特許第6397345号(P6397345)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6397345グレーチング用把手、およびそれを備えた把手付きグレーチング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6397345
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】グレーチング用把手、およびそれを備えた把手付きグレーチング
(51)【国際特許分類】
   E03F 5/06 20060101AFI20180913BHJP
【FI】
   E03F5/06 Z
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-17139(P2015-17139)
(22)【出願日】2015年1月30日
(65)【公開番号】特開2016-141988(P2016-141988A)
(43)【公開日】2016年8月8日
【審査請求日】2017年8月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】500494499
【氏名又は名称】株式会社シマブン
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【弁理士】
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(74)【代理人】
【識別番号】100194984
【弁理士】
【氏名又は名称】梶原 圭太
(72)【発明者】
【氏名】藤戸 寛康
【審査官】 須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−206566(JP,A)
【文献】 特開2001−115539(JP,A)
【文献】 特開2006−241829(JP,A)
【文献】 特開2005−113497(JP,A)
【文献】 特開平10−008539(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01475480(EP,A1)
【文献】 実開昭62−176281(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3112796(JP,U)
【文献】 特開2006−028995(JP,A)
【文献】 特開2010−248863(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03F 1/00−11/00
E04C 2/00−2/54
E04F 15/00−15/22
E04H 3/00−4/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所要長さを有し、取り付け対象となるグレーチングのメインバー間の隙間の幅より幅が広く、隙間を挟みメインバー上面に形成された載置凹部に嵌まるように載置可能なツマミ部と、
該ツマミ部の下面部の所要位置に前記ツマミ部の長手方向と直角方向に形成されており、メインバー間の隙間の幅より径小な首部と、該首部の先端に前記首部の軸周方向へ前記ツマミ部と所要の角度をもって形成され、メインバーの隙間の幅より長く、幅が隙間の幅より狭い係止部とを有する基幹部とを備える
グレーチング用把手。
【請求項2】
前記ツマミ部が、メインバーの上面に載置することにより、前記ツマミ部の上面とメインバーの上面が面一または略面一になるように形成されている
請求項1記載のグレーチング用把手。
【請求項3】
前記ツマミ部が、前記ツマミ部の長手方向の端部の下側を切り欠いた指掛け部を有している
請求項1または2記載のグレーチング用把手。
【請求項4】
複数のメインバーを互いに平行に、且つ所要の間隔で連結したグレーチングと、
請求項1、2または3の何れか一つのグレーチング用把手に係り、基幹部の係止部の方向をメインバー間の隙間の方向に合わせて上方から隙間に差し込み、首部を隙間の高さに合わせて前記首部の軸周方向に回転させ、係止部の方向を変えてメインバー間の隙間の幅方向で隙間の幅より長さを長くし、ツマミ部が隙間に嵌まるようにメインバーの上面に載置し、ツマミ部の回転方向の動きが止まるようにしてグレーチングに取り付けられているグレーチング用把手とを備える
把手付きグレーチング。
【請求項5】
メインバーが断面形状T字型または略T字型である
