特許第6397455号(P6397455)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6397455
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】万年カレンダー
(51)【国際特許分類】
   G09D 3/04 20060101AFI20180913BHJP
   G09D 3/06 20060101ALI20180913BHJP
【FI】
   G09D3/04 E
   G09D3/06
【請求項の数】2
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-179537(P2016-179537)
(22)【出願日】2016年9月14日
(65)【公開番号】特開2018-45080(P2018-45080A)
(43)【公開日】2018年3月22日
【審査請求日】2017年6月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115821
【氏名又は名称】株式会社リヒトラブ
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】有本 佳照
(72)【発明者】
【氏名】岩本 真一
(72)【発明者】
【氏名】長和 伸晃
【審査官】 砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−13141(JP,A)
【文献】 実公昭7−12553(JP,Y1)
【文献】 実開昭47−10655(JP,U)
【文献】 米国特許第2499329(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09D 3/04−3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1週目から第6週目に亘って格子状に配置されており、日を表示する複数の日表示窓を有するベース板と、前記複数の日表示窓に対応した位置にそれぞれ配される少なくとも一つの日を含む複数の日数ユニットを有し、前記ベース板の後面部に対向し、前記ベース板に平行な方向に回転可能な日付板とを備える万年カレンダーにおいて、
前記ベース板の後側に配置されており、前記日付板の回転を操作する操作盤と、
前記ベース板の後側に配置されており、前記操作盤を止めるストッパと
を備え
前記ストッパは前記操作盤に係合する突部を有し、
前記操作盤は前記突部が係合するギヤ、係合孔又は係合凹部を少なくとも7個備え、
前記ギヤの歯、係合孔又は係合凹部の数が7の倍数であること
を特徴とする万年カレンダー。
【請求項2】
前記ストッパは、弾性を有し、前記突部を支持する弾性支持部を有すること
を特徴とする請求項に記載の万年カレンダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各年及び各月に応じて変更可能な万年カレンダーに関する。
【背景技術】
【0002】
第1週目から第6週目に亘って格子状に配置された複数の日表示窓を有する前面板と、該前面板の後側においてスライド可能に配置されており、前記複数の日表示窓にそれぞれ対応した複数の日数字群を有するスライド板とを備える万年カレンダーが従来提案されている。スライド板を移動させることによって、日数字群に含まれる所望の日を日表示窓に表示させることができる(例えば特許文献1参照)。
【0003】
前記万年カレンダーは、スライド板の正面にフックを設け、前面板に貫通孔を設けて、該貫通孔にフックを挿入し、スライド板を固定するか、又はスライド板を金属素材にし、前面板をマグネットシートにして、スライド板を固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−13141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フックは前方に突出しているので、安全性の問題が生じるし、また外観意匠性が低下する。マグネットシートを使用した場合、磁力によって前面板に密着したスライド板を移動させるには、マグネットシートからスライド板を剥がす必要があり、また剥がしても磁力によって、スライド板は容易にマグネットシートに再度密着するので、スライド板を円滑に移動させることが難しい。
【0006】
