特許第6397911号(P6397911)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブラッドリー レノン,ヘレンの特許一覧 ▶ パーセル,ダミエンの特許一覧

特許6397911ビデオコンテンツを配布するビデオブロードキャストシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6397911
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】ビデオコンテンツを配布するビデオブロードキャストシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/236 20110101AFI20180913BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20180913BHJP
   H04N 21/84 20110101ALI20180913BHJP
【FI】
   H04N21/236
   G06F13/00 550A
   H04N21/84
【請求項の数】15
【全頁数】39
(21)【出願番号】特願2016-530141(P2016-530141)
(86)(22)【出願日】2014年11月18日
(65)【公表番号】特表2017-504230(P2017-504230A)
(43)【公表日】2017年2月2日
(86)【国際出願番号】EP2014074884
(87)【国際公開番号】WO2015071490
(87)【国際公開日】20150521
【審査請求日】2017年11月17日
(31)【優先権主張番号】1320343.5
(32)【優先日】2013年11月18日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】516137546
【氏名又は名称】ブラッドリー レノン,ヘレン
(73)【特許権者】
【識別番号】516137557
【氏名又は名称】パーセル,ダミエン
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドリー レノン,ヘレン
(72)【発明者】
【氏名】パーセル,ダミエン
【審査官】 富樫 明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−259095(JP,A)
【文献】 特開2009−268028(JP,A)
【文献】 特開2003−219383(JP,A)
【文献】 特開2011−077597(JP,A)
【文献】 特表2013−535884(JP,A)
【文献】 特開2013−175875(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0174425(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00−21/858
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークにわたってビデオコンテンツを配信するための方法であって、
第1のデバイス(15)上にビデオデータを提供することと、
補助データを作成するための情報を含んでいる制御データを、前記第1のデバイス(15)上で前記ビデオデータと関連付けることと、
前記第1のデバイス(15)から制御システム(20)へ前記ビデオデータおよび前記制御データを伝送することと、
修正された補助データを作成するために、前記制御システムで修正された制御データを前記ビデオデータと関連付けることと、
前記ビデオデータ及び前記制御データを前記制御システム(20)からネットワークにわたって1つ以上の第2のデバイス(25)にブロードキャストすることと、
前記各第2のデバイス(25)上で記補助データをローカルに作成するために前記制御データの読出しに応答して動作可能なメディアプレーヤを前記各第2のデバイス(25)上に提供することと、
前記メディアプレーヤが前記ビデオデータを再生している間に前記補助データおよび前記修正された補助データを立ち上げることと、
を含む方法。
【請求項2】
前記制御データが、
(a)タグによって囲まれる機械実行可能命令
(b)メタデータ、または
(c)機械可読マークアップ言語
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記補助データが、少なくとも1つの表示セグメントまたは複数の表示セグメントを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記メディアプレーヤが、
前記ビデオデータが前記各第2のデバイスにダウンロードされるのに必要なバッファリング時間を求めるために計算を行う、または
前記ビデオデータが前記各第2のデバイス(25)にダウンロードされるのに必要なバッファリング時間を求めるために計算を行い、前記計算されたバッファリング時間が、前記各第2のデバイス(25)によって受信される前記制御データに組み込まれる
請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記ビデオデータが、少なくとも1つのビデオセクションを含む、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記制御データが、前記少なくとも1つの表示セグメントが前記少なくとも1つのビデオセクションに関してどのようにして表示されるかを詳述する機械可読命令を含む、または
前記制御データが、複数の表示セグメントが複数のビデオセクションに関してどのようにして表示されるかを詳述する機械可読命令を含む、
請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの表示セグメントを表示する期間が、
(a)前記制御データに組み込まれる前記バッファリング時間によって決まる、
(b)前記制御データに組み込まれる前記バッファリング時間に比例する、または
(c)前記少なくとも1つの表示セグメント及び前記少なくとも1つのビデオセクションが時間遅延中断なしに順次に表示されるように、前記制御データに組み込まれる前記バッファリング時間と関連付けられる、
請求項に記載の方法。
【請求項8】
複数の表示セグメントを表示する組み合わされた期間が、前記バッファリング時間によって設定される、
前記少なくとも1つの表示セグメントを表示する期間が、前記計算されたバッファリング時間に応じて変更される、または
前記2つ以上の表示セグメントを表示する期間が、前記計算されたバッファリング時間に応じて変更される、
請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記各第2のデバイス上の前記メディアプレーヤが、
ローカル又はリモートの場所からデータを取り出すためにフェッチプロセスを開始するべく前記制御データの読出しに応答して動作可能である、または
ローカル又はリモートの場所からデータを取り出すためにフェッチプロセスを開始するべく前記制御データの読出しに応答して動作可能であって、
前記制御データを記憶するために前記第1のデバイス上に第1のデータベースが提供される、かつ/または
前記制御データで参照されるデータ要素を記憶するために前記各第2のデバイス上に第2のデータベースが提供される、
請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記制御データが、
前記各第2のデバイス(25)上の前記メディアプレーヤで前記ビデオデータが再生されているときに前記ビデオデータに少なくとも1つの指定のエフェクト、グラフィック、テキストデータ、特殊エフェクト、又は音声データを適用するための命令を含む
前記ビデオデータと関連付けられ、前記第1のデバイス(15)上の前記ビデオデータと同期される、または、
前記ビデオデータと関連付けられ、前記第1のデバイス(15)からの同期されたビデオデータと共に前記第2のデバイス(25)上の前記ビデオデータと同期される、
請求項1〜のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のデバイス上でデータ構造が生成され、
前記第1のデバイスは、
前記ビデオデータ及び関連する制御データを含む、または、
前記ビデオデータ及び関連する制御データを含み、かつ前記第1のデバイス(15)が、前記データ構造を前記制御システム(20)に伝送するように構成される、または、
前記ビデオデータ及び関連する制御データを含み、かつ前記第1のデバイス(15)が、前記データ構造を前記制御システム(20)へ伝送するように構成され、かつ前記制御システム(20)が、前記データ構造を前記1つ以上の第2のデバイス(25)に通信するように構成される、または
前記ビデオデータ及び関連する制御データを含み、かつ前記第1のデバイス(15)が、前記データ構造を前記制御システム(20)に伝送するように構成され、かつ前記制御システム(20)が、前記ビデオデータと関連付けられる前記制御データを修正するように動作可能である、
請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記制御データが、
検索エンジンによる検索を容易にするための1つ以上のタグを含む、および/または
対応するエフェクトを表す複数の制御パラメータを含む、および/または
対応するエフェクトを表す複数の制御パラメータを含み、かつ前記制御パラメータのうちの1つ以上が、前記第1のデバイス上で選択可能である、
請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記制御システム(20)が、
各第2のデバイスにユーザプロフィールを提供するように構成される、
各第2のデバイスにユーザプロフィールを提供するように提供され、かつ前記制御システムが、前記ユーザプロフィールに基づいて特定の第2のデバイスに送達するために前記ビデオデータと関連付けられる前記制御データを修正するように動作可能である、
請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
ビデオコンテンツを配信するためのシステムであって、
ビデオデータが提供されている第1のデバイス(15)と、
前記第1のデバイス(15)上で動作可能であり、制御データを前記ビデオデータと関連付けるように構成される、第1のアプリケーションであり、前記制御データが、前記ビデオデータがネットワークにわたって1つ以上の第2のデバイス(25)にブロードキャストされた後で前記ビデオデータと共に提示されるべき補助データを作成するための情報を含んでいる、第1のアプリケーションと、
前記第1のデバイス(15)からビデオデータ及び関連する制御データを受信するために前記第1のアプリケーションと通信する制御システム(20)であり、前記制御システム(20)が、修正された補助データを作成するために、修正された制御データを前記ビデオデータと関連付けるように動作可能な、制御システム(20)と、
1つ以上の第2のデバイスにブロードキャストする前記ビデオデータおよび前記関連する制御データと、および
前記各第2のデバイス上で補助データおよび修正された補助データを作成するために制御データの読出しに応答して動作可能な前記各第2のデバイス上に提供されるメディアプレーヤであり、前記メディアプレーヤが前記ビデオデータを再生している間に前記補助データおよび前記修正された補助データを立ち上げるように動作可能な、メディアプレーヤと、
を備えるシステム。
【請求項15】
コンピュータ化されたシステムで実行されるときに前記請求項1〜請求項13のうちのいずれか一項に記載の方法を実施するエンコードされている機械可読命令を有するデータキャリアを含むコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の教示は、ビデオコンテンツを配布するビデオブロードキャストシステム及び方法に関する。特に、本発明の教示は、ビデオが再生される際にビデオコンテンツにリアルタイムで適用されるべきエフェクトを指定する制御データと共にネットワークにわたってビデオコンテンツをブロードキャストするためのシステム及び方法に向けられる。
【背景技術】
【0002】
ビデオブロードキャストは、スマートデバイスへのビデオコンテンツ及びデジタルコンテンツの送達がより一層広まるのに伴い、近年ではより一般化している。スマートデバイス上で、ビデオは現在、スマートデバイス自体にローカルにインストールされたアプリケーションを介して又は直接インターネットを介して、多様なアプリケーションを用いて視聴される。しかしながら、これらの既存のビデオブロードキャストシステムは、スマートデバイス上の高品質のグラフィック及び特殊エフェクトを含んでいるビデオの視聴に関連して用いられるときに種々の短所を示した。例えば、ビデオが高品質のグラフィック及び特殊エフェクトを有するには、ビデオファイルは、適切な高品質の解像度でなければならない。スマートデバイス上で視聴するためのこのかなり高解像度のビデオのダウンロードは、プレイバック速度がビデオのダウンロード速度を上回った場合に、ビデオのプレイバックをしばしば遅滞又は停止させる。加えて、データが記憶及びアップロード/ダウンロードのために圧縮されていても、この高解像度のビデオコンテンツは大容量なので、その記憶コスト及び伝送コストは考慮すべき事項である。他の場合には、大量のバッファリングを必要としないスマートデバイス上で視聴するためのより低品質のビデオが作成されるが、この場合、ビデオの解像度が減少し、したがって、単一のビデオファイルに組み込まれるグラフィック及び特殊エフェクトの解像度は品質が落ちている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、従来技術の欠点のうちの少なくともいくつかに対処する、ビデオコンテンツを配布するビデオブロードキャストシステム及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって、本発明の教示は、請求項1に記載の分散ネットワークにわたってビデオコンテンツを配信するための方法に関する。さらに、本発明の教示は、請求項45に記載のビデオコンテンツを配信するためのシステムに関する。有利な実施形態が従属請求項に記載される。
【0005】
一態様では、ネットワークにわたってビデオコンテンツを配信するための方法であって、
第1のデバイス上にビデオデータを提供することと、
補助データを作成するための情報を含んでいる制御データを、第1のデバイス上でビデオデータと関連付けること、
ビデオデータ及び制御データをネットワークにわたって1つ以上の第2のデバイスにブロードキャストすることと、
