特許第6397463号(P6397463)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6397463
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】ウェブ巻取機
(51)【国際特許分類】
   B65H 23/198 20060101AFI20180913BHJP
   B65H 19/28 20060101ALI20180913BHJP
   B65H 18/20 20060101ALI20180913BHJP
【FI】
   B65H23/198
   B65H19/28 Z
   B65H18/20
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-229922(P2016-229922)
(22)【出願日】2016年11月28日
(65)【公開番号】特開2018-87054(P2018-87054A)
(43)【公開日】2018年6月7日
【審査請求日】2017年1月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】391054453
【氏名又は名称】川之江造機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001704
【氏名又は名称】特許業務法人山内特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】掛水 浩二
(72)【発明者】
【氏名】毛利 和也
【審査官】 西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−247237(JP,A)
【文献】 特開2003−034468(JP,A)
【文献】 特開2003−252498(JP,A)
【文献】 特開平08−259067(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 18/00−19/30
B65H 21/00−21/02
B65H 23/18−23/198
B65H 26/00−26/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブを供給しながら巻取中の紙管を回転させる第1巻取ロールと、
巻取中の前記紙管を支えながら回転させる第2巻取ロールと、
巻取中の前記紙管を抑える第3巻取ロールと、を備え、
前記第1巻取ロール、第2巻取ロールおよび第3巻取ロールで囲まれた巻取空間に前記紙管を供給し、該紙管にウェブを巻き取らせるウェブ巻取機であって、
該ウェブ巻取機は、
前記第2巻取ロールの回転方向の速度を制御する速度制御モータと、
該速度制御モータへの出力信号を送信する制御器と、
前記ウェブ巻取機の操作者からの指令を受け付け、該指令に従った入力信号を前記制御器へ送信する入力装置と、を備え、
該入力装置には、前記速度制御モータの速度振動のパラメータの入力部が設けられている、
ことを特徴とするウェブ巻取機。
【請求項2】
前記入力部は、
二以上の前記速度振動のパラメータを入力可能に構成されており、
これら二以上の前記速度振動のパラメータが合成されることで、前記速度制御モータの速度が決定され、
前記二以上の前記速度振動のパラメータの周期が異なっている、
ことを特徴とする請求項1記載のウェブ巻取機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェブ巻取機に関する。さらに詳しくは、トイレットペーパーやキッチンペーパーになるウェブを巻き取って、紙管に巻き付け、トイレットロールやキッチンロール等のロール製品を製造するためのウェブ巻取機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示すように、紙管を用いるウェブ巻取機は、3本の巻取ロールで囲んだ巻取空間に紙管を置き、3本の巻取ロールで紙管を回転させて、その紙管にウェブを巻き付けることを基本としている。しかるに、生産効率を高めようと、ウェブ巻取機を構成する各巻取ロールの回転数を上げて高速巻取を行うと、ウェブテンションが上がり、ウェブを締めながら巻き取ることになるため、巻取径が小さくなる。この場合、3本のロールで形成される巻取空間よりも巻取径が小さくなり、巻取径巻取ロールに巻かれたウェブと、このウェブの上にさらに重ねて巻き取られたウェブとの間に空間が生じることがある。このような空間が生じると、紙管が3本の巻取ロールの中心に位置しない、すなわち、ログ(本明細書において、ログとは紙管にウェブが巻き取られてものを言う)の重心が、3本の巻取ロールの中心に位置せず、振動が生じ、高速巻取ができないという問題がある。