(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
吹付け用ガンは、前記合流部で混合した材料を更に混和するスタティックミキサーを備え、該スタティックミキサーは、前記ガンの本体に着脱・交換可能に取り付けられた請求項5、請求項6、請求項7又は請求項8に記載の携帯型ポリウレア樹脂施工装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のポリウレア樹脂塗布システムは大掛かりな装置が必要で、かつ作業者には高度の煩雑な操作を行うことが要求されてきた。このため、作業者は塗布装置を操作する技能を確保するために専門の講習会等を受講して高度な取り扱い方法を習得しなければならなかった。また、複数の作業者が連携して操作する必要もあった。このため、従来ではポリウレア樹脂の施工は、高度の知識を備えた特殊専門業者による施工に限られてきた。
【0006】
また、ポリウレア樹脂の原料は比較的大きなタンクに入れて提供されるので小規模な用途の施工では高価な薬液(原液)の使い残しの無駄が生まれ易く、特に小規模な用途の施工では原料コスト高を招き易く、しかも、小規模な用途の施工ではその塗布装置を管理するコスト(設備費)も割高になる。したがって、ポリウレア樹脂は種々の利点があるにも拘わらず、小規模な用途の施工では、施工コストが嵩み、簡易に使用できないという欠点があった。
【0007】
そこで、本発明では、大掛かりな装置類を必要としないハンディタイプの簡易な施工装置を用いることができるとともに、作業者に高度の専門性や技能も要求されず、比較的簡易に施工できるポリウレア樹脂の施工法と、そのための簡易な施工装置を提供することを目的としている。
また、本発明では、施工装置の管理及び携帯性に優れ、小規模施工にも安価かつ簡便に使用できるポリウレア樹脂の施工法と、そのための簡易な施工装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明は、2種類の原料を混合してポリウレア樹脂を施工するポリウレア樹脂の施工法において、カートリッジタイプの第1収納容器にイソシアネートを主成分とするA剤に硬化遅延剤と加圧ガス生成剤とを加えた材料を加圧状態で装填し、カートリッジタイプの第2収納容器にアミン化合物を主成分とするB剤に硬化遅延剤と加圧ガス生成剤とを加えた材料を加圧状態で装填し、前記第1収納容器及び前記第2収納容器をハンディタイプの吹付け用ガンに接続し、前記吹付け用ガンにおいて前記第1収納容器及び前記第2収納容器に収容した材料の供給を受けてこれらを混合すると共に前記吹付け用ガンに備えた噴射ノズルから噴霧する施工法である。
【0009】
本発明は、2種類の原料を混合してポリウレア樹脂を施工するポリウレア樹脂の施工法において、カートリッジタイプの第1収納容器にイソシアネートを主成分とするA剤に加圧ガス生成剤を加えた材料を加圧状態で装填し、カートリッジタイプの第2収納容器にアミン化合物を主成分とするB剤に加圧ガス生成剤とを加えた材料を加圧状態で装填し、前記第1収納容器及び前記第2収納容器の一方に硬化遅延剤を装填し、前記第1収納容器及び前記第2収納容器をハンディタイプの吹付け用ガンに接続し、前記吹付け用ガンにおいて前記第1収納容器及び前記第2収納容器に収容した材料の供給を受けてこれらを混合すると共に前記吹付け用ガンに備えた噴射ノズルから噴霧する施工法である。
【0010】
本発明は、前記硬化遅延剤は、メチルエチルケトンを主成分とするポリウレア樹脂の施工法である。
【0011】
本発明は、前記加圧ガス生成剤は、ジメチルエーテルを主成分とするポリウレア樹脂の施工法である。
【0012】
本発明は、イソシアネートを主成分とするA剤に硬化遅延剤と加圧ガス生成剤とを加えた材料を加圧状態で装填したカートリッジタイプの第1収納容器と、アミン化合物を主成分とするB剤に硬化遅延剤と加圧ガス生成剤とを加えた材料を加圧状態で装填したカートリッジタイプの第2収納容器と、前記第1収納容器及び第2収納容器を装着する装填部に接続されるハンディタイプの吹付け用ガンと、を備え、前記吹付け用ガンは、前記第1収納容器に接続される第1流入通路と、前記第2収納容器に接続される第2流入通路と、前記第1流入通路と前記第2流入通路とに通じ、前記第1収納容器及び前記第2収納容器に収容した材料を混合する合流部と、前記第1流入通路に設けられた第1弁と、前記第2流入通路に設けられた第2弁と、前記合流部を経て前記第1収納容器及び前記第2収納容器に収容した材料を混合した材料を噴霧する噴射ノズルと、前記第1弁と前記第2弁を開放する操作を行うトリガーと、を有した携帯型ポリウレア樹脂施工装置である。
【0013】
