特許第6397515号(P6397515)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6397515エンジンのための静電気ダスト及びデブリセンサ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6397515
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】エンジンのための静電気ダスト及びデブリセンサ
(51)【国際特許分類】
   F02C 7/00 20060101AFI20180913BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20180913BHJP
   G01N 27/60 20060101ALI20180913BHJP
   G01M 15/14 20060101ALI20180913BHJP
【FI】
   F02C7/00 A
   F01D25/00 Q
   F01D25/00 V
   G01N27/60 C
   G01M15/14
【請求項の数】14
【外国語出願】
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-8018(P2017-8018)
(22)【出願日】2017年1月20日
(65)【公開番号】特開2017-133505(P2017-133505A)
(43)【公開日】2017年8月3日
【審査請求日】2017年3月10日
(31)【優先権主張番号】15/007,289
(32)【優先日】2016年1月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・デービッド・ワイカート
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー・グリフィン
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・アール・ノエル
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ・リカーズ
【審査官】 金田 直之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04531486(US,A)
【文献】 実開平02−131684(JP,U)
【文献】 特表2015−533422(JP,A)
【文献】 特開2012−047538(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0313639(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0324987(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02C 7/00
F01D 25/00
G01N 27/60−27/70,27/92
G01M 15/00−15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンエンジン(10)内のダスト又はデブリを検出するための統合型静電気センサ(75、77、78)であって、
第1の端部(81)及び第2の端部(83)を有する本体(79)を備え、前記第1の端部(81)が検出面(85)を備えかつ前記センサ(75、77、78)を前記エンジン(10)に固定するように構成された、外側ハウジング(76)と、
前記検出面(85)に隣接して前記外側ハウジング(76)の中に設けられ、前記エンジン(10)の中で荷電粒子が前記検出面(85)を通過する場合に移動するようになった複数の電子を包含する電極(86)と、
前記電極(86)と共に設けられ、前記電子の運動の関数として前記エンジン(10)の微粒子レベルを検出するようになった増幅器(87)と、
前記外側ハウジング(76)の中に設けられ、前記増幅器(87)に電気的に結合し、前記微粒子レベルを示す1又は2以上の信号を前記エンジン(10)のコントローラ(90)に送るようになった回路基板(88)と、
を備えるセンサ(75、77、78)。
【請求項2】
前記第1の端部(81)は、前記センサ(75、77、78)を前記エンジン(10)の取り付け部位に固定するようになった第1のねじ付き外面(84)を備える、請求項1に記載のセンサ(75、77、78)。
【請求項3】
前記外側ハウジング(76)の前記本体(79)は、前記エンジン(10)の既存の部位に取り付くようになった所定の形状を有する、請求項1または2に記載のセンサ(75、77、78)。
【請求項4】
前記既存の部位は、前記エンジン(10)のボアスコープポート、洗浄ポート、圧縮機入口、ブースタ入口、又はタービン入口のうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載のセンサ(75、77、78)。
【請求項5】
前記外側ハウジング(76)の本体(79)の前記所定の形状は、略円筒形である、請求項3に記載のセンサ(75、77、78)。
【請求項6】
前記増幅器(87)は、ファムトアンペアからファムトアンペアの漏れ電流、及び00℃から50℃の範囲の作動温度を有する、請求項1乃至5のいずれかに記載のセンサ(75、77、78)。
【請求項7】
前記電極(86)は、G−Ohmよりも大きいインピーダンスを有する、請求項1乃至6のいずれかに記載のセンサ(75、77、78)。
【請求項8】