各第2のデバイス上で補助データをローカルに作成するために制御データの読出しに応答して動作可能なメディアプレーヤを各第2のデバイス上に提供することと、
メディアプレーヤがビデオデータを再生している間に補助データを立ち上げることと、
を含む方法が提供される。
【0006】
別の態様では、制御データは、タグによって囲まれる機械実行可能命令を含む。有利には、制御データはメタデータを含む。一例では、制御データは機械可読マークアップ言語を含む。
【0007】
さらなる態様では、補助データは、少なくとも1つの表示セグメントを含む。有利には、補助データは、複数の表示セグメントを含む。
【0008】
一態様では、メディアプレーヤは、ビデオデータが各第2のデバイスにダウンロードされるのに必要なバッファリング時間を求めるために計算を行う。
【0009】
別の態様では、計算されたバッファリング時間は、各第2のデバイスによって受信される制御データに組み込まれる。
【0010】
一態様では、ビデオデータは、少なくとも1つのビデオセクションを含む。有利には、制御データは、少なくとも1つの表示セグメントが少なくとも1つのビデオセクションに関してどのようにして表示されるかを詳述する機械可読命令を含む。
【0011】
さらなる態様では、少なくとも1つの表示セグメントを表示する期間は、制御データに組み込まれるバッファリング時間によって決まる。有利には、少なくとも1つの表示セグメントを表示する期間は、制御データに組み込まれるバッファリング時間に比例する。一例では、少なくとも1つの表示セグメントを表示する期間は、少なくとも1つの表示セグメント及び少なくとも1つのビデオセクションが時間遅延中断なしに順次に表示されるように、制御データに組み込まれるバッファリング時間と関連付けられる。
【0012】
別の態様では、制御データは、複数の表示セグメントが複数のビデオセクションに関してどのようにして表示されるかを詳述する機械可読命令を含む。
【0013】
一態様では、複数の表示セグメントを表示する組み合わされた期間は、バッファリング時間によって設定される。別の例では、少なくとも1つの表示セグメントを表示する期間は、計算されたバッファリング時間に応じて変更される。一構成では、2つ以上の表示セグメントを表示する期間は、計算されたバッファリング時間に応じて変更される。
【0014】
さらなる態様では、各ビデオセクションは、第1のデバイス上のユーザによって選択される特定のビデオに対応する。
【0015】
一態様では、各第2のデバイス上のメディアプレーヤは、データを取り出すためにフェッチプロセスを開始するべく制御データの読出しに応答して動作可能である。一例では、フェッチされるデータは、第2のデバイス上にローカルに記憶される。別の例では、フェッチされるデータは、第2のデバイスの遠隔の場所にある。例示的な構成では、フェッチされるデータは、コンピュータ可読命令を含んでいる。有利には、コンピュータ可読命令は、指定のエフェクトを実施する命令を含む。
【0016】
一例では、フェッチされるデータは、第2のデバイス上に予め記憶される。代替的な例では、フェッチされるデータは、指定のエフェクトを生み出すのに用いられる。
【0017】
別の態様では、制御データを記憶するために第1のデバイス上に第1のデータベースが提供される。
【0018】
一態様では、制御データで参照されるデータ要素を記憶するために各第2のデバイス上に第2のデータベースが提供される。
【0019】
別の態様では、制御データは、各第2のデバイス上のメディアプレーヤでビデオデータが再生されているときにビデオデータに少なくとも1つの指定のエフェクト、グラフィック、テキストデータ、特殊エフェクト、又は音声データを適用するための命令を含む。
【0020】
さらなる態様では、ビデオデータと関連付けられるべき制御データのユーザによる選択を容易にするために第1のデバイス上に第1のユーザインターフェースが提供される。
【0021】
一態様では、ビデオデータと関連付けられる制御データが、第1のデバイス上のビデオデータと同期される。有利には、ビデオデータ及び関連する制御データを含んでいる第1のデバイス上でデータ構造が生成される。一例では、ビデオデータと関連付けられる制御データが、第1のデバイスからの同期されたビデオデータと共に第2のデバイス上のビデオデータと同期される。
【0022】
別の態様では、第1のデバイスは、データ構造を制御センターに伝送するように構成される。有利には、制御センターは、1つ以上の第2のデバイスにデータ構造を通信するように構成される。
【0023】
一態様では、制御センターは、ビデオデータと関連付けられる制御データを修正するように動作可能である。有利には、制御センターは、ブロードキャストに先立ってビデオデータを承認する又は承認しないように動作可能である。
【0024】
別の態様では、メディアプレーヤは、データ構造を読み出すように構成される。有利には、遠隔デバイスは、ビデオデータ及び関連する制御データの遠隔承認を容易にするために制御センターと通信する。
【0025】
一構成では、制御データは、検索エンジンによる検索を容易にするための1つ以上のタグを含む。
【0026】
さらなる態様では、制御データは、対応するエフェクトを表す複数の制御パラメータを含む。
【0027】
一態様では、制御パラメータのうちの1つ以上は、第1のデバイス上で選択可能である。
【0028】
さらなる態様では、第1のデバイス上で選択される1つ以上の制御パラメータは、第2のデバイス上で再生される際にそれぞれのメディアプレーヤによって適用されるように、ビデオデータと関連付けられる。
【0029】
一態様では、ビデオデータは、搭載カメラを用いて第1のデバイス上で取り込まれる。
【0030】
別の態様では、ビデオデータは、ネットワークを介して第1のデバイスで受信される。
【0031】
一構成では、メディアプレーヤは、制御データにリンクされる指定のエフェクトを作成し、ビデオデータ上にレイヤするように構成される。
【0032】
さらなる態様では、制御センターは、各第2のデバイスにユーザプロフィールを提供するように構成される。
【0033】
一態様では、制御センターは、ユーザプロフィールに基づいて特定の第2のデバイスに送達するためにビデオデータと関連付けられる制御データを修正するように動作可能である。
【0034】
さらなる態様では、テンプレート内のビデオ被写体の配置を容易にするために第1のデバイス上にテンプレートが提供される。
【0035】
一態様では、利用可能なネットワーク帯域幅に基づいてブロードキャストするためのビデオ解像度が選択されるように、各第2のデバイスのネットワーク帯域幅が監視される。
【0036】
本開示はまた、ビデオコンテンツを配信するためのシステムであって、
ビデオデータが提供されている第1のデバイスと、
第1のデバイス上で動作可能であり、制御データをビデオデータと関連付けるように構成される、第1のアプリケーションであり、制御データが、ビデオデータがネットワークにわたって1つ以上の第2のデバイスにブロードキャストされた後でビデオデータと共に提示されるべき補助データを作成するための情報を含んでいる、第1のアプリケーションと、
第1のデバイスからビデオデータ及び関連する制御データを受信するために第1のアプリケーションと通信する制御センターであり、ビデオデータ及び関連する制御データを1つ以上の第2のデバイスにブロードキャストするように動作可能な制御センターと、
各第2のデバイス上で補助データを作成するために制御データの読出しに応答して動作可能な各第2のデバイス上に提供されるメディアプレーヤであり、メディアプレーヤがビデオデータを再生している間に補助データを立ち上げるように動作可能なメディアプレーヤと、
を備えるシステムに関する。
【0037】
本開示はまた、ポータブルデバイス上でビデオデータを再生するように動作可能なメディアプレーヤであって、
ビデオデータ及び関連する制御データを受信するための手段と、
制御データを読み出すための手段と、
制御データに基づいてポータブルデバイス上で補助データを作成するための手段と、
ビデオデータを再生している間に補助データを立ち上げるための手段と、
を備えるプレーヤに関する。
【0038】
加えて、本開示は、コンピュータ化されたシステムで実行されるときにネットワークにわたってビデオコンテンツを配信するための方法を実施するエンコードされている機械可読命令を有するデータキャリアを含むコンピュータ可読媒体であって、前記方法が、
第1のデバイス上にビデオデータを提供することと、
第1のデバイス上で、補助データを作成するための情報を含んでいる制御データをビデオデータと関連付けることと、
ビデオデータ及び制御データをネットワークにわたって1つ以上の第2のデバイスにブロードキャストすることと、
各第2のデバイス上で補助データをローカルに作成するために制御データの読出しに応答して動作可能なメディアプレーヤを各第2のデバイス上に提供することと、
メディアプレーヤがビデオデータを再生している間に補助データを立ち上げることと、
を含む、コンピュータ可読媒体に関する。
【0039】
一態様では、分散ネットワークにわたってビデオコンテンツを配信するための方法であって、
第1のデバイス上にビデオデータを提供することと、
ビデオデータがネットワークにわたって1つ以上の第2のデバイスにブロードキャストされた後でビデオデータに適用されるべきエフェクトを指定するために第1のデバイス上で制御データをビデオデータと関連付けることと、
フェッチプロセスを開始するために制御の読み出しに応答して動作可能なメディアプレーヤを各第2のデバイス上に提供することと、
を含む方法が提供される。
【0040】
一態様では、第1のデバイス上にテンプレートが提供される。有利には、テンプレートは、ビデオデータが挿入される特定の最小解像度領域を含んでいる。一例では、最小解像度領域は、ビデオデータと共にレイヤリングされる。有利には、ビデオデータは、補助データよりも低い解像度を有する。一例では、補助データは、高精細(HD)の解像度を有する。別の例では、ビデオデータは、標準画質(SD)のビデオ解像度を有する。
【0041】
一態様では、第2のデバイス上の視覚表示の大部分は補助データが占め、一方、ビデオデータは、第2のデバイス上の視覚表示の比較的小さい部分を占め、これにより、メディアプレーヤからの出力がHD解像度のものであるという全体的な視覚的印象を与える。
【0042】
例示的な構成では、ビデオデータは、補助データとビデオが一体に見えるように補助データの領域に挿入される。
【0043】
別の態様では、利用可能なネットワーク帯域幅に基づいてブロードキャストするためのビデオ解像度が選択されるように、各第2のデバイスのネットワーク帯域幅が監視される。有利には、より低い帯域幅を課されるビデオは、ビデオブロードキャスト内で適用される帯域幅制約と共に表示されることになる。有利には、レイヤリングされた指定のエフェクトは、帯域幅問題を課されず、結果としてフルHD解像度のままである。有利には、帯域幅制約の下でのフルフレームブロードキャストは、ビデオの品質を低下させる場合があるが、HD品質のフレームのパーセンテージは、適用される帯域幅制約を上回ったままである。
【0044】
これらの及び他の特徴は、本発明の教示の理解を助けるために提供される以下の図面を参照するとより良く理解されるであろう。
【0045】
本発明の教示がここで添付図を参照しながら説明される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】本発明の教示に係る分散ネットワークにわたってビデオコンテンツを配信するためのシステムのブロック図である。
図2図1のシステムを用いるブロードキャストであるデータ構造のグラフ図である。
図3図2のデータ構造を読み出すように動作可能なソフトウェアアプリケーションの図式表現である。
図4A図2のデータ構造を生成するように動作可能な別のソフトウェアアプリケーションの図式表現である。
図4B図1のシステムの詳細の図式表現である。
図4C図1のシステムの詳細の図式表現である。
図4D図1のシステムの詳細の図式表現である。
図4E図1のシステムの詳細の図式表現である。
図5図1のシステムにビデオコンテンツをアップロードするための例示的なステップを示すフローチャートである。
図6】同じく本発明に係るメディアプレーヤによるビデオコンテンツ上への指定のエフェクトのレイヤリングを実施するための例示的なステップを示すフローチャートである。
図7】メディアプレーヤによってマルチレイヤデータ構造がどのようにして作成されるかを示す概略図である。
図8】メディアプレーヤによって作成されるダウンロードされたビデオコンテンツ上への指定のエフェクトのレイヤリングの図式表現である。
図9】テンプレートの図式表現である。
図10】クライアントデバイスにダウンロードされるビデオデータの図式表現である。
図11A】複数のビデオのシームレスブロードキャストを提供するステップを示すフローチャートである。
図11B図11Aのフローチャートの続きである。
図12】補助データセグメントを伴う複数のビデオのシームレスブロードキャストの図式による例示である。
図13】コンテンツのライブ編集を容易にする実施形態の図式による例示である。
図14】コンテンツのローカルライブ編集を容易にする実施形態の図式による例示である。
図15】複数のソースからのブロードキャストを容易にする実施形態の図式による例示である。
図16】デュアルプレゼンテーションを容易にする実施形態の図式による例示である。
図17】メディアプレーヤからの例示的なディスプレイ出力を示すスクリーンショットである。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明の教示が、例示的なビデオブロードキャストシステムに関してここで説明される。例示的なブロードキャストシステムは、本発明の教示の理解を助けるために提供され、どのようにも限定するものとして解釈されるべきではないことが理解されるであろう。さらに、いずれか1つの図を参照して説明されるモジュール又は要素は、本発明の教示の精神から逸脱することなく他の図のもの又は他の同等の要素と交換されてもよい。
【0048】
