(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6397497
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】車両の温度調節のシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
B60W 10/06 20060101AFI20180913BHJP
B60L 11/12 20060101ALI20180913BHJP
H02P 27/06 20060101ALI20180913BHJP
F02D 29/06 20060101ALI20180913BHJP
B60K 6/46 20071001ALI20180913BHJP
B60W 10/08 20060101ALI20180913BHJP
B60W 20/00 20160101ALI20180913BHJP
【FI】
B60W10/06 900
B60L11/12ZHV
H02P27/06
F02D29/06 J
F02D29/06 D
F02D29/06 L
B60K6/46
B60W10/08 900
B60W20/00
B60W20/00 900
【請求項の数】17
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-536403(P2016-536403)
(86)(22)【出願日】2014年8月20日
(65)【公表番号】特表2016-536202(P2016-536202A)
(43)【公表日】2016年11月24日
(86)【国際出願番号】US2014051819
(87)【国際公開番号】WO2015026903
(87)【国際公開日】20150226
【審査請求日】2017年8月15日
(31)【優先権主張番号】61/867,864
(32)【優先日】2013年8月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】ヤング,ヘンリー・トッド
(72)【発明者】
【氏名】ランドルフ,オード・アレン
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,ティモシー
【審査官】
増子 真
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2013/089016(WO,A1)
【文献】
特開2007−278277(JP,A)
【文献】
特開平10−164703(JP,A)
【文献】
特開2005−333686(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0104058(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 6/20 − 6/547
B60W 10/00 − 20/50
B60L 1/00 − 3/12
B60L 7/00 − 13/00
B60L 15/00 − 15/42
H02P 21/00 − 25/03
H02P 25/04
H02P 25/10 − 27/18
H02P 4/00
H02P 25/08 − 25/098
H02P 29/00 − 31/00
H02M 7/42 − 7/98
F02D 13/00 − 28/00
F02D 29/00 − 29/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(10)用の温度調節システムであって、
前記車両(10)のエンジン(106)に接続されるように構成された駆動システム(100)であって、前記車両(10)の少なくとも1つのトラクションモータ(102、104)による使用のために、前記エンジン(106)によって生成される動力を電力に変換するように構成された駆動システム(100)と、
前記エンジン(106)および前記駆動システム(100)を制御するための制御ユニット(124)であって、検出基準温度に応じて車両構成要素の温度を自動的に調節するように構成された制御ユニット(124)と、
を備え、
前記車両構成要素が、前記車両(10)の前記駆動システム(100)の1つ以上の電力変換器(112、114)の複数の電力半導体スイッチ(116、118、120、122)を備え、前記1つ以上の電力変換器(112、114)が、前記車両(10)の前記少なくとも1つのトラクションモータ(102、104)による使用のために前記電力
を供給するように電気的に接続されており、
前記制御ユニット(124)が、前記検出基準温度が所定の値を下回ったことに応じて、前記少なくとも1つのトラクションモータ(102、104)に前記車両(10)を移動させない仕方で前記電力半導体スイッチ(116、118、120、122)を作動させることによって前記電力半導体スイッチ(116、118、120、122)の温度を自動的に上昇させるように調節するように構成され、前記電力半導体スイッチの温度を好ましい動作範囲内に保持する、
温度調節システム。
【請求項2】
前記制御ユニット(124)が、前記検出基準温度が所定の値を下回ったときに付加的な負荷を前記エンジン(106)に加えるように前記駆動システム(100)を自動的に制御するよう構成されおり、前記付加的な負荷が、前記エンジン(106)のアイドリングレベルを上回る、前記エンジン(106)への負荷である、請求項1に記載の温度調節システム。
【請求項3】
前記エンジン(106)に関連付けられ、かつ前記制御ユニット(124)に電気的に接続された温度センサ(126)であって、前記検出基準温度を検知するように構成された温度センサ(126)