前記外側ハウジング(76)の前記本体(79)の前記第2の端部(83)に設けられ、前記外側ハウジング(76)の中に前記電極(86)及び前記増幅器(87)を保持するようになったセンサ(75、77、78)キャップをさらに備える、請求項1乃至7のいずれかに記載のセンサ(75、77、78)。
【請求項9】
前記第2の端部(83)は、前記センサ(75、77、78)キャップを受け入れるようになった第2のねじ付き外面(89)を備え、前記センサ(75、77、78)キャップは、内側のねじ付き面又は外側のねじ付き面の少なくとも一方を備える、請求項8に記載のセンサ(75、77、78)。
【請求項10】
記外側ハウジング(76)の中に設けられた電極(86)ハウジングをさらに備え、前記電極(86)ハウジングは、前記電極(86)を収容するように構成され、前記電極(86)は、絶縁線によって前記回路基板(88)に電気的に結合される、請求項1乃至9のいずれかに記載のセンサ(75、77、78)。
【請求項11】
前記電極(86)に隣接して前記外側ハウジング(76)の中に設けられた回路基板(88)ハウジングをさらに備え、前記回路基板(88)ハウジングは、内部に回路基板(88)を収容するようになっている、請求項1乃至10のいずれかに記載のセンサ(75、77、78)。
【請求項12】
前記電極(86)と前記外側ハウジング(76)との間の設けられた絶縁体をさらに備える、請求項1乃至11のいずれかに記載のセンサ(75、77、78)。
【請求項13】
前記ガスタービンエンジン(10)は、航空機エンジンを構成する、請求項1乃至12のいずれかに記載のセンサ(75、77、78)。
【請求項14】
ガスタービンエンジン(10)内のダスト又はデブリを検出するための1又は2以上の統合型静電気センサ(75、77、78)を備えるエンジン(10)用静電気センサ(75、77、78)システムであって、前記静電気センサ(75、77、78)の各々は、
第1の端部(81)及び第2の端部(83)を有する本体(79)を備え、前記第1の端部(81)が検出面(85)を備えかつ前記センサ(75、77、78)を前記エンジン(10)に固定するように構成された、外側ハウジング(76)と、
前記検出面(85)に隣接して前記外側ハウジング(76)の中に設けられ、前記エンジン(10)の中で荷電粒子が前記検出面(85)を通過する場合に移動するようになった複数の電子を包含する電極(86)と、
前記電極(86)と共に設けられ、前記電子の運動の関数として前記エンジン(10)の微粒子レベルを検出するようになった増幅器(87)と、
前記外側ハウジング(76)の中に設けられ、前記増幅器(87)に電気的に結合するようになった回路基板(88)と、
前記回路基板(88)に電気的に結合し、前記回路基板(88)から前記微粒子レベルを示す1又は2以上の信号を受けとるようになったコントローラ(90)と、
を備えるセンサ(75、77、78)システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本主題は、ダスト及びデブリセンサに関し、より具体的には、ガスタービンエンジン等のエンジンのための静電気ダスト及びデブリセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ガスタービンエンジンは、直列流れ順に、圧縮機セクション、燃焼セクション、タービンセクション、及び排出セクションを含む。作動時、空気は、圧縮機セクションの入口に入り、圧縮機セクションでは、空気は燃焼セクションに達するまで1又は2以上の遠心圧縮機によって徐々に圧縮される。燃料は、燃焼セクション内で圧縮空気と混合及び燃焼して、燃焼ガスを生成する。燃焼ガスは、燃焼セクションからタービンセクションの中に定められる高温ガス経路を通って送られ、次に、タービンセクションから排出セクションを経由して排出される。
【0003】
特定の構成において、タービンセクションは、直列流れ順に、高圧(HP)タービン及び低圧(LP)タービンを含む。HPタービン及びLPタービンの各々は、タービンロータブレード、ロータディスク、及びリテーナ等の種々の回転タービン構成要素、並びにステータベーン又はノズル、タービンシュラウド、及びエンジンフレーム等の種々の固定タービン構成要素を含む。回転及び固定タービン構成要素は、少なくとも部分的にタービンセクションを通る高温ガス経路を定める。燃焼ガスが高温ガス経路を通って流れる際に、熱エネルギは、燃焼ガスから回転及び固定タービン構成要素に伝達される。
【0004】
当該ガスタービンエンジンは、通常、航空機に採用されている。航空機の作動時に、エンジンの環境微粒子及びダスト吸い込みレベルは、分析プロセスの重要な入力であり、特定のエンジン毎の動作をもたらす。最新の微粒子レベルデータは、地上及び/又は遠隔検出システムによって与えられる。当該データは、一時的かつ特別な変動並びに誤差を有するので、航空機の離陸及び上昇時のエンジン状態の正確な判断が特に困難になる。さらに、当該センサシステムの電子機器は、典型的に複数のケーブル及びコネクタを介して個別のセンサに接続される。従って、ケーブルの何らかの動き又は振動により、ダスト又はデブリ粒子がセンサ表面を通過する場合よりも大きな変化が生じる可能性があり、結果的に低い信号対雑音比につながる。さらに、従来のシステムは、ケーブル及びコネクタの摩擦電気及び圧電効果に起因する問題に直面する可能性がある、