本発明は、イソシアネートを主成分とするA剤に加圧ガス生成剤とを加えた材料を加圧状態で装填したカートリッジタイプの第1収納容器と、アミン化合物を主成分とするB剤に加圧ガス生成剤とを加えた材料を加圧状態で装填したカートリッジタイプの第2収納容器と、前記第1収納容器及び第2収納容器を装着する装填部に接続されるハンディタイプの吹付け用ガンと、を備え、前記第1収納容器及び前記第2収納容器の一方に硬化遅延剤を装填し、前記吹付け用ガンは、前記第1収納容器に接続される第1流入通路と、前記第2収納容器に接続される第2流入通路と、前記第1流入通路と前記第2流入通路との両方に通じ、前記第1収納容器及び前記第2収納容器に収容した材料を混合する合流部と、前記第1流入通路に設けられた第1弁と、前記第2流入通路に設けられた第2弁と、前記合流部を経て前記第1収納容器及び前記第2収納容器に収容した材料を混合した材料を噴霧する噴射ノズルと、前記第1弁と前記第2弁を開放する操作を行うトリガーと、を有した携帯型ポリウレア樹脂施工装置である。
【0014】
本発明は、前記第1収納容器と前記第1収納容器とを装着し、前記第1収納容器の送出口の弁と第2収納容器の送出口の弁とを開く操作を行う開放操作部を有したホルダーと、前記第1収納容器の送出口と前記第1流入通路とに接続される第1ホースと、前記第2収納容器の送出口と前記第2流入通路とに接続される第2ホースと、を備えた携帯型ポリウレア樹脂施工装置である。
【0015】
本発明は、ホルダーは、圧縮ガスを発生する薬剤を装填し、弁付きの送出口を有したカートリッジタイプの第3収納容器を備え、更に、前記吹付け用ガンは、前記第3収納容器の送出口に接続される第3ホースが接続され、かつ前記合流部に通じる第3流入路を備えた携帯型ポリウレア樹脂施工装置である。
【0016】
本発明は、前記吹付け用ガンは、前記合流部で混合した材料を更に混和するスタティックミキサーを備え、該スタティックミキサーは、前記ガンの本体に着脱・交換可能に取り付けられた携帯型ポリウレア樹脂施工装置である。
【0017】
本発明は、前記噴射ノズルは、前記スタティックミキサーの先端に着脱・交換可能に取り付けられた携帯型ポリウレア樹脂施工装置である。
【0018】
本発明は、前記硬化遅延剤は、メチルエチルケトンを主成分とする携帯型ポリウレア樹脂施工装置である。
【0019】
本発明は、前記加圧ガス生成剤は、ジメチルエーテルを主成分とする携帯型ポリウレア樹脂施工装置である。
【0020】
そして、本発明では、複数のカートリッジタイプの収納容器を用意し、これら収納容器のA剤及び/又はB剤に硬化遅延剤を配合して材料の溶解性を高め、材料の混合及び噴霧に必要な使用時間の延長を図るようにした。
【0021】
例えば、ジメチルエーテルを主成分とする加圧ガス生成剤を収納容器に収納することで、その加圧ガスのエネルギーのみで材料の混合を可能とする。更に、スタティックミキサーでの混合を可能とする。
【0022】
また、ジメチルエーテルを主成分とする加圧ガス生成剤は液体であるためにこれが収納容器内での材料の粘土低下に寄与することでポリウレア樹脂の材料が混合し易くなる。
【発明の効果】
【0023】
本発明では、大掛かりな装置類を必要としないハンディタイプの簡易な施工装置を用いることができるとともに、高度の専門性の技能も必要でなく、簡易に施工できるポリウレア樹脂の施工法と、そのポリウレア樹脂の施工装置を提供することができる。
【0024】
また、本発明によれば、ポリウレア樹脂の施工装置の管理及び該施工装置の携帯性に優れ、また、小規模施工にも安価かつ簡便に使用できるポリウレア樹脂の施工法と、そのポリウレア樹脂の施工装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1及び
図2を参照して本発明の一実施形態に係るポリウレア樹脂の吹付け施工システムについて説明する。
図1は、使用者が一人でも運搬できる携帯型のスプレー缶装填用ホルダー1と、使用者が一人でも把持しながら操作できるハンド型噴射用ガン2を示しており、この施工システムではスプレー缶装填用ホルダー1とハンド型噴射用ガン2を有する装置を用いるだけでポリウレア樹脂を簡易に施工できる。
【0027】
スプレー缶装填用ホルダー1はホルダーケース本体3を有し、このホルダーケース本体3には、後述するカートリッジタイプの収納容器として、複数この実施形態では、特に4本のスプレー缶11,12、13,14を着脱交換可能に装填できる装填部4が設けられている。装填部4は4本のスプレー缶11,12、13,14をその頭部の高さを揃えて一列に並べた状態で装填できる構造となっている。装填部4には、各スプレー缶11,12、13,14の缶本体部分を固定的に保持できるようにした挟持手段または係止手段の保持部を備える。また、装填部4の構造としては、各スプレー缶11,12、13,14を個別に保持するものでも各スプレー缶11,12、13,14を纏めて一体的に保持するものでもよい。
