(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1積層体は、前記基材を2つ、前記ハードコート層を3つ備え、2つの前記基材は、それぞれ、2つの前記ハードコート層の間に位置する、請求項1から3のいずれか一項に記載の積層部材。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について説明する。
1.積層部材
図1に示されるように、本発明の一実施形態に係る積層部材100は、第1積層体10と第2積層体20とを備える。第1積層体10と第2積層体20とは、第2積層体20が備える粘着剤層22側の面が第1積層体10に貼付されている。本実施形態において、積層部材100の第2積層体20側の面は、切断加工が施される側の面である。
【0020】
(1)第1積層体
第1積層体10は、基材11と基材11の少なくとも一方の面に積層されたハードコート層12とを備える。
【0021】
(1−1)基材
本実施形態に係る第1積層体10が備える基材11は、積層部材100が後述する中立面に関する規定を満たし、第1積層体10が後述する硬度に関する規定を満たすことができる限り、具体的な特徴は特に限定されない。一実施形態に係る基材11は透明プラスチックフィルムからなる。この透明プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリブテン−1などのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、ポリエチレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、セルロースアセテートなどのセルロース系樹脂などからなるフィルムまたはこれらの積層フィルムが挙げられる。これらの中で、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが好適である。
【0022】
本実施形態に係る第1積層体10が備える基材11の厚さは特に制限はなく、第1積層体10の使用目的に応じて適宜選定され、通常は1〜500μmである。取扱い性を高めたり軽量化を実現したりする観点から、基材11の厚さは400μm以下であることが好ましく、300μm以下であることがより好ましい。基材11の厚さの下限は限定されない。取り扱い性を高めるなどの観点から、基材11の厚さは5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましい。
【0023】
本実施形態に係る第1積層体10が備える基材11は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などの耐候剤を含んでいてもよい。
【0024】
本実施形態に係る第1積層体10が備える基材11は、その面の少なくとも一方に、その(それらの)面に積層される要素(ハードコート層12、粘着剤層22、金属性皮膜などが例示される。)に対する剥離強さを高める目的で、酸化法や凹凸化法などによる表面処理が施されていてもよい。上記の酸化法としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられ、上記の凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は基材11の種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果および操作性などの面から、好ましく用いられる。また、シランカップリング剤などによるプライマー層が設けられていてもよい。
【0025】
(1−2)ハードコート層
ハードコート層12は、第1積層体10が硬質な面を有することに寄与できる限り、その組成や厚さは限定されない。限定されない一例として、ハードコート層12は、エネルギー重合性官能基を有する化合物(本明細書において、「重合性化合物」ともいう。)を含有する塗工液から形成されたものである。この塗工液は、塗工液の塗膜に対する紫外線、電子線またはX線の照射や、塗膜への熱の付与によって重合性化合物の重合反応を進行させることができる。
【0026】
以下、塗工液の組成について説明する。
(1−2−1)重合性化合物
本発明の一実施形態に係る塗工液が含有する重合性化合物は、エネルギー重合性官能基を有する限り、具体的な構造や組成は限定されない。ただし、後述するエネルギー重合性官能基を有するフィラーは、フィラーとして扱い、重合性化合物とは区別する。
【0027】
重合性化合物が有するエネルギー重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基、スチリル基などのエチレン性不飽和基が例示される。これらの中でも、反応性の高さから、エネルギー重合性官能基は(メタ)アクリロイル基が好ましい。以下、エネルギー重合性官能基が(メタ)アクリロイル基である場合を具体例として説明する。なお、本明細書において、「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基およびメタクリロイル基の少なくとも一方を意味する。他の類似語も同様である。
【0028】
重合性化合物は1種類の化合物から構成されていてもよいし、複数種類の化合物から構成されていてもよい。重合性化合物は、モノマーを含んでいてもよいし、重合体を含んでいていてもよい。重合性化合物が重合体を含む場合には、その重合体はオリゴマーであってもよいし、ポリマーであってもよい。
【0029】
重合性化合物がモノマーを含む場合において、かかるモノマーとして、5官能以上の多官能アクリレート系モノマーが例示される。5官能以上の多官能アクリレート系モノマーとしては、例えばジペンタエリスリトールペンタアクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレートなどを挙げることができる。これらの中で、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートおよびジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが好ましい。
【0030】
重合性化合物が含んでもよいモノマーとして、4官能以下のエネルギー線重合性モノマーも例示される。その具体例として、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレート;1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどが挙げられる。
【0031】
重合性化合物がオリゴマーを含む場合において、かかるオリゴマーとしては、例えばポリエステルアクリレート系オリゴマー、エポキシアクリレート系オリゴマー、ウレタンアクリレート系オリゴマー、ポリオールアクリレート系オリゴマーなどを挙げることができる。
【0032】
重合性化合物の具体的な一例として、上記の5官能以上の多官能アクリレート系モノマーからなる場合が挙げられる。重合性化合物の具体的な別の一例として、5官能以上の多官能アクリレート系モノマーと、エネルギー線重合性オリゴマーおよび/または4官能以下のエネルギー線重合性モノマーとの混合物が挙げられる。
