(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
加熱筒から排出する前樹脂とその後に供給する後樹脂の間に供給する中間材の選定を最適化する成形機の樹脂替え最適化装置であって、成形機コントローラに付属するディスプレイに複数の前樹脂を含む前樹脂リストを表示し、任意の前樹脂を選択可能にする前樹脂選択機能と、前記ディスプレイに複数の後樹脂を含む後樹脂リストを表示し、任意の後樹脂を選択可能にする後樹脂選択機能と、前記ディスプレイに複数の中間材を含む中間材リストを表示し、任意の中間材を選択可能にする中間材選択機能と、選択した前樹脂と後樹脂の組合わせ又は選択した前樹脂と中間材と後樹脂の組合わせを前記ディスプレイに表示し、表示した組合わせに対して前記成形機コントローラに予め設定した判定基準に基づいて適合性を判定処理するとともに、適合判定又は不適合判定に係わる判定結果を、判定結果表示機能により前記ディスプレイに表示する判定処理機能と、この判定処理機能による判定結果に対して使用できる複数の適合中間材を他の中間材に対して差別化し、前記ディスプレイに同時に表示可能な差別化表示機能を有するとともに、当該複数の適合中間材を含む適合中間材データから所定の適合中間材を選択可能にする組合わせ選択機能と、この組合わせ選択機能により選択された適合中間材を含む組合わせにより樹脂替えを行う際の樹脂替え動作条件を前記ディスプレイに表示する動作条件表示機能とを備えることを特徴とする成形機の樹脂替え最適化装置。
前記差別化表示機能は、前記適合中間材データにおける適合中間材を、適合性の高低レベルに対応して複数にランク付表示することを特徴とする請求項2又は3記載の成形機の樹脂替え最適化装置。
前記組合わせ選択機能は、前記判定処理機能による判定結果に対して使用できる複数の適合中間材を含む前記適合中間材データから、予め設定した所定の条件に基づいて選択された所定の適合中間材を順次表示可能な適合中間材表示機能を備えることを特徴とする請求項1記載の成形機の樹脂替え最適化装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した従来における樹脂替えに係わる技術は、必ずしも十分な樹脂替え機能を有しているとは言えず、特に、中間材を用いて最適な樹脂替えを実現する観点からは不十分である。
【0006】
即ち、樹脂替え工程は、樹脂の供給及び排出を繰り返すため、無用な時間と材料を消費することになり、樹脂替え工程を如何に効率的かつ効果的に行うかは、材料コストの削減、更にはパージ処理時間を短縮して生産効率を高める上で重要なポイントとなる。一方、前樹脂から後樹脂に切替える場合、各樹脂の物理的特性及び化学的特性が異なるため、例えば、前樹脂に合わせたパージ条件により樹脂を排出し、この後、後樹脂を供給すれば、後樹脂を劣化させてしまうなどの不具合を生じるため、通常、前樹脂を排出し、後樹脂を供給する前に、中間材を介在させる場合も少なくない。この場合、中間材は種類が多く、また、使用できる中間材が一つではないとともに、前樹脂と後樹脂の双方との関係で選択する必要があるため、最適な中間材を選択したか否かの見極めは、経験を積んだベテランのオペレータであっても容易でない。
【0007】
このように、中間材を使用する場合、どのような中間材を使用するかは、樹脂替え工程を短時間に終了させ、かつ後樹脂を良好な状態で使用する観点から重要な技術的事項となるが、従来の樹脂替えに係わる装置(方法)は、データベースから決められた条件に従って単に選択するに過ぎないため、材料コストの削減及びパージ処理時間の短縮を推進し、更には無用な不良品の発生を抑制する観点からは更なる改善の余地があった。
【0008】
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した成形機の樹脂替え最適化装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述した課題を解決するため、加熱筒から排出する前樹脂R1とその後に供給する後樹脂R2の間に供給する中間材Rmの選定を最適化する成形機の樹脂替え最適化装置1を構成するに際し、成形機コントローラ2に付属するディスプレイ3に複数の前樹脂R1,R1…を含む前樹脂リスト4を表示し、任意の前樹脂R1を選択可能にする前樹脂選択機能Ffと、ディスプレイ3に複数の後樹脂R2,R2…を含む後樹脂リスト5を表示し、任意の後樹脂R2を選択可能にする後樹脂選択機能Frと、ディスプレイ3に複数の中間材Rm,Rmを含む中間材リスト6を表示し、任意の中間材Rmを選択可能にする中間材選択機能Fmと、選択した前樹脂R1と後樹脂R2の組合わせ又は選択した前樹脂R1と中間材Rmと後樹脂R2の組合わせをディスプレイ3に表示し、表示した組合わせに対して成形機コントローラ2に予め設定した判定基準に基づいて適合性を判定処理するとともに、適合判定又は不適合判定に係わる判定結果を、判定結果表示機能Fjsによりディスプレイ3に表示する判定処理機能Fjと、この判定処理機能による判定結果に対して使用できる複数の適合中間材Rms…を他の中間材Rm…に対して差別化し、ディスプレイ3に同時に表示可能な差別化表示機能Fcsを有するとともに、当該複数の適合中間材Rms…を含む適合中間材データ6dから所定の適合中間材Rmsを選択可能にする組合わせ選択機能Fcと、この組合わせ選択機能Fcにより選択された適合中間材Rmsを含む組合わせにより樹脂替えを行う際の樹脂替え動作条件Cdをディスプレイ3に表示する動作条件表示機能Fdとを備えてなることを特徴とする。
