特許第6397570号(P6397570)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6397570蛍光ベースのレーザーアブレーションのためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6397570
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】蛍光ベースのレーザーアブレーションのためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/64 20060101AFI20180913BHJP
   A61B 18/20 20060101ALI20180913BHJP
【FI】
   G01N21/64 Z
   A61B18/20
【請求項の数】12
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-516714(P2017-516714)
(86)(22)【出願日】2015年9月30日
(65)【公表番号】特表2017-535753(P2017-535753A)
(43)【公表日】2017年11月30日
(86)【国際出願番号】US2015053232
(87)【国際公開番号】WO2016054217
(87)【国際公開日】20160407
【審査請求日】2017年5月25日
(31)【優先権主張番号】14/503,706
(32)【優先日】2014年10月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516035068
【氏名又は名称】ヴェリリー ライフ サイエンシズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】ラファエリ,エデン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,チア−ジーン
【審査官】 吉田 将志
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0187879(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0207129(US,A1)
【文献】 特開2011−075513(JP,A)
【文献】 特開2012−108491(JP,A)
【文献】 国際公開第90/005563(WO,A1)
【文献】 特開平09−285471(JP,A)
【文献】 特開2008−215851(JP,A)
【文献】 特開2005−009948(JP,A)
【文献】 特表2009−544392(JP,A)
【文献】 特表2013−525838(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/062219(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/024923(WO,A1)
【文献】 特開2006−003521(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/010951(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/62−74
A61B 18/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、前記装置は、
蛍光体の励起波長に対応する波長を有する光を含む励起光を生成するように構成される励起光源を含み、前記蛍光体は、前記励起波長の光を受光すると、これに応答して、放出波長の放出光を放出するように構成され、
前記装置はさらに、
組織を切除するように構成されるアブレーション光を生成するように構成されるアブレーション光源と、
前記励起光源及び前記アブレーション光源に光学的に結合されるビームコンバイナと、
前記蛍光体によって放出される前記放出光を検出するように構成されるカメラと、
命令を実行するようにプログラムされたコンピュータを含むコントローラと、
を含み、
前記命令は、
前記励起光源に励起光を生成させることと、
前記カメラに、少なくとも特定の組織位置の画像を取り込ませることと、
前記カメラの位置と、前記特定の組織位置に対する前記励起光の角度と、に基づいて、少なくとも前記特定の組織位置のトポグラフィカルマップを決定することと、
前記アブレーション光源にアブレーション光を生成させることと、
を含む、装置。
【請求項2】
前記装置は、
前記ビームコンバイナに光学的に結合され、複数の組織位置のいずれかへ前記励起光及び前記アブレーション光を向けるように動作可能なビームスキャナをさらに含み、
前記命令は、
前記ビームスキャナに、前記複数の組織位置の中の1つの特定の組織位置へ前記励起光を向けさせることと、
記特定の組織位置における前記放出波長の放出光を示す前記画像に基づいて蛍光状態を決定することと、
前記蛍光状態に応じて、前記アブレーション光源にアブレーション光を生成させ、前記ビームスキャナに前記アブレーション光を前記特定の組織位置へ向けさせることと、
をさらに含む、請求項1の装置。
【請求項3】
