特許第6397789号(P6397789)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6397789
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】面光源装置及び液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20180913BHJP
   F21V 9/30 20180101ALI20180913BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20180913BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20180913BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20180913BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20180913BHJP
   F21Y 113/00 20160101ALN20180913BHJP
【FI】
   F21S2/00 439
   F21V9/30
   F21V19/00 170
   G02F1/13357
   H01L33/00 L
   F21Y115:10
   F21Y113:00
【請求項の数】18
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2015-65748(P2015-65748)
(22)【出願日】2015年3月27日
(65)【公開番号】特開2016-27546(P2016-27546A)
(43)【公開日】2016年2月18日
【審査請求日】2017年9月11日
(31)【優先権主張番号】特願2014-138267(P2014-138267)
(32)【優先日】2014年7月4日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】行方 裕紀
(72)【発明者】
【氏名】山本 純也
【審査官】 竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−058650(JP,A)
【文献】 特表2008−537629(JP,A)
【文献】 特開2013−179254(JP,A)
【文献】 特開2013−16693(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 9/30
F21V 19/00
G02F 1/13357
H01L 33/00
F21Y 113/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に並んだ第1光源及び第2光源と、
前記第1光源及び前記第2光源と対向する側面、及び、前記側面と交差する主面を有する導光板と、を備えた面光源装置であって、
前記第1光源及び前記第2光源の各々は、青色発光ダイオードチップと赤色蛍光体及び緑色蛍光体とを組み合わせた3波長発光ダイオードであり、
前記第1光源は、青色ピーク波長の第1ピーク値、緑色ピーク波長の第2ピーク値、及び、赤色ピーク波長の第3ピーク値を有する第1スペクトル特性を有し、
前記第2光源は、青色ピーク波長の第4ピーク値、緑色ピーク波長の第5ピーク値、及び、赤色ピーク波長の第6ピーク値を有する第2スペクトル特性を有し、
前記第2ピーク値及び前記第5ピーク値が略同等であり、且つ、前記第3ピーク値及び前記第6ピーク値が略同等であり、
前記第1ピーク値は、前記第4ピーク値とは異なる、面光源装置。
【請求項2】
前記第2ピーク値及び前記第5ピーク値を1とするように前記第1スペクトル特性及び前記第2スペクトル特性を規格化したとき、前記第3ピーク値は前記第6ピーク値の90%以上100%以下である、請求項1に記載の面光源装置。
【請求項3】
前記第3ピーク値及び前記第6ピーク値を1とするように前記第1スペクトル特性及び前記第2スペクトル特性を規格化したとき、前記第2ピーク値は前記第5ピーク値の90%以上100%以下である、請求項1または2に記載の面光源装置。
【請求項4】
前記第1光源及び前記第2光源は、前記第1光源から放射される白色光の第1色度と前記第2光源から放射される白色光の第2色度との間に目標色度座標が位置するように選択される、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の面光源装置。
【請求項5】
前記第1ピーク値の青色ピーク波長は、前記第4ピーク値の青色ピーク波長と同一である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の面光源装置。
【請求項6】
前記第1光源における前記第1ピーク値の青色ピーク波長と、前記第2光源における前記第4ピーク値の青色ピーク波長との差が3nm以内であり、
前記第2ピーク値及び前記第5ピーク値を1とするように前記第1スペクトル特性及び前記第2スペクトル特性を規格化したとき、前記第3ピーク値は前記第6ピーク値の79.8%以上100%以下である、請求項1に記載の面光源装置。
【請求項7】
前記第1光源における前記第1ピーク値の青色ピーク波長と、前記第2光源における前記第4ピーク値の青色ピーク波長との差が3nm以内であり、
前記第3ピーク値及び前記第6ピーク値を1とするように前記第1スペクトル特性及び前記第2スペクトル特性を規格化したとき、前記第2ピーク値は前記第5ピーク値の79.8%以上100%以下である、請求項1または6に記載の面光源装置。
【請求項8】
前記第1光源及び前記第2光源は、前記第1光源から放射される白色光の第1色度、及び、前記第2光源から放射される白色光の第2色度をそれぞれu’v’色度図における座標値としてあらわしたとき、u’座標値の差の絶対値が0.0078以下となるように選択される、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の面光源装置。
【請求項9】
一方向に並んだ第1光源及び第2光源と、
前記第1光源及び前記第2光源と対向する側面、及び、前記側面と交差する主面を有する導光板と、
前記主面と対向する側に位置する液晶表示パネルと、を備えた液晶表示装置であって、
前記第1光源及び前記第2光源の各々は、青色発光ダイオードチップと赤色蛍光体及び緑色蛍光体とを組み合わせた3波長発光ダイオードであり、
前記第1光源は、青色ピーク波長の第1ピーク値、緑色ピーク波長の第2ピーク値、及び、赤色ピーク波長の第3ピーク値を有する第1スペクトル特性を有し、
前記第2光源は、青色ピーク波長の第4ピーク値、緑色ピーク波長の第5ピーク値、及び、赤色ピーク波長の第6ピーク値を有する第2スペクトル特性を有し、
前記第2ピーク値及び前記第5ピーク値が略同等であり、且つ、前記第3ピーク値及び前記第6ピーク値が略同等であり、
前記第1ピーク値は、前記第4ピーク値とは異なる、液晶表示装置。
【請求項10】
前記第2ピーク値及び前記第5ピーク値を1とするように前記第1スペクトル特性及び前記第2スペクトル特性を規格化したとき、前記第3ピーク値は前記第6ピーク値の90%以上100%以下である、請求項9に記載の液晶表示装置。
【請求項11】
前記第3ピーク値及び前記第6ピーク値を1とするように前記第1スペクトル特性及び前記第2スペクトル特性を規格化したとき、前記第2ピーク値は前記第5ピーク値の90%以上100%以下である、請求項9または10に記載の液晶表示装置。
【請求項12】
前記第1光源及び前記第2光源は、前記第1光源から放射される白色光の第1色度と前記第2光源から放射される白色光の第2色度との間に目標色度座標が位置するように選択される、請求項9乃至11のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項13】
前記第1ピーク値の青色ピーク波長は、前記第4ピーク値の青色ピーク波長と同一である、請求項9乃至12のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項14】
前記第1光源における前記第1ピーク値の青色ピーク波長と、前記第2光源における前記第4ピーク値の青色ピーク波長との差が3nm以内であり、