【0010】
この場合、発明の好適な態様により、差別化表示機能Fcsは、他の中間材Rm…に対して、適合中間材Rms…を異なる色又は濃淡により表示できるとともに、他の中間材Rm…をマスク処理することにより、適合中間材Rms…を表示することができる。さらに、差別化表示機能Fcsは、適合中間材データ6dにおける適合中間材Rms…を、適合性の高低レベルに対応して複数にランク付表示することができる。他方、組合わせ選択機能Fcには、判定処理機能Fjによる判定結果に対して使用できる複数の適合中間材Rms…を含む適合中間材データ6dから、予め設定した所定の条件に基づいて選択された所定の適合中間材Rmsを順次表示可能な適合中間材表示機能Fcpを設けることもできる。また、樹脂替え動作条件Cdは、成形機コントローラ2に予め設定したデータベースBcにより自動で設定できる。なお、成形機としては射出成形機Mに適用できる。
【発明の効果】
【0011】
このような構成を有する本発明に係る成形機の樹脂替え最適化装置1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
【0012】
(1) 樹脂替え工程を行うに際し、最適な適合中間材Rmsを選択可能になるため、後樹脂R2を劣化させてしまうなどの不具合を回避し、効率的かつ効果的な樹脂替え工程を実現でき、もって、材料コストの削減及びパージ処理時間の短縮により全体の生産効率を高めることができる。しかも、中間材Rm…の種類が多い場合であっても、本発明に係る樹脂替え最適化装置1を利用することにより、前樹脂R1と後樹脂R2を考慮した最適な適合中間材Rmsの選定(最適化)を初心者からベテランのオペレータまで容易に行うことができる。したがって、成形機として加熱筒を備える射出成形機Mに用いて最適となる。
【0013】
(2) 判定処理機能Fjには、適合判定又は不適合判定に係わる判定結果を、ディスプレイ3に表示する判定結果表示機能Fjsを設けたため、使用を予定している、前樹脂R1と後樹脂R2の組合わせ或いは前樹脂R1と中間材Rmと後樹脂R2の組合わせに対する適合性の有無について事前に知ることができ、適合性の判定のみを行ういわば判定装置としても利用可能になるなど、ユーザの利便性を高めることができる。
【0014】
(3) 組合わせ選択機能Fcに、判定処理機能による判定結果に対して使用できる複数の適合中間材Rms…を他の中間材Rm…に対して差別化し、ディスプレイ3に同時に表示可能な差別化表示機能Fcsを設けたため、オペレータは、表示される組合わせと、一緒に表示される樹脂替え動作条件Cdを対比しながら、その適合性を確認でき、最適な組合わせを容易に選定できる。
【0015】
(4) 好適な態様により、他の中間材Rm…に対して異なる色又は濃淡により適合中間材Rms…を表示する差別化表示機能Fcsを設ければ、例えば、複数種類の色(又は濃淡)により表示可能になるため、表示態様の多様性及び多機能性をより高めることができる。
【0016】
(5) 好適な態様により、他の中間材Rm…をマスク処理することにより適合中間材Rms…を表示する差別化表示機能Fcsを設ければ、誤って他の中間材Rmを選択してしまう選択ミスを防止できるため、必要な適合中間材Rmsの選択を確実に行うことができる。
【0017】
(6) 好適な態様により、適合中間材データ6dにおける適合中間材Rms…を、適合性の高低レベルに対応して複数にランク付表示する差別化表示機能Fcsを設ければ、オペレータは、例えば、適合性の高い組合わせに該当するか、或いは適合性はあるとしても比較的低い適合性となる組合わせに該当するかなどの適合性レベルを容易に知ることができるため、樹脂特性を考慮する観点から最適な組合わせの選定(最適化)をより正確かつ能率的に行うことができる。
【0018】
(7) 好適な態様により、組合わせ選択機能Fcに、判定処理機能Fjによる判定結果に対して使用できる複数の適合中間材Rms…を含む適合中間材データ6dから、予め設定した所定の条件に基づいて選択された所定の適合中間材Rmsを順次表示可能な適合中間材表示機能Fcpを設ければ、予め設定した所定の条件に基づいて選択される最適な適合中間材Rmsを利用可能となり、オペレータはより的確かつ迅速な選定(最適化)を行うことができる。
【0019】
