特許第6397963号(P6397963)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6397963
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】起伏ゲート用袋体及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   E02B 7/20 20060101AFI20180913BHJP
【FI】
   E02B7/20 103Z
【請求項の数】7
【全頁数】39
(21)【出願番号】特願2017-112276(P2017-112276)
(22)【出願日】2017年6月7日
【審査請求日】2017年6月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】591073337
【氏名又は名称】株式会社丸島アクアシステム
(73)【特許権者】
【識別番号】591123735
【氏名又は名称】吉野ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079577
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 全啓
(74)【代理人】
【識別番号】100167966
【弁理士】
【氏名又は名称】扇谷 一
(73)【特許権者】
【識別番号】511103351
【氏名又は名称】▲シン▼永銓股▲フェン▼有限公司
(72)【発明者】
【氏名】吉村 功
(72)【発明者】
【氏名】宮田 真治
(72)【発明者】
【氏名】鍋田 吉則
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 晃一
(72)【発明者】
【氏名】天福 英統
【審査官】 田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−304555(JP,A)
【文献】 特開2006−336334(JP,A)
【文献】 特開平08−177036(JP,A)
【文献】 特開2004−068323(JP,A)
【文献】 実開平03−128720(JP,U)
【文献】 特開2007−275121(JP,A)
【文献】 米国特許第04661015(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 7/20
E02B 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋体成形用シートを用いて袋状に成形され、前記袋体成形用シートを対向させてその内側に流体を収容するための空間を形成する本体部と、前記本体部から外方に向けてのびるフラップ部と、前記本体部と前記フラップ部との境に形成される境界と、を備える起伏ゲート用袋体であって、
前記袋体成形用シートは、1枚のゴム引布で形成され、又は、複数枚のゴム引布をオーバーラップして形成されており、
起伏ゲート用袋体の四隅となる前記境界の始点又は終点となるべき前記袋体成形用シート上の点は、前記袋体成形用シートの外周縁から離隔しており、
前記本体部は、前記袋体成形用シートを折り返すこと及び/又は湾曲することにより形成され、
前記フラップ部は、前記本体部に被さるように境界で折り返され及び/又は湾曲され前記本体部に加硫接着されて前記本体部を密封した、ことを特徴とする起伏ゲート用袋体。
【請求項2】
前記本体部は、前記本体部へ流入される流体の流出入口となり加硫接着剤が塗布された金属製の開口部材が設けられ、
前記加硫接着剤と前記起伏ゲート用袋体とが同時に加硫されることによって、前記開口部材と前記起伏ゲート用袋体とが一体化された、請求項1に記載の起伏ゲート用袋体。
【請求項3】
前記袋体成形用シートの主面のうちの前記本体部の内面となる部分にシート状離型剤接着用引布が設けられ、
前記シート状離型剤接着用引布上にシート状離型剤が設けられる、請求項1又は請求項2に記載の起伏ゲート用袋体。
【請求項4】
1枚のゴム引布で形成された袋体成形用シート、又は、複数枚のゴム引布をオーバーラップして形成された袋体成形用シートを準備する工程と、
前記袋体成形用シートを折り返すこと及び/又は湾曲することにより袋体成形用シートを対向させてその内側に流体を収容するための空間を形成する本体部を成形する工程と、
前記本体部との境界から外方に向けてのびるフラップ部を、起伏ゲート用袋体の四隅となる前記境界の始点又は終点となるべき前記袋体成形用シート上の点が前記袋体成形用シートの外周縁から離隔しているような境界で、前記本体部に被さるように折り返して及び/又は湾曲して、前記フラップ部を前記本体部に重ねる工程と、
前記袋体成形用シートを用いて袋状に成形され、前記本体部と前記フラップ部とを備える起伏ゲート用袋体を加硫する工程と、
を含み、
前記本体部は密封された、ことを特徴とする起伏ゲート用袋体の製造方法。
【請求項5】
前記袋体成形用シートの主面のうちの起伏ゲート用袋体の内面となる部分にシート状離型剤接着用引布を設ける工程と、
前記シート状離型剤接着用引布上にシート状離型剤を設ける工程と、
前記本体部に前記本体部へ流入される流体の流出入口となり加硫接着剤が塗布された金属製の開口部材を設ける工程と、
をさらに含む、請求項4に記載の起伏ゲート用袋体の製造方法。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の起伏ゲート用袋体の製造方法であって、前記起伏ゲート用袋体をプレス加硫機を用いて加硫する際に、プレス加硫機による押圧方向と直交ないし交差する方向への前記起伏ゲート用袋体の変形を防止するための枠を有する金型が用いられて、前記起伏ゲート用袋体は加硫される、起伏ゲート用袋体の製造方法。
【請求項7】
前記本体部は、第1本体面と、前記第1本体面に接続する第2本体面と、前記第2本体面に前記第1本体面と反対側に接続する第3本体面と、前記第3本体面に前記第2本体面と反対側に接続する第4本体面と、前記第4本体面に前記第3本体面と反対側に接続する第5本体面と、によって構成され、
前記フラップ部は、前記第1本体面、前記第2本体面及び前記第3本体面の部位であってそれぞれの本体面が接続されていない部位を挟むように接続する一対の第1フラップ面と、第3本体面、第4本体面及び第5本体面の部位であってそれぞれの本体面が接続されていない部位を挟むように接続する一対の第2フラップ面と、によって構成され、
一対の第1フラップ面のうちの片側の第1フラップ面は、第1本体面の片側端縁の途中から第1本体面の片側に一体的に接続し、続いて、第2本体面の片側に接続し、続いて、第3本体面の片側端縁の途中まで第3本体面の片側に一体的に接続し、
一対の第1フラップ面のうちの反対側の第1フラップ面は、第1本体面の反対側端縁の途中から第1本体面の反対側に一体的に接続し、続いて、第2本体面の反対側に接続し、続いて、第3本体面の反対側端縁の途中まで第3本体面の反対側に一体的に接続し、
一対の第2フラップ面のうちの片側の第2フラップ面は、第3本体面の片側端縁の途中から第3本体面の片側に一体的に接続し、続いて、第4本体面の片側に接続し、続いて、第5本体面の片側端縁の途中まで第5本体面の片側に一体的に接続し、
一対の第2フラップ面のうちの反対側の第2フラップ面は、第3本体面の反対側端縁の途中から第3本体面の反対側に一体的に接続し、続いて、第4本体面の反対側に接続し、続いて、第5本体面の反対側端縁の途中まで第5本体面の反対側に一体的に接続し、
前記本体部を成形する工程は、
前記第1本体面を前記第2本体面へ折り重ねる工程と、
前記第1フラップ面及び前記第1本体面が載置する前記第2本体面を前記第3本体面へ折り重ねる工程と、
前記第1フラップ面、前記第1本体面及び前記第2本体面が載置する前記第3本体面を前記第4本体面へ折り重ねる工程と、
前記第5本体面を前記第1フラップ面、前記第2フラップ面、前記第1本体面、前記第2本体面及び前記第3本体面が載置する前記第4本体面へ折り重ねる工程と、を含み、
前記フラップ部を前記本体部に重ねる工程は、
前記第1フラップ面を前記第1本体面が載置する前記第2本体面へ折り重ねる工程と、
前記第2フラップ面を前記第1フラップ面、前記第1本体面、前記第2本体面及び前記第3本体面が載置する前記第4本体面へ折り重ねる工程と、を含む、請求項4ないし請求項6のいずれかに記載の起伏ゲート用袋体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、起伏ゲートの起立倒伏に用いられる起伏ゲート用袋体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば特許文献1に記載の起伏ゲートに用いられている起伏ゲート用袋体は、複数のゴム引布をオーバーラップして形成された袋体成形用シートが、封筒折りで折られて袋状に成形され、加硫缶を用いて加硫されて、製造されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−76277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の起伏ゲート用袋体は、封筒折りであるために、平面視における四隅には、袋体成形用シートが連続しておらず、微小な孔が発生する構造となっていた。そのため、高圧の流体を収容するために気密性が要求される起伏ゲート用袋体において、気密性を担保するため、四隅に目張りやラバーシート等の複数枚のシール部材を施さざるをえなかった。
【0005】
したがって、成形後加硫前の起伏ゲート用袋体は、複数枚のシール部材のために側面視において平滑な形状とはなっておらず、また簡単に平滑化することができず、プレス加硫機により加硫を行うことが困難であった。また、複数枚のシール部材によって起伏ゲート用袋体の四隅を封止することとしても、長期間に亘って待機される起伏ゲート用袋体の気密性が懸念された。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、加硫缶のみならずプレス加硫機によっても加硫を行うことができ、目張り等のシール部材を設けなくても内部に収容される流体が長期間に亘って漏洩する可能性がない起伏ゲート用袋体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る起伏ゲート用袋体は、袋体成形用シートを用いて袋状に成形され、袋体成形用シートを対向させてその内側に流体を収容するための空間を形成する本体部と、本体部から外方に向けてのびるフラップ部と、本体部とフラップ部との境に形成される境界と、を備える起伏ゲート用袋体であって、袋体成形用シートは、1枚のゴム引布で形成され、又は、複数枚のゴム引布をオーバーラップして形成されており、境界の始点又は終点となるべき袋体成形用シート上の点は、袋体成形用シートの外周縁から離隔しており、本体部は、袋体成形用シートを折り返すこと及び/又は湾曲することにより形成され、フラップ部は、本体部に被さるように境界で折り返され及び/又は湾曲され本体部に加硫接着されて本体部を密封した、ことを特徴とする。
【0008】
この発明に係る起伏ゲート用袋体によれば、境界の始点又は終点となるべき袋体成形用シート上の点は、袋体成形用シートの外周縁から離隔しており、本体部は、袋体成形用シートを折り返すこと及び/又は湾曲することにより形成され、フラップ部は、本体部に被さるように境界で折り返され及び/又は湾曲され本体部に加硫接着されて本体部を密封したので、起伏ゲート用袋体成形後の平面視における四隅となる境界の始点又は終点は、構造的に袋体成形用シートが連続しており、孔が開いていないため、目張り等のシール部材を設けなくても起伏ゲート用袋体の内部に収容される流体が長期間に亘って漏洩する可能性がない。さらに、この発明に係る起伏ゲート用袋体によれば、シール部材を設ける必要がないため、成形後の起伏ゲート用袋体の側面視における段差は、増厚ゴムを用いることにより簡単に平滑化することができ、加硫缶のみならずプレス加硫機によっても加硫を行うことができる。
【0009】
この発明に係る起伏ゲート用袋体は、本体部は、本体部へ流入される流体の流出入口となり加硫接着剤が塗布された金属製の開口部材が設けられ、加硫接着剤と起伏ゲート用袋体とが同時に加硫されることによって、開口部材と起伏ゲート用袋体とが一体化されていてもよい。
【0010】
この発明に係る起伏ゲート用袋体によれば、金属製の開口部材は起伏ゲート用袋体の外部にある流体の流出入管とボルト締結することが可能となり、起伏ゲート用袋体と流体の流出入管とが一体的に接続されることが可能となる。