請求項4記載の把手付きグレーチング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グレーチング用把手、およびそれを備えた把手付きグレーチングに関するものである。更に詳しくは、把手を有するグレーチングにおいて、把手が破損したり、動きに支障が出たりして、把手を交換する必要が生じた場合、不具合のある把手の取り外しと、新しい把手の取り付けが簡単にできるグレーチング用把手、およびそれを備えた把手付きグレーチングに関する。
【背景技術】
【0002】
グレーチングは、例えば金属製のものが道路や厨房床の排水路の溝蓋として使用される他、合成樹脂製のものがプールや浴室などの排水部の蓋として使用されるなど、広く利用されている。このようなグレーチングは、排水部(排水溝)の清掃、その他のメンテナンスを行う場合、排水部から取り外す必要がある。その取り外し作業を簡単に行うことができるものとして、例えば本出願人が開設している非特許文献1に開示されている「把手付きグレーチング」がある。
【0003】
上記把手付きグレーチングの把手の取付構造を図6に示す。この把手付きグレーチング6は、複数の所要長さのメインバー61が連結部材62を介し幅方向へ一定間隔で連結された構造のグレーチング60を有しており、把手63は、所要の隣り合うメインバー61の隙間に配されている。
【0004】
また、この把手63は、上記連結部材62を回動中心として、メインバー61の上面とほぼ平行、かつ面一な状態(図6(a)参照)から、指掛け側とは反対側を押し下げることで、指掛け側を突出させ、これをつまんで上方へ回動させることができるようになっており、把手63に対する指掛けを可能にしている(図6(b)参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献1】株式会社シマブン、SAFETY GRATING ノンスリップ樹脂製、特徴の欄の「(4)便利な把手付き」の写真、インターネット<http://shimabun.jp/safety>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記把手付きグレーチングは、排水部の受具に装着された状態において、把手の指掛け側を上方へ回動させて指を掛け、グレーチングの片側を引き上げることにより、受具から取り外すことができる。しかしながら、この把手は、グレーチングの製造段階で他の部品と共に組み付けられるようになっており、仮に使用において把手を破損させてしまった場合、部品を取り寄せて使用者側で交換しようとしても、作業がきわめて繁雑になるために容易ではない。
【0007】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、把手を有するグレーチングにおいて、把手が破損したり、動きに支障が出たりして、把手を交換する必要が生じた場合、不具合のある把手の取り外しと、新しい把手の取り付けが簡単にできるグレーチング用把手、およびそれを備えた把手付きグレーチングを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明は、所要長さを有し、取り付け対象となるグレーチングのメインバー間の隙間の幅より幅が広く、隙間に嵌まるようにメインバーの上面に載置可能なツマミ部と、該ツマミ部の下面部の所要位置に前記ツマミ部の長手方向と直角方向に形成されており、メインバー間の隙間の幅より径小な首部と、該首部の先端に前記首部の軸周方向へ前記ツマミ部と所要の角度をもって形成され、メインバーの隙間の幅より長く、幅が隙間の幅より狭い係止部とを有する基幹部とを備えるグレーチング用把手である。
【0009】
(2)本発明は、所要長さを有し、取り付け対象となるグレーチングのメインバー間の隙間の幅より幅が広く、隙間を挟みメインバー上面に形成された載置凹部に嵌まるように載置可能なツマミ部と、該ツマミ部の下面部の所要位置に前記ツマミ部の長手方向と直角方向に形成されており、メインバー間の隙間の幅より径小な首部と、該首部の先端に前記首部の軸周方向へ前記ツマミ部と所要の角度をもって形成され、メインバーの隙間の幅より長く、幅が隙間の幅より狭い係止部とを有する基幹部とを備えるグレーチング用把手である。
【0010】
(3)本発明は、前記ツマミ部が、メインバーの上面に載置することにより、前記ツマミ部の上面とメインバーの上面が面一または略面一になるように形成されている、上記(1)または(2)のグレーチング用把手である。
【0011】
