(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
a.四級化されたモノ−、ジ−、およびトリ−エステルアルカノールアミンのエステルクアット混合物を含み、該エステルクアット混合物の該トリ−エステルクアットの含有量が該混合物の25重量%より高く、該ジ−エステルクアットと該トリ−エステルクアットの合計の含有量が、該エステルクアット混合物の78重量%より高く、最大98重量%であり、かつ、該エステルクアット混合物が、脂肪酸またはそのメチルエステルとアルカノールアミンが1.94:1より高いモル比で反応した四級化反応産物である、3%〜6重量%の布地柔軟化活性剤;および
b.水
を含む、液体布地柔軟化組成物であって、
該布地柔軟化活性剤が、50%の硬い獣脂脂肪酸と50%の柔らかい獣脂脂肪酸との混合物から製造される場合、
該組成物の4%分散液の初期粘度が304cPより高く;かつ
該布地柔軟化活性剤が、1重量%より高い遊離脂肪酸を含む、
液体布地柔軟化組成物。
アルカノールアミンと脂肪酸またはメチルエステルを反応させるための反応時間が、反応が190℃で行われている場合に、6時間40分未満である、請求項10に記載の布地柔軟化活性剤組成物。
【発明を実施するための形態】
【0011】
発明の詳細な説明
別段の示唆がないかぎり、本明細書に記述される全てのパーセント、部分、割合、または比率は、重量比である。
【0012】
本発明の布地コンディショニング活性物質は、例えば、洗濯過程で使用される、液体布地コンディショニング組成物および静電気防止組成物に例えば配合する際に有用である。
【0013】
エステルクアット布地コンディショニング活性物質
本発明の布地コンディショニング活性物質は、四級化されたモノ−エステル、ジ−エステル、およびトリ−エステル成分のエステルクアット混合物を含み、該トリ−エステルクアット成分は、総エステルクアット混合物の25重量%より高く、総エステルクアット混合物の最大約55重量%、または最大50重量%、または最大45重量%である。好ましくは、ジ−エステルクアットとトリエステルクアット成分の合計は、総エステルクアット混合物の78重量%より高く、総エステルクアット混合物の最大約98重量%、または最大95重量%、または最大93重量%である(モノ−エステルクアット、ジ−エステルクアット、およびトリ−エステルクアットの重量の合計が、エステルクアット混合物の100重量%である)。
【0014】
モノ−、ジ−、およびトリ−エステルクアット成分とは、エステルクアットコンディショニング物質が、それぞれモノ−エステルクアット(それに結合した脂肪族ヒドロカルビル鎖との単一のエステル結合を含む、エステルクアット化合物)、ジ−エステルクアット(その各々がそれに結合した脂肪族ヒドロカルビル鎖を有する、2つのエステル結合を含む、エステルクアット化合物)、およびトリ−エステルクアット(その各々がそれに結合した脂肪族ヒドロカルビル鎖を有する、3つのエステル結合を含む、エステルクアット化合物)を含むことを意味する。
【0015】
本明細書において、本明細書中のアミンおよびエステルクアット構造中の「R」などの、「脂肪族ヒドロカルビル鎖」とは、対応する完全な脂肪酸よりも1つ少ない炭素原子を有する、脂肪酸のアルキルまたはアルケニル部分である(完全な脂肪酸の最後の炭素原子は、エステル結合のアシル炭素である)。例えば、ステアリン酸は、分子式:
CH
3(CH
2)
16COOH
の中に配置される、18個の炭素原子を有している。
【0016】
対応する脂肪族ヒドロカルビル鎖は、CH
3(CH
2)
16−であり、あるいは本明細書においてC
17アルキル部分と表記される。不飽和(例えば、単不飽和体である、オレイン酸の脂肪族ヒドロカルビル鎖)の場合には、それはC
17アルケニル部分となるであろう。
【0017】
好ましくは、アルキルまたはアルケニル部分の平均鎖長は、少なくともC
13であり、または少なくともC
15である。ある企図される態様において、鎖の少なくとも80%は、C
15/C
17が組み合わされた長さを有する。