最初に図1を参照すると、個人ユーザがタブレットなどのポータブルハンドヘルドデバイス15上でビデオを作成し、次いで、ビデオをネットワーク30を介して制御センター20(制御システム)に送信し、該ビデオを他のユーザが制御センター20(制御システム)から自分のタブレット25又は類似のハンドヘルドデバイスにダウンロードすることができるようにする、ビデオブロードキャストシステム10が提供される。タブレット15上でビデオを作成するユーザは、取り込んだビデオにエフェクトなどの補助データを付加することができるが、データがネットワーク30にわたって伝送されるときに、メタデータの形態のいくつかの制御情報と共に生ビデオデータだけが送信される。タブレット15上でユーザによって付加される補助データは、例えば、グラフィック、カスタマイズ可能なテキストオーバーレイ、特殊エフェクト、音声などを含んでもよい。ビデオがタブレット25にダウンロードされるときに、メタデータにリンクされる補助データ/指定のエフェクトが、タブレット25上でメディアプレーヤによって再作成され、組み立てられ、構築される。指定のエフェクトは、次いで、タブレット25上でビデオにオーバーレイされて、平面化された単一の高品質のビデオファイルの外観を与える。したがって、指定のエフェクトは、タブレット25がビデオを制御センター20(制御システム)からダウンロードした後でビデオに適用されることが分かるであろう。したがって、ユーザが、ビデオブロードキャストシステム10を使って別の人によって作成されたビデオをダウンロードするときに、ダウンロードされる生ビデオデータは、ビデオをクリエータの意図した特殊エフェクトと共に再生するべくタブレット25上でメディアプレーヤを制御する、メタデータの形態の適切な制御情報を伴う。このようにして、ネットワーク30にわたって伝送されるデータの容量が減少する。
【0049】
伝統的に、指定のエフェクト/補助データは、編集及びレンダリングを通じてグラフィック及び特殊エフェクトを挿入することで生ビデオデータを根本的に変えて、単一の平面化されたビデオファイルを作成することによって、ビデオがクリエータから伝送されるのに先立って適用されていたであろう。この高品質のグラフィック及び特殊エフェクトを含んでいる単一の平面化されたビデオファイルは、次いで、比較的高い帯域幅を必要とするネットワークにわたって伝送されることになったであろう。代替的に、この単一の平面化されたビデオファイルは、ネットワークにわたる伝送のために圧縮/トランスコードされる場合があるが、この圧縮/トランスコードは、結果的に、データサイズの減少に起因してピクセル化の増加をもたらし、結果的に、より低品質のグラフィック及び特殊エフェクトをもたらす。現在のブロードキャストシステムは、そのマルチレイヤリング方法論により、ビデオデータが圧縮/トランスコードされてネットワークにわたってより迅速に伝送されることを可能にする。しかしながら、グラフィック及び特殊エフェクトは、ブロードキャスト後にそれらがマルチレイヤメディアプレーヤを介してスマートデバイス上で作成され、構築され、組み立てられる際に適用され、これにより、前述の従来の方法よりも低い帯域幅の利用状況の下でより高品質を維持する。
【0050】
例示的な実施形態では、第1のアプリケーション31が、タブレット15上に常駐し、ビデオデータに指定のエフェクトを付加するためにユーザによって用いられてもよい。例では、第1のアプリケーション31はデータベース100にアクセスし、そこからユーザがビデオ、音声、イメージ、及びグラフィックを選択することができ、そこでユーザが指定のエフェクトを選択することができる。メタデータコンテンツエージェント101は、ユーザによって選択される指定のエフェクトを、関連するメタデータを通じてビデオコンテンツにリンクするように構成される。同期処理エージェント103は、ユーザによって選択される特定の時点でビデオに指定のエフェクトが適用されるように、ユーザによって選択される指定のエフェクトを生ビデオデータと同期するように動作可能である。マルチレイヤメディア作成プレーヤ104は、ビデオデータ及び制御データを含むデータ構造32を生成するように構成される。遠隔のタブレット25上にインストールされるメディアプレーヤは、ビデオを再生しているときに適切な時点で指定のエフェクトが適用されるように、データ構造32を読み出すように動作可能である。2つのコンポーネント、すなわち、ユーザによって取り込まれた生ビデオデータを含んでいるビデオデータコンポーネント33と、ユーザによって選択される指定のエフェクトを生ビデオデータと関連付けるメタデータを含んでいる制御データコンポーネント35とを含む例示的なデータ構造32が図2に示される。ユーザの要求時に、第1のアプリケーション31が、タブレット15に、データ構造32を制御センター20に伝送するように指示する。メディアプレーヤ126が、遠隔のタブレット25上にインストールされ、制御センター20からダウンロードしたデータ構造32を読み出すように構成される。次いで、制御データ35と関連付けられる指定のエフェクトが、メディアプレーヤ126によって作成され、タブレット25上にレイヤリングされ、ビデオが再生される際に生ビデオデータ33に適用される。したがって、ビデオブロードキャストシステム10内では、ビデオは、付随するグラフィック又は特殊エフェクトなしの、生ビデオ、言い換えればビデオデータとしてのままであることが当業者には分かるであろう。ビデオがエンドユーザによって視聴されるときに、タブレット25が、メディアプレーヤ126を介して適正な高品質のグラフィック、テキスト、及び特殊エフェクトを同期的に作成する。これらのエフェクトは、次いで、それぞれの要求しているタブレット25上のマルチレイヤメディアプレーヤによって生ビデオ上にオーバーレイされて、単一の高品質のビデオファイルの外観を与える。
【0051】
タブレット15から伝送されたビデオは、エンドユーザにブロードキャストするのに先立って承認プロセスを受けてもよい。さらに、制御センター20が、所望の場合に生ビデオデータに適用されるべき指定のエフェクトを識別する関連する制御データを変更してもよい。一構成では、ビデオ及びその関連するメタデータを遠隔承認のために特定の認可された遠隔デバイス37に送信する随意的な機能が、制御センター20内に提供される。承認アプリケーション40が、遠隔デバイス37上にインストールされ、ビデオコンテンツ及び/又は関連する制御データを承認又は拒否するためにユーザがデバイス37と対話することを可能にするように構成される。したがって、ビデオは、タブレット25にブロードキャストする前に、制御センター20によって又は遠隔デバイス37を介して承認されてもよいことが分かるであろう。承認されたビデオがタブレット25上で視聴されるときに、該デバイス上で実行している第2のアプリケーション52が、該デバイス上で指定のエフェクトをローカルに作成する。第2のアプリケーション52は、どの指定のエフェクトをタブレット25上でローカルに作成するかを決定し、必要であれば、データ構造32の中のメタデータのコンテンツに基づいて、仮想セット、商標付きのグラフィックレイヤなどのローカルデータベースからどれをフェッチするかを決定する。特殊エフェクトは、次いで、メディアプレーヤ126によってビデオ上にレイヤリングされて、単一の高品質のビデオファイルの外観を与える。したがって、フェッチプロセスは、第2のデバイス上に記憶されたデータをローカルに又はリモートで取得するべく開始されてもよいことが分かるであろう。一例では、フェッチプロセスは、指定のエフェクトをリアルタイムで作成し、制御データによって指示される場合の指定のエフェクトと関連付けられ得る任意のアセットをフェッチする。
【0052】
同期プロセスは、タブレット25上のメディアプレーヤ126を用いてエンドユーザによって視聴されるときに、高品質のグラフィック、テキスト、及び/又は特殊エフェクトが生ビデオデータ上に同時にオーバーレイされることを規定する関連する制御データと共に、生ビデオデータがネットワーク30を通じて迅速に伝送され、妨害されないようにする。伝統的に、グラフィック及び特殊エフェクトは、強力な編集スイートで作成され、これは通常、レンダリングを介してグラフィックを平面化し、それらを大きい単一のビデオファイルとしてエキスポートするプロセスを必要とする。指定のエフェクト/補助データをローカルに再作成し、いくつかのグラフィック及びイメージを各ユーザのタブレット25上にローカルに記憶することによって、ビデオブロードキャストシステム10は、このレンダリングプロセスを行う必要性をなくす。さらに、生ビデオデータ及び関連するメタデータだけがネットワーク30を通じて記憶及び伝送されるので、高品質のグラフィック及び特殊エフェクトのブロードキャストを伴う高品質のプロが作成したように見えるビデオを生成及びブロードキャストする速度及びコストが最小にされる。ネットワーク30は、限定はされないが、ワールドワイドウェブ、インターネット、イントラネット、移動電話ネットワークなどの任意の適切な電気通信網であってもよい。
【0053】
ここで、ビデオブロードキャストシステム10の例示的なアーキテクチャを示す図4A図4Eを参照する。分散ネットワークにおけるそれぞれのエンティティ間のデータの流れが、図4A図4Eに矢印A、B、C、D、E、及びFで示される。例示的な構成では、ビデオブロードキャストシステム10は、4つのモジュール、すなわち、第1のモジュール、第2のモジュール、第3のモジュール、及び第4のモジュールを含む。第1のモジュールは、カメラを備えたタブレット15と、ユーザがビデオを作成し、ビデオ上に同時にオーバーレイされ、同期されるべき高品質のグラフィック、テキスト、及び/又は特殊エフェクトを選択し、次いで、ビデオ及び関連するメタデータをネットワーク30にアップロードすることを可能にするべくインストールされる第1のアプリケーション31とを含む。
【0054】
第2のモジュールは、制御センター30の一部として提供される。例示的な構成では、制御センター30は、クラウド及び/又はローカルサーバアーキテクチャを含んでもよい。例示的な構成では、ネットワーク42が制御センター30内に組み込まれる。ネットワーク42は、2つの別個のスペース、すなわち、制御センターネットワーク44とブロードキャストネットワーク46に細分される。第2のモジュールは、ユーザにより生成されたビデオコンテンツがアップロードされ、記憶され、次いで、タブレット25にダウンロードされる場所である。
【0055】
第3のモジュールは、制御センターアプリケーション48を含み、これは、入来するユーザにより生成されたビデオがレビューされ、リモートで承認され、次いで同期されて、指定の高品質のグラフィック、テキスト、及び/又は特殊エフェクトと、ローカルメタデータのデータベースから抽出され、単一のファイルの外観を与えるべくダウンロードされたビデオコンテンツ上に同期的にオーバーレイされる他の種々のメタデータフィールドと共に、エンドユーザのタブレット25上で再生されることを可能にする。メディアのリモートレビュー及び承認を可能にするために、ビデオ及びその関連するメタデータを、特定の認可ユーザだけがアクセス可能な遠隔デバイス37に送信することができる、随意的な機能も存在する。承認プロセス及び同期プロセスが完了すると、制御センターネットワーク44が、ブロードキャストネットワーク46を介してビデオコンテンツをエンドユーザのタブレット25にブロードキャストする。
【0056】
第4のモジュールは、各ユーザのタブレット25上にインストールされた第2のアプリケーション52を含む。上記のように、第2のアプリケーション52は、マルチレイヤメディアプレーヤ126と、制御センター48によって承認され、認可される場合にダウンロードされたビデオコンテンツ上への指定のエフェクトのレイヤリングを可能にするべくマルチレイヤメディアプレーヤ126によって用いられることになる、タブレット25上にローカルに記憶される仮想セット、ロゴ、商標付きのグラフィックなどの高品質のグラフィックの膨大なデータベースとを含む。メディアプレーヤ126内で、生ビデオデータが再生され、マルチレイヤメディアプレーヤ126を用いて指定のエフェクトの再作成及びレイヤリングが同期的になされる。エフェクト及びグラフィックの品質規格は、プロのスタジオ編集スイートエフェクトと同等である。メディアプレーヤ126は、例示的な構成では、ビデオデータ及び関連する制御データを受信するための第1の手段と、制御データを読み出すための第2の手段と、制御データに基づいて指定のデータを作成する及び/又はポータブルデバイス上のデータベースから抽出するための第3の手段と、ビデオデータが再生される際に制御データに従って再作成したエフェクト及び/又は抽出した指定のデータをビデオデータ上にレイヤリングするための第4の手段とを含む。
【0057】
ビデオがエンドユーザのタブレット25上で視聴されるときに、ローカルデータベースから再作成及び/又は抽出され、ビデオ上にオーバーレイされるグラフィック、テキスト、及び/又は特殊エフェクトは、制御センター48及び/又は特定の認可ユーザの遠隔承認アプリケーション40によって承認及び指定済みのものである。これは、制御センターを動作させる及び/又は第2の遠隔承認アプリケーション40を介してメディアを承認する権限をもつ人に、既に公開されたビデオのグラフィック、特殊エフェクト、及び/又はテキストをリモートで制御する及び変化させる、さらなる融通性を与える。これは、例えば、関連するメタデータを変化させることによってなされてもよい。
【0058】
第2のモジュールは、それを通じてすべてのビデオコンテンツ及び関連するメタデータがユーザの第1のアプリケーション31から受信される、ハブとして作用する。アップロードされたビデオは、制御センターネットワーク44を介して制御センターアプリケーション48によってアクセスされ、承認され、同期され、次いで、制御センターアプリケーションによってブロードキャストネットワーク46に公開される。ビデオは、認可されたエンドユーザによる視聴のために第2のアプリケーション52に配信される。ローカルセキュアネットワーク42へのアクセスは、制御センターアプリケーション48又は特定の認可ユーザの遠隔承認アプリケーション40にのみ制約されてもよい。
【0059】
制御センターアプリケーション48は、入来コンテンツ/ビデオを記憶するためにデータベース105を含んでいてもよい。コンテンツ承認プロセス106は、公開に先立ってビデオコンテンツを承認するために提供される。メタデータ承認処理サーバ107は、メタデータを承認するために提供される。どのタブレット25にビデオコンテンツを伝送するかを選択するために受信者セレクタ108が提供される。ビデオコンテンツの公開をスケジューリングするためのスケジュール公開サーバ109が提供される。制御センターアプリケーション48はまた、後述のグラフィックレイヤサーバ110、ビデオサーバ111、ニュースバナーサーバ112、ピクチャ/イメージ検索レイヤサーバ113、送達/記憶/トランスコードモジュール114、個人プロフィールサーバ115、及び同期処理モジュール117を含んでもよい。マルチレイヤメディア作成プレーヤ及びマルチレイヤメディア視聴プレーヤを含むメディアプレーヤ116も提供される。
【0060】