前記ビームスキャナに光学的に結合される光学システムをさらに含み、前記光学システムは出射開口及びレンズを含む、請求項2の装置。
【請求項4】
前記コントローラは、前記カメラの位置と、前記出射開口の位置と、前記特定の組織位置に対する前記励起光の角度と、に基づいて、少なくとも前記特定の組織位置のトポグラフィカルマップを決定するようにさらに構成される、請求項3の装置。
【請求項5】
前記レンズは、セレン化亜鉛(ZnSe)を含む、請求項3の装置。
【請求項6】
前記光学システムは、像面湾曲を修正するように構成される、請求項3の装置。
【請求項7】
前記励起光源はレーザーを含み、前記励起波長は、380nm〜1.4ミクロンの間である、請求項1の装置。
【請求項8】
前記アブレーション光源は、1.4ミクロン〜12ミクロンの間のアブレーション波長の前記アブレーション光を生成するように構成される炭酸ガス(CO)レーザーを含む、請求項1の装置。
【請求項9】
前記ビームスキャナは、前記複数の組織位置を包含する偏向範囲内で前記励起光及び前記アブレーション光を偏向するように動作可能な二重検流計スキャニングミラーを含む、請求項2の装置。
【請求項10】
前記コントローラは、前記アブレーション光源がアブレーション光を生成している間に、前記カメラに、少なくとも前記特定の組織位置の第2の画像を取り込ませ、前記第2の画像に基づいて前記アブレーション光源を制御するようにさらに構成される、請求項2の装置。
【請求項11】
前記ビームコンバイナ及び前記ビームスキャナに光学的に結合されるビーム送出システムをさらに含み、前記ビーム送出システムは光ファイバを含む、請求項2の装置。
【請求項12】
前記ビームコンバイナは二色性物質を含む、請求項1の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本願は、2014年10月1日に出願された米国特許出願第14/503,706号の優先権を主張するものであり、その出願のすべての内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[0002] 癌は、世界的に主な死亡原因の1つである。とりわけ、乳癌は、女性にとって最もよく見られる癌のタイプである。民族性によって異なるが、女性にとって、乳癌は、死亡原因の第1位又は第2位となっている。
【0003】
[0003] 近年、乳癌腫瘍のリアルタイム検出への1つの有望なアプローチでは、特殊なマーカーが使用されている。これらのマーカーは、癌細胞と選択的に結びつくことができ、好適な光励起があると蛍光を発する(光を放出する)ため、腫瘍及びその辺縁のリアルタイムで実空間の画像を外科医に提供する。マーカーは、典型的には、可視範囲内での組織の自己蛍光を避け、侵入深さを増加させるために、赤色又は近赤外波長範囲内に入っている。しかしながら、蛍光マーカーを使用して乳癌腫瘍のロバストですばやいリアルタイム検出を可能にするシステムソリューションは現在存在していない。
【0004】
[0004] 一方で、医療現場におけるレーザーの使用は、時と共に着実に増加してきている。とりわけ、種々の外科的処置において、腫瘍を切除するのにレーザーを使用する研究が行われてきた。レーザーは、多関節アーム又は特殊ファイバを介して手術部位へ送出されることができる。しかしながら、アブレーションレーザー及び同時蛍光検出方式を両方とも使用するには、同じ座標系を参照することが求められる2つの高感度デバイスの操作が必要になるため、手術が複雑になり、外科医は、大いに必要とされる手際の良さを発揮できなくなる。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 第1の態様では、装置が提供される。この装置は、励起光源、アブレーション光源、及びビームコンバイナを含む。励起光源は、励起光を生成するように構成される。励起光は、蛍光体の励起波長に対応する波長を有する光を含む。蛍光体は、励起波長の光を受光すると、これに応答して、放出波長の放出光を放出するように構成される。アブレーション光源は、アブレーション光を生成するように構成される。アブレーション光は、組織を切除するように構成される。ビームコンバイナは、励起光源及びアブレーション光源に光学的に結合される。この装置は、コントローラも含む。コントローラは、命令を実行するようにプログラムされたコンピュータを含む。命令は、励起光源に励起光を生成させることと、アブレーション光源にアブレーション光を生成させることと、を含む。
【0006】
[0006] 第2の態様では、方法が提供される。この方法は、励起光源に励起光を生成させることを含む。励起光は、蛍光体の励起波長に対応する波長を有する光を含む。蛍光体は、励起波長の光を受光すると、これに応答して、放出波長の放出光を放出するように構成される。この方法は、さらに、ビームスキャナに励起光を特定の組織位置へ向けさせることを含む。ビームスキャナは、複数の組織位置のいずれかへ励起光を向けるように動作可能である。この方法は、カメラに少なくとも特定の組織位置の画像を取り込ませる(capture)ことも含む。カメラは、蛍光体によって放出される放出光を検出するように構成される。この方法は、追加的に、特定の組織位置における放出波長の放出光を示す画像に基づいて蛍光状態を決定することを含む。この方法は、さらに、蛍光状態に応じて、アブレーション光源にアブレーション光を生成させ、ビームスキャナにアブレーション光を特定の組織位置へ向けさせることを含む。アブレーション光源及び励起光源は、ビームコンバイナに光学的に結合され、ビームコンバイナは、ビームスキャナに光学的に結合される。
