特許第6397651号(P6397651)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6397651
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】減圧弁
(51)【国際特許分類】
   G05D 16/10 20060101AFI20180913BHJP
   F16K 17/30 20060101ALI20180913BHJP
   F16K 47/02 20060101ALI20180913BHJP
【FI】
   G05D16/10 H
   F16K17/30 A
   F16K47/02 D
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-88574(P2014-88574)
(22)【出願日】2014年4月4日
(65)【公開番号】特開2015-201150(P2015-201150A)
(43)【公開日】2015年11月12日
【審査請求日】2017年2月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】391003989
【氏名又は名称】株式会社コスメック
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土田 武司
【審査官】 田村 耕作
(56)【参考文献】
【文献】 実開平02−038609(JP,U)
【文献】 実開昭48−061297(JP,U)
【文献】 実開昭57−156670(JP,U)
【文献】 特開昭52−007024(JP,A)
【文献】 特開昭58−203525(JP,A)
【文献】 実開平07−036209(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 16/10
F16K 17/30
F16K 47/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁ケース(1)の内部に一端側から他端側へ直列状に形成された入口室(8)と減圧弁座(9)と出口室(10)と、
前記入口室(8)に進退可能に挿入されると共に閉弁バネ(15)によって他端側の前記減圧弁座(9)へ向けて付勢された減圧部材(14)と、
前記出口室(10)に形成されたピストン孔(18)と、
前記ピストン孔(18)に進退可能に挿入される受圧ピストン(19)であって、前記減圧部材(14)を前記減圧弁座(9)から離間させるように圧力設定バネ(44)によって一端側へ付勢された受圧ピストン(19)と、
前記ピストン孔(18)と前記受圧ピストン(19)とによって区画形成される流体室(28)であって、前記受圧ピストン(19)の一端側への進出及び他端側への後退に応じて容積が増加及び減少される流体室(28)と、
その流体室(28)と前記出口室(10)とを連通するように並列に設けられた第1通路(29)及び第2通路(30)と、
前記第1通路(29)に設けられた逆止弁(34)であって、前記出口室(10)から前記流体室(28)への流れを遮断すると共にその逆の流れを許容する逆止弁(34)と、
前記第2通路(30)に設けられた絞り部(31)と、
を備える、
ことを特徴とする減圧弁。
【請求項2】
請求項1に記載の減圧弁において、
前記ピストン孔(18)と前記受圧ピストン(19)との間に前記絞り部(31)を設ける、
ことを特徴とする減圧弁。
【請求項3】
請求項1に記載の減圧弁において、
前記ピストン孔(18)は、前記出口室(10)の他端側の端壁に他端方向へ順に形成された大径孔(21)と小径孔(20)とを有し、
前記受圧ピストン(19)は、前記小径孔(20)に保密状に挿入された小径部分(22)と前記大径孔(21)に嵌合された大径部分(23)とを有し、
前記流体室(28)は、前記大径孔(21)と前記小径部分(22)との間に形成される、
とを特徴とする減圧弁。
【請求項4】
請求項3に記載の減圧弁において、
前記絞り部(31)は、前記大径孔(21)と前記大径部分(23)との間に設けられる、
ことを特徴とする減圧弁。
【請求項5】
請求項1からのいずれかに記載の減圧弁において、
前記受圧ピストン(19)の内部に前記逆止弁(34)を設ける、