【0018】
ある態様において、アルキルまたはアルケニル鎖は、主に直鎖となり得ることが企図される。
【0019】
脂肪酸のヒドロカルビル鎖は、天然獣脂、パーム油、パーム核油、ラード、コーン油、大豆油、または他の適した原料、またはそれらの混合物中のグリセリドエステルの脂肪酸成分に特徴的な脂肪酸の混合物など、様々な出発物質、例えば遊離脂肪酸によって、単独であるいは組み合わせて、付与され得る。他の企図される出発物質は、本技術分野に周知のように、脂肪酸のグリセリドモノ−、ジ−、またはトリ−エステル(例えば、獣脂またはパーム核油)、脂肪酸の低級アルキルエステル(例えば、メチルエステル)、脂肪酸に対応する酸塩化物、および他の化合物である。繰り返すが、これらの脂肪酸誘導体は、天然の脂肪酸原料から誘導されるものなど、単一の脂肪酸または脂肪酸の混合物から作ることができる。ある企図される態様において、脂肪酸原料は、主に(例えば、80%以上の)C
16およびC
18脂肪酸、並びに/またはメチルエステルを含む。
【0020】
布地柔軟化活性剤の調製に有用なアルカノールアミンは、概して、以下の一般式:
に対応し、式中、R
1、R
2、およびR
3は、C
1−C
6アルキルまたはヒドロキシアルキル基から独立して選択される。適したアルカノールアミンは、トリエタノールアミン(TEA)、トリプロパノールアミン、ジメチルアミノ−N−(2,3−プロパンジオール)、ジエチルアミノ−N−(2,3−プロパンジオール)、メチルアミノ−N−2−エタノール−N−2,3−プロパンジオール、およびエチルアミノ−N−2−エタノール−N−2,3−プロパンジオール、並びにそれらの混合物を含む。脂肪酸/脂肪対アルカノールアミンのモル比は、1.94:1より高く、好ましくは2.0:1以上であり、最大約2.7:1であり、または2.5:1である。
【0021】
好ましいエステルクアットは、TEA系のエステルクアットである。
【0022】
本技術に用いるための、企図されるエステルクアット陽イオン性コンディショニング物質は、式(I):
によって表される。
【0023】
各Rは、C
5−35アルキルまたはアルケニル基より独立して選択され、任意でC
7−21アルキルまたはアルケニル基より独立して選択され、任意でC
11−21アルキルまたはアルケニル基より独立して選択され、任意で少なくとも主にC
13−17アルキルまたはアルケニル基より独立して選択される。R
1は、C
1−4アルキルまたはヒドロキシアルキル基またはC
2−4アルケニル基を表し、Tは、
(即ち、順方向エステル結合または逆方向エステル結合)であり;nは0であるかまたは1〜4より選択されるか、任意で2〜4より選択される整数であり;mは、モノ−エステルクアットに対して1であり、ジ−エステルクアットに対して2であり、トリ−エステルクアットに対して3であり、かつN原子から直接吊り下がっている、それが適用される部分の数を供与し、かつX
−は、ハロゲン化物や、例えばC
1−4アルキルスルフェートもしくはヒドロキシアルキルスルフェートもしくはC
2−4アルケニルスルフェートといったアルキルスルフェートなどの、陰イオン性基である。具体的には、企図される陰イオン性基は、塩化物、メチルスルフェート、またはエチルスルフェートを含む。
【0024】
このクラスの範囲内に企図される物質は、トリエタノールアンモニウムメチルスルフェートのエステルであり、とりわけ獣脂または硬化獣脂エステルである。
【0025】
布地コンディショニング物質のトリ−エステルクアットの含有量は、25重量%より高い。このトリ−エステルクアットの含有量は、反応混合物中の脂肪酸対出発アルカノールアミンの比較的高い割合を用いることによって、トリエステル形成を促進するために反応混合物中、最適量の適切な触媒を用いることによって、比較的ゆっくりと反応混合物の温度を上げることによって、および当業者に公知の他の手段によってなど、様々な方法で提供され得る。
【0026】