例示的な構成では、制御センターアプリケーション48は、制御センターネットワーク44を介してユーザにより生成されたビデオ及び関連するメタデータのアップロードを受信してもよく、これは、ビデオ上にオーバーレイするための指定のエフェクトのオリジナルユーザの選択を識別するメタデータを含む。このデータは、次いで、データベース105に記憶される。制御センターアプリケーション48内で、コンテンツ承認プロセスは、認可された人がユーザにより生成されたビデオコンテンツを公開のために承認することができる、コンテンツ承認処理モジュール106を用いて行われてもよい。コンテンツ承認処理モジュール106は、ブロードキャストする前にその必要があればコンテンツを編集する能力を提供する。メタデータ承認処理サーバ107は、すべての指定のエフェクトレイヤのメタデータ及び任意の選択されたグラフィック/特殊エフェクトのテキストを承認する能力を提供する。ビデオブロードキャストシステム10の例示的な構成では、承認プロセスを実施するのは制御センターアプリケーション48であり、このとき、制御センターネットワーク44はデータが記憶及び伝送される導管として作用する。しかしながら、この承認プロセスは、アプリケーション上にではなくクラウド自体に実装されてもよいと考えられる。
【0061】
受信者セレクタ108は、特定のダウンロード可能なビデオコンテンツを受信する又はこれへのアクセスを有することになるエンドユーザの指定を容易にする。受信者セレクタ108はまた、いくつかのエンドユーザのタブレット25上に表示されるグラフィック/特殊エフェクトメタデータ及び/又はテキストメタデータに個人ユーザ固有の変化が加えられる必要がある場合があるので、メタデータ承認処理サーバ107及び個人プロフィールサーバ115と通信する。例えば、これは、ビデオがいくつかの異なる国にブロードキャストされている場合に当てはまり、この場合、パラメータは、各ユーザの自国語で画面上に表示されるべきテキストをレイヤリングすることができる組であってもよい。別の例は、視力の弱いユーザが画面上により大きいフォントが表示されることを必要とする場合などであろう。このユーザ固有のカスタマイゼーションプロセスは、個人ユーザのパーソナルプロフィールがカスタマイズされ、個人プロフィールサーバ115に登録されると、自動化されることになる。
【0062】
ユーザにより生成されたビデオ及び関連するメタデータが承認プロセスを経ると、スケジュール公開サーバ109が、特定の時点で承認されたビデオコンテンツをブロードキャストネットワーク46上に公開してもよい。グラフィックレイヤサーバ110は、ユーザにより生成されたビデオをオーバーレイのために指定のエフェクトのオリジナルユーザの選択と同期することになる。制御センターのビデオサーバ111が、ブロードキャストされるべき各ビデオを登録し、各ビデオは、エンドユーザのタブレット25上でリクエストされ、再生されるときに、各ユーザのタブレット25上に存在するビデオエージェント128にも登録されている。
【0063】
規制及び報告する目的で、ビデオブロードキャストシステム10上で各ユーザにデジタルフットプリントが割り当てられる。このデジタルフットプリントは、例えば、どのビデオ及び/又はコンテンツをユーザが視聴した/コメントしたかを示す。本質において、各個人ユーザは、ユーザに一意に識別される特定のエージェントを有し、これは個人プロフィールサーバ115上に記憶される。ニュースバナーサーバ112は、ニュースリールスタイルバナー、例えば、ティッカーテープニュースバナーをビデオ上に重ね合わせるべくユーザのタブレット25上のグラフィックレイヤエージェント129にもローカルに記憶されるテキストフィードを提供することになる。これらのティッカーテープニュースバナーは、制御センターアプリケーション48及び/又は特定の認可ユーザの遠隔承認アプリケーション40から直接受信したテキスト及びグラフィックメタデータを流すことになる。例示的な構成では、3つの異なるタイプのティッカーテープニュースバナー、すなわち、会社全体のニュース(「一般フィード」)に関する一般ニュースバナー、部門固有のニュースバナー(「部門フィード」)、及びユーザ固有のニュースバナー(「ユーザ固有のフィード」)が存在する。一般フィードは、会社のネットワークにわたるすべてのユーザに対して同じとなる。部門フィードは、会社内の種々の部門又は作業カテゴリに基づく固有の情報を含むことになる。ユーザ固有のバナーは、個人プロフィールサーバ115内に登録され、カスタマイズされる際に、ユーザのパーソナルプロフィールに従って各個人ユーザに合わせられることになる。このニュースフィードは、制御センターアプリケーション48及び/又は遠隔承認アプリケーション40から生じることになるが、ユーザのタブレット25上のプランナーにローカルに記憶されるユーザの個人的なリマインダ及び通知のうちのいずれかも抽出し、組み込むことになる。
【0064】
ユーザが第1のアプリケーション31を用いてビデオを作成すると、ユーザは、次いで、ピクチャ・イン・ピクチャ(「PIP」)などの特定のタイプの特殊エフェクトを選ぶことを望む場合があり、このプロセスは、1つのビデオがモバイルデバイス上に全画面として表示されることを可能にし、一方、同時に、さらなるビデオクリップ/イメージが画面上のインセットウィンドウに表示されてもよい。ユーザは、自分のビデオにプロが作成したように見える外観を与えるべく、自分の選択したPIP特殊エフェクトに挿入するのに適したイメージに関して、ブロードキャストネットワーク46内に存在するビデオ/音声/イメージ/グラフィックデータベースを検索する、又は代替的に、用いられるべき新しいイメージ、音声、グラフィックをアップロードすることができる。ユーザによって選ばれたイメージに関連するメタデータは、次いで、ユーザにより生成されたビデオ及び他の関連するメタデータと共に、ブロードキャストネットワークから制御センターネットワーク44にダウンロードされることになる。制御センターアプリケーション48内に存在するピクチャ/イメージ検索レイヤサーバ113は、ブロードキャストネットワーク46内に存在するデータベースから取得されたこのデータを同期するように動作可能である。次いで、ユーザにより生成されたビデオコンテンツと、関連するメタデータと、付随のイメージはすべて、同期処理モジュール117を介して制御センターアプリケーション48で同期されて、同期されたレイヤードイメージ及び指定のエフェクトを有する最終的な高品質のビデオをもたらす。このブロードキャストサーバとの全体的な相互作用は、ピクチャ、音声、ドキュメントPDF、pngなどのグラフィック表現などのアーカイブ承認されたメディアがブロードキャストコンテンツの新しい部分の一部として組み込まれるときにはいつでも起こることになる。
【0065】
ビデオブロードキャストシステム10は、適切なコンテンツを識別するために文脈検索エンジンを用いてもよい。一例は、ユーザにより生成されたビデオ上にオーバーレイするためのイメージを探すことであろう。イメージ及びその関連するメタデータは、セキュアブロードキャストネットワーク46に記憶され、定義された検索パラメータを用いて取り出し可能である。イメージ(メタデータ)及びテキスト(メタデータ)がユーザにより生成されたビデオ上にオーバーレイされる方法は、マルチレイヤメディアプレーヤがイメージ/グラフィックをどのようにして作成し、表示し、アニメーション化/操作するかを制御する定義されたテンプレートパラメータの使用による。例えば、これらは、各イメージの位置及び長さと表示される時間の長さを自動操作し、これらのすべては、制御センターアプリケーション48によって承認及び制御される。こうしたパラメータの例は、後述のピクチャ・イン・ピクチャ(「PIP」)プロポーションド・スケーリング・ファクタ(「PSF」)で見ることができる。PIP特徴では、1つのビデオがタブレット25上で全画面として表示されてもよく、同時に、さらなるビデオクリップ又はイメージがインセットウィンドウに表示され、これはアルファ合成(alpha compositing)を用いてなされる。いくつかのスクリプト化された式の使用により、ビデオブロードキャストシステム10は、ソースクリップの幅と第1のPIPクリップの幅との比を抽出し、これに第1のPIPのスケールファクタを乗算し、新しいものに適用されるべき最終的なスケールファクタを出力する。言い換えれば、ワークフローは、合成される第1のPIPクリップとのそれらの相対サイズ及びこれに適用されるスケールファクタに応じて、PIPクリップをスケールアップ又はスケールダウンする。このプロポーションド・スケーリング動作がなされると、これはユーザにPIPクリップを配置させ、フォーマットの相違の結果としてのどのブラック領域も埋めるべくオフセット補正パラメータを追加させる。
【0066】
以下は、プロポーションド・スケーリング・ファクタ(「PSF」)がどのようにして生成されるかの例である。
PSF=第1のPIPスケール×(幅比+オフセット)
第1のPIPクリップスケール=0.7
第1のPIPクリップ幅=720
ソースPIPクリップ幅=1.280
幅比=720/1280=0.5625オフセット=0.097(ユーザにより定義される)
PSF=0.7×(0.5625+0.097)=0.46165
【0067】
後続のPIPクリップの各グラフィックを送る3つの情報のライン、すなわち、(i)クリップ自体の幅、(ii)第1のPIPクリップの幅、及び(iii)第1のPIPクリップに適用されるスケールファクタが存在する(すなわち0.7は、元のサイズの70pcとなるであろう)。このモデルは、他の幾何学的問題及び再フォーマットオプションに対処するべく拡張されてもよい。
【0068】
ユーザは、ビデオをアップロードする前に、PIP挿入プロセスを通じて誘導されることになり、この場合、生ビデオデータ(すなわち、全画面クリップ)がリプレイされることになり、ユーザは、全画面ビデオが再生されるときに全画面ビデオに沿った種々のポイントに挿入されるべきイメージと任意の他のグラフィック、テキスト、又はメタデータを選択することになり、これらの指定の挿入ポイントは、選択されたイメージがいつ表示されるべきかをビデオブロードキャストシステム10に知らせるメタデータの一部となる。制御センターアプリケーション48は、公開の前に最終的なビデオを承認し、これは同時に、個々のグラフィック、特殊エフェクト、及びカスタマイズされたテキストをブロードキャストネットワーク46で利用できるようにし、承認された作品を視聴中のエンドユーザがビデオ及び選択されたイメージを識別する関連するメタデータをダウンロードすることになり、これは両方とも、タイムライン上の適切な瞬間にマルチレイヤメディア視聴プレーヤ126内で同期的に表示されることになる。
【0069】
高精細度(High Definition quality)のビデオ及びビデオブロードキャストを何分の一かのファイルサイズで送達するべく、例示的なテンプレートがビデオブロードキャストシステム10によって使用され、ビデオブロードキャストシステム10を用いるHDブロードキャストコンテンツの視聴は、ダウンロード速度及びアップロード速度、並びに同等の1920x1080(HD)ビデオ又は任意の他の解像度サイズの均等物を視聴及びアップロードするための帯域幅要件を改善することが理解されるであろう。画面上に被写体を配置するためのガイドとして作用するように設計される例、例えば、撮影中にニュースデスクに座っている被写体を取り込むのに用いることができる緑色画面テンプレート401が図9に示される。有利には、これらの独自のテンプレートは、特定の最小の取り込み解像度領域402を有する。この領域は、ビデオブロードキャストシステム10内でビデオデータとして送信及び使用されるものであり、この領域はクロマキー作成のみを必要とする。結果として、2つのイメージ/ビデオストリームを一緒に重ね合わせるためにクロマキー作成403を必要とする最小の領域が存在し、これはまた、タブレット25でリアルタイムクロマキー作成プロセスを行うためのレンダリング時間の減少につながる。ビデオ被写体404はメディアプレーヤ126を用いて視聴されるときに全画面のほんの一部であるので、ビデオブロードキャストシステム10は、選ばれた全画面テンプレート401(全画面ではない)内にビデオ被写体を表示するのに必要とされる最小解像度領域402だけを独自に取り込み、結果的に、ビデオのより小さいファイルサイズをもたらす。このより小さいビデオは、次いで、タブレットのローカルデータベース内にローカルに記憶される高品質の背景レイヤイメージ/テンプレート401上に合成され、これが最終的に生成されるビデオのフレームサイズを決定し、結果的に何分の一かのファイルサイズでフル高精細の1920x1080(HD)ビデオブロードキャストをもたらす。この高品質の背景イメージ/テンプレートは、それ自体がさらなるビデオ/イメージレイヤ405とのマルチレイヤ合成体とすることができることが理解されるであろう。
【0070】
各テンプレートは、独自のアニメーションキーフレーム、動き、及び指定のエフェクトと共にカスタムメイドされてもよく、例えば、アルファチャンネルを含んでいるニュースルームテンプレート401を、グラフィック内の人物などの対象を配置及び合成するのに用いることができる。これらのテンプレートは、関連するメタデータを変えることによってグラフィックレイヤ、テキスト、及び特殊エフェクトを制御センターアプリケーション48によって遠隔的に変えることができるように設計される。
【0071】
トランスコードモジュール114は、承認されたアップロードされるビデオコンテンツ及び関連するメタデータが、最終的なブロードキャストの前に、そのソース解像度でバックアップとしてローカルに記憶され、次いで、必要であれば、トランスコードモジュール114内でトランスコードされることになるか、又は、ビデオがブロードキャストネットワーク46内に存在するトランスコードアーキテクチャを介してブロードキャストネットワーク46にアップロードされた後でトランスコードが自動的に起こることになるプロセスを実施する。
【0072】
一実施形態では、特定の認可ユーザの遠隔承認アプリケーション40は、ユーザにより生成されたビデオ及び関連するメタデータのアップロードを受信してもよく、これは、制御センターネットワーク44を介してビデオ上にオーバーレイするためのオリジナルユーザの指定のエフェクトを識別するメタデータを含み、このデータは、遠隔承認アプリケーションのデータベースの入来データ118に記憶される。遠隔承認アプリケーション40内で、コンテンツ承認プロセスは、特定の認可ユーザがユーザにより生成されたビデオコンテンツを公開のために承認することができる、コンテンツ承認処理モジュール119を用いて行われてもよい。加えて、遠隔承認アプリケーション40は、メタデータ承認処理サーバ120を含んでおり、これは、すべての指定のエフェクトレイヤのメタデータ及び任意の選択されたグラフィック/特殊エフェクトのテキストを承認する。遠隔承認アプリケーション40内の受信者セレクタ121は、特定のダウンロード可能なビデオコンテンツを受信する又はこれへのアクセスを有することになるエンドユーザの指定を容易にする。
【0073】
