【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によると、この目的は、請求項1の特徴を有するシステムによって、及び請求項13の特徴を有する方法によって達成される。
【0011】
流体ジェットを用いて創傷を治療、特に洗浄するための本発明によるシステムはハンドピースを備え、該ハンドピースが、流体ジェットの噴出のための噴出開口部を備えた前方端部をもつ本体を有する。さらに、前記システムは、少なくとも1つの発光光源を有し、これが創傷を洗浄する際に生成されるエアロゾルを照射する。前記少なくとも1つの光源は、該少なくとも1つの光源によって放射される光が、前記噴出開口部から噴出した流体ジェットを少なくとも該噴出開口部から間隔をあけて囲むように配置される。前記少なくとも1つの光源は、前記噴出開口部に関して、前記噴出した流体ジェットが前記放射光によってほぼ完全に囲まれるように配置される。
【0012】
前記光源は、発光要素である。1つの実施形態では、光は、光源それ自体で発生される。別の実施形態では、光源は、光導波路の出口開口部である。入射光を反射するのに十分な光沢はあるが、光導波路の一部ではない表面領域は、本明細書の意味においても当該技術分野においても、光源とは解されない。
【0013】
前記少なくとも1つの光源は、前記ハンドピースとは別に配置することができる。しかしながら、ハンドピース内又はハンドピースに配置されて、ハンドピースそれ自体が前記システムを形成することが好ましい。
【0014】
前記流体ジェットは1又はそれより多い噴出開口部から噴出できる。
【0015】
好ましくは、流体ジェットはマイクロ流体ジェット、特に高圧マイクロ流体ジェットである。この場合、高圧とは、特に100から300barの圧力範囲と理解される。しかしながら、100bar未満の圧力で流体ジェットを噴出させることも考えられる。流体は、通常、水溶液又は処置溶液、例えば無菌食塩水である。流体ジェットは、好ましくは、噴出開口部から噴出する際、約0.05mmから0.15mmの直径を有する。
【0016】
光、特にUV光は、治療空間、好ましくは創傷自体における生存可能な細菌を最小限にするために、流体による創傷洗浄時に用いることができる。創傷洗浄時に発生するエアロゾルは、その場で直ぐに及び創傷の洗浄中に照射及び浄化され、これは、エアロゾルが周囲を汚染する前に行うことができる。光が、流体ジェットを、特に創傷上に流体ジェットが噴出する領域において囲む場合、この効果は高まる。好ましくは、光は、少なくともこの領域において流体ジェットを完全に囲む。
【0017】
洗浄時に創傷を照射することによって、創傷治癒を促進することができる。さらに、UV照射は、抗菌性軟膏及び抗生物質の代替品となり得る。
【0018】
さらなる利点は、特に比較的小さい創傷の場合に、もはやテント、フード又は吸引装置を必要とせず、その結果、創傷の観察が制限なく可能となることである。さらに、使用する手段を簡素化することによって、治療時間と治療コストが削減される。
【0019】
UV光(紫外線)は、UV−C光成分(100〜280nm)を有することが好ましい。好ましい実施形態では、存在するのがUV−C光のみ、又は少なくとも大部分がUV−C光である。
【0020】
さらに又は代わりに、前記UV光は、UV−A又はUV−B光成分を有する、又はUV−AもしくはUV−Bだけから成る。
【0021】
好ましくは、前記UV光はコヒーレント光であり、好ましくはレーザー光である。
【0022】
好ましくは、前記光源は、200〜280nmの範囲のUV−C光源である。この範囲では、光の殺菌効果が高まる。特に効果的な波長の範囲は、約260ナノメートルにある。従って、波長が254ナノメートルの光源を用いることが好ましい。
【0023】
好ましくは、前記光源の光は、ハンドピース内で生成可能である。これは、放射の強度が光導波路等によって弱められない点で有利である。しかしながら、光をハンドピースの後方領域で発生させること、及び実質的にジェット/ビーム方向に光を導くために、短い光導波路を用いることも考えられる。
【0024】
前記光源は、前方端部の流体ジェットが噴出する近辺の領域に配置されるのが好ましい。同じ強さの光源については、以下が適用される:光源が照射される領域に近ければ近いほど、照射領域におけるエネルギー密度は高くなり、照射の効果はより大きくなる。
【0025】
光源の光パワーは、固定であっても調節可能であってもよい。光源の電気供給は、外部電源をハンドピースと接続する光源ライン又は電気ラインによって行うことができ、又は、ハンドピースに設けられたバッテリー又はアキュムレータ等の蓄電器によって行うことができる。
【0026】
好ましくは、流体ジェットは、噴出開口部に隣接する下流で、少なくとも部分的に放射光内部で延びる。好ましくは、流体ジェットは、創傷上に噴出するまでこの光内部を延びる。光源が創傷へとより近づけて導かれるほど、エアロゾルの照射はより効果的になる。