したがって、高圧の流体が流出入管を経て起伏ゲート用袋体に流入又は流出する際にも、流体が起伏ゲート用袋体から漏洩する可能性がない。
【0011】
この発明に係る起伏ゲート用袋体は、袋体成形用シートの主面のうちの本体部の内面となる部分にシート状離型剤接着用引布が設けられ、シート状離型剤接着用引布上にシート状離型剤が設けられていてもよい。
【0012】
この発明に係る起伏ゲート用袋体によれば、シート状離型剤が成形後の起伏ゲート用袋体の本体部の内面にシート状離型剤接着用引布を介して内接するように配置されることとなる。
したがって、成形後の本体部の内面を構成する上側の袋体成形用シートと下側の袋体成形用シートとがシート状離型剤を挟んでいることから、上側の袋体成形用シートと下側の袋体成形用シートとは、加硫時に加硫接着する可能性がない。
【0013】
この発明に係る起伏ゲート用袋体の製造方法は、1枚のゴム引布で形成された袋体成形用シート、又は、複数枚のゴム引布をオーバーラップして形成された袋体成形用シートを準備する工程と、袋体成形用シートを折り返すこと及び/又は湾曲することにより袋体成形用シートを対向させてその内側に流体を収容するための空間を形成する本体部を成形する工程と、本体部との境界から外方に向けてのびるフラップ部を、境界の始点又は終点となるべき袋体成形用シート上の点が袋体成形用シートの外周縁から離隔しているような境界で、本体部に被さるように折り返して及び/又は湾曲して、フラップ部を本体部に重ねる工程と、袋体成形用シートを用いて袋状に成形され、本体部とフラップ部とを備える起伏ゲート用袋体を加硫する工程と、
を含み、本体部は密封された、ことを特徴とする。
【0014】
この発明に係る起伏ゲート用袋体の製造方法によれば、袋体成形用シートを折り返すこと及び/又は湾曲することにより袋体成形用シートを対向させてその内側に流体を収容するための空間を形成する本体部を成形する工程と、本体部との境界から外方に向けてのびるフラップ部を、境界の始点又は終点となるべき袋体成形用シート上の点が袋体成形用シートの外周縁から離隔しているような境界で、本体部に被さるように折り返して及び/又は湾曲して、フラップ部を本体部に重ねる工程と、袋体成形用シートを用いて袋状に成形され、本体部とフラップ部とを備える起伏ゲート用袋体を加硫する工程と、を含むので、起伏ゲート用袋体成形後の平面視における四隅となる境界の始点又は終点は、構造的に袋体成形用シートが連続しており、孔が開いていないため、目張り等のシール部材を設けなくても起伏ゲート用袋体の内部に収容される流体が長期間に亘って漏洩する可能性がない。
【0015】
この発明に係る起伏ゲート用袋体の製造方法は、袋体成形用シートの主面のうちの起伏ゲート用袋体の内面となる部分にシート状離型剤接着用引布を設ける工程と、シート状離型剤接着用引布上にシート状離型剤を設ける工程と、本体部に本体部へ流入される流体の流出入口となり加硫接着剤が塗布された金属製の開口部材を設ける工程と、をさらに含んでいてもよい。
【0016】
この発明に係る起伏ゲート用袋体の製造方法によれば、袋体成形用シートの主面のうちの起伏ゲート用袋体の内面となる部分にシート状離型剤接着用引布を設ける工程と、シート状離型剤接着用引布上にシート状離型剤を設ける工程と、をさらに含むので、シート状離型剤が成形後の起伏ゲート用袋体の本体部の内面にシート状離型剤接着用引布を介して内接するように配置されることとなる。したがって、成形後の本体部の内面を構成する上側の袋体成形用シートと下側の袋体成形用シートとがシート状離型剤を挟んでいることから、上側の袋体成形用シートと下側の袋体成形用シートとは、加硫時に加硫接着する可能性がない。
また、この発明に係る起伏ゲート用袋体の製造方法によれば、本体部に本体部へ流入される流体の流出入口となり加硫接着剤が塗布された金属製の開口部材を設ける工程と、をさらに含むので、加硫接着剤と起伏ゲート用袋体とが同時に加硫されることによって、開口部材と起伏ゲート用袋体とが一体化され、金属製の開口部材は起伏ゲート用袋体の外部にある流体の流出入管とボルト締結することが可能となり、起伏ゲート用袋体と流体の流出入管とが一体的に接続されることが可能となる。したがって、高圧の流体が流出入管を経て起伏ゲート用袋体に流入又は流出する際にも、流体が起伏ゲート用袋体から漏洩する可能性がない。
【0017】
この発明に係る起伏ゲート用袋体の製造方法は、起伏ゲート用袋体をプレス加硫機を用いて加硫する際に、プレス加硫機による押圧方向と直交ないし交差する方向への起伏ゲート用袋体の変形を防止するための枠を有する金型が用いられて、起伏ゲート用袋体は加硫されていてもよい。
【0018】
この発明に係る起伏ゲート用袋体の製造方法によれば、起伏ゲート用袋体のプレス加硫機による加硫時に起伏ゲート用袋体の変形を防止することができる。
【0019】
この発明に係る起伏ゲート用袋体の製造方法は、本体部は、第1本体面と、第1本体面に接続する第2本体面と、第2本体面に第1本体面と反対側に接続する第3本体面と、第3本体面に第2本体面と反対側に接続する第4本体面と、第4本体面に第3本体面と反対側に接続する第5本体面と、によって構成され、フラップ部は、第1本体面、第2本体面及び第3本体面同士が接続されていない部位を挟むように接続する一対の第1フラップ面と、第3本体面、第4本体面及び第5本体面同士が接続されていない部位を挟むように接続する一対の第2フラップ面と、によって構成され、本体部を成形する工程は、第1本体面を第2本体面へ折り重ねる工程と、第1フラップ面及び第1本体面が載置する第2本体面を第3本体面へ折り重ねる工程と、第1フラップ面、第1本体面及び第2本体面が載置する第3本体面を第4本体面へ折り重ねる工程と、第5本体面を第1フラップ面、第2フラップ面、第1本体面、第2本体面及び第3本体面が載置する第4本体面へ折り重ねる工程と、を含み、フラップ部を本体部に重ねる工程は、第1フラップ面を第1本体面が載置する第2本体面へ折り重ねる工程と、第2フラップ面を第1フラップ面、第1本体面、第2本体面及び第3本体面が載置する第4本体面へ折り重ねる工程と、を含んでいてもよい。
【0020】
この発明に係る起伏ゲート用袋体の製造方法によれば、流体を収容するための空間から見て、本体部とフラップ部とを構成する袋体成形用シートが2層以上積層していることとなり、本体部の強度とフラップ部の強度とが向上することとなる。
したがって、起伏ゲート用袋体は、内部により高圧な流体を収容した場合でも流体が漏洩する可能性がない。
【発明の効果】
【0021】
したがって、本発明に係る起伏ゲート用袋体及びその製造方法によれば、加硫缶のみならずプレス加硫機によっても加硫を行うことができ、目張り等のシール部材を設けなくても内部に収容される流体が長期間に亘って漏洩する可能性がない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明に係る起伏ゲートの断面図であり、(A)は起立状態の断面図であり、(B)は倒伏状態の断面図である。
図2】本発明に係る第1の実施の形態における袋体成形用シートの展開図であり、(A)は平面視における図であり、(B)は側面視における図である。
図3】本発明に係る第1の実施の形態における袋体成形用シートに他の部材が載置されている状態を示す図であり、(A)は平面視における図であり、(B)は側面視における図である。
図4図3の状態の袋体成形用シートが折り返されていく過程の第1段階目の図であり、(A)は平面視における図であり、(B)は側面視における図である。(第1の折り)なお、図3で袋体成形用シートに載置されている他の部材の一部は省略して示してある。
図5図3の状態の袋体成形用シートが折り返されていく過程の第2段階目の図であり、(A)は平面視における図であり、(B)は側面視における図である。(第2の折り)
図6図3の状態の袋体成形用シートが折り返されていく過程の第3段階目の図であり、(A)は平面視における図であり、(B)は側面視における図である。(第3の折り)
図7図3の状態の袋体成形用シートが折り返されていく過程の第4段階目の図であり、(A)は平面視における図であり、(B)は側面視における図である。(第4の折り)
図8図3の状態の袋体成形用シートが折り返されていく過程の第5段階目の図であり、(A)は平面視における図であり、(B)は側面視における図である。(第5の折り)
図9】本発明に係る第1の実施の形態における起伏ゲート用袋体の図であるとともに、図3の状態の袋体成形用シートが折り返されていく過程の第6段階目の図であり、(A)は平面視における図であり、(B)は側面視における図である。(第6の折り)
図10】本発明に係る開口部材と開口部材補強材とが設けられた第1の実施の形態における起伏ゲート用袋体の平面図である。
図11】本発明に係る開口部材と開口部材補強材との拡大図であり、(A)は、図10の開口部材周辺の平面拡大図であり、(B)は、図10のV−V端面図である。
図12図9における左右方向の端面図であり、(A)はX−X端面図であり、(B)はY−Y端面図である。
図13図9における端面図であり、(A)はZ−Z端面図である。(B)は図9におけるW−W端面図である。
図14】本発明に係る第1の実施の形態における起伏ゲート用袋体が固定ベルトに挟みこまれた状態を示す図であり、(A)は平面図であり、(B)は(A)のU−U端面図である。なお、本図は、起伏ゲート用袋体及び固定ベルトが、水路の底部側から流体を流出入されるため、開口部材を下側にするために、上下が反転されて図示されている。
図15】本発明に係る第1の実施の形態における起伏ゲート用袋体の開口部材と流出入管との接続状態を示す拡大断面図である。
図16】本発明に係る第1の実施の形態における起伏ゲート用袋体が製造される工程を示す図である。
図17】本発明に係る第2の実施の形態における袋体成形用シートの展開図であり、(A)は平面視における図であり、(B)は側面視における図である。
図18】本発明に係る第2の実施の形態における袋体成形用シートに他の部材が載置されている状態を示す図であり、(A)は平面視における図であり、(B)は側面視における図である。
図19図18の状態の袋体成形用シートが折り返されていく過程の第1段階目の図であり、(A)は平面視における図であり、(B)は側面視における図である。(第1の折り)なお、図18で袋体成形用シートに載置されている他の部材の一部は省略して示してある。
図20図18の状態の袋体成形用シートが折り返されていく過程の第2段階目の図であり、(A)は平面視における図であり、(B)は側面視における図である。(第2の折り)
図21】本発明に係る第2の実施の形態における起伏ゲート用袋体の平面図であるとともに、図18の状態の袋体成形用シートが折り返されていく過程の第3段階目の図であり、(A)は平面視における図であり、(B)は側面視における図であり、(C)は(A)のWA−WA断面図である。(第3の折り)
図22】本発明に係る第2の実施の形態における起伏ゲート用袋体が製造される工程を示す図である。
図23】本発明に係る枠を有する金型の使用状態を示す斜視図である。
図24】本発明に係る袋体成形用シートがオーバーラップされて形成され、更に増厚ゴムで平滑化された状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下に示す実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0024】
以下の説明において使用される方向を次のように定義する。起伏ゲートを上流側から見た場合を起伏ゲートの正面とし、起伏ゲートを下流側から見た場合を起伏ゲートの背面とする。また、起伏ゲートを上流側から見た場合における左を左とし、右を右とする。また、起伏ゲート用袋体が成形される前の袋体成形用シートにおいて、第5本体面側を手前側とし、第1本体面側を向こう側又は後側とし、第5本体面側から見て左を左とし、右を右とする。また、収容空間部Sから見て鉛直方向上側を上側とし、収容空間部Sから見て鉛直方向下側を下側とする。起伏ゲート用袋体の収容空間部S側を内面側とし、収容空間部Sから見て起伏ゲート用袋体の外面側を外面側とする。
また、以下の説明において示される数値又は寸法は、一例としての数値又は寸法であり、この数値又は寸法に限定されるものではない。
【0025】
図1に示すように、起伏ゲート1は、水路の底部rb上に設けられており、扉体2を所定の傾斜角度に起立することで、水路に流れる水流を制御してその流量を一定程度に抑え、倒伏することで、水流を上流から下流に円滑に流すための、可動式の堰である。起伏ゲート1は、起伏ゲート用袋体10(10A)と扉体2と扉体留具3と定着部4と下部戸当り5と側部戸当り6と開度計7とにより構成される。