ユーザにより生成されたビデオ及び関連するメタデータが遠隔承認アプリケーション40内の承認プロセスを経ると、スケジュール公開サーバ122が、承認されたビデオコンテンツをブロードキャストネットワーク46上に公開してもよい。代替的に、遠隔承認アプリケーション40は、特定の時点でのブロードキャストネットワーク46上への承認されたビデオコンテンツの公開を容易にするために制御センターアプリケーションのスケジュール公開サーバ109と通信してもよい。ビデオサーバ123は、ビデオサーバ111にも登録することになる。
【0074】
遠隔承認アプリケーションのニュースバナーサーバ124は、ティッカーテープニュースバナーをビデオ上に重ね合わせるべくユーザのタブレット25上のグラフィックレイヤエージェント129に同様にローカルに記憶される指定のグラフィックを用いることになる。これらのティッカーテープニュースバナーは、特定の認可ユーザの遠隔承認アプリケーション40から直接受信したテキスト及びグラフィックメタデータを流してもよい。ユーザにより生成されたビデオコンテンツ、関連するメタデータ、及び付随のイメージは、同期処理モジュール125を介して遠隔承認アプリケーション40で同期されて、ブロードキャストネットワーク46上に公開する準備ができた最終的な高品質のビデオをもたらす。
【0075】
第2のアプリケーション52は、独自のマルチレイヤメディア視聴プレーヤ126を含んでいる。このメディアプレーヤ126は、前述のエフェクトを適正に行う及び表示することを可能にするメタデータコンテンツレイヤ、再作成エフェクトプレーヤ、透明性レベル、及び同期システムを格納している。メタデータエージェント127は、制御センターアプリケーションのメタデータ承認処理サーバ107及び/又は遠隔承認アプリケーションのメタデータ承認処理サーバ120によって指示されたアクション、例えば、指定のグラフィック上のテキストのオーバーレイを行う。タブレットの第2のアプリケーション52内に含まれるビデオエージェント128が、選択したビデオを再生し、特定のエンドユーザがビデオを視聴したことを制御センターのビデオサーバ111及び/又は遠隔承認アプリケーションのビデオサーバ123、及び個人プロフィールサーバ115に登録し、したがって、独自の個人ユーザデジタル履歴を作成する。
【0076】
グラフィックレイヤエージェント129は、どのグラフィックがエンドユーザのビデオ上にオーバーレイとして表示されるかを制御センターのグラフィックレイヤサーバ110に登録する。第2のアプリケーション52は、次いで、制御センターアプリケーション48及び/又は特定の認可ユーザの遠隔承認アプリケーション40によって個々のビデオと共に流すために、承認されている指定の高品質のグラフィック/エフェクトを表示する。同期処理130は、制御センターアプリケーション48及び/又は特定の認可ユーザの遠隔承認アプリケーション40によって承認される場合に、承認されたビデオと、関連するメタデータと、指定のエフェクトとを同期して、マルチレイヤメディア視聴プレーヤ126がこれらを単一のビデオであったかのように表示することを可能にする。ニュースバナーエージェント131は、制御センターニュースバナーサーバ112から及び/又は遠隔承認アプリケーションのニュースバナーサーバ124からレギュラーメタデータフィードを受信し、これは、定期的に、例えば、毎日、時間単位で、又は分単位で更新することができる。
【0077】
タブレットの第2のアプリケーション52内に含まれるピクチャ/イメージエージェント132は、再生される関連するビデオと共にどのピクチャがダウンロードされる必要があるかを制御センターのピクチャ/イメージ検索レイヤサーバ113に登録する。イメージファイルは、次いで、ダウンロードされ、僅かなレンダリングを伴って又はレンダリングを必要とせずに、選ばれたフルフレーム解像度テンプレートの特定のx−y座標に挿入される。
【0078】
図5は、ビデオに適用されるべき高品質のグラフィックエフェクト及びテキストの選択を識別する付随のメタデータと共にビデオをアップロードするための例示的な方法を示す。このプロセスは、タブレット15上にインストールされた第1のアプリケーション31で実装することができる一連の動作を表す、論理フローグラフにおけるブロックの集まりとして例示される。ブロックは、ユーザのアクションに基づいてアプリケーションによって実行されるコンピュータ化された命令を表す。ワークフローは、第1のアプリケーション31によって行われるプロセスの例示である。ステップ209でユーザがビデオを付随のグラフィック及びメタデータと共に制御センターにアップロードする前に、ユーザは、ステップ201で新しいビデオを作成するか又はステップ202で既存のビデオを選び、ステップ203で、メタデータコンテンツエージェントを用いてビデオと共に表示されるべき及び/又はビデオ上に表示されるべきメタデータを書き込まなければならない。次いで、ステップ204及び205で、必要であれば指定のエフェクトグラフィック/エフェクトを選び/作成し、次いで、ステップ206で同期処理により同期する。第1のアプリケーションの同期処理モジュール103は、アップロード中にメタデータが制御センターのメタデータ承認処理サーバ107、グラフィックレイヤサーバ110、及びビデオサーバ111と同期されることを可能にするべく制御センターの同期処理モジュール117と通信する。
【0079】
タブレット15上にインストールされた第1のアプリケーション31で行われる同期プロセスは、選ばれた指定のビデオと、ユーザの選択した指定のエフェクトグラフィック、テキスト、特殊エフェクト、及びメタデータを分離することになる。制御センターにアップロードされるときに、制御センターは、該データ、例えば、作成されたグラフィック及びエフェクトと付加されたテキストメタデータコンテンツを登録し、同期することになる。公開/ブロードキャストされると、ダウンロード時に第2のアプリケーション52内の指定のエフェクト及び指定のグラフィックは、該個々のデバイス上で指定のエフェクトをローカルに再作成することになり、用いられたピクチャを引き出し、同じコンテンツを挿入し、テキストが異なる言語で表示される必要があるなどの個人が特定のニーズを有するとき以外は、すべてのタブレット25上で同じビデオブロードキャストをブロードキャストすることができる。また、指定のエフェクトは、ビデオと一緒にダウンロードされないが、アプリケーションの最初のダウンロード時に各タブレット25上で再作成される。しかしながら、制御センターによって作成される新しいグラフィック(例えば、ロゴ、商標付きのグラフィック)、ピクチャ、及びエフェクトプロジェクトが存在することになり、これは、即座に利用可能となるか又は定期的に、自動的に、又はオンデマンドでダウンロードされることになる。
【0080】
ステップ202で、ユーザが、自分のタブレットのカメラを使ってビデオクリップを取り込むか、又は本来のアプリケーションのビデオライブラリから既存のビデオクリップを選ぶことになる。ステップ203で、ユーザが、何が撮影されているかについての固有のデータを打ち込むことになる(例えば、「セキュアブロードキャストの技術最高責任者Damian Purcell氏、今日の話題」)。ステップ204で、このデータが、指定のエフェクト又は指定の選ばれたグラフィックのパラメータ内に自動的に挿入される。ここで、ユーザが、指定のエフェクトを作成する又はプロジェクトエフェクトを選び、テキストを付加し、変換クロップ(transform crop)にフェードイン又はフェードアウトするなどし、エンドユーザによって承認及び視聴されると、ユーザは、ビデオデータのみをダウンロードし、制御データがビデオコンテンツの作成者によって作成されたもののクローンであるかのように再作成されることになる。作成者は、タブレットデータベース上に記憶されたカスタムメイドグラフィックのデータベースから選んでもよく、これは、グラフィック及びテキストを該特定のビデオに付随させるメタ同期エージェント及びサーバを有し、それらはまた、テキストをグラフィック内に整然と配置する自動サイズ変更及びパラメータ制御を有する。
【0081】
ユーザは、グラフィックを選ぶことを望まない場合があり、この場合、ステップ206で、ビデオがメタデータとのみ同期されることになる。ビデオをアップロードするためにユーザが入力してもよい強制的メタデータが存在する。このメタデータは、検索機能内でも用いられる。このメタデータは、エンドユーザには見えない場合があるが、検索エンジン内のビデオの検索能力を助ける情報/データコンテンツを形成することになる。ユーザは、代替的に、ステップ205で、特定のビデオに随伴する指定のグラフィックを選んでもよく、これは、次いで、ステップ206でビデオ及び関連するメタデータと同期されることになる。
【0082】
ビデオは、ステップ209で制御センターにアップロードされることになる。ステップ207で、ユーザは、ビデオをステップ209ですぐに制御センターにアップロードするか又はビデオをステップ208で後の段階でアップロードするべく自分のタブレットにローカルに保存するかの選択肢を有する。この選択肢は、異なるIPアドレス/イントラネット位置でアップロード速度がより大きくなり得る場合などに有用となるであろう。
【0083】
図6は、第2のアプリケーション52のメディアプレーヤによるダウンロードされたビデオコンテンツ上への指定のエフェクトのレイヤリングを実施するための例示的な方法を示す。このプロセスは、タブレット25上にインストールされた第2のアプリケーション52で実装することができる一連の動作を表す、論理フローグラフにおけるブロックの集まりとして例示される。ブロックは、ユーザのアクションに基づいてアプリケーションによって実行されるコンピュータ化された命令を表す。ワークフローは、第2のアプリケーション52によって行われるプロセスの例示である。ステップ301で、第2のアプリケーション52内のメディアプレーヤが立ち上げられ、次いで、ステップ302で、ビデオデータ及び関連する制御データを受信する。マルチレイヤメディアプレーヤが、ステップ303で制御データを解釈し、ステップ304でビデオデータ上にオーバーレイするために指定のエフェクト及びグラフィックをローカルに再作成する、構築する、及び組み立てる。ステップ305で、メディアプレーヤは、ビデオデータ、制御データ、指定のエフェクト、付加的なグラフィック及びエフェクトを同期する。次いで、ステップ305で、メディアプレーヤは、ビデオデータのプレイバックを開始し、ステップ307で、制御データ内の指定の挿入ポイントに従ってビデオの前面又は背面に指定のエフェクト及び任意の付加的なエフェクトをレイヤとしてオーバーレイし、単一のビデオファイルの外観を与える。
【0084】
指定のグラフィック及びエフェクトのレイヤリングがどのようにして達成されるかの例が図7に示され、この場合、レイヤ1は、時間間隔t(1)〜t(n+1)の間に適用されることになり、t(n+1)はビデオの終点である。レイヤ2は、時間間隔t(2)〜t(4)の間に適用されることになり、レイヤ3は、時間間隔t(3)〜t(4)の間に適用されることになり、最後のレイヤであるレイヤnがt(n)〜t(n+1)の間に適用されるまで以下同様である。任意の1つの時点で適用される複数のレイヤが存在してもよく、例えば、時間間隔t(3)で、レイヤ1、レイヤ2、及びレイヤ3がそれぞれビデオに同時に適用されることになる。
【0085】
図8は、第2のアプリケーション52のメディアプレーヤ126によって生成され得るダウンロードされたビデオコンテンツ上への指定のエフェクトのレイヤリングの例を示す。レイヤ内の各オブジェクト(例えば、カラーブロック、テキスト、イメージ、グラフィックなど)は、互いに独立してアニメーション化されてもよい。さらに、すべてのレイヤのすべての属性(不透明度、場所、色、3Dスペース内の位置など)もアニメーション化可能であり、ゆえに各レイヤに適用される任意の数のアニメーションが存在し得る。
【0086】
ブロードキャストされるべき各ビデオは、ブロードキャストネットワーク46内に複数の解像度で記憶されることになる。ブロードキャストネットワークは、エンドユーザのタブレットのネットワーク帯域幅を監視し、この帯域幅に応じて、視聴、トランスコード、及び送達114のためにエンドユーザのタブレットにブロードキャストされることになる最も適したビデオ解像度(すなわち、最速のダウンロードを可能にする解像度)が、制御センターアプリケーション内で作成され、第2のアプリケーションは、メディアプレーヤ126を介して、ダウンロードされる解像度を判定することになる。
【0087】
伝統的に、複数のビデオがブロードキャストされるときには、それらは、例えば、オープニングタイトル、ビデオ、ビデオ再生中のキャプション、エンドタイトル、コマーシャル又はスティング(sting)、別のオープニングタイトルエフェクト、次いで、別のビデオ、エンドタイトルエフェクトなどの順に流れるように編集される。例示的な実施形態では、図12にグラフィカルに例示されるように、ユーザが、1つ以上のビデオを選択し、それらを任意の特定の順序で配置し、それらを「シームレスブロードキャスト」に割り当てることができるシステムが提供される。選択されたビデオと関連付けられるべき特殊エフェクトを定義するのにビデオ・シーン・マークアップ言語(VSML)が用いられる。メディアプレーヤは、VSML要素を読み出し、それらをエフェクトに合成するように構成される。エフェクトは、ビデオが再生される際に再生される。エフェクトとビデオは、ブロードキャストの外観を与えるべくユーザデバイス上に表示される。
【0088】
例示的な構成では、制御データは、プレイバック時にメディアプレーヤが解釈し、合成することができるテキストフォーマットでビデオデータ要素を表す、機械可読マークアップ言語を含む。VSMLによって記述されるビデオデータ要素は、モーショングラフィックレイヤを提供するべく組み合わされるテクスチャードブロック、テキスト、イメージ、ダウンロード可能なビデオアセット、ストリーミングビデオアセット、及び他のグラフィカル要素を含むがこれらに限定されない。VSMLは、これらの要素を、サーバ側でビデオを表すJSONフォーマットで記述する。プレイバック時に、第2のデバイス上のメディアプレーヤは、テキスト説明を表示しないが、それらを、それらがビデオパッケージとしてプレイバックされる様態を解釈するのに用いる。一例では、HDモーショングラフィックレイヤを作成するためにビデオのストリーミングコンテンツが他の再使用可能なコンテンツから分離されるように、非ストリーミングビデオレイヤアセットが高精細でローカルにキャッシュされる。これらのHDモーショングラフィックレイヤのルック&フィールの一部は、開始時にサーバ側から受信される制御データによって決定される。この制御又はメタデータは、HDモーショングラフィックレイヤの態様に影響を及ぼす。しかしながら、これらのHDモーショングラフィックレイヤのプレゼンテーションは、主としてビデオ・シーン・マークアップ言語(VSML)によって制御され、これは、ローカルメディアプレーヤか又はリモート管理者のいずれかから実行中に修正することができる。VSMLは、指定のHDモーショングラフィックレイヤの位置、タイミング、スタイリング、及びアニメーションを制御する。