(8) 好適な態様により、樹脂替え動作条件Cdを、成形機コントローラ2に予め設定したデータベースBcにより自動で設定するようにすれば、オペレータは、動作条件を考慮する観点から最適な組合わせの選定(最適化)をより正確かつ能率的に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
【0022】
まず、本実施形態に係る樹脂替え最適化装置1を備える射出成形機M(成形機)の構成について、
図1を参照して説明する。
【0023】
図1中、Mは射出成形機、特に、型締装置を省略した射出装置Miを示す。射出装置Miにおいて、8は加熱筒であり、この加熱筒8の前端部にはヘッド部8hを介してノズル8nを取付固定するとともに、加熱筒8の後端上部にはホッパー9を備える。ノズル8nは加熱筒8の内部における溶融した樹脂を金型(型締装置)に対して射出する機能を有するとともに、ホッパー9は樹脂材料、即ち、後述する前樹脂R1,中間材Rm(適合中間材Rms),後樹脂R2を加熱筒8の内部に供給する機能を有する。
【0024】
また、加熱筒8の内部にはスクリュ7を回転自在及び進退自在に装填する。このスクリュ7は、螺旋状のフライト部7mpが形成されたスクリュ本体部7mを備えるとともに、このスクリュ本体部7mの前端にトピード部7t及びスクリュ先端部7sを備える。スクリュ本体部7mは、前側から後側に、メターリングゾーンZm,コンプレッションゾーンZc,フィードゾーンZfを有する。一方、スクリュ7の後端部はスクリュ駆動部10に結合する。スクリュ駆動部10は、スクリュ7を回転させるスクリュ回転機構10r及びスクリュ7を前進及び後退させるスクリュ進退機構10mを備える。なお、スクリュ回転機構10r及びスクリュ進退機構10mの駆動方式は、油圧回路を用いた油圧方式であってもよいし電動モータを用いた電気方式であってもよく、その駆動方式は問わない。
【0025】
さらに、加熱筒8は、前側から後側に、加熱筒前部8f,加熱筒中部8m,加熱筒後部8rを有し、各部8f,8m,8rの外周面には、前部加熱部11f,中部加熱部11m,後部加熱部11rをそれぞれ付設する。同様に、ヘッド部8hの外周面には、ヘッド加熱部11hを付設するとともに、ノズル8nの外周面には、ノズル加熱部11nを付設する。これらの各加熱部11f,11m,11r,11h,11nはバンドヒータ等により構成できる。
【0026】
一方、2は射出成形機M全体の制御を司る成形機コントローラを示す。成形機コントローラ2は、CPU及び付属する内部メモリ12m等のハードウェアを内蔵したコンピュータ機能を有するコントローラ本体12を備える。また、コントローラ本体12の接続ポートにはこのコントローラ本体12に付属するディスプレイ3を接続するとともに、ドライバ13を接続する。この場合、ディスプレイ3はタッチパネルを備え、このディスプレイ3を用いて、設定,選択,入力等の各種操作を行うことができる。さらに、ドライバ13には、前述したスクリュ回転機構10r及びスクリュ進退機構10mを接続するとともに、各加熱部11f,11m,11r,11h,11nを接続する。これにより、コントローラ本体12はドライバ13を介してスクリュ回転機構10r及びスクリュ進退機構10mを駆動制御できるとともに、各加熱部11f,11m,11r,11h,11nを通電制御できる。
【0027】
したがって、成形機コントローラ2は、HMI(ヒューマン・マシン・インタフェース)制御系及びPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)制御系を包含し、内部メモリ12mには、PLCプログラムとHMIプログラムを格納する。なお、PLCプログラムは、射出成形機Mにおける各種工程のシーケンス動作や射出成形機Mの監視等を実現するためのソフトウェアであり、HMIプログラムは、射出成形機Mの動作パラメータの設定及び表示,射出成形機Mの動作監視データの表示等を実現するためのソフトウェアである。そして、この成形機コントローラ2に本実施形態に係る樹脂替え最適化装置1を包含する。
【0028】
次に、本実施形態に係る樹脂替え最適化装置1の構成について、
図1,
図2,
図4〜
図8を参照して具体的に説明する。
【0029】
樹脂替え最適化装置1は、基本的な機能として、樹脂替え工程における加熱筒8から排出する前樹脂R1とその後に供給する後樹脂R2の間に供給する中間材Rm(適合中間材Rms)の選定を最適化する機能を備える。
【0030】
このため、成形機コントローラ2の内部メモリ12mには、樹脂替え最適化装置1を機能させるためのソフトウェア(処理プログラム)及びデータベースBcが格納されており、これにより、
図1に示す各種機能、即ち、前樹脂選択機能Ff,後樹脂選択機能Fr,中間材選択機能Fm,判定処理機能Fj,動作条件表示機能Fd及び組合わせ選択機能Fcを実現する。さらに、判定処理機能Fjには判定結果表示機能Fjsを含むとともに、組合わせ選択機能Fcには差別化表示機能Fcsを含む。