【0007】
[0007] 第3の態様では、方法が提供される。この方法は、カメラの位置と、ビームスキャナの出射開口の位置と、特定の組織位置に対する励起光の角度と、に基づいてトポグラフィカルマップを決定することを含む。この方法は、トポグラフィカルマップに基づいて特定の組織位置までの焦点距離(focal distance)を決定することも含む。この方法は、追加的に、励起光源に励起光を生成させることを含む。励起光は、蛍光体の励起波長に対応する波長を有する光を含む。蛍光体は、励起波長の光を受光すると、これに応答して、放出波長の放出光を放出するように構成される。この方法は、さらに、ビームスキャナに、励起光を特定の組織位置へ向けさせることを含む。ビームスキャナは、複数の組織位置のいずれかへ励起光を向けるように動作可能である。この方法は、さらに、カメラに、少なくとも特定の組織位置の画像を取り込ませることを含む。カメラは、蛍光体によって放出される放出光を検出するように構成される。この方法は、特定の組織位置における放出波長の放出光を示す画像に基づいて蛍光状態を決定することも含む。この方法は、追加的に、蛍光状態に応じて、アブレーション光源にアブレーション光を生成させ、特定の組織位置までの焦点距離に少なくとも基づいてビームスキャナにアブレーション光を特定の組織位置へ向けさせることを含む。アブレーション光源及び励起光源は、ビームコンバイナに光学的に結合され、ビームコンバイナは、ビームスキャナに光学的に結合される。
【0008】
[0008] 他の態様、実施形態、及び実装は、添付図面を適宜参照して以下の詳細な説明を読むことで当業者に明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】[0009] 例としての一実施形態による装置を示す。
図1B】[0010] 例としての一実施形態による装置を示す。
図1C】[0011] 例としての一実施形態による装置を示す。
図2】[0012] 例としての一実施形態による装置の概略ブロック図を示す。
図3】[0013] 例としての一実施形態による方法を示す。
図4】[0014] 例としての一実施形態による方法を示す。
図5】[0015] 例としての一実施形態によるトポグラフィマッピングシナリオを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0016] 以下の詳細な説明において、添付図面を参照するが、それら図面は本明細書の一部を形成するものである。図面において、文脈上特に定めがない限り、典型的には、同様の符号は同様の構成要素を識別する。詳細な説明、図、及び特許請求の範囲において説明される例示的な実施形態は、限定しようとするものではない。本明細書に提示される主題の範囲から逸脱することなく、別の実施形態が利用されてよく、他の変更が実施されてもよい。本明細書で一般的に説明され、図に示される、本開示の態様は、多種多様な異なる構成において配列され、置換され、組み合わされ、分離され、及び設計されることができると容易に理解されるであろう。これらのすべては、本明細書において明示的に企図される。
【0011】
[0017] さらに、本明細書で開示される実施形態は、生きている人体への使用又は生きている人体と関連した使用に言及するが、開示される方法、システム、及びデバイスは、組織の選択的アブレーションが望ましい任意の環境において使用され得るものと企図される。この環境は、生体若しくは非生体、又はその一部を含み得る。この環境は、非ヒト組織を含み得る。例えば、本明細書で開示される実施形態は、一般的に、数多くの異なる文脈で蛍光状態の決定に応答して選択的に組織を切除するために適用され得ると、当業者は認識するであろう。さらに、本開示は、体内での使用についての実施形態を説明するが、体外での適用も可能であることを当業者は認識するであろう。
【0012】
[0018] 一実施形態では、装置及びその使用のための方法は、励起光源からの励起光により組織位置を照らすことができる医療用デバイスを含み得る。組織位置における(例えば、蛍光体からの)放出波長の光を検出すると、それに応答して、医療用デバイスは、その組織位置で組織を切除するために、アブレーション光源にアブレーション光を生成させ得る。いくつかの実施形態では、上記デバイス及びその使用のための複数の方法は、癌組織など、特異的(specific)組織の選択的除去を改善するのを支援し得る。
【0013】
[0019] 励起光源は、蛍光体の励起波長に対応する波長の励起光を生成するように構成され得る。さらに、蛍光体は、励起光の受光及び/又は吸収に応答して放出光を放出するように構成され得る。励起光源は、レーザー(例えば、HeNe)又は発光ダイオード(LED)であり得る。
【0014】
[0020] アブレーション光源は、炭酸ガス(CO)レーザー又はアルゴンイオンレーザーなど、中赤外波長レーザーであり得る。アブレーションにより組織を除去するように構成される他の光源及び/又はレーザーは、本開示の文脈内にあると考えられる。