をさらに備える、請求項2に記載の温度調節システム。
【請求項4】
前記制御ユニット(124)が、前記エンジン(106)の温度が指定レベルを上回るように前記付加的な負荷を加えながらも必要以上の燃料の燃焼を回避するために、前記付加的な負荷を前記エンジン(106)に加えながらエンジンパラメータを監視するように構成されている、
請求項2または3に記載の温度調節システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの電力変換器(112、114)が、前記車両(10)の前記少なくとも1つのトラクションモータ(102、104)による使用のために前記電力を供給するように構成されており、前記電力が、ACシーケンスでの前記電力半導体スイッチ(116、118、120、122)の作動によって生成されるAC電力を含み、
前記制御ユニット(124)が、前記電力変換器(112、114)が前記少なくとも1つのトラクションモータ(102、104)に前記電力を供給するために使用されていないときに、前記複数の電力半導体スイッチ(116、118、120、122)をDCシーケンスで自動的に作動させるようにして前記電力半導体スイッチ(116、118、120、122)の温度を調節するために構成されている、
請求項1乃至4のいずれかに記載の温度調節システム。
【請求項6】
前記電力半導体スイッチ(116、118、120、122)が、絶縁ゲートバイポーラトランジスタである、請求項5に記載の温度調節システム。
【請求項7】
前記制御ユニット(124)が、前記検出基準温度が所定の値を下回ったときに付加的な負荷を前記エンジン(106)に加えるように前記駆動システム(100)を自動的に制御するよう構成されおり、前記付加的な負荷が、前記エンジン(106)のアイドリングレベルを上回る、前記エンジン(106)への負荷であり、
前記車両が、前記車両(10)の前記少なくとも1つのトラクションモータ(102、104)による使用のために前記電力を供給するように構成されている前記電力変換器(112、114)を備え、前記電力が、ACシーケンスでの前記電力半導体スイッチ(116、118、120、122)の作動によって生成されるAC電力を含み、
前記制御ユニット(124)が、前記電力変換器(112、114)が前記少なくとも1つのトラクションモータ(102、104)に前記電力を供給するために使用されていないときに、前記複数の電力半導体スイッチ(116、118、120、122)をDCシーケンスで自動的に作動させるようにして前記電力半導体スイッチ(116、118、120、122)の温度を調節するために構成されている、
請求項1乃至6のいずれかに記載の温度調節システム。
【請求項8】
車両(10)の温度調節のための方法であって、
前記車両(10)のエンジン(106)に関連する基準温度を測定するステップと、
前記車両(10)の制御ユニット(124)によって基準温度と前記エンジン(106)の所定の最低動作温度とを比較するステップと、
前記基準温度が前記最低動作温度を下回った場合に、前記制御ユニット(124)によって、前記エンジン(106)のアイドリングレベルを上回る付加的な負荷を前記エンジン(106)に自動的に加えるステップと、
前記電力変換器(112、114)が前記車両(10)のトラクションモータ(102、104)に電力を供給するために使用されていないときに、前記車両(10)の電力変換器(112、114)の絶縁ゲートバイポーラトランジスタをDCシーケンスで作動させることによって前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタの温度を上昇させるように調節するステップと、
を含み、
前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタの温度を調節する前記ステップが、前記基準温度と異なる検知温度が所定の値を下回ったときに実行される、
方法。
【請求項9】
前記基準温度が、前記エンジン(106)の外側の周囲温度である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記基準温度が、前記エンジン(106)内の温度である、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記エンジン(106)の温度が指定レベルを上回るように前記付加的な負荷を加えながらも必要以上の燃料の燃焼を回避するために、前記付加的な負荷を前記エンジン(106)に加えながらエンジンパラメータを監視するステップ
をさらに含む、請求項8乃至10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
発電装置の温度を調節するための方法であって、
前記装置の駆動システム構成要素に関連する基準温度を測定するステップと、
前記装置の制御ユニット(124)によって前記基準温度と前記駆動システム構成要素に関連する所定の最低動作温度とを比較するステップと、
前記基準温度が前記最低動作温度を下回った場合に、前記制御ユニット(124)によって、前記構成要素の動作温度を上昇させるように前記駆動システム構成要素を自動的に動作させるステップと、
を含み、
前記駆動システム構成要素が、前記装置の1つ以上の電力変換器(112、114)の複数の電力半導体スイッチ(116、118、120、122)を備え、前記1つ以上の電力変換器(112、114)が、負荷を駆動するように電気的に接続されており、
前記駆動システム構成要素を動作させる前記ステップが、前記負荷を駆動することなく前記電力半導体スイッチ(116、118、120、122)を発熱させる仕方で前記電力半導体スイッチ(116、118、120、122)を作動させることを含む、