また、例えば壁に万年カレンダーを取り付けた場合、スライド板を移動させる都度、万年カレンダーの重心が移動するので、平衡をとれるように、万年カレンダーの位置を変更・調整する必要がある。また前記万年カレンダーには、ペン等の道具を載置するための構成がなく、利便性に欠ける。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、外観意匠性を損なうことなく、日付を記載した部品の円滑な移動及び固定を両立させることができる万年カレンダーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る万年カレンダーは、第1週目から第6週目に亘って格子状に配置されており、日を表示する複数の日表示窓を有するベース板と、前記複数の日表示窓に対応した位置にそれぞれ配される少なくとも一つの日を含む複数の日数ユニットを有し、前記ベース板の後面部に対向し、前記ベース板に平行な方向に回転可能な日付板とを備える万年カレンダーにおいて、前記ベース板の後側に配置されており、前記日付板の回転を操作する操作盤と、前記ベース板の後側に配置されており、前記操作盤を止めるストッパとを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明においては、操作盤を操作することによって日付板は円滑に移動し、ストッパによって操作盤が固定され、日付板が固定される。また操作盤及びストッパはベース板の後側に配置されているので、外観意匠性を損なうことがない。
【0010】
本発明に係る万年カレンダーは、前記ストッパは前記操作盤に係合する突部を有し、前記操作盤は前記突部が係合するギヤ、係合孔又は係合凹部を有することを特徴とする。
【0011】
本発明においては、ストッパに突部を設け、操作盤はギヤ、係合孔又は係合凹部を有する。突部をギヤ、係合孔又は係合凹部に係合させて日付板の固定を実現する。
【0012】
本発明に係る万年カレンダーは、前記操作盤は、前記ギヤの歯、係合孔又は係合凹部を少なくとも7個備えることを特徴とする。
【0013】
本発明においては、操作盤がギヤの歯、係合孔又は係合凹部を少なくとも7個備える場合には、全ての曜日とギヤの歯、係合孔又は係合凹部とを一対一で対応させることができる。また8個以上備える場合には、操作盤の操作をより細かい単位で行うことができるので、万年カレンダーを構成する部品に製造誤差が生じていても、日付板の位置を微調整し、必要な箇所に曜日を表示させることができる。
【0014】
本発明に係る万年カレンダーは、前記ギヤの歯、係合孔又は係合凹部の数が7の倍数であることを特徴とする。
【0015】
本発明においては、ギヤの歯、係合孔又は係合凹部の数が7の倍数であるので、それぞれのギヤの歯、係合孔又は係合凹部を、いずれかの曜日に対応させることができる。例えばギヤの歯が21個である場合、各曜日に三つの歯が対応する。月曜日に対応する三つの歯の内、二番目の歯を突部に係合させた場合に第1週目の月曜日に「1」が表示されるときには、製造誤差は操作盤全体に生じるので、他の曜日に対応する三つの歯の内、二番目の歯を突部に係合させることによって、その曜日に「1」が表される。換言すれば、一度、第1週目の所望の曜日に「1」を表示させた後は、操作盤の操作によって、ギヤの歯の位置を三回ずらすごとに、「1」を表示する曜日が変更される。そのため、ユーザは曜日の変更を容易に行うことができる。
【0016】
本発明に係る万年カレンダーは、前記ストッパは、弾性を有し、前記突部を支持する弾性支持部を有することを特徴とする。
【0017】
本発明においては、ストッパは弾性支持部を有し、該弾性支持部を撓ませることによって、突部と操作盤との係合を解除することができ、また係合を解除した後に、撓みによる弾性支持部の弾性復元力によって突部の操作盤への係合が速やかに実現される。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る万年カレンダーにあっては、操作盤を操作することによって、日付板は円滑に移動し、ストッパによって操作盤は固定され、日付板が固定される。即ち、日付板の円滑な移動及び固定を両立させることができる。また操作盤及びストッパはベース板の後側に配置されているので、外観意匠性が損なわれない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施の形態1に万年カレンダーを略示する分解斜視図である。
図2】万年カレンダーを略示する正面図である。
図3】日付板を略示する正面図である。
図4】日付板、月プレート、第1回転盤、第2回転盤、操作盤等の記載を省略した万年カレンダーの背面図である。
図5】万年カレンダーの背面図である。
図6】円板を略示する背面図である。
図7図6に示すVII−VII線を切断線とした断面図である。
図8】第1リベット及び第2リベットを略示する側面図である。
図9】操作盤を略示する分解斜視図である。
図10】ストッパを略示する正面図である。