ことを特徴とする減圧弁。
【請求項6】
請求項1に記載の減圧弁において、
前記第1通路(29)が、前記ピストン孔(18)と前記受圧ピストン(19)の外周面との間に形成され、
前記第2通路(30)が、前記受圧ピストン(19)の内部または前記弁ケース(1)に設けられ、
前記逆止弁(34)が、前記ピストン孔(18)と前記受圧ピストン(19)との間に装着された弾性シール部材(50)を備え、
その弾性シール部材(50)が、前記出口室(10)から前記流体室(28)への流れを遮断すると共にその逆の流れを許容する、
ことを特徴とする減圧弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、減圧弁に関し、より詳しくは、弁ケース内に挿入された受圧ピストンや減圧部材に発生するハンチングやチャタリング等の振動現象を抑制する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の減圧弁には、従来では、特許文献1(日本国・特開2001−051727号公報)に記載されたものがある。その従来技術は、次のように構成されている。
弁ケース内部の出口室に受圧ピストンが挿入される。弁ケース内部の入口室に減圧部材を挿入し、その減圧部材に形成された収納孔に可動子弁体が挿入される。出口室の圧力の上昇によって減圧部材が閉弁して、入口室の圧力流体が、可動子弁体の外周に形成された絞り通路を通って出口室へ流出する。その出口室の圧力がさらに上昇して設定圧力に達すると、可動子弁体が閉弁される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2001−051727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の減圧弁では、出口室の圧力の急激な変動により、可動子弁体や減圧部材や受圧ピストンがハンチングやチャタリング等の振動現象によって異常音を発生させることがある。
本発明の目的は、減圧部材や受圧ピストンに発生する振動現象を確実に抑制する減圧弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明は、例えば、図1及び図2A図2C図3図4に示すように、減圧弁を次のように構成した。
弁ケース1の内部に、入口室8と減圧弁座9と出口室10とを一端側から他端側へ直列状に形成する。前記入口室8に減圧部材14を進退可能に挿入し、その減圧部材14を閉弁バネ15によって他端側へ付勢する。前記出口室10にピストン孔18を形成する。前記ピストン孔18に受圧ピストン19を進退可能に挿入し、その受圧ピストン19を圧力設定バネ44によって一端側へ付勢する。前記ピストン孔18と前記受圧ピストン19とによって流体室28を区画形成して、前記受圧ピストン19の一端側への進出及び他端側への後退に応じて前記流体室28の容積を増加及び減少させる。その流体室28と前記出口室10とを連通するように、第1通路29及び第2通路30を並列に設ける。前記第1通路29に設けられた逆止弁34は、前記出口室10から前記流体室28への流れを遮断すると共にその逆の流れを許容する。前記第2通路30に絞り部31を設ける。
【0006】
従って、本発明は次の作用効果を奏する。
前記受圧ピストンが一端側へ進出して流体室の容積が増加するときには、その流体室の圧力が低下して逆止弁が閉弁すると共に、出口室の圧力流体が第2通路の絞り部を通って流体室へ緩やかに流入する。受圧ピストンが他端側へ後退して流体室の容積が減少するときには、その流体室の圧力が上昇して逆止弁が開弁すると共に、流体室の圧力流体が第1通路を通って出口室へ流出する。
上記のように流体室の容積が増加した場合には、流体室の圧力が出口室と比べて低くなり、受圧ピストンには、出口室の圧力と流体室の圧力との差圧力が他端側へ作用する。これにより、その他端側へ作用する差圧力が、受圧ピストンを一端側へ進出させるバネ付勢力に対する抵抗力となり、受圧ピストンの一端側への進出速度が緩やかになる。
ここで、従来の減圧弁では、出口室の圧力が設定圧力に調整されているときに、その出口室の圧力が急に低下すると、減圧部材や受圧ピストンがハンチングやチャタリング等の振動現象を発生することがある。しかしながら、本発明によれば、上記抵抗力が受圧ピストンの一端側への進出速度を緩やかにするので、減圧部材が急に開弁して出口室の圧力が急に上昇するのを防止でき、その結果、受圧ピストン及び減圧部材の振動が抑制される。
