特許第6397366号(P6397366)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6397366セルフチェックアウト装置、セルフチェックアウト方法およびセルフチェックアウトプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6397366
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】セルフチェックアウト装置、セルフチェックアウト方法およびセルフチェックアウトプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/01 20060101AFI20180913BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20180913BHJP
【FI】
   G07G1/01 301D
   G07G1/00 331A
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-92255(P2015-92255)
(22)【出願日】2015年4月28日
(65)【公開番号】特開2016-212459(P2016-212459A)
(43)【公開日】2016年12月15日
【審査請求日】2017年6月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 光雄
(72)【発明者】
【氏名】新井 潤一
(72)【発明者】
【氏名】及川 修悦
【審査官】 渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−187088(JP,A)
【文献】 特開2010−061063(JP,A)
【文献】 特開2001−250142(JP,A)
【文献】 特開2000−339517(JP,A)
【文献】 特開2007−072803(JP,A)
【文献】 特開2010−049436(JP,A)
【文献】 特開2010−152798(JP,A)
【文献】 特開2006−244158(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00− 1/14
G07D 1/00− 1/08
G07D 9/00− 9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
買物客の操作により買上げ商品の販売登録処理及びその代金の精算処理を行うセルフチェックアウト装置において、
入金された現金の受入金額から売上商品の請求金額を差し引いた釣銭を紙幣出金口又は硬貨出金口へ出金する釣銭出金部と、
前記買物客の視線を検出する視線検出部と、
前記視線検出部によって検出された視線が前記紙幣出金口又は硬貨出金口に向いていない場合、釣銭があることを示す情報を所定の表示器に表示する表示制御部と、
前記釣銭出金部によって出金された釣銭が前記紙幣出金口又は硬貨出金口から取り除かれたか否かを検出する釣銭検出部と、
前記釣銭検出部によって釣銭が取り除かれたことが検出されなかった場合、前記視線検出部によって検出された視線が前記紙幣出金口又は硬貨出金口に向いていれば、前記釣銭を出金してから第1の時間経過後に、前記釣銭の取り忘れを示す警報音を出力し、一方、前記視線検出部によって検出された視線が前記紙幣出金口又は硬貨出金口に向いていなければ、前記釣銭があることを示す情報が前記表示器に表示された後、前記釣銭を出金してから前記第1の時間よりも短い第2の時間経過後に、前記警報音を出力する警報部と、
を備えることを特徴とするセルフチェックアウト装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記視線検出部によって検出された視線の方向に設置された表示器に表示する、ことを特徴とする請求項1に記載のセルフチェックアウト装置。
【請求項3】
前記表示器は、複数個設けられている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のセルフチェックアウト装置。
【請求項4】
買物客の操作により買上げ商品の販売登録処理及びその代金の精算処理を行うセルフチェックアウト装置において実行されるセルフチェックアウト方法であって、
入金された現金の受入金額から売上商品の請求金額を差し引いた釣銭を紙幣出金口又は硬貨出金口へ出金し、
前記買物客の視線を検出し、
前記検出された視線が、前記紙幣出金口又は硬貨出金口に向いていない場合、釣銭があることを示す情報を所定の表示器に表示し、