【0026】
扉体2は、鋼製であり、水路の水流を一定程度堰き止めるための堰として必要な強度と剛性とを有している部材である。扉体2は、水路の底部rbに、起立位置と倒伏位置との間で回動可能に取り付けられている。扉体2は、水路の底部rbに対して所定の傾斜角度例えば60度起立することで、水流を堰き止める。扉体2は、スキンプレート2aと補強リブ2bとにより構成される。スキンプレート2aは、扉体2の本体であり、扉体2が水流に対して抗うため、水路の左右方向にのびる部材である。補強リブ2bは、スキンプレート2aの強度と剛性とを向上するために、スキンプレート2aの正面側にスキンプレート2aの下端から上端にのびるように取り付けられている板状の部材である。扉体2の側部(図示しない)は、シール部材(図示しない)を介して側部戸当り6と摺動可能に接触することにより、扉体2の起立後又は起立途中において、扉体2の側部の水密を保持する。
【0027】
扉体留具3は、両端が扉体2の上端と水路の底部rbとに接続されて、扉体2が所定の角度例えば60度まで起立した場合に、それ以上起立することのないよう制限するための部材である。扉体留具3は、例えばナイロン繊維で強化されたゴム引布を帯状に成形した部材である。
【0028】
定着部4は、下部戸当り5と扉体2とに連結し、扉体2と下部戸当り5とを係留するとともに、扉体2の下部の水密を保持するためのゴム引布製の部材である。
【0029】
下部戸当り5は、水路の底部rbに設けられた構造物であり、扉体2の倒伏時には、扉体2の下端と略接触して扉体2と水路の底部rbとが面一となり、扉体2の起立時には、扉体2の下端に定着部4を介して接続し、扉体2の下部の水密を保持する。
【0030】
側部戸当り6は、その長手方向が水流の方向であるように、水路の幅の両側に並列するように設けられており、略板形状のステンレス鋼板である。側部戸当り6は、扉体2の側部(図示しない)とシール部材(図示しない)を介して接触することにより、扉体2の水密を保持する。
【0031】
開度計7は、扉体2の傾斜角度を検出する計測装置である。起伏ゲート1は、水路に流れる水流の流量を扉体2の傾斜角度によって制御するが、扉体2の傾斜角度は、起伏ゲート用袋体10の膨張度に応じて定まる。開度計7は、起伏ゲート用袋体10への流体の流入量を制御する制御装置(図示しない)に電気的に接続され、制御装置へ扉体2の傾斜角度に関する情報を出力する。
【0032】
起伏ゲート用袋体10(10A)は、袋体成形用シート12(12A)を用いて袋状に成形され、図9図21)に示すように、本体部14とフラップ部16と境界18とを備える。起伏ゲート用袋体10(10A)は、流体を本体部14の内側に形成された収容空間部Sに収容可能であるように形成されている。起伏ゲート用袋体10(10A)は、扉体2の起立又は倒伏を行うために、扉体2を背面側から支持するための部材である。起伏ゲート用袋体10(10A)は、流体を本体部14の収容空間部Sに流入し又は収容空間部Sから流出することで膨張又は収縮を行う。起伏ゲート用袋体10(10A)は、固定ベルト200に挟み込まれて、扉体2の背面側で、下部戸当り5に取付用ボルト(図示しない)を用いて取り付けられた固定ベルト200を介して、取り付けられる。起伏ゲート用袋体10の寸法は、例えば、左右方向の幅は8400mmであり、前後方向の長さは2250mmであり、収縮状態での上下方向の厚みは25.5mmである。
【0033】
以下、起伏ゲート用袋体10(10A)の実施の形態を、第1の実施の形態である起伏ゲート用袋体10と、第2の実施の形態である起伏ゲート用袋体10Aと、に分けて説明する。第1の実施の形態は、起伏ゲート用袋体10成形前の袋体成形用シート12の本体面122が5つの面から構成されるものであり、第2の実施の形態は、起伏ゲート用袋体10A成形前の袋体成形用シート12Aの本体面122が3つの面から構成されるものである。起伏ゲート用袋体10、10Aの、収容空間部Sから見て第1本体面aが配置される側をa側とし、収容空間部Sから見て第2本体面bが配置される側をb側とする。
【0034】
<第1の実施の形態>
(袋体成形用シート)
袋体成形用シート12は、略一辺の長さが10m程度の1枚の大型シートであり、折り返されて又は湾曲されて重ねられることで、起伏ゲート用袋体10を成形するための部材である。袋体成形用シート12は、1枚のゴム引布で形成され、又は、複数枚のゴム引布をオーバーラップして形成されている。ゴム引布は、ナイロン繊維を平織りされて作られた帆布の両面を接着ゴム、一般的に例えばEPDMと天然ゴムとが配合されたゴムで挟んで形成された矩形かつシート状の部材である。1枚のゴム引布の左右方向の幅は、例えば2000mmであり、厚みは、例えば2mmである。複数枚のゴム引布をオーバーラップして形成された袋体成形用シート12は、図24に示す断面形状のように、接合部12sと非接合部12tとを有する。接合部12sの左右方向の幅は、例えば200mmであり、非接合部12tの左右方向の幅は、例えば1600mmである。非接合部12t上には、増厚ゴム121が載置され、接合部12sと非接合部12tとは、平滑化されている。平滑化後の袋体成形用シート12の厚みは、例えば4mmである。袋体成形用シート12の平面形状は、例えば、図2(A)のような形状である。
【0035】
図2に示すように、袋体成形用シート12は、起伏ゲート用袋体10の本体部14を構成する本体面122と、起伏ゲート用袋体10のフラップ部16を構成するフラップ面124と、を有する。袋体成形用シート12は、本体面122である第1本体面aと第2本体面bと第3本体面cと第4本体面dと第5本体面eと、フラップ面124である左側の第1フラップ面f1と右側の第1フラップ面f2と左側の第2フラップ面g1と右側の第2フラップ面g2と、により構成される。
第1本体面aと第2本体面bと第3本体面cと第4本体面dと第5本体面eとのそれぞれの形状は、左右方向にのびる矩形である。第1本体面aと第2本体面bと第3本体面cと第4本体面dと第5本体面eとのそれぞれの寸法は、例えば、左右方向の幅がそれぞれ8400mmであり、前後方向の長さが、それぞれ、2230mmと2230mmと2245mmと2250mmと725mmとである。第1本体面aと第2本体面bと第3本体面cと第4本体面dと第5本体面eとは、向こう側から手前側に向かって、それぞれ順次接続している。つまり、第1本体面aに手前側に第2本体面bが接続し、第2本体面bに、第1本体面aと反対側である手前側に第3本体面cが接続し、第3本体面cに、第2本体面bと反対側である手前側に第4本体面dが接続し、第4本体面dに、第3本体面cと反対側である手前側に第5本体面eが接続している。
左側の第1フラップ面f1と右側の第1フラップ面f2とのそれぞれの形状は、前後方向にのびる矩形であり、かつ、同形状である。左側の第1フラップ面f1と右側の第1フラップ面f2との寸法は、例えば、左右方向の幅は200mmであり、前後方向の長さは2645mmである。左側の第2フラップ面g1と右側の第2フラップ面g2とのそれぞれの形状は、矩形であり、かつ、同形状である。左側の第2フラップ面g1と右側の第2フラップ面g2との寸法は、例えば、左右方向の幅は400mmであり、前後方向の長さは3075mmである。左側の第1フラップ面f1は、第1本体面aの左側端縁の手前側の途中から第1本体面aの左側に一体的に接続し、続いて、第2本体面bの左側に接続し、続いて、第3本体面cの左側端縁の向こう側の途中まで第3本体面cの左側に一体的に接続する。同様に、右側の第1フラップ面f2は、第1本体面aの右側端縁の手前側の途中から第1本体面aの右側に一体的に接続し、続いて、第2本体面bの右側に接続し、続いて、第3本体面cの右側端縁の向こう側の途中まで第3本体面cの右側に一体的に接続する。また、左側の第2フラップ面g1は、第3本体面cの左側端縁の手前側の途中から第3本体面cの左側に一体的に接続し、続いて、第4本体面dの左側に接続し、続いて、第5本体面eの左側端縁の向こう側の途中まで第5本体面eの左側に一体的に接続する。同様に、右側の第2フラップ面g2は、第3本体面cの右側端縁の手前側の途中から第3本体面cの右側に一体的に接続し、続いて、第4本体面dの右側に接続し、続いて、第5本体面eの右側端縁の向こう側の途中まで第5本体面eの右側に一体的に接続する。つまり、左側の第1フラップ面f1と右側の第1フラップ面f2とは、第1本体面aの一部、第2本体面b及び第3本体面cの一部同士の接続されていない部位を挟むように接続する一対のフラップ面124である。左側の第2フラップ面g1と右側の第2フラップ面g2とは、第3本体面cの一部、第4本体面d及び第5本体面eの一部同士の接続されていない部位を挟むように接続する一対のフラップ面124である。
【0036】
図2に示す袋体成形用シート12は、その外周縁として、第1本体面aの向こう側で左右方向にのびる外周縁12j1と、第1本体面aの左側で前後方向にのびる外周縁12j2と、左側の第1フラップ面f1の向こう側で左右方向であって第1本体面aから左に離れる向きにのびる外周縁12j3と、左側の第1フラップ面f1の左側で前後方向にのびる外周縁12j4と、左側の第1フラップ面f1の手前側で左右方向であって第3本体面cから左に離れる向きにのびる外周縁12j5と、第3本体面aの左側で前後方向にのびる外周縁12j6と、左側の第2フラップ面g1の向こう側で左右方向であって第3本体面cから左に離れる向きにのびる外周縁12j7と、左側の第2フラップ面g1の左側で前後方向にのびる外周縁12j8と、左側の第2フラップ面g1の手前側で左右方向であって第5本体面eから左に離れる向きにのびる外周縁12j9と、第5本体面eの左側で前後方向にのびる外周縁12j10と、第5本体面eの手前側で左右方向にのびる外周縁12j11と、第5本体面eの右側で前後方向にのびる外周縁12j12と、右側の第2フラップ面g2の手前側で左右方向であって第5本体面eから右に離れる向きにのびる外周縁12j13と、右側の第2フラップ面g2の右側で前後方向にのびる外周縁12j14と、右側の第2フラップ面g2の向こう側で左右方向であって第3本体面cから右に離れる向きにのびる外周縁12j15と、第3本体面cの右側で前後方向にのびる外周縁12j16と、右側の第1フラップ面f2の手前側で左右方向であって第3本体面cから右に離れる向きにのびる外周縁12j17と、右側の第1フラップ面f2の右側で前後方向にのびる外周縁12j18と、右側の第1フラップ面f2の向こう側で左右方向であって第1本体面aから右に離れる向きにのびる外周縁12j19と、第1本体面aの右側で前後方向にのびる外周縁12j20と、を備える。
【0037】
袋体成形用シート12は、折り返されて又は湾曲されて袋状に成形されるが、折り返す又は湾曲することにより、折線m1と折線m2と折線m3と折線m4と折線n1と折線n2と折線n3と折線n4とが形成される。詳細は、後述する。
【0038】
(本体部)
図9及び図10に示すように、本体部14は、起伏ゲート用袋体10が膨張する際に流体を収容する起伏ゲート用袋体10の本体となる部分である。つまり、本体部14は、袋体成形用シート12の本体面122を対向させてその内側に流体を収容するための空間である収容空間部Sを形成する。本体部14は、起伏ゲート用袋体10の収縮時における平面視において、概ね方形である。図9及び図12の起伏ゲート用袋体10の本体部14は、X−X端面において、収容空間部Sを挟んで上側で第1本体面aと第3本体面cとの2層、Y−Y端面において、上側で第1本体面aと第3本体面cと第5本体面eとの3層、下側で第2本体面bと第4本体面dとの2層積層されている。つまり、図9の起伏ゲート用袋体10の本体部14は、第1本体面aと第2本体面bと第3本体面cと第4本体面dと第5本体面eとで構成されている。図9の起伏ゲート用袋体10の本体部14は、収容空間部Sから見て、下側で2層、上側で2層又は3層積層されているので、後述する図21の起伏ゲート用袋体10の本体部14よりも強度が向上されており、内部の収容空間部Sにより高圧な流体を収容した場合でも流体が漏洩する可能性がない。
本体部14の詳細な構造は、後述する。
【0039】
(フラップ部)
図9及び図10に示すように、フラップ部16は、本体部14から外方に向けて延び、本体部14に被さるように境界18で折り返され及び/又は湾曲され本体部14に加硫接着されて本体部14を密封する。
