(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0012】
<第1実施形態>
図1〜
図4に示すように、触媒コンバータ1は、触媒を担持する触媒担体10と、触媒担体10を収容する筒状のケース15と、を備える。ケース15は、内燃機関の排気管(図示省略)に介装され、排気を触媒担体10内を通過させるようになっている。
【0013】
図中Oは、ケース15及び触媒担体10の中心線である。なお、「径方向」は触媒担体10の中心線Oを中心とする放射方向を意味し、「軸方向」は中心線Oが延在する方向を意味する。
【0014】
触媒コンバータ1は、触媒担体10の表面に触媒を担持させる。触媒としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウムなどが用いられる。これにより、触媒コンバータ1では、排気中の未燃焼成分や窒素酸化物などが、窒素、二酸化炭素、水などの無害な物質へと酸化、還元することが促され、排気が浄化される。
【0015】
図3に示すように、触媒担体10(ラスメタル担体)は、網目状に形成された網目状金属箔(エキスパンドメタル)からなるメッシュ材11と、同じく網目状金属箔を波形形状に加工したメッシュ材12とを重ねて巻回して、略円筒状のハニカム形状に形成される。触媒担体10は、軸方向に延びるハニカム流路6を有し、排気が軸方向に流れるようになっている。
【0016】
なお、触媒担体10は、上述した構成に限らず、網目を有さない薄板状に形成された金属箔によってハニカム形状に形成されるメタル担体であってもよい。
【0017】
図1、
図2に示すように、ケース15は、触媒担体10の外周に環状の間隙9を持って配置される円筒状のケース外筒20と、ケース外筒20の前後の開口端にそれぞれ接続される前後のケース流路筒16と、を備える。ケース外筒20及び各ケース流路筒16は、金属材によって形成される。
【0018】
前後のケース流路筒16は、互いに同一形状をしている。ケース流路筒16は、排気管に接続される鍔状のフランジ部17と、ケース外筒20の外周に結合される環状の端部19と、フランジ部17と端部19との間で円錐筒状に延びる流路筒部18と、を有する。前のケース流路筒16(ディフユーザ)は、排気管から
図1に矢印で示すように導かれる排気を触媒担体10に流入させる入口流路7を形成している。後のケース流路筒16は、触媒担体10から流出する排気を排気管へと矢印で示すように導く出口流路8を形成している。
【0019】
触媒コンバータ1は、ケース15の内周から触媒担体10の前後端10A、10Bに沿って突出するリング状のキャップ30を備える。前後のキャップ30は、互いに同一形状をしており、金属材をプレス加工することによって断面がL字形をしたリング状に形成される。触媒担体10は、前後のキャップ30の間に挟持されることにより、ケース15の軸方向について所定位置に支持される。
【0020】
図4に示すように、キャップ30は、ケース外筒20に結合されるケース側連結部32と、触媒担体10の前後端10A、10Bに当接する担体支持部31と、を有する。触媒コンバータ1は、触媒担体10の前後端10A、10Bが担体支持部31に摺接するとともに、担体支持部31が弾性変形することにより、ケース15に対する触媒担体10の熱膨張差が吸収されるようになっている。
【0021】
ケース側連結部32は、軸方向に延びる円筒状に形成される。ケース側連結部32は、ケース外筒20の内周に溶接またはロー付けによって結合される。
【0022】
担体支持部31は、径方向に延びるリング状(円盤状)に形成され、触媒担体10の前後端10A、10B(端面)に摺動自在に当接する。
【0023】
触媒コンバータ1は、ケース15と触媒担体10との間に介装される筒状の支持マット40を備える。支持マット40は、例えばセラミックスまたはグラスウールなどからなる断熱性を有する素材から構成される。触媒担体10は、支持マット40の内周に圧入され、支持マット40の弾性復元力によってケース外筒20に支持される。触媒担体10は、支持マット40に包囲されることにより、ケース15の径方向について所定位置に支持される。
【0024】
次に、触媒コンバータ1の作用について説明する。
【0025】
内燃機関の運転時、触媒コンバータ1では、支持マット40がケース外筒20と触媒担体10との間隙9を閉塞しているため、排気の全量が触媒担体10を通過するように導かれ、触媒担体10にて排気が浄化される。
【0026】
触媒コンバータ1では、排気が浄化される際に生じる熱によって触媒担体10の温度が上昇し、触媒担体10がケース15に対して熱膨張する。このとき、ケース15に対して径方向に生じる触媒担体10の熱膨張差は、支持マット40が伸縮するとともに、触媒担体10の前後端10A、10Bがキャップ30に摺接することにより吸収される。ケース15に対して軸方向に生じる触媒担体10の熱膨張差は、支持マット40が伸縮するとともに、キャップ30が撓む弾性変形をすることにより吸収される。これにより、触媒担体10に生じる
応力が小さく抑えられ、網目構造の触媒担体10が損傷することが防止される。
【0027】
支持マット40は、ケース15と触媒担体10との間を断熱することにより、外気に晒されるケース15により触媒担体10の温度が下がることを抑制して、触媒効率を高める。さらに、支持マット40がケース15から受ける衝撃、振動を吸収することにより、触媒担体10が損傷することが防止される。
【0028】
次に、第1実施形態の効果について説明する。
【0029】
本実施形態の触媒コンバータ1は、ケース15の内周と触媒担体10の外周との間に介装される支持マット40と、ケース15の径方向に突出して触媒担体10の前後端10A、10Bを摺動自在に支持する前後のキャップ30と、を備える。
【0030】