図11】ストッパを略示する平面図である。
図12】万年カレンダーの操作盤及びストッパ付近を略示する部分拡大背面図である。
図13】実施の形態2に係る万年カレンダーの操作盤及びストッパ付近を略示する部分拡大背面図である。
図14】実施の形態3に係る万年カレンダーの操作盤及びストッパ付近を略示する部分拡大背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(実施の形態1)
以下本発明を実施の形態1に係る万年カレンダーを示す図面に基づいて説明する。以下の説明では、図に示す上下左右前後を使用する。また左右方向は横方向に対応し、上下方向は縦方向に対応する。また正面は前面に対応し、背面は後面に対応する。図1は、万年カレンダーを略示する分解斜視図、図2は、万年カレンダーを略示する正面図である。図1において、第1連結部51〜第4連結部54、第1回転盤61、第2回転盤62、操作盤70及び月プレート11等の記載を省略している。
【0021】
万年カレンダーは、透明な横長矩形のベース板1を備える。ベース板1の左下縁部分に横長等脚台形状の切欠1aが形成されている。ベース板1の後面部には、例えば黒色で格子枠2が印刷されている。格子枠2の内側には、横方向及び縦方向に並設された複数の四角形の領域(以下セル20という)が形成されている。複数のセル20は第1行21〜第6行26を構成し、第1行21〜第6行26は、この順に上から下に並んでいる。なお第1行21〜第6行26は、それぞれ第1週目〜第6週目に対応する。
【0022】
第1行21〜第5行25は横方向に並んだ7個のセル20を備える。第6行26は、横方向に並んだ2個のセル20と、該セル20の右隣に隣接しており、他のセル20よりも大きな横長のセル20(以下、大型セル20aという)とを備える。第1行21を構成する各セル20の上側において、1週間の各曜日を示す「日」、「月」、「火」、「水」、「木」、「金」、「土」がベース板1の後面部に左から右に並んで黒色で印刷されている。また格子枠2の右上には、暦上の月(1月〜12月)を示す「月」が黒色で印刷されている。なお各曜日の並びは、「日」を左端に配置する場合に限定されない。例えば「月」を左端に配置してもよい。
【0023】
ベース板1の後面部には、黒色で格子枠2、各曜日及び暦上の月を印刷した後、白色での印刷が重畳的に行われている。白色での印刷は、大型セル20aを除いた残余のセル20(37個のセル20)それぞれの左上部分(以下、日表示窓27という)と、暦上の月の左隣部分(以下月表示窓28)とを除いた、ベース板1の後面部全体に行われている。
【0024】
またベース板1の後面部には、白色で印刷した後、青色での印刷が重畳的に行われている。青色での印刷は、日表示窓27と月表示窓28とを除いたベース板1の後面部全体に行われている。すなわち、日表示窓27及び月表示窓28に対して印刷は行われていないので、日表示窓27及び月表示窓28は透明なままであり、ベース板1の後面に位置するものが日表示窓27及び月表示窓28を通して視認される。なお日表示窓27は、第1行21から第6行26に亘って、換言すれば、第1週目から第6週目に亘って、格子状に配置されている。
【0025】
一方、正面からベース板1を視認した場合、各セル20及び格子枠2の外側は背景が白色であり、ホワイトボードとして使用することができる。なお青色での印刷行わなかった
場合、正面からベース板1を視認した場合に、ベース板1の後面側に存在するものが透けて視認されるが、本実施例では、白色での印刷後に、青色での印刷を行っているので、ベース板1の後面側に配置されたものが透けて視認されることを防止することができる。なお、上述した黒色、白色及び青色は、印刷に使用する色の一例であり、他の色を使用してもよい。
【0026】
本実施例のように、白色の後ろに青色を印刷した場合、白色の後ろにグレー又は黒を印刷した場合に比べて、万年カレンダーが明るくなり、前側から視認した場合に、白色がより明確に認識でき、ホワイトボードとしての機能が効果的に発揮される。
【0027】
図3は、日付板3を略示する正面図である。ベース板1の後側には、ベース板1に対向した横長矩形の日付板3が設けられている。日付板3の縦寸法及び横寸法はベース板1の縦寸法及び横寸法よりも短い。日付板3の前面には、複数の日数ユニット3aが設けられており、複数の日数ユニット3aは、大型セル20aを除いた残余のセル20にそれぞれ対応している。日数ユニット3aは、複数の日表示窓27に対応した位置にそれぞれ配される少なくとも一つの日を含む。
【0028】