この場合は、ツマミ部をメインバーの上面に載置するようにして、グレーチング用把手をグレーチングに取り付けたときに、ツマミ部のメインバー上面からの突出がないか、または少なくなる。したがって、例えば把手付きグレーチングを浴室の排水溝に装着して使用する場合、使用者の足が引っ掛かるような使用の邪魔になることがあまりなく、使いやすく、安全性にすぐれている。
【0012】
(4)本発明は、前記ツマミ部が、前記ツマミ部の長手方向の端部の下側を切り欠いた指掛け部を有している、(1)、(2)または(3)のグレーチング用把手である。
【0013】
この場合は、ツマミ部の長手方向の端部の下側を切り欠いて設けた指掛け部に、下方から指を掛けやすくなる。これにより、グレーチング用把手のツマミ部の端部を押し上げてつまむ際に、その作業がしやすくなる。
【0014】
(5)本発明は、複数のメインバーを互いに平行に、且つ所要の間隔で連結したグレーチングと、上記(1)、(2)、(3)または(4)の何れか一つの発明に係り、基幹部の係止部の方向をメインバー間の隙間の方向に合わせて上方から隙間に差し込み、首部を隙間の高さに合わせて前記首部の軸周方向に回転させ、係止部の方向を変えてメインバー間の隙間の幅方向で隙間の幅より長さを長くし、ツマミ部が隙間に嵌まるようにメインバーの上面に載置し、ツマミ部の回転方向の動きが止まるようにしてグレーチングに取り付けられているグレーチング用把手とを備える、把手付きグレーチングである。
【0015】
(6)本発明は、メインバーが断面形状T字型または略T字型である、上記(5)の把手付きグレーチングである。
【0016】
この場合は、断面形状T字型または略T字型のメインバー間の隙間は、隣り合うメインバーのT字の水平部の間に形成されることになる。したがって、メインバーにおいて隙間を挟む位置にある部分の下面側が水平または水平に近い形状となるので、グレーチング用把手の基幹部の係止部が下方から係止しやすくなる。また、T字の垂直部の作用により、上方からの荷重に強くなるので、荷重に対する耐久性が要求されるグレーチングとしての機能性にすぐれている。
【0017】
(作用)
本発明のグレーチング用把手、およびそれを備えた把手付きグレーチングの作用を説明する。
グレーチング用把手は、基幹部の係止部の方向をメインバー(バー部材)間の隙間の方向に合わせて上方から隙間に差し込み、首部を隙間の高さに合わせる。首部は、隙間の幅(隣り合うメインバーにおいて、隙間を形成している部分の間隔)より径小であるため、グレーチング用把手を首部の軸周方向に回転させることができる。なお、首部の断面形状は、隙間に対応する位置で軸周方向へ回転が可能であれば、円形の他、例えば楕円形、あるいは六角形、八角形状など多角形などでもよく、特に限定するものではない。
【0018】
これにより、ツマミ部と係止部の方向も変わって、係止部はメインバー間の隙間の幅方向で隙間の幅より長さが長くなる。更に、グレーチング用把手は、ツマミ部が隙間または載置凹部に嵌まるようにメインバーの上面に載置され、ツマミ部の回転方向の動きが止まるようにしてグレーチングに取り付けられる。
【0019】
なお、グレーチングからグレーチング用把手を取り外す際は、上記取り付ける手順とおおむね逆の手順で行うことができる。このように、把手を有するグレーチングにおいて、把手が破損したり、動きに支障が出たりして、把手を交換する必要が生じた場合、不具合のある把手の取り外しと、新しい把手の取り付けが容易であり、グレーチング用把手の交換が簡単にできる。
【0020】
グレーチング用把手は、上記したように取り付けることにより、グレーチングの、どの隣り合うメインバー間の隙間にも、隙間または載置凹部に沿ってスライド可能な状態で取り付けが可能である。グレーチング用把手は、取り付け時においてスライドが可能であるので、例えば浴室などで使用する場合に、使用者の足が当たったような場合も、スライド方向に逃げることができ、怪我をしにくい利点がある。
【0021】
また、グレーチングにおいて、グレーチング用把手を取り付ける位置、および個数も適宜設定可能である。グレーチングにグレーチング用把手を取り付けることにより、把手付きグレーチングが形成される。把手付きグレーチングは、例えばプールや浴室などの排水溝の受具に装着され、使用される。
【0022】
グレーチング用把手は、上記取付状態において、メインバー間の隙間より下側に位置する基幹部の係止部が隙間を通り抜けることはできないので、グレーチングから外れることなく、上記したようにメインバー上面を隙間または載置凹部に沿ってスライド可能である。そして、排水溝4を清掃する場合など、把手付きグレーチングを受具から取り外す場合には、次のように行う。
【0023】