【0028】
図1に示すようにホルダーケース本体3にはホルダー1全体を運搬する際に使用するための取手5がホルダーケース本体3の外側壁から突き出すように設けられている。取手5には肩掛け用バンド(図示せず)を取り付けるための穴を有したバンド装着部6が設けられている。そして使用者(作業者)は取手5に手を掛けてホルダー1を持って運搬することができるが、肩掛け用バンドを使用し、そのバンドを肩に掛けてホルダー1を運搬することもできる。また、特に肩掛け用バンドを使用すると、空いた手でハンド型噴射用ガン2等の操作がし易くなる。
【0029】
ホルダーケース本体3には、装填部4の上方に位置して操作板16が略水平に配置されている。この操作板16はホルダーケース本体3に対し、昇降自在に設けられている。操作板16は、通常は図示しないばねなどの弾性手段により
図1に示すように上方へ押し上げられていて、装填部4に装填したスプレー缶11,12、13,14の頭部よりも高い上方位置に退避している。
【0030】
操作板16はホルダーケース本体3側の部材に対して昇降方向にねじ込まれているハンドル17により押し込み操作されることで降下させられる。ハンドル17を緩めると、各スプレー缶11,12、13,14の頭部の上方の元の位置に戻る。この操作板16を昇降操作する手段としては上述したねじ込み式のハンドルの例に限らず、レバー等のリンク機構等を利用することもできるものであり、操作板を昇降させる機構の形態は限定されない。
【0031】
一方、各スプレー缶11,12、13,14はいずれも缶本体18と、その缶本体18の上部から上方へ突き出して設けられた頭部としてのヘッド19とを有しており、各ヘッド19はその缶本体18に対して押込み自在に設けられている。また、ヘッド19は弁付きの送出口を有しており、ヘッド19を缶本体18に対して押し下げると、その送出口の弁が開くようになっている。したがって、上述したように操作板16を降下させ、缶本体18に対してヘッド19を押し下げると、各スプレー缶の送出口の弁が開く。スプレー缶の送出口の弁が開くと、スプレー缶11,12、13,14の内容物がその送出口を通じて流出する。
【0032】
各スプレー缶11,12、13,14はホルダー1の装填部4に対し、各ヘッド19の高さが同じくなるように装填される。そして、待機時は
図1に示すように上昇した位置にある。また、使用時はハンドル17を操作することで操作板16が降下し、この降下した位置に操作板16が維持されるので、送出口の弁が開いたままになり、各スプレー缶11,12、13,14の内容物はその送出口を通じて流出可能な状態を持続する。つまり、ホルダー1の操作板16及びハンドル17はスプレー缶11,12、13,14の送出口を開放させる操作手段(開放操作部)となっている。
【0033】
図1に示すように、各スプレー缶11,12、13,14の送出口には夫々別々のホース21,22、23,24の一端が着脱自在に接続される。そして各ホース21,22、23,24は取り回しが容易な可撓性と長さを有している。各ホース21,22、23,24の他端は後述するハンド型噴射用ガン2まで導かれ、そのハンド型噴射用ガン2に接続される。
【0034】
次に、ハンド型噴射用ガン2について説明する。このガン2はガン本体部31と、このガン本体部31に取り付けられた把持部32とを有している。ガン本体部31にはこれより前方へ突き出すスタティックミキサー33が着脱自在に取り付けられている。噴射用ガン2は作業者が手で持って操作できるハンド型の形態のものであるが、ここでの噴射用ガン2は一人の作業者が片手で把持部32を握り保持しながらその片手の指で該ガン2を操作してポリウレア樹脂の吹付け施工の作業ができるようになっている。
【0035】
図2に示すように、ガン本体部31には、複数の流入通路が形成され、これらの流入通路の流入端には上述したホース21,22、23,24の他端が別々に接続されている。これらの流入通路としては、第1ホース21が接続される第1流入通路41と、第2ホース22が接続される第2流入通路42と、第3ホース23が接続される第3流入通路43と、第4ホース24の一端が接続される第4流入通路(図示せず)が設けられている。ガン本体部31には第1乃至第3の流入通路41〜43が合流する合流部(空洞)35が設けられている。スタティックミキサー33はその合流部35に連なるようにガン本体部31に接続される。
【0036】
図2に示すように、第1流入通路41と第2流入通路42は、スタティックミキサー33(