【0031】
また、樹脂替え最適化装置1では、
図2に示す樹脂替え設定画面Vpを使用する。この樹脂替え設定画面Vpはディスプレイ3に表示される。この樹脂替え設定画面Vpは、基本的に、パージ処理条件等の樹脂替えに係わる各種動作条件(樹脂替え動作条件Cd)を設定する画面であり、特に、樹脂替え設定画面Vpの最下部付近に、本実施形態に係る樹脂替え最適化装置1に使用する自動設定部21、即ち、前樹脂R1と後樹脂R2の組合わせ,又は前樹脂R1と中間材Rmと後樹脂R2の組合わせに係る適合性を判定し、最適な組合わせを設定する際に使用する自動設定部21を設ける。
【0032】
以下、樹脂替え最適化装置1における各機能について具体的に説明する。まず、前樹脂選択機能Ffは、ディスプレイ3に複数の前樹脂R1…を含む前樹脂リスト4を表示し、任意の前樹脂R1を選択可能にする機能を備える。
図4に前樹脂リスト4を示す。
図2(
図4)に示すように、樹脂替え設定画面Vpに備える自動設定部21には、前樹脂設定キーK1を備えるため、この前樹脂設定キーK1をON(タッチ)することにより、樹脂替え設定画面Vp上に前樹脂リスト4をウィンドウ表示することができる。例示の場合、16種類の前樹脂R1,R1,R1…が選択可能となるようにマトリクス表示されるため、オペレータは任意の前樹脂R1を選択(タッチ)することができる。これにより、選択した前樹脂R1は、前樹脂設定キーK1に表示される。
図4は、「PP(ポリプロピレン)」を選択した場合を示しており、この「PP」が前樹脂設定キーK1に表示される。
【0033】
後樹脂選択機能Frは、ディスプレイ3に複数の後樹脂R2…を含む後樹脂リスト5を表示し、任意の後樹脂R2を選択可能にする機能を備えており、基本的な操作及び機能(作用)は、前樹脂選択機能Ffの場合と同じである。
図4に後樹脂リスト5を示す。
図2(
図4)に示すように、自動設定部21には、後樹脂設定キーK2を備えるため、この後樹脂設定キーK2をONすることにより、樹脂替え設定画面Vp上に後樹脂リスト5をウィンドウ表示することができる。例示の場合、16種類の後樹脂R2,R2,R2…が選択可能となるようにマトリクス表示されるため、オペレータは任意の後樹脂R2を選択することができる。これにより、選択した後樹脂R2は、後樹脂設定キーK2に表示される。
図4は、「PC(ポリカーボネート)」を選択した場合を示しており、この「PC」が後樹脂設定キーK2に表示される。
【0034】
中間材選択機能Fmは、ディスプレイ3に複数の中間材Rm…を含む中間材リスト6を表示し、任意の中間材Rmを選択可能にする機能を備えており、基本的な操作及び機能(作用)は、前樹脂選択機能Ffの場合と同じである。
図5に中間材リスト6を示す。
図2(
図4)に示すように、自動設定部21には、中間材設定キーKmを備えるため、この中間材設定キーKmをONすることにより、樹脂替え設定画面Vp上に中間材リスト6をウィンドウ表示することができる。例示の場合、22種類の中間材Rm,Rm,Rm…と「不使用」Rmxが選択可能となるようにマトリクス表示されるため、オペレータは任意の中間材Rmを選択することができる。これにより、選択した中間材Rmは、中間材設定キーKmに表示される。
図5は、「HIPS(耐衝撃性ポリスチレン)」を選択した場合を示しており、この「HIPS」が中間材設定キーKmに表示される。なお、中間材Rmは、前樹脂R1や後樹脂R2と同様の樹脂材料を含むとともに、中間材として専用に用意される各種パージ剤(パージ専用剤)が含まれる。
【0035】
判定処理機能Fjは、選択した前樹脂R1と後樹脂R2の組合わせ、又は選択した前樹脂R1と中間材Rmと後樹脂R2の組合わせをディスプレイ3に表示し、表示した組合わせに対して、成形機コントローラ2(処理プログラム)に予め設定した判定基準に基づいて適合性を判定処理する機能を備える。判定基準としては、例えば、溶融温度が高い前樹脂R1と耐熱性の低い後樹脂R2が組合わされた場合、後樹脂R2が熱により劣化する虞れがあるため、不適合と判定する基準となる。このように、各前樹脂R1…と各後樹脂R2…の組合わせに対応した判定基準をデータベースBcとして予め構築する。
【0036】
この判定処理機能Fjには、判定結果表示機能Fjsを備える。この判定結果表示機能Fjsは、判定処理機能Fjによる判定結果、即ち、適合判定又は不適合判定に係わる判定結果をディスプレイ3に表示する機能を備える。Kjは判定キーを示し、判定時に、この判定キーKjをONすることにより、判定処理が実行される。なお、適合判定により適合中間材データ6dに基づく適合中間材リスト6sが表示され、この適合中間材リスト6sから選択された適合中間材Rmsの場合には、ONすることにより、後述する設定確認キーとして機能する。
図8(a)及び(b)に、判定結果表示機能Fjsによる判定結果の表示例を示す。
【0037】