前記第2ピーク値及び前記第5ピーク値を1とするように前記第1スペクトル特性及び前記第2スペクトル特性を規格化したとき、前記第3ピーク値は前記第6ピーク値の79.8%以上100%以下である、請求項9に記載の液晶表示装置。
【請求項15】
前記第1光源における前記第1ピーク値の青色ピーク波長と、前記第2光源における前記第4ピーク値の青色ピーク波長との差が3nm以内であり、
前記第3ピーク値及び前記第6ピーク値を1とするように前記第1スペクトル特性及び前記第2スペクトル特性を規格化したとき、前記第2ピーク値は前記第5ピーク値の79.8%以上100%以下である、請求項9または14に記載の液晶表示装置。
【請求項16】
前記第1光源及び前記第2光源は、前記第1光源から放射される白色光の第1色度、及び、前記第2光源から放射される白色光の第2色度をそれぞれu’v’色度図における座標値としてあらわしたとき、u’座標値の差の絶対値が0.0078以下となるように選択される、請求項9乃至15のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項17】
目標色度座標が得られる3波長発光ダイオードのスペクトル特性において青色ピーク波長のピーク値を1としたとき、前記第1ピーク値及び前記第4ピーク値は、0.9以上1.1以下である、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の面光源装置。
【請求項18】
目標色度座標が得られる3波長発光ダイオードのスペクトル特性において青色ピーク波長のピーク値を1としたとき、前記第1ピーク値及び前記第4ピーク値は、0.9以上1.1以下である、請求項9乃至16のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、面光源装置及び液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置に適用されるエッジライト方式の面光源装置において、点光源として、白色発光ダイオードを備えたものが実用化されている。複数の点光源が導光板の一辺に沿って配置された構成では、点光源に近い入光面の近傍において輝度ムラが生じやすい。このような課題に対して、例えば、入光面に出光面と垂直な方向に長い異方性形状を有する複数の凹部又は凸部を設ける技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−33252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態の目的は、その面内での色度を均一化することが可能な面光源装置、及び、表示品位の良好な液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態によれば、
一方向に並んだ第1光源及び第2光源と、前記第1光源及び前記第2光源と対向する側面、及び、前記側面と交差する主面を有する導光板と、を備えた面光源装置であって、前記第1光源及び前記第2光源の各々は、青色発光ダイオードチップと赤色蛍光体及び緑色蛍光体とを組み合わせた3波長発光ダイオードであり、前記第1光源は、青色ピーク波長の第1ピーク値、緑色ピーク波長の第2ピーク値、及び、赤色ピーク波長の第3ピーク値を有する第1スペクトル特性を有し、前記第2光源は、青色ピーク波長の第4ピーク値、緑色ピーク波長の第5ピーク値、及び、赤色ピーク波長の第6ピーク値を有する第2スペクトル特性を有し、前記第2ピーク値及び前記第5ピーク値が略同等であり、且つ、前記第3ピーク値及び前記第6ピーク値が略同等である、面光源装置が提供される。
【0006】
本実施形態によれば、
一方向に並んだ第1光源及び第2光源と、前記第1光源及び前記第2光源と対向する側面、及び、前記側面と交差する主面を有する導光板と、前記主面と対向する側に位置する液晶表示パネルと、を備えた液晶表示装置であって、前記第1光源及び前記第2光源の各々は、青色発光ダイオードチップと赤色蛍光体及び緑色蛍光体とを組み合わせた3波長発光ダイオードであり、前記第1光源は、青色ピーク波長の第1ピーク値、緑色ピーク波長の第2ピーク値、及び、赤色ピーク波長の第3ピーク値を有する第1スペクトル特性を有し、前記第2光源は、青色ピーク波長の第4ピーク値、緑色ピーク波長の第5ピーク値、及び、赤色ピーク波長の第6ピーク値を有する第2スペクトル特性を有し、前記第2ピーク値及び前記第5ピーク値が略同等であり、且つ、前記第3ピーク値及び前記第6ピーク値が略同等である、液晶表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本実施形態における液晶表示装置LCDの構成例を概略的に示す分解斜視図である。
図2図2は、図1に示した液晶表示装置LCDの構成例を概略的に示す断面図である。
図3A図3Aは、図1に示した発光ダイオードLDの構成例を概略的に示す断面図である。
図3B図3Bは、図1に示した発光ダイオードLDの他の構成例を概略的に示す断面図である。
図4図4は、一仕様の発光ダイオードLDから放射される放射光(白色光)の色度のマージンMを示すxy色度図である。
図5図5は、図4に示した線L0上の色度を有する発光ダイオードLDのスペクトル特性の一例を示す図である。
図6図6は、図4に示したのと同一仕様の発光ダイオードLDから放射される放射光(白色光)について赤色波長のピーク値及び緑色波長のピーク値の許容範囲とマージンMとの関係を示すxy色度図である。
図7図7は、図6に示した線L11又は線L12上の色度を有する発光ダイオードLDのスペクトル特性の一例を示す図である。
図8図8は、図6に示した線L21又は線L22上の色度を有する発光ダイオードLDのスペクトル特性の一例を示す図である。
図9図9は、図4に示したのと同一仕様の発光ダイオードLDから放射される放射光(白色光)について赤色波長のピーク値及び緑色波長のピーク値の許容範囲とマージンMとの関係を示すu’v’色度図である。
図10図10は、選択した発光ダイオードLD1及びLD2の組み合わせと、見栄えの評価結果をまとめた図である。
図11A図11Aは、代表的な面光源装置LSにおける色度分布の測定結果を示す図である。
図11B図11Bは、発光ダイオードLD1及びLD2と測定位置との関係を説明するための図である。
図12図12は、マージンM内に14個の色度ランクを設定した例を示すxy色度図である。
図13図13は、マージンM内に39個の色度ランクを設定した例を示すxy色度図である。
図14図14は、図1に示した光源ユニットLUにおける発光ダイオードLDのレイアウト例を示す図である。
図15図15は、サンプル番号1乃至12の面光源装置LSに適用される発光ダイオードLD1及びLD2の色度を示す図である。
図16図16は、サンプル番号13乃至24の面光源装置LSに適用される発光ダイオードLD1及びLD2の色度を示す図である。
図17図17は、面光源装置LSのサンプル番号と、見栄えの評価結果とをまとめた図である。
図18図18は、各サンプルの面光源装置LSにおける発光ダイオードLD1及びLD2の色度差と、見栄えとの相関関係を示す図である。
図19図19は、各サンプルの面光源装置LSにおける発光ダイオードLD1及びLD2のピーク波長でのピーク値の差分と、見栄えとの相関関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
図1は、本実施形態における液晶表示装置LCDの構成例を概略的に示す分解斜視図である。
【0010】
液晶表示装置LCDは、アクティブマトリクス型の液晶表示パネルPNL、両面テープTP、光学シートOS、フレームFR、導光板LG、光源ユニットLU、反射シートRS、ベゼルBZなどを備えている。液晶表示パネルPNLを照明する面光源装置LSは、少なくとも導光板LG及び光源ユニットLUを備えて構成されている。
【0011】
液晶表示パネルPNLは、平板状の第1基板SUB1と、第1基板SUB1に対向配置された平板状の第2基板SUB2と、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に保持された液晶層と、を備えている。なお、液晶層は、液晶表示パネルPNLの厚みに比べて極めて薄く、第1基板SUB1と第2基板SUB2とを貼り合せるシール材の内側に位置しているため、その図示を省略している。