図9及び図10の起伏ゲート用袋体10のフラップ部16は、図2のフラップ面124である左側の第1フラップ面f1と右側の第1フラップ面f2と左側の第2フラップ面g1と右側の第2フラップ面g2とで構成されており、境界18を隔てて本体部14から連続して延びており、図12(A)に示すように、左側の第1フラップ面f1と右側の第1フラップ面f2とが下側に位置する第2本体面b側から延びて上側に位置する第1本体面a側に被さり、左側の第2フラップ面g1と右側の第2フラップ面g2とが下側に位置する第4本体面d側から上側に位置する第3本体面c側に被さることにより形成される。
図9の起伏ゲート用袋体10のフラップ部16は、収容空間部Sから見て、図12に示すように、2層積層されているので、後述する図21の起伏ゲート用袋体10のフラップ部16よりも強度が向上されており、内部の収容空間部Sにより高圧な流体を収容した場合でも流体が漏洩する可能性がない。
フラップ部16の詳細な構造は、後述する。
【0040】
(境界)
図9及び図10に示すように、境界18は、本体部14とフラップ部16との境に形成される境界であり、フラップ部16の本体部14への折り返し及び/又は湾曲の際に、その目安となる線分である。境界18は、成形後の起伏ゲート用袋体10における左右方向の両側にある端縁である。
図9に示すように、境界18は、手前側に位置する始点18sと、向こう側に位置する終点18eと、を含んでいる。
後述するように、図9の起伏ゲート用袋体10に成形される前の図2の袋体成形用シート12上で始点18sとなるべき点は、交点X12と交点X22と交点X34と交点X44とである。図9の起伏ゲート用袋体10に成形される前の図2の袋体成形用シート12上で終点18eとなるべき点は、交点X11と交点X21と交点X33と交点X43とである。図2に示すように、交点X11、交点X12、交点X21、交点X22、交点X33、交点X34、交点X43及び交点X44は、袋体成形用シート12の外周縁12jN(N=1〜20)よりも内側に位置し、袋体成形用シート12の外周縁12jN(N=1〜20)から離隔している。つまり、始点18sと終点18eとは、袋体成形用シート12で連続的に形成されており、孔が開いていない構造となっている。これにより、起伏ゲート用袋体10は、四隅に相当する始点18s及び終点18eにおいて、目張り等のシール部材を設けなくても、長期間に亘って流体の漏洩する要因を排除することができる。
【0041】
図2図3及び図4に示すように、第1本体面aと第2本体面bとの境は、袋体成形用シート12を折り返して又は湾曲させて、第1本体面aと第2本体面bとを対向させる際の折線m1の一部となる。つまり、第1本体面aを第2本体面bに折り返す又は湾曲することにより形成される折線m1が、第1本体面aと第2本体面bとの境となっている。ここで、図3に示すように、第1本体面aを第2本体面bに向かって折り返す又は湾曲する際に、外周縁12j3及び外周縁12j19の延長線上で折り返す又は湾曲するのではなく、外周縁12j3及び外周縁12j19の延長線よりも若干手前側に折線が形成されるように、折り返す又は湾曲する。さらに、折線m1は、第1本体面aと第2本体面bとの境の左側の第1フラップ面f1への延長線上であって、左側の第1フラップ面f1の外周縁12j3と外周縁12j5との間に、形成される。同様に、折線m1は、第1本体面aと第2本体面bとの境の右側の第1フラップ面f2への延長線上であって、右側の第1フラップ面f2の外周縁12j19と外周縁12j17との間に、形成される。
【0042】
図2図5及び図6に示すように、第2本体面bと第3本体面cとの境は、第1本体面aと対向する第2本体面bを備える袋体成形用シート12を折り返して又は湾曲させて、第1本体面aを第3本体面cに重ねるように接触させ、第2本体面bと第1本体面a及び第3本体面cとを対向させる際の折線m2の一部となる。つまり、第2本体面bを第3本体面cに折り返す又は湾曲することにより形成される折線m2が、第2本体面bと第3本体面cとの境となっている。ここで、図5に示すように、第1本体面aと対向する第2本体面bを第3本体面cに向かって折り返す又は湾曲する際に、外周縁12j5及び外周縁12j17の延長線上で折り返す又は湾曲するのではなく、外周縁12j5及び外周縁12j17の延長線よりも若干向こう側に折線が形成されるように、折り返す又は湾曲する。さらに、折線m2は、第2本体面bと第3本体面cとの境の左側の第1フラップ面f1への延長線上であって、左側の第1フラップ面f1の外周縁12j3と外周縁12j5との間に、形成される。同様に、折線m2は、第2本体面bと第3本体面cとの境の右側の第1フラップ面f2への延長線上であって、右側の第1フラップ面f2の外周縁12j19と外周縁12j17との間に、形成される。
【0043】
図2図6及び図7に示すように、第3本体面cと第4本体面dとの境は、第2本体面bと対向する第1本体面a及び第3本体面cを備える袋体成形用シート12を折り返して又は湾曲させて、第2本体面bを第4本体面dに重ねるように接触させ、第1本体面a及び第3本体面cと第2本体面b及び第4本体面dとを対向させる際の折線m3の一部となる。つまり、第3本体面cを第4本体面dに折り返す又は湾曲することにより形成される折線m3が、第3本体面cと第4本体面dとの境となっている。ここで、図6に示すように、第2本体面bと対向する第1本体面a及び第3本体面cを第4本体面dに向かって折り返す又は湾曲する際に、外周縁12j7及び外周縁12j15の延長線上で折り返す又は湾曲するのではなく、外周縁12j7及び外周縁12j15の延長線よりも若干手前側に折線が形成されるように、折り返す又は湾曲する。さらに、折線m3は、第3本体面cと第4本体面dとの境の左側の第2フラップ面g1への延長線上であって、左側の第2フラップ面g1の外周縁12j7と外周縁12j9との間に、形成される。同様に、折線m3は、第3本体面cと第4本体面dとの境の右側の第2フラップ面g2への延長線上であって、右側の第2フラップ面g2の外周縁12j15と外周縁12j13との間に、形成される。
【0044】
図2図8及び図9に示すように、第4本体面dと第5本体面eとの境は、第2本体面b及び第4本体面dと対向する第1本体面a及び第3本体面cを備える袋体成形用シート12を折り返して又は湾曲させて、第3本体面cを第5本体面eに重ねるように接触させ、第2本体面b及び第4本体面dと第1本体面a、第3本体面c及び第5本体面eとを対向させる際の折線m4の一部となる。つまり、第4本体面dを第5本体面eに折り返す又は湾曲することにより形成される折線m4が、第4本体面dと第5本体面eとの境となっている。ここで、図8に示すように、第2本体面b及び第4本体面dと対向する第1本体面a及び第3本体面cを第5本体面eに向かって折り返す又は湾曲する際に、外周縁12j9及び外周縁12j13の延長線上で折り返す又は湾曲するのではなく、外周縁12j9及び外周縁12j13の延長線よりも若干向こう側に折線が形成されるように、折り返す又は湾曲する。さらに、折線m4は、第4本体面dと第5本体面eとの境の左側の第2フラップ面g1への延長線上であって、左側の第2フラップ面g1の外周縁12j7と外周縁12j9との間に、形成される。同様に、折線m4は、第4本体面dと第5本体面eとの境の右側の第2フラップ面g2への延長線上であって、右側の第2フラップ面g2の外周縁12j15と外周縁12j13との間に、形成される。
【0045】
図2に示すように、折線m1と折線m2とによって、左側の第1フラップ面f1は、向こう側から、第1フラップ面構成部f1aと第1フラップ面構成部f1bと第1フラップ面構成部f1cとに分割される。同様に、折線m1と折線m2とによって、右側の第1フラップ面f2は、向こう側から、第1フラップ面構成部f2aと第1フラップ面構成部f2bと第1フラップ面構成部f2cとに分割される。また、折線m3と折線m4とによって、左側の第2フラップ面g1は、向こう側から、第2フラップ面構成部g1cと第2フラップ面構成部g1dと第2フラップ面構成部g1eとに分割される。同様に、折線m3と折線m4とによって、右側の第2フラップ面g2は、向こう側から、第2フラップ面構成部g2cと第2フラップ面構成部g2dと第2フラップ面構成部g2eとに分割される。
【0046】
図2図4及び図5に示すように、左側の第1フラップ面f1と、第1本体面a、第2本体面b及び第3本体面cと、の境は、折線n1となる。そして、当該境である折線n1は、起伏ゲート用袋体10の境界18の一部を構成する。図4及び図5に示すように、折線n1は、第1本体面aと対向する第2本体面bを備える袋体成形用シート12の左側の第1フラップ面f1を折り返して又は湾曲させて、左側の第1フラップ面f1の第1フラップ面構成部f1a及び第1フラップ面構成部f1bを第1本体面aに重ねるように接触させ、同時に、第1フラップ面構成部f1cを第3本体面cに重ねるように接触させ、対向し合っている第1本体面aと第2本体面bとの左右方向の非接続部分を左側から封止する際に形成される折線である。
【0047】
図2図4及び図5に示すように、右側の第1フラップ面f2と、第1本体面a、第2本体面b及び第3本体面cと、の境は、折線n2となる。そして、当該境である折線n2は、起伏ゲート用袋体10の境界18の一部を構成する。図4及び図5に示すように、折線n2は、第1本体面aと対向する第2本体面bを備える袋体成形用シート12の右側の第1フラップ面f2を折り返して又は湾曲させて、右側の第1フラップ面f2の第1フラップ面構成部f2a及び第1フラップ面構成部f2bを第1本体面aに重ねるように接触させ、同時に、第1フラップ面構成部f2cを第3本体面cに重ねるように接触させ、対向し合っている第1本体面aと第2本体面bとの左右方向の非接続部分を右側から封止する際に形成される折線である。
【0048】
図2図7及び図8に示すように、左側の第2フラップ面g1と、第3本体面c、第4本体面d及び第5本体面eと、の境は、折線n3となる。そして、当該境である折線n3は、起伏ゲート用袋体10の境界18の一部を構成する。図7及び図8に示すように、折線n3は、第2本体面b及び第4本体面dと対向する第1本体面a及び第3本体面cを備える袋体成形用シート12の左側の第2フラップ面g1を折り返して又は湾曲させて、左側の第2フラップ面g1の第2フラップ面構成部g1c及び第2フラップ面構成部g1dを第3本体面cに重ねるように接触させ、同時に、第2フラップ面構成部g1eを第5本体面eに重ねるように接触させ、重なり合っている第1本体面aと第3本体面cとの左右方向の非接続部分を左側から封止するとともに左側の第1フラップ面f1の上から封止を更に強める際に形成される折線である。
【0049】
図2図7及び図8に示すように、右側の第2フラップ面g2と、第3本体面c、第4本体面d及び第5本体面eと、の境は、折線n4となる。そして、当該境である折線n4は、起伏ゲート用袋体10の境界18の一部を構成する。図7及び図8に示すように、折線n4は、第2本体面b及び第4本体面dと対向する第1本体面a及び第3本体面cを備える袋体成形用シート12の右側の第2フラップ面g2を折り返して又は湾曲させて、右側の第2フラップ面g2の第2フラップ面構成部g2c及び第2フラップ面構成部g2dを第3本体面cに重ねるように接触させ、同時に、第2フラップ面構成部g2eを第5本体面eに重ねるように接触させ、重なり合っている第1本体面aと第3本体面cとの左右方向の非接続部分を右側から封止するとともに右側の第1フラップ面f2の上から封止を更に強める際に形成される折線である。
【0050】
図2に示すように、袋体成形用シート12の折線n1と折線m1とは、交点X11を形成している。折線n1と折線m2とは、交点X12を形成している。折線n2と折線m1とは、交点X21を形成している。折線n2と折線m2とは、交点X22を形成している。折線n3と折線m3とは、交点X33を形成している。折線n3と折線m4とは、交点X34を形成している。折線n4と折線m3とは、交点X43を形成している。折線n4と折線m4とは、交点X44を形成している。
【0051】
交点X11と交点X12と交点X21と交点X22と交点X33と交点X34と交点X43と交点X44とは、袋体成形用シート12の外周縁12jN(N=1〜20)のいずれにも接しておらず離隔しており、袋体成形用シート12の外周縁12jN(N=1〜20)よりも内側に位置している。
【0052】
(複数枚のゴム引布により形成された袋体成形用シートの構造)