従って、本開示は、前述の問題を解消する改善されたセンサシステムに関する。詳細には、本開示は、1又は2以上の改善された静電気センサを含むセンサシステムに関し、静電気センサは、より正確に前述のガスタービンエンジン等のエンジン内部のダスト粒子及び/又はデブリを検出する統合型電子機器を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第9074858号明細書
【発明の概要】
【0006】
本発明の態様及び利点は、以下の説明において記載され、又は本説明から明らかになることができ、或いは、本発明を実施することによって理解することができる。
【0007】
1つの態様において、本開示は、航空機エンジン等のエンジン内のダスト及び/又はデブリを検出するための統合型静電気センサに関する。センサは、第1の端部及び第2の端部を有する本体を含む外側ハウジングを備える。第1の端部は、検出面を備えかつセンサをエンジンに固定するように構成される。センサは、検出面に隣接して外側ハウジングの中に設けられた電極及び電極と共に設けられた増幅器をさらに備える。電極は、荷電粒子が検出面を通過する場合に移動するようになった複数の電子を包含する。従って、増幅器は、電子の運動の関数として微粒子レベルを検出するようになっている。静電気センサは、外側ハウジングの中に設けられ、増幅器に電気的に結合する回路基板をさらに備える。従って、回路基板は、微粒子レベルを示す1又は2以上の信号をエンジンのコントローラに送るようになっている。
【0008】
他の態様において、エンジン用の静電気センサシステムに関する。センサシステムは、エンジン内のダスト又はデブリを検出するための1又は2以上の統合型静電気センサを有する。静電気センサの各々は、第1の端部及び第2の端部を有する本体を含む外側ハウジングを備える。第1の端部は、検出面を備えかつセンサをエンジンに固定するように構成される。センサの各々は、検出面に隣接して外側ハウジングの中に設けられた電極、及び電極と共に設けられた増幅器をさらに備える。電極は、エンジンの中で荷電粒子が検出面を通過する場合に移動するようになった複数の電子を包含する。従って、増幅器は、電子の運動の関数としてエンジンの微粒子レベルを検出するようになっている。センサの各々は、外側ハウジングの中に設けられ、増幅器に電気的に結合するようになった回路基板をさらに備える。従って、センサシステムは、回路基板に電気的に結合し、回路基板から微粒子レベルを示す1又は2以上の信号を受けとるようになったコントローラを備える。センサシステムは、本明細書に記載の何らかの追加の特徴部をさらに設けることができることを理解されたい。
【0009】
さらに他の態様において、本開示は、航空機エンジン等のエンジン内のダスト及び/又はデブリを検出するための方法に関する。本方法は、エンジンの1又は2以上の部位に統合型静電気センサを提供するステップを含み、静電気センサの各々は、第1の端部及び第2の端部を含む外側ハウジングを備える。外側ハウジングの第1の端部は、センサをエンジンに固定するように構成されかつ検出面を含む。さらに静電気センサの各々は、外側ケーシングの中に収容された内部電極及び増幅器を有する。電極は、検出面に隣接して、エンジンの中で荷電粒子が検出面を通過する場合に移動するようになった複数の電子を含む。本方法は、1又は2以上の部位での微粒子の流路内にセンサの各々の検出面を取り付けるステップをさらに含む。さらに、本方法は、センサの各々の増幅器によって、電子運動の関数としてエンジンの微粒子レベルを判定するステップを含む。また、本方法は、外側ハウジングの中に設けられた回路基板によって、微粒子レベルを示す1又は2以上の信号を発生するステップを含む。本方法は、本明細書に記載の何らかの追加のステップ及び/又は特徴をさらに含み得ることを理解されたい。
【0010】
本発明のこれら及び他の特徴、態様、並びに利点は、以下の説明及び添付の請求項を参照するとより理解できるであろう。本明細書に組み込まれ且つその一部を構成する添付図面は、本発明の実施形態を例証しており、本明細書と共に本発明の原理を説明する役割を果たす。
【0011】
添付図面を参照することを含めて、本明細書の残りの部分において、当業者にとって最良の形態を含む本発明の完全且つ有効な開示が記載される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示によるガスタービンエンジンの1つの実施形態の概略断面図。
図2】本開示によるエンジン内のダスト又はデブリを検出するためのセンサシステムの1つの実施形態の概略図。
図3】本開示によるエンジン内のダスト又はデブリを検出するための静電気センサの1つの実施形態の斜視図。
図4】本開示によるエンジン内のダスト又はデブリを検出するための静電気センサの1つの実施形態の特にセンサの検出面を示す底面図。
図5】本開示によるエンジン内のダスト又はデブリを検出するための静電気センサの種々の構成要素の斜視図。
図6】本開示によるエンジンのコントローラに含めることができる適切な構成要素の1つの実施形態のブロック図。
図7】本開示によるエンジン内のダスト又はデブリを検出する方法の1つの実施形態のフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、その1つ又はそれ以上の実施例を図面に示している本発明の実施形態について詳細に説明する。各実施例は、本発明の限定ではなく、例証として提供される。実際に、本開示の範囲又は技術的思想から逸脱することなく、種々の修正形態及び変形形態を本実施形態において実施できることは、当業者であれば理解されるであろう。例えば、1つの実施形態の一部として例示され又は説明される特徴は、別の実施形態と共に使用して更に別の実施形態を得ることができる。従って、本発明は、そのような修正及び変形を特許請求の範囲及びその均等物の技術的範囲内に属するものとして保護することを意図している。