例えば、第1行21を構成する7個のセル20に対応する7個の日数ユニット3aは、それぞれ、左から順に「1」、「1、2」、「1、2、3」、・・・、「1、2、3、4、5、6、7」によって構成されている。すなわち、一の日数ユニット3aの右隣に位置する他の日数ユニット3aは、その数字が一の日数ユニット3aよりも一つ増加する。なお日数ユニット3aを構成する数字は「日」を示し、所定の半径を有する円弧又は円周上に順に配置される。
【0029】
第2行22を構成する7個のセル20に対応する7個の日数ユニット3aは、それぞれ、左から順に「2、3、4、5、6、7、8」、「3、4、5、6、7、8、9」、・・・、「8、9、10、11、12、13、14」によって、構成されている。すなわち、一の日数ユニット3aの右隣に位置する他の日数ユニット3aを構成する複数の数字は、一の日数ユニット3aに比べて、その最小値及び最大値が一つずつ増加する。
【0030】
第3行23〜第5行25の左から三つ目のセル20に対応する各日数ユニット3aまでは、同じ行内において、第2行22と同様である。また上下に隣接する二つの行において、上の行の右端に位置する日数ユニット3aと、下の行の左端に位置する日数ユニット3aとの間においても、同様に、最小値及び最大値が一つずつ増加する。
【0031】
第5行25の左から四つ目から第6行26のセル20に対応する各日数ユニット3aは、「26、27、28、29、30、31」、「27、28、29、30、31」、「28、29、30、31」、・・・、「31」によって構成されている。すなわち、一の日数ユニット3aの右隣に位置する他の日数ユニット3aは、その最小値が一の日数ユニット3aよりも一つ減少する。なお第5行25の右端に位置する日数ユニット3aと、第6行26の左端に位置する日数ユニット3aとの間においても、同様に、最小値が一つ減少する。
【0032】
各日数ユニット3aにおいて、日数ユニット3aを構成するいずれかの数字が、前述した37個の日表示窓27のうち、31個の日表示窓27の後側に配置され、31個の日表示窓27を通して、1〜31の数字が昇順に表示される。
【0033】
ベース板1の上縁部、左縁部、右縁部及び下縁部には、上レール4、左レール5、右レール6及び下レール7がそれぞれ設けられている。図2に示すように、上レール4、左レール5、右レール6及び下レール7は、第1連結部51〜第4連結部54によって連結されている。第4連結部54は、前側に展開可能な第54fを備える。図1及び図2に示すように、下レール7の左下縁部には横長等脚台形状の切欠7aが形成されている。切欠7aの左右位置は、前記ベース板1の切欠1aの左右位置に対応している。
【0034】
日付板3及びベース板1の右上部の間には、軸回りに回転可能な円形の月プレート11が設けられている。月プレート11は月表示窓28の後側に位置する。月プレート11の正面には数字の「1」〜「12」が周方向に並んで表示されている。右レール6の右上部分に左右に貫通した貫通孔6eが設けられている。貫通孔6eからは、月プレート11の一部が突出している。ユーザは、月プレート11の貫通孔6eから突出した部分を操作して、月プレート11を回転させ、月表示窓28に所望の月を表示させることができる。
【0035】
上レール4の左右方向中央部には、フック部41が設けられている。フック部41は横長の長孔41aを備える。長孔41aの上縁部には鋸刃部41bが設けられている。
【0036】
図4は、日付板3、月プレート11、第1回転盤61、第2回転盤62、操作盤70等の記載を省略した万年カレンダーの背面図、図5は、万年カレンダーの背面図である。
【0037】
右レール6の後部6bの上下方向中央部分に右押さえ8が設けられている。右押さえ8は、右レール6から左方向に突出している。左レール5の後部5bの上下方向中央部分に左押さえ9が設けられている。左押さえ9は、左レール5から右方向に突出している。左押さえ9の上下寸法は、右押さえ8よりも長い。図5に示すように、右押さえ8及び左押さえ9は、日付板3の後側に位置し、日付板3を保持する。右押さえ8及び左押さえ9は保持部に対応する。
【0038】
フック部41の右側及び左側それぞれにおいて、第2フック部42が上レール4に形成されている。第2フック部42は折り曲げ可能に構成されており、上側に折り曲げることによって、上レール4の上側に突出する。
【0039】
図5に示すように、日付板3及びベース板1の間には、第1回転盤61、第2回転盤62及び操作盤70が設けられている。第1回転盤61及び第2回転盤62は、日付板3の右上部及び左上部にそれぞれ配置されている。操作盤70は、日付板3の左下部に配置されている。
【0040】
図6は、円板60を略示する背面図、図7は、図6に示すVII−VII線を切断線とした断面図、図8は、第1リベット161及び第2リベット162を略示する側面図である。