【0033】
本実施形態に係る塗工液における重合性化合物の含有量は限定されない。ハードコート層12を適切に形成することが可能であるとともに、塗工液の粘度が適切になるように設定すればよい。塗工液における溶媒以外の成分全体に占める重合性化合物の質量比率は、20質量%以上95質量%以下であることが好ましく、30質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
【0034】
(1−2−2)フィラー
本発明の一実施形態に係る塗工液はフィラーを含有してもよい。フィラーの種類、形状および含有量は限定されない。塗工液がフィラーを含有することにより、塗工液から形成されたハードコート層12を備える第1積層体10の硬度を高めることが容易となる。本実施形態に係る塗工液がフィラーを含有する場合において、塗工液に含有されるフィラーは、1種類から構成されていてもよいし、2種類以上から構成されていてもよい。
【0035】
フィラーは無機系の材料を含有してもよいし、有機系の材料を含有してもよいが、第1積層体10の硬度を高めることが容易である観点から、フィラーは無機系の材料を含有することが好ましく、無機系の材料から構成されることがより好ましい。
【0036】
無機系のフィラーを与える材料として、シリカ、酸化アルミニウム、ジルコニア、チタニア、酸化亜鉛、酸化ゲルマニウム、酸化インジウム、酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化アンチモン、酸化セリウム等の金属酸化物;フッ化マグネシウム、フッ化ナトリウム等の金属フッ化物などが挙げられる。第1積層体10が全光線透過率に関する規定を満たす限り、金属、金属硫化物、金属窒化物などを用いてもよい。
【0037】
これらの中でも、第1積層体10の硬度を高めることがより容易であること、入手が容易であることなどから、無機系のフィラーを与える材料としてシリカ、酸化アルミニウムが好ましい。ハードコート層12の屈折率を高める観点から、塗工液は、ジルコニア、チタニア、酸化アンチモンなどからなるフィラーを含有してもよい。逆に、ハードコート層12の屈折率を低下させる観点から、塗工液は、フッ化マグネシウム、フッ化ナトリウム等のフッ化物からなるフィラー、中空シリカフィラーなどを含有してもよい。ハードコート層12に帯電防止性、導電性を付与する観点から、塗工液は、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化スズなどからなるフィラーを含有してもよい。
【0038】
フィラーの表面は化学修飾されていてもよい。化学修飾の具体的な構成は限定されない。一例として、シランカップリング剤などを介して、重合性化合物と同様にエネルギー重合性官能基を有することが挙げられる。この場合には、フィラーと重合性化合物との間で剥離が生じにくくなり、第1積層体10の硬度が高くなるといった好ましい傾向がみられやすくなる。本明細書において、エネルギー重合性官能基を有するシリカを反応性シリカといい、エネルギー重合性官能基を有さないシリカを非反応性シリカという。
【0039】
フィラーの形状は球状であってもよいし、非球状であってもよい。非球状である場合には、不定形であってもよいし、針状、鱗片状といったアスペクト比が高い形状であってもよい。第1積層体10から形成されるハードコートフィルムを透明基板として適用しやすくなることから、フィラーは球状であることが好ましい場合もある。
【0040】
フィラーの大きさも限定されない。フィラーの平均粒径は、通常、5nm程度から2μm程度であり、第1積層体10から形成されるハードコートフィルムを透明基板として適用しやすくなることから、フィラーの平均粒径は、5nm以上100nm以下であることが好ましい場合もある。なお、本明細書におけるフィラーの1μm未満の平均粒径は、粒度分布測定装置(日機装社製,ナノトラックWave−UT151)を使用して、動的光散乱法により測定した値とする。また、フィラーの1μm以上の平均粒径は、粒度分布測定装置(日機装社製,マイクロトラックMT3000II)を使用して、レーザー回折・散乱法により測定した値とする。
【0041】
本実施形態に係る塗工液がフィラーを含有する場合において、塗工液におけるフィラーの含有量は限定されない。第1積層体10の硬度、塗膜からハードコート層12が形成される際の収縮の程度、第1積層体10から形成されるハードコートフィルムの透明基板として適用しやすさなどを所望の範囲に設定できるように、適宜設定すればよい。例示的に具体的な数値範囲を示せば、ハードコート層12おける体積含有率として、20体積%以上95体積%以下程度が挙げられ、35体積%以上80体積%以下が好ましい場合があり、40体積%以上60体積%以下がより好ましい場合がある。
【0042】
(1−2−3)重合開始剤
本実施形態に係る塗工液は重合開始剤を含有してもよい。本実施形態に係る塗工液が重合開始剤を含有する場合において、塗工液に含有される重合開始剤の種類は限定されない。重合開始剤は、光重合開始剤および熱重合開始剤のいずれであってもよく、塗工液に双方が含有されていてもよい。重合開始剤を含有することにより、塗工液の塗膜に対して紫外線を照射したり塗膜に熱を与えたりすることで、塗膜内の重合性化合物の重合反応を進行させることが可能となる。
【0043】
光重合開始剤としては、例えば、アシルフォスフィンオキサイド系、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、ベンゾイン系、チオキサントン系、およびイミダゾール系光重合開始剤等が挙げられる。
【0044】
アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
【0045】
アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、ベンジルジメチルケタール、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンなどが挙げられる。
【0046】
ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4,4’−ビス−ジメチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0047】
ベンゾイン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物などが挙げられる。
【0048】
チオキサントン系光重合開始剤としては、例えば、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントンなどが挙げられる。
【0049】