前記出金された釣銭が前記紙幣出金口又は硬貨出金口から取り除かれたか否かを検出し、
前記釣銭が取り除かれたことが検出されなかった場合、前記検出された視線が前記紙幣出金口又は硬貨出金口に向いていれば、前記釣銭を出金してから第1の時間経過後に、前記釣銭の取り忘れを示す警報音を出力し、一方、前記検出された視線が前記紙幣出金口又は硬貨出金口に向いていなければ、前記釣銭があることを示す情報が前記表示器に表示された後、前記釣銭を出金してから前記第1の時間よりも短い第2の時間経過後に、前記警報音を出力する、
ことを特徴とするセルフチェックアウト方法。
【請求項5】
買物客の操作により買上げ商品の販売登録処理及びその代金の精算処理を行うセルフチェックアウト装置におけるセルフチェックアウトプログラムであって、
前記セルフチェックアウト装置のコンピュータを、
入金された現金の受入金額から売上商品の請求金額を差し引いた釣銭を紙幣出金口又は硬貨出金口へ出金する釣銭出金手段と、
前記買物客の視線を検出する視線検出手段と、
前記視線検出手段によって検出された視線が、前記紙幣出金口又は硬貨出金口に向いていない場合、釣銭があることを示す情報を所定の表示器に表示する表示制御手段と、
前記釣銭出金手段によって出金された釣銭が前記紙幣出金口又は硬貨出金口から取り除かれたか否かを検出する釣銭検出手段と、
前記釣銭検出部によって釣銭が取り除かれたことが検出されなかった場合、前記視線検出手段によって検出された視線が前記紙幣出金口又は硬貨出金口に向いていれば、前記釣銭を出金してから第1の時間経過後に、前記釣銭の取り忘れを示す警報音を出力し、一方、前記視線検出手段によって検出された視線が前記紙幣出金口又は硬貨出金口に向いていなければ、前記釣銭があることを示す情報が前記表示器に表示された後、前記釣銭を出金してから前記第1の時間よりも短い第2の時間経過後に、前記警報音を出力する警報手段と、
して機能させるためのセルフチェックアウトプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、購入予定商品の販売登録および登録した商品の会計処理を、買物客自身が行うためのセルフチェックアウト装置、セルフチェックアウト方法、およびセルフチェックアウトプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド等の商品販売の現場では、セルフチェックアウト装置(セルフPOS(Point Of Sales)装置、セルフレジ装置)が増加している。セルフチェックアウト装置では、専任のレジ担当者が行っていた購入予定商品の販売登録および登録した商品の会計処理を買物客自身が行う。これにより、レジ業務を少ない人員で行うことができ、店舗の省力化、レジ待ち行列の待ち時間短縮に貢献している。
【0003】
例えば、セルフチェックアウト装置を利用する場合、買物客自身は、商品に付されたバーコードをバーコードリーダでスキャンすることによって商品の販売登録を行う。そして、全ての商品の販売登録後、現金の投入又はクレジットカード等を挿入する。これにより精算処理が行われて、セルフチェックアウト装置から釣銭、使用したクレジットカードおよびレシートが排出され、買物客がこれらを受け取って取引が終了する。ところが、このようなセルフチェックアウト装置の操作に不慣れな買物客は、釣銭、クレジットカードまたはレシートを取り忘れてしまうことがある。
【0004】
そこで、釣銭を出金後、一定時間経過後に釣銭の取り忘れがあった場合、警告音等により釣銭の取り忘れがあったことを通知するセルフチェックアウト装置が開発されている。一定時間経過後に通知を行っているのは、釣銭の出金後直ちに通知を行うと、釣銭を取り忘れていない買物客に対して不快な通知を行うことになるためである。
【0005】
また、出金された釣銭が取り除かれたことが検出されるまで、レシートの排出動作開始を待機させ、釣銭が取り除かれたことが検出されると、レシート排出動作を開始させるセルフチェックアウト装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−237910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、釣銭の出金後、一定時間後に釣銭取り忘れの通知を行っても、または、釣銭の取り除き後にレシートの排出を行っても、買物客が急いでその場を離れた場合には、警告音に気づかず、釣銭の取り忘れが発生してしまう、という問題がある。
【0008】