すなわち、何ら対策を行わずに高速巻取を行うと、ログが、ロール製品として規格外になり不良率が上がるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−247237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記事情に鑑み、ロール製品の不良率の発生を抑制しながら、高速で巻取を行い、生産能率を向上できるウェブ巻取機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1発明のウェブ巻取機は、ウェブを供給しながら巻取中の紙管を回転させる第1巻取ロールと、巻取中の前記紙管を支えながら回転させる第2巻取ロールと、巻取中の前記紙管を抑える第3巻取ロールと、を備え、前記第1巻取ロール、第2巻取ロールおよび第3巻取ロールで囲まれた巻取空間に前記紙管を供給し、該紙管にウェブを巻き取らせるウェブ巻取機であって、該ウェブ巻取機は、前記第2巻取ロールの回転方向の速度を制御する速度制御モータと、該速度制御モータへの出力信号を送信する制御器と、前記ウェブ巻取機の操作者からの指令を受け付け、該指令に従った入力信号を前記制御器へ送信する入力装置と、を備え、該入力装置には、前記速度制御モータの速度振動のパラメータの入力部が設けられていることを特徴とする。
第2発明のウェブ巻取機は、第1発明において、前記入力部は、二以上の前記速度振動のパラメータを入力可能に構成されており、これら二以上の前記速度振動のパラメータが合成されることで、前記速度制御モータの速度が決定され、前記二以上の前記速度振動のパラメータの周期が異なっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
第1発明によれば、速度制御モータの速度振動のパラメータの入力部が設けられ、その入力に従い、速度制御モータの速度の値が、あらかじめ定められた範囲で増減することにより、ウェブ巻取機を構成する巻取ロールの回転数を上げて生産能力を向上させた場合でも、巻取ロールに巻かれたウェブと、このウェブの上にさらに重ねて巻き取られたウェブとの間に空間が生じることがなくなり、ログが3本の巻取ロールの中心に常に位置するようになり、ロール製品の不良率を抑えながら高速巻取が可能となる。
第2発明によれば、振動信号の入力部は、二以上の振動信号を受け付けるよう構成されており、これら二以上の振動信号が合成されることで、速度制御モータの速度が決定され、二以上の振動信号の周期が異なっていることにより、振動の振幅を必要以上に大きくせずに、さらにログの不良率を抑え、高速巻取を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係るウェブ巻取機の入力装置の正面図である。
図2】本発明の実施形態に係るウェブ巻取機の要部断面図である。
図3図2のウェブ巻取機の要部のブロック構成図である。
図4図2のウェブ巻取機の動作説明図(No.1)である。
図5図2のウェブ巻取機の動作説明図(No.2)である。
図6図2のウェブ巻取機の動作説明図(No.3)である。
図7図2のウェブ巻取機の動作説明図(No.4)である。
図8図2のウェブ巻取機の動作説明図(No.5)である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。図2は第1実施形態のウェブ巻取機の概略側面図である。同図に示すように、第1実施形態のウェブ巻取機は、第1巻取ロール10、第2巻取ロール20、第3巻取ロール30、コア挿入装置50およびミシン目穿孔ロールユニット70を含んで構成されたものである。この他にも、本実施形態に係るウェブ巻取機は、図示していない糊付装置や、第1巻取ロール内に設置されているバキューム装置を含んで構成されている。符号2、3はいずれも送りロールを示している。これら送りロール2、3を経由して送られたウェブWは、ミシン目穿孔ロールユニット70で加工され、第1巻取ロール10、第2巻取ロール20および第3巻取ロール30で囲まれた巻取空間で、紙管Cの周面に巻き取られるようになっている。
【0009】
まず、第1巻取ロール10を説明する。第1巻取ロール10は、円筒状のロール11を倒した状態で、水平な回転軸廻りに回転自在に設けられたものである。このロール11のロール表面全面には、2つの吸引孔12(図4参照)が形成されている。この第1巻取ロール10の内部には、図示しないバキューム装置が設けられており、このバキューム装置により、前記巻取空間の入り口部分でウェブWを吸着する。
【0010】
つぎに、ミシン目穿孔ロールユニット70を説明する。前記送りロール2、3から第1巻取ロール10に至るウェブWの供給経路に、左右一対のミシン目穿孔ロール71A、71B が、前記ウェブWを挟む位置にいずれも回転自在に設けられている。一方のミシン目穿孔ロール71A のロール周面には、その幅方向に延びた複数のミシン目形成刃72(図2では6つ)が等角度をもって取り付けられている。他方のミシン目穿孔ロール71B のロール周面には、その幅方向に延びたミシン目形成刃73(図2では1つ)が取り付けられている。このミシン目穿孔ロールユニット70によれば、左右一対のミシン目穿孔ロール71A、71B を回転させて、ミシン目形成刃72とミシン目形成刃73とが重なり合うことによって、ウェブWにミシン目を形成させることができる。なお、ミシン目穿孔ロール71Aにおけるミシン目形成刃72の数およびミシン目穿孔ロール71Bにおけるミシン目形成刃73の数は、いずれもいくつでもよく、各ミシン目穿孔ロール71A、71Bの回転数を調整すればよい。なお、ミシン目穿孔ロールユニット70は、必ずしも設けなくてもよい。
【0011】
