(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記特定のテール電極が書込用の一方のテール電極であり、この書込用の一方のテール電極と重なる位置に前記ブリッジ要素が配置されたことを特徴とする請求項1に記載のフレキシャ。
前記特定のテール電極が一対の書込用テール電極であり、これら書込用テール電極と重なる位置にそれぞれ前記ブリッジ要素が配置されたことを特徴とする請求項1に記載のフレキシャ。
前記テール電極群が一対の読取用テール電極を含み、少なくとも一方の読取用テール電極と重なる位置に前記ブリッジ要素が配置されたことを特徴とする請求項2または3に記載のフレキシャ。
前記テール電極群が一対のセンサ用テール電極を含み、少なくとも一方のセンサ用テール電極と重なる位置に前記ブリッジ要素が配置されたことを特徴とする請求項2または3に記載のフレキシャ。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に第1の実施形態に係るディスク装置用サスペンションのフレキシャについて、
図1から
図9を参照して説明する。
図1に示すハードディスク装置(HDD)10は、ケース11と、スピンドル12を中心に回転するディスク13と、ピボット軸14を中心に旋回可能なキャリッジ15と、キャリッジ15を旋回させるためのポジショニング用モータ16を有している。ケース11は蓋(図示せず)によって密閉される。
【0016】
図2はディスク装置10の一部を模式的に示す断面図である。キャリッジ15にアーム17が設けられている。アーム17の先端部に、ディスク装置用サスペンション20(これ以降、単にサスペンション20と称する)が取付けられている。サスペンション20の先端に、磁気ヘッドとして機能するスライダ21が設けられている。ディスク13が高速で回転することにより、ディスク13とスライダ21との間にエアベアリングが形成される。
【0017】
キャリッジ15がポジショニング用モータ16によって旋回すると、サスペンション20がディスク13の径方向に移動することにより、スライダ21がディスク13の所望トラックまで移動する。スライダ21には、ディスク13にデータを記録するための磁気コイルと、ディスク13に記録されたデータを読取るためのMR(Magneto Resistive)素子と、ヒータなどが設けられている。MR素子は、ディスク13に記録された磁気信号を電気信号に変換する。
【0018】
図3は、テールパッド部25とテスト用パッド26とを備えたサスペンション20の一例を示している。サスペンション20は、ベースプレート30と、ロードビーム31と、ヒンジ部材32と、配線付フレキシャ(flexure with conductors)40とを備えている。これ以降、配線付フレキシャ40を単にフレキシャ40と称する。ベースプレート30のボス部30aは、キャリッジ15のアーム17(
図1と
図2に示す)に固定される。フレキシャ40の先端付近にタング41(
図3に示す)が形成されている。タング41にスライダ21が取付けられている。
【0019】
図3に示されるようにフレキシャ40は、ロードビーム31と重なる基部40aと、基部40aからベースプレート30の後方(矢印Rで示す方向)に延びるフレキシャテール40bとを含んでいる。フレキシャ40の基部40aは、レーザ溶接等の固定手段によってロードビーム31に固定されている。フレキシャテール40bにテールパッド部25とテスト用パッド26とが設けられている。テールパッド部25にテール電極25a〜25hが設けられている。これらテール電極25a〜25hによってテール電極群25xが構成されている。
【0020】
テスト用パッド26にテスト用電極26a〜26hが設けられている。テスト用電極26a〜26hは、それぞれに対応するテール電極25a〜25hと導通している。テスト用電極26a〜26hの配置の態様は任意であるが、一例として、グランド用の電極26aと、センサ用の電極26b,26cと、読取用の電極26d,26eと、ヒータ用の電極26fと、書込用の電極26g,26hとが2列に配置されている。これらテスト用電極26a〜26hを用いて、磁気ヘッド(スライダ21)の電気的特性等が検査される。検査終了後に、切断部X1(
図3に2点鎖線で示す)において、テスト用パッド26がフレキシャテール40bから切離される。