【0007】
本発明は、下記(1)から(4)の構成を加えることが好ましい。
(1) 例えば、図1及び図2A図2C図3に示すように、前記ピストン孔18と前記受圧ピストン19との間に前記絞り部31を設ける。
この場合、減圧弁を簡素な構成とすることができる。
【0008】
(2) 例えば、図1及び図2A図2C図3に示すように、前記ピストン孔18は、前記出口室10の他端側の端壁に他端方向へ順に形成された大径孔21と小径孔20とを有する。前記受圧ピストン19は、前記小径孔20に保密状に挿入された小径部分22と前記大径孔21に嵌合された大径部分23とを有する。前記流体室28は、前記大径孔21と前記小径部分22との間に形成される。前記絞り部31は、前記大径孔21と前記大径部分23との間に設けられる。
この場合、減圧弁を簡素な構成とすることができる。
【0009】
(3) 例えば、図1及び図2A図2Cに示すように、前記受圧ピストン19の内部に前記逆止弁34を設ける。
この場合、弁ケースに逆止弁を設ける場合に比べて、その逆止弁の弁室や弁座を容易に加工できるので、減圧弁を能率良く製作できる。
【0010】
(4) 例えば、図4に示すように、前記第1通路29が、前記ピストン孔18と前記受圧ピストン19の外周面との間に形成される。前記第2通路30が、前記受圧ピストン19の内部または前記弁ケース1に設けられる。前記逆止弁34が、前記ピストン孔18と前記受圧ピストン19との間に装着された弾性シール部材50を備える。その弾性シール部材50は、前記出口室10から前記流体室28への流れを遮断すると共にその逆の流れを許容する。
この場合、逆止弁を簡素な構成とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の第1実施形態を示し、減圧弁の断面視の模式図である。
図2図2Aから図2Cは、上記減圧弁の動作説明図であって、それぞれ、上記図1に類似する部分図である。図2Aは、減圧弁の全開状態を示し、図2Bは、全開状態から閉弁状態への切換え途中状態を示し、図2Cは、減圧弁の閉弁状態を示している。
図3図3は、本発明の第2実施形態を示し、図2Aに類似する図である。
図4図4は、本発明の第3実施形態を示し、図2Aに類似する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の第1実施形態を、図1及び図2A図2Cによって説明する。まず、全開状態を示す図1に基づいて減圧弁の構造を説明する。
弁ケース1の下部に圧油の入口孔3及び出口孔4が設けられる。入口孔3に油圧源が連通されると共に出口孔4に油圧シリンダが連通される(いずれも図示せず)。弁ケース1の内部に、入口室8と減圧弁座9と出口室10とが右端壁1a側(一端側)から左端壁1b側(他端側)へ直列状に形成される。入口孔3は、入口室8と減圧弁座9と出口室10とを通るように形成された流路11を経由して出口孔4に連通される。
【0013】
前記の右端壁1aに収容孔13が形成され、その収容孔13に減圧部材14を左右方向へ進退可能に挿入する。右端壁1aと減圧部材14との間に装着された閉弁バネ15が、減圧部材14を左方へ付勢する。減圧部材14の右端部と収容孔13内の孔室16とが、減圧部材14の周壁に形成された溝14aによって入口室8に連通されている。入口室8の左端壁8aには、前記の減圧弁座9が形成され、その減圧弁座9の中央に開口部9aが形成される。その開口部9aを介して入口室8と出口室10とが連通される。
【0014】
前記の出口室10に形成されたピストン孔18は、出口室10の左端壁10aから左方へ順に形成された大径孔21と小径孔20を有する。そのピストン孔18に受圧ピストン19を左右方向へ進退可能に挿入する。その受圧ピストン19は、小径孔20に封止部材26を介して保密状に挿入される小径部分22と、大径孔21に嵌合される大径部分23とを有する。大径孔21と小径部分22との間に、流体室28が形成される。その流体室28と出口室10とは、並列に配置された第1通路29及び第2通路30によって連通される。
【0015】
