特許第6397856号(P6397856)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6397856ブロードキャスト準備メッセージを用いたデータブロードキャスト
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6397856
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】ブロードキャスト準備メッセージを用いたデータブロードキャスト
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/10 20180101AFI20180913BHJP
   H04W 28/12 20090101ALI20180913BHJP
   H04W 28/18 20090101ALI20180913BHJP
   H04W 84/18 20090101ALI20180913BHJP
   H04W 4/06 20090101ALI20180913BHJP
【FI】
   H04W76/10 110
   H04W28/12
   H04W28/18 110
   H04W84/18
   H04W4/06
【請求項の数】20
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-143487(P2016-143487)
(22)【出願日】2016年7月21日
(62)【分割の表示】特願2014-554705(P2014-554705)の分割
【原出願日】2012年1月31日
(65)【公開番号】特開2016-201833(P2016-201833A)
(43)【公開日】2016年12月1日
【審査請求日】2016年8月3日
(31)【優先権主張番号】12153128.9
(32)【優先日】2012年1月30日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】316013666
【氏名又は名称】アイトロン グローバル エス エー アール エル
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴェト−ハン グエン
(72)【発明者】
【氏名】ジェローム バルティエ
(72)【発明者】
【氏名】バスティアン メイナウド
(72)【発明者】
【氏名】ファブリス モニエル
【審査官】 田部井 和彦
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−518496(JP,A)
【文献】 特開2007−096933(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0144493(US,A1)
【文献】 特表2008−518543(JP,A)
【文献】 谷川 陽祐 Yosuke TANIGAWA,空き資源の積極利用を指向したマルチチャネルMACプロトコル Multi-Channel MAC Protocols Pursuing Agg,電子情報通信学会論文誌 (J92−B) 第1号 THE IEICE TRANSACTIONS ON COMMUNICATIONS (JAPANESE E,日本,社団法人電子情報通信学会 THE INSTITUTE OF ELECTRO,2009年 1月 1日,第J92-B巻
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
H04B 7/24− 7/26
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のデータチャネルから、データをブロードキャストするための特定のデータチャネルを決定することと、
制御チャネルを介して、ブロードキャスト準備メッセージを送信することであって、前記ブロードキャスト準備メッセージは、データが前記特定のデータチャネルでブロードキャストされることを示し、前記データの送信可否を問い合わせるための第1のメッセージとは異なる、ことと、
前記特定のデータチャネルに切り換えることと、
前記第1のメッセージに応じて前記データの送信が可能であることを通知するための第2のメッセージを隣接ノードから受信することなく、前記特定のデータチャネルを介して、前記データをブロードキャストすることと、
前記データがブロードキャストされた後に、前記制御チャネルに切り換えることと
を備える方法。
【請求項2】
前記データをブロードキャストすることは、前記データを複数のノードにブロードキャストすることを含み、
前記制御チャネルに切り換えることは、肯定応答メッセージを前記複数のノードのいずれからも受信することなく、前記制御チャネルに切り換えることを含む、
請求項1の方法。
【請求項3】
前記特定のデータチャネルは、媒体アクセス制御レイヤによって決定される、
請求項1の方法。
【請求項4】
前記ブロードキャスト準備メッセージが前記制御チャネルを介してブロードキャストされるとき、前記制御チャネルは、マルチチャネルネットワークの第1のチャネルにあり、
前記方法は、
前記第1のチャネルから前記マルチチャネルネットワークの第2のチャネルに前記制御チャネルを周波数ホッピングすることと、
前記第2のチャネルにある前記制御チャネルを介して前記ブロードキャスト準備メッセージを再ブロードキャストすることと
をさらに備える、請求項1の方法。
【請求項5】
1または複数のプロセッサによって実行されるとき、前記1または複数のプロセッサに請求項1の方法を実行させる実行可能命令を格納する、
1または複数の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項6】
制御チャネルを介して隣接ノードからブロードキャスト準備メッセージを受信することであって、前記ブロードキャスト準備メッセージは、データが複数のデータチャネルのうち特定のデータチャネルを介してブロードキャストされることを示し、前記データの送信可否を問い合わせるための第1のメッセージとは異なる、ことと、
前記第1のメッセージに応じて前記データの送信が可能であることを通知するための第2のメッセージ前記隣接ノードに送信することなく、前記特定のデータチャネルに切り替え、前記特定のデータチャネルを介して前記隣接ノードから前記データのブロードキャストをリッスンすることと、前記データが受信された後、または予め定められた期間が満了した後、前記制御チャネルに切り換えることと
を備える方法。
【請求項7】
前記データのブロードキャストをリッスンすることは、前記ブロードキャスト準備メッセージが前記制御チャネルを介して受信された後に予め定められた期間が満了した後、前記データのブロードキャストをリッスンすることを含む、
請求項6の方法。
【請求項8】
前記ブロードキャスト準備メッセージに含まれる前記データの識別情報に基づいて前記データ以前に受信されていなかったことを判定することをさらに備え、
前記特定のデータチャネルに切り換えることは、以前受信されたデータの識別情報が前記ブロードキャスト準備メッセージに含まれるとき行われない
請求項6の方法。
【請求項9】
前記特定のデータチャネルに切り換えた後に、前記特定のデータチャネルを介して前記データを受信することをさらに備え、
前記制御チャネルに切り換えることは、前記特定のデータチャネルを介して前記データを受信した後に、前記制御チャネルに切り換えることを含む、
請求項6の方法。
【請求項10】
前記ブロードキャスト準備メッセージは、前記データをブロードキャストするために使用される変調技術と、前記データがブロードキャストされるデータレートとを示す、
請求項6の方法。
【請求項11】
前記データは、前記ブロードキャスト準備メッセージよりも大きいビットまたはバイト数を含む、
請求項6の方法。
【請求項12】
1または複数のプロセッサによって実行されるとき、前記1または複数のプロセッサに請求項6の方法を実行させる実行可能命令を格納する、