図1に図示)の中心軸の延長線上に対して左右後方斜めから合流部35の中心に向かってそれぞれ開口するように設けられており、第3流入通路43はスタティックミキサー33の中心軸の延長線上に位置して合流部35の真後からその合流部35の中心に向かって開口するように設けられている。つまり、スタティックミキサー33に連なる合流部35には第1流入通路41と第2流入通路42が左右後方斜めの左右対称に合流部35の中心に向かって開口し、第3流入通路43は合流部35の真後からその合流部35の中心に向かって開口している。このため、第3流入通路43から合流部35に流入する流体は第1流入通路41と第2流入通路42から合流部35に流入する流体に対して左右均等にスタティックミキサー33に向かってその混合する流体を送り込むように作用する。
【0037】
また、
図2に示すように、第1流入通路41と第2流入通路42には合流部35への流入手前に位置してそれぞれの通路を開閉する弁51,52が設けられている。これらの弁51,52は把持部32(
図1に図示)を把持する手の指で操作できる位置に設けた(主)トリガー55によって開閉される。ここでは、一つのトリガー55を操作することで第1弁51と第2弁52が同時に開放するように連携動作を行う。
【0038】
なお、第3ホース23が接続される第3流入通路43にも、その通路を開閉する弁(図示せず)を設けて、把持部32を把持する手の指で操作できる位置に設けた副トリガー(一例を
図1の想像線で示す)56によってその弁を開閉操作するようにしてもよい。この場合には、第3ホース23で供給される流体を合流部35へ選択的に供給できる。
【0039】
また、第4ホース24の一端が接続される第4流入通路(図示せず)は上述した合流部35や弁を経ることなく、独立してガン本体部31を貫通する状態で形成されている。第4流入通路の流出端には可撓性を有する第5ホース25(
図3に図示)が着脱自在に接続されている。第5ホース25はスタティックミキサー33に沿って延び、そのスタティックミキサー33の先端に設けられた噴射用ノズル57の手前に位置したところのスタティックミキサー33の先端に接続される。
【0040】
次に、スタティックミキサー33(
図1に図示)について説明する。
図2に示すように、スタティックミキサー33は管本体45の内部に複数のミキシングエレメント46を該管本体45の長手方向に一列に繋げて配置することにより構成される。各ミキシングエレメント46は例えば後述する
図5で示すように長方形の板状の部材を備えてなり、この板状の部材を管本体45の長手方向に進むに従って180°捻った形に形成する。そして、隣り合うミキシングエレメント46を、その隣り合って向き合う端面が互いに直交するように一列に繋げて配置する。このとき、隣り合うミキシングエレメント46の捻る方向を逆向きとする。つまり、捻る方向が交互に変わるミキシングエレメント46が管本体45の長手方向に一列に繋げて配置されている。また、管本体45の軸方向から見たミキシングエレメント46の外周は管本体45の内周面に密接するように管本体45内に配置される。したがって、各ミキシングエレメント46の外周が管本体45の内周面に当たるように密に配置されているので管本体45の軸方向へ移動する材料がミキシングエレメント46の周方向へ漏れ出すことが少なくなり、軸方向への材料の移動と混和が効率良く行われる。また、管本体45の長手方向に進む材料は、1つのミキシングエレメント46を通る際に180°捻られ、次のミキシングエレメント46で2分割され、それらはそのミキシングエレメント46で逆向きに180°捻られ、これが繰り返されて混和が促進される。
【0041】
図2に示すように、スタティックミキサー33の管本体45の先端には流入領域47が形成されている。この流入領域47の前方に位置して管本体45の先端部分には上記流入領域47に通じるように形成した接続用口部48が設けられている(
図1参照)。この接続用口部48には上述した第5ホース25の先端が着脱自在に接続される。したがって、第4ホース24を通じて供給された気体等の流体はその第4ホース24からガン本体部31の第4流入通路44(図示せず)を通じて第5ホース25に流れ、更に第5ホース25から接続用口部48を経て上記管本体45の流入領域47内に供給される。
【0042】
一方、
図1に示すように第3ホース23及び第4ホース24の途中には夫々手動式の開閉用コック27,28が設けられている。これらのコック27,28を夫々開閉操作することで第3ホース23または第4ホース24を通じての流体供給または遮断を選択的に行うことができる。
【0043】
また、第3ホース23の途中にも開閉用コック27を設けたことで、その開閉用コック27により第3ホース23を通じての流体の供給または遮断の動作を選択できるため、この場合には必ずしも第3流入通路43に第3弁を設けなくてもよい。また、第3ホース23及び第4ホース24の開閉用コック27,28を省き、さらに第3流入通路43に設ける第3弁を省いて、第3ホース23または第4ホース24を通じての流体供給が使用中に常時継続するようにしたものであってもよい。