本発明は、上述のような実状に鑑みたものであり、より確実に釣銭の取り忘れを防止することが可能なセルフチェックアウト装置、セルフチェックアウト方法、およびセルフチェックアウトプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するため、下記のような構成を採用した。
すなわち、本発明の一態様によれば、本発明のセルフチェックアウト装置は、買物客の操作により買上げ商品の販売登録処理及びその代金の精算処理を行うセルフチェックアウト装置において、入金された現金の受入金額から売上商品の請求金額を差し引いた釣銭を紙幣出金口又は硬貨出金口へ出金する釣銭出金部と、前記買物客の視線を検出する視線検出部と、前記視線検出部によって検出された視線が前記紙幣出金口又は硬貨出金口に向いていない場合、釣銭があることを示す情報を所定の表示器に表示する表示制御部と、前記釣銭出金部によって出金された釣銭が前記紙幣出金口又は硬貨出金口から取り除かれたか否かを検出する釣銭検出部と、前記釣銭検出部によって釣銭が取り除かれたことが検出されなかった場合、前記視線検出部によって検出された視線が前記紙幣出金口又は硬貨出金口に向いていれば、前記釣銭を出金してから第1の時間経過後に、前記釣銭の取り忘れを示す警報音を出力し、一方、前記視線検出部によって検出された視線が前記紙幣出金口又は硬貨出金口に向いていなければ、前記釣銭があることを示す情報が前記表示器に表示された後、前記釣銭を出金してから前記第1の時間よりも短い第2の時間経過後に、前記警報音を出力する警報部とを備えることを特徴とする
【0010】
また、本発明のセルフチェックアウト装置は、前記表示制御部が、前記視線検出部によって検出された視線の方向に設置された表示器に表示することが望ましい。
【0011】
また、本発明のセルフチェックアウト装置は、前記表示器が、前記買い上げ商品を計量するための秤装置の近傍に設けられていることが望ましい。
【0012】
また、本発明のセルフチェックアウト装置は、前記表示器が、前記買い上げ商品の決済に関わるレシートを排出するレシート排出口の近傍に設けられていることが望ましい。
【0013】
また、本発明のセルフチェックアウト装置は、前記表示器が、複数個設けられていることが望ましい。
【0014】
また、本発明の一態様によれば、本発明のセルフチェックアウト方法は、買物客の操作により買上げ商品の販売登録処理及びその代金の精算処理を行うセルフチェックアウト装置において実行されるセルフチェックアウト方法であって、入金された現金の受入金額から売上商品の請求金額を差し引いた釣銭を紙幣出金口又は硬貨出金口へ出金し、前記買物客の視線を検出し、前記検出された視線が、前記紙幣出金口又は硬貨出金口に向いていない場合、釣銭があることを示す情報を所定の表示器に表示し、前記出金された釣銭が前記紙幣出金口又は硬貨出金口から取り除かれたか否かを検出し、前記釣銭が取り除かれたことが検出されなかった場合、前記検出された視線が前記紙幣出金口又は硬貨出金口に向いていれば、前記釣銭を出金してから第1の時間経過後に、前記釣銭の取り忘れを示す警報音を出力し、一方、前記検出された視線が前記紙幣出金口又は硬貨出金口に向いていなければ、前記釣銭があることを示す情報が前記表示器に表示された後、前記釣銭を出金してから前記第1の時間よりも短い第2の時間経過後に、前記警報音を出力することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の一態様によれば、本発明のセルフチェックアウトプログラムは、買物客の操作により買上げ商品の販売登録処理及びその代金の精算処理を行うセルフチェックアウト装置におけるセルフチェックアウトプログラムであって、前記セルフチェックアウト装置のコンピュータを、入金された現金の受入金額から売上商品の請求金額を差し引いた釣銭を紙幣出金口又は硬貨出金口へ出金する釣銭出金手段と、前記買物客の視線を検出する視線検出手段と、前記視線検出手段によって検出された視線が、前記紙幣出金口又は硬貨出金口に向いていない場合、釣銭があることを示す情報を所定の表示器に表示する表示制御手段と、前記釣銭出金手段によって出金された釣銭が前記紙幣出金口又は硬貨出金口から取り除かれたか否かを検出する釣銭検出手段と、前記釣銭検出部によって釣銭が取り除かれたことが検出されなかった場合、前記視線検出手段によって検出された視線が前記紙幣出金口又は硬貨出金口に向いていれば、前記釣銭を出金してから第1の時間経過後に、前記釣銭の取り忘れを示す警報音を出力し、一方、前記視線検出手段によって検出された視線が前記紙幣出金口又は硬貨出金口に向いていなければ、前記釣銭があることを示す情報が前記表示器に表示された後、前記釣銭を出金してから前記第1の時間よりも短い第2の時間経過後に、前記警報音を出力する警報手段として機能させるためのセルフチェックアウトプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、より確実に釣銭の取り忘れを防止することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施の形態のセルフチェックアウト装置の外観を示す図である。
