特許第6397498号(P6397498)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6397498
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】創傷治療用ハンドピース
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/3203 20060101AFI20180913BHJP
【FI】
   A61B17/3203
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-539544(P2016-539544)
(86)(22)【出願日】2014年9月4日
(65)【公表番号】特表2016-536080(P2016-536080A)
(43)【公表日】2016年11月24日
(86)【国際出願番号】EP2014068848
(87)【国際公開番号】WO2015032863
(87)【国際公開日】20150312
【審査請求日】2017年7月10日
(31)【優先権主張番号】13183380.8
(32)【優先日】2013年9月6日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516060750
【氏名又は名称】メッドアクシス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】特許業務法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェローム ベルンハルト
(72)【発明者】
【氏名】ルーカス クリステン
(72)【発明者】
【氏名】アルボラ デ パブロ ペーニャ
(72)【発明者】
【氏名】クノ リマッハー
(72)【発明者】
【氏名】マルチン シュグ
(72)【発明者】
【氏名】マリリン シモン
(72)【発明者】
【氏名】ベート ウィドマー
(72)【発明者】
【氏名】ローランド ウィジェット
【審査官】 槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−267437(JP,A)
【文献】 特表2012−521225(JP,A)
【文献】 特表2011−514211(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02251142(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/3203
A61C 1/08
A61C 17/02
A61L 2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体ジェット(4)を用いた創傷治療、特に創傷洗浄のためのシステムであって、前記流体ジェット(4)の噴出のための噴出開口部(31)を備えた前方端部(3)をもつ本体(2)を有するハンドピース(1)を備え、前記流体ジェットは、前記噴出開口部から噴出する際に0.05mmから0.15mmの直径と、100から300barの圧力を有し、該システムが、さらに、創傷洗浄の際に生成されるエアロゾルを照射する、200〜280nmの範囲の光を放射する少なくとも1つのUV−C光源(50,51,52,53,54)を有し、前記少なくとも1つのUV−C光源(50,51,52,53,54)は、該少なくとも1つのUV−C光源(50,51,52,53,54)によって放射されるUV−C光が、該噴出開口部(31)から噴出した流体ジェット(4)を少なくとも前記噴出開口部(31)から間隔をあけて囲むように配置され、前記少なくとも1つのUV−C光源(50,51,52,53,54)は、前記噴出開口部(31)に対し、前記噴出した流体ジェット(4)が前記放射されるUV−C光によってほぼ完全に囲まれるように配置され、前記放射されるUV−C光は、それによって流体ジェットを完全に包み込む光の錐体を形成し、この光の錐体の領域内にあるエアロゾルを照射及び浄化して、それによって周囲が汚染されるリスクを低減し、前記少なくとも1つのUV−C光源は、アダプタ部分において、前記ハンドピースの前方端部の上へ差し込まれており、前記アダプタ部分は、前記ハンドピースから取り外し可能であることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの光源(50,51,52,53,54)が、前記ハンドピース(1)内又はハンドピース(1)に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの光源(50,51,52,53,54)の光が、前記ハンドピース(1)において生成可能である、