方法。
【請求項13】
前記基準温度が、前記エンジン(106)の外側の周囲温度である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記電力半導体スイッチ(116、118、120、122)が、前記電力半導体スイッチ(116、118、120、122)を所定の温度閾値より上に維持するのに十分な程度まで作動される、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記装置が、車両(10)であり、前記負荷が、前記車両(10)の1つ以上のトラクションモータ(102、104)を備え、
前記駆動システム構成要素を動作させる前記ステップが、前記1つ以上のトラクションモータ(102、104)に前記車両(10)を移動させない仕方で前記電力半導体スイッチ(116、118、120、122)を作動させることを含む、
請求項12乃至14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記駆動システム構成要素が、複数の絶縁ゲートバイポーラトランジスタであり、
前記駆動システム構成要素を動作させる前記ステップが、前記基準温度が前記最低動作温度を下回った場合に前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタをDCシーケンスで作動させることを含む、
請求項12乃至15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタが、前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタを所定の温度閾値より上に維持するのに十分な程度まで作動される、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般に温度調節システムに関する。他の実施形態は、車両のエンジンおよび駆動システムのための温度調節システムに関する。
【背景技術】
【0002】
大型のオフハイウェイ車両(「OHV:off−highway vehicle」)(露天鉱床から掘り出される重い積み荷を運搬するために使用される採鉱車両など)は、よく知られており、一般的に、エネルギー効率の良い方法で車両を推進または減速させるために電動車輪を採用している。この効率は、一般的に、オルタネータ、主トラクションインバータ、および車両の後輪内に収容される1対の車輪駆動アセンブリと共に大馬力のディーゼルエンジンを採用することによって達成される。ディーゼルエンジンは、ディーゼルエンジンがオルタネータを駆動するようにオルタネータに直接関連付けられる。オルタネータは、主トラクションインバータに電力を供給し、主トラクションインバータは、制御された電圧および周波数を有する電力を2つの車輪駆動アセンブリの電気駆動モータに供給する。車輪駆動アセンブリのそれぞれは、遊星ギヤトランスミッションを収容しており、遊星ギヤトランスミッションは、関連する駆動モータの回転エネルギーを、後輪に供給される高トルクで低速度の回転エネルギーの出力に変換する。
【0003】
OHVの一般的な運用時の積み荷は、百トンを超える場合があり、一方、車両および積み荷の総重量は、数百トンになる場合がある。重い積み荷を運搬する他に、OHVは、温度が−30℃〜−60℃程度の低温になる場合がある厳しい気候条件を有する遠隔地でしばしば運用される。このような超低温下において、OHVが、駐車されるか、またはアイドリング状態にあるとき、エンジンは、その動作温度を、十分な性能に必要な範囲内に維持するのに十分な熱をそれ自体では生成し得ない。加えて、駆動システム構成要素は、このような超低温において損傷を受け得るか、または性能の低下を示し得る。
【0004】
したがって、超低温の条件下でOHVおよび他の採掘装置のエンジンおよび/または駆動システム構成要素の温度を調節するためのシステムおよび方法を提供することが望ましくあり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国特許出願公開第10−2013−0087072号公報
【発明の概要】
【0006】
本発明の実施形態は、車両用の温度調節システムに関する。システムは、車両のエンジンに接続されるように構成される駆動システムを含む。駆動システムは、車両の少なくとも1つのトラクションモータによる使用のために、エンジンによって生成される動力を電力に変換するように構成される。システムは、エンジンおよび駆動システムを制御するための制御ユニットをさらに含む。制御ユニットは、検出基準温度に応じて車両構成要素の温度を自動的に調節するように構成される。
【0007】
車両用の温度調節システムの別の実施形態において、システムは、車両のエンジンに接続されるように構成される駆動システムを備える。駆動システムは、車両の少なくとも1つのトラクションモータによる使用のために、エンジンによって生成される動力を電力に変換するために、1つ以上の電力半導体スイッチを有する1つ以上の電力変換器を含む。システムは、エンジンおよび駆動システムを制御するための制御ユニットをさらに備える。実施形態において、制御ユニットは、少なくとも1つのトラクションモータに車両を移動させない仕方で電力半導体スイッチを作動させることによって電力半導体スイッチの温度を自動的に調節するように構成される。
【0008】