イミダゾール系光重合開始剤としては、例えば、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビスイミダゾリル、2,2'−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ−(p−メトキシフェニル)ビスイミダゾリル、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等のヘキサアリールビスイミダゾール系化合物などが挙げられる。
【0050】
これらの光重合開始剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0051】
また、熱重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ジアセチルパーオキシドのような有機過酸化物;2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2'−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]のようなアゾ系化合物が挙げられる。
【0052】
これらの熱重合開始剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0053】
これらの重合開始剤の中でも、反応性の制御しやすさの観点から、光重合開始剤が好ましい。光重合開始剤の中でも、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤や、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン等アセトフェノン系光重合開始剤が好ましい。
【0054】
上記の重合開始剤の使用量は特に限定されない。例示的に具体的な数値範囲を示せば、重合性化合物100質量部に対して、1〜15質量部の範囲が挙げられ、2〜10質量部の範囲が好ましい範囲として例示される。
【0055】
本実施形態に係る塗工液が含有する重合開始剤が光重合開始剤である場合には、本実施形態に係る塗工液は、光重合開始剤とともに、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類のような光増感剤を併用してもよい。これらの光増感剤は、単独または2種以上を混合して使用することができる。
【0056】
(1−2−4)その他の成分
本実施形態に係る塗工液は、重合性化合物に加えて、必要に応じ、前述したフィラー、重合開始剤など、さらには各種添加成分、例えばレベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、光安定剤、消泡剤などを含有してもよい。本実施形態に係る塗工液は、これらの有効成分に加えて、必要に応じ、溶媒を含有して、コーティングに適した濃度および粘度に調整するのがよい。
【0057】
この際用いる溶媒としては、例えばヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、メチルイソブチルケトン、イソホロン等のケトン;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル;エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒などが挙げられる。
【0058】
(1−2−5)硬度、厚さ等
第1積層体10の面の硬度は高ければ高いほど好ましい。具体的には、第1積層体10の少なくとも一方の面は、鉛筆硬度が3H以上であり、5H以上であることが好ましく、7H以上であることがより好ましい。本明細書において、被測定面の硬度を示す「鉛筆硬度」とは、JIS K5600−5−4(ISO/DIS 15184:1996、塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第4節:引っかき硬度(鉛筆法))に準拠して測定される鉛筆硬度を意味する。上記のように第1積層体10の面の硬度が高くても、本実施形態に係る積層部材100から第1積層体10の切断体として得られるハードコートフィルムには切断部近傍に割れが生じにくい。
【0059】
ハードコート層12の厚さは特に限定されない。一例を挙げれば、1μm以上100μm以下であり、3μm以上100μm以下であることがより好ましく、5μm以上50μm以下であることが特に好ましい。鉛筆硬度が3H以上である面に最も近位なハードコート層12は、厚さが7μm以上50μm以下であることが好ましい。
【0060】
(1−3)第1積層体の積層構造
第1積層体10の積層構造は限定されない。
図1に示されるように、基材11およびハードコート層12を1つずつ備え、これらが積層した構造を有していてもよい。
【0061】
第1積層体10は、
図2に示されるように、2つのハードコート層12a,12bを備え、2つのハードコート層12a,12bの間に基材11は位置する構造を有していてもよい。この構造の場合には、第1積層体10の硬度を高めることがより容易になることもある。
【0062】
第1積層体10は、
図3に示されるように、2つの基材11a,11b、および3つのハードコート層12a,12b,12cを備え、2つの基材11a,11bは、それぞれ、2つのハードコート層の間に位置する構造を有していてもよい。
図3では、第1積層体10は、ハードコート層12c、基材11b、ハードコート層12b、基材11a、ハードコート層12aの順番に配置されている。
【0063】
(1−4)厚さ
本実施形態に係る第1積層体10の厚さは、第1積層体10の切断体がハードコートフィルムとなること、および積層部材100が後述する中立面に関する規定を満たすことを考慮して適宜設定される。限定されない例として、本実施形態に係る第1積層体10の厚さは、20μmから300μm程度の範囲内であり、30μm以上250μm以下であることが好ましい場合もあり、40μm以上230μm以下であることが好ましい場合もある。
【0064】
(1−5)全光線透過率
本実施形態に係る第1積層体10は、JIS K7361−1に準拠して厚さ方向に測定された全光線透過率(以下、「全光線透過率」と略記する。)が85%以上であることが好ましい。この全光線透過率が85%以上であることにより、画像表示デバイスの表示側の保護部材として用いられる透明基板として好ましく使用することが可能となる。上記の保護部材への適用性を高める観点から、全光線透過率は90%以上であることが好ましい。なお、この全光線透過率を測定する際の第1積層体10の厚さは特定されない。
【0065】
(2)第2積層体
第2積層体20は、保護フィルム21と保護フィルム21の一方の面に積層された粘着剤層22とを備え、その一方の面が粘着剤層22の面からなる。この粘着剤層22の面が第1積層体10の一方の面に接するように、第2積層体20は第1積層体10に積層されている。このとき、第2積層体20の粘着剤層22の面は、第1積層体10のハードコート層12の面に接していることが好ましい。
【0066】
保護フィルム21の具体的な組成や構造は限定されない。保護フィルム21は、前述の基材11と同様の材料から構成されていてもよい。
【0067】
