特許第6397739号(P6397739)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6397739
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】スチーム噴出器
(51)【国際特許分類】
   D06F 75/18 20060101AFI20180913BHJP
【FI】
   D06F75/18
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-240281(P2014-240281)
(22)【出願日】2014年11月27日
(65)【公開番号】特開2016-101246(P2016-101246A)
(43)【公開日】2016年6月2日
【審査請求日】2017年10月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000109325
【氏名又は名称】ツインバード工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080089
【弁理士】
【氏名又は名称】牛木 護
(74)【代理人】
【識別番号】100161665
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 知之
(74)【代理人】
【識別番号】100188994
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 裕介
(72)【発明者】
【氏名】太田 飛華吏
【審査官】 片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−245744(JP,A)
【文献】 特表2003−520640(JP,A)
【文献】 特開平01−201300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 75/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯水部と、ヒータにより内部空間が加熱される気化ユニットと、前記貯水部から前記気化ユニットへ水を送るための給水手段と、前記気化ユニット内で発生したスチームを噴出させるための噴出経路とを有するスチーム噴出器において、
内部に紫外線光源が設けられた照射ユニットを有し、
前記気化ユニットと前記照射ユニットとを接続するスチーム経路を設けると共に、
前記気化ユニットで発生したスチームが、前記スチーム経路から前記照射ユニットを経由して前記噴出経路から噴出されるように、前記噴出経路を前記照射ユニットに接続したことを特徴とするスチーム噴出器。
【請求項2】
前記気化ユニットを貫通して前記噴出経路を設けたことを特徴とする請求項1記載のスチーム噴出器。
【請求項3】
前記気化ユニットと一体に前記噴出経路を設けたことを特徴とする請求項2記載のスチーム噴出器。
【請求項4】
前記ヒータの近傍に前記噴出経路を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか
1項に記載のスチーム噴出器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類の皺や臭いを除去するために用いられるスチーム噴出器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のスチーム噴出器としては、ヒータ、気化室およびこの気化室に連通して下面に開口した噴出孔を有するベースと、このベースの上部に設けられたハンドルおよび水タンクと、この水タンクに設けられ水タンク内の水を上記ベースの気化室に供給する手動式のポンプ装置とを備えたスチームアイロンにおいて、上記ベースの下面に対して着脱自在に設けられ上記ベースの噴出孔からのスチームを外部に噴出させる噴出孔およびこの噴出孔を囲んで植設されたブラシを有するスチーマー体を具備したスチームアイロンが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平1−201300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようなスチーム噴出器は、少量の水を気化させてスチームにするため、スチームが見えにくく、どこにスチームを当てているか分かりにくいという問題があった。また、スチームの粒子が比較的大きいため、衣類の表面が湿ったようになってしまうという問題もあった。
【0005】