別の実施形態において、車両の温度調節のための方法は、車両のエンジンに関連する基準温度を測定するステップと、車両の制御ユニットによって基準温度とエンジンの所定の最低動作温度とを比較するステップと、基準温度が最低動作温度を下回った場合に、制御ユニットによって、エンジンのアイドリングレベルを上回る付加的な負荷をエンジンに自動的に加えるステップとを含む。
【0009】
別の実施形態において、車両または他の発電装置の温度を調節するための方法であって、車両または他の装置の駆動システム構成要素に関連する基準温度を測定するステップと、車両または他の装置の制御ユニットによって基準温度と駆動システム構成要素に関連する所定の最低動作温度とを比較するステップと、基準温度が最低動作温度を下回った場合に、制御ユニットによって、構成要素の動作温度を上昇させるように駆動システム構成要素を自動的に動作させるステップとを含む。
【0010】
本発明は、以下のような添付図面を参照して非限定的な実施形態に関する以下の説明を検討することによってより良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る運搬トラックの斜視図である。
【
図2】
図1の運搬トラックの電力/牽引システムの概略図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る、車両のエンジンの温度を調節するための方法を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の実施形態に係る、車両の駆動システムの温度を調節するための方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、本発明の例示的な実施形態を詳細に参照する。その例は、添付図面に示されている。可能な限り、図面を通して使用される同じ参照符号により、同じまたは同様の部分が示されている。本発明の例示的な実施形態は、露天採掘産業に利用される、ディーゼルエンジンを有する運搬トラックに関して説明されているが、本発明の実施形態は、一般に内燃エンジンおよびこのようなエンジンを採用する車両を伴う使用にも適用可能である。例えば、車両は、特定の産業(鉱業、建設業、農業など)に関連する作業を実行するために設計されたオフハイウェイ車両(「OHV」)であってもよく、運搬トラック、クレーン、土木機械(earth moving machine)、掘削機械、耕作機械、トラクタ、荷役機械、土工機械(earth moving equipment)などを含んでもよい。あるいはまたはさらに、車両は、オンロード車両(トレーラトラック(tractor−trailer rig)、オンロードダンプトラックなど)であってもよい。本明細書で使用される場合、「電気通信」または「電気的に接続される」は、特定の構成要素が、直接的または間接的な電気的接続を用いて直接的または間接的なシグナリングにより互いに通信するように構成されることを意味する。本明細書で使用される場合、「基準温度」は、車両のエンジンまたは駆動システム構成要素が受ける温度を意味する。「基準温度」は、周囲温度、エンジン内の温度、または駆動システム構成要素の1つの温度であってもよい。
【0013】
図1は、運搬トラック10を示しており、運搬トラック10には、本発明の温度調節システムが組み込まれ得る。運搬トラック10は、特に高生産の鉱業および高負荷の建設業の環境での使用のために設計されたダンプトラックであり、運搬トラック10に動力を供給するディーゼル−電力/駆動システム100に接続された駆動輪12を含む。(実施形態では、本発明のシステムおよび/または方法は、具体的に運搬トラックにおいて実施されているが、運搬トラック10は、車両一般の実例である)。
【0014】
図2を参照すると、電力/駆動システム100が示されている。上に示したように、運搬トラックは、少なくとも2つの駆動輪12を有する。駆動輪12のそれぞれは、三相交流(AC)誘導型車輪モータによって駆動される。車輪モータは、第1の車輪モータ102および第2の車輪モータ104と呼ばれる。電力は、ディーゼルエンジン106が三相AC発電機108を駆動することによって供給される。他の実施形態では、他の種類の機械/燃料エンジンが利用されてもよい。ディーゼルエンジン106および発電機108は、運搬トラック10内に収容される。発電機108のAC出力は、電圧Vdcを供給する1つ以上の整流器110(例えば、三相ダイオードアレイ)に供給される。整流器110の直流(DC)出力は、1組の電力変換器112、114に供給される。電力変換器は、1つ以上の電力半導体スイッチを備えるスイッチモジュール116、118、120、122を含み、スイッチモジュール116、118、120、122は一緒に、Vdcを整流して三相AC電力をトラクションモータ102、104に供給する。(トラクションモータは、車両を移動させる際の使用のために構成された電気モータである。)
本発明は、電力変換器112、114を形成するためにスイッチモジュール116、118、120、122などの特定の配置によって限定されないことが理解されよう。それどころか、本発明は、他の実施形態(図示せず)(例えば、電力変換に使用される単一のスイッチモジュールまたはスイッチモジュールのアレイを含む)にも等しく適用可能である。
【0015】
図2は、電力半導体スイッチが絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)である例示的な実施形態を具体的に示しているが、本発明は、他の電圧制御されるまたは他の半導体素子(非限定的な例としてバイモード絶縁ゲートトランジスタ、逆導通IGBT、MOSFET、およびJFETを含む)にも適用可能であり得る。
【0016】
さらに