エステルクアット混合物の企図されるジ−エステルクアットの含有量は、ジ−エステルクアットとトリ−エステルクアットの合計がエステルクアット混合物の78重量%を超えるように、エステルクアット混合物の最大でも70重量%であり、任意で最大でも60重量%であり、任意で最大でも53重量%である。
【0027】
エステルクアット混合物中のモノ−、ジ−、およびトリ−エステルクアットの重量パーセントは、該3つの総重量に基づいて報告される。したがって、これら3つのパーセントの合計は100%である。エステルクアット混合物中の遊離アミンおよび脂肪酸の重量パーセントもまた、エステルクアット混合物中のモノ−、ジ−、およびトリ−エステルクアットの総重量に基づいて、本明細書に記述される。
【0028】
組成物は、布地コンディショニング物質に基づいて1重量%より高い遊離脂肪酸を含むべきである。例えば、脂肪酸または(グリセリド、アルキルエステル、または酸塩化物などの)親脂肪アシル化合物とトリアルカノールアミンを、約190℃以下の反応温度、および反応温度が190℃である場合には6時間40分未満の反応時間で、反応させることによって、1%より高い遊離脂肪酸の含有量が提供され得る。該遊離脂肪酸の含有量は、布地コンディショニング活性剤の重量に基づいて、最大10重量%、または最大8重量%であり得る。
【0029】
親脂肪アシル基または酸のヨウ素価
エステルクアット布地コンディショニング物質がそこから形成される、親脂肪アシル化合物または酸のヨウ素価は、1〜100、好ましくは5〜80、または10〜60、または15〜55、または20〜50である。したがって、アルキルまたはアルケニル炭素鎖は、少なくともいくらかの不飽和を含むことが企図される。
【0030】
ヨウ素価は、存在する全エステルクアット物質の親脂肪アシル化合物または脂肪酸の平均ヨウ素価を表す。本発明の文脈において、布地コンディショニング物質がそこから形成される、親脂肪アシル化合物または酸のヨウ素価は、100グラムの親化物と反応するヨウ素のグラム数として定義される。親脂肪アシル化合物/酸のヨウ素価を計算する方法は、本技術分野に公知であり、約15mlのクロロホルム中に所定の量(0.1〜3g)を溶解させる工程を含む。次いで、溶解した親脂肪アシル化合物/脂肪酸を、酢酸溶液中(0.1M)、25mlの一塩化ヨウ素と反応させる。これに20mlの10%ヨウ化カリウム溶液と、約150mlの脱イオン水を添加する。ハロゲンの添加後、一塩化ヨウ素の過剰量を、青色デンプン指示薬粉の存在下、チオ硫酸ナトリウム溶液(0.1M)を用いた滴定により測定する。同時に、同条件下、同量の試薬を用いてブランクを測定する。ブランクで用いたチオ硫酸ナトリウムの量と、親脂肪アシル化合物または脂肪酸との反応で用いた量との差異により、ヨウ素価を計算できる。
【0031】
概して、エステルクアットとしても知られる、本発明のコンディショニング活性剤組成物は、脂肪酸源とアルカノールアミンとを、典型的には脂肪酸源が融解する出発温度で、混合する工程、任意で触媒を添加する工程、次いで、酸価および最終アルカリ価などの所望のエンドポイントに到達するまで、真空に引いている間に反応混合物を加熱する工程、によって作られる。典型的な酸価エンドポイントは、約0.05〜約0.06meq/gである。所望のアルカリ価は、脂肪酸/脂肪対アルカノールアミンの割合に依存するであろうが、典型的には約1.30〜約1.90meq/gであろう。次いで、得られたエステルアミン中間体を、アルカリ化剤を用いて四級化し、エステルクアット生成物を生じる。該エステルクアット生成物は、四級化されたモノエステル、ジエステル、およびトリエステル成分、並びに任意で、遊離アミンおよび遊離脂肪酸または親脂肪アシル合物を含むがこれらに限定されない、ある量の1つまたは複数の反応物質、中間体、および副生成物の混合物である。
【0032】
本発明の布地コンディショニング活性剤組成物は、水および他の成分と共に配合され、家庭用または商業用洗濯過程のすすぎサイクルに用いるための布地コンディショナー組成物を提供することができる。布地コンディショナー組成物の配合に有用な追加の成分は、当業者に公知である。他の成分の幾つかの例は、参照により本明細書中に組み入れられる、WO2007/092020に見出すことができる。