1または複数の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項13】
ネットワークコンピューティング装置であって、
1または複数のプロセッサと、
前記1または複数のプロセッサに通信可能に結合されたメモリと、
前記メモリに記憶され、かつ諸動作を行うために前記1または複数のプロセッサによって実行可能な1または複数のモジュールと
を備え、前記諸動作は、
複数のデータチャネルから、データをブロードキャストするための特定のデータチャネルを識別することと、
データが前記複数のデータチャネルのうち前記特定のデータチャネルを介してブロードキャストされることを示すブロードキャスト準備メッセージを送信することであって、前記ブロードキャスト準備メッセージは、前記データの送信可否を問い合わせるための第1のメッセージとは異なる、ことと、
前記第1のメッセージに応じて前記データの送信が可能であることを通知するための第2のメッセージを隣接ノードから受信することなく、前記特定のデータチャネルを介して、前記データをブロードキャストすることと
を含む、ネットワークコンピューティング装置。
【請求項14】
前記諸動作は、
前記データのビットまたはバイト数が前記ブロードキャスト準備メッセージのビットまたはバイト数より大きいということを確認することをさらに備え、
前記ブロードキャスト準備メッセージは、前記データのビットまたはバイト数が前記ブロードキャスト準備メッセージのビットまたはバイト数より大きいということを確認することに応答して、送信される、
請求項13のネットワークコンピューティング装置。
【請求項15】
前記隣接ノードからの通信は、受信準備完了メッセージを備える、
請求項13のネットワークコンピューティング装置。
【請求項16】
前記諸動作は、
前記特定のデータチャネルを介して前記データをブロードキャストするために利用する変調技術を決定することであって、前記決定された変調技術は、前記ネットワークコンピューティング装置と予め定められた近さ以内にあるノードに利用可能である複数の変調技術から最長の通信距離を提供する、ことをさらに備える、
請求項13のネットワークコンピューティング装置。
【請求項17】
前記諸動作は、
制御チャネルを介して予め定められた回数前記ブロードキャスト準備メッセージを再送信することと、
前記ブロードキャスト準備メッセージのそれぞれの再送信の後、前記特定のデータチャネルを介して前記データを再ブロードキャストすることとをさらに備える、
請求項13のネットワークコンピューティング装置。
【請求項18】
前記諸動作は、
前記データをブロードキャストするときに制御チャネルがある第1のチャネルから、第2のチャネルに前記制御チャネルを再定義することと、
前記制御チャネルが前記第2のチャネルに再定義されるとき、前記制御チャネルを介して前記ブロードキャスト準備メッセージを再送信することとをさらに備える、
請求項13のネットワークコンピューティング装置。
【請求項19】
前記メモリに記憶され、かつブロードキャストのために前記データを集めるために前記1または複数のプロセッサによって実行可能な計量モジュールをさらに備え、前記データは、資源の消費データを備える、
請求項13のネットワークコンピューティング装置。
【請求項20】
前記ネットワークコンピューティング装置は、ユーティリティメータ、制御装置、センサ、変圧器、ルータ、サーバ、中継器、スイッチ、または弁の少なくとも一つを備える、
請求項13のネットワークコンピューティング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信に関する。
【0002】
本出願は、参照により本明細書に組み込まれている、2012年1月30日に出願した「Data Broadcasting with a Prepare-To-Broadcast Message」という名称の欧州特許出願第12153128.9号明細書の優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0003】
無線メッシュネットワークなどの通信ネットワークは、多様な異なる装置(例えばノード)を接続するために用いられる。これらの通信ネットワークはしばしば、異なる特性および能力を有する複数の異なる世代のノードを含む。
【0004】
通信ネットワーク内では、特定のノードがデータをブロードキャストしている間に、1または複数のノードが通信することを望む場合がある。チャネルの数が限られることにより、および/または干渉を防ぐために、1または複数のノードは、特定のノードがデータのブロードキャストを終えた後に通信することを余儀なくされ得る。この待ち期間は、特定のノードがより多くの通信時間を必要とする大量のデータをブロードキャストするときは長くなり得る。さらにこの待ち期間は、特定のノードがより多くの通信時間を必要とする特定の変調技術および/またはデータレートに基づいてデータをブロードキャストするときは長くなり得る。
【図面の簡単な説明】
【0005】
詳細な説明は添付の図面を参照する。図では参照番号の(1または複数の)最も左の数字は、参照番号が最初に現れる図を識別する。異なる図における同じ参照番号の使用は、同様なまたは同一の品目を表す。
図1】データをノードの間でブロードキャストすることができるマルチチャネル無線メッシュネットワークの例示のアーキテクチャの概略図である。
図2】ブロードキャストノードから1または複数の隣接ノードにデータをブロードキャストするための例示の環境を示す図である。
図3】マルチチャネルネットワークにおいてデータをブロードキャストするのに利用することができる、例示の周波数ホッピングプロセスを示す図である。
図4】マルチチャネルネットワークにおいて送信することができる、例示のブロードキャスト準備プロトコルデータユニットを示す図である。
図5】特定のデータチャネル上でデータがブロードキャストされることを示すブロードキャスト準備メッセージを制御チャネルを通して送信し、特定のデータチャネルに切り換え、特定のデータチャネルを通してデータをブロードキャストするための例示のプロセスを示す図である。
図6】特定のデータチャネル上でデータがブロードキャストされることを示すブロードキャスト準備メッセージを制御チャネルを通して受信し、特定のデータチャネルに切り換え、特定のデータチャネルを通してデータを受信するための例示のプロセスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
上述のようにデータをブロードキャストするための既存の技術は、無線メッシュネットワーク内でデータをブロードキャストする有効な方法をもたらさない。例えば既存のブロードキャスト技術は、ノードが異なる能力を有するヘテロジニアス無線メッシュネットワークにおいてデータをブロードキャストするためには適切ではない。
【0007】
本開示は、効率的なやり方でネットワークの1または複数のノードにデータをブロードキャストすることを対象とする技術について述べる。本開示は、1または複数の隣接ノードに制御チャネルを通して送られるブロードキャスト準備(PTB:prepare-to-broadcast)メッセージを紹介する。ネットワークは、制御チャネルおよび複数のデータチャネルを有するマルチチャネルネットワークを備えることができる。いくつかの実装形態ではデータをブロードキャストすることを望むノード(例えばブロードキャストノード)は、データをブロードキャストするために利用される複数のデータチャネルのうちの特定のデータチャネル、利用される特定の変調技術、および/または利用される特定のデータレートを決定することができる。いくつかの場合には決定は、ブロードキャストノードとの所定の近さ以内の1または複数の他のノード(例えば隣接ノード)の能力に少なくとも部分的に基づく。
【0008】