図2を参照すると、制御ユニット124が、電力変換器112、114(およびこれらのスイッチモジュール116、118、120、122)に電気的に接続されている。当該技術分野では知られているように、制御ユニット124は、所望のトルク要求信号を求めてインバータ112、114に送信する。トルク要求信号は、インバータ112、114が、車両の移動の意図した方向に対応する所望の回転方向に所望のトルク出力規模でモータ102、104を駆動するようにコントローラによって処理される。制御ユニット124は、以下に詳細に述べられるように車両の制御および車両構成要素の自動温度調節を実現する組の記憶された命令に従って動作する1つ以上のマイクロプロセッサを含む。
【0017】
上述したように、超低温の期間中に、車両10が、駐車されているか、またはアイドリング状態にあるとき、エンジン106は、その動作温度を好ましい範囲内に維持するのに十分な熱をそれ自体では生成することができない(高アイドリングのときであっても)場合がある。結果として、エンジン損傷、低速応答、および燃料燃焼効率の低下の可能性がある。加えて、超低温の期間中に、駆動システム100の構成要素(IGBTスイッチモジュール116、118、120、122など)は、約−40℃下回る温度によって損傷し得る。
【0018】
したがって、上記に関連して、制御ユニット124は、基準温度(例えば、エンジン温度(エンジン106内またはこれの近傍に配置されるセンサ126を利用して)、周囲温度(周囲温度センサ(図示せず)を利用して)、および電力変換器温度(電力変換器112、114の近傍またはこれらの内に結合されるように構成されるセンサ128を利用して)の1つ以上)を監視するように構成される。実施形態において、温度センサは、制御ユニット124に電気的に接続され、所定の時間間隔で制御ユニットに、検出温度を表す信号を自動的に中継するように構成される。他の実施形態において、温度センサは、連続的に、検出温度を表す信号を中継するように構成される。さらに他の実施形態において、制御ユニット124は、無線で温度センサと通信してもよい。
【0019】
実施形態において、エンジン106の動作温度を所定の最適な範囲内に維持するために、制御ユニット124は、検出温度の1つ以上が所定の低い値に達したときに付加的な負荷をエンジン106に加えるために駆動システム100を自動的に利用するように構成される。実施形態において、付加的な負荷は、エンジンのアイドリングレベルを上回る、エンジンへの負荷である。容易に理解されるように、付加的な負荷をエンジン106に加えることによって、その動作温度は、所定の値より上に高められ、自動的に維持されてもよい。これに関連して、制御ユニット124は、エンジン106に負荷を加えながらエンジンパラメータを監視するために駆動システム100を利用する。これにより、オペレータは、ループから外され、燃料燃焼が最適化される。
【0020】
また、制御ユニット124は、駆動システム構成要素、詳細には、IGBTまたは他の電力半導体スイッチ116、118、120、122の動作温度を好ましい範囲内に維持するように構成される。詳細には、検出温度の1つ以上が、所定のより低い閾値に達したときに、制御ユニット124は、ACトラクションモータ102、104を回転させないDCシーケンス(DC sequence)でIGBT116、118、120、122を作動させることによってIGBT116、118、120、122を暖かい状態に保つように構成される。駆動システムのパラメータ(例えば、電力変換器112、114の検知温度)に応じてDCシーケンスでIGBTを作動させることを自動化することによって、駆動システム構成要素は、オペレータの入力または行動を必要とすることなく好ましい動作範囲内に維持され得る。
【0021】
次に
図3を参照すると、車両の温度を調節する方法200が提供されている。方法200は、ステップ202において、車両10のエンジン106が受ける温度を測定することを含む。温度は、周囲空気の温度またはエンジン106内の温度であってもよい。ステップ204として、制御ユニット124は、検出温度/検知温度が所定の最低温度を下回っているか否かを確認する。温度が下回っていない場合、ステップ206において、エンジン温度の調節に関して何もアクションはとられない。検出温度が、メモリに記憶された許容可能な最低温度値を下回っている場合、ステップ208において、付加的な負荷が、エンジンを好ましい動作範囲内に暖めるためにエンジンに加えられる。
【0022】
図4を参照すると、同様に、車両(例えば、その駆動システム100)または発電装置の温度を調節する方法300が提供されている。方法300は、ステップ302において、車両の駆動システム構成要素の1つまたは他の装置が受ける温度を測定することを含む。温度は、先に開示したように周囲空気の温度、電力変換器112、114の1つの近傍の温度、および/またはエンジン106の温度であってもよい。ステップ304において、制御ユニット124は、検出温度/検知温度が所定の最低温度を下回っているか否かを確認する。温度が下回っていない場合、ステップ306において、駆動システム100の温度の調節に関して何もアクションはとられない。検出温度が、メモリに記憶された許容可能な最低温度値を下回っている場合、ステップ308において、制御ユニット124は、駆動システム(例えば、IGBTを含む)を好ましい動作範囲内に暖めるために電力半導体スイッチ(例えば、DCシーケンスで作動するようにIGBT116、118、120、122)を制御する。
【0023】