【0044】
また、スタティックミキサー33の管本体45の先端には噴射用ノズル57が着脱交換自在に取り付けられている。この噴射用ノズル57は
図2に示すように管本体45の先端にねじ込まれるノズルチップ58により形成される。ノズルチップ58にはノズル孔59が形成されている。なお、このノズルチップ58の部材に上記流入領域47を形成するようにしてもよい。
【0045】
また、噴射用ノズル57はスタティックミキサー33の管本体45に対して着脱交換が可能である。このため、使用する薬剤等の原料に応じてそれに適した噴射用ノズル57を自由に選択できるとともに噴射用ノズル57を使用した後に新しい別の噴射用ノズル57と交換するいわゆる使い捨て方式とすることもできる。
【0046】
次に、ポリウレア樹脂の施工に使用するスプレー缶11,12、13,14に装填する原料や薬剤等について説明する。
【0047】
まず、第1スプレー缶11には、ポリウレア樹脂のA剤としてのイソシアネートを主成分とする原料と、硬化遅延剤としてのメチルエチルケトン(MEK)と、粘度低下に寄与し得る加圧ガス生成剤(噴射剤)としての液化ガスであるところのジメチルエーテル(DME)とが加圧された状態で充填されている。ジメチルエーテル(DME)はスプレー缶内で液体であり、このため、その充填容量を少なくできるのでスプレー缶を利用する上で好適する。
【0048】
第2スプレー缶12には、ポリウレア樹脂の他の原料であるところの硬化剤としてのアミン化合物を主成分とする原料と、硬化遅延剤としてのメチルエチルケトン(MEK)と、粘度低下に寄与し得る加圧ガス生成剤(噴射剤)としての液化ガスであるところのジメチルエーテル(DME)とが加圧された状態で充填されている。ジメチルエーテル(DME)はスプレー缶内では液体であり、そのスプレー缶の充填容量を少なくできるので、スプレー缶を利用する上で好適する。
【0049】
第3スプレー缶13及び第4スプレー缶14には液化ヘリウムHe又は炭酸ガスCO
2が充填されている。
【0050】
そして、スプレー缶11,12はそれの送出口を開くことで収納した原料等が内部圧力により送出口から送出する。また、スプレー缶13,14はそれの送出口を開くことでその内部の加圧ガスを送出口から送出する。
【0051】
ここでは、スプレー缶11,12にはポリウレア樹脂の原料を噴出させるためにジメチルエーテル(DME)等の液化ガスを入れたが、他の液化ガスまたは高圧ガスを入れるようにしてもよい。また、スプレー缶13またはスプレー缶14の両方またはそれらの一方にもジメチルエーテル(DME)等の液化ガスを入れてもよい。特にジメチルエーテル(DME)はスプレー缶内では液体であり、その充填容量を少なくできるのでスプレー缶のようなコンパクトなカートリッジタイプの収納容器を利用する上で好適する。硬化遅延剤としてのメチルエチルケトン(MEK)についてもスプレー缶11,12の一方に入れるようにしてもよい。
【0052】
また、ポリウレア樹脂のための原料を入れるスプレー缶11,12の関係またはスプレー缶11,12と他のスプレー缶13,14との関係で異なる種類の加圧ガス生成剤を装填するようにしてもよい。
【0053】
次に、上述した施工装置を用いてポリウレア樹脂を施工する方法を具体的に説明する。
【0054】
まず、予め用意しておいた4本のスプレー缶11,12、13,14をスプレー缶装填用ホルダー1の装填部4にそれぞれ装着する。このとき、
図1に示すように各スプレー缶11,12、13,14のヘッド19の高さは同じ高さで配置され、そのヘッド19の上方には操作板16が水平に位置して待機する。
【0055】
次に、各スプレー缶11,12、13,14のヘッド19にそれぞれ対応するホース21,22、23,24の一端を接続する。第1〜4のホース21,22、23,24の他端を、これに対応するハンド型噴射用ガン2の第1〜4の流入通路41〜43の流入端に接続する。また、第4流入通路の他端とハンド型噴射用ガン2におけるスタティックミキサー33の接続用口部48に第5ホース25を接続する。なお、スプレー缶11,12、13,14に対するホース21,22、23,24はホルダー1に装填する前のスプレー缶11,12、13,14に予め接続しておいてもよい。
【0056】
これにより、ポリウレア樹脂の施工の準備が完了する。このとき、ホース23,24のコック27,28及び流入通路41,42の弁51,52はいずれも閉じている。
【0057】