【0015】
[0021] アブレーション光源及び励起光源は、ビームコンバイナに光学的に結合され得る。ビームコンバイナは、アブレーション光又は励起光のどちらか一方を反射し、他方の光を透過するように構成される二色性物質を含み得る。ビームコンバイナは、他の形式を取り得る。例えば、ビームコンバイナは、光ファイバY型カプラ、又は2つの光ビームを合成するように構成される他のデバイスを含み得る。
【0016】
[0022] ビームスキャナは、ビームコンバイナに光学的に結合され得る。ビームスキャナは、励起光及びアブレーション光を1つ以上の組織位置へ向けるように構成され得る。例えば、ビームスキャナは、X−Y反照検流計、又は励起光及びアブレーション光を複数の組織位置のいずれかへ向けるように動作可能な他のデバイスを含み得る。
【0017】
[0023] カメラは、励起光によって照らされる少なくとも特定の組織位置の画像を取り込むように構成され得る。さらに、カメラは、放出波長の光を検出するように構成され得る。換言すれば、カメラは、蛍光体から又は別のソースからの放出光を検出することができ得る。
【0018】
[0024] 装置は、医療用デバイスの前述の要素のいくつか又はすべてを制御するように構成されるコントローラを含み得る。とりわけ、コントローラは、励起光源に励起光を生成させ、ビームスキャナに励起光を特定の組織位置へ向けさせ、及びカメラに少なくとも特定の組織位置の1つ以上の画像を取り込ませるように構成され得る。さらに、コントローラは、特定の組織位置における放出波長の放出光を示す画像に基づいて蛍光状態を決定するように構成され得る。蛍光状態に応答して、コントローラは、アブレーション光源にアブレーション光を生成させ、ビームスキャナにアブレーション光を特定の組織位置へ向けさせてもよい。
【0019】
[0025] コントローラは、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータを含み得る。コントローラは、他の形式も取り得る。例えば、コントローラは、分散型コンピューティングシステム又はクラウドベースのサーバーネットワークを含み得る。代替的に又は追加的に、コントローラは、携帯機器であってよい。コントローラは、ハードウェアドライバ及び/又はアプリケーションプログラミングインターフェースなど、装置の前述の要素を制御するように構成されたソフトウェアを含み得る。コントローラは、ワイヤレス通信を使用して、装置の他の要素のいくつか又は全部と通信してよく、及び/又はそれら要素のいくつか又は全部を制御してよい。
【0020】
装置の例
[0026] 図1Aは、一実施形態による装置100を示す。装置100は、励起光源102を含み得る。励起光源102は、励起光104を生成するように構成され得る。励起光源102は、ヘリウムネオン(HeNe)レーザーなどのレーザーを含み得る。代替的に、励起光源102は、キセノンランプ若しくは水銀ランプ、発光ダイオード、又は蛍光体の蛍光特性を励起するように構成される別の光源であり得る。換言すれば、励起光源102は、励起光104を生成してよく、励起光104は、蛍光体の励起波長に対応する波長を有する光を含み得る。励起光104は、380ナノメートル〜1.4ミクロンの間の波長範囲の光を含み得るが、これに限定されない。
【0021】
[0027] 蛍光体は、特定の波長の光を吸収し、放出光としてより長い放出波長の光を再放出し得る。本明細書において企図される蛍光体は、赤色〜近赤外波長における励起波長を有し得るが、他の励起波長も可能である。蛍光体は、可視〜近赤外スペクトルにおける対応する放出波長を有し得るが、他の放出波長も可能である。蛍光分子のいくつかの例は、細胞/組織色素を含み、当該色素の活性薬剤は、小分子、タンパク質、又は量子ドットを含み得る。いくつかの実施形態は、フェルスターの共鳴エネルギー移動(Forster resonance energy transfer(FRET))を伴い得る。FRETにおいて、第1の蛍光体(例えば、ドナー色素)の励起電子は、第2の蛍光体(例えば、アクセプター色素)に渡され、その結果、蛍光が減少し得る。蛍光体は、組織140内に組み込まれ得る。追加的に又は代替的に、2つ以上の蛍光体が組織140内に組み込まれてよく、及び/又は別の蛍光体が、周囲の組織、骨、体腔等、身体の他の部分内に組み込まれてよい。蛍光体の他の組み合わせも可能であり、本明細書において企図される。
【0022】
[0028] この開示は、とりわけ、特定の組織位置を切除するかどうかを示すものとして、蛍光体の使用を取り扱っているが、このような目的に、他のタイプの発光特性が利用されてもよい。例えば、組織及び種々のバイオマーカーの化学発光及びリン光は、本明細書で開示される方法及びデバイスと関連し利用され得る。
【0023】
[0029] 装置100は、アブレーション光源106をさらに含む。アブレーション光源106は、炭酸(CO)レーザーなど、中赤外波長を含むアブレーション光108を生成するように構成されるレーザーであり得る。代替的に、アブレーション光源106は、別のタイプの光源であり得る。アブレーション光108は、組織を切除するように構成され得る。すなわち、アブレーション光108の出力、デューティサイクル、繰り返し率、スペクトル特性、及び焦点スポットは、組織を除去するように構成及び/又は調整され得る。アブレーション光108は、1.4ミクロン〜12ミクロンの間の波長範囲を含み得るが、これに限定されない。