【0012】
液晶表示パネルPNLは、第1基板SUB1と第2基板SUB2とが対向する領域に画像を表示する表示エリアDAを有している。図示した例では、表示エリアDAは、長方形状に形成されている。液晶表示パネルPNLは、面光源装置LSからの光を選択的に透過することで画像を表示する透過表示機能を備えた透過型である。なお、液晶表示パネルPNLは、透過表示機能に加えて、外光を選択的に反射することで画像を表示する反射表示機能を備えた半透過型であってもよい。また、液晶表示パネルPNLは、表示モードとして、主として基板主面に略平行な横電界を利用する横電界モードに対応した構成を有していても良いし、主として基板主面に略垂直な縦電界を利用する縦電界モードに対応した構成を有していても良い。
【0013】
図示した例では、液晶表示パネルPNLを駆動するのに必要な信号を供給する信号供給源として、駆動ICチップCP及びフレキシブルプリント回路基板FPCが第1基板SUB1に実装されている。
【0014】
光学シートOSは、光透過性を有しており、液晶表示パネルPNLの裏面側に位置し、少なくとも表示エリアDAと対向している。光学シートOSとしては、拡散シートOSA、プリズムシートOSB、プリズムシートOSC、拡散シートOSDなどが含まれる。図示した例では、これらの光学シートOSは、いずれも長方形状に形成されている。
【0015】
フレームFRは、液晶表示パネルPNLとベゼルBZとの間に位置している。図示した例では、フレームFRは、矩形枠状に形成されており、表示エリアDAと対向する長方形状の開口部OPを有している。
【0016】
両面テープTPは、表示エリアDAの外側で液晶表示パネルPNLとフレームFRとの間に位置している。この両面テープTPは、例えば遮光性を有しており、矩形枠状に形成されている。
【0017】
導光板LGは、フレームFRとベゼルBZとの間に位置している。図示した例では、導光板LGは、平板状に形成され、第1主面LGA、第1主面LGAとは反対側の第2主面LGB、及び、第1主面LGAと第2主面LGBとを繋ぐ側面LGCを有している。
【0018】
光源ユニットLUは、導光板LGの側面LGCに沿って配置されている。光源ユニットLUは、光源として機能する発光ダイオードLD、複数の発光ダイオードLDが実装されるフレキシブル回路基板LFPCなどを備えている。複数の発光ダイオードLDは、一方向に並んでいる。図示した例では、これらの発光ダイオードLDは、導光板LGの短辺に平行な側面LGCに沿って一列に並んでいる。なお、発光ダイオードLDは、導光板LGの長辺に平行な他の側面(側面LGCに交差する側面)に沿って並んでいても良い。一例では、光源ユニットLUは、偶数個の発光ダイオードLDを備えている。発光ダイオードLDの詳細については後述する。
【0019】
反射シートRSは、光反射性を有しており、ベゼルBZと導光板LGとの間に位置している。図示した例では、反射シートRSは、長方形状に形成されている。
【0020】
ベゼルBZは、上記の液晶表示パネルPNL、両面テープTP、光学シートOS、フレームFR、導光板LG、光源ユニットLU、反射シートRSを収容している。図示した例では、面光源装置LSは、液晶表示パネルPNLを背面側、つまり第1基板SUB1と対向する側に配置されており、いわゆるバックライトとして機能する。
【0021】
図2は、図1に示した液晶表示装置LCDの構成例を概略的に示す断面図である。
【0022】
液晶表示パネルPNL、各種光学シートOSA乃至OSD、導光板LG、及び、反射シートRSは、表示エリアDAのみならず、表示エリアDAよりも外側の非表示エリアNDAに延在している。光源ユニットLU及びフレームFRは、非表示エリアNDAに位置している。
【0023】
反射シートRSは、導光板LGの第2主面LGBと対向している。各種光学シートOSA乃至OSDの各々は、導光板LGの第1主面LGAと液晶表示パネルPNLとの間で積層されている。
【0024】
光源ユニットLUにおいて、フレキシブル回路基板LFPCは、ベゼルBZと、導光板LG及びフレームFRとの間に位置している。フレキシブル回路基板LFPCは、例えば、両面テープなどで導光板LGの第2主面LGBに接着されている。発光ダイオードLDは、フレームFRとベゼルBZとの間のスペースに収容されている。発光ダイオードLDの発光面LEは、導光板LGの側面LGCと対向している。側面LGCは、発光ダイオードLDからの放射光が入射する入射面に相当する。また、側面LGCに交差する第1主面LGAは、側面LGCから入射した光を出射する出射面に相当する。液晶表示パネルPNLは、第1主面LGAと対向する側に位置している。
【0025】
両面テープTPは、非表示エリアNDAにおいて、液晶表示パネルPNLとフレームFRとを接着している。液晶表示パネルPNLは、第1基板SUB1の外面に接着された第1光学素子OD1、及び、第2基板SUB2の外面に接着された第2光学素子OD2を備えている。第1光学素子OD1及び第2光学素子OD2の各々は、少なくとも偏光板を含んでいる。第1光学素子OD1は、光学シート(拡散シート)ODAと対向している。
【0026】
図3Aは、図1に示した発光ダイオードLDの構成例を概略的に示す断面図である。
【0027】
本実施形態で適用される発光ダイオードLDは、青色に発光する青色発光ダイオードチップ(以下、青色LEDチップと称する)と、赤色蛍光体及び緑色蛍光体とを組み合わせて構成されている。このような発光ダイオードLDは、シングルチップ型の3波長発光ダイオードなどと称されるものである。
【0028】
すなわち、発光ダイオードLDは、フレーム11、青色LEDチップ12、樹脂層13、パッケージ14などを備えている。フレーム11は、銅などの金属製であり、青色LEDチップ12を支持している。青色LEDチップ12は、フレーム11に実装されている。この青色LEDチップ12は、例えば440nm〜460nmの青色波長においてスペクトル強度のピークを有する青色光を放射する。樹脂層13は、青色LEDチップ12の発光面12Eと対向する側に位置している。この樹脂層13は、少なくとも赤色蛍光体13R及び緑色蛍光体13Gを含んでいる。なお、樹脂層13は、必要に応じて、赤色及び緑色とは異なる他の色の蛍光体を含んでいても良く、一例では、黄色の蛍光体を含んでいても良い。パッケージ14は、これらのフレーム11、青色LEDチップ12、及び、樹脂層13を収容している。
【0029】
発光ダイオードLDは、青色LEDチップ12からの青色光、赤色蛍光体13Rからの赤色の蛍光、及び、緑色蛍光体13Gからの緑色の蛍光を組み合わせて白色光を放射する白色光源として機能する。この発光ダイオードLDのスペクトル特性は、青色波長、緑色波長、及び、赤色波長のそれぞれにピークを有する。青色波長でのピークは、主として青色LEDチップ12から放射された青色光に依存する。緑色波長でのピークは、主として緑色蛍光体13Gからの蛍光に依存する。赤色波長でのピークは、主として赤色蛍光体13Rからの蛍光に依存する。
【0030】
図3Bは、図1に示した発光ダイオードLDの他の構成例を概略的に示す断面図である。ここに示した構成例は、図3Aに示した構成例と比較して、1個の発光ダイオードLDが2個の青色LEDチップ121及び122を備えた点で相違している。これらの青色LEDチップ121及び122は、赤色蛍光体13R及び緑色蛍光体13Gを含んだ樹脂層13と対向し、フレーム11とともにパッケージ14に収容されている。
【0031】
このような発光ダイオードLDは、YAGやシリケート系などの黄色蛍光体を使用した白色発光ダイオード(比較例)と比較して、色度図上での色再現範囲を拡大できるといった利点を有している。一方で、発光ダイオードLDは、2種類の蛍光体を使用しているため、比較例の白色発光ダイオードよりも、製造上の色度バラつきが大きくなる傾向がある。また、発光ダイオードLDは、青色波長、緑色波長、及び、赤色波長の3波長でそれぞれピークを有するスペクトル特性を有しているため、スペクトルのバラツキ、例えば青色波長、緑色波長、赤色波長のそれぞれでのピーク値のバラツキなどにより、放射される白色光の色度のバラツキが大きくなる傾向がある。このため、量産された発光ダイオードLDについて、それぞれ固有の色度は、色度図上で比較的広範囲に分布している。