したがって、容易に理解されるように、本発明の車両温度調節システムは、燃料燃焼を最適化するのと同時に非作動期間にエンジンをその最適な動作温度に自動的に維持する。加えて、温度調節システムは、超低温でのエンジンおよび駆動システム構成要素への損傷を回避する。既存のシステムとは対照的に、本発明の温度調節システムは、エンジンおよび駆動システムの温度を所定のより低い閾値より上に自動的に維持するように構成され、この結果、オペレータ入力の必要性がなくなる。結果として、温度調節システムは、静的状態および動的状態の両方において動作され得る。
【0024】
実施形態は、システム(例えば、車両用の温度調節システム)に関する。システムは、車両のエンジンに接続されるように構成される駆動システムを備える。駆動システムは、車両の少なくとも1つのトラクションモータによる使用のために、エンジンによって生成される動力を電力に変換するように構成される。システムは、エンジンおよび駆動システムを制御するための制御ユニットをさらに備える。制御ユニットは、検出基準温度に応じて車両構成要素の温度を自動的に調節するように構成される。
【0025】
別の実施形態は、システム(例えば、車両用の温度調節システム)に関する。システムは、車両のエンジンに接続されるように構成される駆動システムを備える。駆動システムは、車両の少なくとも1つのトラクションモータによる使用のために、エンジンによって生成される動力を電力に変換するように構成される。システムは、エンジンおよび駆動システムを制御するための制御ユニットをさらに備える。制御ユニットは、検出基準温度に応じてエンジンの温度を自動的に調節するように構成される。そうするために、制御ユニットは、検出基準温度が所定の値を下回ったときに付加的な負荷をエンジンに加えるように駆動システムを自動的に制御するよう構成される。付加的な負荷は、エンジンのアイドリングレベルを上回る、エンジンへの負荷である。システムは、エンジンに関連付けられ、かつ制御ユニットに電気的に接続される温度センサをさらに備えてもよい。温度センサは、検出基準温度を検知するように構成される。
【0026】
別の実施形態は、システム(例えば、車両用の温度調節システム)に関する。システムは、車両のエンジンに接続されるように構成される駆動システムを備える。駆動システムは、車両の少なくとも1つのトラクションモータによる使用のために、エンジンによって生成される動力を電力に変換するように構成される。システムは、エンジンおよび駆動システムを制御するための制御ユニットをさらに備える。制御ユニットは、検出基準温度に応じてエンジンの温度を自動的に調節するように構成される。そうするために、制御ユニットは、検出基準温度が所定の値を下回ったときに付加的な負荷をエンジンに加えるように駆動システムを自動的に制御するよう構成される。付加的な負荷は、エンジンのアイドリングレベルを上回る、エンジンへの負荷である。制御ユニットは、エンジンの温度が指定レベルを上回るように付加的な負荷を加えながらも必要以上の燃料の燃焼を回避するために、付加的な負荷をエンジンに加えながらエンジンパラメータを監視するようにさらに構成される。
【0027】
別の実施形態は、システム(例えば、車両用の温度調節システム)に関する。システムは、車両のエンジンに接続されるように構成される駆動システムを備える。駆動システムは、車両の少なくとも1つのトラクションモータによる使用のために、エンジンによって生成される動力を電力に変換するために、1つ以上の電力半導体スイッチ(例えば、ダイオード、FET、IGBT、BJT、他のトランジスタの)を有する1つ以上の電力変換器を含む。システムは、エンジンおよび駆動システムを制御するための制御ユニットをさらに備える。実施形態において、制御ユニットは、少なくとも1つのトラクションモータに車両を移動させない仕方で電力半導体スイッチを作動させることによって電力半導体スイッチの温度を自動的に調節するように構成される。(例えば、特定のAC波形またはACシーケンスが、車両を移動させるためにトラクションモータに電力供給するために必要な場合、電力半導体スイッチは、DC波形を生成するように作動されてもよい(すなわち、DCシーケンスで作動されてもよい)し、あるいは特定のAC波形とは異なるAC波形(例えば、モータに車両慣性を克服させる、過度に低い大きさの電圧および/または電流のAC波形)を生成するように作動されてもよい。別の実施形態において、制御ユニットは、検出基準温度(例えば、周囲温度または車両内の温度)が所定の値を下回ったことに応じて、電力半導体スイッチの温度を自動的に調節する(少なくとも1つのトラクションモータに車両を移動させない仕方で電力半導体スイッチを作動させることによって)ように構成される。
【0028】
実施形態は、システム(例えば、車両用の温度調節システム)に関する。システムは、車両のエンジンに接続されるように構成される駆動システムを備える。駆動システムは、車両の少なくとも1つのトラクションモータによる使用のために、エンジンによって生成される動力を電力に変換するように構成される。システムは、エンジンおよび駆動システムを制御するための制御ユニットをさらに備える。制御ユニットは、検出基準温度に応じて車両構成要素の温度を自動的に調節するように構成される。車両構成要素は、車両の駆動システムの少なくとも1つの電力変換器の複数の電力半導体スイッチを備える。少なくとも1つの電力変換器は、車両の少なくとも1つのトラクションモータによる使用のために電力を供給するように構成される。電力は、ACシーケンスでの電力半導体スイッチの作動によって生成されるAC電力を含む。制御ユニットは、電力変換器が少なくとも1つのトラクションモータに電力を供給するために使用されていないときに、複数の電力半導体スイッチをDCシーケンスで自動的に作動させるようにして電力半導体スイッチの温度を調節するために構成される。一例として、電力半導体スイッチは、絶縁ゲートバイポーラトランジスタであってもよい。