【0021】
図4は、テスト用パッド26が切離されてテールパッド部25が残ったフレキシャ40を示している。テールパッド部25には、テール電極25a〜25hからなるテール電極群25xが形成されている。各テール電極25a〜25hは、それぞれに対応する回路基板50の導体50a〜50hに接続されている。回路基板50の一例はFPC(Flexible Printed Circuit board)である。
【0022】
回路基板50には、信号処理回路の一部をなすプリアンプ51(
図1に示す)が実装されている。プリアンプ51の読取用回路は、読取用の導体50d,50eを介してテール電極25d,25eに接続されている。プリアンプ51の書込用回路は、書込用の導体50g,50hを介してテール電極25g,25hに接続されている。
【0023】
プリアンプ51から出力される書込用の電流は、書込用のテール電極25g,25hを介して、スライダ21の磁気コイルに供給される。スライダ21のMR素子によって検出された電気信号は、読取用のテール電極25d,25eを介して、プリアンプ51に入力される。書込用のテール電極25g,25hには、読取用のテール電極25d,25eよりも大きな電流が流れる。
【0024】
図5はフレキシャテール40bのテールパッド部25を示す平面図である。テールパッド部25にはテール電極25a〜25hがテールパッド部25の長手方向に互いに間隔を存して配置されている。これらテール電極25a〜25hは、それぞれテールパッド部25の幅方向W1に延びている。テール電極25a〜25hは互いにほぼ平行である。テール電極25a〜25hは、それぞれ、回路基板50の導体50a〜50hに接続される。
【0025】
テール電極25a〜25hの配置の順番は任意であるが、一例として、
図5において上から順に、グランド用のテール電極25aと、センサ用のテール電極25b,25cと、読取用のテール電極25d,25eと、ヒータ用のテール電極25fと、書込用のテール電極25g,25hとが配置されている。読取用のテール電極25d,25e間の距離L1は、他のテール電極間の距離よりも大きい。
【0026】
図6は、
図5中のF6−F6線に沿うフレキシャテール40bの断面図である。
図6において、矢印Aはフレキシャテール40bの厚さ方向、矢印Bはフレキシャテール40bの幅方向を示している。フレキシャ40は、例えばオーステナイト系ステンレス鋼の板からなるメタルベース60と、メタルベース60に沿って形成された配線部61とを含んでいる。メタルベース60の厚さはロードビーム31の厚さよりも小さい。ロードビーム31の厚さは例えば30〜62μm、メタルベース60の厚さは例えば18μm(12〜25μm)である。
【0027】
配線部61は、メタルベース60上に形成された絶縁層62と、絶縁層62上に形成された導体63a〜63hと、カバー層64を含んでいる。導体63a〜63hは、例えばめっき銅からなり、絶縁層62に沿って所定のパターンとなるようにエッチングによって形成されている。導体63a〜63hを形成するための他の方法として、例えば所定パターンでマスキングされた絶縁層の上に、めっき等の層形成プロセスによって銅の層を形成するようにしてもよい。
【0028】
導体63a〜63hの配置の順番は任意であるが、一例として
図6において左から順にグランド用の導体63aと、センサ用の導体63b,63cと、読取用の導体63d,63eと、ヒータ用の導体63fと、書込用の導体63g,63hが配置されている。配線部61の一例では、インターリーブ回路(interleaved circuit)を構成する分岐導体63g´,63h´も含んでいる。メタルベース60には、読取用の導体63d,63eと書込用の導体63g,63hの電気的特性を向上させるために、開口67,68が形成されている。
【0029】
グランド用の導体63aはメタルベース60に接地されている。センサ用の導体63b,63cは、スライダ21の変位を検出する前記センサに接続されている。読取用の導体63d,63eはスライダ21の前記MR素子に接続されている。ヒータ用の導体63fはスライダ21の前記ヒータに接続されている。書込用の導体63g,63hはスライダ21の前記磁気コイルに接続されている。
【0030】
