構成部品に対し独自のモデルを生成しても構わない。それぞれの独自モデルはラインテストの最後と同じ、寸法とクリアランスを使用し、対応する構成部品の動作寿命を通して関連し続ける。この独自モデルは負荷を計算するのに使われる。例えば、任意のあるいは特定の構成部品の一部で動作条件に応じて作用する力やモーメントである。これは、それぞれの構成部品が定格動作条件下や、フィールド動作条件下で生じた損傷の計算を可能にする。
【0053】
図3は
風力タービン及び水力タービンやその構成部品の損傷をモデル形式のアプローチを使用する計算方法のステップである。構成部品は、示されているように例えばギアボックス等である。
【0054】
まず最初のステップ36では、ギアボックスの情報が提供される。これは6自由度で完全に結合されたモデルを含むことができる。モデルはまた、ギアボックスに対し独自でも構わない。情報は1つのそれ以上の製造時のギアボックスの構成部品の寸法とクリアランスのばらつきを含む。2つ目のステップ38では、負荷、フィールド動作条件下でギアボックスに働く力やモーメントを動作中モニターしたり、過去のデータから提供することができる(例 SCADA)。あるいは、負荷は予想されるフィールド動作条件から計算することも
できる。同様に定格動作条件から計算することもできる。負荷がギアボックス上でかかっている間は、これらの測定は通常のサンプリング周波数、例えば50Hzで行われる。本発明の種々の
実施態様において、ステップ38は1つかそれ以上の負荷について
常にモニタ
(監視)を行ってもよい。1つかそれ以上の負荷のモニタリングは
、ギアボックスの所定の位置に配置された1つかそれ以上のモニタリングセンサー
を用いてモニタすることを含むことができる。
【0055】
3つ目のステップ40では、それぞれのサンプルデータの1つかそれ以上の負荷で生じた損傷がどのように測定されていても、計算される。そのためには、前述の完全に結合されたシステムモデルを使用し、システムのたわみや、構成部品の負荷を計算する。ギアトゥースの接触は歯の曲げ剛性とギアメッシュ接触剛性を加味した有限要素を使いモデル化される。これらの剛性は計算されるか、経験的データとそれを加味した静的たわみ解析の完全モデルによって考慮される。歯面負荷分布、それぞれのギアメッシュについて歯の接触応力や曲げ応力。これらの値は、経験的データと比較
されてもよいし、または
例えばISO 6336-2に記載された、経験的方法基づいて
動作時の接触応力を計算するために用いられてもよい。歯の曲げ応力は、有限要素モデルを用いて計算してもよいし、
例えばISO 6336-3に記載された、経験的方法を使用
して計算することができる
。
【0056】
ギアの接触不良や曲がり不良のためのSN曲線を用いることができ、数学的シミュレーションあるいは経験的データに基づいても良い。例 ISO 6336で提供されているデータ。それぞれの構成部品の累積損傷の予測は継続的に更新される、残りの寿命は、経験的データあるいは国際標準化機構から利用可能な、SN曲線と軸受寿命データを用いて予測する。
【0057】
軸受損傷の計算はRomaxDesignerのソフトウェアを用いて行うことができる。この計算では、ベアリング
の内部形状、ベアリング構成部品の変形
及び剛性、構成部品同士の接触、ベアリングの負荷と剛性を考慮している。ギアボックスの情報
が提供される頻度は、データがサンプリングされる周波数よりも高く
なくても良い。例えば、データの各サンプルに起因する損傷を予測するために必要なモデル分析は、1秒かかるかもしれないが、データは50Hzでサンプリングされてもよい。損傷をより早く予測するために、近似(メタモデル)を用いることが出来る。
【0058】
メタモデルは、 3段階で構成されている:
1 )データサンプル数を、ギアボックスの動作の開始前にギアボックスモデルから得る;
2 )応答曲面法(RSM )を使用して基になる傾向が決定する;
3 )この基になる傾向からのガウシアン偏差は、それぞれのサンプル点の中心にあるガウシアンカーネルを用いて導入する。