この実施形態では、上記の第1通路29は、受圧ピストン19の内部に設けられる。その第1通路29にポペット式の逆止弁34が設けられ、その逆止弁34の弁室35が左右に延在するように形成されている。その弁室35の左端壁に弁座36が設けられ、その弁座36にボール38がバネ37によって付勢される。弁座36の中央に入口路39が連通され、その入口路39が流体室28に連通される。また、弁室35は、出口路40を介して出口室10に連通される。前記の第1通路29は、入口路39と弁室35と出口路40とからなる。
【0016】
前記の第2通路30は、大径孔21と大径部分23との間の嵌合隙間によって形成され、その嵌合隙間の全体によって絞り部31が構成されている。前記の大径部分23から右方へ操作ロッド32が突設される。その操作ロッド32は、前記開口部9aを通って減圧部材14に当接する。
なお、絞り部31は、嵌合隙間の全体によって構成されるのに代えて、その嵌合隙間の一部に形成されるようにしてもよい。
【0017】
弁ケース1の左端壁1bと受圧ピストン19との間には、その受圧ピストン19を右方へ付勢する圧力設定バネ44が、バネ受け45a,45bを介して装着される。その圧力設定バネ44は、大径バネ44aと小径バネ44bとを有する。
【0018】
上記の減圧弁は、図2Aから図2Cに示すように、次のように作動する。
図2Aの初期状態では、流路11と流体室28とに油が充満されているが、入口孔3に油圧力を作用させていない。このため、圧力設定バネ44が受圧ピストン19を進出位置Aへ進出させると共に、受圧ピストン19が前記の操作ロッド32を介して減圧部材14を減圧弁座9から離間させ、これらの両者間に大きな隙間が形成されている。また、流体室28の容積が最大となっている。
【0019】
上記図2Aの全開状態において、入口孔3に圧油を供給すると、出口室10の圧力が上昇して、受圧ピストン19が図2Aの進出位置Aから図2Bの位置へ後退されると共に、減圧部材14が閉弁バネ15の付勢力によって左方に移動される。また、受圧ピストン19の左方への後退に応じて流体室28の容積が減少されると、流体室28内の圧力が上昇して逆止弁34が開弁されると共に、流体室28の圧油が第1流路29を通って出口室10へ流出する。
【0020】
図2Bの切換え途中状態において、入口室8の圧油が出口室10へさらに流出すると、その出口室10の圧力が設定圧力まで上昇して、受圧ピストン19が図2Cの後退位置Rへ後退すると共に、減圧部材14が左方へ移動して減圧弁座9に当接する。
【0021】
図2Cの閉弁状態において、出口孔4に接続された油圧シリンダが圧油を消費して前記の出口室10内の油圧力が低下すると、図2Bに示すように、受圧ピストン19が右方へ進出して減圧部材14を開弁させる。その図2Bの開弁状態と図2Cの閉弁状態とを繰り返して、出口孔4の圧力を設定値に保持する。
【0022】
上述したように、前記の受圧ピストン19が右方へ進出したときには、それに応じて流体室28の容積が増加する。このため、その流体室28の圧力が低下して、出口室10の圧油が第2流路30の絞り部31を通って流体室28へ緩やかに流入されていく。より詳しくいえば、流体室28の上記の容積増加速度が、当該流体室28への上記の圧油流入速度を超えることにより、流体室28の圧力が出口室10と比べて低くなり、受圧ピストン19には、出口室10の圧力と流体室28の圧力との差圧力が左方へ作用する。これにより、その左方へ作用する差圧力が、受圧ピストン19を右方へ進出させる圧力設定バネ44の付勢力に対する抵抗力となり、受圧ピストン19の右方への進出速度が緩やかになる。
また、上述したように、前記の受圧ピストン19が左方へ後退したときには、それに応じて流体室28の容積が減少され、流体室28の圧力が出口室10に比べて高くなる。その流体室28の高い圧力が前記のバネ37に抗して逆止弁34を開弁させて、流体室28の圧油が前記の弁室35を通って出口室10へ速やかに流出する。これにより、受圧ピストン19は、左方へ速やかに後退し、減圧部材14が速やかに閉弁する。
【0023】
上記の実施形態の減圧弁は次の長所を奏する。