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの光源(50,51,52,53,54)が、前記前方端部(3)の、流体ジェットが噴出する付近の領域に又は領域内に配置される、請求項1〜3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記前方端部(3)が、前記少なくとも1つの光源(50,51,52,53,54)を収容するための凹所(33,34,35,36)を有し、該凹所(33,34,35,36)は前記流体ジェット(4)の噴出方向に拡大する、請求項1〜のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの光源(50,51,52,53,54)が、円形の、楕円形の、正方形の、長方形の、多角形の又はドーナツ形の光の噴出領域を有する、請求項1〜のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
前記噴出開口部(31)が、前記前方端部(3)の中央に配置される、請求項1〜のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
前記前方端部(3)が、前記少なくとも1つの光源(50,51,52,53,54)によって放たれる光を実質的に前記流体ジェット(4)の方向に放射する光導波路を有する、請求項1〜のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
前記前方端部(3)がノズル(30)を有し、該ノズルは前記噴出開口部(31)を形成し、前記ハンドピースがかたく(steif)形成される、請求項1〜のいずれかに記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体ジェットを用いた創傷の治療、特に洗浄のためのハンドピース及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
創傷洗浄(Wundreinigung)/デブリードメント及び創傷水洗(Wundspuelung)/創傷洗い流し(Wundtoilette)とは、潰瘍、熱傷及び他の創傷から、又は臓器腐敗の場合に、感染した、損傷した又は死んだ(壊死の)組織を除去するための医療措置である。創傷を洗浄するための一般的なアプローチは多数あり、例えば、外科用メスや鋭匙を用いての機械的シャープな方法、酵素や化学薬品を使った方法、又は自己融解的方法、バイオサージェリー的方法、パッドや流体ジェットを用いての機械的方法である。
【0003】
特許文献1は、高圧のマイクロ流体ジェットで創傷を洗浄するためのハンドピースを示し、ハンドピースの前方端部に噴出開口部が配置され、これを通って流体ジェットが外に出られる。
【0004】
特許文献2は、ウォータージェットにより創傷を洗浄するためのハンドピースを開示し、洗浄のために用いられる水は前もってUV照射により殺菌される。
【0005】
特許文献3は、UV−A又はUV−C光源と、光学識別ユニットと、流体供給及び吸引ユニットとを備える複合装置を開示する。3つのユニットは全て共通のケーブルに接続され、ケーブルの自由端に、画像識別、UV光照射、及び流体供給/吸引のための、互いに分離した3つの出口がある。ここで、UV光照射は治療目的で用いられる。
【0006】
流体ジェットによる創傷洗浄の場合、その過程で生成されるエアロゾルによって、創傷から被膜又は小片が取り除かれる。患者又は施術スタッフにとって危険であるため、このエアロゾルによって周囲が汚染されないことを保証することが重要である。先行技術は、エアロゾルによる周囲の汚染を減らす又は防ぐ様々な方法を開示してきた。こうした方法、例えば、液体戻し(Fluessigkeitsrueckfuehrung)、排出ロックを備えた遮蔽処置テント、又は流体ジェットと吸引ユニットをカバーフード内に配置する等が、特許文献4に記載される。
【0007】
カバーフードを備えるシステムの使用は、洗浄される創傷の種類、大きさ、位置に応じて、限られた範囲でのみ可能である。フードが小さすぎると、小さい創傷しか治療できず、あるいは創傷の一部にフードをのせなければならない。これは患者にとっては痛みとなり、創傷治癒にとって不都合となる恐れがある。しかしながら、フードが大きすぎると、周囲の組織に対する遮蔽が難しい。処置用テントを用いれば遮蔽を簡単にするが、このようなテントは固有安定性が低く、洗浄する創傷の視界を減らすため、扱いにくい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】EP 2 251 142
【特許文献2】WO 97/02058
【特許文献3】WO 2010/123627
【特許文献4】WO 2008/074284