メタモデルは、ステップ1と2 だけで構成してもよい。
図4から
図6は、二変数問題に適用される上記の3つのステージを示す。
図4にプロットされた生のデータポイントを示す。
図5は、二次多項式から構成される近似関数を示す。
図5は、ガウスカーネルを含む近似関数を示す。メタモデル内の変数は、以下のギアボックス、ドライブトレイン、発電機モデルで定義されている、1つかそれ以上の負荷とすることができる:X軸方向の力(F
x);Y軸方向の力(F
y); Z軸方向の力 (F
z);X軸方向のモーメント(M
x);Y軸方向のモーメント(M
y);Z軸方向のモーメント (M
z)。
あるいは、変数はX、Y、Z方向の置換やX軸、Y軸、Z軸の回転や温度を含むことができる。
メタモデルは、上記の変数のいずれかの異なる組み合わせにそれぞれ対応するデータサンプルから構成されている。メタモデルの精度はそれぞれのデータサンプルを生成するために使用された変数の決定方法によって変化する。サンプル点がランダムに決定されたサンプリング体制は可能ですが、メタモデルが不正確であることになることがあり、同様の変数を持ついくつかのデータサンプルにつながる可能性があるため、理想的ではありません。サンプル点がランダムに決定されるサンプリング基準は可能だが、似通った変数をデータサンプルが持ち、その結果メタモデルの精度が落ちる可能性があるので理想的ではない。メタモデル変数で表されるデザインスペースにデータサンプルが均一に配置されるのが望ましい。
【0059】
メタモデルの変数のデザインスペースにおけるデータの均一なサンプリングは、遺伝的アルゴリズムを用いたサンプリング戦略を最適化することによって達成される。一つの方法は2つの隣り合うサンプル点の最低距離を最大化することだ。文献にある多くの他の適切なサンプリング戦略は、任意の二つの隣接するサンプル点間の最大距離を最小化することを含む;L2最適性;ラテンハイパーキューブンプリング。
【0060】
応答曲面法(RSM)を使用して、基になる傾向を識別するプロセスは、線形回帰を用いて、サンプルデータに多項式を当てはめるで構成されている。多項式は、任意の順序とすることができ、可能な項の一部または全てを含むことができる。多項式の変数の数は、メタモデル内の変数の数に等しい。多項式の順序を揃える前に、データが多項式トレンドに従うという仮定により”モデルバイアス”を減らすためにサンプルデータの変形を行うことができる。例えば、反応の挙動が指数関数的と似通っていれば、多項式はメタモデルの精度を高めるため変数の自然対数に近似させることができる。
【0061】
ガウス偏差(上記ステップ3)は、メタモデル内の変数の数に等しい数の次元でガウス関数によって表すことができる。偏差は、ガウス関数である必要はなく、他の数学的関数によって表すことができる。各偏差の振幅は等しいかまたは多項式モデルの結果と、データサンプルの応答レベルの差と等しいか関係している。
【0062】
独自のメタモデルは測定された変数、歯面負荷分布係数、KH、(ギア用、ISO6336で定義)と負荷ゾーンファクター(ベアリング用、ISO281で定義)を関連付けるため、ギアボックスのそれぞれの構成部品(例それぞれのギアとベアリング)に対して作られる。負荷のあらゆる数字、ギアボックス、ドライブトレイン、発電機の任意の点で作用する力やモーメントはメタモデルのこれらのファクターと関連がある。負荷ゾーンファクターとKH値は各構成部品に発生した対応する損傷の量を計算するのに使われることがある。メタモデルは、代わりに構成部品の圧迫、部品の寿命またはパーセント損傷と測定された変数を関連付けることができる。
【0063】
図7は、EOH分析に基づいて、風水・水力タービンや構成部品のメンテナンスのスケジューリングのための方法を示している。
【0064】
ステップ700では、
図1に関連し上記開示したように、タービンファームのタービンの現在のEOHが測定されている。
【0065】
ステップ702では、最もEOHが多いタービンが特定されている。
【0066】