まず、グレーチング用把手を上記のようにスライドさせ、各メインバーを連結する連結部材に基幹部材が当たったところで、ツマミ部のスライド方向とは反対側の端部に指を掛け、押し上げて、この部分をつまむようにする。なお、必ずしも上記のようにして行う必要はなく、例えば一方の手の指でグレーチング用把手をスライドしないように止めて、他方の手の指で同様に押し上げるようにしてもよい。
【0024】
これにより、グレーチング用把手は、ツマミ部の引き上げ側とは反対側の端部をメインバー上面に当接し、ここを支点として傾斜し、基幹部も上昇する。この上昇により、まず基幹部の首部が隙間を通り抜ける。また、係止部は、メインバーの隙間の幅より長いので、隙間を形成している部分の下面に係止して隙間を通り抜けることができない。したがって、グレーチング用把手をつまんで更に引き上げることによって、把手付きグレーチングは持ち上がり、受具から取り外すことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、把手を有するグレーチングにおいて、把手が破損したり、動きに支障が出たりして、把手を交換する必要が生じた場合、不具合のある把手の取り外しと、新しい把手の取り付けが簡単にできるグレーチング用把手、およびそれを備えた把手付きグレーチングを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に係るグレーチング用把手の構造を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
図2】グレーチング用把手の斜視図である。
図3】グレーチング用把手を取り付けた把手付きグレーチングを示すと共に、グレーチング用把手のツマミ部の片側を引き上げて傾斜させている状態を示す斜視断面説明図である。
図4】グレーチング用把手のグレーチングに対する取り付け手順を示し、(a)はメインバーの隙間に基幹部を差し込み、基幹部を中心に90°回転させた状態を示す一部断面説明図、(b)はグレーチング用把手を落とし込み、ツマミ部をメインバーの上面の載置凹部に嵌めた状態の一部断面説明図である。
図5】グレーチング用把手のツマミ部の片側を引き上げて傾斜させている状態を示す一部断面説明図である。
図6】非特許文献に記載された把手付きグレーチングの把手の取付構造、およびその動きを示し、(a)は把手を収めている状態の断面説明図、(b)は把手を引き上げている状態の断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明を図面に示した実施の形態に基づき詳細に説明する。
図1、および図2を参照する。
【0028】
(グレーチング用把手1)
本発明に係るグレーチング用把手1は、細長く直線的な形状で所要長さのツマミ部11と、ツマミ部11の下面側の長手方向の中間部に、ツマミ部11の長手方向に対して下方へ直角方向に形成されている基幹部12により構成されている。基幹部12がツマミ部11とつながっている部分(境界部分)には、補強のために肉盛りがされた補強部13が形成されている。基幹部12が設けられる位置は、ツマミ部11の下面側の長手方向の中間部に限定されるものではなく、長手方向の両端側へずれていてもよい。
【0029】
なお、ツマミ部の長手方向とは、ツマミ部が一方向へ長いものである場合は、その長い方の差渡しの方向の意味の他、ツマミ部を後述するメインバー20a、20b間に設けられた隙間203に嵌め入れたときのメインバー20a、20bの長手方向と同じ方向の意味を含むものである。また、ツマミ部の形状が平面視で縦横に同じ長さ(例えば十字状、正方形状、円形状)である場合は、縦横の何れか一方の差渡しの方向(十字状、正方形状の場合)、または任意の直径線の方向(円形状の場合)を長手方向としてよい。
【0030】
ツマミ部11は、細長い長方形の板状の当接部111と、その下面側に一体に形成され、当接部111とほぼ同じ長さで断面形状がほぼ半円形(図4(b)参照)の嵌合部112を有している。当接部111は、後述するグレーチング2の隙間203の幅より幅が広く、かつ隣り合う載置凹部200にスライド可能に嵌まるようになっている。
【0031】
また、嵌合部112は、隙間203より幅がやや狭く形成されており、隙間203に対しスライド可能に、かつ基幹部12を中心とした回転方向に回転しないように嵌まる部分となる。嵌合部112の長手方向の両端部には、下側を斜めに切り欠いて指掛け部113、113aが形成されている。
【0032】