ブロードキャストノードは、制御チャネル上をリッスンしている1または複数の隣接ノードに、制御チャネルを通してブロードキャスト準備(PTB)メッセージを送信することができる。本明細書で用いられる「PTBメッセージ」という用語は、一般にデータがブロードキャストされる前に送信される、ノード(例えばブロードキャストノード)がデータをブロードキャストすることを望んでいることを示すメッセージを指すことができる。PTBメッセージはまた、データをブロードキャストするために利用される特定のデータチャネル、利用される変調技術、および/または利用されるデータレート(例えばビットレート)を示すことができる。PTBメッセージはまた、ブロードキャストされるデータを識別する情報(例えばデータ識別子(ID))を含むことができる。PTBメッセージにおいて示される特定のデータチャネル、変調技術、および/またはデータレートは、ブロードキャストノードによって前もって決定された特定のデータチャネル、変調技術、および/またはデータレートを含むことができる。いくつかの場合にはPTBメッセージの長さは、データより短い。すなわちPTBメッセージは、データより少ないビットおよび/またはバイトを含む。
【0009】
PTBメッセージが制御チャネル上で送信された後に、ブロードキャストノードおよび/または1または複数の隣接ノードは、特定のデータチャネルに切り換える(例えばRF受信無線機を用いてチューニングする)ことができる。ブロードキャストノードは、PTBメッセージにおいて示される変調技術および/またはデータレートに少なくとも部分的に基づいて、特定のデータチャネルを通してデータをブロードキャストすることができる。一方、1または複数の隣接ノードは、特定のデータチャネルを通してデータを受信することができる。ブロードキャストノードおよび/または1または複数の隣接ノードは、データがブロードキャストされた後に、および/または特定のデータチャネルに切り換えてから所定の期間が終了した後に、制御チャネルに切り換えることができる。
【0010】
PTBメッセージの使用は、1または複数の隣接ノードから何らの通信も受信することなく、データのブロードキャストを可能にすることができる。例えばブロードキャストノードは、ブロードキャストを受信するために1または複数の隣接ノードが利用可能かどうかを知ることなく、データをブロードキャストすることができる。従って、データは、ブロードキャストノードと、1または複数の隣接ノードとの間で、送信要求(RTS:Request to send)メッセージおよび/または受信準備完了(CTS:Clear to send)メッセージをやり取りせずにブロードキャストすることができる。さらに、またはあるいは、データがブロードキャストされた後にブロードキャストノードは、データが受信されたことを示す肯定応答メッセージを1または複数の隣接ノードから受信することなく、切り換えて制御チャネルに戻ることができる。
【0011】
本明細書ではブロードキャスト技術は、複数のノードを含むユーティリティメッシュネットワークとの関連において述べられる。当該技術はユーティリティメッシュネットワークとの関連において述べられるが、当該技術は、さらに、またはあるいは他のネットワークおよび/または他の用途に応用することができる。従って、ノードは、通信ネットワークに結合され、および/またはデータを送信および/または受信することができる任意の装置を含むことができる。
【0012】
本明細書で述べられる様々な実施形態では、データは効率的なやり方でブロードキャストされることができる。例えば、制御チャネルおよび複数のデータチャネルを有するマルチチャネルネットワークを使用することによって、あるノードは制御チャネルを通して通信することができ、別のノードはデータチャネルを通してデータをブロードキャストすることができる。さらに複数のデータチャネルを利用することにより、第2のノードが第2のデータチャネルを通してブロードキャストする、あるいは通信する間に、第1のノードは第1のデータチャネルを通してデータをブロードキャストすることができる。これは、単一のチャネルを利用する技術と比べて、ネットワークがデータスループットを向上することを可能にする。さらに短いメッセージを制御チャネル上で通信し、長いデータ(例えばデータフレーム)をデータチャネル上でブロードキャストすることにより、短いメッセージおよび長いデータを通信するために単一のチャネルを利用する技術と比べて、より多くのノードが制御チャネルを通して通信することができる。
【0013】
さらにいくつかの場合には、ブロードキャストノードに隣接する1または複数のノードの能力に少なくとも部分的に基づいて決定された、変調技術および/またはデータレートを用いてデータをブロードキャストすることにより、1または複数の隣接ノードの能力を活用して、データをブロードキャストするために必要な時間を短縮することができる。すなわちデータは、1または複数の隣接ノードが利用可能な、あるいはデータをブロードキャストするために利用することもできる変調技術および/またはデータレートの中から、必要な通信時間が少ない変調技術および/またはデータレートを用いてブロードキャストすることができる。
【0014】
以下の記載は読者の便宜のために示され、特許請求の範囲または上記の項の範囲を制限するものではない。さらに以下で詳述される技術は、いくつかの方法およびいくつかの情況において実施することができる。以下でより詳述されるように、以下の図を参照して1つの例示の実装形態および情況が示される。さらに以下の実装形態および情況は、他の可能な実装形態の代表とするためのものである。
【0015】
例示のアーキテクチャ
図1は、PTBメッセージおよび/またはデータをブロードキャストすることができる、マルチチャネル無線メッシュネットワークの例示のアーキテクチャ100の概略図である。アーキテクチャ100は、直接通信経路を通じて互いに通信可能に結合された、複数のノード102A、102B、...102N(ノード102と総称される)を含む。この例ではNは、広域ネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、近隣エリアネットワーク(NAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)などの、自律ルーティングエリア(ARA)内のノードの数を表す。
【0016】
各直接通信経路は、ノードがそれを通してPTBメッセージおよび/またはデータを送信および/または受信することができる、複数のチャネルを表すことができる。複数のチャネルのそれぞれは、複数のチャネルのうちの他のものの周波数範囲と同じまたは異なり得る周波数範囲によって定義することができる。いくつかの場合には複数のチャネルは、無線周波数(RF)チャネルを備える。複数のチャネルは、制御チャネルおよび複数のデータチャネルを備えることができる。いくつかの場合には制御チャネルは、データをブロードキャストするために利用される複数のデータチャネル、変調技術、および/またはデータレートの1つを指定するために、1または複数のPTBメッセージをノードに通信するために利用される。一方、データチャネルはデータを通信するために利用されることができる。一般に制御チャネル上の送信は、データチャネル上の送信と比べて短い。
【0017】
ノード102のそれぞれは、例えばスマートユーティリティメータ(例えば電気、ガス、および/または水道メータ)、制御装置、センサ(例えば温度センサ、測候所、周波数センサなど)、変圧器、ルータ、サーバ、中継器(例えばセルラ中継器)、スイッチ、弁、それらの組み合わせ、または通信ネットワークに結合することができ、データを送信および/または受信することができる任意の装置などの、多様な従来型のコンピューティング装置のいずれかとして実現することができる。いくつかのケースではノード102は、異なるタイプのノード(例えばスマートメータ、セルラ中継器、センサなど)、異なる世代またはモデルのノード、および/またはその他の点で、異なるチャネル上で送信する、および異なる変調技術、データレート、プロトコル、信号強度および/または電力レベルを用いることができるノードを含むことができる。これらのケースではアーキテクチャ100は、ノードのヘテロジニアスネットワークを表すことができる。