本発明は以上の問題点を解決し、スチームを見やすくして、衣類を湿らせずに、皺取りや除臭を効果的に行うことができるスチーム噴出器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載のスチーム噴出器は、貯水部と、ヒータにより内部空間が加熱される気化ユニットと、前記貯水部から前記気化ユニットへ水を送るための給水手段と、前記気化ユニット内で発生したスチームを噴出させるための噴出経路とを有するスチーム噴出器において、内部に紫外線光源が設けられた照射ユニットを有し、前記気化ユニットと前記照射ユニットとを接続するスチーム経路を設けると共に、前記気化ユニットで発生したスチームが、前記スチーム経路から前記照射ユニットを経由して前記噴出経路から噴出されるように、前記噴出経路を前記照射ユニットに接続したものである。
【0007】
また、本発明の請求項2に記載のスチーム噴出器は、請求項1において、前記気化ユニットを貫通して前記噴出経路を設けたものである。
【0008】
また、本発明の請求項3に記載のスチーム噴出器は、請求項2において、前記気化ユニットと一体に前記噴出経路を設けたものである。
【0009】
また、本発明の請求項4に記載のスチーム噴出器は、請求項1〜3のいずれか1項において、前記ヒータの近傍に前記噴出経路を設けたものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明のスチーム噴出器は、以上のように構成することにより、前記気化ユニット内で発生したスチームが、前記スチーム経路を経て前記照射ユニットに送られ、この照射ユニット内で紫外線が照射されることで、スチームの粒子が細分化される。この結果、スチームの粒子数が増加するので、前記噴出経路から噴出されるスチームを見やすくすることができる。また、スチームの粒子が細分化されて小さくなることで、このスチームが当てられる衣類の表面が湿ったようにならないようにすることができる。
【0011】
また、前記気化ユニットを貫通して前記噴出経路を設けたことで、前記気化ユニット内で発生させたスチームを前記照射ユニットに通すことでスチームの温度が下がっても、前記気化ユニット内を通過する際に再加熱されるので、スチームの温度を下げないようにして、衣類をより湿らせにくく、且つより効果的に皺や臭いを除去することができる。
【0012】
また、前記気化ユニットと一体に前記噴出経路を設けたことで、前記気化ユニットの熱で前記噴出経路を通過するスチームを効率良く再加熱することができる。
【0013】
また、前記ヒータの近傍に前記噴出経路を設けたことで、前記噴出経路を通過するスチームに前記ヒータからの熱を効率良く伝えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施例を示すスチームアイロンの主要な構成を示す模式図である。
図2】同上、側断面図である。
図3】同上、底面図である。
図4】同上、外観斜視図である。
図5】同上、アタッチメントを取り付けた状態の側断面図である。
図6】同上、アタッチメントを取り付けた状態の底面図である。
図7】同上、アタッチメントを取り付けた状態の外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明のスチーム噴出器の実施形態について、スチームアイロンを例にとって説明する。なお、本発明は、衣類の皺や臭いを除去するためにスチームを噴出する機能を有するあらゆるスチーム噴出器を対象とするものであり、スチームアイロンに限定されるものではない。
【実施例1】
【0016】
本実施例のスチームアイロンを示す図1〜4において、1はアイロン本体であり、アイロン本体1の底部には、アイロン掛け面としての底面壁2aを有するアイロンベース2が設けられている。
【0017】
アイロンベース2の上側には、アイロン本体1の下側の外郭を構成する下側カバー体3が接続し、この下側カバー体3の前部と後部における上端には、アイロン本体1の上側の外郭を構成する上側カバー体4の前部と後部がそれぞれ接続している。また、下側カバー体3の中央部における上端と、上側カバー体4の中央部における下端には、下側カバー体3と上側カバー体4に囲まれるようにして、中央カバー体5が接続している。この中央カバー体5の略中央には、使用者がスチームアイロンを把持する際に手を差し入れるための空間部5aが設けられている。そして、アイロンベース2、下側カバー体3、上側カバー体4、中央カバー体5により、アイロン本体1の外郭が構成されている。
【0018】
下側カバー体3の後部には、脚部3aが突設され、上側カバー体4の後部には、脚部4aが突設されている。そして、脚部3a,4aを載置面(図示せず)に接するよう載置面に載置することにより、アイロン本体1が前方を上方に向けて載置面に載置されるようになっている。
【0019】
