(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、ノズルから噴霧された溶液材料を基板に薄膜として堆積させるエレクトロスプレー装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、導電体ノズルと、ノズル印加電圧電源と、溶液材料供給装置とを備えるエレクトロスプレー装置が開示されている。このエレクトロスプレー装置は、溶液材料供給装置から導電体ノズルに溶液材料が供給されるとともに、ノズル印加電圧電源から導電体ノズルに電圧が印加されることにより、溶液材料が帯電するように構成されている。そして、帯電した溶液材料が、導電体ノズルと基板との間の電界により、基板に対して静電噴霧されるように構成されている。
【0004】
また、導電体ノズルと溶液材料供給装置とは、一般的には、樹脂からなる配管により接続されている。このとき、溶液材料としてコロイド溶液を用いた場合、配管(コロイド)が帯電することに起因して、配管の内壁にコロイドが付着する場合がある。この場合、コロイドの凝集体が発生し、この凝集体が塗布膜に付着することに起因して、塗布膜の品質が低下するという不都合があった。このため、従来では、付着状態に応じて、コロイドが付着した配管を新たな配管に交換することが行われている。これにより、塗布膜の品質の低下を抑制することが可能になる。
【0005】
また、導電体ノズルと溶液材料供給装置とを接続する配管は、導電体ノズルの移動に伴って、形状が変形する。そして、配管の形状の変化に起因する配管の破損からの保護や、配管をスムーズに移動させるために、従来では、配管は、配管を支持および案内する支持案内部内に収納されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来では、コロイドが付着した配管を新たな配管に交換することにより、塗布膜の品質の低下を抑制することが可能である一方、コロイドが付着した配管を新たな配管に交換する場合、配管が支持案内部内に収納されていることに起因して、配管の交換に手間がかかるという問題点があると考えられる。
【0008】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、塗布膜の品質の低下を抑制しながら、配管の交換の手間を省くことが可能なエレクトロスプレー装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面によるエレクトロスプレー装置は、ノズルから噴霧された溶液材料を、基板に薄膜として堆積させるエレクトロスプレー装置であって、溶液材料に電圧を印加した状態で噴霧するノズルと、ノズルに溶液材料を送液するための送液駆動部と、ノズルと送液駆動部との間に設けられ、導電性を有する材料からなる接地部と、ノズルと接地部とを接続する第1配管と、ノズルおよび接地部が取り付けられるステージ部と
、ステージ部とは別個に設けられ、接地部と送液駆動部とを接続しノズルの移動とともに変形可能な第2配管と、第2配管を内部に収納し、第2配管を支持および案内する、ノズルの移動とともに変形可能な支持案内部とを備える。
【0010】
この一の局面によるエレクトロスプレー装置では、上記のように、ノズルと送液駆動部との間に設けられる導電性を有する材料からなる接地部を備えることによって、接地部と送液駆動部とを接続する配管(コロイド)が帯電することを抑制することができる。これにより、接地部と送液駆動部とを接続する配管の内壁にコロイドが付着することを抑制することができるので、この配管に付着するコロイドに起因して、塗布膜の品質が低下することを抑制することができる。また、接地部と送液駆動部とを接続する配管にコロイドが付着するのを抑制することができるので、接地部と送液駆動部とを接続する配管を交換する必要がない。すなわち、配管の交換の手間を省くことができる。また、ステージ部にノズルおよび接地部を取り付けるように構成することによって、ノズルと、接地部と、ノズルと接地部とを接続する第1配管とを、互いの相対的な位置を変化させないで、基板上を移動させることができる。これにより、第1配管の形状が変化しないので、第1配管を支持案内部内に収納する必要がなくなり、第1配管の交換が必要な場合でも、第1配管の交換を容易に行うこと(手間を省くこと)ができる。このように、塗布膜の品質の低下を抑制しながら、配管の交換の手間を省くことができる。
【0011】
また、ノズルと送液駆動部との間に接地部を備えることによって、送液駆動部(たとえば、ガラスシリンジ)に使用される樹脂チップ(溶液材料を送液する部品)の帯電を抑制することができるので、樹脂チップに溶液材料が付着することを抑制することができる。
【0012】