図2】本実施の形態のセルフチェックアウト装置のハードウェア構成図である。
図3】本実施の形態のセルフチェックアウト装置の機能ブロック図である。
図4】表示操作部に表示される画面例(その1)を示す図である。
図5】本実施の形態のセルフチェックアウト処理の流れを示すフローチャートである。
図6】表示操作部に表示される画面例(その2)を示す図である。
図7】表示操作部に表示される画面例(その3)を示す図である。
図8】表示操作部に表示される画面例(その4)を示す図である。
図9】表示操作部に表示される画面例(その5)を示す図である。
図10】表示器に表示される画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施の形態のセルフチェックアウト装置の外観を示す図である。
【0019】
セルフチェックアウト装置10は、買物客が行う操作により買上げ商品の販売登録処理及びその代金の精算処理を実行する。図1において、セルフチェックアウト装置10は、視線検出用カメラ101、表示操作部102、磁気カードリーダ103、電子マネーリーダライタ104、ポイントカードリーダライタ105、バーコードスキャナ106、スピーカ107、レシート発行用プリンタ108、紙幣投入口109、紙幣出金口110、硬貨投入口111、硬貨出金口112、商品仮置き台113、合計重量計量用秤114、レジ袋懸吊部115及び表示器116を備えている。
【0020】
視線検出用カメラ101は、セルフチェックアウト装置10の筐体上側に配設されており、買物客の顔を撮影した顔画像データを取得する。なお、視線検出用カメラ101の配設位置は、セルフチェックアウト装置10の筐体上側に限らず、右側、左側又は下側でもよい。また、セルフチェックアウト装置10の台数は複数でもよい。
【0021】
表示操作部102は、バーコードスキャナ106で読み取ったバーコード情報に基づいて、商品名、商品単価、商品重量等の商品の精算に伴う商品情報を表示する。また、表示操作部102は、例えば、バーコードの付されていない商品を精算するための商品選択用の案内表示を行う。このとき、買物客は、表示操作部102の案内表示に従い、表面をタッチすることで選択操作を行うことができる。
【0022】
磁気カードリーダ103は、クレジットカードの情報を読み取る。電子マネーリーダライタ104は、電子マネーカードの情報を読取り、又は情報の書き込みを行う。ポイントカードリーダライタ105は、ポイントカードの情報を読取り、又は情報の書き込みを行う。
【0023】
バーコードスキャナ106は、商品に付されたバーコードを読み取る。
スピーカ107は、表示操作部102、磁気カードリーダ103、電子マネーリーダライタ104、ポイントカードリーダライタ105及びバーコードスキャナ106の操作音を出力する。また、スピーカ107は、クレジットカード、レシート、ポイントカード、釣銭の取り忘れを示す警報音を出力する。
【0024】
レシート発行用プリンタ108は、精算金額や付与されたポイントを含む一取引の取引内容等を印字したレシートを発行する。
【0025】
紙幣投入口109は、商品の代金の会計時に買物客により1枚ずつ、又は束状態の複数の紙幣を短手方向に投入可能に構成された開口部である。紙幣出金口110は、投入キャンセルされた紙幣、識別不能な紙幣、釣銭としての紙幣を出金するための開口部である。
【0026】
硬貨投入口111は、商品の代金の会計時に買物客により1又は複数の硬貨を投入可能に構成された開口部である。硬貨出金口112は、投入キャンセルされた硬貨、識別不能な硬貨、釣銭としての硬貨を出金するための開口部である。
【0027】
商品仮置き台113は、買物客が精算前の商品を入れた買物かごを載置する台である。合計重量計量用秤114は、精算対象として販売登録した商品の合計重量を計量する。レジ袋懸吊部115は、備え付けのレジ袋、買物客が持参したマイバッグ等を吊り下げ可能に構成される。
【0028】
表示器116は、紙幣出金口110又は硬貨出金口112に出金された釣銭があることを示す情報を表示する。
【0029】