【0032】
このような発光ダイオードLDを光源ユニットLUに適用する際には、予め各発光ダイオードをその色度に応じて対応する色度ランク別に分類し、異なる色度ランクの発光ダイオードLDを規則的に配置する(ミキシング)実装方法が提案されている。このような実装方法によれば、色度ランクの異なる発光ダイオードLDからの個々の放射光が導光板LGの内部で混ざり、導光板LGから出射される。
【0033】
ところで、発光ダイオードLDのミキシングに際しては、異なる色度ランクの発光ダイオードLDの組み合わせによっては個々の放射光が十分に混ざらないことがある。特に、導光板LGの側面(入射面)LGCの近傍では、発光ダイオードLDからの放射光の個々の色味がそのまま残り、面光源装置LSとしてその面内での色度の均一性が損なわれてしまう虞がある。また、このような面光源装置LSを適用した液晶表示装置では、表示品位が低下してしまう虞がある。
【0034】
以下、本実施形態における発光ダイオードLDのミキシングについて説明する。
【0035】
図4は、一仕様の発光ダイオードLDから放射される放射光(白色光)の色度のマージンMを示すxy色度図である。なお、ここでのxy色度図とは、2°視野XYZ表色系において、色度座標(x、y)を平面上に示した図であり、CIE1931色度図と称される場合もある。
【0036】
一仕様の発光ダイオードLDは、同一波長にスペクトル強度のピークを有する青色LEDチップと、赤色蛍光体及び緑色蛍光体とを組み合わせて、目標色度座標の放射光(白色光)が得られるように製造される。このように製造された発光ダイオードLDの各々において、それらの放射光の色度は、各発光ダイオードLDの青色波長、緑色波長、及び、赤色波長それぞれのピーク値のバラツキに起因して、色度図上で所定範囲に亘って分布する。例えば、一仕様の発光ダイオードLDは、図中のドットDtで示した目標色度座標の放射光が得られるように製造される。このとき、当該一仕様の発光ダイオードLDの色度のマージン(バラツキ)Mは、座標D1から座標D2までの範囲に亘り、図示した例では、図中の座標D1乃至D4で規定される四角形で示した範囲に亘る。なお、マージンMの形状は、図示した例に限らない。
【0037】
一例では、ドットDtで示した目標色度座標は、(x,y)=(0.2748,0.2525)であり、座標D1は(x,y)=(0.2620,0.2350)であり、座標D2は(x,y)=(0.2875,0.2700)であり、座標D3は(x,y)=(0.2788,0.2700)であり、座標D4は(x,y)=(0.2704,0.2350)である。目標色度座標のドットDtは、座標D1と座標D2との中間、或いはマージンMの中央(図示した四角形の重心)に位置している。
【0038】
図中の線L0は、一仕様の発光ダイオードLDのうち、緑色波長のピーク値と赤色波長のピーク値との比が一定であり、青色波長のピーク値が異なるスペクトル特性を有する発光ダイオードLDの個々の色度の集合に相当する。なお、この線L0は、必ずしも直線であるとは限らない。線L0上のドットD11乃至D18、及び、ドットD21乃至D26は、代表的な発光ダイオードLDの色度を示している。なお、目標色度座標のドットDtは、線L0上に位置している。線L0は、マージンMを横切っている。線L0上のドットDt、D11、D12、D21、及びD22は、いずれもマージンMの内側に位置している。
【0039】
図5は、図4に示した線L0上の色度を有する発光ダイオードLDのスペクトル特性の一例を示す図である。本実施形態では、発光ダイオードLDのスペクトル特性は、分光放射輝度計CS2000(コニカミノルタ社製)で測定した。
【0040】
図中の横軸は波長(nm)を表し、縦軸はスペクトル強度(a.u.)を表す。発光ダイオードLDのスペクトル特性は、約450nm(一例では約445nm)の青色波長、約540nm(一例では538nm)の緑色波長、及び、約630nm(一例では631nm)の赤色波長のそれぞれにピークを有する。なお、図示した例のスペクトル特性は、赤色波長において3つのピークを有するが、ここでは、最もスペクトル強度が高いピークを赤色波長のピークとしている。また、青色波長などの他の波長においても複数のピークが出現する場合においても、最もスペクトル強度が高いピークを赤色波長のピークとする。各ピークでのスペクトル強度がピーク値に相当する。なお、以下の説明では、上記の分光放射輝度計で測定したスペクトル特性において、スペクトル強度のピークが得られる波長をピーク波長と称する場合がある。図中のλbは青色ピーク波長(約445nm)を示し、λgは緑色ピーク波長(約538nm)を示し、λrは赤色ピーク波長(約631nm)を示している。
【0041】
また、図中の横軸の波長は、人間の目で感じる光の色の波長を数値化したドミナント波長に換算することも可能である。すなわち、横軸をドミナント波長とするスペクトル特性は、図示した各波長でのスペクトル強度に、視感度を乗じることによって得られる。
【0042】
いま、ドットDtで示した目標色度座標が得られる発光ダイオードLDのスペクトル特性において、青色ピーク波長λbでのピーク値PBを1とする。緑色ピーク波長λgのピーク値及び赤色ピーク波長λrのピーク値を一定として、青色ピーク波長λbのピーク値PBのみを1から1.4まで0.05刻みで変更したそれぞれの発光ダイオードLDは、図4のドットD11乃至D18で示した色度を有し、また、青色ピーク波長λbのピーク値PBのみを1から0.7まで0.05刻みで変更したそれぞれの発光ダイオードLDは、図4のドットD21乃至D26で示した色度を有する。代表的には、ドットD11はピーク値PBが1.05の場合に相当し、ドットD12はピーク値PBが1.10の場合に相当し、ドットD13はピーク値PBが1.15の場合に相当する。また、ドットD21はピーク値PBが0.95の場合に相当し、ドットD22はピーク値PBが0.90の場合に相当し、ドットD23はピーク値PBが0.85の場合に相当する。
【0043】
図6は、図4に示したのと同一仕様の発光ダイオードLDから放射される放射光(白色光)について赤色ピーク波長のピーク値及び緑色ピーク波長のピーク値の許容範囲とマージンMとの関係を示すxy色度図である。
【0044】
ここでは、同一仕様の発光ダイオードLDについて、それぞれのスペクトル特性に基づいて5種類に分類した。図中の線L0、L11及びL12、L21及びL22は、分類した発光ダイオードLDの個々の色度の集合に相当するものであり、いずれもマージンMを横切っている。なお、本実施形態においては、後述するすべての線L0、L11及びL12、L21及びL22について、必ずしも直線であるとは限らない。
【0045】
ここで、マージンMと線L0、L11及びL12、L21及びL22との関係に着目する。線L0は、座標D1と座標D4との間、及び、座標D2と座標D3との間を通り、マージンMの中央を横切る。線L11及びL12は、座標D1と座標D3との間、及び、座標D2と座標D3との間を通る。線L12は座標D3の近傍のマージンMを横切り、線L11は線L0と線L12との略中間に位置している。線L21及びL22は、座標D1と座標D4との間、及び、座標D2と座標D4との間を通る。線L22は座標D4の近傍のマージンMを横切り、線L21は線L0と線L22との略中間に位置している。
【0046】
線L0に対応する発光ダイオードLDのスペクトル特性は、図5に示した通り、緑色ピーク波長のピーク値と赤色ピーク波長のピーク値との比が一定であり、青色ピーク波長のピーク値のみを0.7から1.4まで0.05刻みで変更した発光ダイオードLDの個々の色度の集合に相当する。ここで、青色ピーク波長のピーク値を1としたスペクトル特性を基準スペクトル特性とする。
【0047】
線L11及びL12にそれぞれ対応する発光ダイオードLDのスペクトル特性では、緑色ピーク波長でのピーク値を1とするように規格化したときに、赤色ピーク波長でのピーク値が基準スペクトル特性の赤色ピーク波長でのピーク値よりも小さい。より具体的には、L11に対応するスペクトル特性は、その赤色ピーク波長において、基準スペクトル特性のピーク値の90%相当のピーク値を有する。また、L12に対応するスペクトル特性は、その赤色ピーク波長において、基準スペクトル特性のピーク値の80%相当のピーク値を有する。
【0048】