上記一の局面によるエレクトロスプレー装置において、好ましくは、ステージ部とは別個に設けられ、接地部と送液駆動部とを接続する第2配管をさらに備え、第2配管は、樹脂により構成されている。ここで、接地部と送液駆動部とを接続する第2配管は、ステージ部に取り付けられるノズルの移動に伴って、折り曲げ、屈曲が繰り返し行われる。そこで、接地部と送液駆動部とを接続する第2配管を比較的折り曲げや屈曲に対して頑強である樹脂により構成することによって、折り曲げや屈曲に起因して第2配管が破損することを抑制することができる。
【0013】
上記一の局面によるエレクトロスプレー装置において、好ましくは、第1配管は、ガラスにより構成されている。このように構成すれば、ガラスにはコロイドが付着しにくいので、第1配管を交換する必要がない。これにより、第1配管の交換の手間をより省くことができる。また、ガラスにより構成されている第1配管は、折り曲げや屈曲に対して破損する(折れる)場合がある。一方、ノズルおよび接地部をステージ部に取り付けることによって、第1配管をノズルおよび接地部とともに互いの相対的な位置を変化させないで移動させることができる。これにより、ガラスにより構成されている第1配管の折り曲げ、屈曲が抑制されるので、第1配管が破損するのを防止することができる。
【0014】
上記一の局面によるエレクトロスプレー装置において、好ましくは、第1配管は、樹脂により構成されている。ここで、樹脂により構成されている第1配管は、ガラスにより構成されている第1配管よりも、容易に、直径を大きくすることができる。そこで、第1配管を樹脂により構成することによって、容易に、ノズルから噴霧される溶液材料の噴霧量を増加させることができる。
【0015】
上記一の局面によるエレクトロスプレー装置において、好ましくは、溶液材料は、コロイド溶液を含む。ここで、コロイド溶液に含まれるコロイドは、帯電した配管に付着しやすい。そこで、ノズルと送液駆動部との間に導電性を有する材料からなる接地部を設けることによって、配管(コロイド)の帯電が抑制されるので、容易に、コロイドの付着を抑制することができる。
【0016】
上記一の局面によるエレクトロスプレー装置において、好ましくは、接地部は、第1配管に接続される継手部を含む。このように構成すれば、配管同士を接続する継手部を、接地部として兼ねることができるので、継手部と接地部とを別個に設ける場合と異なり、エレクトロスプレー装置の構成が複雑になることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、上記のように、塗布膜の品質の低下を抑制しながら、配管の交換の手間を省くことができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
(第1実施形態)
図1を参照して、第1実施形態によるエレクトロスプレー装置100の構成について説明する。エレクトロスプレー装置100は、ノズル1から噴霧された溶液材料を、基板200に薄膜として堆積させるように構成されている。
【0021】
図1に示すように、エレクトロスプレー装置100には、ノズル1が設けられている。ノズル1は、電源2に接続されており、溶液材料に電圧を印加するように構成されている。そして、ノズル1は、溶液材料に電圧を印加した状態で、溶液材料を上方(Z1方向)から下方(Z2方向)に向かって噴霧するように構成されている。
【0022】
ここで、第1実施形態では、溶液材料は、たとえば、有機半導体(粒子径約1〜100nm)が分散したコロイドインクや、顔料(粒子径約数十〜200nm)が分散したインクなどからなる。なお、有機半導体が分散したコロイドインク、および、顔料が分散したインクは、本発明の「コロイド溶液」の一例である。
【0023】
また、エレクトロスプレー装置100には、アースプレート3が設けられている。アースプレート3は、たとえば金属板から構成されている。アースプレート3は、接地されており、薄膜の形成時に、基板200に接触して基板200を接地するように構成されている。なお、アースプレート3は、テーブル210上に配置されている。
【0024】
また、エレクトロスプレー装置100には、ポンプ部4が設けられている。なお、ポンプ部4は、本発明の「送液駆動部」の一例である。ポンプ部4は、ノズル1に溶液材料を送液するように構成されている。ポンプ部4は、たとえば、ガラスシリンジからなり、溶液材料を送液するためのPTFE(polytetrafluoroethylene)チップ4aを有する。また、ポンプ部4は、収容箱5に収容されている。
【0025】