上側カバー体4の上部前方には、給水蓋6が開閉自在に設けられており、給水蓋6を開けてアイロン本体1内部に設けられた貯水部7にスチーム発生用の水を入れることができるようになっている。また、中央カバー体5は、透明な材料から形成されており、貯水部7に収容された水の量を外部から視認できるようになっている。また、上側カバー体4の上部における給水蓋6の後方には、操作部8が設けられている。そして、操作部8を操作することにより、アイロン掛けの設定温度を切り替えできるようになっている。また、中央カバー体5の上部には、空間部5aに向けて下側に突出してスチームボタン9が設けられている。さらに、上側カバー体4の上部後方には、電源コード10が接続している。
【0020】
アイロンベース2の前方寄りには、スチームが噴出される複数の蒸気噴出孔2bが幅方向横一列に並んで、アイロンベース2を貫通して形成されている。
【0021】
また、アイロンベース2の上部には、水を蒸発させてスチームを発生させるための気化室2cが形成されている。気化室2cは、アイロンベース2の上面に形成された凹部として形成されている。また、気化室2cの上面は、板状のアイロンベース蓋2dにより覆われている。
【0022】
また、アイロンベース2には、アイロンベース2を加熱するためのヒータ11が内蔵されている。ヒータ11は、図示しないが、アイロンベース2の周辺部に上面視で後方が開放された略U字状に配置されている。また、アイロンベース2の後部上方には、給水手段としてのポンプ12が配置されている。ポンプ12は、貯水部7から水をアイロンベース2の気化室2cに供給するようになっている。そして、スチームボタン9を操作すると、ポンプ12が動作してアイロンベース2に水が送られ、ヒータ11により加熱されたアイロンベース2の熱で水が気化することによってスチームが発生するようになっている。このように、アイロンベース2は、気化ユニットとして構成されている。
【0023】
アイロンベース2の上方には、紫外線光源13を備えた照射ユニット14が配置されている。照射ユニット14の内部は、照射ユニット14の後部から、略円筒状のスチーム経路15を経由して、気化室2cと連通している。また、照射ユニット14の内部は、照射ユニット14の前部から、略円筒状の接続経路16と、アイロンベース2の上面に凹部として形成された再加熱室2eを順に経由して、アイロンベース2の蒸気噴出孔2bと連通している。そして、アイロンベース2で発生したスチームは、スチーム経路15を経由して照射ユニット14へ流れて、照射ユニット14内で紫外線光源13により紫外線が照射され、その後、接続経路16を経由してアイロンベース2に戻り、再加熱室2eにおいてアイロンベース2の熱により再加熱されてから蒸気噴出孔2bから外部に噴出されるようになっている。また、ヒータ11は、噴出経路としての再加熱室2eと蒸気噴出孔2bの近傍に配置されており、効率良く再加熱されるように構成されている。
【0024】
また、本実施例のスチームアイロンは、図5〜7に示すように、下側カバー体3の下端に耐熱性樹脂からなるアタッチメント51を着脱自在に取り付けることができるようになっている。
【0025】
アタッチメント51は、アイロンベース2を下側及び側方から包囲して、下側カバー体3の下端に嵌合される。これにより、アイロンベース2は、下側カバー体3とアタッチメント51により完全に包囲されるようになっている。また、アタッチメント51は、アイロンベース2を包囲する上カバー52と、上カバー52の前方下部に嵌合された下カバー53を備えている。また、アイロン本体1の下側カバー体2の後方下面には、スライドボタン17が設けられ、スライドボタン17を左右にスライドさせることで、アタッチメント51の下部カバー体2へのロック状態を保持又は解除できるようになっている。
【0026】
アタッチメント51には、蒸気噴出孔2bと対向する位置に複数の開口部54が形成されている。開口部54において、耐熱性の可撓性樹脂からなるパッキン55が、上カバー52と下カバー53に挟持されている。そして、パッキン55には、蒸気噴出孔2bから噴出されたスチームをアタッチメント51の外部に放出するためのスチーム噴出孔56が形成されている。また、パッキン55の上端周縁は、アイロンベース2の底面壁2aに当接し、蒸気噴出孔2bから噴出されたスチームが確実にスチーム噴出孔56から外部に放出されるようになっている。さらに、スチーム噴出孔56は、蒸気噴出孔2bが形成された範囲よりも、幅広い範囲に形成されており、アタッチメント51を取り付けることにより、幅広い範囲にスチームを噴射することができるようになっている。
【0027】
アタッチメント51は、略中央部から前方に向かって徐々に幅広になる形状に形成され、アタッチメント51の前端は、前方に突出した略円弧形状に形成されている。そして、アタッチメント51の前端近傍には、略円弧上に配列したブラシ体57が設けられている。