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の目的は、創傷の治療、特に洗浄時、周囲を汚染するリスクを低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によると、この目的は、請求項1の特徴を有するシステムによって、及び請求項13の特徴を有する方法によって達成される。
【0011】
流体ジェットを用いて創傷を治療、特に洗浄するための本発明によるシステムはハンドピースを備え、該ハンドピースが、流体ジェットの噴出のための噴出開口部を備えた前方端部をもつ本体を有する。さらに、前記システムは、少なくとも1つの発光光源を有し、これが創傷を洗浄する際に生成されるエアロゾルを照射する。前記少なくとも1つの光源は、該少なくとも1つの光源によって放射される光が、前記噴出開口部から噴出した流体ジェットを少なくとも該噴出開口部から間隔をあけて囲むように配置される。前記少なくとも1つの光源は、前記噴出開口部に関して、前記噴出した流体ジェットが前記放射光によってほぼ完全に囲まれるように配置される。
【0012】
前記光源は、発光要素である。1つの実施形態では、光は、光源それ自体で発生される。別の実施形態では、光源は、光導波路の出口開口部である。入射光を反射するのに十分な光沢はあるが、光導波路の一部ではない表面領域は、本明細書の意味においても当該技術分野においても、光源とは解されない。
【0013】
前記少なくとも1つの光源は、前記ハンドピースとは別に配置することができる。しかしながら、ハンドピース内又はハンドピースに配置されて、ハンドピースそれ自体が前記システムを形成することが好ましい。
【0014】
前記流体ジェットは1又はそれより多い噴出開口部から噴出できる。
【0015】
好ましくは、流体ジェットはマイクロ流体ジェット、特に高圧マイクロ流体ジェットである。この場合、高圧とは、特に100から300barの圧力範囲と理解される。しかしながら、100bar未満の圧力で流体ジェットを噴出させることも考えられる。流体は、通常、水溶液又は処置溶液、例えば無菌食塩水である。流体ジェットは、好ましくは、噴出開口部から噴出する際、約0.05mmから0.15mmの直径を有する。
【0016】
光、特にUV光は、治療空間、好ましくは創傷自体における生存可能な細菌を最小限にするために、流体による創傷洗浄時に用いることができる。創傷洗浄時に発生するエアロゾルは、その場で直ぐに及び創傷の洗浄中に照射及び浄化され、これは、エアロゾルが周囲を汚染する前に行うことができる。光が、流体ジェットを、特に創傷上に流体ジェットが噴出する領域において囲む場合、この効果は高まる。好ましくは、光は、少なくともこの領域において流体ジェットを完全に囲む。
【0017】
洗浄時に創傷を照射することによって、創傷治癒を促進することができる。さらに、UV照射は、抗菌性軟膏及び抗生物質の代替品となり得る。
【0018】
さらなる利点は、特に比較的小さい創傷の場合に、もはやテント、フード又は吸引装置を必要とせず、その結果、創傷の観察が制限なく可能となることである。さらに、使用する手段を簡素化することによって、治療時間と治療コストが削減される。
【0019】
UV光(紫外線)は、UV−C光成分(100〜280nm)を有することが好ましい。好ましい実施形態では、存在するのがUV−C光のみ、又は少なくとも大部分がUV−C光である。
【0020】
さらに又は代わりに、前記UV光は、UV−A又はUV−B光成分を有する、又はUV−AもしくはUV−Bだけから成る。
【0021】
好ましくは、前記UV光はコヒーレント光であり、好ましくはレーザー光である。
【0022】
好ましくは、前記光源は、200〜280nmの範囲のUV−C光源である。この範囲では、光の殺菌効果が高まる。特に効果的な波長の範囲は、約260ナノメートルにある。従って、波長が254ナノメートルの光源を用いることが好ましい。
【0023】
好ましくは、前記光源の光は、ハンドピース内で生成可能である。これは、放射の強度が光導波路等によって弱められない点で有利である。しかしながら、光をハンドピースの後方領域で発生させること、及び実質的にジェット/ビーム方向に光を導くために、短い光導波路を用いることも考えられる。
【0024】
前記光源は、前方端部の流体ジェットが噴出する近辺の領域に配置されるのが好ましい。同じ強さの光源については、以下が適用される:光源が照射される領域に近ければ近いほど、照射領域におけるエネルギー密度は高くなり、照射の効果はより大きくなる。
【0025】
光源の光パワーは、固定であっても調節可能であってもよい。光源の電気供給は、外部電源をハンドピースと接続する光源ライン又は電気ラインによって行うことができ、又は、ハンドピースに設けられたバッテリー又はアキュムレータ等の蓄電器によって行うことができる。
【0026】