【0014】
本明細書で使用される用語「第1」、「第2」、及び「第3」は、ある構成要素を別の構成要素と区別するために同義的に用いることができ、個々の構成要素の位置又は重要性を意味することを意図したものではない。
【0015】
用語「上流」及び「下流」は、流体通路における流体流れに対する相対的方向を指す。例えば、「上流」は、流体がそこから流れる方向を指し、「下流」は流体がそこに向けて流れ込む方向を指す。
【0016】
全体的に、本開示は、航空機ガスタービンエンジン等のエンジン内のダスト、デブリ、及び/又は他の浮遊微粒子を検出するための静電気センサシステム及び方法に関する。さらに、静電気センサシステム及び関連する方法は、限定ではないが、産業用エンジン、発電用エンジン、陸上エンジン、船舶用エンジン等の何らかの他のタイプのエンジンにも適することを理解されたい。詳細には、特定の実施形態において、静電気センサシステムは、1又は2以上の静電気センサに電気的に接続されたコントローラを含むことができる。静電気センサの各々は、センサをエンジンに固定するように構成されると共に検出面を有する第1の端部を有する外側ハウジングを含む。また、センサは、検出面に隣接して外側ハウジングの中に設けられた電極及び電極と共に設けられた増幅器をさらに含む。電極は、荷電粒子が検出面を通過する場合に移動するようになった複数の電子を包含する。従って、増幅器は、電子の運動の関数として微粒子レベルを検出するようになっている。静電気センサは、外側ハウジングの中に設けられ、増幅器に電気的に結合する回路基板をさらに備える。従って、回路基板は、微粒子レベルを示す1又は2以上の信号をエンジンのコントローラに送るようになっている。
【0017】
従って、外側ハウジング及び電子機器構成は、センサ入力と電極との間の距離を最小にするので、センサの感度が高くなる。従って、本開示は、従来にはなかった種々の利点を提供する。例えば、本開示の静電気センサは、堅牢かつ信頼性が高いより正確なエンジン内の微粒子(例えば、ダスト、デブリ等)検出を可能にする。さらに、電子機器がセンサの中に統合されるので、本デザインは、保守管理が不要で従来のデザインでの作動上の問題が生じ難い。さらに、増幅器の低い漏れ電流によって、増幅器の直流結合が容易になり、捕捉される微粒子レベルの低い周波変動が可能になる。加えて、電極の高入力インピーダンスは、検出面の電荷の僅かな変化に対するセンサの感度を改善する。加えて、高入力インピーダンスは、検出された電子が少しずつなくなり出力信号を生成できなくなるのを防ぐことで、センサの低周波応答を改善する。従って、本開示の静電気センサは、粒子の質量で約700万分の1を検出することができる。さらに、本開示の静電気センサは、ダスト以外に氷の検出、並びに火山灰及び/又は他の有害な吸込微粒子の検出が可能である。
【0018】
ここで各図面を参照すると、図1は、本開示によるガスタービンエンジン10(高バイパスタイプ)の1つの実施形態の概略断面図を示す。詳細には、ガスタービンエンジン10は、飛行機やヘリコプタ等の航空機エンジンを含むことができる。図示のようにガスタービンエンジン10は、参照目的で内部を通る軸方向の長手方向中心線軸12を有する。さらに、図示のように、ガスタービンエンジン10は、全体が符号14で特定されるコアガスタービンエンジン及びその上流に配置されるファンセクション16を含むことが好ましい。一般に、コアエンジン14は、環状入口20を定める略管状の外部ケーシング18を含む。さらに、外部ケーシング18は、コアエンジン14に入る空気の圧力を第1の圧力レベルに昇圧するブースタ22を取り囲んで支持する。高圧、多段、軸流圧縮機24は、ブースタ22からの加圧空気を受け取ってこの空気の圧力をさらに昇圧する。圧縮機24は、タービンエンジン10の内部の空気を案内して圧縮する機能を有する回転ブレード及び固定ベーンを含む。加圧空気は、燃焼器26に流入し、ここで燃料が加圧空気流に注入されて燃焼し、加圧空気の温度及びエネルギレベルが高くなる。高エネルギの燃焼生成物は、燃焼器26から第1の(高圧)タービン28に流れて第1の(高圧)駆動シャフト30によって高圧圧縮機24を駆動し、次に第2の(低圧)タービン32に流れて第1の駆動シャフト30と同軸の第2の(低圧)駆動シャフト34によってブースタ22及びファンセクション16を駆動する。タービン28及び32の各々を駆動した後、燃焼生成物は、排出ノズル36を通ってコアエンジン14から流出してエンジン10のジェット推進力の少なくとも一部をもたらすようになっている。
【0019】
ファンセクション16は、環状ファンケーシング40で囲まれた回転軸流ファンロータ38を含む。ファンケーシング40は、複数の略半径方向に延びかつ円周方向に離間したガイドベーン42によってコアエンジン14で支持されることを理解されたい。このように、ファンケーシング40は、ファンロータ38及びファンローターブレード44を囲む。ファンケーシング40の下流セクション46は、コアエンジン14の外側部分に広がり、追加のジェット推進力をもたらす第2の又はバイパス空気流通路48を定める。
【0020】
流れの観点から、矢印50で示す初期空気流は、入口52を通ってファンケーシング40へとガスタービンエンジン10に入ることを理解されたい。空気流は、ファンブレード44を通過して、通路48を移動する第1の空気流(矢印54で示す)と、ブースタ22に入る第2の空気流(矢印56で示す)とに分かれる。