【0024】
[0030] ビームコンバイナ110は、励起光源102及びアブレーション光源106に光学的に結合され得る。ビームコンバイナ110は、二色性ビームキューブ/コンバイナを含み得る。代替的に、ビームコンバイナ110は、光ファイバY型カプラ、又は同一線上に2つの光源を合成する別の方法を含み得る。ビームコンバイナ110は、任意選択で、合成光112をビームスキャナ120へ向け得る。図1Aは、励起光104及びアブレーション光108を両方とも含むものとして合成光112を示す。しかしながら、いくつかの実施形態では、合成光112は、さらに、励起光104又はアブレーション光108のどちらかを表し得る。すなわち、合成光112は、励起光104及びアブレーション光108についての事実上同一線上にあるパスを示す役割をしている。いくつかの実施形態は、異なる時間に光を生成する複数の光源を含む。追加的に又は代替的に、実施形態は、動作の所与のデューティサイクル又は期間のうちの少なくともある部分について、同時に光を生成する複数の光源を含み得る。
【0025】
[0031] 示されているように、任意選択のビームスキャナ120は、入射光126を特定の組織位置150へ向ける。入射光126は、励起光104及び/又はアブレーション光108を含むことができる。さらに、ビームスキャナ120は、偏向範囲122を有し、この偏向範囲122内で、複数の組織位置152のいずれかへ入射光126を向けることができる。前述のように、入射光126は、励起光104及びアブレーション光108の事実上同一線上にあるパスを示す役割をしており、両方の光源が同時に光を生成しなければならないことを示唆するものではない。ただし、いくつかの実施形態ではこのようなシナリオが企図される。ビームスキャナ120は、偏向範囲122内で励起光104及びアブレーション光108を偏向するように動作可能な二重検流計を含み得る。偏向範囲122は、複数の組織位置152を含む組織のエリアを包含し得る。
【0026】
[0032] 装置100は、任意選択的に、少なくとも放出波長の光を検出するように構成されるカメラ130を含み得る。カメラ130は、視野132を含み得る。カメラ130の視野132は、少なくとも特定の組織位置150を含み、複数の組織位置152のすべて又は一部、及び他の組織位置を包含し得る。代替的に、視野132は、偏向範囲122とほぼ同様の範囲を含み得る。カメラ130は、電荷結合素子(CCD)カメラ、又は放出波長の放出光を放出する蛍光体を識別するために、及び/又は視野132のトポグラフィを決定するのを支援するために、視野132の画像を取り込むように構成される別のタイプのカメラであり得る。カメラ130は、放出波長付近だけの光を検出するように構成され得る。代替的に、カメラ130は、放出波長を包含する比較的広い波長スペクトル内の光を検出するように構成され得る。
【0027】
[0033] 図1Bは、装置100と同様だが、ビーム送出システム114をさらに含む装置160を示す。ビーム送出システム114は、ビームコンバイナ110及びビームスキャナ120に光学的に結合され得る。ビーム送出システム114は、合成光112をビームスキャナ120へ向けるように構成される光学機器類を有する多関節アームを含み得る。例えば、この多関節アームは、ミラー及び/又はその他の、多関節アームの入力(例えば、光を受け付け得る光ファイバカプラ)から多関節アームの出力(例えば、組織位置又はその付近)へ光を向けることができる光学構成要素を含み得る。代替的に、ビーム送出システム114は、光ファイバを含み得る。いくつかの実施形態では、光ファイバは、サファイア、又は励起光104及びアブレーション光108を両方とも伝送するように構成される別の材料を含み得る。光ファイバは、マルチモード光ファイバであり得る。
【0028】
[0034] 図1Cは、装置100と同様だが、光学システム124をさらに含む装置170を示す。光学システム124は、ビームスキャナ120及び/又は装置170の他の要素に光学的に結合され得る。光学システム124は、レンズ及び出射開口などの要素を含み得る。光学システム124の他の要素も可能である。レンズは、fシータ(θ)レンズを含み得る。fシータ(θ)レンズは、フラットフィールド状態を回復するためにフィールド補正を適用するように構成され得る。いくつかの実施形態では、レンズは、励起波長及びアブレーション波長の両方の光を事実上透過する光学材料を含み得る。例えば、レンズは、セレン化亜鉛(ZnSe)を含み得る。レンズは、追加の又は代替の光学材料を含み得る。
【0029】
[0035] 図2は、一実施形態による装置200の概略的ブロック図を示す。装置200の要素は、図1A図1Cに関連して説明及び例示された装置100の要素と同様又は同一であり得る。コントローラ210は、プロセッサ220及びメモリ230を含み得る。メモリ230は、本質的に非一時的であり得る。コントローラ210は、携帯機器、ラップトップコンピュータ、又は別のコンピューティングデバイスを含み得る。コントローラ210は、1つ以上のコンピュータを含み得る。複数のコンピュータは、連結される必要はなく、例えば、クラウドサーバーネットワークの一部として分散されてよい。