つぎに、第2巻取ロール20を説明する。前記第1巻取ロール10の斜め下方には、第2巻取ロール20が回転自在に設けられている。この第2巻取ロール20は、第1巻取ロール10との間に紙管Cが通るように、紙管Cの直径よりも広い間隔をもって配設されている。この第2巻取ロール20によって、巻取中の紙管Cを下から支えながら、紙管Cを回転させることができる。
【0012】
つぎに、第3巻取ロール30を説明する。前記第1巻取ロール10の側方であって第2巻取ロール20の上方には、第3巻取ロール30が回転自在に設けられている。この第3巻取ロール30は、図示しない移動手段、例えばカムによって第1巻取ロール10および第2巻取ロール20に接近、離間自在に設けられている。この第3巻取ロール30によって、ウェブWが巻き取られている間、常時ログLを上方から押え、巻取空間からログLが飛び出ないようにしている。
【0013】
前記第1巻取ロール10、第2巻取ロール20および第3巻取ロール30で囲まれた空間が、ウェブWを紙管Cに巻き取るための巻取空間となっている。ウェブ巻取機は、この巻取空間で、第1巻取ロール10によってウェブWを供給しながら巻取中の紙管Cを回転させ、第2巻取ロール20によって紙管Cを支えながら、第3巻取ロール30によって紙管Cを押さえて、この紙管CにウェブWを巻き取らせ、ログとし、このログの直径が大きくなり、あらかじめ定められた長さのウェブWが巻き付けられるとロール製品となる。
【0014】
つぎに、コア挿入装置50を説明する。図1の符号51は、挿入ガイドレールを示している。この挿入ガイドレール51は、紙管供給装置40によって順次提供される紙管Cを案内するためのレールである。この挿入ガイドレール51は、連続した4つの部分、すなわち下降部51a、待機部51b、上昇部51cおよび挿入準備部51dから構成されている。下降部51aは、紙管Cが転動するように、前方斜め下方に傾斜している。この下降部51aに連続して、凹状の待機部51bが形成されている。この待機部51bによって、下降部51a上を転動した紙管Cを待機させておくことができる。この待機部51bに連続して、前方斜め上方に傾斜した上昇部51cが形成されている。この上昇部51cに連続して、滑らかな凹状で円弧状の挿入準備部51dが形成されている。この挿入準備部51dの先端は、前記巻取空間まで延びている。
【0015】
そして、挿入ガイドレール51の待機部51bの近傍に、アーム52が上下揺動自在に設けられている。このアーム52の先端は、紙管Cを支持するためにフォーク状に形成されており、アーム52の基端は、ピン等で枢着されている。例えばカム等の揺動手段によって、アーム52の先端を、待機部51bと、挿入準備部51dとの間で揺動させることができる。
【0016】
つぎに、本実施形態のウェブ巻取機の駆動構成について説明する。図3には、本実施形態に係るウェブ巻取機の要部の制御ブロック構成図を示す。ウェブ巻取機は、ウェブ巻取機全体の制御を行う制御器40を備えており、この制御器40には、入力装置41が接続されている。この入力装置41は、ウェブ巻取機の操作者からの指令を受け付ける装置であり、タッチパネル上に複数の入力部が表示される。入力装置41は、ウェブ操作者の入力指令にしたがって、制御器40へ入力信号を送信する。
【0017】
制御器40には、ウェブ巻取機の動作を制御する駆動機器が接続されている。本実施形態では、駆動機器は、第1巻取ロール等を動作させるための誘導モータであるメインモータ43、およびこの回転数制御のためのインバータ42、第2巻取ロールの回転数を変更させるための第1サーボモータ45、およびこの動作制御のための第1サーボアンプ44、第3巻取ロールの回転数を変更させるための第2サーボモータ47、およびこの動作制御のための第2サーボアンプ46、が含まれて構成されている。これらのインバータ42、第1サーボアンプ44、第2サーボアンプ46に、制御器40は出力信号を送信し、これらに接続している各モータが動作させられる。
【0018】
本実施形態のウェブ巻取機は、第1巻取ロール10、第2巻取ロール20、第3巻取ロール30の全てが、メインモータ43によって、1本の駆動ベルトを介して駆動されている。そして、第2巻取ロール20と、第3巻取ロール30には、それぞれ差動歯車機構が設けられており、第1サーボモータ45が、第2巻取ロール20用の差動歯車機構を介して第2巻取ロール20の回転数を制御する。同じように、第2サーボモータ47が、第3巻取ロール30用の差動歯車機構を介して、第3巻取ロール30の回転数を制御する。本実施形態では、請求の範囲の「速度制御モータ」が、「第1サーボモータ45」に該当する。
【0019】
図1には、本実施形態のウェブ巻取機が備えている入力装置41の入力画面41aの正面図を示す。図1に示すように、入力画面41aには、第2巻取ロール20の速度振動のパラメータを入力する入力部が設けられている。速度振動とは、第2巻取ロール20の速度を、あらかじめ定められた振幅で、かつ、あらかじめ定められた周期で増減させることを意味する。ウェブ巻取機の操作者が、速度振動の周期と振幅をそれぞれ入力することで、制御器40において、第1サーボアンプ44に送信すべき速度指令値が計算され、そして計算された速度指令が第1サーボアンプ44に送信され、その速度指令により第1サーボモータ45が動作することで、速度振動は励起される。
【0020】