保護フィルム21の厚さは、積層部材100が後述する中立面に関する規定を満たすことができる限り、限定されない。一例として、10μmから500μmの範囲が挙げられる。保護フィルム21の厚さは25μm以上200μm以下であることが好ましい場合もある。
【0068】
粘着剤層22を構成する粘着性組成物の組成は特に限定されない。主成分である粘着剤としてゴム系、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系等の粘着剤が例示され、これらの1種類を使用してもよいし、2種類以上を使用してもよい。また、粘着剤層22は積層構造を有していてもよい。
【0069】
上記のうちアクリル系の粘着剤についてやや詳しく説明すれば、官能基含有モノマーと、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の他のモノマーとを共重合して得られるアクリル系共重合体を主成分とする。粘着性組成物は必要に応じて、架橋剤、粘着付与剤、充填剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等をさらに含んでいてもよい。
【0070】
官能基含有モノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマーやアクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の水酸基含有モノマーが挙げられる。官能基含有モノマーは、アクリル系共重合体を構成するモノマー全体を基準(100質量%)として、モノマー単位として0.3〜5.0質量%含むことが好ましい。アクリル系共重合体は、官能基を含有することにより、架橋剤との反応で凝集力を調整することができ、粘着力および耐熱性を向上させることができる。
【0071】
粘着性組成物に使用される架橋剤としては、特に制限はなく、アクリル系の材料を主成分とする粘着性組成物において慣用されているものの中から適宜選択して用いられ、例えば、ポリイソシアネート化合物、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ジアルデヒド類、メチロールポリマー、アジリジン系化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩などが用いられ、好ましくはポリイソシアネート化合物が用いられる。
【0072】
後述するように、ハードコートフィルムを製造する際に、第2積層体20は第1積層体10から剥離されるため、粘着剤層22は再剥離性を有していることが好ましい。この再剥離性は、第2積層体20の粘着剤層22の面の第1積層体10に対する貼付段階での粘着性が比較的低いことによって実現されてもよいし、粘着剤層22に例えば反応性物質を含有させて、第2積層体20の粘着剤層22の面の第1積層体10に対する粘着性を低減可能な状態としていてもよい。
【0073】
粘着剤層22の厚さは特に限定されない。用途に応じて適宜設定されるべきものであり、通常、0.5μm以上100μm以下程度とされ、1μm以上30μm以下程度とすることが好ましい場合があり、5μm以上20μm以下程度とすることがより好ましい場合がある。
【0074】
(3)中立面
本発明の一実施形態に係る積層部材100は、積層部材100の中立面S
bよりも、積層部材100の厚さt(単位:μm)の40%に相当する厚さ、つまり0.4t分、積層部材100の第2積層体20側の面(以下、「第2面」ともいう。)S
2に近位に位置する面である第1臨界面S
t1よりも、積層部材100の第1積層体10側の面(以下、「第1面」ともいう。)S
1側に、第1積層体10と第2積層体20との界面S
iが位置する。
【0075】
ここで、n層の積層体の中立面の位置P
b(積層体における基準となる層側の面から中立面までの厚さの積層体全体の厚さtに対する比率、単位:%)は、下記式(1)から(3)に示されるように、各層のヤング率および厚さから求めることができる。
P
b=P’/P” (1)
P’=E
1t
1×0.5×t
1/2+E
2t
2×(t
1+0.5×t
2)+E3t
3×(t
1+t
2+0.5×t
3)+・・・+E
nt
n×(h−0.5×t
n) (2)
P”=E
1t
1+E
2t
2+E
3t
3+・・・+E
nt
n (3)
ここで、E
iは基準となる層を第1層としたときの第i層のヤング率、t
iは第i層の厚さである。
【0076】
本明細書において、積層部材100の中立面S
bの位置P
bを算出するために上記式(1)から(3)を適用するに当たり、基準となる層は積層部材100の第2積層体20側の面に最も近位な層であり、通常は、保護フィルム21が該当する。
【0077】
図4に概念的に示されるように、積層体Lに対して裁断、打ち抜きなどの切断加工を行う場合には、切断刃Bが与える積層体Lの面内方向の力は中立面S
bを境にして逆転する。すなわち、切断加工において、積層体Lにおける切断刃Bが最初に接触する面(以下、「加工面」ともいう。)S
cと中立面S
bとの間では、面内方向には引張力が働く。一方、積層体Lにおける加工面S
cの反対側の面S
aと中立面S
bとの間では、面内方向には圧縮力が働く。面内方向に圧縮力が働いている場合には、その面に位置する層の破壊が生じにくい。これに対し、面内方向に働く引張力が大きくなると、その面に位置する層の破壊が生じやすくなる。後述する実施例から示されるように、中立面S
bから、積層部材100の厚さtの40%に相当する厚さ、つまり0.4t分、加工面S
c側に寄った面である第1臨界面S
t1以上に加工面S
c側に位置する領域では、積層部材100内の層が破壊されやすくなる傾向が顕著となる。
【0078】
そこで、本発明の一実施形態に係る積層部材100では、中立面S
bよりも0.4t分、積層部材100の第2面S
2に近位に位置する面である第1臨界面S
t1よりも第1面S
1側に、第1積層体10と第2積層体20との界面S
iが位置するようにする。このようにすることで、積層部材100を第2面S
2側から切断加工を行ったときに、第1積層体10のハードコート層12は、常に、積層部材100の第1臨界面S
s1よりも遠位な位置に存在することになる。それゆえ、積層部材100の切断加工中にハードコート層12の面内方向に作用する力は圧縮力または緩やかな引張力となり、切断加工中にハードコート層12の破壊が生じにくくなる。
【0079】
積層部材100の中立面S
bの位置P
bを算出する際の基準は、上記のように第2面S
2であることから、積層部材100の厚さt、第2積層体の厚さt
s2および中立面S
bの位置P
bを用いて、上記の関係を下記式(4)のように記述することができる。
P
b−t
s2<0.4t (4)
【0080】
切断加工中にハードコート層12の破壊が生じにくくなることをより安定的に実現させる観点から、第1積層体10と第2積層体20との界面S
iは、積層部材100の中立面S
bよりも、0.3t分第2面S
2側に位置する面である第2臨界面S
t2よりも第1面S
1側に位置することが好ましく、0.2t分第2面S
2側に位置する面である第3臨界面S
t3よりも第1面S
1側に位置することがより好ましく、積層部材100の中立面S