つまり、線L11に対応する発光ダイオードLDのスペクトル特性は、緑色ピーク波長のピーク値が基準スペクトル特性の緑色ピーク波長のピーク値と同一であり、且つ、赤色ピーク波長のピーク値が基準スペクトル特性の赤色ピーク波長のピーク値の90%に相当する一方で、青色ピーク波長のピーク値のみを線L0の場合と同様に0.7から1.4まで0.05刻みで変更した発光ダイオードLDの個々の色度の集合に相当する。同様に、線L12に対応する発光ダイオードLDのスペクトル特性は、緑色ピーク波長のピーク値が基準スペクトル特性の緑色ピーク波長のピーク値と同一であり、且つ、赤色ピーク波長のピーク値が基準スペクトル特性の赤色ピーク波長のピーク値の80%に相当する一方で、青色ピーク波長のピーク値のみを線L0の場合と同様に0.7から1.4まで0.05刻みで変更した発光ダイオードLDの個々の色度の集合に相当する。
【0049】
線L21及びL22にそれぞれ対応する発光ダイオードLDのスペクトル特性では、赤色ピーク波長でのピーク値を1とするように規格化したときに、緑色ピーク波長でのピーク値が基準スペクトル特性の緑色ピーク波長でのピーク値よりも小さい。より具体的には、L21に対応するスペクトル特性は、その緑色ピーク波長において、基準スペクトル特性のピーク値の90%相当のピーク値を有する。また、L22に対応するスペクトル特性は、その緑色ピーク波長において、基準スペクトル特性のピーク値の80%相当のピーク値を有する。
【0050】
つまり、線L21に対応する発光ダイオードLDのスペクトル特性は、赤色ピーク波長のピーク値が基準スペクトル特性の赤色ピーク波長のピーク値と同一であり、且つ、緑色ピーク波長のピーク値が基準スペクトル特性の緑色ピーク波長のピーク値の90%に相当する一方で、青色ピーク波長のピーク値のみを線L0の場合と同様に0.7から1.4まで0.05刻みで変更した発光ダイオードLDの個々の色度の集合に相当する。同様に、線L22に対応する発光ダイオードLDのスペクトル特性は、赤色ピーク波長のピーク値が基準スペクトル特性の赤色ピーク波長のピーク値と同一であり、且つ、緑色ピーク波長のピーク値が基準スペクトル特性の緑色ピーク波長のピーク値の80%に相当する一方で、青色ピーク波長のピーク値のみを線L0の場合と同様に0.7から1.4まで0.05刻みで変更した発光ダイオードLDの個々の色度の集合に相当する。
【0051】
図中の8つのドットDA0、DB0、DB1、DC0、DC1、DD0、DD1、DE1は、いずれもマージンMの内側に位置し、しかも、マージンMの端部近傍に位置する。ドットDA0は、線L12上もしくはその近傍に位置する。ドットDB0及びDB1は、線L11上もしくはその近傍に位置する。ドットDC0及びDC1は、線L0上もしくはその近傍に位置する。ドットDD0及びDD1は、線L21上もしくはその近傍に位置する。ドットDE1は、線L22上もしくはその近傍に位置する。
【0052】
図7は、図6に示した線L11又は線L12上の色度を有する発光ダイオードLDのスペクトル特性の一例を示す図である。図8は、図6に示した線L21又は線L22上の色度を有する発光ダイオードLDのスペクトル特性の一例を示す図である。なお、図7及び図8において、横軸は波長(nm)を表し、縦軸はスペクトル強度(a.u.)を表す。
【0053】
図7に示した例では、2種類の発光ダイオードLDのスペクトル特性SPA及びSPBについて、約538nmの緑色ピーク波長λgでのピーク値を1とするように規格化している。約631nmの赤色ピーク波長λrにおいては、スペクトル特性SPAはピーク値PRAを有し、スペクトル特性SPBはピーク値PRBを有している。このとき、ピーク値PRBは、ピーク値PRAよりも小さい。なお、青色ピーク波長λbについては、同一仕様の発光ダイオードLDを使用しているため、ピーク波長はいずれも同一であるが、ピーク値は必ずしも一致するとは限らない。図示した例では、スペクトル特性SPA及びSPBにおいて、青色ピーク波長λbのピーク値はほぼ同一である。
【0054】
スペクトル特性SPAが図5に示した基準スペクトル特性であるとすると、スペクトル特性SPBは、線L11又は線L12に対応するスペクトル特性に相当する。スペクトル特性SPBが線L11に対応するスペクトル特性である場合、その赤色ピーク波長λrのピーク値PRBは、ピーク値PRAの90%である。また、スペクトル特性SPBが線L12に対応するスペクトル特性である場合、その赤色ピーク波長λrのピーク値PRBは、ピーク値PRAの80%である。なお、スペクトル特性SPAが線L11に対応するスペクトル特性であって、スペクトル特性SPBが線L12に対応するスペクトル特性であっても良い。
【0055】
要するに、線L11又はL12に対応するスペクトル特性は、緑色ピーク波長λgにおいて基準スペクトル特性と同等のピーク値を有する一方で、赤色ピーク波長λrにおいては基準スペクトル特性のピーク値よりも小さいピーク値を有している。また、線L12に対応するスペクトル特性は、緑色ピーク波長λgにおいて線L11に対応するスペクトル特性と同等のピーク値を有する一方で、赤色ピーク波長λrにおいては線L11に対応するスペクトル特性のピーク値よりも小さいピーク値を有している。
【0056】
図8に示した例では、2種類の発光ダイオードLDのスペクトル特性SPC及びSPDについて、約631nmの赤色ピーク波長λrでのピーク値を1とするように規格化している。約538nmの緑色ピーク波長λgにおいては、スペクトル特性SPCはピーク値PGCを有し、スペクトル特性SPDはピーク値PGDを有している。このとき、ピーク値PGDは、ピーク値PGCよりも小さい。なお、青色ピーク波長λbについては、同一仕様の発光ダイオードLDを使用しているため、ピーク波長はいずれも同一であるが、ピーク値は必ずしも一致するとは限らない。
【0057】
スペクトル特性SPCが上記の基準スペクトル特性であるとすると、スペクトル特性SPDは、線L21又は線L22に対応するスペクトル特性に相当する。スペクトル特性SPDが線L21に対応するスペクトル特性である場合、そのピーク値PGDは、ピーク値PGCの90%である。また、スペクトル特性SPDが線L22に対応するスペクトル特性である場合、そのピーク値PGDは、ピーク値PGCの80%である。なお、スペクトル特性SPCが線L21に対応するスペクトル特性であって、スペクトル特性SPDが線L22に対応するスペクトル特性であっても良い。
【0058】
要するに、線L21又はL22に対応するスペクトル特性は、赤色ピーク波長λrにおいて基準スペクトル特性と同等のピーク値を有する一方で、緑色ピーク波長λgにおいては基準スペクトル特性のピーク値よりも小さいピーク値を有している。また、線L22に対応するスペクトル特性は、赤色ピーク波長λrにおいて線L21に対応するスペクトル特性と同等のピーク値を有する一方で、緑色ピーク波長λgにおいては線L21に対応するスペクトル特性のピーク値よりも小さいピーク値を有している。
【0059】
図9は、図4に示したのと同一仕様の発光ダイオードLDから放射される放射光(白色光)について赤色ピーク波長のピーク値及び緑色ピーク波長のピーク値の許容範囲とマージンMとの関係を示すu’v’色度図である。
【0060】
u’v’色度図は、xy色度図の色度座標を既知の式に基づいて変換することによって得られるものである。すなわち、色度座標(u’、v’)は、XYZ表色系の三刺激値X、Y、Zまたは色度座標(x、y)から次の式によって得られる。
u’=4X/(X+15Y+3Z)=4x/(−2x+12y+3)
v’=9Y/(X+15Y+3Z)=9y/(−2x+12y+3)
【0061】
図6に示したxy色度図と同様に、マージンMは、四角形状で表される。図中の線L0、L11及びL12、L21及びL22は、いずれもマージンMを横切っている。図中の8つのドットDA0、DB0、DB1、DC0、DC1、DD0、DD1、DE1は、いずれもマージンMの内側に位置している。
【0062】
次に、本実施形態における発光ダイオードLDの最適なミキシングについて検討する。
【0063】
1つの面光源装置LSは、色度ランクに応じて分類された複数種類の発光ダイオードが組み合わされるが、ここでは、ミキシングによって組み合わされる2つの発光ダイオードLD1及びLD2に着目して説明する。
【0064】