そこで、作業者は肩掛け用バンドを肩に掛けてホルダー1を携帯し、ハンド型噴射用ガン2を自身の手に持ち作業領域に移動する。そして作業対象を確認した上で第3ホース23と第4ホース24のコック27,28を開ける。これにより第3スプレー缶13と第4スプレー缶14の加圧ガスが第3ホース23と第4ホース24を通じて第3流入通路43及び第4流入通路に流れ込む。第3流入通路43に流れ込んだ加圧ガスはスタティックミキサー33及び噴霧用ノズル57のノズル孔58を経て外へ放出される。また、第4流入通路に流れた加圧ガスはスタティックミキサー33の先端にある流入領域47を経て噴霧用ノズル57のノズル孔58から外へ放出される。これらの加圧ガスの供給はポリウレア樹脂の原料の混合とその流れを促進し、またはノズル孔58での液切れを良好にするように作用する。もっとも、この加圧ガスの供給は特に行わなくてもポリウレア樹脂を噴霧させ得る。また、第3ホース23と第4ホース24の一方のみを利用しての加圧ガスの供給であってもよい。
【0058】
そして、ポリウレア樹脂を噴霧する場合には噴射用ノズル57を施工対象に向けた姿勢で(主)トリガー55を指で操作する。すると、第1流入通路41の弁51と第2流入通路42の弁52が同時に開き、スプレー缶11,12からポリウレア樹脂の各原料が第1流入通路41と第2流入通路42を通じて合流部35に供給されて各原料が互いに混ざる。また、スプレー缶11,12から供給されるポリウレア樹脂の各原料はその合流部35に交差するように流入するようになるので互いに衝突しながら混ざり合う。この混和された原料はスタティックミキサー33に送り出され、このスタティックミキサー33において更に均一に混和が進み、流入領域47を経て噴射用ノズル57から施工対象の表面に噴霧される。
【0059】
一般に、ポリウレア樹脂は2種類の原料が混和すると速やかに硬化する特性があるが、本実施形態ではそれぞれの原料を別々のスプレー缶11,12に装填するとともにそれぞれの原料に粘度低下に寄与し得るメチルエチルケトン(MEK)を配合したので、その反応遅延効果によりポリウレア樹脂の原料が混り合っても硬化することを遅らせるため、硬化するまでの可使時間が稼げる。また、20℃程度の常温でも原料の流動性が高まり、各原料同士を均一に混合できるようになるので原料を混ぜる前に積極的に温める必要性がない。したがって、スプレー缶を用いる簡易な原料供給手段と、ハンド型の比較的簡易な噴射用ガン2を用いるだけでもポリウレア樹脂の施工を実現することができる。
【0060】
前述した如く、従来では、専用システムのコンプレッサで高圧エアーを発生させてポリウレア樹脂の2種類の薬剤を素早く混合させて微細な粒子状態に拡散させるので、ポリウレア樹脂の瞬間的な硬化現象に対応するようにコンプレッサや電源やヒータ等の多大なエネルギーを発生させる大掛かりな専用システムが必要であった。
【0061】
しかし、本施工システムでは、スプレー缶を用いる簡易な供給手段とハンド型の比較的簡易な噴射用ガン2を用いるだけで済むようになり、大掛かりな装置類を必要としない。また、スプレー缶11,12から放出される材料の持つ移送力のみでの混和及び噴霧が可能である。
【0062】
ここでは、特に第3ホース23または第4ホース24を通じての流体の圧力で送液作用を高めるようにしたので、一層、良好な混和及び均一な噴霧状態を確保できる。まず、第3ホース23を通じての流体は第3流入通路43を通じて合流部35に供給されるので、この合流部35で混和が促進するとともに、ここで混和した原料を速やかにスタティックミキサー33に送り出すことができる。また、第4ホース23を通じての流体は第4流入通路および第5ホース25を通じてスタティックミキサー33の先端に位置する流入領域47に供給され、噴射用ノズル57から放出させることで、この流れによってスタティックミキサー33を通る原料を吸引し、そのスタティックミキサー33での原料の流れを促進し、噴射用ノズル57から速やかに放出させる。
【0063】
したがって、硬化し易いポリウレア樹脂の原料を速やかに均一に混和し、噴射用ノズル57からの噴霧を良好ならしめる。しかも、ポリウレア樹脂の原料が途中で固まることや噴射用ノズル57の先端で液だれやそれが放出等の現象を極力抑制できる。
【0064】
また、ポリウレア樹脂の2種類の材料は合流部35に流入した直後に噴霧させることなく、更に、スタティックミキサー33に通し、ミキシングエレメント46で十分に混合させることができるので一層材料の均一な混和が図れるようになり、良好に噴霧させることができる。
【0065】
また、第1スプレー缶11及び/又は第2スプレー缶12には、メチルエチルケトン(MEK)と、粘度低下に寄与し得るジメチルエーテル(DME)とを配合している。メチルエチルケトン(MEK)は可使時間を延長させる。ジメチルエーテル(DME)は缶内では液体でありながら薬剤の混合の容易化をさせるのでこれらの相乗的な作用効果によりスプレー缶でも使用が十分かつ一層可能ならしめる。
【0066】