【0041】
第1回転盤61は、円板60と、第1リベット161と、第2リベット162とを備える。円板60は、その中心を回転中心として回転する。円板60の中心及び円板60の周縁部には、第1リベット161及び第2リベット162が嵌合する第1嵌合孔60a及び第2嵌合孔60bがそれぞれ設けられている。
【0042】
第2回転盤62は、円板60と、第1リベット161と、第2リベット162とを備える。円板60は、その中心を回転中心として回転する。円板60の中心及び円板60の周縁部には、第1リベット161及び第2リベット162が嵌合する第1嵌合孔60a及び第2嵌合孔60bがそれぞれ設けられている。
【0043】
図2に示すように、第1リベット161がべース板1を前側から貫通している。第1リベット161は、円板60の第1嵌合孔60aに回転可能に嵌合している。円板60は、第1リベット161の軸回りに回転することができる。第1リベット161の頭部と円板60との間にベース板1は挟まれている。
【0044】
図5に示すように、第2リベット162が日付板3を後側から貫通している。第2リベット162は、円板60の第2嵌合孔60bに回転可能に嵌合している。第2リベット162の頭部と円板60との間に日付板3は挟まれている。
【0045】
図9は、操作盤70を略示する分解斜視図、図10は、ストッパ80を略示する正面図、図11は、ストッパ80を略示する平面図、図12は、万年カレンダーの操作盤70及びストッパ80付近を略示する部分拡大背面図である。
【0046】
図9に示すように、操作盤70は、操作ギヤ71と、リングギヤ72とを備える。操作ギヤ71は、前後方向を軸方向とした円板状をなし、その外周縁部に波形状の歯が形成されている。操作ギヤ71の中心には、前後に貫通しており、第1リベット161が嵌合する第1嵌合孔71aが設けられている。第1嵌合孔71aから径方向に所定距離離れた位置に、前後に貫通しており、第2リベット162が嵌合する第2嵌合孔71bが設けられている。操作ギヤ71は、その下端部が、左右方向において切欠7aの内側に配置されるように、下レール7の後側に配置される。前述したように、切欠7aの位置と切欠1aの位置とは対応しているので、万年カレンダーを前から見た場合に、操作ギヤ71の下端部は前側から視認される。
【0047】
操作ギヤ71の後面に、操作ギヤ71に対して同軸的にリングギヤ72が設けられている。リングギヤ72の外周縁部に歯が形成されている。リングギヤ72の歯の数は適宜決定され、例えば7〜100個であり、7の倍数であることが好ましい。第1嵌合孔71a及び第2嵌合孔71bは、リングギヤ72の内周縁よりも径方向内側に配置されている。
【0048】
図12に示すように、操作ギヤ71は、前後方向において、ベース板1と日付板3との間に配置されている。図2に示すように、第1リベット161がべース板1を前側から貫通している。第1リベット161は、操作ギヤ71の第1嵌合孔71aに回転可能に嵌合している。操作ギヤ71は、第1リベット161の軸回りに回転することができる。リングギヤ72は、操作ギヤ71と共に第1リベット161の軸回りに回転する。第1リベット161の頭部と操作ギヤ71との間にベース板1は挟まれている。
【0049】
図5に示すように、第2リベット162が日付板3を後側から貫通している。第2リベット162は、操作ギヤ71の第2嵌合孔71bに回転可能に嵌合している。第2リベット162の頭部と操作ギヤ71との間に日付板3は挟まれている。
【0050】
図5図12に示すように、ストッパ80が操作ギヤ71の下端部の後側に配置されている。図10及び図11に示すように、ストッパ80は、正面視において左右に延びた矩形板状の本体81を備える。本体81の下縁部の左右方向中央部分には台形状の窪み87が形成されている。
【0051】
図10に示すように、本体81の正面中央部には、正面視において、逆台形状をなす第1凹部82が形成されている。第1凹部82の左右には、傾斜面83がそれぞれ形成されている。第1凹部82の左右方向中央部には、正面視において、左右に延びた矩形状をなす第2凹部84が更に形成されている。そのため、本体81の第2凹部84に対応する部分の前後方向の厚みは、本体81において最も薄い。
【0052】
本体81の第1凹部82に対応する部分は、本体81の端部に比べて薄いので撓み易く、本体81の第2凹部84に対応する部分は最も薄く、加えてスリット85が形成されているので、更に撓み易い。換言すれば、本体81の第1凹部82に対応する部分は弾性力を有し、突部86を支持する弾性支持部88を構成する。
【0053】