好ましくは、流体ジェットは、噴出開口部に隣接する下流で、少なくとも部分的に放射光内部で延びる。好ましくは、流体ジェットは、創傷上に噴出するまでこの光内部を延びる。光源が創傷へとより近づけて導かれるほど、エアロゾルの照射はより効果的になる。
【0027】
好ましくは、前記少なくとも1つの光源は、ハンドピースの前方端部に又は前方端部内に、噴出開口部を囲むように配置される。しかしながら、ハンドピースに配置可能なアダプタ内又はホルダに配置することもできる。ハンドピースへの配置は、取り外し可能であってもよいし、固定されていてもよい。
【0028】
前記少なくとも1つの光源は、流体ジェットの断面より何倍も大きい直径を有することが好ましい。前記少なくとも1つの光源の配置が流体ジェットに近ければ近いほど、そして、前記光源が流体ジェットの直径とくらべて大きければ大きいほど、流体ジェットによって生じる影はより小さくなる。影の範囲が小さいことは、創傷洗浄によって生成されるエアロゾル又は創傷面の照射に関して有利である。
【0029】
エアロゾル又は創傷面の理想的な照射は、光源の数、配置、形態、及び、考えられるビーム方向及び/又は拡張する光学系の選択によって得られる。
【0030】
ハンドピースは、できる限り照射を妨げないように、前方端部が先細であってもよいし、又は、より大きな光源を収容できるように拡大していてもよい。
【0031】
ハンドピースは、好ましくは、流体ジェットの噴出開口部が配置される前方端面を有し、前記少なくとも1つの光源は、この前方端面に対し、流体ジェットの噴出方向において、前方端面から引っ込んで、それと同一平面に、又はそこから突出して配置される。用途に応じて、光源をできるだけ小さくして、できるだけ使用者の視界を遮らないようにする、又は光源をできるだけ大きくして、光源が高い放射強度を生むようにすると有利である。光源の種類及び寸法は、ハンドピース又はアダプタ部分にそれに応じた凹所を必要とする。光源に必要な大きさ及び洗浄される創傷に必要な視界に応じて、前方端面に関して光源の配置を異なるものにすると有利である。
【0032】
好ましくは、ハンドピースの前方端部は、光源を収容するための凹所を有する。これにより、光源はハンドピースにうまく組み込まれ、少なくとも部分的に外部の影響から保護される。
【0033】
前記凹所は、好ましくは流体ジェットの噴出方向に拡大する。凹所のこの拡大により、光はハンドピースによって遮られず、流体ジェットの断面の面積の何倍もの領域を照射する光の錐体(Lichtkegel)を形成することができる。凹所は、できるだけ大きい光の錐体を形成できるように、全方向に拡大することが好ましい。
【0034】
ハンドピースの前方端部が流体ジェットの噴出方向に拡大する場合、より大きな光源を使用することができる。この拡大は、周囲に均一であってもよい。しかしながら、光源を備えた領域だけを拡大することもできる。結果として、簡単な構造と、使用者にとっての創傷の良好な視界との間での妥協点に達することができる。
【0035】
1、2、3、4、5、6又はそれより多い光源があってよい。放射強度は光源の数、配置及びパワーの調節によって影響され得る。
【0036】
好ましくは、前記少なくとも1つの光源は、円形の、楕円形の、正方形の、長方形の、多角形の又はドーナツ形の光発生領域を有する。市販の光源を用いることにより、特別仕様の製品のコストを節約できる。
【0037】
好ましくは、噴出開口部は、前方端部の中央に配置される。この中央配置の結果、ハンドピースはほぼ回転対称の形を有することができ、ハンドピースの持ち方が問題とならないため、使用者にとって取り扱いが簡単になる。
【0038】
光源は、好ましくは、発光ダイオード(LED)、プリント基板(PCB)上に配置されたLED、又は集積回路基板(ICB)に組み込まれたLEDである。発光ダイオードは、耐用年数が長く、揺れに対し強い(Unempfindlichkeit)という特徴がある。発光ダイオードは、他の光源より、投入されたエネルギーをより効果的に光に変換し、この過程での熱放出が少なく、低い動作電圧しか必要としない。
【0039】
本発明の1つの実施形態において、前方端部は、光源による放射光を実質的に流体ジェットの方向に分配する光導波路を有する。光導波路を用いることによって、光源によって生み出された光を、特定の方向に向けることができる。その場合、光源の形状は、各光の錐体の形成にあまり影響しない。同様に、特定の領域を他の領域より強く照射することができる。よって、直接的に照射できない領域を照射することもできる。
【0040】
好ましくは、前方端部はノズルを有し、このノズルは噴出開口部を形成するか、噴出開口部と一列に並ぶ(fluchtet)。好ましくは、光源は、ノズルに隣り合って配置される。ノズルは、流体ジェットの質と形状を決める。光源をノズルに隣り合って配置することは、流体ジェットに近いことにより、光源がエアロゾルを照射する能力を最適化する。