このようなセルフチェックアウト装置10を使用する買物客は、まず、精算前の商品を入れた買物かごを商品仮置き台113に載置する。そして、バーコードスキャナ106を用いて商品に付されたバーコードを読み取ることにより、その商品の販売登録作業を行う。精算対象として販売登録をした商品は、レジ袋懸吊部115に吊り下げたレジ袋等に納められ、合計重量計量用秤114により精算対象として販売登録した商品の合計重量が計量される。個別の商品の重量と、合計重量計量用秤114により計量した重量の増分との差が所定の許容範囲内にあれば、精算対象として販売登録した商品の精算を行う。
【0030】
次に、買物かごに入れた商品の販売登録作業を終えた買物客は、磁気カードリーダ103へのクレジットカードの挿入、電子マネーリーダライタ104での電子マネーのスキャン、紙幣投入口109への紙幣投入、硬貨投入口111への硬貨投入により精算を行うことができる。そして、セルフチェックアウト装置10は、釣銭が生じた場合、紙幣出金口110からの紙幣払い出しおよび硬貨出金口112からの硬貨払い出しにより釣銭を払い出す。また、セルフチェックアウト装置10は、取引内容等をレシート発行用プリンタ108で印字してレシートを発行する。
【0031】
この際、セルフチェックアウト装置10は、視線検出用カメラ101を用いて買物客の視線を検出し、紙幣出金口110又は硬貨出金口112に釣銭が出金された後の視線状態に応じて、釣銭の取り忘れを示す警報音の出力タイミングを変更する。例えば、釣銭の出金後、買物客の視線がレジ袋等に納められた商品に向いている場合は、従来のセルフチェックアウト装置に比較して早めに、警告音等により釣銭の取り忘れがあったことを通知(アラーム出力)する。また、釣銭の出金後、買物客の視線が紙幣出金口110又は硬貨出金口112に向いている場合は、警告音等による通知を一定期間行わず、その後買物客の視線がレジ袋等に納められた商品に向いた場合に警告音等による通知を行う。
【0032】
図2は、本実施の形態のセルフチェックアウト装置のハードウェア構成図である。
図2において、セルフチェックアウト装置10は、CPU11、メモリ12、入出力I/F13、外部記憶装置14、可搬記録媒体駆動装置15及びネットワーク装置16を備える。CPU11、メモリ12、入出力I/F13、外部記憶装置14、可搬記録媒体駆動装置15及びネットワーク装置16は、バス17を介して互いに接続されている。
【0033】
CPU11は、セルフチェックアウト装置10の動作を制御する制御プログラムを実行することにより、セルフチェックアウト装置10の全体を制御する。メモリ12は、制御プログラムの実行の際に、外部記憶装置14又は可搬記録媒体20に記憶されている制御プログラムや、制御プログラムの実行に必要な情報を一時的に記憶するものである。メモリ12は、例えば、RAM(Random Access Memory)である。入出力I/F13は、視線検出用カメラ101、表示操作部102、磁気カードリーダ103、電子マネーリーダライタ104、ポイントカードリーダライタ105、バーコードスキャナ106、スピーカ107、レシート発行用プリンタ108、合計重量計量用秤114及び表示器116との間のインターフェースである。外部記憶装置14は、制御プログラムや制御プログラムの実行に必要な情報を不揮発的に記憶するものであり、例えば、ハードディスク装置である。可搬記録媒体駆動装置15は、メモリデバイス、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の可搬記録媒体20を収容するものである。可搬記録媒体20は、外部記憶装置14と同様に、制御プログラムや制御プログラムの実行に必要な情報を不揮発的に記憶するものである。ネットワーク装置16は、ネットワーク30を通じて不図示のPOSサーバと通信するための装置である。
【0034】
図3は、本実施の形態のセルフチェックアウト装置の機能ブロック図である。
図3において、セルフチェックアウト装置10は、釣銭出金部301、視線検出部302、表示制御部303、釣銭検出部304及び警報部305を備える。
【0035】
釣銭出金部301は、紙幣投入口109又は硬貨投入口111から投入された紙幣又は硬貨を計数することにより入金された現金の受入金額から、バーコードスキャナ106を用いて販売登録作業を終えた売上商品の請求金額を差し引いた釣銭を出金する。
【0036】
視線検出部302は、視線検出用カメラ101によって取得した買物客の顔を撮影した顔画像データに基づいて、買物客の視線を検出する。例えば、顔画像データから抽出した買物客の眼の画像を解析することにより光源の角膜反射像及び瞳孔を検出し、角膜反射像と瞳孔の位置の差に基づいて買物客の視線方向を検出する。
【0037】