図8(a)は、適合判定に係わる判定結果表示画面25の一例を示し、判定結果表示機能Fjsは、この判定結果表示画面25を樹脂替え設定画面Vp上にウィンドウ表示する機能を備える。判定結果表示画面25において、Kosは終了キーであり、この終了キーKosをONすることにより、以降の処理を終了させることができる。Kocは続行キーであり、この続行キーKocをONすることにより、引き続き処理を続行させることができる。一方、
図8(b)は、不適合判定に係わる判定結果表示画面26の一例を示し、判定結果表示機能Fjsは、この判定結果表示画面26を樹脂替え設定画面Vp上にウィンドウ表示する機能を備える。判定結果表示画面26において、Kssは終了キーであり、この終了キーKssをONすることにより、以降の処理を終了させることができる。Kscは続行キーであり、この続行キーKscをONすることにより、引き続き処理を続行させることができる。
【0038】
したがって、適合判定及び不適合判定のいずれの場合においても終了キーKos及びKssをONすることにより、判定結果を表示した以降の処理を終了させることができ、選択した前樹脂R1,中間材Rm,後樹脂R2はリセットされる。このように、判定処理機能Fjに、適合判定又は不適合判定に係わる判定結果を、ディスプレイ3に表示する判定結果表示機能Fjsを設ければ、使用を予定している、前樹脂R1と後樹脂R2の組合わせ或いは前樹脂R1と中間材Rmと後樹脂R2の組合わせに対する適合性の有無について事前に知ることができるため、適合性の判定のみを行ういわば判定装置としても利用可能になるなど、ユーザの利便性を高めることができる利点がある。
【0039】
組合わせ選択機能Fcは、判定処理機能Fjによる判定結果に対して使用できる複数の適合中間材Rms…を含む適合中間材リスト6sから任意の適合中間材Rmsを選択可能にする機能を備える。判定処理機能Fjに基づく適合判定及び不適合判定のいずれの場合においても、続行キーKoc及びKscをONすることにより、適合性を有する適合中間材Rms…(「不使用」Rmxを含む)を適合中間材リスト6sにより表示させることができる。即ち、適合性を有する適合中間材Rms…は、必ずしも一種類ではなく複数種類存在することも少なくないため、適合可能な全ての適合中間材Rms…を適合中間材リスト6sにより同時に表示する。これにより、判定処理機能Fjによる判定結果に対して使用できる複数の適合中間材Rms…を含む適合中間材リスト6sからオペレータは任意の適合中間材Rmsを選択可能となる。
【0040】
また、組合わせ選択機能Fcは、判定処理機能Fjによる判定結果に対して使用できる適合中間材Rms…を含む適合中間材リスト6sを、他の中間材Rm…に対し、差別化してディスプレイ3に表示する差別化表示機能Fcsを備える。
図6及び
図7は、差別化表示機能Fcsにより表示する適合中間材リスト6sの一例を示す。いずれの適合中間材リスト6sも、前述した中間材リスト6をベースとして、判定処理機能Fjによる判定結果に対して使用できる適合中間材Rms…を含むものであり、他の中間材Rm…に対し、差別化してディスプレイ3に表示する差別化表示機能Fcsを構成する。このように、組合わせ選択機能Fcに、判定処理機能Fjによる判定結果に対して使用できる複数の適合中間材Rms…を他の中間材Rm…に対して差別化し、ディスプレイ3に同時に表示可能な差別化表示機能Fcsを設ければ、オペレータは、表示される組合わせと、一緒に表示される樹脂替え動作条件Cdを対比しながら、その適合性を確認できるため、最適な組合わせを容易に選定できる利点がある。
【0041】
図6は、適合中間材リスト6sを表示するに際し、他の中間材Rm…に対して異なる色又は濃淡により適合中間材Rms…を表示する表示態様を示す。このような差別化表示機能Fcsを設ければ、例えば、複数種類の色(又は濃淡)により表示可能になるため、表示態様の多様性及び多機能性を高めることができる利点がある。また、
図6に示す差別化表示機能Fcsは、適合中間材リスト6sにおける適合中間材Rms…を、適合性の高低レベルに対応して複数にランク付表示する表示態様を示す。例示の場合、適合性の高い「高温用2」と「高温用3」を、例えば、緑色により表示し、適合性の低い「高温用1」,「HIPS」,「PA6」,「PA66」,「PA46」,「PMMA」を、例えば、黄色により表示する例を示している。なお、他の中間材Rm…は、例えば、グレー色にすることができる。このような差別化表示機能Fcsを設ければ、オペレータは、例えば、適合性の高い組合わせに該当するか、或いは適合性はあるとしても比較的低い適合性となる組合わせに該当するかなどの適合性レベルを容易に知ることができるため、樹脂特性を考慮する観点から最適な組合わせの選定(最適化)をより正確かつ能率的に行うことができる利点がある。
【0042】
