【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は、独立項で及び本発明の様々な実施形態をより詳細を記載する他の請求項で開示されているようにすることで実質的に実現できる。
内燃ピストンエンジンの各シリンダに関連して(in connection with)配置された吸気バルブシステムの動作を制御する方法
によれば、当該方法は前記エンジンの動作中に、
1)エンジン負荷条件に関する少なくとも1つのパラメータを監視するステップと、
2)前記ステップ1)で得られた少なくとも1つのパラメータに対応して、主制御手順を用いて前記吸気バルブシステムの吸気バルブの閉鎖タイミングを制御するステップと、
3)前記吸気バルブシステムの吸気バルブが開いている場合に前記吸気バルブを通じて前記シリンダに給気を供給するステップと、を含む。
【0012】
エンジン負荷条件に関する少なくとも1つのパラメータに対応して、前記主制御手順を用いるのとは独立して且つ高い優先度で二次制御手順を用いて前記吸気バルブシステムの吸気バルブの閉鎖タイミングを制御す
る。
【0013】
吸気バルブの閉鎖タイミングの変化は、例えば吸気バルブタペットと押し棒との間に液圧チャンバを加えることを通じて実現される。吸気バルブの調整可能性は液圧チャンバに対する油の流入及び流出を制御することにより実現される。
【0014】
これは、性能が大幅に改善した吸気バルブシステムの動作を制御する方法を提供する。これは、エンジンのシリンダにおいて圧力レベルを適切なレベルにするように制御するのにとりわけ有用である。すなわち、シリンダ内で圧力が高くなり過ぎると望ましくない結果がもたらされ得る。二次制御手順は、吸気バルブを閉じることについて主制御手段が遅れるか又は抑制されるといった異常が主制御手順に生じた場合に行われ得る。そして、二次制御手順は主制御手順に取って代わって独立して吸気バルブを閉鎖するため、シリンダ内で圧力が適切なレベルを越えて高くなるのが防止される。即ち、二次制御手順は吸気バルブの閉鎖が遅くなり過ぎるのを防止する。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、前記二次制御手順では、前記少なくなくとも1つのパラメータは給気圧力である。給気は少なくとも2つの過給機によって加圧され、圧力又は給気は過給機の後の圧力であることが好ましい。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、前記二次制御手順では、前記少なくなくとも1つのパラメータは給気の温度である。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、前記主制御手順のための少なくとも1つのパラメータ及び前記二次制御手順のための少なくとも1つのパラメータは互いに独立して取得される。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、前記主制御手順のための少なくとも1つのパラメータ及び前記二次制御手順のための少なくとも1つのパラメータは異なるパラメータである。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、前記主制御手順のための少なくとも1つのパラメータ及び前記二次制御手順のための少なくとも1つのパラメータは同じパラメータである。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、給気は2段過給(two supercharging stages)で加圧されて前記エンジンに供給され、5barよりも高い圧力で前記シリンダに供給される。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、前記二次制御手順は、少なくとも、点火前の所定の最大圧縮圧力よりも低い圧縮圧力がもたらされるクランク角度で主制御手順を覆して前記吸気バルブを閉じる。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、前記二次制御手順は、前記バルブ作動システムに機械的に影響を与えることにより(by mechanically effecting)前記吸気バルブを閉じる。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、前記二次制御手順は、前記バルブ作動システムに液圧的に影響を与えることにより(by hydraulically effecting)前記吸気バルブを閉じる。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、吸気は2段過給で5barよりも高い圧力に加圧され、主制御手順は、エンジンの動作中に、第1の、即ち下死点に対する上方(upper)クランク角度値及び第2の、即ち下死点に対する下方(lower)クランク角度値を有する第1の範囲内で吸気バルブを閉じるように構成されている。加えて、二次制御手順は主制御手順と並行し且つ独立して実施され、二次制御手順は下死点に対して第3のクランク角度で吸気バルブを閉じる。第3のクランク角度は第2のクランク角度値以下である。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、前記主制御手順では、下死点に対する第1のクランク角度値と第2のクランク角度値との間の第1の範囲内で前記吸気バルブが閉じられ、前記二次手順では、下死点に対する第3のクランク角度と第4のクランク角度との間の第2の範囲内で前記吸気バルブが閉じられる。前記第3のクランク角度は前記第1の範囲外にあるとともに上死点よりも下死点に近い。一例として、主制御手順で吸気バルブが閉じられる第1の範囲は下死点前70〜100°であることが有利であり、第3のクランク角度は下死点前55〜70°であることが有利である。