絶縁層62とカバー層64は、それぞれポリイミド等の電気絶縁性の材料からなる。絶縁層62の厚さは、例えば10μm(5〜20μm)である。導体63a〜63hの厚さは、例えば10μm(4〜15μm)である。カバー層64の厚さは、例えば5μm(2〜10μm)である。なお
図5は、テールパッド部25の構成をわかりやすくするため、絶縁層62とカバー層64とが省略され、メタルベース60とテール電極25a〜25hと導体63a〜63hが示されている。
【0031】
図7は、
図5中のF7−F7線に沿うテールパッド部25の断面図である。
図8は、テールパッド部25を構成するメタルベース60の一部を示している。メタルベース60に開口70を有する枠構体80が形成されている。枠構体80は、第1の枠81と第2の枠82とを含み、いわばフォーク形状をなしている。第1の枠81と第2の枠82との間に開口70が形成されている。第1の枠81および第2の枠82は、それぞれテールパッド部25の長手方向(矢印Z1で示す)に延びている。第1の枠81の先端81aと第2の枠82の先端82aは互いに離れている。
図8中のS1は枠構体80の長さを示し、S2は枠構体80の長さの半分を示している。
【0032】
第1の枠81は、その先端81aに向かって幅が減少するテーパ形状をなしている。第2の枠82は、その先端82aに向かって幅が増加する逆テーパ形状をなしている。第1の枠81の内面81bと第2の枠82の内面82bは互いに実質的に平行であり、テールパッド部25の長手方向(矢印Z1で示す)に延びている。第1の枠81と第2の枠82との間の距離L2は、枠構体80の長手方向においてほぼ一定である。第1の枠81と第2の枠82との間にブリッジ部90が形成されている。ブリッジ部90については後に詳しく説明する。
【0033】
図9は、テールパッド部25を構成するテール電極25a〜25hと、テール電極25a〜25hに接続される導体63a〜63hを示している。グランド用のテール電極25aが導体63aと導通している。センサ用のテール電極25b,25cが導体63b,63cと導通している。読取用のテール電極25d,25eが導体63d,63eと導通している。ヒータ用のテール電極25fが導体63fと導通している。書込用のテール電極25g,25hが導体63g,63hと導通している。
【0034】
図5と
図7と
図8に示されるように、第1の枠81と第2の枠82との間に、導電性のブリッジ部90が設けられている。ブリッジ部90は、テール電極25a〜25hと平行な方向に延びるブリッジ要素91からなる。ブリッジ要素91はメタルベース60の一部である。この実施形態のブリッジ要素91は、書込用のテール電極25hと対応した位置(テール電極25hと重なる位置)に配置されている。ブリッジ要素91とテール電極25hとの間には絶縁層62が設けられている。このようにブリッジ要素91は、テール電極群25xを構成する全てのテール電極25a〜25hのうち、選択された特定のテール電極25hと厚さ方向に重なる位置に配置されている。
【0035】
図8に示すように枠構体80の長さをS1とすると、ブリッジ要素91は、枠構体80の先端(枠82の先端82a)から枠構体80の長さの半分S2までの範囲に形成されている。第1の枠81と第2の枠82とブリッジ要素91とはいずれもメタルベース60の一部であるから、第1の枠81と第2の枠82とは、互いにブリッジ要素91によって電気的に接続されている。
【0036】
ブリッジ要素91の両端91a,91bは、第1の枠81と第2の枠82とに連なっている。第1の枠81と第2の枠82とは互いにブリッジ要素91を介して電気的に導通している。このためブリッジ要素91は、第1の枠81と第2の枠82とを介してグランド用の導体63aと導通している。ブリッジ要素91は、テールパッド部25の幅方向W1(
図5に示す)、すなわち枠構体80の開口70を横断する方向に延びている。
【0037】
図10は、第2の実施形態のテールパッド部25Aを示している。この実施形態のブリッジ部90は、2つのブリッジ要素91
1,91
2からなる。第1のブリッジ要素91
1が一方の書込用テール電極25hと同じ位置に配置されている。第2のブリッジ要素91
2が他方の書込用テール電極25gと同じ位置に配置されている。ブリッジ要素91
1,91
2とテール電極25h,25gとの間には絶縁層62が設けられている。
【0038】