【0028】
次に、本実施例のスチームアイロンのスチームを噴出する際の動作について説明する。
【0029】
スチームボタン9を操作すると、ポンプ12が動作して、貯水部7からアイロンベース2の気化室2cに水が供給される。気化室2cに供給された水は、ヒータ11により加熱されたアイロンベース2の熱により気化し、これによりスチームが発生する。
【0030】
気化室2cで発生したスチームは、スチーム経路15を経由して照射ユニット14の後部から照射ユニット14内へ入る。照射ユニット14内では、紫外線光源13によりスチームに紫外線が照射される。そして、紫外線を照射することにより、スチームは、粒子が細分化される。
【0031】
その後、粒子が細分化されたスチームは、照射ユニット14の前部から接続経路16を経由してアイロンベース2に戻る。そして、再加熱室2eにおいてアイロンベース2の熱により再加熱された後、蒸気噴出孔2bから外部に噴出される。
【0032】
ここで、蒸気噴出孔2bから噴出されたスチームの粒子は、紫外線が照射されたことにより細分化されているので、スチームの粒子数が増加している。スチームのもとになる水の量が同じであるならば、粒子数が少ないスチームと比べて、粒子数が多いスチームの方が視認されやい。これは、粒子の総体積が同じで且つ粒子が小さくなれば、総体積に対する総表面積の比が大きくなるので、スチームの粒子の表面における反射の頻度が増加することによる。従って、蒸気噴出孔2bから噴出されるスチームは、見やすいものとなっている。また、蒸気噴出孔2bから噴出されるスチームは、粒子が細分化されて小さくなっているため、衣類に当てられても衣類の表面が湿ったようになりにくい。
【0033】
アタッチメント51を取り付けている場合は、蒸気噴出孔2bから噴出されたスチームは、アタッチメント51に形成されたスチーム噴出孔56から外部に向けて噴出される。
【0034】
以上のように、本実施例のスチーム噴出器は、貯水部7と、ヒータ11により内部空間としての気化室2c,再加熱室2eが加熱される気化ユニットとしてのアイロンベース2と、前記貯水部7から前記アイロンベース2へ水を送るための給水手段としてのポンプ12と、前記アイロンベース2内で発生したスチームを噴出させるための噴出経路としての再加熱室2e,蒸気噴出孔2bとを有するスチームアイロンにおいて、内部に紫外線光源13が設けられた照射ユニット14を有し、前記アイロンベース2と前記照射ユニット14とを接続するスチーム経路15を設けると共に、前記アイロンベース2で発生したスチームが、前記スチーム経路15から前記照射ユニット14を経由して前記再加熱室2e,蒸気噴出孔2bから噴出されるように、前記再加熱室2e,蒸気噴出孔2bを前記照射ユニット14に接続したものである。前記アイロンベース2内で発生したスチームは、前記スチーム経路15を経て前記照射ユニット14に送られ、この照射ユニット14内で紫外線が照射されることで、粒子が細分化される。この結果、スチームの粒子数が増加するばかりでなく、スチームの粒子の総表面積も増加するので、スチームの粒子の表面における反射の頻度が増加し、前記再加熱室2e,蒸気噴出孔2bから噴出されるスチームを見やすくすることができる。また、スチームの粒子が細分化されて小さくなることで、このスチームが当てられる衣類の表面が湿ったようにならないようにすることができる。
【0035】
また、前記アイロンベース2を貫通して再加熱室2e,蒸気噴出孔2bを設けたことで、前記アイロンベース2内で発生させたスチームを前記照射ユニット14に通すことでスチームの温度が下がっても、前記アイロンベース2内を通過する際に再加熱されるので、スチームの温度を下げないようにして、衣類をより湿らせにくく、且つより効果的に皺や臭いを除去することができる。
【0036】
また、前記アイロンベース2と一体に前記再加熱室2e,蒸気噴出孔2bを設けたことで、前記アイロンベース2の熱で前記再加熱室2e,蒸気噴出孔2bを通過するスチームを効率良く再加熱することができる。
【0037】
また、前記ヒータ11の近傍に前記再加熱室2e,蒸気噴出孔2bを設けたことで、前記再加熱室2e,蒸気噴出孔2bを通過するスチームに前記ヒータ11からの熱を効率良く伝えることができる。
【符号の説明】
【0038】
2 アイロンベース(気化ユニット)
2b 蒸気噴出孔(噴出経路)
2c 気化室(内部空間)
2e 再加熱室(内部空間、噴出経路)
7 貯水部
11 ヒータ
12 ポンプ(給水手段)
13 紫外線光源
14 照射ユニット
15 スチーム経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7