すなわち、本実施形態の発光ダイオードLD1及びLD2の各々は、青色発光ダイオードチップ12、赤色蛍光体13R、及び、緑色蛍光体13Gによる各波長でのスペクトル強度を指標として色度図上に規定される色度ランクに基づいて選択された発光ダイオードである。ここでの色度図とは、xy色度図、あるいは、u’v’色度図のいずれでも良いし、他の色度図であっても良い。
【0065】
色度ランクについては、種々の分類の手法がある。ここでは、まず図6に示したマージンMを横切る5本の線L0、L11及びL12、L21及びL22に沿ったそれぞれの色度に応じて各色度ランクに分類し、さらに、マージンMの内側において、ドットDtで示した目標色度座標のy座標よりも高い座標値の色度の色度ランクと、目標色度座標のy座標よりも低い座標値の色度の色度ランクとに分類した。一例では、マージンMに属する一仕様の発光ダイオードLDは、上記の手法によって8つの色度ランクに分類される。分類した8つの色度ランクは、例えば、図6に示したマージンMの内側を破線で区画した8つの領域A1乃至A8に対応する。なお、各破線は、5本の線L0、L11及びL12、L21及びL22のうち、隣接する線の中間に位置する。図6に示したドットDA0は、領域A1で示した色度ランクにおける代表的な発光ダイオードLDの色度に対応する。同様に、ドットDB0は領域A2で示した色度ランクにおける代表的な発光ダイオードLDの色度に対応し、DC0は領域A3で示した色度ランクにおける代表的な発光ダイオードLDの色度に対応し、DD0は領域A4で示した色度ランクにおける代表的な発光ダイオードLDの色度に対応し、DB1は領域A5で示した色度ランクにおける代表的な発光ダイオードLDの色度に対応し、DC1は領域A6で示した色度ランクにおける代表的な発光ダイオードLDの色度に対応し、DD1は領域A7で示した色度ランクにおける代表的な発光ダイオードLDの色度に対応し、DE1は、領域A8で示した色度ランクにおける代表的な発光ダイオードLDの色度に対応する。
【0066】
発明者は、8つの色度ランクに分類された発光ダイオードLDの中から2つの発光ダイオードLD1及びLD2を選択して面光源装置LSを製造し、発光ダイオードLD1及びLD2を点灯して観察した際の見栄えについて主観評価した。
【0067】
図10は、選択した発光ダイオードLD1及びLD2の組み合わせと、見栄えの評価結果をまとめた図である。
【0068】
図中の「×」は、導光板LGの側面LGCの近傍で発光ダイオードLD1及びLD2からの放射光の個々の色味がそのまま視認された場合に相当する。図中の「○」及び「◎」は、導光板LGの側面LGCの近傍で発光ダイオードLD1及びLD2からの個々の放射光が十分に混ざり、個々の色味が視認されなかった場合に相当する。また、図中の「◎」は、発光ダイオードLD1及びLD2からの放射光が混ざった際に、その白色光の色度が目標色度と同等であると視認された場合に相当する。
【0069】
発光ダイオードLD1の色度がDA0である場合、発光ダイオードLD2の色度がDB0またはDB1である場合に見栄えが良好であった。特に、発光ダイオードLD2の色度がDB1である場合には、より目標色度座標に近い色度が得られた。一方、発光ダイオードLD2の色度がDC0、DD0、DC1、DD1、DE1である場合には見栄えが悪かった。
【0070】
発光ダイオードLD1の色度がDB0である場合、発光ダイオードLD2の色度がDB1、DC1、DC0である場合に見栄えが良好であった。特に、発光ダイオードLD2の色度がDB1、DC1である場合には、より目標色度座標に近い色度が得られた。一方、発光ダイオードLD2の色度がDD0、DD1、DE1である場合には見栄えが悪かった。
【0071】
発光ダイオードLD1の色度がDC0である場合、発光ダイオードLD2の色度がDB1、DC1、DD1、DD0である場合に見栄えが良好であった。特に、発光ダイオードLD2の色度がDB1、DC1、DD1である場合には、より目標色度座標に近い色度が得られた。一方、発光ダイオードLD2の色度がDE1である場合には見栄えが悪かった。
【0072】
発光ダイオードLD1の色度がDD0である場合、発光ダイオードLD2の色度がDC1、DD1、DE1である場合に見栄えが良好であり、しかも、目標色度座標に近い色度が得られた。一方、発光ダイオードLD2の色度がDB1である場合には見栄えが悪かった。
【0073】
次に、発明者は、8つの色度ランクに分類された発光ダイオードLDの中から2つの発光ダイオードLD1及びLD2を選択して面光源装置LSを製造し、発光ダイオードLD1及びLD2を点灯して、測定器を用いて面内の色度分布を測定した。測定箇所は、導光板LGの側面LGCから3乃至4mm離れた第1主面LGA上とした。ここでは、測定器として、2次元色彩輝度計CA−2500(コニカミノルタ社製)を用いた。
【0074】
図11Aは、代表的な面光源装置LSにおける色度分布の測定結果を示す図である。図11Bは、発光ダイオードLD1及びLD2と測定位置との関係を説明するための図である。なお、ここでの色度は、u’v’色度図上の座標値として測定した。
【0075】
図11Aにおいて、図中の(a)は、主観評価により見栄えが悪いと判断された発光ダイオードLD1及びLD2を選択して製造した面光源装置LSの色度分布の測定結果である。図中の(b)は、主観評価により見栄えが良好であると判断された発光ダイオードLD1及びLD2を選択して製造した面光源装置LSの色度分布の測定結果である。また、図中の(a1)及び(b1)は測定した色度のu’座標値の分布を示し、図中の(a2)及び(b2)は測定した色度のv’座標値の分布を示している。なお、(a1)、(b1)、(a2)、及び、(b2)において、横軸は測定位置に相当する。なお、図11Bに示すように、測定対象の面光源装置における光源ユニットLUは、4個の発光ダイオードLD1と、4個の発光ダイオードLD2とを備えており、発光ダイオードLD1と発光ダイオードLD2とが一方向に沿って交互に等ピッチで配置された構成である。発光ダイオードLD1と発光ダイオードLD2とでは、互いに色度ランクが異なる。このため、発光ダイオードLD1及びLD2の近傍の測定位置では、u’座標値及びv’座標値が必ずしも一致しない。図示した例では、発光ダイオードLD1の近傍の測定位置でのv’座標値と、発光ダイオードLD2の近傍の測定位置でのv’座標値との間で差が生じている。
【0076】
u’v’色度図においては、白色の色度座標から横軸u’の負側にずれるにしたがって緑色の傾向が強くなり、白色の色度座標から横軸u’の正側にずれるにしたがって赤色の傾向が強くなる。このため、u’座標値としては、その変化量が小さいほど、白色の色度が維持される(あるいは色味の変化が少ない)ため、色味の差がほとんど視認されず、見栄えが良好であると判断される。逆に、u’座標値の変化量が大きいほど、赤色と緑色との色味の差が視認されやすくなり、見栄えが悪いと判断される。(a1)の測定結果によれば、u’座標値の変化量は、約0.008であった。これに対して、(b1)の測定結果によれば、u’座標値の変化量は、約0.003であり、白色の色度座標からほとんど変化していないことが確認された。
【0077】
一方、白色の色度座標から縦軸v’の正側又は負側のずれに対しては、色味の変化が視認されにくい。このため、(a2)及び(b2)の測定結果によれば、v’座標値の変化量はいずれも約0.01であったが、見栄えに対する影響はほとんどないことが確認された。
【0078】
以上の評価結果に基づくと、本実施形態における発光ダイオードLDの好適なミキシングとは以下の通りとなる。
【0079】
好適なミキシングの1つとしては、マージンMの内側において、同一線上もしくはその近傍に位置する色度を有する発光ダイオードLD1及びLD2を選択することである。このようなミキシングは、選択した2つの発光ダイオードLD1及びLD2がそれぞれ以下のスペクトル特性を有するものとして換言できる。
【0080】
すなわち、発光ダイオードLD1は、青色ピーク波長λbの第1ピーク値PB1、緑色ピーク波長λgの第2ピーク値PG1、及び、赤色ピーク波長λrの第3ピーク値PR1を有する第1スペクトル特性SP1を有する。発光ダイオードLD2は、青色ピーク波長λbの第4ピーク値PB2、緑色ピーク波長λgの第5ピーク値PG2、及び、赤色ピーク波長λrの第6ピーク値PR2を有する第2スペクトル特性SP2を有する。このとき、第2ピーク値PG1及び第5ピーク値PG2が略同等であり、且つ、第3ピーク値PR1及び第6ピーク値PR2が略同等である。なお、ここでの「略同等」とは、完全に一致する場合と、完全一致の場合に対して所定の許容範囲を有する場合とを含むものである。