【0030】
[0036] プログラム命令は、メモリ230に記憶されてよいし、プロセッサ220によって実行可能であってもよい。このようなプログラム命令は、図3及び図4に関連して例示及び説明されている方法の要素を実行する又は生じさせる命令を含み得る。すなわち、プログラム命令は、励起光源に励起光を生成させることを含み得る。励起光は、蛍光体の励起波長に対応する波長を有する光を含む。蛍光体は、励起波長の光を受光すると、これに応答して、放出波長の放出光を放出するように構成される。プログラム命令は、ビームスキャナに励起光を特定の組織位置へ向けさせることを含み得る。ビームスキャナは、励起光を複数の組織位置のいずれかへ向けるように動作可能である。プログラム命令は、さらに、カメラに少なくとも特定の組織位置を取り込ませることを含み得る。カメラは、蛍光体によって放出される放出光を検出するように構成される。プログラム命令は、特定の組織位置における放出波長の放出光を示す画像に基づいて蛍光状態を決定することも含み得る。プログラム命令は、追加的に、蛍光状態に応じて、アブレーション光源にアブレーション光を生成させ、ビームスキャナにアブレーション光を特定の組織位置へ向けさせることを含み得る。アブレーション光源及び励起光源は光学的にビームコンバイナに結合される。ビームコンバイナは光学的にビームスキャナに結合される。本明細書の他の場所で説明されているアクションを実行する又は生じさせる他のプログラム命令も可能である。
【0031】
[0037] 装置200は、励起光源250、アブレーション光源260、ビームスキャナ270、カメラ280、及び任意選択の制御可能な光学機器類290をさらに含み得る。コントローラ210は、通信バスを介して装置200の他の要素各々と通信することができ得る。代替的に又は追加的に、コントローラ210は、直接有線通信リンク及び/又は直接ワイヤレス通信リンクを介して装置200の他の要素のうちの1つ以上と通信することができ得る。
【0032】
[0038] 本明細書で説明されているように、コントローラ210は、装置200の他の要素のうちの1つ以上と関連付けられたパラメータを制御及び/又は調整し得る。例えば、コントローラ210は、励起光源250に励起光を生成させ得る。さらに、コントローラ210は、ビームスキャナ270に、複数の組織位置の中の1つの特定の組織位置へ励起光を向けさせ得る。コントローラ210は、追加的に、カメラ280に、少なくとも特定の組織位置を含む視野の画像を取り込ませ得る。いくつかの実施形態では、コントローラ210は、カメラ280の他の態様を制御し得る。例えば、コントローラ210は、カメラ280のシャッター速度、積分時間、感度(例えば、ISO)、開口、ホワイトバランス、又は他の態様を調整し得る。
【0033】
[0039] コントローラ210は、画像が、特定の組織位置における蛍光体の放出波長の光を示すと決定し得る。例えば、コントローラ210は、画像を分析し得る。この分析は、期待される放出波長の放出光が、所定のしきい値(例えば、最小輝度)より大きいこと示し得る。このような状態下で、コントローラ210は、蛍光状態を決定し得る。
【0034】
[0040] 蛍光状態を決定すると、これに応答して、コントローラ210は、アブレーション光源260にアブレーション光を生成させ、ビームスキャナ270にアブレーション光を特定の組織位置へ向けさせ得る。
【0035】
[0041] コントローラ210は、任意選択的に、種々の制御可能な光学機器類290も調整又は制御し得る。制御可能な光学機器類290は、装置200において光を集束させる、向ける、方向操作する、調整する、反射する、又は減衰/吸収するように構成される光学構成要素を含み得る。例えば、コントローラ210は、特定の組織位置において励起光及び/又はアブレーション光の焦点を最適に又は適切に合わせるためにレンズを制御し得る。コントローラ210は、装置200の他の要素も制御し得る。例えば、コントローラ210は、装置200に関連付けられたND(減光)フィルタ(neutral density filter)、スペクトルフィルタ、シャッター、開口、ビームストップなどを調整し得る。
【0036】
[0042] コントローラ210は、カメラの位置と、出射開口の位置と、励起光によって照らされている特定の組織位置に対する励起光の角度と、に基づいて少なくとも特定の組織位置のトポグラフィカルマップを決定するように構成され得る。すなわち、コントローラ210は、励起光源250によって特定の組織位置を照らし、カメラ280を使用して画像を取り込み得る。取り込まれた画像は、その特定の組織位置を含み得る。出射開口及びカメラ280のそれぞれの位置と、特定の組織位置に対する励起光の角度とは分かっているため、この特定の組織位置に対する焦点距離(例えば、対象までの距離)を計算することができる。いくつかの実施形態では、焦点長(focal length)又は特定の組織位置までの距離を決定するために、三角測量法が使用され得る。他のアルゴリズム又は方法も、この開示の範囲内で使用され得る。
【0037】