【0089】
VSMLは、セグメント、レイヤ、及び要素に分離されるビデオプロジェクトのJSON表現からなる。要素は、ビデオドキュメントのビルディングブロックである。以下は、時間3で始まり10秒後にアニメーション化される画面の左上隅のイメージウォーターマークオーバーレイを伴う単一のビデオストリームの例である。
【表1】
【0090】
このようにして、ビデオセグメント、レイヤ、又は要素を再使用する、又は他のビデオセグメント、レイヤ、又は要素内にネストすることができ、これは、ビデオをリアルタイムで操作することができる融通性のあるドキュメントに変換する。
【0091】
通常、エフェクトは、複数のビデオ間でインターリーブされる。しかしながら、ビデオが低帯域幅の条件下でダウンロード/ストリーミングされている場合、必要なビデオバッファリングが増加することになり、その帯域幅の速度が、ビデオがいつ再生されるかを決めることになる。バッファリングを表示するビデオは、シームレスな又は途切れのないブロードキャストであるとは考えられない。メディアプレーヤ及び制御データは、同等のビデオバージョンに比べて何分の一か(1/1000以上)の帯域幅でVSMLを介してローカルに及びグラフィカルに表示される命令を用いて再作成される高精細のコンテンツの送達を可能にする。メディアプレーヤ及び制御データは大きい帯域幅に依存しないという事実により、VSMLで命令されるメタセグメント(ビデオを伴わないモーショングラフィック/指定のエフェクトを作成する制御データ)を、選択されたビデオセグメント(ビデオを伴うモーショングラフィック/指定のエフェクトを作成する制御データ)のそれぞれの間に配置することが可能となる。独自の制御データを含んでいる選択されたビデオセグメントは、これらのメタセグメントの組のそれぞれと通信し、それらの中に、プレ・ビデオ・プレイ・データ(PVPD)として知られる独自のデータ、例えば、「Coming Up Next」メタセグメントを配置することができ、新しいビデオはそのメタデータ(制御データ)を有することになり、「Coming Up Next」は、該情報を集め、これをビデオが再生される前に又はバッファリング遅延に起因して再生される準備ができたときに画面上に視覚的に表示することになる。これらの各ビデオ自体が、リアルタイムレイヤードコンポジテッド式に、例えば、オープニングタイトル、ビデオの間及び後のキャプション、及びバンパー(エンドタイトル)の、VSMLで適用されるモーショングラフィックを有することにも注目される。
【0092】
ビデオが、バッファリング中であることを表示し、ユーザが、バッファリングが終わってビデオが再生されるのを待つ以外に何も起こらない状態で待っているなら、これはシームレスブロードキャストではない。スマートデバイスへのビデオデータのダウンロードは、プレイバック速度がビデオがダウンロードされる速度を上回った場合にビデオのプレイバックをしばしば遅滞又は停止させる。これは、ユーザの視覚的経験を減らし、したがって、望ましくない。本発明の教示は、ビデオがロード/バッファリングされている間の時間遅延の視覚的外観を克服するシームレスな途切れのないブロードキャストを可能にする。メディアプレーヤは、メディアプレーヤでメタデータを介してローカルに再作成されるモーショングラフィック、テキスト、エフェクトアニメーションを適用するVSML命令(制御データ)を介してメタセグメントを再作成し、それらは、多大な帯域幅を必要とせず、指定のエフェクト(モーショングラフィック)をプレーヤ内でローカルに任意の時間の長さにわたってリアルタイムレイヤードコンポジテッド式に再作成することを制御データに依拠する。
【0093】
再生前に、メタセグメント(例えば、オープナー801)が、次のビデオ802を再生するのに必要とされるバッファリングを読み出し、メディアプレーヤ126は、アルゴリズムを用いてインターネットの速度、ビデオ及び任意のアセットのサイズ、並びにさらなるバッファリング遅延なしにビデオをストリームするのにかかる時間を読み出すように構成される。メタセグメントの組は帯域幅制限から概ね独立しているので、アルゴリズムは、シームレスブロードキャストの要件に比例してこれらのモーショングラフィックの組をスローダウンさせるべくメディアプレーヤにデータを提供する。本質において、メタセグメントは、後に来るビデオが連続再生するのに十分なだけバッファされるまで、その動き、グラフィック、テキストアセットなど、モーションのすべてを遅らせることになる。インターネット速度の低下又はインターネットの切断に起因してビデオがより多くのバッファリングを必要とする状況では、メディアプレーヤのローカルデフォルト画面は、再接続を試行するように見えることになる。
【0094】
メタセグメントにバッファ時間を適用するときに以下のアルゴリズムが用いられてもよい。ビデオをバッファするのに必要な時間=Tであり、かつ、メタセグメントの持続時間=Dである場合、メタセグメント上の動的持続時間DTを設定するのに以下のイフゼンエルス命令文が用いられてもよい。
If T>D:
Then DT=T
Else DT=D
【0095】
ビデオデータは、通常、或るビットレート及び固定のフレーム周波数、例えば30フレーム毎秒で1Mbpsでエンコードされる。適応的ストリーミングにより、異なるネットワークスループット条件に関して利用可能な複数のビットレートが存在する。図10に例示されるように、各ビデオストリームは、受信データレートの一時的低下を平滑化できるようにするためにクライアントバッファを必要とする。フィルレートの低下は、TCP輻輳制御に起因して起こる。実験結果は、5秒のバッファサイズが通常選ばれることを示した。クライアントバッファを満たすのにかかる時間は、以下のメトリクスから計算することができる。
α=リンクのスループット−前もって測定される
β=キャッシュされていないアセットのサイズ−既知
γ=TCP接続を設定する時間−およそ500ms(実際には1.5ラウンドトリップタイム)
δ=バッファサイズ−最良実施を用いる(通常は3〜10秒のビデオ)
ε=最初のビデオビットレート
【0096】
次式は、ビデオのバッファリング時間を求めるのに用いることができる。
【数1】
【0097】
例:2Mbits/sのスループットのとき、以下の通りとなるであろう。
・H264ビデオファイルの最初のビットレートは1.58Mbit/sである(その2Mbit/sリンクにより、これはすべての接続に作用することになる、すなわち、適応的ストリーミングによりビットレート品質を下げる必要はない)
・ネットワーク接続のスループットは、2Mbit/秒となることが測定される及び見出される。
・5つのキャッシュされていないイメージアセット(それぞれ30KB)のサイズは、150KBとなることが分かり、これはメガバイトに変換する必要があり、1MB=1048576バイト(=1024MBits)である。
・したがって、150KB=150*8キロバイト=1200/1024MBits=1.17Mbits
・TCP接続を設定する時間はおよそ500msであり、これを測定することはできないが、これは100ms〜800msの範囲内であろう。
・4秒のビデオを用いるバッファサイズ(バッファ長さは任意であり、TCP輻輳ジッタを取り扱うのに十分なだけ大きい必要がある)=4*1.58Mbit/s=6.32Mbits。
・上記式を用いて、2Mbits/sのスループットのとき、バッファリング時間は、以下の通りとなるであろう。
・T=0.5s+(1.17MBits/2Mbits/s)+(6.32Mbits/2Mbits/s)=4.245秒
・1Mbits/sのスループットのとき、以下の通りとなるであろう。
・T=0.5s+(1.17MBits/1Mbits/s)+(6.32Mbits/1Mbits/s)=7.99秒
・1Mbit/sリンクを有するより高いビットレート(例えば、4.5Mbits/sでHD1080pビデオ)のとき、
T=0.5s+(1.17MBits/1Mbits/s)+(18Mbits/1Mbits/s)=19.67秒
− 10Mbits/sのスループットのとき、以下の通りとなるであろう。
T=0.5s+(1.17MBits/10Mbits/s)+(6.32Mbits/10Mbits/s)=1.249秒
− 10Mbit/sリンクを有するより高いビットレート(例えば、4.5Mbits/sでHD1080pビデオ)のとき、
T=0.5s+(1.17MBits/10Mbits/s)+(18Mbits/10Mbits/s)=2.417秒。
バッファリング時間<ノーマルの、例えば、オープナー持続時間(バッファリング時間がノーマルのオープナー持続時間以下)の場合、バンパー持続時間は同じままである。
バッファリング時間>ノーマルのバンパー持続時間(バッファリング時間がノーマルのバンパー持続時間を上回る)の場合、例えば、オープナー持続時間は、バッファリング時間に設定される。
【0098】
スプレッド・バッファ・タイム(SBT)
オープナー、バンパー、又はスティングという用語で記述される場合の指定のエフェクト(メタセグメント)の1つよりも多い組が存在する場合、計算されるバッファ時間は、各組の全体を通して一様に分配(spread)されてもよい。この状況下で、バッファリング時間を別個のメタセグメント間で分配する。この場合、指定のエフェクト(モーショングラフィック)の総称的な組は、以下のメタセグメントとして分類される。
O=オープナー
B=バンパー
S=スティング
【0099】
単一のビデオパッケージに含まれる、より多くのビデオセグメントがあり、ビデオセグメントの前にオープナーが存在する場合、ビデオパッケージのバッファリング時間は、異なるセグメントにわたって分配することができる。最初のオープニングメタセグメントの後で再生するメタセグメントの各組は、グラフィック、テキストデータ、特殊エフェクト、ローカルベースのアセットのうちの少なくとも1つからなってもよく、それがビデオの「オープナー」、ビデオの後で再生する「バンパー」、又はオープナーとバンパーとの間で再生される「スティング」(例えば、コマーシャル)のいずれであろうとも、再生されるべき次のビデオの共有されるバッファリング時間SBTの下で動作することになる。アルゴリズムは、以下のように修正されることになる。
【0100】
各セグメントのSBT及びT値を計算し、共有される時間を適用するために、式は、この場合、以下の通りとなるであろう。
最初のバンパーに関して、
【数2】
すべての他のバンパーに関して、
【数3】
式中、N(数字)は、そのセグメントに関して用いられる。
【0101】
例:
1.58Mbit/sの同じビットレートでエンコードされる2つのビデオを含んでいるビデオパッケージを仮定する。スループットは2Mbit/秒である。第1のビデオセグメントには、サイズ0.595Mbitsの2つのアセットが存在し、第2のビデオセグメントには、サイズ0.595Mbitsの2つのアセットが存在する。TCP接続を設定する時間=0.5sである。4秒を用いるバッファサイズ=4*1.58Mbit/s=6.32Mbitsである。上記式を用いて、バッファリングの時間は、以下の通りとなるであろう。
T1=0.5s+(0.596MBits/2Mbits/s)+(6.32Mbits/2Mbits/s)=3.9575秒
T2=0.5s+(0.595MBits/2Mbits/s)=0.7975
バッファリング時間<ノーマルのバンパー、スティング、及びオープナー持続時間の場合、バンパー、スティング、及びオープナー持続時間は同じままである。バッファリング時間>ノーマルのバンパー、スティング、及びオープナー持続時間の場合、バンパー、スティング、及びオープナー持続時間は、SBTを介して計算される場合のバッファリング時間に設定される。
【0102】
バッファリング時間を計算するのにバリエーションが用いられてもよいことが理解されるであろう。例示的な構成では、ルーピング又は複数のエフェクトを用いて連続シームレスブロードキャストが提供されてもよい。メディアプレーヤは、次のビデオが承認されるのを待つが、その間に連続モーショングラフィックを流し、再生されるべきさらなるビデオが存在しないことを示し、認可されるとすぐにこれを前述のようにブロードキャストすることになる。
【0103】
例示的なシームレスブロードキャスト方法が図11Aに例示される。ブロック701で、ユーザは、図1のブロードキャストシステム10を用いてネットワーク上でブロードキャストするためにクライアントデバイスを用いていくつかのビデオを選択し、これらのビデオは、システム内で承認及び認可されている。各ビデオは、ビデオセグメント802、806の前後に位置するオープナー801、バンパー803、又はスティング804として記述される場合のメタセグメントを自動的に有することになり、ビデオセグメント自体は、VSMLによって記述される場合にモーショングラフィックを有することになる。
【0104】
ブロック702で、第2のスマートデバイス25上のメディアプレーヤが、VSMLで記述される場合の制御データを読み出し、これは、エフェクト、テキスト、アニメーションなどがビデオパッケージ(図12に例示される場合のメタセグメント及びビデオセグメント)としてプレイバックされる様態を解釈する。他は、どのチャンネル及びユーザ群が同じく処理されるかなどの制御データである。ブロック703で、シームレスブロードキャストプロジェクトは、普通は、バッファリングが始まり、他のアセットがダウンロードされ、処理される際に、最初のオープナー(メタセグメント)で始まることになる。最初のオープナー(メタセグメント)は、ストリーミングされる前又はバッファリングが始まる前であっても、ビデオセグメント制御データによって満たすことができるフィールド、プレ・ビデオ・プレイ・データ(PVPD)を有してもよい。これは、シンプルであり得るが、次のビデオセグメントのタイトル及び説明に限定されず、本質において、ビデオセグメントの制御データは、これを進めるメタセグメントによって用いられ、該データは、ブロック704で、メタセグメントに入り、VSMLで構築される場合のメタパネル内に基づいて影響を及ぼすすべてのパラメータと共に用いられ、再生される。
【0105】