図7は、他の中間材Rm…をマスク処理することにより適合中間材Rms…を表示する表示態様を示す。このような差別化表示機能Fcsを設ければ、誤って他の中間材Rmを選択してしまう選択ミスを防止できるため、必要な適合中間材Rmsの選択を確実に行うことができる。このように、適合中間材リスト6sの表示態様は、必要により多様な表示態様の中から使用し易い表示態様を採用できる。
【0043】
動作条件表示機能Fdは、組合わせ選択機能Fcにより選択された適合中間材Rmsを含む組合わせにより樹脂替えを行う際の樹脂替え動作条件Cdをディスプレイ3に表示する機能を備える。したがって、オペレータが適合中間材リスト6sの中から任意の適合中間材Rmsを選択すれば、動作条件表示機能Fdにより、この適合中間材Rmsと前樹脂R1と後樹脂R2の組合わせにより樹脂替えを行う際の樹脂替え動作条件Cdがディスプレイ3に表示される。この場合、樹脂替え動作条件Cdは、成形機コントローラ2に予め設定したデータベースBcにより自動で設定することができる。このように、樹脂替え動作条件Cdを自動で設定するようにすれば、オペレータは、動作条件を考慮する観点から最適な組合わせの選定(最適化)をより正確かつ能率的に行うことができる利点がある。特に、オペレータによる設定作業、特に、複数回繰り返しながら最適な組合わせに対する選定作業(最適化)をより能率的に行うことができる。勿論、樹脂替え動作条件Cdの全部又は一部をマニュアルで設定できるようにしてもよい。この場合には、ベテランオペレータの経験や勘などに基づいて任意に設定可能になる。なお、樹脂替え動作条件Cdとしては、
図2に示すように、パージ速度31,パージ圧力32,計量回転速度33,背圧34,計量停止位置35,パージ回数36,加熱温度37等の全部又は一部を適用することができる。
【0044】
次に、このような構成(機能)を有する本実施形態に係る樹脂替え最適化装置1の使用方法の一例について、
図3に示すフローチャート及び各図を参照して説明する。
【0045】
今、所定の樹脂(前樹脂R1)を用いた一連の生産が終了し、次の樹脂(後樹脂R2)に切替えることにより、次の生産に移行する場合を想定する。オペレータは、前樹脂R1を用いた生産が終了したことに伴い、まず、ディスプレイ3に、
図2に示す樹脂替え設定画面Vpを表示させる(ステップS1)。
【0046】
そして、自動設定部21における前樹脂設定キーK1をONし、
図4に示す前樹脂リスト4を表示させることにより、最初にパージ処理を行う前樹脂R1を選択する(ステップS2)。また、後樹脂設定キーK2をONし、
図4に示す後樹脂リスト5を表示させることにより、次の生産に使用する後樹脂R2を選択する(ステップS3)。これにより、
図2に示すように、前樹脂設定キーK1と後樹脂設定キーK2には、それぞれ選択した前樹脂R1と後樹脂R2が表示される。
【0047】
次いで、判定キーKjをONにする(ステップS4)。これにより、樹脂替え設定画面Vp上に、樹脂替え工程及び樹脂替え最適化装置1を用いた自動設定処理に係わる注意事項画面がウィンドウ表示されるため、同画面に表示される注意事項を確認する(ステップS5)。そして、同画面に表示される実行キーをONにする(ステップS6)。これにより、成形機コントローラ2(処理プログラム)は選択した前樹脂R1と後樹脂R2の適合性を判定処理する(ステップS7)。
【0048】
この結果、適合判定の場合には、
図8(a)の判定結果表示画面25が表示される(ステップS8,S9)。確認後、オペレータは続行キーKocを選択することにより、適合中間材リスト6sがウィンドウ表示される(ステップS10,S11)。なお、前述したように、判定装置として利用する場合には、終了キーKosを選択することにより、選択した前樹脂R1と後樹脂R2をリセットし、終了させることができる。
【0049】
一方、適合中間材リスト6sが表示されることにより、オペレータは、この適合中間材リスト6sから任意の適合中間材Rmsを選択できる(ステップS12)。この場合、適合中間材Rmsを使用することなく樹脂替えが可能なため、「不使用」Rmxも含まれる。一例として、「不使用」Rmxを選択した場合を想定する。これにより、適合中間材Rmsを使用することなく前樹脂R1と後樹脂R2の組合わせにより樹脂替えを行う際の樹脂替え動作条件Cdが樹脂替え設定画面Vpに表示される(ステップS13)。オペレータは樹脂替え動作条件Cdを確認し、判定キーKjをONする(ステップS14)。
【0050】
判定キーKjは、適合中間材リスト6sから選択された適合中間材Rmsの場合、設定確認キーとして機能するため、ONすることにより、
図8(c)の確認画面27が樹脂替え設定画面Vp上にウィンドウ表示される。そして、この条件により樹脂替えを行う場合には、設定キーKeを選択する(ステップS15,S16)。
【0051】
これに対して、「不使用」Rmxに係わる樹脂替え動作条件Cdでは、例えば、加熱温度が高すぎると判断し、他の適合中間材Rmsにおける適合性を判定し、確認することができる。この場合、