図24に示すように、複数枚のゴム引布をオーバーラップして形成された袋体成形用シート12の非接合部12t上には、増厚ゴム121が載置され、接合部12sと非接合部12tとは、平滑化されている。増厚ゴム121は、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(以下「EPDM」という。) と天然ゴムとが配合されたシート状のゴム部材である。増厚ゴム121の厚みは、ゴム引布と同じであり、例えば2mmである。増厚ゴムによって、複数枚のゴム引布をオーバーラップして形成された袋体成形用シート12は、簡単に平滑化される。増厚ゴム121を用いることによって平滑化された袋体成形用シート12を用いて上記の構造を有する起伏ゲート用袋体10を成形することとすれば、シール部材を設ける必要がないため、成形後の起伏ゲート用袋体の側面視における段差は、簡単に平滑化されていることとなる。したがって、起伏ゲート用袋体10は、加硫缶のみならずプレス加硫機によっても加硫を行うことができる。
【0053】
(本体部の内面側に設けられる部材)
図3及び図12に示すように、起伏ゲート用袋体10の本体部14の内面を構成する上側の第1本体面a及び下側の第2本体面bの更に内面側には、シート状のゴム部材である内層ゴム126iが内接するように設けられている。又は、当該内面側には、接着ゴムが内接するように設けられていても構わない。内層ゴム126iは、一般的に例えばEPDMと天然ゴムとが配合されたゴムである。内層ゴム126iは、起伏ゲート用袋体10が膨張するために本体部14が収容する流体、例えば空気及び結露水が本体部14の内面を構成する袋体成形用シート12の第1本体面a及び第2本体面bに直接接触し、酸化するなどして、その耐久性を低下することを防止するための部材であり、耐候性及び耐オゾン性を備えたゴムであり、さらに、ゴム引布の補強繊維であるナイロン繊維の保護機能に加えて気密性を備えたゴムである。内層ゴム126iが袋体成形用シート12の第1本体面aと第2本体面bとに全面に広がって載置されてから、袋体成形用シート12が起伏ゲート用袋体10に成形されることによって、内層ゴム126iは、起伏ゲート用袋体10の本体部14の内面側に設けられる。
【0054】
図3及び図12に示すように、本体部14は、本体部14の内面側であってb側に設けられた内層ゴム126iに内接するように、シート状離型剤接着用引布127が設けられている。シート状離型剤接着用引布127は、後述するシート状離型剤128を本体部14の内面側に接着するための部材である。シート状離型剤接着用引布127は、例えば、ナイロン繊維を平織りされて作られた帆布である。シート状離型剤接着用引布127が袋体成形用シート12の第2本体面b上の内層ゴム126iに全面に広がって載置されてから、袋体成形用シート12は起伏ゲート用袋体10に成形される。つまり、袋体成形用シート12の主面のうちの本体部14の内面となる部分にシート状離型剤接着用引布127が設けられる。
【0055】
図3及び図12に示すように、さらに、本体部14は、本体部14の内面側であってb側に設けられたシート状離型剤接着用引布127に内接するように、シート状離型剤128が設けられている。シート状離型剤128は、例えば、シリコンゴムで作られたシートであり、又は、ブチルゴムで作られたシートである。シリコンゴムとブチルゴムとは、ゴム同士の接着を防止する離型剤の一つである。シート状離型剤128がシート状離型剤接着用引布127の全面に広がって載置されてから、袋体成形用シート12は起伏ゲート用袋体10に成形される。言い換えれば、シート状離型剤接着用引布127上にシート状離型剤128が設けられてから、袋体成形用シート12は起伏ゲート用袋体10に成形される。
つまり、シート状離型剤128は、成形後の起伏ゲート用袋体10の本体部14の内面側にシート状離型剤接着用引布127を介して内接するように配置されることとなる。
したがって、成形後の本体部14の内面を構成する上側の第1本体面aを形成する袋体成形用シート12と下側の第2本体面bを形成する袋体成形用シート12とがシート状離型剤128を挟んでいることから、ゴム引布(ナイロン繊維を平織りされて作られた帆布の両面を接着ゴム、一般的に例えばEPDMと天然ゴムとが配合されたゴムで挟んで形成された矩形かつシート状の部材)で形成された上側の袋体成形用シート12と、同じくゴム引布(ナイロン繊維を平織りされて作られた帆布の両面を接着ゴム、一般的に例えばEPDMと天然ゴムとが配合されたゴムで挟んで形成された矩形かつシート状の部材)で形成された下側の袋体成形用シート12とは、加硫時に加硫接着する可能性がない。
【0056】
(起伏ゲート用袋体の構造)
以下、図12(A)、図12(B)、図13(A)及び図13(B)を用いて、第1の実施の形態における起伏ゲート用袋体10の構造を、詳細に説明する。
図12(A)は、図9のX−X端面図である。図12(B)は、図9のY−Y端面図である。図13(A)は、図9のZ−Z端面図である。図13(B)は、図9のW−W端面図である。なお、図12(A)等における太い実線は、袋体成形用シート12を示している。図12(A)等は、起伏ゲート用袋体10の成形後加硫前の構造を模式的に示しており、収容空間部S以外の袋体成形用シート12の間の隙間は、加硫接着前の構造を模式的に示すために描かれており、実際には、接触状態である。また、図12(A)等の起伏ゲート用袋体10の中央付近に、流体を収容する空間である収容空間部Sが存在することを表現するために、起伏ゲート用袋体10を上下に若干膨らませた状態で図示しているが、袋体成形用シート12を折り返して及び/又は湾曲して起伏ゲート用袋体10を成形した段階では、実際には、収容空間部Sが潰れており、起伏ゲート用袋体10は側面視において略平滑な形状となっている。また、袋体成形用シート12の積層枚数の違いによる若干の段差は、実際には、増厚ゴムを用いて平滑化されている。さらに、図12(A)等は、第1フラップ面f1、f2と第2フラップ面g1、g2とが、上下にのびた形状で描かれているが、起伏ゲート用袋体10が模式的に図示されているためであり、実際にはのびていない。
【0057】
図12(A)に示すように、左右方向の中心付近における成形後加硫前の起伏ゲート用袋体10は、下側から順番に、第4本体面dと第2本体面bと内層ゴム126iとシート状離型剤接着用引布127とシート状離型剤128と、収容空間部Sを隔てて、開口部材補強材1421と内層ゴム126iと第1本体面aと第3本体面cと、が積層されている。下側に位置する第4本体面dと第2本体面bと、上側に位置する第1本体面aと第3本体面cと、は、内部に収容空間部Sを形成するように、本体部14の一部を構成している。さらに、左側の第1フラップ面f1の第1フラップ面構成部f1bは、第2本体面bの左側端縁から延びて、折線n1を介して、第1本体面aの左側端縁及び上面に被さるように接触して、本体部14の左側を封止する。左側の第2フラップ面g1の第2フラップ面構成部g1dは、第4本体面dの左側端縁から延びて、折線n3を介して、第3本体面cの左側端縁及び上面に被さるように接触して、左側の第1フラップ面f1の更に左側から本体部14の左側を封止する。同様に、右側の第1フラップ面f2の第1フラップ面構成部f2bは、第2本体面bの右側端縁から延びて、折線n2を介して、第1本体面aの右側端縁及び上面に被さるように接触して、本体部14の右側を封止する。右側の第2フラップ面g2の第2フラップ面構成部g2dは、第4本体面dの右側端縁から延びて、折線n4を介して、第3本体面cの右側端縁及び上面に被さるように接触して、右側の第1フラップ面f2の更に右側から本体部14の右側を封止する。本体部14の左側に位置する第1フラップ面構成部f1bと第2フラップ面構成部g1dと、本体部14の右側に位置する第1フラップ面構成部f2bと第2フラップ面構成部g2dと、は、フラップ部16の一部を構成している。
図12(A)に示すように、収容空間部Sから見て、起伏ゲート用袋体10は、加硫されることによって、上下左右を本体部14とフラップ部16とにより封止される。フラップ部16は、本体部14に被さるように境界18で折り返され及び/又は湾曲され本体部14に加硫接着されて本体部14を密封する。
【0058】
図12(B)に示すように、成形後加硫前の起伏ゲート用袋体10の手前側端縁近傍を左右方向に切断したY−Y端面図において、手前側かつ左右方向の中心付近における成形後加硫前の起伏ゲート用袋体10は、下側から順番に、第4本体面dと第2本体面bと内層ゴム126iとシート状離型剤接着用引布127とシート状離型剤128と、収容空間部Sを隔てて、内層ゴム126iと第1本体面aと第3本体面cと第5本体面eと、が積層されている。本体部14は、下側に位置する第4本体面dと第2本体面bと、上側に位置する第1本体面aと第3本体面cと第5本体面eと、は、内部に収容空間部Sを形成するように、本体部14を構成している。
さらに、左側の第1フラップ面f1の第1フラップ面構成部f1bは、第2本体面bの左側端縁から延びて、折線n1を介して、第1本体面aの左側端縁及び上面に被さるように接触して、本体部14の左側を封止する。左側の第1フラップ面f1の第1フラップ面構成部f1cは、第3本体面cの左側端縁から延びて、折線n1を介して、第3本体面cの下面と第1フラップ面構成部f1bの上面との間に入り込み、第3本体面cの下面と第1フラップ面構成部f1bの上面とに接触する。左側の第2フラップ面g1の第2フラップ面構成部g1dは、第4本体面dの左側端縁から延びて、折線n3を介して、第3本体面cの左側端縁及び上面に被さるように接触して、左側の第1フラップ面f1の更に左側から本体部14の左側を封止する。左側の第2フラップ面g1の第2フラップ面構成部g1eは、第5本体面eの左側端縁から延びて、折線n3を介して、第5本体面eの下面と第2フラップ面構成部g1dの上面との間に入り込み、第5本体面eの下面と第2フラップ面構成部g1dの上面とに接触する。同様に、右側の第1フラップ面f2の第1フラップ面構成部f2bは、第2本体面bの右側端縁から延びて、折線n2を介して、第1本体面aの右側端縁及び上面に被さるように接触して、本体部14の右側を封止する。右側の第1フラップ面f2の第1フラップ面構成部f2cは、第3本体面cの右側端縁から延びて、折線n2を介して、第3本体面cの下面と第1フラップ面構成部f2bの上面との間に入り込み、第3本体面cの下面と第1フラップ面構成部f2bの上面とに接触する。右側の第2フラップ面g2の第2フラップ面構成部g2dは、第4本体面dの右側端縁から延びて、折線n4を介して、第3本体面cの右側端縁及び上面に被さるように接触して、右側の第1フラップ面f2の更に右側から本体部14の右側を封止する。右側の第2フラップ面g2の第2フラップ面構成部g2eは、第5本体面eの右側端縁から延びて、折線n4を介して、第5本体面eの下面と第2フラップ面構成部g2dの上面との間に入り込み、第5本体面eの下面と第2フラップ面構成部g2dの上面とに接触する。本体部14の左側に位置する第1フラップ面構成部f1bと第1フラップ面構成部f1cと第2フラップ面構成部g1dと第2フラップ面構成部g1eと、本体部14の右側に位置する第1フラップ面構成部f2bと第1フラップ面構成部f2cと第2フラップ面構成部g2dと第2フラップ面構成部g2eと、は、フラップ部16の一部を構成している。
図12(B)に示すように、収容空間部Sから見て、起伏ゲート用袋体10は、加硫されることによって、上下左右を本体部14とフラップ部16とにより封止される。つまり、フラップ部16は、本体部14に被さるように境界18で折り返され及び/又は湾曲され本体部14に加硫接着されて本体部14を密封する。
【0059】
図13(A)に示すように、右側かつ前後方向の中心付近における成形後加硫前の起伏ゲート用袋体10は、下側から順番に、第4本体面dと第2本体面bと内層ゴム126iとシート状離型剤接着用引布127とシート状離型剤128と、収容空間部Sを隔てて、内層ゴム126iと第1本体面aと右側の第1フラップ面f2の第1フラップ面構成部f2bと第3本体面cと右側の第2フラップ面g2の第2フラップ面構成部g2dと、が積層されている。本体部14は、起伏ゲート用袋体10の右側から見て時計回りに螺旋を描くように、上側の第1本体面aが後ろ側で折線m1を介して下側の第2本体面bに接続し、下側の第2本体面bが前側で折線m2を介して上側の第3本体面cに接続し、上側の第3本体面cが後側で折線m3を介して下側の第4本体面dに接続し、下側の第4本体面dが前側で折線m4を介して上側の第5本体面eに接続するようにして、構成されている。つまり、下側に位置する第4本体面dと第2本体面bと、上側に位置する第1本体面aと第3本体面cと第5本体面eと、は、内部に収容空間部Sを形成するように、本体部14を構成している。