また、第1実施形態では、エレクトロスプレー装置100には、ノズル1とポンプ部4との間に、導電性を有する材料(たとえば、金属)からなる継手部6が設けられている。なお、継手部6は、本発明の「接地部」の一例である。継手部6には、アース線7が接続されている。また、アース線7は、収容箱5に接続されている。これにより、継手部6は、アース線7および収容箱5を介して接地されている。なお、継手部6は、図示しない絶縁部材に覆われており、継手部6の外部から絶縁されている。また、継手部6は、後述する支持案内部12(支持案内部12a)の外部(端部121近傍)に配置されている。
【0026】
また、継手部6とノズル1との間の距離が近すぎると、継手部6が接地されているため、ノズル1に流れる電流が継手部6に流れてしまう。このため、ノズル1と基板200との間の電位差が小さくなり、溶液材料の塗布(スプレー)ができなくなる。そこで、継手部6とノズル1との間の距離は、ノズル1と基板200との間に、スプレーのための十分な電位差が確保できるように設定する必要がある。たとえば、継手部6とノズル1との間の距離は、200mm以上に設定される。
【0027】
また、第1実施形態では、エレクトロスプレー装置100には、ノズル1と継手部6とを接続する配管8が設けられている。なお、配管8は、本発明の「第1配管」の一例である。配管8は、ガラスにより構成されている。また、配管8は、Z方向に沿って延びるように、略直線形状を有する。
【0028】
ここで、第1実施形態では、エレクトロスプレー装置100には、ステージ部9が設けられている。そして、ノズル1および継手部6は、ステージ部9に取り付けられている。具体的には、ステージ部9は、Xステージ9aとYステージ9bとを含む。そして、ノズル1は、Xステージ9aに取り付けられている。なお、ステージ部9は、テーブル210上に配置されている。
【0029】
詳細には、継手部6は、Xステージ9aに設けられるブラケット10に取り付けられている。これにより、継手部6は、ノズル1の上方(Z1方向)に配置されるように構成されている。その結果、略直線形状を有する配管8により、ノズル1と継手部6とを接続することが可能になる。そして、ノズル1、継手部6および配管8は、互いの相対的な位置を変化させない状態で(一体となった状態で)、基板200上を移動可能に構成されている。すなわち、配管8は、ノズル1が移動した場合でも、形状が変化しない。
【0030】
また、第1実施形態では、エレクトロスプレー装置100には、継手部6とポンプ部4とを接続する配管11が設けられている。なお、配管11は、本発明の「第2配管」の一例である。配管11は、ステージ部9とは別個に設けられている。すなわち、配管11は、配管8とは異なり、ノズル1(Xステージ9a、Yステージ9b)の移動に伴って、折り曲げられたり、屈曲されたりするように構成されている。また、配管11は、PTFEにより構成されている。
【0031】
また、配管11およびアース線7は、配管11およびアース線7を支持および案内する支持案内部12内に配置されている。支持案内部12は、支持案内部12aと支持案内部12bとを含む。支持案内部12aは、U字形状を有し、X−Z平面上において2次元的に変形可能に構成されている。具体的には、
図1の一点鎖線で示す支持案内部12aのように、ノズル1のX方向に移動に伴って、支持案内部12aは、U字形状に折れ曲がった部分の曲率を変化させない状態で、変形する。また、支持案内部12bも支持案内部12aと同様に、ノズル1のY方向に移動に伴って、Y−Z平面上において2次元的に変形する。このように、支持案内部12の変形により、ノズル1の移動に伴って、配管11およびアース線7をスムーズに移動させることができる。
【0032】
次に、第1実施形態の効果について説明する。
【0033】
第1実施形態では、上記のように、ノズル1とポンプ部4との間に設けられる導電性を有する材料からなる継手部6を備えることによって、継手部6とポンプ部4とを接続する配管11(コロイド)が帯電することを抑制することができる。これにより、継手部6とポンプ部4とを接続する配管11の内壁にコロイドが付着することを抑制することができるので、この配管11に付着するコロイドに起因して、塗布膜の品質が低下することを抑制することができる。また、継手部6とポンプ部4とを接続する配管11にコロイドが付着することを抑制することができるので、継手部6とポンプ部4とを接続する配管11を交換する必要がない。すなわち、配管11の交換の手間を省くことができる。また、ステージ部9にノズル1および継手部6を取り付けるように構成することによって、ノズル1と、継手部6と、ノズル1と継手部6とを接続する配管8とを、互いの相対的な位置を変化させないで、基板200上を移動させることができる。これにより、配管8の形状が変化しないので、配管8を支持案内部12内に収納する必要がなくなり、配管8の交換が必要な場合でも、配管8の交換を容易に行うこと(手間を省くこと)ができる。このように、塗布膜の品質の低下を抑制しながら、配管(配管8、配管11)の交換の手間を省くことができる。