【0081】
このようなミキシングの例としては、発光ダイオードLD1及びLD2のそれぞれの色度がDB0及びDB1である場合や、DC0及びDC1である場合や、DD0及びDD1である場合などが該当する。
【0082】
他の好適なミキシングの1つとしては、マージンMの内側において、隣接する線上もしくはその近傍に位置する色度を有する発光ダイオードLD1及びLD2を選択することである。このようなミキシングは、選択した2つの発光ダイオードLD1及びLD2がそれぞれ以下のスペクトル特性を有するものとして換言できる。
【0083】
すなわち、発光ダイオードLD1が上記の第1スペクトル特性SP1を有し、発光ダイオードLD2が上記の第2スペクトル特性SP2を有し、第2ピーク値PG1及び第5ピーク値PG2を1とするように第1スペクトル特性SP1及び第2スペクトル特性SP2を規格化したとき、第3ピーク値PR1は第6ピーク値PR2の90%以上100%以下である。これは、上記の「第3ピーク値PR1及び第6ピーク値PR2が略同等である」ことの許容範囲に相当する。
【0084】
ここで、図7に示したスペクトル特性との対応を考慮すると、規格化後の第1スペクトル特性SP1は図中のスペクトル特性SPBに対応し、規格化後の第2スペクトル特性SP2は図中のスペクトル特性SPAに対応し、第3ピーク値PR1は図中のピーク値PRBに対応し、第6ピーク値PR2は図中のピーク値PRAに対応する。
【0085】
このようなミキシングの例としては、発光ダイオードLD1及びLD2のそれぞれの色度がDC0及びDB0である場合や、DC1及びDB1である場合などが該当する。
【0086】
または、発光ダイオードLD1が上記の第1スペクトル特性SP1を有し、発光ダイオードLD2が上記の第2スペクトル特性SP2を有し、第3ピーク値PR1及び第6ピーク値PR2を1とするように第1スペクトル特性SP1及び第2スペクトル特性SP2を規格化したとき、第2ピーク値PG1は第5ピーク値PG2の90%以上100%以下である。これは、上記の「第2ピーク値PG1及び第5ピーク値PG2が略同等である」ことの許容範囲に相当する。
【0087】
ここで、図8に示したスペクトル特性との対応を考慮すると、規格化後の第1スペクトル特性SP1は図中のスペクトル特性SPDに対応し、規格化後の第2スペクトル特性SP2は図中のスペクトル特性SPCに対応し、第2ピーク値PG1は図中のピーク値PGDに対応し、第5ピーク値PG2は図中のピーク値PGCに対応する。
【0088】
このようなミキシングの例としては、発光ダイオードLD1及びLD2のそれぞれの色度がDC0及びDD0である場合や、DC1及びDD1である場合などが該当する。
【0089】
上記のミキシングの中でも、より好適なミキシングの1つとしては、マージンMの内側において、目標色度座標Dtを挟んで相対する色度を有する発光ダイオードLD1及びLD2を選択することである。このようなミキシングは、2つの発光ダイオードLD1及びLD2が以下のようにして選択されるものとして換言できる。
【0090】
すなわち、2つの発光ダイオードLD1及びLD2は、発光ダイオードLD1から放射される白色光の第1色度と発光ダイオードLD2から放射される白色光の第2色度との間に目標色度座標Dtが位置するように選択される。
【0091】
このようなミキシングの例としては、発光ダイオードLD1及びLD2のそれぞれの色度がDB0及びDB1である場合や、DC0及びDC1である場合や、DD0及びDD1である場合などが該当する。
【0092】
ここでのミキシングについては、発光ダイオードLD1の第1スペクトル特性SP1において第1ピーク値PB1が得られる青色ピーク波長λbと、発光ダイオードLD2のスペクトル特性SP2において第4ピーク値PB2が得られる青色ピーク波長λbとが同一波長である(つまり、同一仕様の発光ダイオードを適用した)。しかしながら、上記のミキシングは、ここで説明した例に限らず、それぞれのピーク値の青色ピーク波長が異なる発光ダイオードLD1及びLD2についても適用可能である。
【0093】
次に、本実施形態における発光ダイオードLDの好適なミキシングの実施例について説明する。
【0094】
≪実施例1≫
図12は、マージンM内に14個の色度ランクを設定した例を示すxy色度図である。
【0095】
ここでは、マージンMの横軸方向は、線L0、L11、及び、L21によって分割し、マージンMの縦軸方向は、y座標値を0.005刻みで分割した。これにより、線L0と線L11との間については、j1、k1、m1、n1、p1、r1、s1で示す7個の色度ランクが設定され、線L0と線L21との間については、j2、k2、m2、n2、p2、r2、s2で示す7個の色度ランクが設定される。
【0096】
これらの各色度ランクに分類された発光ダイオードLDについては、同列の色度ランク同士を組み合わせることで、良好な見栄えを実現することが可能である。例えば、j1、k1、m1、n1、p1、r1、s1の各色度ランクについては、いかなる組み合わせも可能である。同様に、j2、k2、m2、n2、p2、r2、s2の各色度ランクについては、いかなる組み合わせも可能である。勿論、同一色度ランクの組み合わせも可能である。特に、m1、n1、p1、m2、n2、p2の各色度ランクに分類される発光ダイオードについては、ミキシングを行うことなく、同一色度ランクの発光ダイオードを組み合わせても良い。
【0097】
一方で、異なる列の色度ランクの組み合わせは、見栄えの悪化を招くため、好ましくない。
【0098】
このようなミキシングによって製造された面光源装置LSによれば、光源ユニットLUの近傍を含めて、その面内で色度を均一化することが可能となる。また、このような面光源装置LSを適用した液晶表示装置LCDによれば、良好な表示品位を得ることが可能となる。
【0099】
また、このように色度図上に線L0〜L21との関係に基づく色度ランクで領域設定をしておくことで、指標となる線の選択や当該線からの離間度を調べる等、線との関係を逐一調べることなく当該発光ダイオードがどの発光ダイオードと組み合わせることで良好な光源となり得るか(或いは、当該発光ダイオードがどの発光ダイオードと組み合わせた際に良好な光源とはなり得ないのか)を容易に判断することが可能となる。
【0100】
また、同列の色度ランクのうち、ドットDtで示した目標色度座標を挟んで相対する色度ランクを組み合わせることがより好ましい。例えば、j1、k1、m1のいずれかの色度ランクと、p1、r1、s1のいずれかの色度ランクとを組み合わせることで、ミキシング後に、m1、n1、p1のいずれかの色度ランク内の色度が得られる。同様に、j2、k2、m2のいずれかの色度ランクと、p2、r2、s2のいずれかの色度ランクとを組み合わせることで、ミキシング後に、m2、n2、p2のいずれかの色度ランク内の色度が得られる。このようなミキシングによって製造された面光源装置LSによれば、マージンMよりもさらに小さい色度範囲内、特に、目標色度により近い色度を得ることが可能となる。
【0101】
図示した例では、ミキシングによって、図中の座標D31乃至D34で規定される色度範囲内の色度を得ることが可能となる。一例では、座標D31は(x,y)=(0.267,0.245)であり、座標D32は(x,y)=(0.284,0.260)であり、座標D33は(x,y)=(0.274,0.260)であり、座標D34は(x,y)=(0.276,0.245)である。このような色度範囲においては、(Δx,Δy)=(0.017,0.015)となる。但し、Δxはx座標値の差であり、Δyはy座標値の差である。つまり、このようなミキシングより、製造された各面光源装置LSの色度の個体差をより低減することが可能となる。
【0102】
≪実施例2≫
図13は、マージンM内に39個の色度ランクを設定した例を示すxy色度図である。
【0103】