【0021】
第2の圧縮空気流56の圧力は増大して高圧圧縮機24に入る(矢印58で示す)。燃焼器26内で燃料と混合して燃焼した後に、燃焼生成物60は燃焼器26から流出して第1のタービン28を通過する。次に、燃焼生成物60は、第2のタービン32を通過して排出ノズル36から流出し、ガスタービンエンジン10のための推進力に一部をもたらす。
【0022】
さらに図1を参照すると、燃焼器26は、長手方向中心軸線12と同軸の環状燃焼室62、並びに入口64及び出口66を含む。前述のように、燃焼器26は、高圧圧縮機の吐出出口69からの加圧空気の環状流れを受け取る。この圧縮機吐出空気の一部は、混合器(図示せず)に流入する。燃料は燃料ノズル80から注入されて空気と混合して燃料空気混合気を形成し、この混合気は燃焼室62に供給されて燃焼する。燃料空気混合気の点火は適切な点火装置で行われ、結果として得られた燃焼ガス60は、環状の第1段タービンノズル72に向かって軸方向に流れてそこに入る。ノズル72は、複数の半径方向に延びる円周方向に離間したノズルベーン74を含む環状流路で定められ、ノズルベーン74はガスを転向させて、ガスが角度を成して流れて第1のタービン28のタービンブレードの第1段に衝突するようにする。図1に示すように、第1のタービン28は、第1の駆動シャフト30によって高圧圧縮機24を回転させることが好ましいが、低圧タービン32は、第2の駆動シャフト34によってブースタ22及びファンロータ38を駆動することが好ましい。
【0023】
燃焼室62は、エンジン外部ケーシング18に収容され、燃料は、1又は2以上の燃料ノズル80から燃焼室62に供給される。詳細には、液体燃料が、燃料ノズル80のステム内の1又は2以上の通路又は導管を通って移送される。
【0024】
作動時、例えば入口52に入る空気からのダスト又は他の種類のエアロゾル微粒子は、ガスタービンエンジン10によって吸い込まれる。ダスト及びエアロゾル微粒子の蓄積量は、このレベルがエンジンサービス時間、損耗、及び/又は他の保守管理スケジュールを評価するのに重要なので、エンジン分析のための重要な入力である。従って、本開示は、本明細書で説明するようなガスタービンエンジン10の中のダスト及び/又はデブリを検出するための改善された静電気センサシステム70(図2)及び方法100(図7)に関する。詳細には、図2に示すように、センサシステム70は、コントローラ90に通信可能に結合された1又は2以上の静電気センサ73、75、77、78を含む。静電気センサ73、75、77、78の各々は同様に構成されており、図3−5は、例示目的で、1つの静電気センサ73を様々の視点から示す。例えば、図3は静電気センサ73の斜視図を示し、図4は静電気センサ73の検出面85の側から見た底面図を示し、図5は静電気センサ73の種々の構成要素の斜視図を示す。
【0025】
図3及び5に示すように、静電気センサ73は、第1の端部81及び第2の端部83を有する本体79を含む外側ハウジング76又はケーシングを定める。さらに、図示のように、センサ73の第1の端部81は検出面85を定める。加えて、第1の端部81は、ガスタービンエンジン10に取り付けけられるか、そうでなければ固定されるように構成される。例えば、特定の実施形態において、外側ハウジング76の本体79は、ガスタービンエンジン10の既存の部位に適合するようになった所定の形状を有することができる。詳細には、図3−5に示すように、外側ハウジング76の本体79の所定の形状は、略円筒形とすることができる。従って、図2に示すように、ガスタービンエンジン10の既存の部位としては、ボアスコープポート(例えばセンサ75)又は洗浄ポート(例えばセンサ78)を挙げることができる。追加の実施形態において、ガスタービンエンジン10の既存の部位としては、ガスタービンエンジン10の圧縮機入口(例えばセンサ75)、ブースタ入口(例えばセンサ73)、又はタービン入口(図示せず)を挙げることができる。従って、本明細書に記載の何らかの実施形態において、外側ハウジング76の第1の端部81は、センサ73をガスタービンエンジン10の取り付け部位に固定するように構成された、第1のねじ付き外面84を含むことができる。外側ハウジング76は、さらに微粒子の検出が望まれるガスタービンエンジン10の何らかの適切な部位に取り付けられるようになっていることを理解されたい。
【0026】
特に図5を参照すると、静電気センサ73は、外側ハウジング76の内部で検出面85に隣接するようになった内部電極86及び増幅器87を含む。さらに、電極86は、エンジン10の中の荷電粒子が検出面85を通過した際に電極86の中で移動するようになった複数の電子(図示せず)を包含する。詳細には、電子は、電極86の中で通過する粒子の電荷に基づいて検出面85に向かって又はそこから離れるように移動するようになっている。特定の実施形態において、センサ73は、外側ハウジング76の内部でセンサ面85に隣接するようになった電極ハウジング91を含むこともできる。従って、電極ハウジング91は、電極86を収容して保護するようになっている。従って、増幅器87は、電極83の中の電子の位置を検出又は測定して、検出面85を通過する荷電粒子の微粒子レベルを示すようになっている。従って、増幅器87は、電子運動の関数として微粒子レベルを検出するようになっている。
【0027】