このように第2の実施形態のブリッジ要素91
1,91
2は、テール電極群25xを構成するテール電極25a〜25hのうち、選択された特定のテール電極25h,25gと厚さ方向に重なる位置に配置されている。しかもこれらブリッジ要素91
1,91
2は、枠構体80の先端81a,82aから枠構体80の長さの半分S2(
図8に示す)までの範囲に配置されている。それ以外の構成は第1の実施形態のテールパッド部25と共通であるため、両者に共通の部位に共通の符号を付して説明を省略する。
【0039】
図11は第3の実施形態のテールパッド部25Bを示している。この実施形態のブリッジ部90は、3つのブリッジ要素91
1,91
2,91
3からなる。第1のブリッジ要素91
1と第2のブリッジ要素91
2がそれぞれ書込用テール電極25h,25gと重なる位置に配置されている。第3のブリッジ要素91
3がヒータ用テール電極25fと重なる位置に配置されている。ブリッジ要素91
1,91
2,91
3とテール電極25h,25g,25fとの間には絶縁層62が設けられている。
【0040】
このように第3の実施形態のブリッジ要素91
1,91
2,91
3は、テール電極群25xを構成するテール電極25a〜25hのうち、選択された特定のテール電極25h,25g,25fと重なる位置に配置されている。しかもこれらブリッジ要素91
1,91
2,91
3は、枠構体80の先端81a,82aから枠構体80の長さの半分S2(
図8に示す)までの範囲に配置されている。それ以外の構成は第1の実施形態のテールパッド部25と共通であるため、両者に共通の部位に共通の符号を付して説明を省略する。
【0041】
図12は第4の実施形態のテールパッド部25Cを示している。この実施形態のブリッジ部90は、4つのブリッジ要素91
1,91
2,91
3,91
4からなる。第1のブリッジ要素91
1と第2のブリッジ要素91
2がそれぞれ書込用テール電極25h,25gと重なる位置に配置されている。第3のブリッジ要素91
3がヒータ用テール電極25fと重なる位置に配置されている。第4のブリッジ要素91
4が一方の読取用テール電極25eと重なる位置に配置されている。ブリッジ要素91
1,91
2,91
3,91
4とテール電極25h,25g,25f,25eとの間には絶縁層62が設けられている。
【0042】
このように第4の実施形態のブリッジ要素91
1,91
2,91
3,91
4は、テール電極群25xを構成するテール電極25a〜25hのうち、選択された一部のテール電極25h,25g,25f,25eと重なる位置に配置されている。しかもこれらブリッジ要素91
1,91
2,91
3,91
4は、枠構体80の先端81a,82aから枠構体80の長さの半分S2(
図8に示す)までの範囲に配置されている。それ以外の構成は第1の実施形態のテールパッド部25と共通であるため、両者に共通の部位に共通の符号を付して説明を省略する。
【0043】
図13は第5の実施形態のテールパッド部25Dを示している。この実施形態のブリッジ部90は、5つのブリッジ要素91
1,91
2,91
3,91
4,91
5からなる。第1のブリッジ要素91
1と第2のブリッジ要素91
2がそれぞれ書込用テール電極25h,25gと重なる位置に配置されている。第3のブリッジ要素91
3がヒータ用テール電極25fと重なる位置に配置されている。第4のブリッジ要素91
4と第5のブリッジ要素91
5がそれぞれ読取用テール電極25e,25dと重なる位置に配置されている。ブリッジ要素91
1,91
2,91
3,91
4,91
5とテール電極25h,25g,25f,25e,25dとの間には絶縁層62が設けられている。
【0044】
このように第5の実施形態のブリッジ要素91
1,91
2,91
3,91
4,91
5は、テール電極群25xを構成するテール電極25a〜25hのうち、選択された特定のテール電極25h,25g,25f,25e,25dと重なる位置に配置されている。しかもブリッジ要素91
1,91
2,91
3,91
4は、枠構体80の先端81a,82aから枠構体80の長さの半分S2(
図8に示す)までの範囲に配置されている。それ以外の構成は第1の実施形態のテールパッド部25と共通であるため、両者に共通の部位に共通の符号を付して説明を省略する。
【0045】