【0034】
また、ノズル1とポンプ部4との間に継手部6を備えることによって、ポンプ部4(たとえば、ガラスシリンジ)に使用されるPTFEチップ4a(溶液材料を送液する部品)の帯電を抑制することができるので、PTFEチップ4aに溶液材料が付着することを抑制することができる。
【0035】
また、第1実施形態では、上記のように、ステージ部9とは別個に設けられ、継手部6とポンプ部4とを接続する配管11を、PTFEにより構成する。ここで、継手部6とポンプ部4とを接続する配管11は、ステージ部9に取り付けられるノズル1の移動に伴って、折り曲げ、屈曲が繰り返し行われる。そこで、継手部6とポンプ部4とを接続する配管11を比較的折り曲げや屈曲に対して頑強であるPTFEにより構成することによって、折り曲げや屈曲に起因して配管11が破損することを抑制することができる。
【0036】
また、第1実施形態では、上記のように、配管8を、ガラスにより構成する。これにより、ガラスにはコロイドが付着しにくいので、配管8を交換する必要がない。その結果、配管8の交換の手間をより省くことができる。また、ガラスにより構成されている配管8は、折り曲げや屈曲に対して破損する(折れる)場合がある。一方、ノズル1および継手部6をステージ部9に取り付けることによって、配管8をノズル1および継手部6とともに互いの相対的な位置を変化させないで移動させることができる。これにより、ガラスにより構成されている配管8の折り曲げ、屈曲が抑制されるので、配管8が破損するのを防止することができる。
【0037】
また、第1実施形態では、上記のように、溶液材料は、コロイド溶液を含む。ここで、コロイド溶液に含まれるコロイドは、帯電した配管11に付着しやすい。そこで、ノズル1とポンプ部4との間に導電性を有する材料からなる継手部6を設けることによって、配管11(コロイド)の帯電が抑制されるので、容易に、コロイドの付着を抑制することができる。
【0038】
また、第1実施形態では、上記のように、配管8に接続される継手部6を接地する。これにより、配管8および配管11同士を接続する継手部6を、接地部として兼ねることができるので、接地部と継手部6とを別個に設ける場合と異なり、エレクトロスプレー装置100の構成が複雑になることを抑制することができる。
【0039】
(第2実施形態)
次に、
図2を参照して、第2実施形態によるエレクトロスプレー装置110の構成について説明する。第2実施形態では、配管8がガラスにより構成されていた上記第1実施形態と異なり、配管21がPTFEにより構成されている。なお、配管21は、本発明の「第1配管」の一例である。
【0040】
図2に示すように、エレクトロスプレー装置110には、ノズル1と継手部6とを接続する配管21が設けられている。ここで、配管21は、PTFEにより構成されている。
【0041】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0042】
次に、第2実施形態の効果について説明する。
【0043】
ここで、PTFEにより構成されている配管21は、コロイドが付着する場合がある。そこで、第2実施形態では、上記のように、ステージ部9にノズル1および継手部6を取り付けるように構成することによって、ノズル1と、継手部6と、ノズル1と継手部6とを接続する配管21とを、互いの相対的な位置を変化させないで、基板200上を移動させることができる。これにより、配管21を、配管21を支持および案内する支持案内部12内に収納する必要がなくなるので、コロイドの付着に起因して配管21を交換する必要がある場合でも、配管21の交換を容易に行うこと(手間を省くこと)ができる。
【0044】
また、第2実施形態では、上記のように、配管21を、PTFEにより構成する。ここで、PTFEにより構成されている配管21は、ガラスにより構成されている配管よりも、容易に、直径を大きくすることができる。そこで、配管21をPTFEにより構成することによって、容易に、ノズル1から噴霧される溶液材料の噴霧量を増加させることができる。
【0045】
(第3実施形態)
次に、
図3を参照して、第3実施形態によるエレクトロスプレー装置120の構成について説明する。第3実施形態では、支持案内部12が2次元的に変形した上記第1および第2実施形態と異なり、支持案内部31が3次元的に変形可能に構成されている。
【0046】
図3に示すように、エレクトロスプレー装置120には、配管11およびアース線7を支持および案内する支持案内部31が設けられている。支持案内部31は、ノズル1のX方向およびY方向の移動に伴って、3次元的に変形可能に構成されている。また、支持案内部31は、継手部32の近傍から、ポンプ部4を収容する収容箱5にわたって設けられている。すなわち、配管11およびアース線7は、略全体にわたって支持案内部31内に配置されている。なお、継手部32は、本発明の「接地部」の一例である。