説明するように、本開示の統合型増幅器87は超高感度であり、ガスタービンエンジン10の微粒子レベルをより正確に検出することができる。詳細には、特定の施形態において、増幅器87は、約1ファムトアンペアから約5ファムトアンペア、より好ましくは約3ファムトアンペアの漏れ電流を含むことができる。従って、低い漏れ電流により、増幅器87の直流結合が容易になり、捕捉される微粒子レベルの低い周波変動が可能になる。さらに、増幅器87は、約100℃から約250℃、より好ましくは約150℃から約230℃の範囲の作動温度とすることができる。さらに、電極86は、約1G−Ohmより大きい、例えば約10G−Ohmのインピーダンスを有することができる。従って、電極86の高入力インピーダンスは、検出面85の電荷の僅かな変化に対するセンサの感度を改善するようになっている。加えて、高入力インピーダンスは、検出された電子が少しずつなくなり出力信号を生成できなくなるのを防ぐことで、センサ73の低周波応答を改善するようにもなっている。従って、本開示の静電気センサ73は、粒子の質量で約700万分の1を検出することができる。
【0028】
追加の実施形態において、さらに、静電気センサ73は、限定ではないが、エンジン流路内の氷晶、構成デブリ、砂、火山灰を含む任意の/全ての浮遊エアロゾル微粒子を検出して、これを検出した場合にコントローラ90に警告するようになっている。さらに、静電気センサ73は、内部で発生したダスト及びデブリを検出してコントローラに警告するようにもなっている。
【0029】
特に図5を参照すると、静電気センサ73は、外側ハウジング76の内部にあり増幅器87に電気的に結合するように構成された集積回路基板88をさらに含む。さらに、図示のように、電極86は、絶縁線98で回路基板88に電気的に結合することができる。詳細には、図示のように、回路基板88は、電極86に近接しかつ検出面85に対向することができる。追加の実施形態において、回路基板88は、センサ73の外側ハウジング76の内部の何らかの適切な場所に配置することができる。さらに、本明細書に記載の回路基板88は、センサ73の電子構成要素を機械的に支持して電気的に結合する何らかの適切な回路基板を含むことができる。詳細には、本開示の特定の回路基板は、導電トラック、パッド、及び/又は銅等の金属でエッチングされた他の特徴部、及び非導電性基板上に積層されたシートを含むことができる。さらに、本開示の回路基板88は、片面、両面、又は多層とすることができる。従って、本明細書に記載の回路基板88は、ガスタービンエンジン10のコントローラ90に対してエンジン10内の微粒子レベルを示す1又は2以上の信号を送るようになっている。
【0030】
さらに、図5に示すように、センサ73は、電極86に隣接して外側ハウジング76の内部に設けられた回路基板ハウジング93を含むことができる。従って、回路基板ハウジング93は、内部に回路基板88を収容して保護することができる。回路基板ハウジング93は、適切な形状とすることができる。例えば、1つの実施形態において、回路基板ハウジング93は、外側ハウジング76の内部容積にほぼ対応する形状とすることができる。
【0031】
追加の実施形態において、図3−5に示すように、静電気センサ73は、外側ハウジング76の本体79の第2の端部83を構成するセンサキャップ99を含むこともでき、電極86及び増幅器87等のセンサ構成要素を外側ハウジング76の内部に保持するようになっている。詳細には、図示のように、本体79の第2の端部83は、センサキャップ99の内面の対応するねじ山を受けるように構成された第2のねじ付き外面89を含むことができる。特定の実施形態において、図示のように、センサキャップ99は、内側のねじ付き面及び/又は外側のねじ付き面の両方を含むことができる。
【0032】
さらに図5を参照すると、静電気センサ73は、1又は2以上の絶縁体97又は絶縁層を含むことができる。例えば、図5に示すように、静電気センサ73は、電極86と外側ハウジング76との間に絶縁体97を含むことができる。詳細には、絶縁体97は、電極86の後側に設けることができ、さらに電極ワイヤ98が通過できる孔を含むことができる。センサ73の内部において何らかの適切な部位に任意数の絶縁体を用いることができることをさらに理解されたい。
【0033】
ここで図2及び6を参照すると、コントローラ90は、回路基板88からエンジン10内の微粒子レベルを示すセンサ73からの信号を受け取るように構成される。詳細には、図6は、本開示によるコントローラ90に包含できる適切な構成要素の1つの実施形態のブロック図を示す。図示のように、コントローラ90は、種々のコンピュータ実装機能(例えば、本明細書に記載のように、方法、ステップ、計算等を実行して関連データを格納する)を実行するように構成された1又は2以上のプロセッサ92及び関連の記憶デバイス94を含むことができる。加えて、コントローラ90は、コントローラ90と静電気センサ73との間の通信を支援する通信モジュール95を含むこともできる。さらに、通信モジュール95は、センサインタフェース96(例えば、1又は2以上のアナログ−デジタルコンバータ)を含むことができ、センサ73から送られてきた信号をプロセッサ92が理解して処理することができる信号に変換できるようになっている。センサ73は、何らかの適切な手段で通信モジュール95に通信可能に結合することができることを理解されたい。例えば、図6に示すように、センサ73は、有線接続でセンサインタフェース96に結合することができる。しかしながら、他の実施形態において、センサ73は、本技術分野で公知の何らかの適切な無線通信プロトコルを利用して無線接続でセンサインタフェース96に結合することができる。従って、プロセッサ92は、センサ73から1又は2以上の信号を受け取るように構成することができる。