図8(c)に示す確認画面27における再選択キーKrを選択する(ステップS15,S17)。これにより、適合中間材リスト6sが再度表示されるため、オペレータは他の適合中間材Rmsを選択する(ステップS11,S12)。これにより、選択した適合中間材Rmsを使用し、前樹脂R1と後樹脂R2を組合わせたことにより樹脂替えを行う際の樹脂替え動作条件Cdが樹脂替え設定画面Vpに表示される(ステップS13)。
【0052】
オペレータは樹脂替え動作条件Cdを確認した後、判定キーKjをONにする(ステップS14)。この結果、
図8(c)の確認画面27が表示されるため、この条件により樹脂替えを行う場合には、設定キーKeを選択できる(ステップS15,S16)。これに対して、さらに他の適合中間材Rmsの適合性について確認する場合には、再選択キーKrを選択し、以下、同様の確認を行うことができる。これにより、最終的に、オペレータは最適な適合中間材Rms(「不使用」Rmxを含む)を選択、即ち、適合中間材Rmsの絞り込みを行うことができ、適合中間材Rms…を選定する際の最適化を行うことができる(ステップS15,S17,S11…)。
【0053】
他方、上述した適合性の判定処理において、不適合判定の場合には、
図8(b)の判定結果表示画面26が表示される(ステップS8,S18)。オペレータは、確認後、続行キーKscを選択することにより、適合中間材リスト6sがウィンドウ表示される(ステップS10,S11)。この場合、適合中間材Rmsを使用しない前樹脂R1と後樹脂R2のみの組合わせは不適合判定であるため、適合判定の場合とは異なり、「不使用」Rmxは含まれない。それ以外は、適合判定が行われた場合と同様の手順により最適な適合中間材Rmsを選択することができる(ステップS12,S13,S14,S15,S16,S17,S11…)。したがって、樹脂替え工程を行うに際し、前樹脂R1と後樹脂R2の組合わせが不適合判定の場合であっても、オペレータは、最適な適合中間材Rmsを選択可能となり、適合判定の場合と同様に、最適な適合中間材Rmsを選択することができる。なお、例示は、前樹脂R1と後樹脂R2を選択して適合性の判定を行う例を示したが、その他、オペレータは、前樹脂R1と後樹脂R2を組合わせた場合、当然に適合性がないと判断したような場合には、前樹脂R1と後樹脂R2を選択した後、中間材Rmの選択を行い、前樹脂R1と中間材Rmと後樹脂R2の組み合わせに対して適合性の判定を行っても勿論よい。
【0054】
このように、本実施形態に係る樹脂替え最適化装置1は、成形機コントローラ2に付属するディスプレイ3に複数の前樹脂R1,R1…を含む前樹脂リスト4を表示し、任意の前樹脂R1を選択可能にする前樹脂選択機能Ffと、ディスプレイ3に複数の後樹脂R2,R2…を含む後樹脂リスト5を表示し、任意の後樹脂R2を選択可能にする後樹脂選択機能Frと、ディスプレイ3に複数の中間材Rm,Rmを含む中間材リスト6を表示し、任意の中間材Rmを選択可能にする中間材選択機能Fmと、選択した前樹脂R1と後樹脂R2の組合わせ又は選択した前樹脂R1と後樹脂R2と中間材Rmの組合わせをディスプレイ3に表示し、表示した組合わせに対して成形機コントローラ2に予め設定した判定基準に基づいて適合性を判定処理する判定処理機能Fjと、判定処理機能Fjによる判定結果に対して使用できる複数の適合中間材Rms…を含む適合中間材リスト6sから任意の適合中間材Rmsを選択可能にする組合わせ選択機能Fcと、組合わせ選択機能Fcにより選択された適合中間材Rmsを含む組合わせにより樹脂替えを行う際の樹脂替え動作条件Cdをディスプレイ3に表示する動作条件表示機能Fdとを備えて構成するため、樹脂替え工程を行うに際し、最適な適合中間材Rmsを選択可能になる。したがって、後樹脂R2を劣化させてしまうなどの不具合を回避し、効率的かつ効果的な樹脂替え工程を実現でき、もって、材料コストの削減及びパージ処理時間の短縮により全体の生産効率を高めることができる。しかも、中間材Rm…の種類が多い場合であっても、本発明に係る樹脂替え最適化装置1を利用することにより、前樹脂R1と後樹脂R2を考慮した最適な適合中間材Rmsの選択(最適化)を初心者からベテランのオペレータまで容易に行うことができる。したがって、成形機としては実施形態で示すような加熱筒8を備える射出成形機Mに用いて最適となる。
【0055】
以上により、樹脂替え最適化装置1を用いた中間材Rmに対する最適化処理が終了する。この後は、設定が終了した樹脂替え設定画面Vpに基づいて樹脂替え工程(パージ工程)を行うことができる。
【0056】
例示の場合、射出装置Miに後樹脂R2を投入した後、計量動作及びパージ動作を所定回数だけ繰り返す前段パージ工程と、この前段パージ工程の終了後、当該前段パージ工程よりも少ない計量値の計量動作及びパージ動作を所定回数だけ繰り返す計量パージ処理,及びこの計量パージ処理の終了後、無回転のスクリュを後退させて前進させる空パージ動作を所定回数だけ繰り返す空パージ処理を、所定の繰り返し回数だけ行う後段パージ工程を有する入替パージ工程を実行させることができる。これにより、射出装置Miからの前樹脂R1の残留分の排出を効率的かつ効果的に行うことができる。