従来の減圧弁では、出口孔4(及び出口室10)の圧力が設定圧力に調整されているときに、上記の油圧シリンダが圧油を消費して出口孔4の圧力が急に低下すると、圧力設定バネ44の付勢力によって受圧ピストン19が右方へ急に進出して減圧部材14が大きく開弁されて、入口室8の圧油が出口室10へ勢いよく流出して、出口室10の圧力を高める。その出口室10の高い圧力が圧力設定バネ44に抗して受圧ピストン19を左方へ急速に後退させるので、減圧部材14が急に閉弁される。すると、出口室10の圧力が急に低下するので、圧力設定バネ44が受圧ピストン19を介して減圧部材14を急に開弁させる。このように、従来の減圧弁の減圧部材14には、急な開弁と閉弁とを繰り返してチャタリングが発生する。
これに対し、本発明の減圧弁では、出口孔4の圧力が急に低下しても、前述した抵抗力によって受圧ピストン19が緩やかに右方へ進出して減圧部材14が緩やかに開弁されるので、出口室10の圧力は緩やかに上昇する。このため、受圧ピストン19及び減圧部材14のチャタリングが抑制される。
【0024】
また、従来の減圧弁では、出口室10の圧力が急に低下して圧力設定バネ44が受圧ピストン19を介して減圧部材14を急に開弁方向へ移動させると、入口室8の圧油が出口室10へ勢いよく流出して、その出口室10の圧力がオーバーシュートしてハンチングするおそれがあった。
これに対し、本発明の減圧弁では、前記の抵抗力が受圧ピストン19に作用して、その受圧ピストン19が緩やかに右方へ進出する。これにより、出口室10の圧力を緩やかに上昇させることができる。即ち、出口室10の圧力がオーバーシュートしてハンチングが発生するのを確実に防止できる。
【0025】
前記受圧ピストン19の小径部分22及び大径部分23は、一体に形成されるのに代えて、別体に設けてもよい。例えば、上記大径部分23をピストンリング状に形成して、その大径部分23を小径部分22に取り付けてもよい。
【0026】
図3および図4は、本発明の第2実施形態および第3実施形態を示している。これらの各実施形態においては、上記の第1実施形態の構成部材と同じ部材(または類似する部材)には原則として同一の参照数字を付けて説明する。
【0027】
図3に示す第2実施形態が上記の第1実施形態と異なる点は次の通りである。
弁ケース1の下部に第1通路29を設ける。その第1通路29に逆止弁34が設けられている。
【0028】
図4に示す第3実施形態が上記の第1実施形態と異なる点は次の通りである。
第1通路29を、ピストン孔18の大径孔21と受圧ピストン19の大径部分23との間に設け、その第1通路29に、ゴム製のUパッキン(弾性シール部材)50を備える逆止弁34を設ける。そのUパッキン50は、その基部50aが流体室28側となるように受圧ピストン19の溝19aに装着され、Uパッキン50の先端部50bの外周部が大径孔21の周壁と接触することで大径孔21と大径部分23との間を封止している。また、第2通路30は、弁ケース1の内部に設けられ、その第2通路30に絞り部31が設けられる。
この場合、受圧ピストン19の左方への後退に応じて、流体室28の容積が減少されると、流体室28の圧力が上昇して逆止弁34が開弁され、流体室28の圧油が先端部50bと大径孔21の周壁との間を通って出口室10へ流出する。
また、受圧ピストン19の右方への進出に応じて、流体室28の容積が増加されると、流体室28の圧力が低下して逆止弁34が閉弁され、出口室10の圧油が第2通路30の絞り部31を通って流体室28へ緩やかに流入される。
なお、上記の弾性シール部材は、例示したゴム製のUパッキン50に代えて、形状の異なるOリング等であってもよく、また、材質の異なる樹脂製等であってもよい。
【0029】
上記の各実施形態は次のように変更可能である。
圧力流体は、例示した圧油に代えて、他の液体または圧縮空気等の気体であってもよい。
上記の逆止弁34は、例示したポペット式やパッキン式の逆止弁に限定されるものではない。
その他に、当業者が想定できる範囲で種々の変更を行えることは勿論である。
【符号の説明】
【0030】
1:弁ケース,8:入口室,9:減圧弁座,10:出口室,14:減圧部材,15:閉弁バネ,18:ピストン孔,19:受圧ピストン,20:小径孔,21:大径孔,22:小径部分,23:大径部分,28:流体室,29:第1通路,30:第2通路,31:絞り部,34:逆止弁,44:圧力設定バネ,50:Uパッキン(弾性シール部材).
図1
図2
図3
図4