【0034】
本明細書で使用する場合、用語「プロセッサ」は、コンピュータに含まれるものとして当技術分野で言及される集積回路を指すだけでなく、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、特定用途向け集積回路、及び他のプログラム可能な回路も指すことを理解されたい。加えて、記憶デバイス92は、一般に、限定ではないが、コンピュータ読取可能な媒体(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、コンピュータ読取可能な非揮発性媒体(例えば、フラッシュメモリ)、フロッピーディスク、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)、光磁気ディスク(MOD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、及び/又は他の適切な記憶素子を含む記憶素子を含むことができる。当該記憶デバイス94は、一般に、プロセッサ92によって実行される場合にガスタービンエンジン10の種々の機能を実行する適切なコンピュータ読取可能な命令を格納するように構成することができる。
【0035】
ここで図7を参照すると、航空機エンジン等のガスタービンエンジン10におけるダスト又はデブリを検出する方法100の1つの実施形態のフロー図が示されている。102に示すように、方法100は、図2に示すように、ガスタービンエンジン10の1又は2以上の部位に統合型静電気センサ(例えば、センサ73)を提供するステップを含む。従って、104に示すように、方法100は、1又は2以上の部位での微粒子流路内に各センサ73の検出面85を取り付けることを含む。加えて、106に示すように、方法100は、各センサ73の増幅器87によって、電子運動の関数としてガスタービンエンジン10の微粒子レベルを判定するステップを含む。108に示すように、方法100は、外側ハウジング76の中に設けられた回路基板88によって、微粒子レベルを示す1又は2以上の信号を発生するステップを含む。
【0036】
1つの実施形態において、方法100は、静電気センサ73、75の各々の回路基板86によって、信号をガスタービンエンジン10のコントローラ90へ送るステップを含む。従って、本明細書に記載のセンサ73は、リアルタイムで正確な微粒子レベルデータをユーザに提供する。
【0037】
本明細書は、最良の形態を含む実施例を用いて本発明を開示し、また、あらゆる当業者が、あらゆるデバイス又はシステムを実施及び利用すること並びにあらゆる組み込み方法を実施することを含む本発明を実施することを可能にする。本発明の特許保護される範囲は、請求項によって定義され、当業者であれば想起される他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、請求項の文言と差違のない構造要素を有する場合、或いは、請求項の文言と僅かな差違を有する均等な構造要素を含む場合には、本発明の範囲内にあるものとする。
【0038】
最後に、代表的な実施態様を以下に示す。
[実施態様1]
エンジン内のダスト又はデブリを検出するための統合型静電気センサであって、
第1の端部及び第2の端部を有する本体を備え、上記第1の端部が検出面を備えかつ上記センサを上記エンジンに固定するように構成された、外側ハウジングと、
上記検出面に隣接して上記外側ハウジングの中に設けられ、上記エンジンの中で荷電粒子が上記検出面を通過する場合に移動するようになった複数の電子を包含する電極と、
上記電極と共に設けられ、上記電子の運動の関数として上記エンジンの微粒子レベルを検出するようになった増幅器と、
上記外側ハウジングの中に設けられ、上記増幅器に電気的に結合し、上記微粒子レベルを示す1又は2以上の信号を上記エンジンのコントローラに送るようになった回路基板と、
を備えるセンサ。
[実施態様2]
上記第1の端部は、上記センサを上記エンジンの取り付け部位に固定するようになった第1のねじ付き外面を備える、実施態様1に記載のセンサ。
[実施態様3]
上記外側ハウジングの上記本体は、上記エンジンの既存の部位に取り付くようになった所定の形状を有する、実施態様1に記載のセンサ。
[実施態様4]
上記既存の部位は、上記エンジンのボアスコープポート、洗浄ポート、圧縮機入口、ブースタ入口、又はタービン入口のうちの少なくとも1つを含む、実施態様3に記載のセンサ。
[実施態様5]
上記外側ハウジングの本体の上記所定の形状は、略円筒形である、実施態様3に記載のセンサ。
[実施態様6]
上記増幅器は、約1ファムトアンペアから約5ファムトアンペアの漏れ電流、及び約100℃から約250℃の範囲の作動温度を有する、実施態様1に記載のセンサ。
[実施態様7]
上記電極は、約1G−Ohmよりも大きいインピーダンスを有する、実施態様1に記載のセンサ。
[実施態様8]
上記外側ハウジングの上記本体の上記第2の端部に設けられ、上記外側ハウジングの中に上記電極及び上記増幅器を保持するようになったセンサキャップをさらに備える、実施態様1に記載のセンサ。
[実施態様9]
上記第2の端部は、上記センサキャップを受け入れるようになった第2のねじ付き外面を備え、上記センサキャップは、内側のねじ付き面又は外側のねじ付き面の少なくとも一方を備える、実施態様8に記載のセンサ。
[実施態様10]
上記センサ面に隣接して上記外側ハウジングの中に設けられた電極ハウジングをさらに備え、上記電極ハウジングは、上記電極を収容するように構成され、上記電極は、絶縁線によって上記回路基板に電気的に結合される、実施態様1に記載のセンサ。