ステップ704では、702で得られた
EOHをフォレンジック検査のためのプリセットされたEOH限界と比較
する。
EOHがこの値よりも小さい場合は何も行
わず、タービンの使用を継続する。
【0067】
EOHがこの値よりも大きい場合は、ステップ706でさらなる
調査が行われる。例えば、内視鏡検査、振動解析、オイル分析等である。
【0068】
ステップ708では、検査の結果が評価される。調査の結果、タービンに動作上の問題がなければ、何も行われずにタービンの使用を継続する。
【0069】
検査の結果、調査の結果タービンに動作上の問題があれば、メンテナンス計画が立てられタービンは付随的に格下げされるかもしれない。
【0070】
図8はギアボックスのEOH分析に基づいたリファビッシュの方法を示している。
【0071】
ステップ800において、故障したタービンギアボックスが提供され、ステップ802で対応するギアあるいはギアボックスの構成部品履歴が提供される。
【0072】
ステップ804と806では、構成部品のEOHと対応するRULがそれぞれ
図1に関連し上記開示したように測定される。
【0073】
ステップ808では、構成部品のRULがリファビッシュする価値があると示しているかを判定している。
もしその価値が無ければその構成部品は廃棄される。価値があるようならばその構成部品は検査される。
【0074】
ステップ814では、構成部品の累積損傷が検査の結果、リファビッシュの価値がないと示した場合、構成部品は廃棄される。
【0075】
ステップ814では、構成部品の累積損傷が検査の結果、リファビッシュに適していると示した場合、構成部品はリファビッシュされたギアボックスを提供するため保持される。
【0076】
ステップ816では、構成部品は交換され、新しいEOHの累積損傷は0にセットされている。
本発明の別の観点によれば、風力・水力タービンやその構成部品を動作させるための方法は、風力・水力タービンやその構成部品の累積損傷に関連した、振動の定量的観測に基づいている。
【0077】
この方法は、次のような簡単な例で示すことが出来る。:動作パラメータレベルを低、中、高の階級に分ける。
【0078】
上記のように、増加した振動による危険や損傷は風力・水力タービンやその構成部品の年齢にある程度依存している、換言すれば、EOHにである。EOHは単純に、低、中、高という3つの階層に分けられる。
この単純なアプローチによって風力・水力タービンの使用者に、表1で示されるように累積損傷とCMSデータに基づいてメンテナンス作業の優先順位をつけることを可能にする。
【0080】
同様のアプローチは、閾値を超えた風力タービンを識別するために風力タービンをモニターする際に他のCMSデータを採用してもよい。
【0081】
図9は風力発電所で動作するタービン(T01からT38)の振動データとEOH動作寿命モデルを合わせて表示したグラフである。この振動レベルは振動シグネチャ解析に基づいてもよい。
【0082】
ある程度の累積されたEOHや振動があるタービンは、通常、長期間にわたる日常的モニタリングと計画された検査が必要になる。
【0083】
EOHが低い時の、ある程度の振動レベルは、例えば
図9のタービンT02である、
風力タービン、水力タービンやその構成部品に損傷があり修理または交換する必要があるかどうか、1つかそれ以上の構成部品の検査が必要であると示すことがある。
【0084】
しかし、EOHの中央値にある、ある程度の振動レベルはおそらく正常である。単に日常的にモニタリングしておけばよい。EOHが高い場合の、ある程度の振動レベルに対しては何もする必要がない。
【0085】
EOHが高く、振動レベルも高い場合はタービンの点検の必要があるかもしれない。EOHと振動レベル(円状の)が共に高い場合は簡単に見分けることができ、点検が必要である。
【0086】
図9でタービンT34は、T05と似通った振動レベルを持っているが、タービンT34のEOHは低い。前者のタービンは明らかに他の似通ったEOHを持つタービンよりも良い状態で動作している。閾値だけに基づくメンテナンスが必要なタービンを見分けるシステムの使用はこれらのような、同じステータスのタービンを検討する。