上記構成に基づき、触媒担体10は、ケース15に対して径方向に生じる熱膨張差がその前後端10A、10Bにキャップ30が摺接することにより吸収されるとともに、ケース15に対して軸方向に生じる熱膨張差がキャップ30の弾性変形により吸収される。これにより、触媒担体10のキャップ30に支持される部位に生じる応力が低減され、キャップ30に支持される部位の強度を十分に維持して確保することができる。こうして、触媒コンバータ1では、触媒担体10が損傷することが防止され、支持マット40の面圧が低下しても、触媒担体10が所定位置に支持される。この結果、触媒コンバータ1では、排気の通気抵抗が増えることが防止されるとともに、排気が触媒担体10を迂回して流れることが防止されるため、排気の浄化性能が維持される。
【0031】
<第2実施形態>
次に、
図5を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、上記第1実施形態の触媒コンバータ1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0032】
第1実施形態に係る触媒コンバータ1は、キャップ30がケース15と別体で形成される。これに対して、第2実施形態に係る触媒コンバータ100は、キャップ130がケース115と一体的に形成される点が相違する。
【0033】
ケース115は、触媒担体10の外周に間隙9を持って配置される円筒状のケース外筒20と、ケース外筒20の前後の開口端にそれぞれ接続される前後のケース流路筒116と、を備える。
【0034】
ケース流路筒116は、排気管に接続される鍔状のフランジ部117と、ケース外筒20に結合され触媒担体10の前後端10A、10Bに当接するリング状のキャップ130と、フランジ部117とキャップ130との間で円錐筒状に延びる流路筒部118と、を有する。
【0035】
キャップ130は、ケース外筒20に結合されるケース側連結部132と、触媒担体10の前後端10A、10Bに当接する担体支持部131と、を有する。
【0036】
担体支持部131は、径方向に延びるリング状(円盤状)に形成され、触媒担体10の前後端10A、10Bに摺動自在に当接する。
【0037】
ケース側連結部132は、軸方向に延びる円筒状に形成される。ケース側連結部132は、ケース外筒20の外周に溶接またはロー付けによって結合される。
【0038】
ケース流路筒116の流路筒部118は、担体支持部131の円盤部131Aに連接して形成される。
【0039】
次に、第2実施形態の効果について説明する。
【0040】
本実施形態のキャップ130は、ケース115と一体に形成されるため、触媒コンバータ100を構成する部品数が削減され、構造に簡素化が図れる。
【0041】
本実施形態のキャップ130は、リング状のキャップ130がケース115の触媒担体10に排気を導くケース流路筒116と一体に形成される。
【0042】
上記構成に基づき、ケース115は、ケース流路筒116の形状が簡素化され、排気を触媒担体10に円滑に導くことと、触媒担体10との熱膨張差を吸収することと、を両立することができる。
【0043】
<第3実施形態>
次に、
図6、
図7を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態の触媒コンバータ1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0044】
第1実施形態に係る触媒コンバータ1は、触媒担体10のまわりに筒状のキャップ30が設けられる。これに対して、第3実施形態に係る触媒コンバータ200は、触媒担体10の複数(4個)に分割された梁状のキャップ230が設けられる点が相違する。
【0045】
各キャップ230は、触媒担体10の中心線Oを中心とする放射状に配置され、触媒担体10の周方向について互いに一定の間隔を持つように配置される。
【0046】
キャップ230は、帯状の金属板をプレス加工により断面がL字形になるように折り曲げて形成される。キャップ230は、ケース外筒20に結合されるケース側結合部232と、触媒担体10の前後端10A、10Bに当接する担体支持部231と、を有する。
【0047】
ケース側結合部232は、軸方向に延びる片状に形成される。ケース側結合部232は、ケース外筒20の内周に溶接またはロー付けによって結合される。
【0048】
担体支持部231は、径方向に延びる片状に形成され、触媒担体10の前後端10A、10B(端面)に摺動自在に当接する。
【0049】
ケース15と触媒担体10との間には、支持マット40が介装される。ケース外筒20と触媒担体10との間隙9は、支持マット40によって閉塞される。このため、排気の全量が触媒担体10を通過するように導かれ、排気が浄化される。
【0050】
次に、第3実施形態の効果について説明する。
【0051】
本実施形態の触媒コンバータ200は、触媒担体10のまわりに配置される複数のキャップ230を備え、キャップ230はケース15から突出する片持ち梁状に形成される構成とした。
【0052】
上記構成に基づき、片持ち梁状のキャップ230が撓む弾性変形をすることにより、触媒担体10の熱膨張に追従する追従性を高められる。これにより、触媒担体10の担体支持部231が結合される部位に生じる
応力が小さく抑えられ、触媒担体10が損傷することが有効に防止される。
【0053】
梁状のキャップ230は、第1実施形態に係る筒状のキャップ30に比べて、触媒担体10のハニカム流路6の開口端を覆う面積が小さく抑えられる。これにより、触媒担体10は、キャップ230によって排気の流れが止められる部位が小さくなる。このため、触媒コンバータ200は、排気に与える流路抵抗が低減されるとともに、浄化性能を高められる。
【0054】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。