【0041】
好ましくは、ハンドピースはかたい(steif)。
【0042】
さらなる実施形態は、従属請求項に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本発明の好ましい実施形態を、図をもとにして以下に説明するが、これらは、説明のためだけのものであって、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【0044】
図1図1は、光の錐体及び流体ジェットを描いた、流体ジェットを用いて創傷を洗浄するための、本発明によるシステムの第1の実施形態の斜視図である。
図2図2は、流体ジェットを描いた、図1によるハンドピースによって照らされる領域を示す。
図3図3は、光の錐体及び流体ジェットを描いた、図1によるハンドピースの前方端部の中央断面図である。
図4図4は、光の錐体及び流体ジェットを描いた、図1によるハンドピースの前方端部の拡大斜視図である。
図5図5は、光の錐体及び流体ジェットを描いた、流体ジェットを用いて創傷を洗浄するための、本発明によるシステムの第2の実施形態の斜視図である。
図6図6は、流体ジェットを描いた、図5によるハンドピースによって照らされる領域を示す。
図7図7は、光の錐体及び流体ジェットを描いた、図5によるハンドピースの前方端部の中央断面図である。
図8図8は、光の錐体及び流体ジェットを描いた、図5によるハンドピースの前方端部の拡大斜視図である。
図9図9は、光の錐体及び流体ジェットを描いた、流体ジェットを用いて創傷を洗浄するための、本発明によるシステムの第3の実施形態の斜視図である。
図10図10は、流体ジェットを描いた、図9によるハンドピースによって照らされる領域を示す。
図11図11は、光の錐体及び流体ジェットを描いた、図9によるハンドピースの前方端部の中央断面図である。
図12図12は、光の錐体及び流体ジェットを描いた、図9によるハンドピースの前方端部の拡大斜視図である。
図13図13は、光の錐体及び流体ジェットを描いた、流体ジェットを用いて創傷を洗浄するための、本発明によるシステムの第4の実施形態の斜視図である。
図14図14は、流体ジェットを描いた、図13によるハンドピースによって照らされる領域を示す。
図15図15は、光の錐体及び流体ジェットを描いた、図13によるハンドピースの前方端部の中央断面図である。
図16図16は、光の錐体及び流体ジェットを描いた、図13によるハンドピースの前方端部の拡大斜視図である。
図17図17は、光の錐体及び流体ジェットを描いた、流体ジェットを用いて創傷を洗浄するための、本発明によるシステムの第5の実施形態の斜視図である。
図18図18は、光の錐体及び流体ジェットを描いた、図17によるハンドピースの前方端部の中央断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1は、第1の光の錐体60及び流体ジェット4を描いた、流体ジェットを用いて創傷を治療、特に洗浄するための、本発明によるシステムの第1の実施形態の斜視図であって、本実施形態では該システムがハンドピース1である。図4は、ハンドピース1の前方端部3の斜視図である。ハンドピース1は、前方端部3と後方端部7を備えた、ほぼ円筒形の本体2を有する。前方端部3には、流体ジェット4の噴出のための噴出開口部31がある。この噴出開口部31は、ハンドピース1の前方端面38の中央に配置される。ハンドピース1は、流体ジェット4が、本体2の中心軸に対しほぼ共軸に噴出開口部31から噴出するように形成される。前方端部3には3つの第1の光源50が配置されるのが好ましい。これら第1の光源50は、噴出開口部31を囲んで前方端部3の周囲にわたって均一に配置される。これら第1の光源50は、ハンドピース1のジェット/ビーム方向前方にある領域が照射され得るように形成される。好ましくは、流体ジェット4の、使用時囲まれこれに隣接する領域は、できるだけ生成されるエアロゾルの全てが光ビームによって捉えられるように、完全に照射され得る。
【0046】
図2は、流体ジェット4を描いた、図1のハンドピース1によって照らされる領域の図を示す。これは、使用時、噴出開口部31の下流の、流体ジェット4と第1の光の錐体60の放射断面に対応する。噴出開口部31からの距離によって比率は変化するものの、流体ジェット4は第1の光の錐体60の重なる領域のほぼ中央に配置されたままである。第1の光源50を収容するための第1の凹所33は、光発生領域を形成し、この領域は、本実施形態においてはほぼ円形に形成される。従って、第1の光の錐体60は、ほぼ円形の領域を照射する。図1と合わせると、第1の光の錐体60は流体ジェット4を完全に包み込むことが認識できる。
【0047】