【0087】
上記のアプローチに加えて、追加インジケーターやメンテンスの必要性は、
風力タービン、水力タービンやその構成部品をインストールする前の試験リグのデータから得ることができる。これは次の基線となることができる:インストール後の振動の増加は、輸送または悪い組み立てによる損傷が原因である可能性がある。
【0088】
図10は、本発明の様々な実施例による装置46の概略図
を示す。装置46は、
図1から
図9に示されたステップを実行するための手段48を含む。手段48はプロセッサ50及びメモリ52を含んでいる。プロセッサ50(例えば、マイクロプロセッサ)メモリ52を読み取られメモリ52に書き込むように設定されている。
【0089】
プロセッサ50は、プロセッサ50によって出力されたデータやコマンドによるアウトプットインターフェースと、プロセッサ50によって入力されたデータやコマンドによるインプットインターフェースを備えることができる。
【0090】
メモリー52は、プロセッサ50に読み取られた時の、装置46の動作を管理するコンピュータープログラムのインストラクションを含むコンピュータープログラム54を含む。コンピュータープログラムインストラクション54は、装置46が
図1から
図9で示された方法の少なくとも一部を実行することを可能にするロジックとルーチンを提供する。メモリー52を読むことでプロセッサ50はコンピュータープログラム54を読み込み実行することが可能になる。メモリー54は単一の構成部品として描かれているが、統合/取り外し可能で、永久的/半永久的/動的/キャッシュされた記憶装置の1つかそれ以上の別々の構成部品となりうる。
【0091】
コンピュータプログラムは、あらゆる適切な伝達メカニズム56を介して装置46に到達することができる。伝達メカニズム65は、例として、コンピュータ可読記憶媒体、コンピュータプログラム製品、メモリーデバイス、ブルーレイディスク、CD-ROM又はDVDのような記憶媒体、有形コンピュータプログラム54を具現化した記録媒体の製造物などである。伝達メカニズムはコンピュータープログラム54を確実に送信できる信号でもよい。装置46は、コンピュータデータ信号として、コンピュータプログラム54を伝搬または送信することができる。
【0092】
メモリー52は単一の構成部品として描かれているが、統合/取り外し可能で、永久的/半永久的/動的/キャッシュされた記憶装置の1つかそれ以上の別々の構成部品となりうる。”コンピュータ読み取り可能な記憶媒体”、”コンピュータプログラム製品”、”有形実施されるコンピュータプログラム”等または”コントローラ”、”コンピュータ”、”プロセッサ”などへの参照はコンピューターがシングル/マルチ−プロセッサアーキテクチャ、シーケンシャル(フォンノイマン)/並列アーキテクチャなどの異なるアーキテクチャを有しているということだけではなく、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、特定用途向け回路(ASIC)、信号処理デバイスおよびその他のデバイスのような専用回路でもあると理解されるべきである。
【0093】
コンピュータ−プログラム、インストラクション、コード等への参照は、プログラマブル・プロセッサまたはハードウェアデバイスのプロセッサへの指示のプログラマブルコンテント、固定機能デバイスの構成設定、ゲートアレイやプログラマブルロジックデバイスなどのファームウェア用のソフトウェアを有していると理解されるべきだ。
【0094】
ステップは
図1から
図9に方法のステップやコンピュータープログラム54の方法やコードのセクションを表している。図には特定の順序でステップが表されているが、これはステップに必要とされる、あるいは好まれる順序があるという意味ではない。ステップの順序や順序のアレンジは変更できる。
いくつかのステップは省略させることも可能である。