実施例2は、実施例1と比較して、マージンMの横軸方向については、線L0、L11、及び、L21によって分割するとともに、隣接する線間をさらに1/2に分割した点で相違している。なお、マージンMの縦軸方向は、実施例1と同様に、y座標値を0.005刻みで分割した。
【0104】
これらの各色度ランクに分類された発光ダイオードLDについては、同列の色度ランク同士を組み合わせることで、良好な見栄えを実現することが可能である。また、隣接する列の色度ランク同士を組み合わせた場合は、実施例1における同列の色度ランク同士を組み合わせる場合に相当するため、このような組み合わせにおいても、良好な見栄えを実現することが可能である。
【0105】
一方で、間に1列以上隔てた異なる列の色度ランクの組み合わせは、見栄えの悪化を招くため、好ましくない。
【0106】
このようなミキシングによって製造された面光源装置LS、及び、このような面光源装置LSを適用した液晶表示装置LCDによれば、実施例1で説明したのと同様の効果が得られる。
【0107】
また、同列あるいは隣接する列の色度ランクのうち、ドットDtで示した目標色度座標を挟んで相対する色度ランクを組み合わせることがより好ましい。このようなミキシングによって製造された面光源装置LSによれば、実施例1で説明したのと同様の効果が得られる。
【0108】
図示した例では、ミキシングによって、図中の座標D41乃至D44で規定される色度範囲内の色度を得ることが可能となる。一例では、座標D41は(x,y)=(0.266,0.245)であり、座標D42は(x,y)=(0.284,0.260)であり、座標D43は(x,y)=(0.273,0.260)であり、座標D44は(x,y)=(0.277,0.245)である。このような色度範囲においては、(Δx,Δy)=(0.018,0.015)となる。
【0109】
次に、本実施形態に適用可能な光源ユニットLUの発光ダイオードLDのレイアウト例について説明する。
【0110】
図14は、図1に示した光源ユニットLUにおける発光ダイオードLDのレイアウト例を示す図である。
【0111】
図中の(a)で示した例では、光源ユニットLUは、フレキシブル回路基板LFPCの上に、上記の通り選択された2種類の発光ダイオードLD1及びLD2を備えている。発光ダイオードLD1及びLD2は、交互に配置されている。
【0112】
図中の(b)で示した例では、光源ユニットLUは、フレキシブル回路基板LFPCの上に、3種類以上の発光ダイオードLD1、LD2、LD3…を含む光源セットLSTを備えている。光源セットLSTは、繰り返し配置されている。光源セットLSTに含まれる発光ダイオードLD1、LD2、LD3…は、上記の好適な手法によって選択されたものである。
【0113】
次に、他の実施形態について説明する。すなわち、発明者は、色度が異なる2つの発光ダイオードLD1及びLD2を選択して24種類の面光源装置LSを製造し、発光ダイオードLD1及びLD2を点灯して観察した際の見栄えについて主観評価した。
【0114】
図15は、サンプル番号1乃至12の面光源装置LSに適用される発光ダイオードLD1及びLD2の色度を示す図である。図16は、サンプル番号13乃至24の面光源装置LSに適用される発光ダイオードLD1及びLD2の色度を示す図である。図15及び図16中の(a)は面光源装置LSにおいて発光ダイオードLD1のみを点灯した時の色度を示し、図15及び図16中の(b)は面光源装置LSにおいて発光ダイオードLD2のみを点灯した時の中心の色度を示している。図中の番号はサンプル番号を示している。なお、ここでの色度は、u’v’色度図上の座標値として測定した。また、測定器は、分光放射輝度計CS-2000(コニカミノルタ社製)を用いた。
【0115】
上記の24種類の面光源装置LSにおいては、いずれも、発光ダイオードLD1における青色ピーク波長と、発光ダイオードLD2における青色ピーク波長との差が3nm以内である。一例では、24種類の面光源装置LSに適用される発光ダイオードLD1及びLD2は、それぞれの青色ピーク波長が444.8nm〜447.7nmの範囲内にあるものを選択している。
【0116】
図17は、面光源装置LSのサンプル番号と、見栄えの評価結果とをまとめた図である。図中の「×」は、導光板LGの側面LGCの近傍で発光ダイオードLD1及びLD2からの放射光の個々の色味がそのまま色度ムラとして視認された場合に相当する。図中の「△」は、導光板LGの側面LGCの近傍で発光ダイオードLD1及びLD2からの放射光が混ざり、色度ムラが許容される場合に相当する。図中の「○」は、導光板LGの側面LGCの近傍で色度ムラがほとんど見えない場合に相当する。図中の「◎」は、導光板LGの側面LGCの近傍で色度ムラが全く見えない場合に相当する。図示したように、サンプル番号3、6、24を除く、他のサンプルについては色度ムラが目立たない許容範囲であることが確認された。
【0117】
図18は、各サンプルの面光源装置LSにおける発光ダイオードLD1及びLD2の色度差と、見栄えとの相関関係を示す図である。ここでは、色度差として、発光ダイオードLD1及びLD2におけるそれぞれの色度のu’座標値の差Δu’に着目している。但し、Δu’は絶対値である。図示したように、Δu’が0.0078以下の面光源装置によれば、色度ムラが目立たない許容範囲であることが確認された。
【0118】
つまり、好適なミキシングの1つとしては、面光源装置LSを構成する2つの発光ダイオードLD1及びLD2は、発光ダイオードLD1から放射される白色光の第1色度及び発光ダイオードLD2から放射される白色光の第2色度をそれぞれu’v’色度図における座標値としてあらわしたとき、u’座標値の差の絶対値が0.0078以下となるように選択される。
【0119】
図19は、各サンプルの面光源装置LSにおける発光ダイオードLD1及びLD2のピーク波長でのピーク値の差分と、見栄えとの相関関係を示す図である。ここでは、ピーク値の差分として、発光ダイオードLD1及びLD2のそれぞれのスペクトル特性における赤色ピーク波長λrでのピーク値の差分に着目している。つまり、上記の図7に示したように、発光ダイオードLD1がスペクトル特性SPAを有し、発光ダイオードLD2がスペクトル特性SPBを有し、赤色ピーク波長λrにおいてそれぞれピーク値PRA及びPRBを有する場合、ピーク値の差分ΔPは、(PRA−PRB)%に相当する。図示したように、ピーク値の差分ΔPが20.2%以下の面光源装置によれば、色度ムラが目立たない許容範囲であることが確認された。
【0120】
つまり、好適なミキシングの1つとしては、発光ダイオードLD1における青色ピーク波長と、発光ダイオードLD2における青色ピーク波長との差が3nm以内であることを前提とした場合、緑色ピーク波長λgにおけるそれぞれのピーク値を1とするように発光ダイオードLD1のスペクトル特性及び発光ダイオードLD2のスペクトル特性を規格化したとき、赤色ピーク波長λrにおける発光ダイオードLD1のピーク値は発光ダイオードLD2のピーク値の79.8%以上100%以下である。
【0121】
なお、図示した例では、ピーク値の差分として、赤色ピーク波長λrでのピーク値の差分に着目したが、緑色ピーク波長λgでのピーク値の差分に着目した場合にも同様の傾向が確認された。つまり、他の好適なミキシングの1つとしては、赤色ピーク波長λrにおけるそれぞれのピーク値を1とするように発光ダイオードLD1のスペクトル特性及び発光ダイオードLD2のスペクトル特性を規格化したとき、緑色ピーク波長λgにおける発光ダイオードLD1のピーク値は発光ダイオードLD2のピーク値の79.8%以上100%以下である。
【0122】
以上説明したように、本実施形態によれば、その面内での色度を均一化することが可能な面光源装置、及び、表示品位の良好な液晶表示装置を提供することができる。
【0123】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0124】
例えば、本実施形態の面光源装置LSは、液晶表示パネルPNLの前面側、つまり第2基板SUB2と対向する側に配置されても良く、いわゆるフロントライトとして機能しても良い。
【符号の説明】
【0125】
LCD…液晶表示装置 PNL…液晶表示パネル LS…面光源装置
LU…光源ユニット LD…発光ダイオード
LG…導光板
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19