第2凹部84の底面には、左右に延びた二つのスリット85、85が上下に並設されている。二つのスリット85、85の間には、後方に突出した突部86が設けられている。ストッパ80は、操作ギヤ71の下端部が窪み87から下方に突出し、突部86がリングギヤ72に噛合するように、操作盤70を後側から覆っている。本体81の左右両端部は下レール7に固定されている。ユーザは、窪み87から突出した操作ギヤ71の下端部(より詳細には操作ギヤ71の歯)を操作し、操作盤70を回転させることができる。
【0054】
操作盤70の下部は第1凹部82の内側に配置されている。操作ギヤ71が回転した場合に、操作ギヤ71は第1凹部82の内側を移動し、ストッパ80に干渉しない。リングギヤ72が回転した場合、リングギヤ72の歯は突部86を押し、弾性支持部72は後側に撓み、突部86はリングギヤ72の歯を乗り越える。換言すれば、突部86と操作盤70との係合が解除される。
【0055】
リングギヤ72が更に回転した場合、突部86は乗り越えた歯と、その隣の歯との間に配置される。このとき、弾性支持部72には撓みによる弾性復元力が生じており、この弾性復元力によって突部86は前側に付勢されるので、突部86はリングギヤ72に速やかに噛合する、即ち突部86と操作盤70との係合が速やかに実行される。
【0056】
万年カレンダーを壁等に掛けた場合、日付板3の重量が操作盤70に作用するが、突部86はリングギヤ72に噛合しているので、日付板3の自重による操作盤70の不要な回転は防止される。
【0057】
第1回転盤61、第2回転盤62及び操作盤70によって、日付板3は回転可能に三点支持されている。操作ギヤ71を操作することによって、第1回転盤61、第2回転盤62及び操作盤70が第1リベット161の軸回りに回転し、第2リベット162は第1リベット161の軸回りに回転し、日付板3が回転する。
【0058】
ユーザは、前方から視認しながら、操作盤70を操作し、日付板3を回転させて、第1週目の所望の曜日に「1」を表示させることができる。
【0059】
実施の形態1に係る万年カレンダーにあっては、ユーザが操作盤70を操作することによって、日付板3は円滑に移動し、ストッパ80によって操作盤70は固定され、日付板3が固定される。即ち、日付板3の円滑な移動及び固定を両立させることができる。また操作盤70及びストッパ80はベース板1の後側に配置されているので、外観意匠性が損なわれない。
【0060】
またストッパ80に突部86を設け、該突部86を操作盤70に係合させることによって、日付板3の固定を実現することができる。また操作盤70はリングギヤ72を有し、リングギヤ72に突部86を係合させて、日付板3の固定を実現する。
【0061】
また操作盤70はリングギヤ72の歯を7個以上備えている。リングギヤ72の歯を7個備える場合には、全ての曜日とギヤの歯とを一対一で対応させ、突部86をリングギヤ72に噛合させて、第1週目の所望の曜日に「1」を表示させることができる。また8個以上備える場合には、操作盤70の操作をより細かい単位で行うことができるので、万年カレンダーを構成する部品に製造誤差が生じていても、日付板3の位置を微調整し、第1週目の所望の曜日に「1」を表示させることができる。
【0062】
またリングギヤ72の歯の数が7の倍数である場合には、それぞれのリングギヤ72の歯をいずれかの曜日に対応させることができる。例えばリングギヤ72の歯が21個である場合、各曜日に三つの歯が対応する。月曜日に対応する三つの歯の内、二番目の歯を突部86に係合させた場合に第1週目の月曜日に「1」が表示されるときには、製造誤差は操作盤全体に生じるので、他の曜日に対応する三つの歯の内、二番目の歯を突部86に係合させることによって、その曜日に「1」が表される。換言すれば、一度、第1週目の所望の曜日に「1」を表示させた後は、操作盤70の操作によって、ギヤの歯の位置を三回ずらすごとに、「1」を表示する曜日が変更される。そのため、ユーザは曜日の変更を容易に行うことができる。
【0063】
またストッパ80は弾性支持部88を有し、該弾性支持部88を撓ませることによって、突部86と操作盤70との係合を解除することができ、また係合を解除した後に、撓みによる弾性支持部88の弾性復元力によって突部86の操作盤70への係合が速やかに実現される。
【0064】
(実施の形態2)
以下本発明を実施の形態2に係る万年カレンダーを示す図面に基づいて説明する。図13は、実施の形態2に係る万年カレンダーの操作盤70及びストッパ80付近を略示する部分拡大背面図である。
【0065】
実施の形態2においては、実施の形態1と異なり、操作盤70はリングギヤ72を備えていない。また突部86は弾性支持部88に支持され、操作ギヤ71の歯に係合する位置に配されている。操作ギヤ71の歯の数は適宜決定され、例えば7〜100個であり、7の倍数であることが好ましい