表示制御部303は、視線検出部302によって検出された視線が、釣銭出金部301によって出金される紙幣出金口110又は硬貨出金口112に向いていない場合、釣銭があることを示す情報を所定の表示器116に表示する。好ましくは、視線検出部302によって検出された視線の方向に設置された表示器116に表示する。例えば、表示器116は、買い上げ商品を計量するための合計重量計量用秤114の近傍に設けられている。若しくは、表示器116は、買い上げ商品の決済に関わるレシートを排出するレシート発行用プリンタ108のレシート排出口の近傍に設けられている。又は、表示器116は、複数個設けられていてもよい。釣銭があることを示す情報としては、メッセージを表示しても良いし、点滅表示でも良い。
【0038】
釣銭検出部304は、釣銭出金部301によって出金された釣銭が紙幣出金口110又は硬貨出金口112から取り除かれたか否かを検出する。例えば、釣銭検出センサーを用いて、紙幣出金口110に出金された紙幣、又は硬貨出金口112に出金された硬貨が残っているか否かを検出する。
【0039】
警報部305は、釣銭があることを示す情報が表示器116に表示された後、釣銭検出部304によって釣銭が取り除かれたことを検出されなかった場合、釣銭の取り忘れを示す警報音等をスピーカ107から出力(アラーム出力)する。
【0040】
図4図6図7図8図9は、表示操作部に表示される画面例を示す図であり、図5は、本実施の形態のセルフチェックアウト処理の流れを示すフローチャートであり、図10は、表示器に表示される画面例を示す図である。
【0041】
これらの図4乃至図10を用いて、上述のセルフチェックアウト装置10が実行するセルフチェックアウト処理の流れを説明する。
【0042】
セルフチェックアウト装置10の表示操作部102には、図4に示すような初期画面が表示されている。セルフチェックアウト処理は、買物客が初期画面を手指でタッチすることにより開始される。すなわち、買物客が表示操作部102に表示されている初期画面の「商品登録」ボタンをタッチすることにより、セルフチェックアウト処理が開始される。
【0043】
まず、セルフチェックアウト処理は、図5のステップS501において、商品の販売登録が終了したか否かを判断する。表示操作部102には、図6に示すような画面が表示されている。セルフチェックアウト装置10は、例えば、図6の「¥ お支払」ボタンがタッチされたか否かを判断する。
【0044】
販売登録が終了していないと判断された場合(ステップS501:NO)、すなわち、図6の「¥ お支払」ボタンが未だタッチされていない場合、買物客が商品仮置き台113に載置した買物かご内の商品を取り出し、バーコードスキャナ106を用いて商品に付されたバーコードを読み取らせる。これにより、ステップS502において、その商品が販売登録される。表示操作部102には、その時点で販売登録された商品の合計額(小計)が表示される。上述のステップS501乃至S502の処理は、買物かご内の全ての商品の販売登録が終了するまで繰り返される。
【0045】
そして、販売登録が終了したと判断された場合(ステップS501:YES)、例えば、図6の「¥ お支払」ボタンがタッチされた場合、セルフチェックアウト装置10は、例えば、図7に示すような画面を表示し、例えば、現金支払かクレジット支払かの選択を促す。そして、セルフチェックアウト装置10は、ステップS503において、支払い手段が現金支払か否かが判断する。図7に示した画面例では、「現金」ボタンがタッチされたか「クレジット」ボタンがタッチされたかが判断される。
【0046】
現金支払でないと判断された場合(ステップS503:NO)、図7に示した画面例では「クレジット」ボタンがタッチされた場合、ステップS504において、クレジットカードでの決済処理等の他処理を実行する。ここでは、説明は省略する。
【0047】
他方、現金支払であると判断された場合(ステップS503:YES)、図7に示した画面例では「現金」ボタンがタッチされた場合、図8に示すような画面を表示操作部102に表示し、現金投入を促す。そして、セルフチェックアウト装置10は、ステップS505において、現金投入が終了したか否かを判断する。すなわち、紙幣投入口109へ投入された紙幣と硬貨投入口111へ投入された硬貨の合計額が、ステップS502で精算された商品の合計額に達したか否かを判断する。投入された紙幣と硬貨の合計額が商品の合計額に達していない間(ステップS505:NO)は、例えば、紙幣又は硬貨が投入される度にステップS505の判断を行う。
【0048】
そして、ステップS505で現金投入が終了したと判断された場合(ステップS505:YES)、ステップS506において、釣銭が発生したか否かを判断する。