【0018】
図1の例ではノード102はまた、インターネットなどの、(1または複数の)バックホールネットワーク106へのARAの接続ポイントとして働くエッジ装置(例えばセルラ中継器、セルラルータ、エッジルータ、DODAGルートなど)を通じて、中央局104と通信するように構成される。例示の例ではノード102Aは、(1または複数の)ネットワーク106を通じて、ARAの他のノード102B〜102Nからの通信を、中央局104にまたはそれから中継するセルラ中継器として働く。
【0019】
ノード102Bは、ノード102のそれぞれの代表として示すものであり、無線機108と、処理ユニット110とを含む。無線機108は、複数のチャネル/周波数の1または複数を通じて、RF信号を送信および/または受信するように構成されたRFトランシーバを備える。いくつかの実装形態ではノード102のそれぞれは、各通信経路の制御チャネルおよび複数のデータチャネルなどの、複数の異なるチャネル上でデータを送信および受信するように構成された単一の無線機108を含む。無線機108はまた、複数の異なる変調技術、データレート、プロトコル、信号強度、および/または電力レベルを実現するように構成されることができる。
【0020】
いくつかの実装形態では無線機108は、予め定義された標準に関連付けられた変調技術および/またはデータレートを利用する。変調技術および/またはデータレートは、IEEE802.11標準、IEEE802.15標準(例えば802.15.4)などの米国電気電子技術者協会(IEEE)によって定義される標準規格に関連付けることができる。一例では変調技術および/またはデータレートは、以下の非網羅的なリストから選択することができる。
− 50または150kbpsのデータレートを有する周波数シフトキーイング(FSK)変調;200または400kHzのチャネル間隔;および/または902.2または902.4MHzにおいて始まる第1のチャネル。FSK変調は、畳み込み符号順方向誤り訂正(FEC)を利用することができる。
− 2相位相シフトキーイング(BPSK)、4相位相シフトキーイング(QPSK)、および/または直交振幅変調(QAM)(例えば、16−QAM)の物理的変調を用いた直交周波数分割多重(OFDM);50、100、200、300、400、600または800kbpsのデータレート;および/または400または800kHzのチャネル間隔。OFDMは、1/2または3/4の符号化レートを有する畳み込みFECを利用することができる。
− オフセット4相位相シフトキーイング(O−QPSK)の物理的変調を用いた直接シーケンス拡散スペクトル(DSSS)変調;31.25、125、250、または500kbpsのデータレート;および/または802.15.4標準などの予め定義された標準規格に基づくチャネル設計。DSSSは畳み込みFECを利用することができる。
【0021】
他の例では無線機108は、カスタマイズされた変調技術を利用することができる。カスタマイズされた変調技術は、6kbpsまたは10kbpsのデータレートに関連付けすることができる。
【0022】
図1の例では無線機108は、RFフロントエンド114に結合されたアンテナ112、およびベースバンドプロセッサ116を含む。RFフロントエンド114は、送信および/または受信機能をもたらす。RFフロントエンド114は、アンテナ112によって供給され、ノード102の1または複数から取得される信号の、チューニングおよび/または減衰などの機能をもたらす高周波アナログおよび/またはハードウェア構成要素を含むことができる。RFフロントエンド114は、ベースバンドプロセッサ116に信号を提供することができる。
【0023】
一実装形態ではベースバンドプロセッサ116の全てまたは一部は、ソフトウェア無線機(Software-defined radio)として構成することができる。一例ではベースバンドプロセッサ116は、無線機108に周波数および/またはチャネル選択機能をもたらす。例えばSW無線機は、プロセッサ、または特定用途向け集積回路(ASIC)、または他の(1または複数の)エンベデッドコンピューティング装置によって実行されるソフトウェアにおいて実現されるミキサ、フィルタ、増幅器、変調器、および/または復調器、検出器などを含むことができる。SW無線機は、(1または複数の)プロセッサ118と、メモリ120において定義されまたは記憶されたソフトウェアとを利用することができる。あるいはベースバンドプロセッサ116は、少なくとも部分的にアナログ構成要素を用いて実現することができる。
【0024】
処理ユニット110は、メモリ120に通信可能に結合された1または複数のプロセッサ118を含むことができる。処理ユニット110はまた、クロック信号を供給し、および/または時間を保持するように構成されたクロック122を含むことができる。一例ではクロック信号は、プロセッサ118への入力として供給される。クロック122はまた、1または複数のカウントアップまたはカウントダウンタイマをもたらすように構成することができる。このようなタイマは、複数の通信チャネルの間での周波数ホッピングに用いることができる。
【0025】
メモリ120は、様々な機能を実現するようにプロセッサ118上で実行可能な、1または複数のソフトウェアおよび/またはファームウェアモジュールを記憶するように構成されうる。モジュールは、本明細書ではプロセッサ上で実行可能なソフトウェアおよび/またはファームウェアとして述べられるが、他の実施形態ではモジュールの何れかまたは全ては、述べられる機能を実行するようにハードウェア(例えばASIC、専門化された処理ユニットなど)によって全部または一部を実現することができる。
【0026】
図1の実施形態ではメモリ120は、チャネル決定モジュール124、通信モジュール126、周波数ホッピングモジュール128およびデータ判定モジュール130を含むことができる。チャネル決定モジュール124は、データをブロードキャストするために利用される複数のデータチャネルの中からの特定のデータチャネル、利用される変調技術、および/または利用されるデータレートを決定することができる。特定のデータチャネル、変調技術、および/またはデータレートは、通信モジュール126に出力されることができる。いくつかの場合にはチャネル決定モジュール124は、制御チャネルおよび/または複数のデータチャネルの場所(例えば周波数または周波数範囲)を保持する。さらにまたはあるいは、チャネル決定モジュール124は、複数のデータチャネルの中で利用可能なデータチャネルのリストを保持することができる。
【0027】
通信モジュール126は、通信のためにノード102によって利用される通信チャネルの切り換えを引き起こすことができる。例えば通信モジュール126は、ノード102に制御チャネルからデータチャネルに、および/またはデータチャネルから制御チャネルに切り換えさせることができる。すなわち通信モジュール126は、ノード102の無線機108に制御チャネルに関連付けられた周波数から、データチャネルに関連付けられた周波数にチューニングさせることができる。さらに通信モジュール126は、1または複数のPTBメッセージおよび/またはデータを、通信チャネル(例えば制御チャネル、データチャネル)上で送信および/または受信させることができる。PTBメッセージにおいて示される特定のデータチャネル、変調技術、および/またはデータレートは、チャネル決定モジュール124から通信モジュール126に入力された特定のデータチャネル、変調技術、および/またはデータレートを含むことができる。
【0028】
周波数ホッピングモジュール128は、ベースバンドプロセッサ116およびクロック122と通信するように構成されうる。一例では周波数ホッピングモジュール128は、時間情報を取得し、および/またはクロック122内の周波数ホッピングタイマを設定するように構成される。このような時間情報および/またはタイマは、いつ異なるチャネルまたは周波数に「ホッピング」する、すなわちチューニングするかを周波数ホッピングモジュール128に示すことになる。さらに周波数ホッピングモジュール128は、実際の周波数変更を行うように、SW無線機、または無線機108の他の構成要素に命令するように構成することができる。従って、周波数ホッピングモジュール128は、取り決められた周波数の間で、取り決められた時間に繰り返しシフトし、取り決められた期間に、取り決められたプロトコルで他の(1または複数の)ノードと通信することができる。