図1はさらに、後方端部7が流体ライン8と電気ライン9を有することを示し、流体ライン8は流体、好ましくは水溶液又は処置溶液、例えば無菌食塩水のハンドピース1への供給を保証し、電気ライン9は少なくとも光源50のための電力供給を保証する。本発明によるハンドピース1の後続の実施形態も同様に、後方端部7に圧力ライン8と電気ライン9を有するが、それらは図には示していない。
【0048】
図3は、光の錐体60と流体ジェット4を描いた、図1によるハンドピース1の前方端部3の中央断面図を示す。前方端部3は、中央に配置される流体路20と、これと一列に並んでいるノズル30(このノズルは噴出開口部31とも一列に並ぶ)と、噴出開口部31を囲んで周囲に放射状に配分した、第1の光源50を収容するための第1の凹所33とを備える。
【0049】
ほぼ円筒形のノズル30は、公知の方法で、ハンドピース1の前方端部3に収容され、ジェットビーム方向におけるその位置は、前方当接部32よって決められる。ノズル30はノズル路21を有し、これはノズル30内中央に配置される。このノズル路の構造が流体ジェット4の噴出形状を決める。
【0050】
第1の光源50は、好ましくは、円形断面を有するUV−C発光ダイオードである。
【0051】
第1の光源50用の第1の凹所33に隣接して、第1の光源50の電気供給、いわゆる光源ライン55のための第5の凹所37が設けられる。好ましくは、光源ライン55は後方端部7で集められ、供給ユニット(ここには図示せず)へと共通の電気ライン9で案内される。本発明によるハンドピース1の後続の実施形態も同様に、光源ライン55を収容するための第5の凹所37を有する。
【0052】
第1の光源50は、前方端面38に対し引っ込めて配置される。できるだけ第1の光源50からの光を妨げないように、第1の凹所33の前方領域は円錐状である。これによって、流体ジェット4が噴出開口部31から噴出した後、できるだけ早い段階で第1の光源50からの光によって流体ジェット4を囲むことができる。従って、処置過程で発生するエアロゾルは、創傷からの治療距離が短い場合でも照射される。
【0053】
図5,7及び8は、第2の光の錐体61と流体ジェット4を描いた、流体ジェットを用いた創傷洗浄のための本発明によるシステムの第2の実施形態の図であり、該システムが本実施形態ではハンドピース1である。図6は、流体ジェット4を描いた、図5,7及び8のハンドピース1によって照らされる領域の図を示す。
【0054】
第2の実施形態の第2の光源51は、UV−C発光ダイオードであり、これらはプリント基板(PCB)上に配置される。
【0055】
第2の光源51の断面は長方形であり、これらは対応する長方形の第2の凹所34に配置される。本実施例では、第2の光源51は前方端面38から引っ込めて配置される。
【0056】
図6は、流体ジェット4を描いた、第2の実施形態によるハンドピース1で照らされる領域の図である。第1の実施形態とは異なり、第2の光源51を収容するための第2の凹所34は、ほぼ正方形の形をした光発生領域を形成する。従って、光の錐体61はピラミッド状である。従って、第2の光源51で照射される領域は、ほぼ長方形である。第2の光の錐体61が流体ジェット4を包み込むか、又は流体ジェットが放射光内で延びる。
【0057】
図7に示すように、第2の凹所34はジェット/ビーム方向に拡大する。第2の光源51を収容するための凹所は、プリント基板が凹所の縁領域に保持されるように形成される。
【0058】
第1の実施形態のように、ハンドピース1は第2の光源51用の電気供給ラインのための凹所を有する。ハンドピース1も同様に、その後方端部7に流体ライン8と電気ライン9を有するが、ここでは図示していない。
【0059】
図9,11及び12は、第3の光の錐体62と流体ジェット4を描いた、流体ジェットを用いた創傷洗浄のための本発明によるシステムの第3の実施形態の図であり、該システムが本実施形態ではハンドピース1である。図10は、第3の実施形態の対応する照明像を示す。
【0060】
第3の実施形態のハンドピース1は、2つの長方形の第3の光源52を収容するために、ジェット/ビーム方向に拡大された前方端部3を有する。図から分かるように、この拡大は周囲に沿って均一であってよいが、異なる例示の形態では、光源の領域でのみ拡大するように形成されてもよい。第3の光源52は、UV−C発光ダイオードであり、これは集積回路基板(ICB)に組み込まれている。
【0061】
第3の光源52は、長方形の断面を有し、対応する長方形の第3の凹所35内に配置される。第3の光源52は、前方端面38と同一平面に配置される。
【0062】
図10は、流体ジェット4を描いた、第3の実施形態のハンドピース1によって照らされる領域の図である。第3の光源52を収容するための第3の凹所35は光発生領域を形成し、この領域はほぼ長方形である。従って、第3の光の錐体62はピラミッド形で、それゆえ、第3の光源52によって照射される領域はほぼ長方形である。第3の光の錐体62は流体ジェット4を包み込む。