さらに、右側の第1フラップ面f2は、S字を反時計回りに90度回転したような形状で第1本体面aと第3本体面cとの間に入り込んでいる。より詳細には、右側の第1フラップ面f2は、第1フラップ面構成部f2aが、第1本体面aの後側上面かつ第1フラップ面構成部f2bの下面に接触し、後側で折線m1を介して、第1フラップ面構成部f2bに接続し、第1フラップ面構成部f2bが、第1フラップ面構成部f2aの上面かつ第3本体面cの下面に接触し、第1フラップ面構成部f2aの前側端縁から第1本体面aの前側端縁より若干後側(第1フラップ面構成部f2cの後側端縁)まで第1本体面aの上面かつ第3本体面cの下面に接触し、第1本体面aの前側端縁より若干後側(第1フラップ面構成部f2cの後側端縁)から第1本体面aの前側端縁まで第1本体面aの上面かつ第1フラップ面構成部f2cの下面に接触し、前側で折線m2を介して、第1フラップ面構成部f2cに接続し、第1フラップ面構成部f2cが、第1フラップ面構成部f2bの上面かつ第3本体面cの下面に接触しているようにして、構成されている。右側の第2フラップ面g2は、第3本体面cと第5本体面eとの間にS字を反時計回りに90度回転したような形状で入り込んでいる。より詳細には、右側の第2フラップ面g2は、第2フラップ面構成部g2cが、第3本体面cの後側上面かつ第2フラップ面構成部g2dの下面に接触し、後側で折線m3を介して、第2フラップ面構成部g2dに接続し、第2フラップ面構成部g2dが、第2フラップ面構成部g2cの上面に接触し、第2フラップ面構成部g2cの前側端縁から第5本体面eの後側端縁まで第3本体面cの上面に接触し、第5本体面eの後側端縁から第2フラップ面構成部g2eの後側端縁まで第3本体面cの上面かつ第5本体面eの下面に接触し、第2フラップ面構成部g2eの後側端縁から第3本体面cの前側端縁まで第3本体面cの上面かつ第2フラップ面構成部g2eの下面に接触し、前側で折線m4を介して、第2フラップ面構成部g2eに接続し、第2フラップ面構成部g2eが、第2フラップ面構成部g2dの上面かつ第5本体面eの下面に接触しているようにして、構成されている。つまり、第1フラップ面構成部f2aと第1フラップ面構成部f2bと第1フラップ面構成部f2cと、第2フラップ面構成部g2cと第2フラップ面構成部g2dと第2フラップ面構成部g2eと、は、フラップ部16の右側を構成している。
図13(A)に示すように、収容空間部Sから見て、起伏ゲート用袋体10は、加硫されることによって、上下前後を本体部14とフラップ部16とにより封止される。
なお、フラップ部16の左側においても、同様に、構成されている。
【0060】
図13(B)の左側に示すように、本体部14の手前側端縁における成形後加硫前の起伏ゲート用袋体10は、下側から順番に、第4本体面dと第2本体面と内層ゴム126iとシート状離型剤接着用引布127とシート状離型剤128と内層ゴム126iと第1本体面aと第3本体面cと第5本体面eとが積層されている。第2本体面bと第3本体面cとは、折線m2を介して接続している。第4本体面dと第5本体面eとは、折線m4を介して、接続している。
【0061】
さらに、図13(B)の右側に示すように、起伏ゲート用袋体10の四隅の一つである境界の終点18eにおける成形後加硫前の起伏ゲート用袋体10は、下側から順番に、第4本体面dと第2本体面bと内層ゴム126iとシート状離型剤接着用引布127とシート状離型剤128と内層ゴム126iと第1フラップ面構成部f1aと第1フラップ面構成部f1bと第3本体面cと第2フラップ面構成部g1cと第2フラップ面構成部g1dとが積層されている。第1本体面aと第1フラップ面構成部f1aと第2本体面bと第1フラップ面構成部f1bとは、交点X11を介して、接続している。第3本体面cと第2フラップ面構成部g1cと第4本体面dと第2フラップ面構成部g1dとは、交点X33を介して、接続している。
図13(B)の右側に示すように、収容空間部Sから見て、起伏ゲート用袋体10の四隅の一つである境界の終点18eにおいて、左側の第1フラップ面f1と左側の第2フラップ面g1とが構成するフラップ部16は、袋体成形用シート12を連続させて、下側の第2本体面bと第4本体面dと上側の第1本体面aと第3本体面cとが構成する本体部14を封止している。つまり、境界の終点18eにおいても、フラップ部16は、本体部14に被さるように境界18で折り返され及び/又は湾曲され本体部14に加硫接着されて本体部14を密封する。そして、境界の終点18eは、袋体成形用シート12が連続しており、孔が開いていない構造となっている。
同様に、境界の始点18sは、袋体成形用シート12が連続しており、孔が開いていない構造となっている。
【0062】
袋体成形用シート12の折線n1と折線m1との交点X11と、折線n3と折線m3との交点X33と、は、起伏ゲート用袋体10の左側の境界18の終点18eと一致する。袋体成形用シート12の折線n2と折線m1との交点X21と、折線n4と折線m3との交点X43と、は、起伏ゲート用袋体10の右側の境界18の終点18eと一致する。
袋体成形用シート12の折線n1と折線m2との交点X12と、折線n3と折線m4との交点X34と、は、起伏ゲート用袋体10の左側の境界18の始点18sと一致する。袋体成形用シート12の折線n2と折線m2との交点X22と、折線n4と折線m4との交点X44と、は、起伏ゲート用袋体10の左側の境界18の始点18sと一致する。
【0063】
したがって、袋体成形用シート12によって成形され後述するように加硫された起伏ゲート用袋体10は、四隅となる境界の始点18s又は終点18eにおいて、構造的に袋体成形用シート12が連続しており、孔が開いていないため、目張り等のシール部材を設けなくても起伏ゲート用袋体10の内部に収容される流体が長期間に亘って漏洩する可能性がない。さらに、起伏ゲート用袋体10によれば、シール部材を設ける必要がないため、成形後の起伏ゲート用袋体10の側面視における段差は、増厚ゴムを用いることにより簡単に平滑化することができ、加硫缶のみならずプレス加硫機によっても加硫を行うことができる。
さらに、従来の起伏ゲート用袋体は、その大きさから、大型の加硫缶のみによって加硫を行うことができ、設備選択の余地が小さかったが、起伏ゲート用袋体10は、加硫缶のみならずプレス加硫機によっても加硫を行うことができるため、設備選択の余地を広げることができる。
【0064】
(開口部材)
本体部14は、図10の起伏ゲート用袋体10において上側である第1本体面a及び第3本体面cを挿通し、本体部14の内部の収容空間部Sへ流入される流体の流出入口となる金属製の開口部材140が設けられている。図11に示すように、開口部材140は、中心に流体の流出入口となる円形穴の開口140aが形成されている金属製の円盤形状の部材である。開口部材140の寸法は、例えば、外径が115mm、開口140aの径である内径が34mm、厚みが15mmである。また、開口部材140は、図10の起伏ゲート用袋体10の後側端縁から例えば530mmの位置に開口140aが位置するように、設けられる。開口部材140は、加硫接着剤が塗布されており、加硫接着剤と起伏ゲート用袋体10とが同時に加硫されることによって、起伏ゲート用袋体10と一体化される。開口部材140は、内径と外径との間において、開口を取り囲むように複数のボルト孔140bが形成されている。複数のボルト孔140bは、スタッドボルト141のためのナットに相当する機能を奏する。図15に示すように、開口部材140が本体部14に設けられ、開口部材140と後述する流出入管143とが、スタッドボルト141を介して、強固に締結されることにより、起伏ゲート用袋体10と流出入管143とが一体化され、本体部14に流体が流入又は流出する際に、流体が漏洩する可能性はなくなる。
【0065】
(開口部材補強材)
図11及び図15に示すように、開口部材140の、本体部14の内面側及び/又は外面側に位置する開口部材140の端部に、開口部材補強材1421、1423が設けられている。開口部材補強材1421、1423は、例えば、ナイロン繊維を平織りされて作られた帆布をEPDMと天然ゴムとが配合されたゴム部材で両面から挟んで形成されたシート状の部材である。開口部材補強材1421、1423は、例えば、600mm四方の正方形状であり、厚みは2mmである。開口部材補強材1421、1423が開口部材140の端部に設けられることにより、開口部材140の起伏ゲート用袋体10との一体性を高めることとなる。したがって、高圧の流体により押圧される開口部材140が起伏ゲート用袋体10の本体部14の内面側又は外面側に飛び出すなどして、本体部14の内面又は流出入管143等に損傷を与える可能性がない。また、開口部材補強材1421、1423が開口部材140の端部に設けられることにより、流体が開口部材140の端部周辺から起伏ゲート用袋体10の外部に漏洩する可能性がない。
さらに、図11及び図15に示すように、開口部材140の周りの第3本体面cを切り欠いて、その切り欠かれた部分に、開口部材補強材1422が、設けられている。これにより、開口部材補強材1422は、開口部材140による周囲の変形を抑制することができる。
【0066】
(流出入管)
図15に示すように、流出入管143は、起伏ゲート用袋体10の内部に形成される収容空間部Sに流体を流出入するため、起伏ゲート用袋体10の外部であって水路の底部rbから繋がる配管である。流出入管143の起伏ゲート用袋体10側の先端には、フランジ143aが形成されている。フランジ143aは、起伏ゲート用袋体10の開口部材140のボルト孔140bとスタッドボルト141で連結される。フランジ143aは、開口部材140の外径及び内径と全く同一の外径及び内径を備えている。さらに、フランジ143aは、開口部材140との連結側において、内径と外径との間に、リング状の突条143a1が形成されている。リング状の突条143a1は、起伏ゲート用袋体10を挟んで保持する固定ベルト200に食い込むように当接することで、開口部材140が水平方向にずれにくくなり、起伏ゲート用袋体10と流出入管143とを更に強固に一体化する。
【0067】
(固定ベルト)
図14に示すように、起伏ゲート用袋体10を下部戸当り5に取付けるため、起伏ゲート用袋体10には固定ベルト200が巻きつけられている。固定ベルト200は、ナイロン繊維を平織りされて作られた帆布の両面を接着ゴム、一般的に例えばEPDMと天然ゴムとが配合されたゴムで挟んで形成された矩形かつシート状の部材である。固定ベルト200の左右方向の幅は、起伏ゲート用袋体10の幅と同一か、それよりも若干長い程度の幅であり、例えば8440mmである。起伏ゲート用袋体10に巻きつけられる前の固定ベルト200の前後の長さは、例えば5740mmである。固定ベルト200は、前後の長さの半分のところで二つ折りにされ、二つ折りの間に起伏ゲート用袋体10を挟みこんで起伏ゲート用袋体10を保持する。なお、図14に示すように、起伏ゲート用袋体10を固定ベルト200が挟みこんだ後、起伏ゲート用袋体10及び固定ベルト200は、水路の底部rb側から流体を流出入されるため、開口部材140を下側にするために、上下が反転される。つまり、起伏ゲート用袋体10のa側は、固定ベルト200の下側であって水路の底部rb側に位置することとなる。起伏ゲート用袋体10と固定ベルト200とは、加硫されることで、一体的に接着される。なお、図14は、各シート状の部材の厚みを強調して図示している。
【0068】
図14に示すように、二つ折りにされた固定ベルト200の外側には、外層ゴム126oがさらに巻き付けられている。外層ゴム126oの左右方向の幅は、固定ベルト200の幅と同一である。外層ゴム126oの前後の長さは、固定ベルト200の前後の長さと同一である。外層ゴム126oは、前後の長さの半分のところで二つ折りにされ、二つ折りの間に、起伏ゲート用袋体10を挟みこんだ固定ベルト200を挟みこんで、固定ベルト200の外側を大気、流下物、日射から保護するための部材であり、耐候性、耐摩耗性、耐熱性及び耐オゾン性を備えたゴムである。外層ゴム126oと固定ベルト200とは、加硫されることで、一体的に接着される。
【0069】
図14に示すように、二つ折りにされた固定ベルト200の内面には、後述する取付用ボルト(図示しない)を挿通するボルト孔周辺部分の強度を向上するために、増厚用のゴム引布202が貼り付けられている。つまり、固定ベルト200のボルト孔周辺部分は、増厚用のゴム引布202の2層と固定ベルト200の2層と外層ゴム126oの2層とが積層された状態となる。
【0070】