bよりも第1面S
1側に位置することが特に好ましい。
【0081】
上記の好ましい関係およびより好ましい関係は、それぞれ、下記式(5)から(7)により表すことができる。
P
b−t
s2≦0.3t (5)
P
b−t
s2≦0.2t (6)
P
b−t
s2≦0 (7)
【0082】
上記式(4)から(7)は、積層部材100の厚さtで規格化して、下記式(8)から(11)のように示すことも可能である。
R
b−R
s2<0.4 (8)
R
b−R
s2≦0.3 (9)
R
b−R
s2≦0.2 (10)
R
b−R
s2≦0 (11)
【0083】
ここで、R
bは、P
b/tであり、R
s2は、t
s2/tである。したがって、R
b−R
s2は(P
b−t
s2)/tである。本明細書においてR
b−R
s2を「比率R」ともいう。本実施形態に係る積層部材100は、比率Rが0.4未満であり、比率Rが0.3以下であることが好ましく、比率Rが0.2以下であることがより好ましく、比率Rが0以下であることが特に好ましい。切断加工中にハードコート層12の破壊を生じにくくする観点からは、比率Rの下限は限定されない。
【0084】
(4)耐屈曲性
本実施形態に係る積層部材100は、JIS K5600−5−1に準拠した円筒形マンドレル法による耐屈曲性試験を、第2積層体20側が凸になるように行ったときに、割れの起こらなかったマンドレルのうち直径が最小のマンドレルの直径(以下、「最小マンドレル直径」ともいう。)が25mm以下であることが好ましい。より優れた耐屈曲性を備える観点から、本実施形態に係る第1積層体10は、最小マンドレル直径が、20mm以下であることが好ましく、18mm以下であることがより好ましく、13mm以下であることが特に好ましい。
【0085】
2.積層部材の製造方法
本実施形態に係る積層部材100の製造方法は限定されない。次に説明する製造方法によれば、
図1に示される積層部材100を効率的に製造することができる。
【0086】
(1)第1積層体の製造
ハードコート層12を形成するための塗工液を基材11の一方の面上に塗布することを含んで、基材11と当該基材11の一方の面上に形成された塗工液の塗膜とを備える積層体を形成する。塗工液の塗布量は限定されない。塗布により得られた塗膜から形成されるハードコート層12の厚さに応じて適宜設定される。塗布手法も特に限定されない。例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などが例示される。
【0087】
上記の塗膜と基材11とからなる積層体の塗膜側の面に、工程フィルム3の剥離面を貼付し、工程フィルム3、塗膜および基材11からなる積層体(以下、この積層体を「積層体(α)」ともいう。)を得る。工程フィルムの具体的な構成は限定されない。塗膜にエネルギー線を導くことが容易とする観点から、工程フィルムは基材11と同様に透明なプラスチックフィルムから構成されることが好ましい場合もある。
【0088】
この積層体(α)に対して、塗膜が含有する重合性化合物の重合反応を進行させる重合工程を実施することにより、上記の塗膜からハードコート層12を形成する。こうして、基材11と、基材11の一方の面に積層されたハードコート層12とを備える第1積層体10が、ハードコート層12の基材11側と反対側の面に工程フィルム3が貼付された状態で得られる。
【0089】
重合性化合物の重合反応を進行させるためのエネルギーとしては、熱やエネルギー線が挙げられ、エネルギー線とは電離放射線、すなわち、X線、紫外線、電子線などが挙げられる。これらのうちでも、比較的照射設備の導入の容易な紫外線が好ましい。
【0090】
電離放射線として紫外線を用いる場合には、取り扱いのしやすさから波長200〜380nm程度の紫外線を含む近紫外線を用いればよい。紫外線量としては、重合性化合物の種類やハードコート層12の厚さに応じて適宜選択すればよく、通常50〜700mJ/cm
2程度であり、200〜600mJ/cm
2が好ましく、200〜500mJ/cm
2がより好ましい。また、紫外線照度は、通常50〜500mW/cm
2程度であり、100〜450mW/cm
2が好ましく、200〜400mW/cm
2がより好ましい。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、紫外線域の発光ダイオード(UV−LED)などが用いられる。
【0091】
図2に示される、ハードコート層12を2層(ハードコート層12a,12b)備える第1積層体10は、次の様にして製造することができる。上記の積層体(α)における基材11の面に、上記の塗工液を塗布して、工程フィルム3、塗膜、基材11および塗膜からなる積層体を得る。この積層体に対して重合工程を実施することにより、ハードコート層12a、基材11、ハードコート層12bおよび工程フィルムからなる、
図2に示される第1積層体10が、ハードコート層12bの基材11に対向する側と反対側の面に工程フィルム3が貼付された状態で得られる。
【0092】
図3に示される、ハードコート層12を3層(ハードコート層12a,12b,12c)備える第1積層体10は、次の様にして製造することができる。まず、上記の積層体(α)を用意し、重合工程を実施して、基材11a、ハードコート層12aおよび工程フィルム3からなる積層体を得る。次に、基材11bを別途用意し、その一方の面上に上記の塗工液を塗布して塗膜を得る。得られた基材11bおよび塗膜からなる積層体の塗膜側の面を、上記の積層体の基材11a側の面に貼付して、基材11b、塗膜、基材11a、ハードコート層12aおよび工程フィルム3からなる積層体を得る。この積層体に対して重合工程を実施して、基材11b、ハードコート層12b、基材11a、ハードコート層12aおよび工程フィルム3からなる積層体を得る。この積層体の基材11b側の面上に上記の塗工液を塗布して塗膜を得る。こうして得られた、塗膜、基材11b、ハードコート層12b、基材11a、ハードコート層12aおよび工程フィルム3からなる積層体に対して重合工程を実施することにより、ハードコート層12a、基材11a、ハードコート層12b、基材11b、ハードコート層12cからなる、
図3に示される第1積層体が、ハードコート層12aの基材11aに対向する側と反対側の面に工程フィルム3が貼付された状態で得られる。
【0093】
(2)第2積層体の製造
保護フィルム21の一方の面に、粘着剤層22を形成するための粘着剤組成物を塗布することを含んで、保護フィルム21と粘着剤層22とを備える第2積層体20を形成する。粘着剤組成物の塗布量は限定されない。塗布により得られた塗膜から形成される粘着剤層22の厚さに応じて適宜設定される。塗布手法も特に限定されない。例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などが例示される。必要に応じ、塗膜を乾燥して、塗膜内に含有される揮発性成分、特に溶媒を除去することにより粘着剤層22を得てもよい。乾燥する場合におけるその条件は任意であり、例えば、80〜140℃で数分間〜数十分間乾燥させることが挙げられる。