【0047】
また、継手部32は、支持案内部31の外部(端部31a近傍)に設けられている。また、ノズル1と継手部32とを接続する配管33は、PTFEにより構成されている。なお、配管33は、本発明の「第1配管」の一例である。また、継手部32は、Xステージ9aに設けられるブラケット34に取り付けられている。そして、ノズル1、継手部32および配管33は、互いの相対的な位置を変化させない状態で(一体となった状態で)、基板200上を移動可能に構成されている。
【0048】
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0049】
次に、第3実施形態の効果について説明する。
【0050】
第3実施形態では、上記のように、3次元的に変形可能に構成されている支持案内部31を用いることにより、2次元的に変形可能に構成されている支持案内部を用いる場合と異なり、ノズル1の2次元的な移動に対して、1つの支持案内部31により配管11およびアース線7を支持および案内することができる。その結果、エレクトロスプレー装置120の構成を簡略化することができる。
【0051】
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0052】
なお、今回開示された実施形態および実施例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態および実施例の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0053】
たとえば、上記第1〜第3実施形態では、本発明の接地部として継手部を用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、継手部以外の部材を接地部として用いてもよい。
【0054】
また、上記第1〜第3実施形態では、溶液材料がコロイド溶液(有機半導体が分散したコロイドインク、顔料が分散したインク)からなる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、コロイド溶液以外の溶液材料を用いてもよい。ここで、配管の内壁に付着しやすい溶液材料を用いる場合、本発明が特に有効である。
【0055】
また、上記第1〜第3実施形態では、継手部とポンプ部とを接続する配管としてPTFEにより構成されている配管を用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、PTFE以外の樹脂製の配管を用いてもよい。
【0056】
また、上記第1〜第3実施形態では、本発明の送液駆動部としてシリンジポンプからなるポンプ部を用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、シリンジポンプ以外の装置を送液駆動部として用いてもよい。
【0057】
また、上記第1〜第3実施形態では、溶液材料が上方から下方に向かってノズルから噴霧される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、溶液材料が下方から上方に向かってノズルから噴霧されるようにしてもよい。また、溶液材料がノズルから横方向に噴霧されるようにしてもよい。
【0058】
また、上記第1〜第3実施形態では、継手部とポンプ部とを接続する配管が支持案内部に収容されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、継手部とポンプ部とを接続する配管を支持案内部に収容しなくてもよい。
【0059】
また、上記第1〜第3実施形態では、ステージ部が、ノズルをX方向とY方向とに移動させる(2次元的に移動させる)例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ノズルを3次元的に移動させるステージ部に本発明を適用してもよい。
【0060】
また、上記第2および第3実施形態では、ノズルと継手部とを接続する配管としてPTFEにより構成されている配管を用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、PTFE以外の樹脂製の配管を用いてもよい。
【0061】
また、上記第3実施形態では、ノズルと継手部とを接続する配管としてPTFEにより構成されている配管を用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ガラスにより構成される配管を用いてもよい。