【0033】
液体担体
布地コンディショナー組成物は、任意で液体担体をさらに含むことができる。本組成物に用いられる液体担体は、その低費用、相対的な利用可能性、安全性、および環境適合性に起因して、好ましくは水である。液体担体中の水のレベルは、担体の約50重量%より高く、任意で約80重量%より高く、または約85%より高い。液体担体のレベルは、約50%より高く、任意で約65%より高く、または約70%より高い。水と、低分子量、例えば<100の有機溶媒、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、またはブタノールなどの低級アルコールとの混合物は、液体担体として有用である。1価アルコール、2価アルコール(グリコールなど)、3価アルコール(グリセロールなど)、および多価アルコール(ポリオール)を含む、低分子量アルコールもまた、本発明の組成物に用いるために適した担体である。
【0034】
補助成分
補助成分を本技術の組成物に添加してもよい。「補助成分」なる用語は、香料、分散剤、安定剤、pH調整剤、金属イオン調整剤、着色料、漂白剤、染料、臭気調整剤、プロ香料(pro-perfume)、シクロデキストリン、香料、溶媒、防汚ポリマー、保存剤、抗菌剤、塩素捕捉剤、抗収縮剤、洗濯糊(fabric crisping agent)、染み抜き剤、抗酸化剤、防食剤、増粘剤、ドレープおよび形状調整剤(drape and form control agent)、平滑剤(smoothness agent)、静電気調整剤、しわ調整剤、浄化剤、消毒剤、細菌調整剤、カビ調整剤、白カビ調整剤、抗ウイルス剤、抗菌剤、乾燥剤、汚染抵抗剤、防汚剤、悪臭調整剤、布地リフレッシュ剤(fabric refreshing agent)、塩素系漂白剤臭調整剤、染料固着剤、染料移動阻害剤、色維持剤、色復元剤、再生剤(rejuvenation agent)、抗退色剤(anti-fading agent)、白度増強剤、抗摩耗剤(anti-abrasion agent)、耐摩耗剤(wear resistance agent)、布地保全剤(fabric integrity agent)、耐摩耗剤(anti-wear agent)、およびすすぎ補助剤、UV保護剤、日光退色阻害剤、防虫剤、抗アレルギー剤、酵素、難燃剤、防水剤、布地快適剤、水質調整剤、収縮抵抗剤、伸長抵抗剤、およびそれらの組み合わせを含む。
【0035】
本技術の液体布地柔軟化組成物は、組成物の総重量に基づいて、0.5〜12重量%、好ましくは1.5重量%〜10重量%、より好ましくは2重量%〜8重量%、最も好ましくは3重量%〜6重量%の量のエステルクアット物質(活性成分)で、布地柔軟化活性剤が存在する場合に、高い初期粘度を達成する。本明細書中で用いられる初期粘度は、Brookfield社製DV-II+ Pro Viscometer上、RVTスピンドルナンバー4、50rpm、70°Fで24時間後の液体柔軟剤組成物の粘度測定を行うことにより、測定される。本技術の範囲内にある典型的な柔軟剤の実例的なベンチマークとして、50%の硬い獣脂脂肪酸と50%の柔らかい獣脂脂肪酸の混合物から作られた柔軟剤活性剤を用いて配合された、4重量%の布地柔軟化活性剤を含む液体布地柔軟化組成物に関して、初期粘度は304cPより高く、または310cPより高く、または325cPより高く、または350cPより高い。概して、4重量%未満の量の布地柔軟化活性剤を含む、液体布地柔軟化組成物に関して、初期粘度は304cP未満であり、4重量%を超える量の布地柔軟化活性剤を含む液体布地柔軟化組成物に関して、初期粘度は304cPを超える。初期粘度は、最大約5000cP、または最大4000cP、または最大3000cP、または最大2000cPに及び得る。これらの高い初期粘度は、例えばステアリルアルコール、長鎖ジオール、セラミド、または脂肪酸などのポリマー増粘剤や他の濃化添加物の必要なしに達成される。液体布地柔軟化組成物は、高温条件下でも良好な貯蔵安定性を示し、かつ良好な布地柔軟化特性を与える。