【0027】
好ましくは、前記少なくとも1つの光源は、ハンドピースの前方端部に又は前方端部内に、噴出開口部を囲むように配置される。しかしながら、ハンドピースに配置可能なアダプタ内又はホルダに配置することもできる。ハンドピースへの配置は、取り外し可能であってもよいし、固定されていてもよい。
【0028】
前記少なくとも1つの光源は、流体ジェットの断面より何倍も大きい直径を有することが好ましい。前記少なくとも1つの光源の配置が流体ジェットに近ければ近いほど、そして、前記光源が流体ジェットの直径とくらべて大きければ大きいほど、流体ジェットによって生じる影はより小さくなる。影の範囲が小さいことは、創傷洗浄によって生成されるエアロゾル又は創傷面の照射に関して有利である。
【0029】
エアロゾル又は創傷面の理想的な照射は、光源の数、配置、形態、及び、考えられるビーム方向及び/又は拡張する光学系の選択によって得られる。
【0030】
ハンドピースは、できる限り照射を妨げないように、前方端部が先細であってもよいし、又は、より大きな光源を収容できるように拡大していてもよい。
【0031】
ハンドピースは、好ましくは、流体ジェットの噴出開口部が配置される前方端面を有し、前記少なくとも1つの光源は、この前方端面に対し、流体ジェットの噴出方向において、前方端面から引っ込んで、それと同一平面に、又はそこから突出して配置される。用途に応じて、光源をできるだけ小さくして、できるだけ使用者の視界を遮らないようにする、又は光源をできるだけ大きくして、光源が高い放射強度を生むようにすると有利である。光源の種類及び寸法は、ハンドピース又はアダプタ部分にそれに応じた凹所を必要とする。光源に必要な大きさ及び洗浄される創傷に必要な視界に応じて、前方端面に関して光源の配置を異なるものにすると有利である。
【0032】
好ましくは、ハンドピースの前方端部は、光源を収容するための凹所を有する。これにより、光源はハンドピースにうまく組み込まれ、少なくとも部分的に外部の影響から保護される。
【0033】
前記凹所は、好ましくは流体ジェットの噴出方向に拡大する。凹所のこの拡大により、光はハンドピースによって遮られず、流体ジェットの断面の面積の何倍もの領域を照射する光の錐体(Lichtkegel)を形成することができる。凹所は、できるだけ大きい光の錐体を形成できるように、全方向に拡大することが好ましい。
【0034】
ハンドピースの前方端部が流体ジェットの噴出方向に拡大する場合、より大きな光源を使用することができる。この拡大は、周囲に均一であってもよい。しかしながら、光源を備えた領域だけを拡大することもできる。結果として、簡単な構造と、使用者にとっての創傷の良好な視界との間での妥協点に達することができる。
【0035】
1、2、3、4、5、6又はそれより多い光源があってよい。放射強度は光源の数、配置及びパワーの調節によって影響され得る。
【0036】
好ましくは、前記少なくとも1つの光源は、円形の、楕円形の、正方形の、長方形の、多角形の又はドーナツ形の光発生領域を有する。市販の光源を用いることにより、特別仕様の製品のコストを節約できる。
【0037】
好ましくは、噴出開口部は、前方端部の中央に配置される。この中央配置の結果、ハンドピースはほぼ回転対称の形を有することができ、ハンドピースの持ち方が問題とならないため、使用者にとって取り扱いが簡単になる。
【0038】
光源は、好ましくは、発光ダイオード(LED)、プリント基板(PCB)上に配置されたLED、又は集積回路基板(ICB)に組み込まれたLEDである。発光ダイオードは、耐用年数が長く、揺れに対し強い(Unempfindlichkeit)という特徴がある。発光ダイオードは、他の光源より、投入されたエネルギーをより効果的に光に変換し、この過程での熱放出が少なく、低い動作電圧しか必要としない。
【0039】
本発明の1つの実施形態において、前方端部は、光源による放射光を実質的に流体ジェットの方向に分配する光導波路を有する。光導波路を用いることによって、光源によって生み出された光を、特定の方向に向けることができる。その場合、光源の形状は、各光の錐体の形成にあまり影響しない。同様に、特定の領域を他の領域より強く照射することができる。よって、直接的に照射できない領域を照射することもできる。
【0040】
好ましくは、前方端部はノズルを有し、このノズルは噴出開口部を形成するか、噴出開口部と一列に並ぶ(fluchtet)。好ましくは、光源は、ノズルに隣り合って配置される。ノズルは、流体ジェットの質と形状を決める。光源をノズルに隣り合って配置することは、流体ジェットに近いことにより、光源がエアロゾルを照射する能力を最適化する。
【0041】
好ましくは、ハンドピースはかたい(steif)。
【0042】
さらなる実施形態は、従属請求項に記載する。