ブロック705で、PVPDがメタセグメント内の利用可能なフィールドに挿入されるプロセスが開始される。ブロック706で、上述のようにアルゴリズムを用いてバッファリング時間Tが計算される。ブロック707で、メディアプレーヤは、Tがメタセグメントのノーマル再生持続時間を上回るかどうかを判定する。上回る場合、メディアプレーヤは、ブロック709でTに等しいメタセグメントを流す。Tがメタセグメントのノーマル再生持続時間を下回る場合、ブロック708で、メタセグメントは、ノーマル再生持続時間で再生される。このステージによって、ビデオセグメントは、ブロック710で、連続再生状態で再生するのに十分なだけバッファされている。再生するビデオセグメントはまた、VSML内で記述される場合の独自のモーショングラフィックを有してもよい。ここで、図10Aのフローチャートの続きである図11Bを参照する。ブロック711で、メディアプレーヤは、上述のように共有されるバッファ時間(SBT)計算を計算するためにすべてのビデオセグメントのすべての他の制御データを集める。ブロック712で、SBTにより計算される持続時間が、この単一のシームレスブロードキャスト内のすべての他のメタセグメントに適用される。ブロック713で、再生されるべき次のビデオがクエリされる。ブロック714で、PVPD714が必要とされるかどうかが判定され、必要とされる場合、ブロック715で、メディアプレーヤがこのデータを挿入する。ブロック716で、計算されたSBTバッファ時間がその値を適用し、ブロック717で、メタセグメントのノーマル再生持続時間を上回ることが見出される場合、その持続時間は、719で計算されたSBT持続時間に等しくなるように変更され、又はそうではなく、メタセグメントのノーマル再生持続時間を上回らない場合、718でノーマル持続時間で再生される。ブロック720で、ビデオセグメントは、連続再生状態で再生するのに十分なだけバッファされている。再生するビデオセグメントは、VSML内にある場合のそれ自身のモーショングラフィックを有してもよい。ブロック721で、これがプレイリストの中の最後のビデオである場合、シームレスブロードキャストが終了し、そうではない場合、最終的なビデオに到達するまでブロック713からループすることになる。
【0106】
ここで図12を参照すると、ビデオセグメントに関連してメタセグメントの位置を例示するグラフ図が提供される。メタセグメント801は、最初のオープナーであり、Tとして計算されるバッファリング時間の値を有し、これは、SBT計算が行われ、処理される時間を許す。ビデオ802は、認可されており、VSMLによって記述される場合にメディアプレーヤによって読み出され、第2のデバイス上でローカルに再作成されるそれ自身のモーショングラフィックを有するビデオとなるビデオセグメントである。メタセグメント803は、ビデオセグメント802の後ですぐに再生し、これは単純に、エンドタイトル、クレジットなどとすることもできる。メタセグメント804は、何らかの方法でアニメーション化される情報伝達型表示、又はコマーシャルのような表示、又は会社ロゴなどとして作用する。メタセグメント805は、次のビデオセグメントの前に再生し、次に再生することになるビデオセグメントのタイトル、説明、及びサムネイルなどを提供するPVPDを介する特定のビデオセグメントに関係することになる。ビデオセグメント806は、シームレスブロードキャストにおいて次に再生される。ビデオセグメント806はまた、VSML内に記述される場合のそれ自身のモーショングラフィックを有してもよい。T値807は、メタセグメント801が、Tの値を求めるためにバッファリングアルゴリズムで記述される場合のバッファリング時間Tによって影響される持続時間である。SBT値808は、すべての他のメタセグメントがSBTの値を求めるためにバッファリングアルゴリズムで記述される場合のバッファリング時間SBTによって影響される際の再生持続時間を考慮に入れる持続時間である。
【0107】
ここで図13を参照すると、クラウドアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)を用いてライブストリーム編集決定を容易にする例示的なブロードキャストシステムが示されている。この例では、3つのスマートデバイス、すなわち、タブレットA、タブレットB、及びタブレットCが、ビデオ及び制御データをクラウドサーバにアップロードする。ライブ・ブロードキャスト・アプリケーション(LBA)は、編集するのに必要な機能を適用し、エンドユーザ505にブロードキャストされる際にクラウドサーバAPIにVSMLエフェクトを適用する、シンクライアントプログラムである。LBAは、任意の場所、例えば異なる国から接続される、又は1つの場所、例えば、ミディアムアングル、クローズアングル、及びワイドアングルシューティング構成を有するスマートデバイスカメラセットアップで用いられることになる、複数のモバイルスマートデバイスの使用を可能にする。クラウドサーバAPIと組み合わせて動作するシンクライアントプログラムLBAを用いると、セキュアブロードキャストアプリケーションがリアルタイムレイヤードコンポジティングの際にVSMLエフェクトを適用して、異なるデバイスから単一のレイヤされた編集済みのブロードキャストへの編集済みのマルチストリームフィードに関連してこのライブバージョンを達成することが可能となり、単一のレイヤされた編集済みのブロードキャストは、レイヤ及び指定のエフェクトをこれの視聴を認可されたすべてのデバイス上でローカルに付加及び再作成するのに必要な制御及びビデオデータを提供する。これは、以下の2つのバージョンのLBAで達成される。リアルタイムモーショングラフィックを伴うクラウドベースの編集時のライブ・ブロードキャスト上のリモートダイレクティング。リアルタイムモーショングラフィックを伴うローカルベースのダイレクティング及びライブ・ブロードキャスト。
【0108】
この両方の方法のメカニズムは非常に似ているが、第1のバージョンは、インターネットを介してアップロードされる際になされる。第2のバージョンは、クラウドネットワークAPIにアップロードする前にローカルアドホック(又はイントラネット)ネットワークからアップロードすることによって行われる。
【0109】
ステップ501で、スマートデバイスA、スマートデバイスB、及びスマートデバイスCの、これらのデバイスのそれぞれは、例えば、適用されるVSMLエフェクトと共にプラットフォームのエンドユーザにライブでブロードキャストされるべき講義を異なる角度から撮影している。各スマートデバイスA、B、及びC、並びに任意のさらなるフィードは、エンドユーザ505への途中でシンクライアント・ライブ・ブロードキャスト・アプリケーション(LBA)504によって見られる、ビデオストリーム及び制御データをアップロードしている。別のユーザが、コンピュータ端末又はスマートデバイス504のいずれかによって編集及び認可をダイレクティングするか又はLBAを用いてレイヤを付加することになり、編集決定は、特定の瞬間にスマートデバイスA、B、又はCのいずれかからのどのシューティング角度が最終的なユーザにブロードキャストされることを選ばれるかを選ぶことによってスマートデバイスA、B、C間でなされる。VSMLにより適用されるエフェクトは、ライブブロードキャストプロジェクトを作成することによってブロードキャストを開始する前にこれが生じる及び/又は設定される場合に、又は個人がスマートデバイス501でのアップロードから独自のVSMLにより適用されるエフェクトを付加した場合に、デバイス504によって付加される。
【0110】
図13の例では、A、B、Cからのスマートデバイスフッテージがインターネットを介してクラウドサーバ503にアップロードされ、クラウドサーバ503にアクセスするLBA504によって見られることになる。世界のどこかにいるブロードキャストのディレクタ/権限付与者が、シンクライアントであるという性質に起因して、どのフィードをこれが生じる場合にブロードキャストするかを選ぶことになり(編集決定を行うのにディレクタからのダウンロードは存在せず、かつ、最終的なブロードキャストのためのディレクタからのアップロードは存在しない)、これは、どのアップロードするライブフィードがこれが生じる場合に最終的なブロードキャストに選ばれるか、及びどんなVSMLにより適用されるエフェクトが付加されるかの選択となるであろう。
【0111】
図14の例では、ブロードキャストシステムは、ローカルベースの編集及び指定のVSMLにより適用されるエフェクトの適用がリアルタイムレイヤードコンポジティングマルチレイヤプレーヤ、スマートデバイスA、B、C510を用いて行われる場合にリアルタイムライブストリームレイヤリングと共にローカルライブ編集を提供し、アップロードフィードが、デバイスレベルから付加されている任意の制御データと共に、イントラネット(又はアドホックネットワーク)を介してローカルサーバ511にローカルにアップロードされ、ローカル・ライブ・ブロードキャスト・アプリケーション(LLBA)512によって見られることになり、イベントの現場にいるであろう、同じローカルアドホック(又はイントラネット)ネットワークの下のブロードキャストのディレクタが、どのフィードをこれが生じる場合にブロードキャストするかを選ぶことになり、これは、本発明のリアルタイムレイヤードコンポジティングマルチレイヤコンポジットを用いてどのアップロードフィードがこれが生じる場合に最終的なブロードキャストに選ばれるか、及びどんな指定のVSMLにより適用されるエフェクトが適用されるかの選択となるであろう。編集決定及びVSMLエフェクト512は、クラウドネットワークサーバ513にブロードキャストするのにビデオデータ及び制御データの1つのフィードだけをアップロードすることになる。
【0112】
ここで、異なるオペレーティングシステム(IOS、ANDROID、.NETなど)を有する複数のユーザが、取り込んだフッテージを追加し、これをまだ承認のために提出されていないプロジェクトに送信することができ、ユーザが、世界のどこかからフッテージを送信することもでき、別のユーザが該フッテージをブロードキャストを作成するのに用いることを可能にする、ブロードキャストシステムを例示する図15を参照する。
【0113】
ユーザは、フッテージを記録し、これを自分のタブレット/又は/指定のユーザのタブレット/又は自分のタブレットに送信するのに自分の電話(クロスプラットフォーム)を用いることができる。ユーザは、次いで、普通に離れた所で編集にログインすることができる。ビデオブロードキャストシステムは、電話又はタブレットのいずれかである任意の普及したオペレーティングシステムを用いる任意の認可ユーザ601が、リアルタイムレイヤードコンポジティングマルチレイヤプレーヤによって作成されるVSMLにより適用されるエフェクトと共に単一のブロードキャストとして用いられるべきフッテージを集める目的で自分のスマートデバイス/電話上に有するフッテージをプロジェクト管理者のスマートデバイス604に提出することができる、オープンプロジェクトを作成することができる。ビデオプロジェクトは、ビデオの概要を達成するために明記される/必要とされるショット及び場所を列挙する必要な概要、又は任意の他のマルチメディアコンテンツ(ピクチャ、グラフィックなど)、例えば、山、又は建物、インタビュー、ピクチャ、ロゴなどを有することになる。ユーザ601は、ユーザがどんな場所にいてもこのプロジェクトを見て、リストから1つ以上を取り込むことを受諾することになる。取り込むと、認可ユーザ601は、フッテージ/アセットをクラウドサーバAPI603のプロジェクトリポジトリ602に提出することになる。フッテージは、次いで、管理者のスマートデバイス604内の管理者オープンプロジェクトにダウンロードされることになる。すべてのフッテージが集められると、オープンプロジェクトステータスがクローズされ、管理者は、ビデオプロジェクトを終え、必要なVSMLにより適用されるエフェクトを適用することができる。次いで、管理者が、クラウドサーバAPI603を介して前述のように承認のためにコマンドセンター605へのプロジェクトの提出を完了すると、そこで承認時にすべての認可されたエンドユーザ606に利用可能となる。これは、以下の2つの主な問題を解決する。
1:フッテージを取り込むのにすべての人がタブレットを必要とするわけではない
2:クロスプラットフォームの互換性。
【0114】
この教示の利点は多い。フッテージは、任意の場所から中心点(タブレット)に来る種々の撮影角度の同じイベント/プロジェクトの概要と共にどこから来てもよい。プロジェクトベースの取り込みは、所定のビデオ概要、ビデオ概要を達成するために明記される/必要とされるショット及び場所を選択する能力を有する電話UIの一部をなすことができ、個人が取り込んだ任意のビデオを該プロジェクトにクリックインし、提出するときに、該プロジェクト(BIN)にロードすることになり、次いで、該ビデオを作成するのに用いることができる。
【0115】
ここで図16を参照すると、デュアルプレゼンテーションシステムが説明される。ネットワークは制御データに基づいているので、この技術は、制御データ(メタデータ)が有用な方法で示されることを可能にする。タブレットを用いて、ユーザは、スライド/マルチメディアプレゼンテーションを作成することができる。このシステムは、情報が以下の2つの方法で提示されることを可能にする。
1.プレゼンタモード
2.ビューアモード
【0116】
聴衆にプレゼンテーションをするときに、タブレットを用いるプラットフォーム内のプレゼンタは、プレゼンテーションをプレゼンタモードで提示することになる。プラットフォーム内に自分のタブレットを有するビューアは、ビューアモードを選択することもできる。これは、各特定のスライドと関連付けられるアフィリエイト付きの(affiliated)情報、さらなる情報を提示することになる。アフィリエイト付きの情報は、既存の制御データの組み合わせとなるが、各ユーザがシステムの既存のメタデータの一部となる情報を自分で入力することができる方法も提供することになり、スライドのノート、コメント、アイデアなどと同じくらいシンプルとすることができる。各コメント、作成されたリマークは、即座に皆が見られるようになるであろう。プレゼンタモード下にあるとき、ビューアモードはプレゼンタモードのスレーブとなり、プレゼンタが新しいスライドに移るときにはビューアモードも移る。
【0117】
ブロック901で、プレゼンテーションを作成することを望む認可ユーザは、デュアルプレゼンテーションプロジェクトを開くことになる。これは、ユーザがスライドの2つのブランチを作成することを可能にし、これはプレゼンタスライド又はビューアスライドであろう。ブロック902で、ユーザは、プレゼンタモードの下でプレゼンテーションのためにどのアセットを用いるかを選択する。ブロック903で、ユーザは、ビューアモード内で見られる場合のスライドを作成するのに用いられることになる制御データフィールドにアクセスする。ブロック904で、ユーザは、プレゼンタコンテンツスライド906を作成するプロセスを開始し、各新しいスライドは、ビューアモードで見られる場合のデュアルスライドを自動的に作成する。ブロック905で、ユーザは、ビューアコンテンツスライド907を作成するプロセスを開始し、ユーザは、作成されたすべてのプレゼンタスライドのメタデータを入力することになり、このときプレゼンタスライドとビューアスライドとの両方がリンクされる。このデータは、このデータを興味深い方法で表示するべくVSMLによって記述される場合にメディアプレーヤによって表示されることになる。例えば、ビューアが共有することができるコメントフィードは、リアルタイムで視聴しているすべての人に示され、これは、プレゼンタスライド、さらなるリソース、又はセキュアブロードキャストネットワーク内部の/又は外部の他のビデオ及びコンテンツへのリンクによって表示されるコンテンツのさらなる説明とすることもできる。