[実施態様11]
上記電極に隣接して上記外側ハウジングの中に設けられた回路基板ハウジングをさらに備え、上記回路基板ハウジングは、内部に回路基板を収容するようになっている、実施態様1に記載のセンサ。
[実施態様12]
上記電極と上記外側ハウジングとの間の設けられた絶縁体をさらに備える、実施態様1に記載のセンサ。
[実施態様13]
上記エンジンは、航空機エンジン、産業用エンジン、発電用エンジン、陸上エンジン、又は船舶用エンジンのうちの少なくとも1つを構成する、実施態様1に記載のセンサ。
[実施態様14]
エンジン内のダスト又はデブリを検出するための1又は2以上の統合型静電気センサを備えるエンジン用静電気センサシステムであって、上記静電気センサの各々は、
第1の端部及び第2の端部を有する本体を備え、上記第1の端部が検出面を備えかつ上記センサを上記エンジンに固定するように構成された、外側ハウジングと、
上記検出面に隣接して上記外側ハウジングの中に設けられ、上記エンジンの中で荷電粒子が上記検出面を通過する場合に移動するようになった複数の電子を包含する電極と、
上記電極と共に設けられ、上記電子の運動の関数として上記エンジンの微粒子レベルを検出するようになった増幅器と、
上記外側ハウジングの中に設けられ、上記増幅器に電気的に結合するようになった回路基板と、
上記回路基板に電気的に結合し、上記回路基板から上記微粒子レベルを示す1又は2以上の信号を受けとるようになったコントローラと、
を備えるセンサシステム。
[実施態様15]
上記第1の端部は、上記センサを上記エンジンの取り付け部位に固定するようになった第1のねじ付き外面を備える、実施態様14に記載のセンサシステム。
[実施態様16]
上記外側ハウジングの上記本体は、上記エンジンの既存の部位に取り付くようになった所定の形状を有し、上記既存の部位は、上記エンジンのボアスコープポート、洗浄ポート、圧縮機入口、ブースタ入口、又はタービン入口のうちの少なくとも1つを含む、実施態様14に記載のセンサシステム。
[実施態様17]
上記センサ面に隣接して上記外側ハウジングの中に設けられた電極ハウジングをさらに備え、上記電極ハウジングは、上記電極を収容するように構成され、上記電極は、絶縁線によって上記回路基板に電気的に結合され、
上記電極に隣接して上記外側ハウジングの中に設けられた回路基板ハウジングをさらに備え、上記回路基板ハウジングは、内部に回路基板を収容するようになっている、
実施態様14に記載のセンサシステム。
[実施態様18]
上記増幅器は、約1ファムトアンペアから約5ファムトアンペアの漏れ電流、及び約100℃から約250℃の範囲の作動温度を有し、上記電極は、約1G−Ohmよりも大きいインピーダンスを有する、実施態様14に記載のセンサシステム。
[実施態様19]
エンジン内のダスト又はデブリを検出する方法であって、
上記エンジンの1又は2以上の部位に統合型静電気センサを提供するステップであって、上記静電気センサの各々は、検出面を有する第1の端部を備える外側ハウジングを含み、上記第1の端部は、上記センサを上記エンジンに固定するように構成され、さらに上記静電気センサの各々は、上記外側ハウジングに収容された内部電極及び増幅器を有し、上記内部電極は、上記検出面に隣接し、上記エンジンの中で荷電粒子が上記検出面を通過する場合に移動するようになった複数の電子を有する、ステップと、
上記1又は2以上の部位での微粒子の流路内に上記センサの各々の検出面を取り付けるステップと、
上記センサの各々の上記増幅器によって、上記電子運動の関数として上記エンジンの微粒子レベルを判定するステップと、
上記外側ハウジングの中に設けられた回路基板によって、上記微粒子レベルを示す1又は2以上の信号を発生するステップと、
を含む方法。
[実施態様20]
上記静電気センサの各々の回路基板によって、1又は2以上の信号を上記エンジンのコントローラへ送るステップを含む、実施態様19に記載の方法。
【符号の説明】
【0039】
10 ガスタービンエンジン
12 中心軸線
14 コアエンジン
16 ファンセクション
18 外部ケーシング
20 環状入口
22 ブースタ
24 圧縮機
26 燃焼器
28 第1のタービン
30 第1の駆動シャフト
32 第2のタービン
34 第2の駆動シャフト
36 排出ノズル
38 ファンロータ
40 ファンケーシング
42 ガイドベーン
44 ローターブレード
46 下流セクション
48 空気流通路
50 矢印
52 入口
54 矢印
56 矢印
58 矢印
60 燃焼生成物
62 燃焼室
64 入口
65 ブースタ入口
66 出口
68 圧縮機入口
69 吐出出口
70 センサシステム
72 第1段タービンノズル
73 静電気センサ
74 ノズルベーン
75 静電気センサ
76 外側ハウジング
77 静電気センサ
78 静電気センサ
79 本体
80 燃料ノズル
81 第1の端部
83 第2の端部
84 第1のねじ付き外面
85 検出面
86 電極
87 増幅器
88 回路基板
89 第2のねじ付き外面
90 コントローラ
91 統合型電極ハウジング
92 プロセッサ
93 回路基板ハウジング
94 記憶デバイス
95 通信モジュール
96 センサインタフェース
97 絶縁体
98 信号線
99 センサキャップ
100 方法
102 方法ステップ
104 方法ステップ
106 方法ステップ
108 方法ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7