【0094】
(3)積層部材の製造
続いて、第1積層体10の面と、第2積層体20の粘着剤層22の面とを貼合して、積層部材100を得る。第1積層体10と第2積層体20との貼合方法は限定されない。第1積層体10を製造する際に用いた工程フィルム3は、剥がしてもよいし、そのまま用いて積層部材100の一部としてもよい。工程フィルム3を剥離することなくハードコートフィルムを製造する工程を実施する方が、第1積層体10における第2積層体20が保護する面と反対側の面を保護する保護フィルムとして工程フィルム3が機能するため、好ましい。
【0095】
3.ハードコートフィルムの製造方法
上記の積層部材100を用いて、次の様な製造方法を実施することにより、ハードコートフィルムを効率的かつ高品質に製造することができる。
【0096】
まず、第2積層体20側の面から切断刃により積層部材100を切断する切断加工を行い、第1積層体10の切断体と第2積層体20の切断体とを備える積層部材100の切断体を得る切断工程を実施する。切断加工の具体的な方法は限定されない。直線状または曲線状の刃を用いた押切であってもよいし、回転刃を回転させながら切断してもよい。また、裁断であってもよいし、抜き加工であってもよい。
【0097】
このような、一般的な切断加工を含む切断工程であっても、本実施形態に係る積層部材100は、前述のように、第1積層体10が備えるハードコート層12に加わる面内方向の力が圧縮力または緩やかな引張力となるため、切断工程中にハードコート層12に割れが生じにくくなる。
【0098】
こうして、積層部材100の切断体を得たら、この積層部材100の切断体から第2積層体20の切断体を除去して、第1積層体10の切断体を、ハードコートフィルムとして得る除去工程を実施する。第2積層体20の切断体の除去方法は任意である。粘着剤層22の性質によっては、この除去を容易にすることを目的とする作業、例えば、エネルギー線照射などが、除去前に追加的に含まれていてもよい。
【0099】
以上の製造方法によれば、切断工程を経て得られた積層部材100の切断体に割れやかけが生じにくいため、除去工程を経て得られたハードコートフィルムにも割れやかけが生じにくい。
【0100】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0101】
例えば、積層部材100は、切断工程においてハードコート層12に面内方向の力が付与される場合に、その力が圧縮力または緩やかな引張力となることが実現できる限り、第1積層体10の第2積層体20に対向する側と反対側の面に、別の層(本明細書において「付加層」ともいう。)が積層されていてもよい。付加層として、ハードコート層12を形成する際に用いた工程フィルム3や、第2積層体20と同様に保護フィルムと粘着剤層とを備える積層体が例示される。付加層が貼付されている場合には、積層部材100の厚さtは、第1積層体10の厚さt
s1、第2積層体20の厚さt
s2および付加層の厚さの総和として求められる。したがって、積層部材100の中立面S
bの位置P
bの算出においても、付加層の厚さおよびヤング率(付加層が積層構造を有している場合には各層の厚さおよびヤング率)が考慮される。
【0102】
第1積層体10の切断体に付加層が貼付されている場合には、ハードコートフィルムの製造方法において、切断工程において付加層の切断体は形成されてもよいし、形成されなくてもよい。除去工程では、付加層における、第1積層体10の切断体に接している部分を、第1積層体10の切断体から除去して、ハードコートフィルムを得ればよい。
【実施例】
【0103】
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
【0104】
〔実施例1〕
重合性化合物およびフィラーを含む成分として、JSR社製の有機無機ハイブリッド材料「オプスター(登録商標、以下表示を省略)Z7530」(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを40質量部、反応性シリカ(平均粒径20nm)を60質量部、および光重合開始剤を含む)からなる塗工液を調製した。
【0105】
厚さ75μmの透明なポリエチレンテレフタレート製フィルムからなる基材の一方の面上に、上記の塗工液を、マイヤーバーにて、重合反応後の厚さが30μmとなる量塗布して、塗膜上に、厚さ30μmの透明なポリエチレンテレフタレートの片面に剥離剤が塗布されている工程フィルムにおける剥離剤が塗布された側の面(剥離面)を積層して、基材、塗膜および工程フィルムからなる積層体を得た。
【0106】
得られた積層体に対して、その基材側の面側から、高圧水銀ランプ(アイグラフィックス社製、照度200mW/cm
2)を用いて、照射量が500mJ/cm
2となるように光を照射する重合工程を行った。この重合工程により、塗膜を硬化させて厚さ30μmのハードコート層とした。
【0107】
得られた積層体の基材側の面に、上記の塗工液を、マイヤーバーにて、重合反応後の厚さが30μmとなる量塗布して、塗膜、基材、ハードコート層および工程フィルムからなる積層体を得た。
【0108】
得られた積層体に対して、その塗膜の面側から、高圧水銀ランプ(アイグラフィックス社製、照度200mW/cm
2)を用いて、照射量が500mJ/cm
2となるように光を照射する重合工程を行った。この重合工程により、塗膜を硬化させて厚さ30μmのハードコート層とした。
【0109】
こうして、厚さ30μmのハードコート層、厚さ75μmの基材および厚さ30μmのハードコート層からなる第1積層体を、一方のハードコート層上に厚さ30μmの工程フィルムが貼付された状態で得た。
【0110】
得られた第1積層体における露出しているハードコート層の面に、厚さ188μmの保護フィルムと厚さ7μmの粘着剤層とからなる第2積層体の粘着剤層の面を貼付して、第1積層体および第2積層体を備え、第1積層体の第2積層体に対向する面と反対側の面に積層された付加層としての工程フィルムを備える積層部材を得た。
【0111】
得られた積層部材の第2積層体側の面から、打ち抜き加工または裁断加工による切断工程を行い、第1積層体の切断体と第2積層体の切断体とを備える積層部材の切断体を得た。この積層部材の切断体から第2積層体の切断体を除去して、第1積層体の切断体からなるハードコートフィルムを、工程フィルムが一方の面に貼付された状態で得た。
【0112】
打ち抜き加工は、卓上型エアー式試料裁断装置(ダンベル社製「SDAP−100N」)に積層部材をセットし、ピナクル刃(塚谷刃物社製)を用いて行った。裁断加工は、2軸スリッター(トイザキ物産社製)にロール状の積層部材をセットし、ロール刃を用いて行った。
【0113】
本実施例に係る積層部材における次の値を、表1に示した。他の実施例および比較例においても同様に表1に示した。
積層部材の厚さt
第2積層体の厚さt
s2
中立面S
bの位置P
b
比率R
【0114】
実施例および比較例により製造した積層部材等の中立面S
bの位置P
bの計算において、基材、保護フィルムおよび工程フィルムのヤング率を3GPaとし、ハードコート層のヤング率を10GPaとし、粘着剤層のヤング率を0.01MPaとした。他の実施例および比較例についても同様とした。