【0049】
釣銭が発生しなかったと判断された場合(ステップS506:NO)、レシート発行用プリンタ108が印字したレシートを発行して本実施の形態のセルフチェックアウト処理を終了する。
【0050】
他方、釣銭が発生したと判断された場合(ステップS506:YES)、セルフチェックアウト装置10は、図9に示すような画面を表示操作部102に表示する。そして、ステップS507において、釣銭出金部301によって釣銭を出金する。
【0051】
次に、ステップS508において、ステップS507で釣銭出金部301によって出金された釣銭が紙幣出金口110又は硬貨出金口112に残っているか否かを釣銭検出部304によって判断する。すなわち、釣銭が紙幣出金口110及び硬貨出金口112から全額取り除かれたか否かを判断する。
【0052】
釣銭が残っていないと判断された場合(ステップS508:NO)、レシート発行用プリンタ108が印字したレシートを発行して本実施の形態のセルフチェックアウト処理を終了する。
【0053】
他方、釣銭が残っていると判断された場合(ステップS508:YES)、ステップS509において、買物客の視線が釣銭出金部301によって出金される紙幣出金口110又は硬貨出金口112に向いているか否かを判断する。買物客の視線は、視線検出用カメラ101が取得した買物客の顔画像データに基づいて、視線検出部302によって検出する。
【0054】
買物客の視線が紙幣出金口110又は硬貨出金口112に向いていると判断された場合(ステップS509:YES)、ステップS510において、ステップS507で釣銭を出金してから一定時間(t1)、例えば、5秒間経過したか否かを判断する。
【0055】
出金してから一定時間(t1)経過していないと判断された場合(ステップS510:NO)、ステップS508に戻る。
【0056】
他方、出金してから一定時間(t1)経過していると判断された場合(ステップS510:YES)、ステップS511において、釣銭の取り忘れがあったことをスピーカ107から警告音等により通知(アラーム出力)する。
【0057】
また、買物客の視線が紙幣出金口110又は硬貨出金口112に向いていないとステップS509で判断された場合(ステップS509:NO)、ステップS512において、セルフチェックアウト装置10は、図10に示すような画面を表示器116に表示する。好ましくは、視線検出部302によって検出された視線の方向に設置された表示器116に表示する。例えば、表示器116は、買い上げ商品を計量するための合計重量計量用秤114の近傍に設けられている。若しくは、表示器116は、買い上げ商品の決済に関わるレシートを排出するレシート発行用プリンタ108のレシート排出口の近傍に設けられている。又は、表示器116は、複数個設けられていてもよい。釣銭があることを示す情報としては、図10に示すようなメッセージを表示しても良いし、単なる点滅表示でも良い。
【0058】
そして、セルフチェックアウト装置10は、ステップS513において、ステップS507で釣銭を出金してから一定時間(t2)経過したか否かを判断する。なお、一定時間t2はステップS510で判断する一定時間t1より短い時間(t1>t2)である。例えば、セルフチェックアウト装置10は、3秒間経過したか否かを判断する。
【0059】
出金してから一定時間(t2)経過していないと判断された場合(ステップS513:NO)、ステップS508に戻る。
【0060】
他方、出金してから一定時間(t2)経過していると判断された場合(ステップS513:YES)、セルフチェックアウト装置10は、ステップS511において、釣銭の取り忘れがあったことをスピーカ107から警告音等により通知(アラーム出力)する。
以上、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明した。
【0061】
上述したように、セルフチェックアウト装置10は、視線検出用カメラ101で買物客の視線を検出する。そして、釣銭を出金した際、検出した買物客の視線が紙幣出金口110や硬貨出金口112ではなく、合計重量計量用秤114へ向いている場合は、その近傍の表示器116に釣銭がある旨のメッセージ表示や点滅表示を行う。それでも買物客の視線が紙幣出金口110や硬貨出金口112に向かず、釣銭が取られていない場合は、釣銭の取り忘れがあったと判断し、スピーカ107から警告音等による通知を行う。なお、表示器116の設置場所は、合計重量計量用秤114の近傍に限定せず、紙幣出金口110や硬貨出金口112以外のエリアでも良い。すなわち、買物客の視線の動きに応じて、その視線の先のエリア用の表示器116に釣銭がある旨のメッセージ表示や点滅表示を行うようにすると、より確実に釣銭の取り忘れを防止する効果が高くなる。