【0036】
柔軟剤分散液の製造方法
液体柔軟剤組成物の製造は、80℃以下の融解したクアットを、70℃以下に加熱した液体、好ましくは水中に、撹拌しながらゆっくりと混合することを必要とする。ついで、室温に冷却するまでの間、該分散液をさらに数分間混合する。本明細書に記載される方法は、分散液をどのように製造できるかについて、限定することを意図するものではない。分散液の生成は多くの方法に従うことができ、当業者に周知である。柔軟剤活性剤系の温度が上昇するにつれて、粘度は低下する。したがって、80℃は、貯蔵中の化学分解をなお最小限にするであろう最大温度でありながら、最も低い粘度である温度であろう。
【0037】
柔軟剤組成物の使用方法
本技術の布地柔軟化組成物は、洗濯過程のすすぎサイクルに、とりわけ家庭用もしくは産業用の全自動洗濯機、または手洗い洗濯すすぎ洗面器のすすぎサイクルに、使用するのに適している。たとえば、布地柔軟化組成物は、洗濯過程中、適当な時間に全自動洗濯機に内蔵されている柔軟剤ディスペンサーから供給され得る。また、布地柔軟化組成物は、所定の洗濯条件下、布地製品を柔らかくし、適当な状態にするのに有効な量でディスペンサーに加えられる。洗濯過程中の1つまたは複数の時点で、布地柔軟化組成物は、ディスペンサーから供給され、布地製品と接触して、布地を柔らかく、適当な状態にする。洗濯過程後に、布地製品を乾かすか、または乾燥機で機械的に乾かしてもよい。
【0038】
あるいは、布地柔軟化組成物は、手洗い洗濯過程において使用することができ、ここで布地柔軟化組成物は、手洗い洗濯過程において布地製品を手作業ですすぐために、1つまたは複数のすすぎバス溶液(rinse bath solution)に加えられる。布地柔軟化組成物は、布地製品を柔らかくし、適当な状態にするのに有効な量で、すすぎバス溶液に加えられる。洗濯過程後に、布地製品を乾かすか、または乾燥機で機械的に乾かしてもよい。
【0039】
以下の実施例は、本技術の態様をより完全に説明するものであろう。別段の説明がないかぎり、本明細書および添付の請求項に示される全ての部分、パーセント、および割合は、重量比である。物理的試験方法は、以下に記載される。
【実施例】
【0040】
獣脂脂肪酸系エステルクアットの合成:所望量の獣脂脂肪酸を、メカニカルスターラー、蒸留カラム、および窒素ブランケットが備えられた2リットルガラス反応器中に入れた。以下の実施例における柔軟剤活性剤1、3〜8、および10を、完全に硬化した(「硬い」)獣脂脂肪酸と、「手を加えない」、水素添加されていない(「柔らかい」)獣脂脂肪酸との50:50重量%混合物を用いて製造した;以下の実施例における仮想の柔軟剤活性剤1および2は、完全に硬化した(「硬い」)獣脂脂肪酸と、手を加えない、水素添加されていない(「柔らかい」)獣脂脂肪酸の50:50重量%混合物を用いて製造されると構想される;以下の実施例における柔軟剤活性剤11および12を、完全に硬化した(「硬い」)獣脂脂肪酸と、「手を加えない」、水素添加されていない(「柔らかい」)獣脂脂肪酸との28:72重量%混合物を用いて製造した;以下の実施例における柔軟剤化活性剤13および14を、完全に硬化した(「硬い」)獣脂脂肪酸と、「手を加えない」、水素添加されていない(「柔らかい」)獣脂脂肪酸との80:20重量%混合物を用いて製造した。抗酸化剤1010である、テトラキス[メチレン−3(3',5'−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(Mayzo, Inc. Suwanee, GAから商業的に利用可能である)および亜リン酸を添加した。TEAを所望量で添加した。窒素を制御し、150mL/分の速度でサブサーフェース(sub-surface)を撹拌した。混合物を190℃の温度に到達するまで加熱した。水を蒸留するにつれて、標的量の遊離脂肪酸に達するまで、残留脂肪酸について0.1N KOHのメタノール溶液を用いて反応混合物を試験した。
【0041】