【0029】
データ判定モジュール130は、ブロードキャストされるデータがすでに受信されているかどうかを判定することができる。その判定は、ブロードキャストされるデータのPTBメッセージに含まれるデータIDに少なくとも部分的に基づくことができる。データ判定モジュール130はこのデータIDを、以前に受信された他のデータ(例えばデータパケット)に関連付けられたデータIDと比較することができる。
【0030】
いくつかの実装形態では(例えばノードがユーティリティメータであるときは)、メモリ120はまた、1または複数の資源(例えば電気、水道、天然ガスなど)の消費データを収集するように構成された計量モジュールを含むことができ、これは中央局104または他の宛先に最終的に伝搬するように、1または複数の他のノード102に送信することができる。
【0031】
メモリ120は、コンピュータ可読媒体を備えることができ、RAMなどの揮発性メモリ、および/またはROMまたはフラッシュRAMなどの不揮発性メモリの形をとることができる。コンピュータ可読媒体は、コンピューティング装置の1または複数のプロセッサによる実行のためのコンピュータ可読命令、データ構造体、プログラムモジュールまたは他のデータなどの、情報の記憶のために任意の方法または技術によって実現された、揮発性および不揮発性、リムーバブルおよび非リムーバブル媒体を含む。コンピュータ可読媒体の例は、非限定的に相変化メモリ(PRAM)、SRAM、DRAM、他のタイプのRAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、または他のメモリ技術、CD−ROM、DVD、または他の光記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置、または他の磁気記憶装置、またはコンピューティング装置によるアクセスのために情報を記憶するために用いることができる任意の他の非伝送媒体を含む。本明細書で定義されるようにコンピュータ可読媒体は、変調されたデータ信号および搬送波などの通信媒体を含まない。
【0032】
一方、(1または複数の)ネットワーク106はバックホールネットワークを表し、それ自体は無線または有線、またはそれらの組み合わせを備えることができる。ネットワーク106は、互いに相互接続され単一の大きなネットワーク(例えばインターネットまたはイントラネットワーク)として機能する、個々のネットワークの集合とすることができる。さらに個々のネットワークは、無線または有線ネットワーク、またはそれらの組み合わせとすることができる。
【0033】
中央局104は、サーバ、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータなどの1または複数のコンピューティング装置によって実現することができる。1または複数のコンピューティング装置は、メモリに通信可能に結合された1または複数のプロセッサを備えることができる。いくつかの例では中央局104は、ノード102の1または複数から受信したデータの処理、分析、記憶、および/または管理を行う、集中型メータデータ管理システムを含む。例えば、中央局104は、スマートユーティリティメータ、センサ、制御装置、ルータ、調節器、サーバ、中継器、スイッチ、弁および/または他のノードから取得されたデータを処理、分析、記憶、および/または管理することができる。図1の例は単一の場所における中央局104を示すが、いくつかの例では中央局104は、複数の場所に分散することができ、および/または全く取り除くことができる(例えば高度に非集中化されたコンピューティングプラットフォームのケースにおいて)。
【0034】
図2は、ブロードキャストノード202から1または複数の隣接ノード204Aおよび204Bにデータをブロードキャストするための例示の環境200を示す。ノード202〜204は、図1のノード102と同様または同じとすることができる。隣接ノード204Aおよび204Bは、ブロードキャストノード202が隣接ノード204Aおよび204Bと通信できるように、ブロードキャストノード202との所定の近さ以内に存在することができる。以下の説明は、ノード202をブロードキャストノードとして、およびノード204Aおよび204Bをブロードキャストされたデータを受信するノードとして示すが、多くのノードが必要に応じてブロードキャストノードおよび受信ノードとして機能できることが理解されるべきである。
【0035】
いくつかの場合には、以下で述べられるブロードキャスト技術は、開放型システム間相互接続(OSI)モデルなどに少なくとも部分的に基づくことができるノード202、204A、および204Bの様々なレイヤを参照する。OSIモデルではノード202、204A、および204Bはそれぞれ、物理レイヤ、データリンクレイヤ、および1または複数の追加のレイヤなどの複数のレイヤを含むことができる。特定の実装形態ではデータリンクレイヤは、様々な機能を実現する媒体アクセス制御(MAC)サブレイヤを含む。以下の説明は様々な機能を実現するための特定のレイヤを参照するが、以下で述べられる機能は、ノード202、204Aおよび204Bによって他のやり方で実現され得ることが理解されるべきである。
【0036】
図2の例ではブロードキャストノード202のMACサブレイヤは、ブロードキャストノード202の他のレイヤから、データをブロードキャストすることを要求するコマンドを受信することができる。コマンドは、ブロードキャストノード202の上位レイヤ、すなわちブロードキャストノード202の物理レイヤから、MACサブレイヤよりさらに離れたレイヤから受信することができる。いくつかの実施形態ではコマンドは、特定の変調技術を用いておよび/またはあるデータレートにおいて、データがブロードキャストされることを要求することができる。一方、他の実施形態ではコマンドは、単にデータがブロードキャストされることを要求する。
【0037】
コマンドを受信した後に、ブロードキャストノード202のMACサブレイヤは、複数のデータチャネルの中から特定のデータチャネルを決定することができる。その決定は、通信のために現在利用可能である、利用可能なデータチャネルのリストに少なくとも部分的に基づくことができる。利用可能なデータチャネルのリストは、ノード(例えばノード202、204Aおよび/または204B)のメモリ内に保持することができ、ある期間の間、チャネルがビジーとなり得る(例えば通信のために利用され得る)ことを示す、1または複数の他のノードから受信された通信に少なくとも部分的に基づいて更新されることができる。図2ではデータチャネルMは、データをブロードキャストするように決定されたデータチャネルを表す。図1のアーキテクチャ100では特定のデータチャネルの決定は、チャネル決定モジュール124によって行うことができる。
【0038】
ブロードキャストノード202は、さらに、またはあるいは、データをブロードキャストするために利用される特定の変調技術および/またはデータレートを決定することができる。ブロードキャストノード202の上位レイヤから受信したコマンドにおいて、変調技術および/またはデータレートが指定されたときは、データをブロードキャストするために、指定された変調技術および/またはデータレートが選択される。しかしコマンドにおいて変調技術および/またはデータレートが指定されないときは、ブロードキャストノード202のMACサブレイヤが、データをブロードキャストするために利用される変調技術および/またはデータレートを決定することができる。その決定は、ノード202、204Aおよび/または204Bの能力に少なくとも部分的に基づくことができる。