また、本実施形態においては、入力画面41aは、3種類の速度信号を入力することが可能なように構成されている。この3種類の速度信号は、制御器40で合成されたうえで速度指令値が計算され、その速度指令値が出力信号としてとして第1サーボアンプ44に送信される。なお、本実施形態では3種類の速度信号を入力することが可能な構成としたが、これに特に限定されるものではなく、1種類であっても、2種類以上であっても問題ない。
【0021】
速度制御モータである第1サーボモータ45の速度を振動信号の入力部が設けられ、その入力に従い、速度制御モータの速度の値が、あらかじめ定められた範囲で増減することにより、ウェブ巻取機を構成する巻取ロールの回転数を上げて生産能力を向上させた場合でも、巻取ロールに巻かれたウェブWと、このウェブWの上にさらに重ねて巻き取られたウェブWとの間に空間が生じることがなくなり、ログLが3本の巻取ロールの中心に常に位置するようになり、ロール製品の不良率を抑えることができる。
【0022】
振動信号の入力部は、二以上の振動信号を受け付けるよう構成されており、これら二以上の振動信号が合成されることで、速度制御モータの速度が決定され、二以上の振動信号の周期が異なっていることにより、振動の振幅を必要以上に大きくせずに、さらにログの不良率を抑えることができる。
【0023】
つぎに、本実施形態のウェブ巻取機の動作を、図4から図8を用いて説明する。図4で示すように、第1巻取ロール10、第2巻取ロール20、第3巻取ロール30で囲まれた巻取空間に、ロール製品になる前のログLが位置している。送りロール2、3により第1巻取ロール10に送り込まれたウェブWは、第1巻取ロール10に巻き付き、第1巻取ロール10が、第1巻取ロール10内に記載されている矢印の方向に回転することで、ログLにウェブWが供給される。このとき、第2巻取ロール20および第3巻取ロール30も、それぞれの内側に記載されている矢印の方向に回転している。図4では、第1巻取ロール10、第2巻取ロール20、第3巻取ロール30の周速度は、全て等しくなっている。
【0024】
図5で示すように、ログLにウェブWがあらかじめ定められた量だけ巻き付くと、図5の紙面上、第1巻取ロール10の右側に位置しているカッターローラ15が第1巻取ロール10に接近し、第1巻取ロール10に巻き付いているウェブWを切断する。このとき、この切断部の上方、すなわちウェブWの送りロール2、3側に位置している、第1巻取ロール10の吸引孔12からウェブWを吸引しているので、ウェブWは、カッターローラ15による切断後も、第1巻取ロール10とともに回転する。
【0025】
図6を用いて、ロール製品となっているログLの排出と、新たにログLとなるための紙管Cの供給について説明する。切断されたウェブWは、ログLに最後まで巻き付き、その後ログLはロール製品として排出される。制御器40は、第2サーボモータ47の回転数を上げ、第3巻取ローラ30の周速度を、第1巻取ローラ10および第2巻取ローラ20の周速度より上げ、これにより、ログLは、図6の紙面上左側に排出される。ログLが排出されることで、巻取空間には、ログLが存在しなくなり、巻取空間は、次の紙管Cを受け入れることができる。
【0026】
挿入ガイドレール51の待機部51bに位置していた、次の紙管Cは、コア挿入装置50のアーム52により、挿入ガイドレール51の上昇部51cを通過し、挿入準備部51dに移動させられる。このとき、この紙管Cの周囲の一部には接着剤が塗布されている。この挿入準備部51dにおいて、切断されたウェブWが、紙管Cに接触すると、塗布されている接着剤により、ウェブWは紙管Cに巻き取られ始める。
【0027】
図7に示すように、紙管Cは、ウェブWを巻取りながら、第1巻取ロール10と第2巻取ロール20との間を巻取空間に向けて転動しながら移動する。
【0028】
図8に示すように、第1巻取ロール10と第2巻取ロール20との間を通り、巻取空間に移動した紙管Cは、その移動の間にウェブWがすでに巻き付いてログLとなり、さらに、巻取空間で、第1巻取ロール10、第2巻取ロール20、第3巻取ロール30によって、あらかじめ定められた長さだけウェブWが巻き付き、ロール製品になる。この図4から図8に示す動作が繰り返されることにより、ウェブ巻取機によりロール製品が順次製造される。
【0029】
なお、第1巻取ロール10等の速度は、制御器40に接続している入力装置41から、ウェブ巻取機の操作者が適切な値を入力することにより、制御器40により制御されている。そして、本実施形態のウェブ巻取機では、図8の状態のログLから、図4の状態のログLになるまでの間に、第2巻取ロール20の速度を増減させると巻き付力が増減して、紙管Cの振れが収まって、ロール製品の不良率を抑えながら高速巻取を可能としている。
【0030】
本実施形態では、第2巻取ロール20の速度制御は、速度制御モータと差動歯車機構により行われたが、これに限定されない。例えば、速度制御モータのみによって第2巻取ロール20の速度制御を行うことも可能である。
【符号の説明】
【0031】
10 第1巻取ロール
20 第2巻取ロール
30 第3巻取ロール
40 制御器
41 入力装置
C 紙管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8