基幹部12には、基部側に所要長さの首部121が設けられている。首部121は、断面ほぼ円形の丸棒状であり、その外径はグレーチング2の隙間203の幅よりやや径小となるように形成されている。これにより、首部121を隙間203の位置に合わせることにより、首部121はその状態で軸周方向に回転することができる。
【0033】
首部121の先端には、係止部122が設けられている。係止部122は、直方体のブロックを上下二段に一体化したような構造であり、係止部122となる下段のブロックの長さは首部121の外径、すなわち隙間203の幅より長くなるように、かつ、後述する隣り合うメインバー20a、20bの垂直部202の間隔より短くなるように形成されている。
【0034】
係止部122の長手方向の両端部は、首部121の外径とほぼ同じ長さの上段のブロックより等幅ずつ長手方向に張り出して、隙間203の幅より長くなるように形成されている。この上段のブロックより張り出した部分(符号省略)が、後述する隣り合うメインバー20a、20bにおいて、隙間203を挟む位置にある部分の下面に下方から係止する部分となる。なお、他の隣り合うメインバー20、20間にも同様に隙間203が設けられている。
【0035】
また、係止部122は、上記ツマミ部11に対し首部121の軸周方向へ90°の角度をもって形成されている。更に、係止部122の幅は、メインバー20a、20b間の隙間203の幅よりやや狭くなるように形成されている。これにより、係止部122は、長手方向を隙間203の方向に合わせることにより、隙間203を通り抜けることができる。
【0036】
なお、グレーチング用把手1は、全体が合成樹脂で形成されているが、材料は特に限定するものではなく、金属またはセラミックなど、他の材料で形成することもできる。あるいは、金属と合成樹脂など、複数の素材を複合させてつくることもできる。
【0037】
次に、グレーチング用把手1を備えた把手付きグレーチングを説明する。
図3図4、および図5を参照する。
【0038】
(把手付きグレーチングG)
本発明に係る把手付きグレーチングGは、複数のメインバー20とスペーサー21を組み合わせてなるグレーチング2と、グレーチング2に取り付けられているグレーチング用把手1により構成されている。各メインバー20は、合成樹脂製であり、特にメインバーのT字の水平部201の上面部は、柔軟性があり滑りにくいものを使用して形成されている。
【0039】
グレーチング2は、複数の断面形状がT字型のメインバー20を互いに平行に、かつ高さが揃うように、所要の間隔で、円管状のスペーサー21と通しボルト22からなる連結部(符号省略)を介し連結して構成されている。各メインバー20は、水平部201と垂直部202で構成されており、隣り合うメインバー20a、20b(実施の形態でグレーチング用把手1を取り付けるメインバーとして、便宜上付与した)の水平部201の間には、全長にわたり所要幅の隙間203が形成されている。隣り合う水平部201において、隙間203を挟む位置にある上面には、載置凹部200が全長にわたり形成されている。
【0040】
載置凹部200の深さは、上記グレーチング用把手1のツマミ部11の当接部111の厚さの約1/2の深さに形成されている(図4(b)参照)。また、載置凹部200の幅は、隣り合うメインバー20a、20bにおいて、隙間203を挟む位置にある各載置凹部200間の最大幅が、当接部111の幅よりやや広くなるように形成されている。これにより、グレーチング用把手1の当接部111が各載置凹部200に嵌まると、各載置凹部200に沿ってスライド可能であり、かつ基幹部12を中心とした回転方向に回転できなくなる。
【0041】
なお、上記グレーチング用把手1は、グレーチング2へ次のようにして取り付けられる。
主に図4を参照する。
【0042】
まず、グレーチング用把手1の基幹部12の係止部122の方向をメインバー間の隙間203の方向に合わせて上方から隙間203に差し込む(図4(a)参照)。
次に、基幹部12の首部121を隙間203の高さに合わせ、グレーチング用把手1を首部121の軸周方向に回転させ、係止部122の方向を変えて、メインバー20a、20b間の隙間203の幅方向で隙間203の幅より長さが長くなるようにする(図4(a)参照)。
【0043】
そして、グレーチング用把手1を下降させ、ツマミ部11の当接部111をメインバー20a、20bの各載置凹部200に嵌めると、同時にツマミ部11の嵌合部112がメインバー20a、20b間の隙間203に嵌まる(図4(b)参照)。このように、グレーチング用把手1は、グレーチング2に簡単に取り付けることができる。
【0044】