【0039】
上記のようにノード202、204Aおよび/または204Bは、スマートユーティリティメータ、センサ、制御装置、変圧器、ルータ、サーバ、中継器、スイッチ、弁またはそれらの組み合わせなどの、異なる世代および/またはタイプのノードを備えることができる。このケースではノード202、204Aおよび/または204Bは、異なる変調技術および/またはデータレートを使用することができ、または使用する能力がある。このような能力(例えば変調技術、データレートなど)は例えば、ノード202、204Aおよび/または204Bの1または複数、他のノード、中央局および/または他の装置からの、以前の通信に基づいて決定することができる。
【0040】
従って、いくつかの場合にはブロードキャストノード202は、利用可能な複数の変調技術および/またはデータレートの中から、ノード202、204Aおよび/または204Bに共通な変調技術および/またはデータレートを決定することによってこれらの能力を活用することができる。ブロードキャストノード202は、ノード202、204Aおよび/または204Bが利用可能なおよび/またはそれらに共通な変調技術および/またはデータレートの中から、最も長い通信距離をもたらし、最大のデータレートをもたらし、および/または干渉の影響を受けにくい変調技術および/またはデータレートを決定することができる。
【0041】
特定のデータチャネル、変調技術および/またはデータレートを決定した後に、ブロードキャストノード202は、制御チャネル上でPTBメッセージを送信(例えばRFブロードキャスト)することができる。上記のようにPTBメッセージは、データをブロードキャストするために利用されるように決定された特定のデータチャネル、変調技術および/またはデータレートを示すことができる。さらにPTBメッセージは、ブロードキャストされるデータを識別するデータIDを含むことができる。
【0042】
PTBメッセージは、制御チャネル上でリッスンしている1または複数の隣接ノード(例えばノード204Aおよび/または204B)に送信されることができる。いくつかの例ではPTBメッセージは、データをブロードキャストするために利用されるものと同じ変調技術を用いて、および/または同じデータレートで送信される。さらにいくつかの例ではPTBメッセージは、搬送波感知多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA)方式などのアクセス方式を利用することによって送信される。図1の例示のアーキテクチャ100では通信モジュール126は、PTBメッセージを送信させることができる。
【0043】
いくつかの実装形態ではPTBメッセージは、PTBメッセージの長さがブロードキャストされるデータより短いときに送信される。すなわちPTBメッセージは、データより少ないビットおよび/またはバイトを含む場合に送信され得る。このような場合、ブロードキャストノードは、PTBメッセージを送信する前に、PTBメッセージの長さが短いことを確認することができる。データのビットまたはバイトの数が、PTBメッセージのビットまたはバイトの数以上である場合は、ブロードキャストノードは、PTBメッセージの送信に進むことができる。PTBメッセージの長さがデータより短くないときは、PTBメッセージを送信することなく、データは制御チャネルおよび/またはデータチャネル上で直接送信されることができる。
【0044】
一方、制御チャネル上でリッスンしている1または複数の隣接ノード(例えばノード204および/または204B)は、PTBメッセージを受信し、データが以前に受信されたかどうかを判定することができる。いくつかの場合には1または複数の隣接ノードはそれぞれ、ノードによって以前に受信されたデータ(例えばデータパケット)に対応するデータIDのリストを含む。データIDのリストはテーブル内に含むことができる。ここで1または複数の隣接ノードはそれぞれ、PTBメッセージ内に供給されたデータIDを、データIDのリストと比較することができる。比較が、PTBメッセージのデータIDがリストに含まれないことを示すときは、1または複数の隣接ノードは、ブロードキャストされるデータは以前に受信されていないと判断することができる。図1のアーキテクチャ100では、データ判定モジュール130は、データが以前に受信されたかどうかを判定することができる。
【0045】
データが以前に受信されていないときは、1または複数の隣接ノードは、特定のデータチャネルに切り換え、データのリッスンを開始することができる。データが以前に受信されているときは、1または複数の隣接ノードは、制御チャネル上で他のメッセージのリッスンを続けることができる。図1のアーキテクチャ100では、通信モジュール126は、無線機108に特定のデータチャネルにチューニングさせることができる。
【0046】
ブロードキャストノード202は、PTBメッセージを送信した後に、特定のデータチャネルに切り換えることができる。ブロードキャストノード202は、データをブロードキャストするために予め決定された変調技術および/またはデータレートに少なくとも部分的に基づいて、特定のデータチャネルを通してデータのブロードキャスト(例えば送信)を開始することができる。いくつかの場合にはデータは、PTBメッセージが送信されてから所定の時間間隔が終了した後にブロードキャストされる。所定の時間間隔は、例えばIEEE802.11および/または802.15標準によって定義される短フレーム間隔(SIFS)を含むことができる。データがブロードキャストされた後にブロードキャストノード202は、切り換えて制御チャネルに戻ることができる。図1のアーキテクチャ100では通信モジュール126は、特定のデータチャネルへの、およびそれからの切り換え(すなわちチューニングされた周波数の変更)を引き起こし、データをブロードキャストさせることができる。
【0047】
1または複数の隣接ノード(例えばノード204Aおよび/または204B)は、特定のデータチャネル上でデータをリッスンすることができる。いくつかの場合には1または複数の隣接ノードはそれぞれ、PTBメッセージ内に指定された変調技術および/またはデータレートを利用することによって、特定のデータチャネルを通してデータを受信することができる。1または複数の隣接ノードは、データが受信された後に切り換えて制御チャネルに戻ることができる。他の場合には1または複数の隣接ノードは、所定の期間(例えばタイムアウト期間)が終了した後にデータを受信しない場合があり、所定の期間が終了した後に切り換えて制御チャネルに戻ることができる。
【0048】
上記のようにいくつかの場合にはデータは、1または複数の隣接ノードから何らの通信も受信することなくブロードキャストされる。例えばブロードキャストノード202は、ブロードキャストを受信するために1または複数の隣接ノードが利用可能かどうかを知ることなく、データをブロードキャストすることができる。すなわちデータは、ブロードキャストノード202と、1または複数の隣接ノードとの間で、送信要求(RTS)メッセージおよび/または受信準備完了(CTS)メッセージをやり取りせずにブロードキャストされることができる。さらに、またはあるいは、データがブロードキャストされた後にブロードキャストノード202は、データが受信されたことを示す肯定応答メッセージを1または複数の隣接ノードから受信することなく、切り換えて制御チャネルに戻ることができる。RTS、CTS、および/または肯定応答メッセージは、IEEE802.11および/またはIEEE802.15標準などの標準規格によって部分的に定義することができる。
【0049】