[0043] コントローラ210は、アブレーション光源がアブレーション光を生成している間に、少なくとも特定の組織位置の第2の画像をカメラに取り込ませて、この第2の画像に基づいてアブレーション光源を制御するようにさらに構成され得る。さらなる画像も可能である。1つの実施形態では、その特定の組織位置へのアブレーション光の提供に引き続き又は提供と並行して、特定の組織位置を撮像し得る。いくつかの実施形態では、組織アブレーションの前及びその最中に複数の画像が取り込まれ得る。このように引き続き撮像することは、切除縁を縮小したり、又は望ましくない組織の除去を減らしたりしながら、ユーザが所望の組織を除去するのを支援し得る。
【0038】
方法の例
[0044] 図3は、一実施形態による方法300を示す。方法300は、任意の順序で実行され得るブロックを含む。さらに、この開示の意図される範囲内で方法300に種々のブロックが追加されてよいし、方法300から種々のブロックが取り去られてもよい。方法300は、図1A図1C及び図2に関連して例示及び説明されている装置100又は装置200を使用して実行され得るステップに対応し得る。
【0039】
[0045] ブロック302は、励起光源に励起光を生成させることを含む。励起光は、蛍光体の励起波長に対応する波長を有する光を含み得る。蛍光体は、励起波長の光を受光すると、これに応答して、放出波長の放出光を放出するように構成され得る。
【0040】
[0046] ブロック304は、ビームスキャナに、複数の組織位置のうちの1つの特定の組織位置へ励起光を向けさせることを含む。
【0041】
[0047] ブロック306は、少なくとも特定の組織位置の画像をカメラに取り込ませることを含む。カメラは、蛍光体によって放出される放出光を検出するように構成される。
【0042】
[0048] ブロック308は、特定の組織位置における放出波長の放出光を示す画像に基づいて蛍光状態を決定することを含む。蛍光状態を決定することは、取り込まれた画像の画像分析を含み得る。画像分析は、スペクトル分析、カラーマッピング、カラー認識、カラーマッチング、又は他の分析方法を含み得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、放出波長における例えば最小輝度又は最小光度を示すためにしきい値が使用され得る。しきい値は、画像内の特定のピクセル、画像エリア、又はピクセルのセットに適用され得る。1つの実施形態では、画像分析時に、画像からのピクセルのセットが、放出波長においてしきい値を超える平均輝度を示す場合、蛍光状態が決定され得る。蛍光状態を決定する他の手法も可能であり、それらは本開示の範囲内であるとみなされる。いくつかの実施形態は、除去されることが望まれ得る特異的細胞又は組織領域からの放出光を示す画像に基づいて蛍光状態を決定することを含み得る。例えば、組織内に1つ以上の蛍光体が導入され得る。これらの1つ以上の蛍光体は、特異的細胞又は組織と結びつくか、結合するか、又は別の手法で連結され得る。本明細書において企図されるところでは、1つ以上の蛍光体からの放出は、除去及び/又は切除されるべき特異的細胞又は組織を示し得る。
【0043】
[0049] ブロック310は、蛍光状態に応じて、アブレーション光源にアブレーション光を生成させ、ビームスキャナにアブレーション光を特定の組織位置へ向けさせることを含む。アブレーション光源及び励起光源は、ビームコンバイナに光学的に結合され、ビームコンバイナは、ビームスキャナに光学的に結合される。前述のように、ビームスキャナは、二重検流計を含み得る。他のタイプのビームスキャナも、この開示の範囲内であると企図される。例えば、励起光及びアブレーション光を向けるように構成される他のビーム方向操作デバイスが可能である。
【0044】
[0050] 任意選択的に、この方法は、アブレーション光源がアブレーション光を生成している間に、カメラに第2の画像を取り込ませることを含み得る。いくつかの実施形態では、蛍光状態を決定した後、カメラは、1つ以上の後続の画像を取り込み得る。それら後続の画像は、アブレーション光源がアブレーション光を生成している間に取り込まれ得る。このようなシナリオでは、後続の画像を使用して最新の蛍光状態が決定され得る。換言すれば、後続の画像は、特定の組織位置における蛍光のさらなるしるし(indication)、又はその欠如を含み得る。このような情報があれば、例えば、後続の画像において蛍光が示される場合、コントローラ、プロセッサ、又は他のデバイスは、アブレーション光源に、引き続きアブレーション光を生成させ得る。さらに、後続の画像において、蛍光が示されていない、又は蛍光が所定のしきい値より低い輝度で示されている場合、コントローラ、プロセッサ、又は他のデバイスは、アブレーション光源に、アブレーション光の生成を停止させるか、アブレーション光を減光させ得る。
【0045】
[0051] 図4は、一実施形態による方法400を示す。方法400は、任意の順序で実行され得るブロックを含む。さらに、この開示の意図される範囲内で方法400に種々のブロックが追加されてよいし、方法400から種々のブロックが取り去られてもよい。方法400は、図1A図1C及び図2に関連して例示及び説明されている装置100又は装置200の要素のいくつか又は全部を使用して実行され得るステップに対応し得る。