次いで、生成したエステルアミン混合物を、窒素ブランケット、メカニカルスターラー、および還流冷却器が備えられたフラスコに添加した。50℃で、クアット化剤(quatting agent)のジメチルスルフェートを、発熱を制御する速度で、フラスコに所望量で添加した。塩化メチルもまたクアット化剤として使用できる。イソプロパノールをフラスコに添加し、反応を72℃まで冷却した。漂白のために亜塩素酸ナトリウムを所望量でフラスコに添加し、続いて、抗酸化剤としてブチル化ヒドロキシトルエンと、pH調整剤としてクエン酸一水和物を添加した。
【0042】
パーム脂肪酸系エステルクアットの合成:所望量のパーム脂肪酸を、メカニカルスターラー、蒸留カラム、および窒素ブランケットが備えられた2リットルガラス反応器中に入れた。柔軟剤活性剤2および9を、完全に硬化した(「硬い」)パーム脂肪酸と、「手を加えない」、水素添加されていない(「柔らかい」)パーム脂肪酸との50:50重量%混合物を用いて製造した。抗酸化剤1010および亜リン酸を添加した。また、TEAを所望量で添加した。窒素を制御し、150mL/分の速度でサブサーフェースを撹拌した。混合物を175℃の温度に到達するまで加熱した。水を蒸留するにつれて、標的量の遊離脂肪酸に達するまで、残留脂肪酸について0.1N KOHのメタノール溶液を用いて反応混合物を試験した。
【0043】
次いで、生成したエステルアミン混合物を、窒素ブランケット、メカニカルスターラー、および還流冷却器が備えられたフラスコに添加した。50℃で、クアット化剤のジメチルスルフェートを、発熱を制御する速度で、フラスコに所望量で添加した。塩化メチルもまたクアット化剤として使用できる。イソプロパノールをフラスコに添加し、反応を72℃まで冷却した。漂白のために亜塩素酸ナトリウムを所望量でフラスコに添加し、続いて、抗酸化剤としてブチル化ヒドロキシトルエンと、pH調整剤としてクエン酸一水和物を添加した。
【0044】
エステルクアット重量パーセント法:FSA1〜10を分析するために、約2mLのアセトン−d6とクロロホルム−dの2:1混合液中に、約100mgのエステルクアットを溶解することによって、希釈エステルクアット溶液を調製した;FSA11〜14を分析するために、アセトン−d6とクロロホルム−dの1:1混合液を用いた。15秒の緩和遅延(relaxation delay)で、標準プロトン捕捉パラメーター(standard proton acquisition parameter)を用いて、該溶液のプロトンNMRスペクトルを収集する。エステルクアットのピークを同定し、スペクトルを積分する。MEQ、DEQ、およびTEQの正規化重量パーセントをそれらの積分領域から計算する。
柔軟剤活性剤組成物中の遊離脂肪酸の測定:
a.フェノールフタレイン指示薬を用い、ピンク色のエンドポイントまで比色滴定を用い、エステルアミンに対する酸価を測定する。
b.脂肪酸の分子量(即ち、272g/mol)を用いて、エステルアミンに関して遊離脂肪酸%を測定する。
エステルアミンの遊離脂肪酸%=酸価meq/g×(MW脂肪酸/10)
c.エステルクアット配合物中のエステルアミンのパーセント(即ち、72%)を用いて、エステルクアットの遊離脂肪酸%を測定する。
エステルクアットの遊離脂肪酸%=エステルアミンの遊離脂肪酸%×エステルクアット中のエステルアミンのパーセント
これは、WO2007/092020に報告されている遊離脂肪酸の含有量を測定するのに使用されたのと同一の方法である。
【0045】
液体柔軟剤組成物の製造:Ika Eurostar攪拌機と2.5インチ直径のブレードを備えたガラスビーカー中、35℃から55℃まで水を加熱する工程、および次いで100〜600rpmで撹拌している間に融解したFSAを添加する工程によって、液体組成物を製造した。全てのFSAを添加した後、撹拌をさらに20分継続した。
【0046】
初期粘度測定:Brookfield社製DV-II+ Pro Viscometer上、RVTスピンドルナンバー4、50rpm、70°Fで24時間後に、液体柔軟剤組成物の粘度測定を行った。所定温度で貯蔵した後の粘度を、同じBrookfield条件を用いて行い、該試料は読み込みを行う前に室温に戻した。