起伏ゲート用袋体10と固定ベルト200とは、加硫されることによって、それぞれの構成部材が一体的に接着され、開口部材140の開口140aを除いて、密封された状態となる。特に、本体部14に被さるように境界18で折り返され及び/又は湾曲されたフラップ部16は、本体部14に加硫接着されて本体部14を密封する。加硫接着剤が塗布された金属製の開口部材140は、加硫接着剤と起伏ゲート用袋体10とが同時に加硫されることによって、開口部材140と起伏ゲート用袋体10とが一体化する。
一方、成形後の起伏ゲート用袋体10の本体部14の内面を構成する上側の第1本体面aを形成する袋体成形用シート12と下側の第2本体面bを形成する袋体成形用シート12とがシート状離型剤128を挟んでいることから、ゴム引布(ナイロン繊維を平織りされて作られた帆布の両面を接着ゴム、一般的に例えばEPDMと天然ゴムとが配合されたゴムで挟んで形成された矩形かつシート状の部材)で形成された上側の袋体成形用シート12と、同じくゴム引布(ナイロン繊維を平織りされて作られた帆布の両面を接着ゴム、一般的に例えばEPDMと天然ゴムとが配合されたゴムで挟んで形成された矩形かつシート状の部材)で形成された下側の袋体成形用シート12とは、加硫時に加硫接着しない。
【0071】
起伏ゲート用袋体10が増厚ゴムを用いることにより簡単に平滑化されているので、起伏ゲート用袋体10を挟み込んだ固定ベルト200は、プレス加硫機によって加硫されることができる。さらに、起伏ゲート用袋体10を挟み込んだ固定ベルト200は、加硫缶によって加硫されることができる。
【0072】
(流体)
起伏ゲート用袋体10の収容空間部Sに収容される流体は、圧縮性流体である空気であってもよいし、非圧縮性流体である水又は油類であってもよい。
【0073】
二つ折りにされ起伏ゲート用袋体10を挟み込み外層ゴム126oと増厚用のゴム引布202とが設けられ加硫された固定ベルト200は、下部戸当り5に取り付けられた扉体2の背面側で、下部戸当り5に取付用ボルト(図示しない)を用いて取り付けられる。この取付用ボルトは、扉体2を下部戸当り5に取り付けるための器具と独立している。つまり、扉体2と起伏ゲート用袋体10とは、下部戸当り5に、独立して取り付けられることとなる。したがって、起伏ゲート用袋体10の交換時は、扉体2を起伏した状態で水路に仮固定することで、水路の水流を堰き止めつつ、起伏ゲート用袋体10の交換作業を行うことができる。
【0074】
<第2の実施の形態>
次に、起伏ゲート用袋体の第2の実施の形態を説明する。
起伏ゲート用袋体の符号は10Aとし、袋体成形用シートの符号は12Aとする。その他の第1の実施の形態と同一の構成要素については、同一の符号を用い、第1の実施の形態と重複する記載については、省略する。
【0075】
(袋体成形用シート)
袋体成形用シート12Aの平面形状は、例えば、図17のような封筒折りの展開図の形状である。袋体成形用シート12Aは、起伏ゲート用袋体10の本体部14を構成する本体面122と、起伏ゲート用袋体10のフラップ部16を構成するフラップ面124と、を有する。具体的には、図17に示す袋体成形用シート12は、本体面122である第1本体面aと第2本体面bと第3本体面cと、フラップ面124である左側の第1フラップ面f1と右側の第1フラップ面f2と、を有する。第1本体面aと第2本体面bと第3本体面cとは、向こう側から手前側に向かって、それぞれ順次接続している。つまり、第1本体面aに手前側に第2本体面bが接続し、第2本体面bに、第1本体面aと反対側である手前側に第3本体面cが接続している。左側の第1フラップ面f1は、第1本体面aの左側端縁の手前側の途中から第1本体面aの左側に一体的に接続し、続いて、第2本体面bの左側に接続し、続いて、第3本体面cの左側端縁の向こう側の途中まで第3本体面cの左側に一体的に接続する。同様に、右側の第1フラップ面f2は、第1本体面aの右側端縁の手前側の途中から第1本体面aの右側に一体的に接続し、続いて、第2本体面bの右側に接続し、続いて、第3本体面cの右側端縁の向こう側の途中まで第3本体面cの右側に一体的に接続する。つまり、左側の第1フラップ面f1と右側の第1フラップ面f2とは、第1本体面aの一部、第2本体面b及び第3本体面cの一部同士の接続されていない部位を挟むように接続する一対のフラップ面124である。
【0076】
図17に示す袋体成形用シート12Aは、その外周縁として、第3本体面c側から見て、第1本体面aの向こう側で左右方向にのびる外周縁12Aj1と、第1本体面aの左側で前後方向にのびる外周縁12Aj2と、左側の第1フラップ面f1の向こう側で左右方向であって第1本体面aから左に離れる向きにのびる外周縁12Aj3と、左側の第1フラップ面f1の左側で前後方向にのびる外周縁12Aj4と、左側の第1フラップ面f1の手前側で左右方向であって第3本体面cから左に離れる向きにのびる外周縁12Aj5と、第3本体面aの左側で前後方向にのびる外周縁12Aj6と、第3本体面cの手前側で左右方向にのびる外周縁12Aj7と、第3本体面cの右側で前後方向にのびる外周縁12Aj8と、右側の第1フラップ面f2の手前側で左右方向であって第3本体面cから右に離れる向きにのびる外周縁12Aj9と、右側の第1フラップ面f2の右側で前後方向にのびる外周縁12Aj10と、右側の第1フラップ面f2の向こう側で左右方向であって第1本体面aから右に離れる向きにのびる外周縁12Aj11と、第1本体面aの右側で前後方向にのびる外周縁12Aj12と、を備える。
【0077】
図17に示すように、袋体成形用シート12Aは、折り返されて又は湾曲されて袋状に成形されるが、折り返す又は湾曲することにより、折線m1と折線m2と折線n1と折線n2とが形成される。
【0078】
(本体部)
図21(C)に示すように、の起伏ゲート用袋体10Aの本体部14は、収容空間部Sを挟んで上側で第1本体面aと第3本体面cとの2層、下側で第2本体面bの1層、積層されている。つまり、図21の起伏ゲート用袋体10の本体部14は、第1本体面aと第2本体面bと第3本体面cとで構成されている。
【0079】
(フラップ部)
図21の起伏ゲート用袋体10Aのフラップ部16は、フラップ面124である左側の第1フラップ面f1と右側の第1フラップ面f2とで構成されており、境界18を隔てて本体部14から連続して延びており、左側の第1フラップ面f1と右側の第1フラップ面f2とが下側に位置する第2本体面b側から上側に位置する第1本体面a側に被さることにより形成される。
【0080】
(境界)
境界18は、図21(A)に示す、成形後の起伏ゲート用袋体10Aにおける左右方向の両側にある端縁である。図21(A)に示すように、境界18は、手前側に位置する始点18sと、向こう側に位置する終点18eと、を含んでいる。
後述するように、図21の起伏ゲート用袋体10Aに成形される前の図17の袋体成形用シート12A上で始点18sとなるべき点である交点X12と交点X22と、終点18eとなるべき点である交点X11と交点X21と、は、袋体成形用シート12Aの外周縁12AjN(N=1〜12)よりも内側に位置し、袋体成形用シート12Aの外周縁12AjN(N=1〜12)から離隔している。つまり、始点18sと終点18eとは、袋体成形用シート12Aで連続的に形成されており、孔が開いていない構造となっている。これにより、起伏ゲート用袋体10Aは、四隅に相当する始点18s及び終点18eにおいて、目張り等のシール部材を設けなくても、長期間に亘って流体の漏洩する要因を排除することができる。
【0081】
袋体成形用シート12Aの折線n1と折線m1とは、交点X11を形成している。折線n1と折線m2とは、交点X12を形成している。折線n2と折線m1とは、交点X21を形成している。折線n2と折線m2とは、交点X22を形成している。
【0082】
交点X11と交点X12と交点X21と交点X22とは、袋体成形用シート12Aの外周縁12jN(N=1〜12)のいずれにも接しておらず離隔しており、袋体成形用シート12Aの外周縁12jN(N=1〜12)よりも内側に位置している。
【0083】
図21(C)に示すように、起伏ゲート用袋体10Aの本体部14の内面を構成する上側の第1本体面a及び下側の第2本体面bの更に内面側には、EPDMと天然ゴムとが配合されたシート状のゴム部材である内層ゴム126iが内接するように設けられている。又は、当該内面側には、接着ゴムが内接するように設けられていても構わない。本体部14は、本体部14の内面側であってb側に設けられた内層ゴム126iに内接するように、シート状離型剤接着用引布127が設けられている。さらに、本体部14は、本体部14の内面側であってb側に設けられたシート状離型剤接着用引布127に内接するように、シート状離型剤128が設けられている。
【0084】
以下、図21(C)を用いて、第2の実施の形態における起伏ゲート用袋体10Aの構造を、詳細に説明する。
図21(C)の左側に示すように、本体部14の手前側端縁における成形後加硫前の起伏ゲート用袋体10Aは、下側から順番に、第2本体面と内層ゴム126iとシート状離型剤接着用引布127とシート状離型剤128と内層ゴム126iと第1本体面aと第3本体面cとが積層されている。第2本体面bと第3本体面cとは、折線m2を介して接続している。
【0085】
さらに、図21(C)の右側に示すように、起伏ゲート用袋体10Aの四隅の一つである境界の終点18eにおける成形後加硫前の起伏ゲート用袋体10Aは、下側から順番に、第2本体面bと内層ゴム126iとシート状離型剤接着用引布127とシート状離型剤128と内層ゴム126iと第1フラップ面構成部f1aと第1フラップ面構成部f1bとが積層されている。第1本体面aと第1フラップ面構成部f1aと第2本体面bと第1フラップ面構成部f1bとは、交点X11を介して、接続している。
図21(C)の右側に示すように、収容空間部Sから見て、起伏ゲート用袋体10Aの四隅の一つである境界の終点18eにおいて、左側の第1フラップ面f1が構成するフラップ部16は、袋体成形用シート12Aを連続させて、下側の第2本体面bと上側の第1本体面aとが構成する本体部14を封止している。つまり、境界の終点18eにおいても、フラップ部16は、本体部14に被さるように境界18で折り返され及び/又は湾曲され本体部14に加硫接着されて本体部14を密封する。そして、境界の終点18eは、袋体成形用シート12Aが連続しており、孔が開いていない構造となっている。
同様に、境界の始点18sは、袋体成形用シート12Aが連続しており、孔が開いていない構造となっている。
【0086】
したがって、袋体成形用シート12Aによって成形され加硫された起伏ゲート用袋体10Aは、四隅となる境界の始点18s又は終点18eにおいて、構造的に袋体成形用シート12Aが連続しており、孔が開いていないため、目張り等のシール部材を設けなくても起伏ゲート用袋体10Aの内部に収容される流体が長期間に亘って漏洩する可能性がない。さらに、起伏ゲート用袋体10Aによれば、シール部材を設ける必要がないため、成形後の起伏ゲート用袋体10Aの側面視における段差は、増厚ゴムを用いることにより簡単に平滑化することができ、加硫缶のみならずプレス加硫機によっても加硫を行うことができる。
さらに、従来の起伏ゲート用袋体は、その大きさから、大型の加硫缶のみによって加硫を行うことができ、設備選択の余地が小さかったが、起伏ゲート用袋体10Aは、加硫缶のみならずプレス加硫機によっても加硫を行うことができるため、設備選択の余地を広げることができる。
【0087】
以下において、起伏ゲート用袋体10の製造する過程を、各工程毎に説明する。
【0088】
<第1の実施の形態>
図16のステップ1000において、図2に示すように、袋体成形用シート12は、例えば幅2mの1枚のゴム引布で形成され、又は、複数枚のゴム引布を接合部12sの幅が例えば200mmとなるようにオーバーラップして形成され、準備される。複数枚のゴム引布をオーバーラップして袋体成形用シート12を形成する際には、接合部12sと非接合部12tとの、袋体成形用シート12の積層による厚みの差は、増厚ゴムを用いて、平滑化される。
図2に示す袋体成形用シート12は、本体部14を構成する第1本体面aと第2本体面bと第3本体面cと第4本体面dと第5本体面eと、フラップ部16を構成する左側の第1フラップ面f1と右側の第1フラップ面f2と左側の第2フラップ面g1と右側の第2フラップ面g2と、を形成される。左側の第1フラップ面f1と右側の第1フラップ面f2とは、第1本体面aの一部、第2本体面b及び第3本体面cの一部同士の接続されていない部位を挟むように接続する一対のフラップ面124である。左側の第2フラップ面g1と右側の第2フラップ面g2とは、第3本体面cの一部、第4本体面d及び第5本体面eの一部同士の接続されていない部位を挟むように接続する一対のフラップ面124である。