【0057】
他方、
図9には、変更実施形態に係る樹脂替え最適化装置1に備える適合中間材表示機能Fcpを示す。この適合中間材表示機能Fcpは、組合わせ選択機能Fcに備える差別化表示機能Fcsの変更形態となる。前述した差別化表示機能Fcsでは、複数の適合中間材Rms…を、適合中間材リスト6sにより同時に表示可能にし、この適合中間材リスト6sからオペレータが任意の適合中間材Rmsを選択できるように構成したが、
図9の適合中間材表示機能Fcpでは、適合中間材リスト6sは表示しない。その代わりに、この適合中間材リスト6sの基になる適合中間材データ6dから、予め設定した所定の条件に基づいて選択された所定の適合中間材Rmsを順次表示可能にしたものである。なお、予め設定した所定の条件とは、例えば、前述した適合性に係わる高低レベルに対応したランク等を条件とすることができる。
【0058】
図9(a),(b),(c),(d)は、具体的な判定結果表示画面41a,41b,41c,41dの一例を示しており、このような判定結果表示画面41a…は、予め多数登録しておく。そして、判定結果(又は選択結果)に応じ、当該判定結果表示画面41a…を兼用することにより最適な適合中間材Rmsを提示できるようにしたものである。
【0059】
例えば、オペレータの入力(選択)に基づいて判定が行われた結果、「前樹脂」と「中間材」の組合わせが不適合の場合、例えば、
図9(a)に示す判定結果表示画面41aがウィンドウ表示される。この場合、判定結果表示機能Fjsに基づく判定結果(不適合)の表示に加えて、適合中間材表示機能Fcpにより、この「前樹脂」に最適な適合中間材Rms(例示の場合、最高ランクの「高温2」)がメッセージにより、判定結果と一緒に表示される。
【0060】
これにより、オペレータがこのメッセージを確認した後、確認キーKsmをタッチし、判定結果表示画面41aを閉じるとともに、この後、図示を省略したが、樹脂替え設定画面Vp上に設けた「設定」キー等をタッチすることにより、前述した
図3に示したフローチャートのステップS16と同様の処理ステップに入ることができる。これに対して、提示された適合中間材Rms以外の適合中間材Rmsを確認したい場合には、例えば、中間材設定キーKmにより、同一の中間材Rmを再選定し、判定キーKjをタッチすることにより、例えば、
図9(b)に示す第二候補(例示の場合、次点ランクの「汎用2」)を判定結果表示画面41bとして表示、即ち、順次表示させることができるとともに、あるいは中間材設定キーKmにより、異なる他の中間材Rmを選定し、判定キーKjをタッチすることにより判定処理機能Fjによる判定を行なわせることもできる。そして、必要によりこれらの処理操作を繰り返すことにより、適合中間材Rmsに対する最適化を図ることができる。
【0061】
以上、説明した判定結果表示画面41a,41bは、一つの適合中間材Rmsを提示する態様を示したが、
図9(c),(d)に示す判定結果表示画面41c,41dのように複数種類の適合中間材Rms…を同時に提示するようにしてもよい。
【0062】
このように、組合わせ選択機能Fcに、判定処理機能Fjによる判定結果に対して使用できる複数の適合中間材Rms…を含む適合中間材データ6dから、予め設定した所定の条件に基づいて選択された所定の適合中間材Rmsを順次表示可能な適合中間材表示機能Fcpを設ければ、予め設定した所定の条件に基づいて選択される最適な適合中間材Rmsを利用可能となり、オペレータはより的確かつ迅速な選定(最適化)を行うことができる。
【0063】
以上、好適実施形態及び変更実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,材料,数量,数値,手法等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
【0064】
例えば、実施形態で示した前樹脂R1,後樹脂R2,中間材Rmは、例示に限定されるものではなく、各種樹脂素材及び各種パージ剤(パージ専用剤)を利用できる。また、成形機コントローラ2に付属するディスプレイ3とは、必ずしも一体的に備える意味ではなく、例えば、別途用意したパーソナルコンピュータ及びディスプレイを利用し、成形機に使用する前樹脂R1,後樹脂R2及び中間材Rmに対して最適化処理(選択,判定)を行う場合も付属する意味に含まれる。さらに、差別化表示機能Fcsとして、適合中間材リスト6sにおける適合中間材Rms…を、適合性の高低レベルに対応して複数にランク付表示するとは、例示以外の各種態様によりランク付表示可能であり、例えば、最適となる一つの適合中間材Rmsのみを差別化して、或いはそれのみを表示してもよいし、A〜Dランク等の任意の数によりランク付表示してもよい。