【0029】
実施形態は、システム(例えば、車両用の温度調節システム)に関する。システムは、車両のエンジンに接続されるように構成される駆動システムを備える。駆動システムは、車両の少なくとも1つのトラクションモータによる使用のために、エンジンによって生成される動力を電力に変換するように構成される。システムは、エンジンおよび駆動システムを制御するための制御ユニットをさらに備える。制御ユニットは、検出基準温度に応じて車両構成要素の温度を自動的に調節するように構成される。制御ユニットは、検出基準温度が所定の値を下回ったときに付加的な負荷をエンジンに加えるように駆動システムを自動的に制御するよう構成される。付加的な負荷は、エンジンのアイドリングレベルを上回る、エンジンへの負荷である。車両構成要素は、車両の駆動システムの少なくとも1つの電力変換器の複数の電力半導体スイッチを備える。電力変換器は、車両の少なくとも1つのトラクションモータによる使用のために電力を供給するように構成される。電力は、ACシーケンスでの電力半導体スイッチの作動によって生成されるAC電力を含む。制御ユニットは、電力変換器が少なくとも1つのトラクションモータに電力を供給するために使用されていないときに、複数の電力半導体スイッチをDCシーケンスで自動的に作動させるようにして電力半導体スイッチの温度を調節するために構成される。
【0030】
実施形態は、採鉱運搬トラックに関する。採鉱運搬トラックは、エンジンと、エンジンに接続される駆動システムと、制御ユニットと、少なくとも1つのトラクションモータとを備える。駆動システムは、車両の少なくとも1つのトラクションモータによる使用のために、エンジンによって生成される動力を電力に変換するように構成される。制御ユニットは、検出基準温度に応じてエンジンおよび駆動システムを制御し、車両構成要素の温度を自動的に調節するように構成される。(採鉱運搬トラックは、本明細書に述べられている他の態様としてさらに構成されてもよい。)
別の実施形態において、車両の温度調節のための方法は、車両のエンジンに関連する基準温度を測定するステップと、車両の制御ユニットによって基準温度とエンジンの所定の最低動作温度とを比較するステップと、基準温度が最低動作温度を下回った場合に(すなわち、基準温度が最低動作温度を下回ったことに応じて)、制御ユニットによって、エンジンのアイドリングレベルを上回る付加的な負荷をエンジンに自動的に加えるステップとを含む。基準温度は、周囲温度またはエンジン内の温度であってもよい。
【0031】
本方法の別の実施形態において、本方法は、エンジンの温度が指定レベルを上回るように付加的な負荷を加えながらも必要以上の燃料の燃焼を回避するために、付加的な負荷をエンジンに加えながらエンジンパラメータを監視するステップをさらに含む。
【0032】
本方法の別の実施形態において、本方法は、電力変換器が車両のトラクションモータに電力を供給するために使用されていないときに、絶縁ゲートバイポーラトランジスタをDCシーケンスで作動させることによって車両の電力変換器の絶縁ゲートバイポーラトランジスタの温度を調節するステップをさらに含む。
【0033】
本方法の別の実施形態において、絶縁ゲートバイポーラトランジスタの温度を調節するステップは、基準温度と異なる検知温度が所定の値を下回ったときに実行される。
【0034】
別の実施形態は、発電装置用の温度調節システムに関する。(発電装置は、負荷に電力供給する目的で電気を生成するために燃料を使用する装置を意味する。例は、機関車、採鉱運搬トラック、および他のディーゼル電気車両(および他の燃料電気および/またはハイブリッド車両)、ならびに定置発電機などを含む。)システムは、装置のエンジンに接続されるように構成される駆動システムを備える。駆動システムは、負荷による使用のために、エンジンによって生成される動力を電力に変換するように構成される。システムは、エンジンおよび駆動システムを制御するための制御ユニットをさらに備える。制御ユニットは、駆動システムの構成要素に関連する基準温度を測定し、駆動システム構成要素に関連する所定の最低動作温度と基準温度とを比較し、および基準温度が最低動作温度を下回った場合に、構成要素の動作温度を上昇させるように駆動システム構成要素を自動的に動作させるよう構成される。基準温度は、周囲温度または装置内の温度であってもよい。所定の最低動作温度は、構成要素自体の所定の最低動作温度または構成要素が動作する環境の所定の最低動作温度であってもよい。
【0035】
実施形態において、発電装置の駆動システム構成要素は、装置の1つ以上の電力変換器の複数の電力半導体スイッチを含む。1つ以上の電力変換器は、負荷を駆動するように電気的に接続される。駆動システム構成要素を動作させるステップは、負荷を駆動することなく電力半導体スイッチを発熱させる仕方で電力半導体スイッチを作動させることを含む。例えば、制御ユニットは、電力半導体スイッチをより低い温度閾値より上に維持するのに十分な程度まで電力半導体スイッチを作動させるように構成されてもよい。より低い温度閾値は、所定の最低動作温度または別の温度であってもよい。例えば、所定の最低動作温度が、電力半導体スイッチの環境のものである場合、電力半導体スイッチは、所定の最低動作温度とは異なる(例えば、所定の最低動作温度よりも高い)より低い温度閾値より上に電力半導体スイッチを維持するために作動されてもよい。
【0036】