グレーチング用把手1は、この取り付け状態において、ツマミ部11の回転方向の動きが止まる(回転方向に回転しない)と共に、載置凹部200、および隙間203に沿ってスライド可能である。
【0045】
このようにして、グレーチング2にグレーチング用把手1が取り付けられ、把手付きグレーチングGが形成される。なお、グレーチング用把手1の取り付け位置は、グレーチング用把手1が隙間203に沿ってスライド可能であることもあり、特に限定されない。また、グレーチング2の幅方向に複数ある隙間203のうち、どの隙間203を挟むメインバー20間に取り付けるか、あるいは何個取り付けるかも任意である。
【0046】
(作用)
図1ないし図5を参照して、グレーチング用把手1、およびそれを備えた把手付きグレーチング2の作用を説明する。
【0047】
把手付きグレーチングGは、図3に示すように、例えばプールや浴室などの排水溝4に取り付けられている受具3に装着され、使用される。把手付きグレーチングGは、受具3の長手方向に一定間隔で設けられた受部材30に載置して、幅方向にやや隙間を設けて余裕を以て装着されている。
【0048】
なお、グレーチング2からグレーチング用把手1を取り外す際は、上記取り付ける手順とおおむね逆の手順で簡単に行うことができる。このように、把手付きグレーチングGにおいて、グレーチング用把手1が破損したり、動きに支障が出たりして、グレーチング用把手1を交換する必要が生じた場合、不具合のあるグレーチング用把手1の取り外しと、新しいグレーチング用把手1の取り付けが容易であり、グレーチング用把手1の交換が簡単にできる。
【0049】
グレーチング用把手1は、上記のようにグレーチング1に取り付けることにより、グレーチングの、どの隣り合うメインバー20間の隙間203にも、隙間203、および載置凹部200に沿ってスライド可能な状態で取り付けが可能である。
【0050】
グレーチング用把手1は、取り付け時においてスライドが可能であるので、例えば浴室などで使用する場合に、仮に使用者の足が当たったような場合も、スライド方向に逃げることができ、怪我をしにくい利点がある。また、そもそも、ツマミ部11は、メインバー20a、20bの水平部201上面から当接部111の厚みの1/2程しか突出しないので、ほとんど掛かりがなく、足が当たっても安全である。更には、当接部111を薄く形成した構成は、ツマミ部11の片側を踏んだときに反対側が跳ね上がる危険を防止できる利点もある。
【0051】
グレーチング用把手1は、取付状態(ツマミ部11と隙間203が平行な状態)において、メインバー20a、20b間の隙間203より下側に位置する基幹部12の係止部122が隙間203を通り抜けることはできないので、グレーチング2から外れることなく、上記したようにメインバー上面を隙間または載置凹部に沿ってスライド可能である。そして、排水溝4を清掃する場合など、把手付きグレーチングを受具から取り外す場合には、次のように行う。
【0052】
まず、グレーチング用把手1をスライドさせ、各メインバー20を連結する連結部材のスペーサー21に基幹部材12が当たったところで、ツマミ部11のスライド方向とは反対側の端部の指掛け部113aに指を掛け、押し上げて、ツマミ部11をつまむようにする。これにより、グレーチング用把手1は、ツマミ部11の引き上げ側とは反対側の端部をメインバー20a、20b上面(載置凹部200上面)に当接し、ここを支点として傾斜し、基幹部12も上昇する(図5参照)。
【0053】
この上昇により、まず基幹部12の首部121が隙間203を通り抜ける。また、係止部122は、メインバー20a、20bの隙間203の幅より長いので、隙間203を形成している部分の下面に係止して隙間203を通り抜けることができない。したがって、グレーチング用把手1をつまんで更に引き上げることによって、把手付きグレーチングGは持ち上がり、受具3から取り外すことができる。
【0054】
本明細書で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形が可能であるということは言うまでもない。
【符号の説明】
【0055】
G 把手付きグレーチング
1 グレーチング用把手
11 ツマミ部
12 基幹部
121 首部
122 係止部
13 補強部
111 当接部
112 嵌合部
113、113a 指掛け部
2 グレーチング
20、20a、20b メインバー
200 載置凹部
201 水平部
202 垂直部
203 隙間
21 スペーサー
22 通しボルト
3 受具
30 受部材
4 排水溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6