【0047】
比較実施例1:
4%配合物1と2を柔軟剤活性剤1と2からそれぞれ製造した。
【0048】
それぞれ13.3%および12.1%のみのTEQを伴い、柔軟剤活性剤1および2は、非常に低い粘度の4%水分散液しかもたらさない。
【0049】
柔軟剤活性剤1および2、並びに配合物1および2は、本発明の範囲外の組成物の例である。
【0050】
実施例2:
4%配合物3と4を柔軟剤活性剤3と4からそれぞれ製造した。
【0051】
柔軟剤活性剤3は、柔軟剤活性剤4と比較して長い反応時間を要し、両者ともおよそ同レベルのTEQと、DEQおよびTEQの合計をもたらす。柔軟剤活性剤4は、柔軟剤活性剤3よりも、石油系アミン中心(TEA)に関連してより多くのバイオ再生可能な成分(脂肪酸)を利用する。両配合物は、類似のTEQおよびDEQレベルを伴う柔軟剤活性剤に基づくものであるが、配合物4は、配合物3よりも高い粘度を有する。理論によって拘束されることを望むものではないが、1重量%未満の量の遊離脂肪酸を含む、FSA3から類似の水分散液が製造された場合より、FSA4中のより高いレベルのFFAは、水分散液(配合物4)中、より良好な粘度形成に繋がると考えられる。
【0052】
柔軟剤活性剤3および配合物3は、本発明の範囲外の組成物の例である。
【0053】
柔軟剤活性剤4および配合物4は、本発明の範囲内の組成物の例である。
【0054】
実施例3:
4%配合物5と6を柔軟剤活性剤5と6からそれぞれ製造した。
【0055】
柔軟剤活性剤5は、柔軟剤活性剤6と比較して長い反応時間を要し、両者ともおよそ同レベルのTEQと、DEQおよびTEQの合計をもたらす。柔軟剤活性剤6は、柔軟剤活性剤5よりも、石油系アミン中心(TEA)に関連してより多くのバイオ再生可能な成分(脂肪酸)を利用する。両配合物は、類似のTEQおよびDEQレベルを伴う柔軟剤活性剤に基づくものであるが、配合物6は、配合物5よりも高い粘度を有する。理論によって拘束されることを望むものではないが、柔軟剤活性剤5から類似の水分散液が製造された場合より、柔軟剤活性剤6中のより高いレベルの遊離脂肪酸は、水分散液(配合物6)中、より良好な粘度形成に繋がると考えられる。配合物6はまた、高温で長期間貯蔵した後も配合物5より良好な粘度を保持する。
【0056】
柔軟剤活性剤5および配合物5は、本発明の範囲外の組成物の例である。
【0057】
柔軟剤活性剤6および配合物6は、本発明の範囲内の組成物の例である。
【0058】
実施例4:
【0059】
柔軟剤活性剤7および配合物7は、本発明の範囲外の組成物の例である。
【0060】
仮想の柔軟剤活性剤1および仮想の配合物1は、本発明の範囲内の組成物の例である。
【0061】
実施例5:
【0062】
柔軟剤活性剤8および9、並びに配合物8および9は、本発明の範囲内の組成物の例である。
【0063】
実施例6:
【0064】
柔軟剤活性剤10は、本発明の範囲外の組成物の例である。
【0065】
仮想の柔軟剤活性剤2は、本発明の範囲内の組成物の例である。
【0066】
実施例7:
4%配合物10と11を柔軟剤活性剤11と12からそれぞれ製造した。
5%配合物12と13を柔軟剤活性剤11と12からそれぞれ製造した。
【0067】
FSA11、並びに配合物10および12は、本発明の範囲内の組成物の例である。
【0068】
実施例8:
3%配合物14と15をFSA13と14からそれぞれ製造した。
【0069】
FSA13、および配合物14は、本発明の範囲内の組成物の例である。
【0070】
本技術が属する分野の当業者が本技術を実施することを可能にする完全、明確かつ簡潔な用語で本技術を説明している。上記が本技術の好ましい態様を記載するものであること、および、添付の請求項に説明される本技術の精神または範囲を逸脱することなく本技術において修正を行うことができることを理解すべきである。さらに、実施例は、包括的なものではなく、請求項の範囲内にあるいくつかの態様を例示するものとして示される。