別の実施形態において、発電装置の温度を調節するための方法であって、装置の駆動システム構成要素に関連する基準温度を測定するステップと、装置の制御ユニットによって基準温度と駆動システム構成要素に関連する所定の最低動作温度とを比較するステップと、基準温度が最低動作温度を下回った場合に、制御ユニットによって、構成要素の動作温度を上昇させるように駆動システム構成要素を自動的に動作させるステップとを含む。基準温度は、周囲温度または装置内の温度であってもよい。所定の最低動作温度は、構成要素自体の所定の最低動作温度または構成要素が動作する環境の所定の最低動作温度であってもよい。
【0037】
実施形態において、発電装置の駆動システム構成要素は、装置の1つ以上の電力変換器の複数の電力半導体スイッチを含む。1つ以上の電力変換器は、負荷を駆動するように電気的に接続される。駆動システム構成要素を動作させるステップは、負荷を駆動することなく電力半導体スイッチを発熱させる仕方で電力半導体スイッチを作動させることを含む。例えば、電力半導体スイッチは、電力半導体スイッチをより低い温度閾値より上に維持するのに十分な程度まで作動されてもよい。より低い温度閾値は、所定の最低動作温度または別の温度であってもよい。例えば、所定の最低動作温度が、電力半導体スイッチの環境のものである場合、電力半導体スイッチは、所定の最低動作温度とは異なる(例えば、所定の最低動作温度よりも高い)より低い温度閾値より上に電力半導体スイッチを維持するために作動されてもよい。
【0038】
別の実施形態は、車両の温度を調節するための方法に関する。本方法は、車両の駆動システム構成要素に関連する基準温度を測定するステップと、車両の制御ユニットによって基準温度と駆動システム構成要素の所定の最低動作温度とを比較するステップと、基準温度が最低動作温度を下回った場合に(すなわち、基準温度が最低動作温度を下回ったことに応じて)、制御ユニットによって、構成要素の動作温度を上昇させるように駆動システム構成要素を自動的に動作させるステップとを含む。基準温度は、例えば周囲温度であってもよい。
【0039】
本方法の別の実施形態において、駆動システム構成要素は、車両の1つ以上の電力変換器の複数の電力半導体スイッチを含む。1つ以上の電力変換器は、車両の1つ以上のトラクションモータを駆動するように電気的に接続される。駆動システム構成要素を動作させるステップは、1つ以上のトラクションモータに車両を移動させない仕方で電力半導体スイッチを作動させることを含む。
【0040】
本方法の別の実施形態において、駆動システム構成要素は、複数の絶縁ゲートバイポーラトランジスタである。駆動システム構成要素を動作させるステップは、基準温度が最低動作温度を下回った場合に絶縁ゲートバイポーラトランジスタをDCシーケンスで作動させることを含む。絶縁ゲートバイポーラトランジスタは、絶縁ゲートバイポーラトランジスタをより低い温度閾値より上に維持するのに十分な程度まで作動されてもよい。
【0041】
上記の説明は例証であることが意図されており、限定的なものではないことが理解されるべきである。例えば、上述した実施形態(および/またはその態様)は、互いに組み合わせて使用されてもよい。加えて、多くの修正が、本発明の範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本発明の教示に適合させるために行われてもよい。本明細書に説明されている材料の寸法および種類は、本発明のパラメータを規定するためのものであるが、これらは、限定的なものでは決してなく、例示的な実施形態である。多くの他の実施形態は、上記の説明を精査することによって当業者に明らかとなる。本明細書で使用される場合、用語「を含む(including)」および「その場合に(in which)」は、用語「を備える(comprising)」および「その場合に(wherein)」のそれぞれの平易な英語の同義語として使用されている。さらに、用語「第1の」、「第2の」、「第3の」、「上方」、「下方」、「底部」、および「上部」などは、標識として使用されているに過ぎず、その対象に数的要件または位置的要件を課すためのものではない。
【0042】
この記載された説明では、最良の態様を含めて本発明のいくつかの実施形態を開示するために、さらには、当業者が任意の装置またはシステムの作製および使用ならびに任意の組み込み方法の実行を含めて本発明の実施形態を実施することを可能にするために、例が使用されている。本明細書で使用される場合、単数形で記載される、語「一つの(a)」または「一つの(an)」の後に続く要素またはステップは、前記要素またはステップの複数形を排除していないものとして理解されるべきである(ただし、このような排除が明示的に述べられている場合を除く)。さらに、本発明の「一実施形態」への言及は、記載されている特徴を同様に含むさらなる実施形態の存在を排除するものとして解釈されることを意図するものではない。さらに、別段の明示的な規定がない限り、特定の特性を有する要素または複数の要素を「備える(comprising)」、「含む(including)」、または「有する(having)」実施形態は、その特性を有さないさらなるそのような要素を含んでもよい。
【0043】
本明細書に含まれる本発明の精神および範囲から逸脱することなく、車両温度調節システムに関して、特定の変更が行われてもよいことから、上記の説明の、または添付図面に示されている主題のすべては、本明細書では本発明の概念を示す例としてのみ解釈されるべきであり、本発明を限定するものとして解釈されるべきではないことが意図されている。
【符号の説明】
【0044】
10 車両、運搬トラック
12 駆動輪
100 駆動システム
102 第1の車輪モータ
104 第2の車輪モータ
106 エンジン
108 発電機
110 整流器
112、114 電力変換器、インバータ
116、118、120、122 スイッチモジュール、電力半導体スイッチ
124 制御ユニット
126、128 センサ