【0066】
操作ギヤ71に突部86が係合することによって、日付板3は固定され、日付板3の自重による操作盤70の不要な回転は防止される。
【0067】
また操作盤70は操作ギヤ71の歯を7個以上備えているので、7個備える場合には、全ての曜日とギヤの歯とを一対一で対応させ、第1週目の所望の曜日に「1」を表示させることができる。また8個以上備える場合には、操作盤70の操作をより細かい単位で行い、日付板3の位置を微調整し、第1週目の所望の曜日に「1」を表示させることができる。
【0068】
また操作ギヤ71の歯の数が7の倍数である場合には、それぞれの操作ギヤ71の歯をいずれかの曜日に対応させることができる。例えば操作ギヤ71の歯が21個である場合、各曜日に三つの歯が対応する。月曜日に対応する三つの歯の内、二番目の歯を突部86に係合させた場合に第1週目の月曜日に「1」が表示されるときには、製造誤差は操作盤全体に生じるので、他の曜日に対応する三つの歯の内、二番目の歯を突部86に係合させることによって、その曜日に「1」が表される。換言すれば、一度、第1週目の所望の曜日に「1」を表示させた後は、操作盤70の操作によって、ギヤの歯の位置を三回ずらすごとに、「1」を表示する曜日が変更される。そのため、ユーザは曜日の変更を容易に行うことができる。
【0069】
実施の形態2に係る万年カレンダー構成の内、実施の形態1と同様な構成については、同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0070】
(実施の形態3)
以下本発明を実施の形態3に係る万年カレンダーを示す図面に基づいて説明する。図14は、実施の形態3に係る万年カレンダーの操作盤70及びストッパ80付近を略示する部分拡大背面図である。
【0071】
実施の形態2においては、実施の形態1と異なり、操作盤70はリングギヤ72を備えていない。また操作ギヤ71には、前後に貫通した複数の係合孔又は係合凹部71a、71a、・・・、71aが、操作ギヤ71の中心を中心とした円周上に並設されている。突部86は弾性支持部88に支持され、係合孔又は係合凹部71aに係合する位置に配されている。
【0072】
操作ギヤ71の係合孔又は係合凹部71aに突部86が挿入され、係合することによって、日付板3は固定され、日付板3の自重による操作盤70の不要な回転は防止される。
【0073】
係合孔又は係合凹部71aの数は適宜決定され、例えば7〜100個であり、7の倍数であることが好ましい。操作盤70は係合孔又は係合凹部71aを7個以上備えているので、7個備える場合には、全ての曜日とギヤの歯とを一対一で対応させて、第1週目の所望の曜日に「1」を表示させることができる。また8個以上備える場合には、操作盤70の操作をより細かい単位で行い、日付板3の位置を微調整し、第1週目の所望の曜日に「1」を表示させることができる。
【0074】
また係合孔又は係合凹部71aの歯の数が7の倍数である場合には、それぞれの係合孔又は係合凹部71aの歯をいずれかの曜日に対応させることができる。例えば係合孔又は係合凹部71aの歯が21個である場合、各曜日に三つの歯が対応する。月曜日に対応する三つの歯の内、二番目の歯を突部86に係合させた場合に第1週目の月曜日に「1」が表示されるときには、製造誤差は操作盤全体に生じるので、他の曜日に対応する三つの歯の内、二番目の歯を突部86に係合させることによって、その曜日に「1」が表される。換言すれば、一度、第1週目の所望の曜日に「1」を表示させた後は、操作盤70の操作によって、ギヤの歯の位置を三回ずらすごとに、「1」を表示する曜日が変更される。そのため、ユーザは曜日の変更を容易に行うことができる。
【0075】
実施の形態3に係る万年カレンダー構成の内、実施の形態1又は2と同様な構成については、同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0076】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。各実施例にて記載されている技術的特徴は互いに組み合わせることができ、本発明の範囲は、特許請求の範囲内での全ての変更及び特許請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0077】
1 ベース板
3 日付板
27 日表示窓
70 操作盤
71 操作ギヤ
71a 係合孔又は係合凹部
72 リングギヤ
80 ストッパ
86 突部
88 弾性支持部
図1
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