【0062】
さらに、買物客毎に視線情報を蓄積して買物客の視線の片寄(クセ)を判定し、セルフチェックアウト装置10から出力される釣銭、レシート、クーポン券、クレジットカード、ポイントカード等の出力順番を変えることにより、釣銭を含む様々な出力物の取り忘れを防止するという、さらなる効果がある。
【0063】
上述したセルフチェックアウト装置10、セルフチェックアウト装置10が実行するセルフチェックアウト処理は、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド等に限らず、切符販売機を含む自動販売機等に適用することが出来る。
【0064】
以上、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明してきたが、上述してきた本発明の実施の形態は、セルフチェックアウト装置の一機能としてハードウェアまたはDSP(Digital Signal Processor)ボードやCPUボードでのファームウェアもしくはソフトウェアにより実現することができる。
【0065】
また、本発明が適用されるセルフチェックアウト装置は、その機能が実行されるのであれば、上述の実施の形態に限定されることなく、単体の装置であっても、複数の装置からなるシステムあるいは統合装置であっても、LAN、WAN等のネットワークを介して処理が行なわれるシステムであってもよいことは言うまでもない。
【0066】
また、バスに接続されたCPU、ROMやRAMのメモリ、入力装置、出力装置、外部記録装置、媒体駆動装置、ネットワーク接続装置で構成されるシステムでも実現できる。すなわち、前述してきた実施の形態のシステムを実現するソフトェアのプログラムを記録したROMやRAMのメモリ、外部記録装置、可搬記録媒体を、セルフチェックアウト装置に供給し、そのセルフチェックアウト装置のコンピュータがプログラムを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0067】
この場合、可搬記録媒体等から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記録した可搬記録媒体等は本発明を構成することになる。
【0068】
プログラムを供給するための可搬記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、DVD−RAM、磁気テープ、不揮発性のメモリーカード、ROMカード、電子メールやパソコン通信等のネットワーク接続装置(言い換えれば、通信回線)を介して記録した種々の記録媒体などを用いることができる。
【0069】
また、コンピュータ(情報処理装置)がメモリ上に読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施の形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施の形態の機能が実現される。
【0070】
さらに、可搬型記録媒体から読み出されたプログラムやプログラム(データ)提供者から提供されたプログラム(データ)が、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施の形態の機能が実現され得る。
【0071】
すなわち、本発明は、以上に述べた実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または形状を取ることができる。
【符号の説明】
【0072】
10 セルフチェックアウト装置
11 CPU
12 メモリ
13 入出力I/F
14 外部記憶装置
15 可搬記録媒体駆動装置
16 ネットワーク装置
17 バス
20 可搬記録媒体
30 ネットワーク
101 視線検出用カメラ
102 表示操作部
103 磁気カードリーダ
104 電子マネーリーダライタ
105 ポイントカードリーダライタ
106 バーコードスキャナ
107 スピーカ
108 レシート発行用プリンタ
109 紙幣投入口
110 紙幣出金口
111 硬貨投入口
112 硬貨出金口
113 商品仮置き台
114 合計重量計量用秤
115 レジ袋懸吊部
116 表示器
301 釣銭出金部
302 視線検出部
303 表示制御部
304 釣銭検出部
305 警報部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10