以上説明したように、本発明では、ポリウレア樹脂の2種類の原料をそれぞれスプレー缶などのカートリッジタイプの収納容器に装填して市場に提供し、それを利用することができる。また、収納容器に収納した原料はその収納容器に収納した液化ガスによるガス圧で押し出して供給させられ、収納容器に収納した材料をハンディタイプのガンで混和しながら噴霧できるようになった。
【0067】
また、本発明では、収納容器に溶解性の高いメチルエチルケトン(MEK)を事前に配合しておくことで原料が混和した後に硬化が始まる時間を遅らせるようにしたので、十分な混合時間を確保できるようになる。したがって、従来のように大掛かりな専用装置で多大なエネルギーを与える必要がなく、ハンディタイプのガンでも混和しながら噴霧することができるようになった。また、スプレー缶からガス圧で吐出した原料を混合させる時間が得られるのでスタティックミキサーを利用してポリウレア樹脂の2種類の原料の混和も十分に可能になったのである。
【0068】
また、本発明では、ポリウレア樹脂の2つの原料をそれぞれ収納するために、スプレー缶などのカートリッジタイプの収納容器を利用できるので一般の方々にとっても扱い易く、また、種々の販売ルートでの提供が可能であり、汎用性が大幅に向上する。特に、大掛かりな装置が不要であり、管理コスト(設備費)を低減できる。しかも、小規模な用途の施工でも原料の使い残し量が低減できることから、高価なポリウレア樹脂の原料の無駄もなくなり、高性能なポリウレア樹脂の施工コストが安価になる。更に、従来の大掛かりな装置の操作を行う高度の技能が不要であり、多数の作業者が連携して作業を行う必要も少なくなる。したがって、高性能なポリウレア樹脂を簡便に施工することができるので有用なポリウレア樹脂の施工の汎用性を高め得る。
【0069】
(1)ポリウレア樹脂の原料としてのイソシアネートを主成分とするA剤とアミン化合物を主成分とするB剤は次の材料を使用した。
商品名:Nukote Poyuiea ST(SideAとSideB)
製造元:NUKOTE COATING SISTEHS INTERNATION
販売元:金森藤平商事株式会社
また、ジメチルエーテル(DME)とメチルエチルケトン(MEK)はその商品名で一般に流通されているものを使用した。具体的にはジメチルエーテルは小池化学株式会社(埼玉県鴻巣市)が商品名ジメチルエーテルとして製造されたものであり、メチルエチルケトンは山一化学株式会社(東京都台東区)が商品名メチルエチルケトンとして製造されたものである。
【0070】
(2)A剤或いはB剤に対するジメチルエーテル(DME)とメチルエチルケトン(MEK)の配合比(容量比)はA剤或いはB剤:DME:MEK=7:3:10であり、それぞれの容量(ミルリットル(ml))が70ml:30ml:100mlの割合で計200mlの容量のスプレー缶にそれぞれを充填したA剤のスプレー缶とB剤のスプレー缶の各材料をスプレーガンで等量混合させるようにした。
この他にもA剤或いはB剤に対するMEKの配合容量比率を20%と、25%と、40%のものを用意した。更に、この他にA剤或いはB剤に対してMEKのみを配合し、その配合容量比率が20%と、25%と、40%のものを用意した。
【0071】
(3)スプレーガンのスタティックミキサー33について
管本体45の内径は4.8mm、管本体45の全長は165mm、各ミキシングエレメント46の長さは5mm、ミキシングエレメント46の数は32段である。
【0072】
(4)実験した結果
用意したすべてのサンプルにおいて、野外で常温下で実験したが、すべてのサンプルでポリウレア樹脂の噴霧を行うことができた。特にジメチルエーテル(DME)を含むA剤或いはB剤に対するMEKの配合容量比率が20%のものと、25%のものと、40%のものでもポリウレア樹脂の噴霧が良好に行われた。これはジメチルエーテルを主成分とする加圧ガス生成剤は液体であるために収納容器内での材料の粘度低下に寄与することで材料が混合し易くするものと考えられる。もちろん、材料の混合具合が比較的低い20%未満のときにはミキシングエレメント46の段数を増やすことやジメチルエーテル(DME)を増やすことで対処できると考えられる。
【0073】
また、A剤或いはB剤に対するMEKの配合容量比率が40%を超えると、壁等に吹き付ける場合、吹き付けた壁面での液だれを起こすことが予想されるが、ガンで噴射する向きを振り、薄く均一に吹き付けることを繰り返す等の作業で対応できる。A剤或いはB剤に対するMEKの希釈率が40%を超えると、単位時間当たりの塗装膜が薄くなるが、強度等に差異が生じても補修等の用途には十分であり、その使用ができないものでない。
【0074】
ところで、第4ホース23を使用し、送気すると、噴射用ノズル57からの噴霧力が増し、噴射用ノズル57からの液だれも少なくなった。第4ホース24及び第5ホース25を使用し、スタティックミキサー33の先端で噴射用ノズル57の手前から送気すると、噴射用ノズル57からの液だれも少なくなり、ポリウレア樹脂の良好な噴霧が行われた。