図14は比較例1のテールパッド部25Eを示している。このテールパッド部25Eにはブリッジ部90が設けられていない。それ以外の構成は第1の実施形態のテールパッド部25と共通であるため、両者に共通の部位に共通の符号を付して説明を省略する。
【0046】
図15は比較例2のテールパッド部25Fを示している。このテールパッド部25Fのブリッジ要素91は、グランド用のテール電極25aと重なる位置に配置されている。すなわちテール電極群25xを構成するテール電極25a〜25hのうち、枠構体80の先端81a,82aから最も離れた位置のテール電極25aと重なる位置にブリッジ要素91が設けられている。それ以外の構成は第1の実施形態のテールパッド部25と共通であるため、両者に共通の部位に共通の符号を付して説明を省略する。
【0047】
図16は、第1,第2の実施形態のテールパッド部25,25Aを有するそれぞれのフレキシャと、比較例1,2のテールパッド部25E,25Fを有するフレキシャのクロストークを表わしたグラフである。クロストークは、書込用の導体に400mVのパルス信号を入力したときに読取用の導体で検出される漏れ電流である。クロストークの大きさは、プラス側のピークとマイナス側のピークとの間の差電圧(Vpp)で表されている。クロストークが14mVよりも大きくなると、実用上のディスク装置の電気的特性を悪化させる要因となる。比較例1のクロストークは29.7mVと、許容値14mVの2倍以上であるため、改善の余地があった。比較例2のクロストークは25.5mVと、許容値14mVを大幅に越えているため、改善の余地があった。
【0048】
これに対し第1の実施形態のテールパッド部25のクロストークは9.72mVと、比較例1の約30%であり、許容値14mVよりもはるかに小さい値となっている。第2の実施形態のテールパッド部25Aのクロストークは1.76mVと、比較例1の約6%で、さらに好ましい結果が得られた。
図6には表わされていないが、第3〜第5の実施形態のテールパッド部25B,25C,25Dもクロストークの許容値(14mV)よりも小さかった。
【0049】
図17は、第1,第2の実施形態のテールパッド部25,25Aを有するそれぞれのフレキシャと、比較例1,2のテールパッド部25E,25Fを有するフレキシャの周波数帯域を表わしたグラフである。周波数帯域が高いほど単位時間当りの伝送データ数を増やすことができるため好ましく、目標は3GHz以上である。比較例1の周波数帯域は1.90GHzと、目標値3GHzの約65%であり、改善の余地があった。比較例2の周波数帯域は2.15GHzであり、目標値3GHz以下であるため改善の余地があった。
【0050】
これに対し第1の実施形態の周波数帯域は4.55GHzと、目標値の2.4倍であった。第2の実施形態の周波数帯域は6.00GHzと、目標値の約3倍であった。
図7には表わされていないが、第3〜第5の実施形態のテールパッド部25B,25C,25Dも周波数帯域の目標値(3GHz)を上回っていた。
【0051】
以上述べたように第1〜第5の実施形態(
図5〜
図13)のテールパッド部25〜25Dは、いずれもメタルベース60からなる第1の枠81と第2の枠82を、メタルベース60からなるブリッジ部90によって互いに導通させたことにより、クロストークを実用上問題のない程度まで低減させることができ、電気特性の優れたフレキシャ40を得ることができた。
【0052】
また第1〜第5の実施形態のテールパッド部25〜25Dは、いずれも、ブリッジ要素91の数がテール電極25a〜25hの数よりも少なく、テール電極25a〜25hのうち、選択された特定のテール電極と重なる位置にのみ、ブリッジ要素91が配置されている。このため全てのテール電極と重なる位置にブリッジ要素91を配置する場合と比較して、ブリッジ要素91の数が少なくて済むという利点がある。しかも全てのブリッジ要素91がテール電極と重なる位置に配置されているため、テールパッド部の限られた狭いスペースにブリッジ部90を設けることができる。
【0053】
なお本発明を実施するに当たり、サスペンションやフレキシャの形態をはじめとして、メタルベースおよび導体の形状やブリッジ要素の形状、導体およびテール電極の数、枠構体の形状等の態様を種々に変形して実施できることは言うまでもない。また要素を設ける位置は実施形態以外であってもよい。