【0115】
また、実施例および比較例により製造した積層部材等の中立面S
bの位置P
bの計算は、打ち抜き加工または裁断加工が行われる面を基準とした。実施例では積層部材の第2積層体の面(具体的には保護フィルムからなる面)が基準の面となった。比較例では、第2積層体を備えない場合や、積層部材の第2積層体に遠位な面側から切断加工を行う場合があったことから、このような場合には、厚さt
s2に代えて、切断加工における加工面を基準の面とし、加工面に最も近位なハードコート層における加工面に近位な側の面の、加工面からの距離dを表示した。厚さt
s2に代えて距離dを用いたときは、比率Rは(P
b−d)/tとした。
【0116】
〔実施例2〕
保護フィルムの厚さを125μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、積層部材およびハードコートフィルムを得た。
【0117】
〔実施例3〕
保護フィルムの厚さを100μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、積層部材およびハードコートフィルムを得た。
【0118】
〔実施例4〕
保護フィルムの厚さを75μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、積層部材およびハードコートフィルムを得た。
【0119】
〔実施例5〕
保護フィルムの厚さを50μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、積層部材およびハードコートフィルムを得た。
【0120】
〔実施例6〕
保護フィルムの厚さを25μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、積層部材およびハードコートフィルムを得た。
【0121】
〔実施例7〕
以下の変更点以外は、実施例1と同様にして、積層部材およびハードコートフィルムを得た。
(変更点1)ハードコート層の厚さをいずれも10μmとした。
(変更点2)基材の厚さを100μmとした。
(変更点3)保護フィルムの厚さを100μmとした。
【0122】
〔実施例8〕
以下の変更点以外は、実施例1と同様にして、積層部材およびハードコートフィルムを得た。
(変更点1)ハードコート層の厚さをいずれも10μmとした。
(変更点2)保護フィルムの厚さを75μmとした。
【0123】
〔実施例9〕
ハードコート層の厚さをいずれも10μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、積層部材およびハードコートフィルムを得た。
【0124】
〔実施例10〕
以下の変更点以外は、実施例1と同様にして、積層部材およびハードコートフィルムを得た。
(変更点1)ハードコート層の厚さをいずれも10μmとした。
(変更点2)基材の厚さを25μmとした。
【0125】
〔実施例11〕
以下の変更点以外は、実施例1と同様にして、積層部材およびハードコートフィルムを得た。
(変更点1)ハードコート層の厚さをいずれも50μmとした。
(変更点2)基材の厚さを50μmとした。
【0126】
〔実施例12〕
以下の変更点以外は、実施例1と同様にして、積層部材およびハードコートフィルムを得た。
(変更点1)ハードコート層の厚さをいずれも10μmとした。
(変更点2)基材の厚さを25μmとした。
(変更点3)保護フィルムの厚さを25μmとした。
【0127】
〔実施例13〕
以下の変更点以外は、実施例1と同様にして、積層部材およびハードコートフィルムを得た。
(変更点1)ハードコート層の厚さをいずれも50μmとした。
(変更点2)基材の厚さを50μmとした。
(変更点3)保護フィルムの厚さを25μmとした。
【0128】
〔実施例14〕
付加層としての工程フィルムを剥離して積層部材を得て、この工程フィルムを備えない積層部材を切断工程に供したこと以外は、実施例1と同様にして、積層部材およびハードコートフィルムを得た。
【0129】
〔実施例15〕
第2積層体における粘着剤層の厚さを20μmに変更すること、および付加層としての工程フィルムを剥離して積層部材を得て、この工程フィルムを備えない積層部材を切断工程に供したこと以外は、実施例6と同様にして、積層部材およびハードコートフィルムを得た。
【0130】
〔実施例16〕
重合性化合物およびフィラーを含む成分として、JSR社製の有機無機ハイブリッド材料「オプスターZ7530」(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを40質量部、反応性シリカを60質量部、および光重合開始剤を含む)からなる塗工液を調製した。
【0131】
厚さ25μmの透明なポリエチレンテレフタレート製フィルムからなる基材の一方の面上に、上記の塗工液を、マイヤーバーにて、重合反応後の厚さが25μmとなる量塗布して、塗膜上に、厚さ25μmの透明なポリエチレンテレフタレート製フィルムからなる基材を積層して、基材、塗膜および基材からなる積層体を得た。
【0132】
得られた積層体に対して、その一方の基材の面側から、高圧水銀ランプ(アイグラフィックス社製、照度200mW/cm
2)を用いて、照射量が500mJ/cm
2となるように光を照射する重合工程を行った。この重合工程により、塗膜を硬化させて厚さ25μmのハードコート層とした。
【0133】
得られた積層体における、後から積層した方の基材の面に、上記の塗工液を、マイヤーバーにて、重合反応後の厚さが25μmとなる量塗布した。得られた塗膜上に、厚さ30μmの透明な工程フィルムの剥離剤が塗布された側の面(剥離面)を積層して、基材、ハードコート層、基材、塗膜および工程フィルムからなる積層体を得た。
【0134】
得られた積層体に対して、その工程フィルムの面側から、高圧水銀ランプ(アイグラフィックス社製、照度200mW/cm
2)を用いて、照射量が500mJ/cm
2となるように光を照射する重合工程を行った。この重合工程により、塗膜を硬化させて厚さ25μmのハードコート層とした。こうして得られた、基材、ハードコート層、基材、ハードコート層および工程フィルムからなる積層体を「積層体(β)」という。
【0135】
別途、透明の工程フィルム上に、上記の塗工液を、マイヤーバーにて、重合反応後の厚さが25μmとなる量塗布した。得られた塗膜と工程フィルムとからなる積層体の塗膜側の面を、積層体(β)の基材の面に積層した。
【0136】
得られた積層体に対して、塗膜に近位な工程フィルムの面側から、高圧水銀ランプ(アイグラフィックス社製、照度200mW/cm
2)を用いて、照射量が500mJ/cm
2となるように光を照射する重合工程を行った。この重合工程により、塗膜を硬化させて厚さ25μmのハードコート層とした。その後、この重合工程により形成されたハードコート層に貼付していた工程フィルムを剥離した。
【0137】