【0026】
即ち、二次制御手順は、主制御手順がエンジンの定格負荷(nominal load)の間に吸気バルブを閉じるように構成されている範囲よりも下死点に近く且つ該範囲外の角度で独立して吸気バルブを閉じるように構成されている。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、前記主制御手順及び前記二次制御手順は共通の機械アクチュエータを制御するために用いられる。
【0028】
本発明の別の実施形態によれば、前記主制御手順及び前記二次制御手順は、前記主制御手順及び前記二次制御手順のそれぞれ専用の機械アクチュエータを制御するために用いられる。
【0029】
内燃ピストンエンジンのシリンダに関連して用いられる吸気バルブ制御システム
は、エンジン負荷条件に関する少なくとも1つのパラメータを監視するように構成された監視ユニットと、エンジン負荷条件に関する少なくとも1つのパラメータに対応して当該吸気バルブシステムの吸気バルブの閉鎖タイミングを制御するように構成された主制御ユニットと、を含む。
当該吸気バルブ制御システム
は、エンジン負荷条件に関する少なくとも1つのパラメータに対応して、前記主制御ユニットから独立して且つ高い優先度で前記吸気バルブの閉鎖タイミングを制御するように構成された二次制御ユニットを含
む。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、前記第二次制御ユニットは、測定された給気の圧力に対応して前記吸気バルブの閉鎖タイミングを制御するように構成されている。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、前記第二次制御ユニットは、測定された給気の温度に対応して前記吸気バルブの閉鎖タイミングを制御するように構成されている。
【0032】
本発明の一実施形態によれば、前記二次制御ユニットは機械バルブ閉鎖システムを作動させることにより前記吸気バルブの閉鎖タイミングを制御するように構成されている。
【0033】
本発明の一実施形態によれば、前記二次制御ユニットは機械バルブ閉鎖システムを作動させることにより前記吸気バルブの閉鎖タイミングを制御するように構成されている。
【0034】
本発明の一実施形態によれば、前記主制御ユニットは、エンジン負荷条件に関する少なくとも1つのパラメータに対応して前記吸気バルブシステムの吸気バルブの閉鎖タイミングを制御するためのコンピュータ実行可能命令を備え、前記二次制御ユニットは、エンジン負荷条件に関する少なくとも1つのパラメータに対応して前記主制御ユニットから独立して且つ高い優先度で前記吸気バルブを閉じるためのコンピュータ実行可能命令を備える。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、主制御ユニットは、第1の、即ち下死点に対する上方クランク角度値及び第2の、即ち下死点に対する下方クランク角度値を有する第1の範囲内で吸気バルブを閉じるように構成され、二次制御ユニットは下死点に対する第3のクランク角度と第4のクランク角度との間の第2の範囲内で吸気バルブを閉じるように構成され、第3のクランク角度は第1の範囲外にあるとともに第1の範囲よりも下死点に近い。
【0036】
本発明の一実施形態によれば、前記主制御ユニットは下死点前70〜100°の範囲内で前記吸気バルブを閉じるように構成されている。
【0037】
本発明の一実施形態によれば、前記主制御ユニットは下死点前70〜100°の範囲内で前記吸気バルブを閉じるように構成され、前記二次制御ユニットは下死点前55〜70°の範囲内で前記吸気バルブを閉じるように構成されている。
【0038】
本発明の一実施形態によれば、前記方法は、二次制御手順を用いるステップを含み、エンジン負荷条件に関するパラメータは測定される給気の圧力であり、吸気バルブシステムの吸気バルブの閉鎖タイミングは、給気の圧力に対応して、主制御手順から独立して且つ高い優先度で制御される。
【0039】
本発明の一実施形態によれば、二次制御ユニットは各シリンダの吸気バルブに直接接続されるように構成されている。
【0040】
本発明の一実施形態によれば、主制御ユニット及び二次制御ユニットは共通の物理的システムに一体化されている。
【0041】
本発明の一実施形態によれば、主制御ユニット及び二次制御ユニットは完全に互いに独立している。実際に、これはエンジンにおいて実際には、エンジンにおいて、機械及び/又は電気及び/又はソフトウェアのコンポーネントの全て又は一部は少なくとも複製であることを意味する。
【0042】
本発明の一実施形態によれば、前記主制御ユニットは、エンジン負荷条件に関する少なくとも1つのパラメータに対応して前記吸気バルブシステムの吸気バルブの開閉タイミングを制御するためのコンピュータ実行可能命令を備え、前記二次制御ユニットは、エンジン負荷条件に関する少なくとも1つのパラメータに対応して前記主制御ユニットから独立して且つ高い優先度で前記吸気バルブを閉じるためのコンピュータ実行可能命令を備える。
【0043】
本発明の一実施形態によれば、前記主制御ユニット及び前記二次制御ユニットは各制御ユニット専用の機械アクチュエータを制御するように構成されている。
【0044】
本発明の一実施形態によれば、前記主制御ユニット及び前記二次制御ユニットは共通の機械アクチュエータを制御するように構成されている。