【0063】
図11に示すように、第3の凹所35はジェット/ビーム方向に拡大する。第3の光源52を収容するための凹所は、凹所の縁領域でプリント回路基板を保持するように形成される。
【0064】
第1の実施形態と同じように、ハンドピース1は、第3の光源52用の電気供給ラインのための凹所を有する。ハンドピース1は同様に、その後方端部7に流体ライン8及び電気ライン9を有するが、これらのラインはここには示していない。
【0065】
図13,15及び16は、第4の光の錐体63と流体ジェット4を描いた、流体ジェットを用いた創傷洗浄のための本発明によるシステムの第4の実施形態の図であり、該システムが本実施形態ではハンドピース1である。図14は、第4の実施形態の対応する照明像を示す。
【0066】
第4の実施形態のハンドピース1は、ドーナツ形の第4の光源53を収容するために、ジェット/ビーム方向に拡大された前方端部3を有する。この拡大は周囲に均一に分布される。第4の光源53は、UV−C発光素子であり、これは、ドーナツ形の前方部分と、その後側で隣接する板状の部分とを有する。板状部分は実質的には、円板の形状を有する。例えば、第4の光源53は、UV−C水銀灯又はLEDである。
【0067】
第4の光源53は、対応する第4の凹所36内に配置される。第4の光源53の前方端部は、前方端面38と同一平面に配置される。
【0068】
図14は、流体ジェット4を描いた、第4の実施形態のハンドピース1によって照らされる領域の図である。第4の光の錐体63は円錐形で、それゆえ、第4の光源53によって照射される面はほぼ円形である。第4の光の錐体6は流体ジェット4を包み込む。
【0069】
図15に示すように、第4の凹所36はジェット/ビーム方向に拡大する。第4の光源53を収容するための凹所は、光源の板状部分を保持できるように形成される。
【0070】
第1の実施形態と同じように、ハンドピース1は、第4の光源53の電気供給ラインのための凹所を有する。ハンドピース1は同様に、その後方端部7に流体ライン8及び電気ライン9を有するが、これらのラインはここには示していない。
【0071】
図17及び18は、第5の光の錐体64と流体ジェット4を描いた、流体ジェットを用いた創傷洗浄のための本発明によるシステムの第5の実施形態の図である。
【0072】
第5の実施形態は、ハンドピース1と、このハンドピース1に配置されるホルダ10を有する。ホルダ10は、ハンドピース1の前方端部3に、クランプ顎11によって締め付けて、ハンドピース1に取り外し可能に接続されている。このクランプ顎11に隣接してサイドアーム12が設けられており、このサイドアームは、ホルダ10を取り付けた状態で実質的にジェット/ビーム方向に延びる。サイドアーム12に隣接して、第5の光源54を収容するための光源収容部13が設けられている。
【0073】
第5の光源54は、好ましくは、円形断面を有するUV−C発光ダイオードを含む。第5の光源54の直径は、流体ジェット4の直径より何倍も大きい。少なくとも5倍の大きさであることが好ましく、好ましくは少なくとも10倍の大きさである。
【0074】
図18に示すように、ホルダ10のサイドアーム12は、ハンドピース1の前方端面38を越えて突出する。従って、第5の光源54は、ジェット/ビーム方向において、前方端面38から距離をあけて配置される。第5の光の錐体64は円錐に似た形であり、流体ジェット4を包み込む。
【0075】
ハンドピース1の後方端部7には流体ライン8があるが、ここでは図示していない。第5の光源54は電気ライン9により電力供給され、この電気ラインが第5の光源54を外部電源に接続する。
【0076】
本発明によるハンドピースは、処置過程で生成されたエアロゾルの汚染除去を同時に行いながらの創傷洗浄を可能にし、周囲を汚染するリスクを低減する。好ましくは、創傷はUV光で同時に治療される。
【符号の説明】
【0077】
1 ハンドピース
10 ホルダ
11 クランプ顎
12 サイドアーム
13 光源収容部
2 本体
20 流体路
21 ノズル路
3 前方端部
30 ノズル
31 噴出開口部
32 前方当接部
33 第1の凹所
34 第2の凹所
35 第3の凹所
36 第4の凹所
37 第5の凹所
38 前方端面
4 流体ジェット
50 第1の光源
51 第2の光源
52 第3の光源
53 第4の光源
54 第5の光源
55 光源ライン
60 第1の光の錐体
61 第2の光の錐体
62 第3の光の錐体
63 第4の光の錐体
64 第5の光の錐体
7 後方端部
8 流体ライン
9 電気ライン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18