こうして、厚さ25μmのハードコート層、厚さ25μmの基材、厚さ25μmのハードコート層、厚さ25μmの基材および厚さ25μmのハードコート層からなる第1積層体を、一方のハードコート層上に厚さ30μmの工程フィルムが貼付された状態で得た。
【0138】
得られた第1積層体における露出しているハードコート層の面に、厚さ188μm保護フィルムと厚さ7μmの粘着剤層とからなる第2積層体の粘着剤層の面を貼付して、第1積層体および第2積層体を備え、第1積層体の第2積層体に対向する面と反対側の面に積層された付加層としての工程フィルムを備える積層部材を得た。
【0139】
得られた積層部材の第2積層体側の面から、打ち抜き加工または裁断加工を含む切断工程を行い、第1積層体の切断体と第2積層体の切断体とを備える積層部材の切断体を得た。この積層部材の切断体から第2積層体の切断体を除去して、第1積層体の切断体からなるハードコートフィルムを、工程フィルムが一方の面に貼付された状態で得た。
【0140】
〔比較例1〕
重合性化合物およびフィラーを含む成分として、JSR社製の有機無機ハイブリッド材料「オプスターZ7530」(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを40質量部、反応性シリカを60質量部、および光重合開始剤を含む)からなる塗工液を調製した。
【0141】
厚さ75μmの透明なポリエチレンテレフタレート製フィルムからなる基材の一方の面上に、上記の塗工液を、マイヤーバーにて、重合反応後の厚さが30μmとなる量塗布して、塗膜上に、厚さ30μmの透明な工程フィルムの剥離剤が塗布された側の面(剥離面)を積層して、基材、塗膜および工程フィルムからなる積層体を得た。
【0142】
得られた積層体に対して、その基材の面側から、高圧水銀ランプ(アイグラフィックス社製、照度200mW/cm
2)を用いて、照射量が500mJ/cm
2となるように光を照射する重合工程を行った。この重合工程により、塗膜を硬化させて厚さ30μmのハードコート層とした。
【0143】
得られた積層体の基材の面に、上記の塗工液を、マイヤーバーにて、重合反応後の厚さが30μmとなる量塗布して、塗膜、基材、ハードコート層および工程フィルムからなる積層体を得た。
【0144】
得られた積層体に対して、その塗膜の面側から、高圧水銀ランプ(アイグラフィックス社製、照度200mW/cm
2)を用いて、照射量が500mJ/cm
2となるように光を照射する重合工程を行った。この重合工程により、塗膜を硬化させて厚さ30μmのハードコート層とした。
【0145】
得られた、ハードコート層、基材、ハードコート層および工程フィルムからなる積層体から工程フィルムを剥離して、厚さ30μmのハードコート層、厚さ75μmの基材および厚さ30μmのハードコート層からなる高硬度フィルム積層体を得た。
【0146】
こうして得られた高硬度フィルム積層体の一方のハードコート層の面を加工面として、打ち抜き加工または裁断加工を含む切断工程を行い、高硬度フィルム積層体の切断体からなるハードコートフィルムを得た。
【0147】
〔比較例2〕
高硬度フィルム積層体の製造過程で工程フィルムを剥離せず、切断工程の対象を、高硬度フィルム積層体と厚さ30μmの工程フィルムとの積層体とし、打ち抜き加工または裁断加工を工程フィルム側から行ったこと、すなわち、上記の積層体の加工面を工程フィルムの面としたこと以外は比較例1と同様にして、ハードコートフィルムを得た。
【0148】
〔比較例3〕
実施例1と同様にして得た積層部材について、工程フィルム側から打ち抜き加工または裁断加工を行ったこと、すなわち、上記の積層体の加工面を工程フィルムの面としたこと以外は実施例1と同様にして、ハードコートフィルムを得た。
【0149】
〔比較例4〕
実施例6と同様にして得た積層部材について、工程フィルム側から打ち抜き加工または裁断加工を行ったこと、すなわち、上記の積層体の加工面を工程フィルムの面としたこと以外は実施例6と同様にして、ハードコートフィルムを得た。
【0150】
〔比較例5〕
以下の変更点以外は、実施例1と同様にして、積層部材およびハードコートフィルムを得た。
(変更点1)ハードコート層の厚さをいずれも1μmとした。
(変更点2)基材の厚さを50μmとした。
【0151】
〔比較例6〕
保護フィルムの厚さを10μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、積層部材およびハードコートフィルムを得た。
【0152】
〔比較例7〕
以下の変更点以外は、実施例1と同様にして、積層部材およびハードコートフィルムを得た。
(変更点1)ハードコート層の厚さをいずれも75μmとした。
(変更点2)保護フィルムの厚さを10μmとした。
【0153】
〔比較例8〕
以下の変更点以外は、実施例1と同様にして、積層部材およびハードコートフィルムを得た。
(変更点1)保護フィルムの厚さを25μmとした。
(変更点2)工程フィルムを剥離した。
【0154】
〔比較例9〕
保護フィルムの厚さを25μmとしたこと以外は、実施例16と同様にして、積層部材およびハードコートフィルムを得た。
【0155】
〔試験例1〕<耐屈曲性(円筒マンドレル法)評価>
実施例および比較例において製造した積層部材について、JIS K5600−5−1に準拠した円筒形マンドレル法による耐屈曲性試験を実施した。割れの起こらなかったマンドレルのうち直径が最小のマンドレルの直径(最小マンドレル直径)を求めた。最小マンドレル直径が25mm以下である場合に良好と判定した。結果を表1に示す。なお、比較例1から4,6および7では、試験に用いた最大径のマンドレル(直径32mm)においても割れが認められたため、表1中では「32<」と表示した。
【0156】
〔試験例2〕<引っかき硬度(鉛筆法)評価>
実施例および比較例に係るハードコートフィルムのハードコート層の面の引っかき硬度を、JIS K5600−5−4(ISO/DIS 15184:1996、塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第4節:引っかき硬度(鉛筆法))に準拠して測定した。測定された鉛筆硬度を表1に示す。
【0157】
〔試験例3〕<クラック有無の評価>
実施例および比較例に係るハードコートフィルム(打ち抜き加工されたものもおよび裁断加工されたもの)の切断部近傍のクラックの有無の評価を次のようにして行った。光学顕微鏡(ハイロックス社製「KH−7700」)を用い、800倍の対物レンズを用いて、ハードコートフィルムの切断部近傍を観察した。切断部近傍の観察視野である400μm×400μmの領域を任意に選択し、その領域に長さ100μm以上のクラックが観察された場合に、クラックありと判断した。その領域に100μm以上のクラックが観察されなかった場合には、クラックなしと判断した。評価結果を表1に示す。表1において、「A」はクラックなしを意味し、「B」はクラックありを意味する。
【0158】
【表1】
【0159】
表1から分かるように、本発明の条件を満たす実施例の積層部材を用いて、第2積層体側の面から切断することにより、ハードコート層が高い硬度を有しながら、切断面近傍にクラックが認められないハードコートフィルムを製造することができた。