【0118】
ブロック908で、プレゼンタモードは、プレゼンタによって聴衆に与えられる表示であり、これは、各スライドによって何が作成されているかを示すことになり、ビデオ、ピクチャ、グラフィックなどのすべてがVSMLによって記述される場合に命令の下でメディアプレーヤによって実行される。プレゼンタモードは、対応するビューアスライドにリンクされる。プレゼンタが次のプレゼンタスライドに移る場合、ビューモードが対応するビューアスライドに自動的に移ることになる。
【0119】
ブロック909で、プレゼンテーションを見ているユーザは、プレゼンタモードでプレゼンタによって提示されるように見るか、ビューアモードでリンクされたビューアスライドをビューアスライド907内で作成されるように見るかの、プレゼンテーションを見るモードを選ぶことができる。メディアプレーヤは、同じくVSMLで記述される方法によって既に特許請求されているリアルタイムレイヤードコンポジットをリアルタイムで作成することになる。ユーザが自分のコメントなどを仕上げることを可能にする、依然としてプレゼンタスライドナンバーと同期したままである特徴が存在する。VSMLにより適用されるエフェクト及びその入力データを書き込む能力は、その書き込んでいるコンテンツを他の認可ユーザに通信する方法として用いることができる。その書き込まれたコンテンツは、検索パラメータとして用いることができる。ビデオに沿ってマーカをつけることができ、ユーザは、ビデオストリームに沿った異なるマーカポイントにジャンプし、そのポイント以降からこれを見始めることができる。
【0120】
ここで、図1のタブレット25の視覚表示装置の例示的なスクリーンショット1000である図17を参照する。スクリーンショットは、メディアプレーヤ126からの出力の視覚表現である。ビデオデータは第1のデバイス15上で取り込まれることが当業者には分かるであろう。制御データ(マークアップ言語)は、第1のデバイスのユーザによって第1のデバイス15上のビデオデータと関連付けられる。制御データは、補助データを作成するための情報、この場合は背景テンプレートを含んでいる。ビデオデータ及び制御データは、ネットワーク30にわたって1つ以上の第2のデバイス25にブロードキャストされる。各第2のデバイス25上のメディアプレーヤ126は、制御データの読出しに応答して、各第2のデバイス上で背景テンプレート1005をローカルに作成するように動作可能である。背景テンプレート1005とビデオデータ1010は、第2のデバイス25上に表示されるときに単一の一体化されたエンティティの外観を与える。背景テンプレート1005は、ダウンロードされたビデオストリーム1010が挿入される領域を含む。ストリーミングされるビデオデータ1010は、この例では人物の挿入である。背景テンプレート1005は、メディアプレーヤ126がマークアップ言語を視覚表現に変換する結果としてタブレット25上でローカルに作成される。テンプレート1005は視覚表示装置の大部分を占めるが、ビデオデータ1010は視覚表示装置の比較的小さい部分のみを占める。テンプレート1005は、高精細(HD)の解像度を有するべくローカルに生成される。ビデオデータ1010の解像度は標準画質(SD)である。しかしながら、ビデオデータ1010は画面全体の非常に小さい領域を占めるので、全体的な視覚的印象は、メディアプレーヤ126からの出力が高精細度の印象である。
【0121】
本明細書で説明されるのは、ビデオコンテンツを配信するための例示的なシステムであることが理解されるであろう。本発明の教示は例示的な構成に関して説明されているが、本発明の教示の精神及び範囲から逸脱することなく修正を加えることができるので、教示をこうした構成に限定することを意図していないことが理解されるであろう。
【0122】
本発明の教示に係る分散ネットワークシステムの例示的な特徴が説明されているが、こうした配置は、本発明をこうした特徴に限定すると解釈されるべきではないことが理解されるであろう。本発明の教示の方法は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はこれらの組み合わせに実装されてもよい。1つのモードでは、方法は、ソフトウェアに実行可能プログラムとして実装され、パーソナルコンピュータ(PC;IBM互換機、Apple互換機、その他)、パーソナル・デジタル・アシスタント、ワークステーション、ミニコンピュータ、又はメインフレームコンピュータなどの1つ以上の特別な又は汎用のデジタルコンピュータによって実行される。方法のステップは、ソフトウェアモジュールが常駐する又は部分的に常駐するサーバ又はコンピュータによって実装されてもよい。
【0123】
一般に、ハードウェアアーキテクチャの点で、こうしたコンピュータは、当業者によく理解されるように、ローカルインターフェースを介して通信可能に結合されるプロセッサ、メモリ、及び1つ以上の入力及び/又は出力(I/O)装置(又は周辺機器)を含むことになる。ローカルインターフェースは、例えば、限定はされないが、当該技術分野では公知のように、1つ以上のバス又は他の有線又は無線接続とすることができる。ローカルインターフェースは、通信を可能にするためにコントローラ、バッファ(キャッシュ)、ドライバ、中継器、及びレシーバなどのさらなる要素を有してもよい。さらに、ローカルインターフェースは、他のコンピュータコンポーネント間の適切な通信を可能にするべくアドレス、制御、及び/又はデータ接続を含んでもよい。
【0124】
プロセッサは、上述のように第1のモジュール、第2のモジュール、第3のモジュール、及び第4のモジュールの機能を果たすようにプログラムされてもよい。プロセッサは、ソフトウェアを実行するためのハードウェアデバイス、特に、メモリに記憶されたソフトウェアである。プロセッサは、任意のカスタムメイドの又は市販のプロセッサ、中央処理装置(CPU)、コンピュータに関連するいくつかのプロセッサ間の補助プロセッサ、半導体ベースのマイクロプロセッサ(マイクロチップ又はチップセットの形態の)、マクロプロセッサ、又はソフトウェア命令を実行するための一般に任意のデバイスとすることができる。
【0125】
メモリは、プロセッサと関連付けられ、揮発性メモリ要素(例えば、ランダムアクセスメモリ(DRAM、SRAM、SDRAMなどのRAM))及び不揮発性メモリ要素(例えば、ROM、ハードドライブ、テープ、CDROMなど)のいずれか1つ又はその組み合わせを含むことができる。さらに、メモリは、電子、磁気、光学、及び/又は他のタイプの記憶媒体を組み込んでいてもよい。メモリは、種々のコンポーネントが互いに遠隔に位置するが、依然としてプロセッサによってアクセスされる、分散アーキテクチャを有することができる。
【0126】
メモリの中のソフトウェアは、1つ以上の別個のプログラムを含んでもよい。別個のプログラムは、モジュールの機能を実装するべく論理関数を実装するための実行可能命令の順序付けられたリストを備える。前述の例では、メモリの中のソフトウェアは、方法の1つ以上のコンポーネントを含み、適切なオペレーティングシステム(O/S)上で実行可能である。
【0127】
本発明の教示は、行われるべき命令の組を含むソースプログラム、実行可能プログラム(オブジェクトコード)、スクリプト、又は任意の他のエンティティとして提供されるコンポーネントを含んでもよい。ソースプログラムのとき、プログラムは、O/Sとの関連において適正に動作するように、コンパイラ、アセンブラ、インタープリタなどを介して翻訳される必要があり、これはメモリ内に含まれていてもよいし、又は含まれていなくてもよい。さらに、本教示に従って実装される方法論は、(a)データ及び方法のいくつかのクラスを有するオブジェクト指向プログラミング言語、又は(b)ルーチン、サブルーチン、及び/又は機能、例えば、限定はされないが、C、C++、Pascal、Basic、Fortran、Cobol、Perl、Java、Json、及びAdaを有する手続き型プログラミング言語として表されてもよい。
【0128】
方法がソフトウェアに実装されるときに、こうしたソフトウェアは、任意のコンピュータに関係したシステム又は方法によって又はこれとの関連で用いるために任意のコンピュータ可読媒体上に記憶することができることに留意されたい。この教示との関連で、コンピュータ可読媒体は、コンピュータに関係したシステム又は方法によって又はこれとの関連で用いるためにコンピュータプログラムを格納又は記憶することができる電子、磁気、光学、又は他の物理的デバイス又は手段である。こうした構成は、命令実行システム、装置、又はデバイスからの命令処理をフェッチし、命令を実行することができるコンピュータベースのシステム、プロセッサを含んでいるシステム、又は他のシステムなどの命令実行システム、装置、又はデバイスによって又はこれとの関連で用いるために任意のコンピュータ可読媒体において具体化することができる。本明細書との関連での「コンピュータ可読媒体」は、命令実行システム、装置、又はデバイスによって又はこれとの関連で用いるためにプログラムを記憶する、通信する、伝搬する、又は輸送することができる任意の手段とすることができる。コンピュータ可読媒体は、例えば、限定はされないが、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、又は半導体システム、装置、デバイス、又は伝搬媒体とすることができる。図中のどのプロセスの説明又はブロックも、当業者に理解されるようにプロセスにおける固有の論理関数又はステップを実施するための1つ以上の実行可能命令を含むモジュール、セグメント、又はコードの一部を表すものとして理解されるべきである。
【0129】
本発明の教示の前述の実施形態、特に、いずれかの「好ましい」実施形態は、単に原理の明確な理解のために記載される、実装の可能な例であることは強調されなければならない。本発明の教示の精神及び原理から実質的に逸脱することなく前述の実施形態に多くの変形及び修正がなされてもよい。すべてのこうした修正は、本開示及び本発明の範囲内で本明細書に含まれ、以下の請求項によって保護されることが意図される。
【0130】
本発明の教示の利点は多い。本発明の方法は、高品質のグラフィック、テキスト、及び特殊エフェクト解像度を常に維持し、一方、既存のビデオブロードキャストシステムのグラフィック、テキスト、及び特殊エフェクト解像度の品質は、ブロードキャストされるデータのサイズとの直接的な相関関係において変化し、データサイズがより小さければグラフィック、テキスト、及び特殊エフェクト解像度の品質が低下する。しかしながら、本発明の方法でのデータサイズの減少は、グラフィック、テキスト、及び特殊エフェクトの品質を同時に低下させずにビデオデータの解像度だけを減少させることになり、これらは、ユーザのスマートデバイス上で高解像度で作成される又はローカルに記憶される。
【0131】
本発明の方法は、ビデオデータ及び制御データだけを記憶及び伝送し、次いで、ユーザのスマートデバイス上にローカルに記憶されたデータベースからグラフィック、テキスト、及び特殊エフェクトを適用するので、伝送のためのデータサイズ及び変化するネットワーク/インターネット速度の下での結果的なアップロード/ダウンロード速度が、既存のビデオブロードキャストシステムと比較して改善される。同等のグラフィック、テキスト、及び特殊エフェクトを望む既存のビデオブロードキャストシステムは、グラフィック、テキスト、及び特殊エフェクトを含んでいるより大きいレンダリングされた単一の平面化されたビデオ構造を記憶及び伝送することを必要とし、したがって、アップロード/ダウンロードのためにより多くの時間がかかり、伝送のためにより大きなデータサイズをとる。本発明の方法は、グラフィック、テキスト、及び特殊エフェクトに影響を及ぼさずにビデオデータサイズのみを減少させることによって記憶及び伝送の全サイズを減少させることができるが、既存のビデオブロードキャストシステムは、本発明の方法を用いてビデオデータに適用されるグラフィック、テキスト、及び特殊エフェクトと同等の高品質のグラフィック、テキスト、及び特殊エフェクトを維持するには、記憶及び伝送のためのより大きいファイルサイズを維持しなければならない。
【0132】
本発明の方法を用いる金銭的条件と工数との両方におけるコンテンツの視聴に関連するコストは、既存のビデオブロードキャストシステムで採用される方法と比較して改善される。本発明の方法ではビデオデータ及び制御データだけがネットワークを通じて記憶及び伝送されるので、高品質のグラフィック、テキスト、及び特殊エフェクトを伴うビデオを生成及びブロードキャストする速度及びコストは、既存のビデオブロードキャストシステムで使用される従来の方法と比較して最小にされる。従来の方法は、同程度の高品質のグラフィック、テキスト、及び特殊エフェクトを維持するためにはるかにより大きいデータサイズを必要とし、これにより、伝送、記憶、及び視聴に関連するコストが増加する。
【0133】
制御データは、対応するエフェクトを表す複数の制御パラメータを含んでもよいことが理解されるであろう。制御パラメータのうちの1つ以上は、第1のデバイス上で選択可能であってもよい。第1のデバイス上の選択された1つ以上の制御パラメータは、各第2のデバイス上で再生される際に1つ以上の制御パラメータがメディアプレーヤによって適用され得るようにビデオデータと関連付けられてもよい。
【0134】
本発明の教示は、例示的なアプリケーション及びモジュールに関して説明されているが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく修正を加えることができるので、本発明の教示をこうした構成に限定することは意図していないことが理解されるであろう。システムは、クラウド又はローカルサーバアーキテクチャを用いて実装されてもよいことが理解されるであろう。このように、本発明の教示は、付属の請求項に照らして必要と思われる限りにのみ制限されることが理解されるであろう。
【0135】
同様に、本明細書で用いられるときの備える、含む(comprises/comprising)という言葉は、表記された特徴、整数、ステップ、又はコンポーネントの存在を明記するのに用いられるが、1つ以上のさらなる特徴、整数、ステップ、コンポーネント、又はそのグループの存在又は追加を除外しない。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16
図17