いくつかの実装形態ではデータブロードキャストプロセスは、複数回繰り返される。すなわちPTBメッセージは複数回再送信され、データはPTBメッセージの各再送信の後に再ブロードキャストされる。回数は、ノードのMACサブレイヤまたは上位レイヤ(例えばMACサブレイヤより上のレイヤ)などのレイヤによって指定されることができる。上位レイヤがデータを再ブロードキャストする回数を指定する場合には、この数は、MACサブレイヤによって決定および/または指定される数より優先することができる。この再ブロードキャストプロセスは、1または複数の隣接ノードが、例えば干渉、並びに/またはPTBメッセージおよび/またはデータが前に送信されている間に1または複数の隣接ノードを必要とする通信により、受信されなかった場合があるPTBメッセージおよび/またはデータを受信する別の機会をもたらすことができる。
【0050】
周波数ホッピングを用いた例示のブロードキャスト
図3は、マルチチャネルネットワークにおいてデータをブロードキャストするのに利用することができる、例示の周波数ホッピングプロセス300を示す。周波数ホッピングは一般に時間の関数としての、1または複数のノードによる、1または複数のチャネル(例えば制御チャネル、および/または(1または複数の)データチャネル)の順次的チューニングを含む。さらに制御チャネルは、特定の時点での第1のチャネル(例えば第1のRF周波数範囲)から、異なる時点での第2のチャネル(例えば第2のRF周波数範囲)など、繰り返し再定義することができる。ホッピングのタイミングは同期されるので、例えば同時に同じデータチャネルにチューニングする、同じ期間の間にデータを送信/受信する、および同時に同じ制御チャネル周波数にチューニングするなど、ノードは調和されたやり方でチャネル間を移動することができる。
【0051】
図示するために図3では制御チャネル302は、制御チャネル302が時間t0ではチャネル1に、時間t1ではチャネル3に、および時間t2ではチャネルM−1にあるように、時間の関数として再定義される。制御チャネル302が特定のチャネルにあるときは、他のチャネルはデータチャネルを含むことができる。図示のようにチャネル1〜Mのそれぞれは周波数範囲によって定義される。例えば、チャネル1は、周波数f0とf1の間に定義される。
【0052】
図3の例示の周波数ホッピングは、周波数ホッピングシーケンスに関連付けられることができる。このシーケンスは、チャネル1〜Mを利用することができるネットワークの1または複数のノードに送信されることができる。いくつかの場合にはシーケンスは、周波数ホッピングを開始することになる、ネットワーク内の特定のノードから送信される。特定のノードは、例えばPANコーディネータなどのネットワークのコーディネータを備えることができる。
【0053】
図3に示される周波数ホッピングプロセス300は、例示的プロセスであり、周波数ホッピングプロセス300は他のやり方で、および/または他のホッピングシーケンスに基づいて実施できることが理解されるべきである。例えば図3の周波数ホッピングは、制御チャネル302をチャネル1からチャネル3に、次いでチャネル3からチャネルM−1にホッピングするホッピングシーケンスを利用するが、制御チャネル302を任意の順序でチャネル1〜Mのいずれかにホッピングするように、異なるホッピングシーケンスを用いることができる。
【0054】
一実装形態ではデータをブロードキャストすることを望むノードは、複数のチャネルホッピングにわたって、複数のデータブロードキャストを行うことができる。例えば制御チャネル302がチャネル1に定義されたときは、ノードは、データが特定のデータチャネル(例えばチャネル2〜Mのいずれか)上でブロードキャストされることを示すPTBメッセージを、制御チャネル302を通して送信することができる。次いでノードは特定のデータチャネルに切り換え(例えばチューニングし)、特定のデータチャネルを通してデータをブロードキャストすることができる。
【0055】
その後、ノードは、制御チャネル302がチャネル3に定義されたときに、データブロードキャストプロセスを繰り返すことができる。すなわち制御チャネル302がチャネル3にある時、ノードは、特定のデータチャネル(例えばチャネル1、2、または4〜Mのいずれか)上で同じデータがブロードキャストされることを示す別のPTBメッセージを、制御チャネル302を通して送信することができる。ノードは特定のデータチャネルに切り換え(例えばチューニングし)、特定のデータチャネルを通して同じデータをブロードキャストすることができる。データブロードキャストプロセスは、ノードのMACサブレイヤまたは上位レイヤなどのレイヤによって指定された、任意の回数を繰り返すことができる。各再ブロードキャストの間に、制御チャネル302および/またはデータチャネルは、異なるチャネルに周波数ホッピングすることができる。
【0056】
いくつかの場合にはこの再ブロードキャストプロセスは、前の送信において利用されたものとは異なるチャネル上を、PTBメッセージおよび/またはデータが再送信されることを可能にすることができる。このような場合には、例えば前の送信において利用されたチャネル上の干渉により受信することができなかったPTBメッセージおよび/またはデータを、1または複数の隣接ノードが受信する別の機会をもたらすことができる。
【0057】
例示のブロードキャスト準備プロトコルデータユニット
図4は、マルチチャネルネットワークにおいて送信することができる、例示のブロードキャスト準備(PTB:prepare to broadcast)プロトコルデータユニット(PDU)400を示す。このフレーム例は、802.15.4標準において記述されるフレームフォーマットに基づく。本明細書ではPDUという用語は一般に、図1に示されるものなどの通信ネットワーク内の任意の通信、メッセージ、または送信を指すように用いられる。PDUという用語は、少なくとも概念においてOSIモデルに基づき、例えばビット、フレーム、パケット、セグメントなどを備えることができる。図4の例ではブロードキャスト準備PDU400は、フレームの形で示される。
【0058】
いくつかの場合にはOSIモデルの1または複数のレイヤは、ノード間で1または複数のPDUを送信するために利用することができる。例えばOSIモデルのデータリンクレイヤは、アーキテクチャ100におけるノード102の2つ以上の間で、PDUを送信するために利用されることができる。特定の実装形態ではデータリンクレイヤのMACサブレイヤは、ノード102の2つ以上の間でPDUを送信するために利用されることができる。さらにいくつかの実装形態では、搬送波感知多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA)方式などのアクセス方式を利用してPDUを転送することができる。
【0059】
上述のようにPTBフレーム400は、ノードがデータをブロードキャストすることを望んでいることを隣接ノードに通知するために用いられることができる。PTBフレーム400は、図1のアーキテクチャ100の例示のネットワークを参照して述べられる。しかしPTBフレーム400は、例示のアーキテクチャ100と共に用いられることに限定されず、他のアーキテクチャおよび装置を用いて実施することができる。
【0060】
図4に示されるようにPTBフレームは以下のフィールドすなわち、フレーム制御(FC)、シーケンス番号、宛先パーソナルエリアネットワーク(PAN)識別子、宛先アドレス、送信元PAN識別子、送信元アドレス、補助セキュリティヘッダ、ペイロードおよびフレームチェックシーケンス(FCS)を含む。ペイロード以外の、802.15.4をベースとするPTBフレームの上記のフィールドの詳細は、当業者には知られており本明細書では詳細に述べられない。しかしPTBフレームのペイロードは、上述のブロードキャスト技術および他の機能を実現するようにカスタマイズされる。ペイロードは可変のサイズとすることができ、例えば以下のフィールドの1または複数を含むことができる:
− タイプ:このフィールドはフレームのタイプ、例えばRTS、CTSなどを示す。図4の例ではこのフィールドは、フレームがPTBフレームであることを示す。
− HW:このフィールドは、ブロードキャストノードにおいて決定された、データをブロードキャストするために利用される変調技術および/またはデータレートを示す。