【0046】
[0052] ブロック402は、カメラの位置と、ビームスキャナの出射開口の位置と、複数の組織位置のうちの1つの特定の組織位置に対する励起光の角度と、に基づいてトポグラフィカルマップを決定することを含む。
【0047】
[0053] ブロック404は、トポグラフィカルマップに基づいて特定の組織位置までの焦点距離を決定することを含む。
【0048】
[0054] ブロック406は、励起光源に励起光を生成させることを含む。励起光は、蛍光体の励起波長に対応する波長を有する光を含み得る。蛍光体は、励起波長の光を受光すると、これに応答して、放出波長の放出光を放出するように構成され得る。
【0049】
[0055] ブロック408は、ビームスキャナに、複数の組織位置のうちの1つの特定の組織位置へ励起光を向けさせることを含む。
【0050】
[0056] ブロック410は、カメラに、少なくとも特定の組織位置の画像を取り込ませることを含む。カメラは、蛍光体によって放出される放出光を検出するように構成される。
【0051】
[0057] ブロック412は、特定の組織位置における放出波長の放出光を示す画像に基づいて蛍光状態を決定することを含む。
【0052】
[0058] ブロック414は、蛍光状態に応じて、アブレーション光源にアブレーション光を生成させ、特定の組織位置までの焦点距離に少なくとも基づいてビームスキャナにアブレーション光を特定の組織位置へ向けさせることを含む。アブレーション光源及び励起光源は、ビームコンバイナに光学的に結合され、ビームコンバイナは、ビームスキャナに光学的に結合される。
【0053】
トポグラフィマッピングの例
[0059] 図5は、一実施形態によるトポグラフィマッピングシナリオ500を示す。トポグラフィマッピングシナリオ500は、本明細書の他の場所で説明されているのと同様又は同一の要素を含み得る。例えば、トポグラフィマッピングシナリオ500は、図1A図1C及び図2に関連して例示及び説明されている装置100及び装置200からの要素を含み得る。さらに、トポグラフィマッピングシナリオ500は、本明細書で説明されている方法からの種々のブロック、例えば、方法400のブロック402、404、及び414に関連し得る。
【0054】
[0060] トポグラフィマッピングシナリオ500は、ビームスキャナ520、カメラ530、及び組織540を含み得る。ビームスキャナ520は、スキャニング範囲522内の入射光526を、複数の組織位置552のいずれかへ向けるように動作可能であり得る。入射光526は、図1A図1Cに関して上述され例示された励起光及び/又はアブレーション光を含み得る。入射光526は、軸方向のビームスキャナ基準554に対して入射角度556を形成し得る。カメラ530は、視野532内の特定の組織位置550の画像を取り込むように構成され得る。追加的に、カメラ開口531と特定の組織位置550との間の線537と軸方向のカメラ基準535との間に画像角度533が提供され得る。さらに、カメラ開口531の位置など、カメラ530の位置は、ビームスキャナ520の出射開口521に対して分かっている場合がある。入射角度556と、出射開口521に対するカメラ530の位置とが分かることによって、三角測量法を使用して、対象までの距離又は焦点長を決定し得る。
【0055】
[0061] 追加的に又は代替的に、2地点間の距離、及びそれら2つの地点間のコードと第3の地点との間のそれぞれの角度が分かることによって、三角測量法は実行され得る。換言すれば、出射開口521とカメラ開口531との間の距離が分かっており、入射角度556と画像角度533が分かっている状況でも、三角測量法は実行され得る。少なくとも特定の組織位置のトポグラフィックマップを生成するために三角測量法を実行する他の手法も可能である。
【0056】
[0062] いくつかの実施形態では、他の方法は、1つの組織領域又は複数の組織位置540のトポグラフィックマップを提供又は決定し得る。トポグラフィックマップを使用して、例えば、特定の組織位置までの距離を決定し得る。特定の組織位置までの距離は、焦点距離を表し得る。トポグラフィックマップからの情報に基づいて、コントローラ210などのコントローラは、装置100及び装置200の他の要素を調整又は別の手法で制御するように動作可能であり得る。例えば、特定の組織位置までの焦点距離に基づいて、コントローラ210は、前述のように、励起光源及び/又はアブレーション光源の焦点を調整するように構成され得る。
【0057】
[0063] 図に示される特定の配列は、限定とみなされるべきではない。別の実施形態は、所与の図に示される各要素とほぼ同様の要素を含み得ることを理解されたい。さらに、示される要素のいくつかは、組み合わされたり省略されたりされ得る。さらに、例示的な一実施形態は、図に示されていない要素を含み得る。
【0058】
[0064] 種々の例及び実施形態を開示してきたが、他の例及び実施形態が当業者には明らかであろう。開示された種々の例及び実施形態は、例示目的のためのものであり、限定を意図するものではない。真の範囲及び趣旨は、以下の特許請求の範囲によって示される。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5