【0075】
上述した実施形態では、携帯型のスプレー缶装填用ホルダー1と、ハンド型噴射用ガン2とを別体とした携帯型ポリウレア樹脂施工装置であったが、本発明ではスプレー缶装填用ホルダー1に噴射用ガン2を組み付けた一体型構造の携帯型ポリウレア樹脂施工装置としてもよい。
図3はその一例の携帯型ポリウレア樹脂施工装置を示している。
【0076】
この形式のポリウレア樹脂施工装置では、第1スプレー缶11を装填するための第1装填部61と、第2スプレー缶12を装填するための第2装填部62を、把持部32の左右側方の位置にそれぞれ配置し、それらの装填部61と装填部62をガン本体部31に組み付けた。また、第1装填部61と第2装填部62は把持部32を手で握る余裕の領域を残して左右に配置する。ポリウレア樹脂施工装置の基本的構成は上述した実施形態のものと同様であり、同様に使用することができる。
【0077】
この実施形態では、第4スプレー缶14と、これに接続されるところの第4ホース24を設けていない。また、この実施形態では第3流入通路43が分岐し(第3弁を設ける場合はその手前の通路部分またはその後の通路部分から分岐させる)、この分岐した通路に対して上述した第5ホース25を接続するようにした。また、第3ホース23に接続されるスプレー缶は図示しない携帯型スプレー缶装填用ホルダーに装填するようにした。これの使用方法や作用は上述した場合に準じる。
【0078】
図4は他の形態の携帯型のスプレー缶装填用ホルダー71を示す。このホルダー71は足踏み式の操作板16を設け、その操作板16を足踏み式で昇降操作できるようにした。操作板16を足で踏み付けることで操作板16が降下し、操作板16は各スプレー缶11,12、13,14のヘッド19を同時に押し込み操作する。操作板16は押し込み操作した位置で止まり、スプレー缶11,12、13,14のヘッド19を押し込み位置に保持される。再び操作板16を踏むと、操作板16の維持が解除され、操作板16は上昇して元の位置に復帰する。本実施形態では上述した実施形態での取手5や肩掛けバンド等を設けていないが、それらも併せて設けるようにしてもよい。
【0079】
図5は噴射用ノズルの他の形態を示す。この形態の噴射用ノズル81はスタティックミキサー33における管本体45の先端に形成した雄ねじ部82に螺合する雌ねじ部83を有したノズルチップ84を有している。これにより噴射用ノズル81を管本体45の先端に着脱及び交換できるようになっている。
【0080】
この実施形態では、
図1及び
図2で示した実施形態のようにスタティックミキサー33における管本体45の先端部分に流入領域47を形成するものではなく、ノズルチップ84を形成する部材の方に第5ホース25を通じて供給される気体等の流体の流入領域85を形成するようにした。
【0081】
また、ノズルチップ84にはスタティックミキサー33の長手中心軸の延長上に配置されノズル孔86が形成されている。このノズル孔86の周囲にはそのノズル孔86の中心軸に対して同心環状に形成した空洞とした導入孔87が設けられている。この導入孔87を形成したノズルチップ84には、上述した第5ホース25を着脱自在に接続する接続用口部88が設けられている。この接続用口部88は上記流入領域85に接続されている。導入孔87の先端はノズル孔86の先端において合流しており、導入孔87の先端は、ノズル孔86の後方から斜めにそのノズル孔86に合流するようにノズル孔86の中心に向かって開口することでその交差領域が合流部89を形成するようになっている。そして、スタティックミキサー33で混和されたポリウレア樹脂の材料は第5ホース25を通じて合流部89に供給される気体に引かれてノズル孔86の先端から外へ噴霧状に放出する。
【0082】
また、スタティックミキサー33はそのミキシングエレメントが管本体の一部または全長の設置領域にわたり一方向に連続した螺旋状のものであってもよい。
【0083】
なお、上述した説明では硬化遅延剤としてメチルエチルケトン(MEK)の例を挙げて説明したが、本発明は、メチルエチルケトン以外の有機溶剤、例えばアセトン等であってもよい。そして、このメチルエチルケトン以外の硬化遅延剤を採用した場合であっても、その溶解力に応じた可使用時間遅延効果が期待できると考えられる。
【0084】
また、本発明は、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。更には、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、前述した各実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に異なる実施形態に亘る構成要素を組み合わせたものでもよい。