− デュレーション(持続時間):このフィールドは、PTBフレームにおいて指定された(1または複数の)データフレームを送信するための総予想時間を示す。デュレーションは、指定されたデータフレームを送信するための時間、フレームの間のフレーム間隔(IFS)(例えばSIFS、DIFSなど)、並びに肯定(ACK)または否定(NACK)応答などの待ち時間を含むことができる。デュレーションフィールドは、ノードが別のノードと通信していて使用中となり、従って、受信するための利用ができなくなるデュレーションを確定するために用いることができる。
− チャネル:このフィールドは、データをブロードキャストするために利用されることになるデータチャネルを示す。
− データレート(DR)パラメータ:このフィールドは、データをブロードキャストするために利用されるデータレートを示す。
− Data_ID:このフィールドは、ブロードキャストされるデータPDU(例えばデータパケット)のIDを含む。このフィールドは例えば、ブロードキャストされるデータPDUが、PTBフレームを受信するノードにおいて以前に受信されているかどうかを判定するために利用することができる。
【0061】
例示のプロセス
図5図6は、特定のデータチャネル上でデータがブロードキャストされることを示すPTBメッセージを制御チャネルを通して送信または受信し、特定のデータチャネルを通してデータをブロードキャストまたは受信する例示のプロセス500および600を示す。図5ではプロセス500は、PTBメッセージおよび/またはデータを送信するノードによって行うことができる。一方、図6ではプロセス600は、PTBメッセージおよび/またはデータを受信するノードによって行われることができる。しかしあらゆるノードは、必要に応じてブロードキャストノードおよび受信ノードの両方として機能できることが理解されるべきである。
【0062】
プロセス500および600(並びに本明細書で述べられる各プロセス)は、論理フロー図として示され、その各動作は、ハードウェア、ソフトウェアまたはそれらの組み合わせによって実施できる一連の動作を表す。ソフトウェアとの関連において動作は、1または複数のプロセッサによって実行されたときに列挙された動作を行う、1または複数のコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコンピュータ実行可能命令を表す。一般にコンピュータ実行可能命令は、特定の機能を行うまたは特定の抽象データ型を実現する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造体などを含む。動作が述べられる順序は、限定として解釈されることを意図するものではなく、プロセスを実施するために、任意の数の述べられた動作を任意の順序でおよび/または並列に、組み合わせることができる。
【0063】
図5ではプロセス500は、データをブロードキャストするノードによって行われる。動作502でブロードキャストノードは、データをブロードキャストするための特定のデータチャネルを決定する。502でブロードキャストノードはまた、データをブロードキャストするための変調技術および/またはデータレートを決定することができる。図1の例を参照すると、チャネル決定モジュール124は動作502を行うことができる。
【0064】
動作504でブロードキャストノードは、特定のデータチャネル上でデータがブロードキャストされることを示すメッセージを、制御チャネルを通して送信する。メッセージはPTBメッセージを含むことができ、データをブロードキャストするために利用される決定された変調技術および/またはデータレートを示すことができる。図1の例を参照すると、通信モジュール128は動作504を行うことができる。
【0065】
動作506でブロードキャストノードは、動作502において決定された特定のデータチャネルに切り換える(例えばチューニングする)。図1の例を参照すると、通信モジュール126は動作506を行うことができる。動作508でブロードキャストノードは、特定のデータチャネルを通してデータをブロードキャストする。データは、動作502において決定された変調技術および/またはデータレートに少なくとも部分的に基づいてブロードキャストされることができる。図1の例を参照すると、通信モジュール126は動作508を行うことができる。
【0066】
動作510でブロードキャストノードは、ブロードキャストノードの無線機をチューニングすることによって制御チャネルに切り換える。動作510は、データが特定のデータチャネルを通してブロードキャストされた後に行うことができる。図1の例を参照すると、通信モジュール126は動作510を行うことができる。
【0067】
動作512で、制御チャネルおよび/またはデータチャネルは周波数ホッピングされ、すなわちそれらの周波数範囲は周期的な間隔で再定義される。プロセス500は動作512を行うことを含むが、いくつかの場合には動作512は行われない。図1の例を再び参照すると、周波数ホッピングモジュール128は動作512を行うことができる。
【0068】
ブロードキャストノードが、制御チャネルおよび/またはデータチャネルを順次的にチューニングした(「それらの間でホッピングした」)後に、ブロードキャストノードは動作502に戻ることができ、再び動作502〜512を行う(例えばPTBメッセージおよび/またはデータを再送信する)ことができる。ここで動作502〜512は、ホッピングされた制御チャネルおよび/またはホッピングされたデータチャネルを部分的に利用することができる。動作502〜512は、複数回行うことができる。
【0069】
一方図6においてプロセス600は、ブロードキャストされるデータを受信することができるノードによって行われる。動作602で受信ノードは、特定のデータチャネル上でデータがブロードキャストされることを示すメッセージを、制御チャネルを通して受信する。メッセージはPTBメッセージを含むことができ、データをブロードキャストするために利用される変調技術および/またはデータレートを示すことができる。図1の例を参照すると、通信モジュール126は動作602を行うことができる。
【0070】
動作604で受信ノードは、データが以前に受信されたかどうかを判定する。受信ノードは、PTBメッセージに含まれるデータIDを利用して、データが以前に受信されたかどうかを判定することができる。例えば当該判定は、PTBメッセージ内のデータIDと、以前に受信されたデータ(例えばデータパケット)に関連付けられたデータIDとの比較に基づくことができる。図1の例を再び参照すると、データ判定モジュール130は動作604を行い、データが以前に受信されたかどうかを判定することができる。
【0071】
いくつかの場合には、データが以前に受信されていないときは、受信ノードは動作606、608および/または610に進む。動作606では、受信ノードは、受信ノードの無線機をチューニングすることによって特定のデータチャネルに切り換える。動作608で受信ノードは、特定のデータチャネル上でデータをリッスンする。動作610で受信ノードは、特定のデータチャネルを通してデータを受信する。図1の例を参照すると、通信モジュール126は動作606、608および/または610を行うことができる。
【0072】
動作612で受信ノードは、制御チャネルに切り換える。いくつかの場合には動作612は、データが受信された後に行うことができる。他の場合には動作612は、特定のデータチャネルに切り換えてから所定の期間が終了した後に行うことができる。ここで、動作610は行われなくてもよい。図1の例を参照すると、通信モジュール126は動作612を行うことができる。
【0073】
結論
実施形態について構造的特徴および/または方法論的動作に固有の用語で述べてきたが、本開示は必ずしも述べられる特定の特徴または動作に限定されないことが理解されるべきである。むしろ本明細書では特定の特徴および動作は、実施形態を実現する例示の形として開示されるものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6