【0089】
図16のステップ1001において、図3に示すように、内層ゴム126iを、袋体成形用シート12の第1本体面aと第2本体面bとに全面に広がって載置する。袋体成形用シート12が起伏ゲート用袋体10に成形されることによって、内層ゴム126iは、起伏ゲート用袋体10の本体部14の内面側に設けられる。
【0090】
図16のステップ1002において、図3に示すように、シート状離型剤接着用引布127を、袋体成形用シート12上の内層ゴム126i上に第2本体面bの全面に広がって載置する。つまり、シート状離型剤接着用引布127は、袋体成形用シート12の主面のうちの本体部14の内面となる部分に設けられる。
【0091】
図16のステップ1003において、図3に示すように、シート状離型剤128を、袋体成形用シート12の第2本体面b上であって、シート状離型剤接着用引布127の全面に広がって載置する。つまり、シート状離型剤128は、袋体成形用シート12のシート状離型剤接着用引布127上に設けられ、成形後の起伏ゲート用袋体10の本体部14の内面側にシート状離型剤接着用引布127を介して内接するように配置されることとなる。
したがって、成形後の起伏ゲート用袋体10の本体部14の内面を構成する上側の第1本体面aを形成する袋体成形用シート12と下側の第2本体面bを形成する袋体成形用シート12とがシート状離型剤128を挟んでいることから、ゴム引布(ナイロン繊維を平織りされて作られた帆布の両面を接着ゴム、一般的に例えばEPDMと天然ゴムとが配合されたゴムで挟んで形成された矩形かつシート状の部材)で形成された上側の袋体成形用シート12と、同じくゴム引布(ナイロン繊維を平織りされて作られた帆布の両面を接着ゴム、一般的に例えばEPDMと天然ゴムとが配合されたゴムで挟んで形成された矩形かつシート状の部材)で形成された下側の袋体成形用シート12とは、加硫時に加硫接着しない。
【0092】
次に、袋体成形用シート12を折り返す及び/又は湾曲する工程を説明する。なお、以下では、折り返す工程で説明する。
図4図16のステップ1004とに示すように、袋体成形用シート12の第1本体面aを折線m1で谷折りするように折り返し、第1本体面aを第2本体面bへ折り重ねる(第1の折り)。
この時、左側の第1フラップ面f1の第1フラップ面構成部f1aは第1フラップ面構成部f1bに折り重ねられ、右側の第1フラップ面f2の第1フラップ面構成部f2aは第1フラップ面構成部f2bに折り重ねられる。また、同時に、交点X11は、上側の第1フラップ面構成部f1aと第1本体面aと下側の第1フラップ面構成部f1bと第2本体面bとに囲まれた状態を維持しており、袋体成形用シート12で連続的に形成された状態を維持している。同様に、交点X21は、上側の第1フラップ面構成部f2aと第1本体面aと下側の第1フラップ面構成部f2bと第2本体面bとに囲まれた状態を維持しており、袋体成形用シート12で連続的に形成された状態を維持している。
【0093】
次に、図5図16のステップ1005とに示すように、第1フラップ面構成部f1aが第1フラップ面構成部f1bに折り重なっている左側の第1フラップ面f1を折線n1で谷折りするように折り返し、第1フラップ面構成部f2aが第1フラップ面構成部f2bに折り重なっている右側の第1フラップ面f2を折線n2で谷折りするように折り返す。つまり、左側の第1フラップ面f1と右側の第1フラップ面f2とを、第1本体面aが載置する第2本体面bへ折り重ねる(第2の折り)。
この時、第1フラップ面構成部f1aと第1フラップ面構成部f1bと、第1フラップ面構成部f2aと第1フラップ面構成部f2bと、は、第1本体面aの上面に折り重ねられ、第1フラップ面構成部f1cと第1フラップ面構成部f2cとは、第3本体面cの向こう側の一部に折り重ねられる。また、同時に、交点X11は、上側の第1フラップ面構成部f1aと第1フラップ面構成部f1bと第1本体面aと下側の第2本体面bとに囲まれた状態を維持しており、袋体成形用シート12で連続的に形成された状態を維持している。同様に、交点X21は、上側の第1フラップ面構成部f2aと第1フラップ面構成部f2bと第1本体面aと下側の第2本体面bとに囲まれた状態を維持しており、袋体成形用シート12で連続的に形成された状態を維持している。さらに、同時に、交点X12は、上側の第1フラップ面構成部f1bと第1フラップ面構成部f1cと下側の第2本体面bと第3本体面cとに囲まれた状態を維持しており、袋体成形用シート12で連続的に形成された状態を維持している。同様に、交点X22は、上側の第1フラップ面構成部f2bと第1フラップ面構成部f2cと下側の第2本体面bと第3本体面cとに囲まれた状態を維持しており、袋体成形用シート12で連続的に形成された状態を維持している。
【0094】
次に、図6図16のステップ1006とに示すように、第2本体面bを折線m2で谷折りするように折り返し、左側の第1フラップ面f1、右側の第1フラップ面f2及び第1本体面aが載置する第2本体面bを第3本体面cへ折り重ねる(第3の折り)。
この時、第3本体面cの左側かつ向こう側の一部に折り重なる第1フラップ面構成部f1cと、第3本体面cと、の上面に第1フラップ面構成部f1bが折り重ねられる。同様に、第3本体面cの右側かつ向こう側の一部に折り重なる第1フラップ面構成部f2cと、第3本体面cと、の上面に第1フラップ面構成部f1bが折り重ねられる。また、同時に、交点X12は、下側の第3本体面cと第1フラップ面構成部f1cと第1フラップ面構成部f1bと上側の第2本体面bとに囲まれた状態を維持しており、袋体成形用シート12で連続的に形成された状態を維持している。同様に、交点X22は、下側の第3本体面cと第1フラップ面構成部f2cと第1フラップ面構成部f2bと上側の第2本体面bとに囲まれた状態を維持しており、袋体成形用シート12で連続的に形成された状態を維持している。さらに、同時に、交点X33上に交点X11が重なり、交点X43上に交点X21が重なる。交点X11と交点X21とが、袋体成形用シート12で連続的に形成された状態を維持していることは、変わらない。
【0095】
次に、図7図16のステップ1007とに示すように、第3本体面cを折線m3で谷折りするように折り返し、左側の第1フラップ面f1、右側の第1フラップ面f2、第1本体面a及び第2本体面bが載置する第3本体面cを第4本体面dへ折り重ねる(第4の折り)。
この時、左側の第2フラップ面g1の第2フラップ面構成部g1cは第2フラップ面構成部g1dに折り重ねられ、右側の第2フラップ面g2の第2フラップ面構成部g2cは第2フラップ面構成部g2dに折り重ねられる。また、同時に、交点X33は、下側の第2フラップ面構成部g1dと第4本体面dと上側の第2フラップ面構成部g1cと第3本体面cとに囲まれた状態を維持しており、袋体成形用シート12で連続的に形成された状態を維持している。同様に、交点X43は、下側の第2フラップ面構成部g2dと第4本体面dと上側の第2フラップ面構成部g2cと第3本体面cとに囲まれた状態を維持しており、袋体成形用シート12で連続的に形成された状態を維持している。さらに、同時に、交点X34上に交点12が重なり、交点X44上に交点X22が重なる。交点X11と交点X21と交点X12と交点X22とが、袋体成形用シート12で連続的に形成された状態を維持していることは、変わらない。
【0096】
次に、図8図16のステップ1008とに示すように、第2フラップ面構成部g1cが第2フラップ面構成部g1dに折り重なっている左側の第2フラップ面g1を折線n3で谷折りするように折り返し、第2フラップ面構成部g2cが第2フラップ面構成部g2dに折り重なっている右側の第2フラップ面g2を折線n4で谷折りするように折り返す。つまり、左側の第2フラップ面g1と右側の第2フラップ面g2とを、第1フラップ面f1、f2、第1本体面a、第2本体面b及び第3本体面cが載置する第4本体面dへ折り重ねる(第5の折り)。
この時、第2フラップ面構成部g1cと第2フラップ面構成部g1dと、第2フラップ面構成部g2cと第2フラップ面構成部g2dとは、第3本体面cの上面に折り重ねられ、第2フラップ面構成部g1eと第2フラップ面構成部g2eとは、第5本体面eの向こう側の一部に折り重ねられる。また、同時に、交点X33は、上側の第2フラップ面構成部g1cと第2フラップ面構成部g1dと第3本体面cと下側の第4本体面dとに囲まれた状態を維持しており、袋体成形用シート12で連続的に形成された状態を維持している。同様に、交点X43は、上側の第2フラップ面構成部g2cと第2フラップ面構成部g2dと第3本体面cと下側の第4本体面dとに囲まれた状態を維持しており、袋体成形用シート12で連続的に形成された状態を維持している。さらに、同時に、交点X34は、上側の第2フラップ面構成部g1dと第2フラップ面構成部g1eと下側の第4本体面dと第5本体面eとに囲まれた状態を維持しており、袋体成形用シート12で連続的に形成された状態を維持している。同様に、交点X44は、上側の第2フラップ面構成部g2dと第2フラップ面構成部g2eと下側の第4本体面dと第5本体面eとに囲まれた状態を維持しており、袋体成形用シート12で連続的に形成された状態を維持している。交点X11と交点X21と交点X12と交点X22とが、袋体成形用シート12で連続的に形成された状態を維持していることは、変わらない。
【0097】
次に、図9図16のステップ1009とに示すように、第2フラップ面構成部g1eと第2フラップ面構成部g2eとが折り重なっている第5本体面eを折線m4で谷折りするように折り返し、第5本体面eを第1フラップ面f1、f2、第2フラップ面g1、g2、第1本体面a、第2本体面b及び第3本体面cが載置する第4本体面dへ折り重ねる(第6の折り)。
この時、第5本体面eの左側かつ向こう側の一部に折り重なる第2フラップ面構成部g1eが、第2フラップ面構成部g1dの上面に折り重ねられる。同様に、第5本体面eの右側かつ向こう側の一部に折り重なる第2フラップ面構成部g2eが、第2フラップ面構成部g2dの上面に折り重ねられる。また、同時に、交点X34は、上側の第2フラップ面構成部g1dと第2フラップ面構成部g1eと第5本体面eと下側の第4本体面dとに囲まれた状態を維持しており、袋体成形用シート12で連続的に形成された状態を維持している。同様に、交点X44は、上側の第2フラップ面構成部g2dと第2フラップ面構成部g2eと第5本体面eと下側の第4本体面dとに囲まれた状態を維持しており、袋体成形用シート12で連続的に形成された状態を維持している。交点X11と交点X21と交点X12と交点X22と交点X33と交点X43とが、袋体成形用シート12で連続的に形成された状態を維持していることは、変わらない。
【0098】
図9に示すように、ステップ1004〜ステップ1009(第1の折り〜第6の折り)によって成形された起伏ゲート用袋体10の平面視における左端で前後方向にのびる端縁は、本体部14とフラップ部16との境となる境界18である。同様に、成形された起伏ゲート用袋体10の平面視における右端で前後方向にのびる端縁は、本体部14とフラップ部16との境となる境界18である。そして、交点X11と交点X12とを結ぶ折線n1と、交点X33と交点X34とを結ぶ折線n3と、は、左側の境界18を形成している。同様に、交点X21と交点X22とを結ぶ折線n2と、交点X43と交点X44とを結ぶ折線n4と、は、右側の境界18を形成している。
そして、左側の境界18の始点18sは、交点X12と交点X34と重なっており、左側の境界18の終点18eは、交点X11と交点X33と重なっている。同様に、右側の境界18の始点18sは、交点X22と交点X44と重なっており、右側の境界18の終点18eは、交点X21と交点X43と重なっている。
したがって、袋体成形用シート12によって上記のステップで成形され後述するように加硫された起伏ゲート用袋体10は、四隅となる境界の始点18s又は終点18eにおいて、構造的に袋体成形用シート12が連続しており、孔が開いていないため、目張り等のシール部材を設けなくても起伏ゲート用袋体10の内部に収容される流体が長期間に亘って漏洩する可能性がない。さらに、起伏ゲート用袋体10によれば、シール部材を設ける必要がないため、成形後の起伏ゲート用袋体10の側面視における段差は、増厚ゴムを用いることにより簡単に平滑化することができ、加硫缶のみならずプレス加硫機によっても加硫を行うことができる。
【0099】
上記の袋体成形用シート12を折り返す工程の内、第1の折り、第3の折り、第4の折り及び第6の折りが、袋体成形用シート12を折り返すこと及び/又は湾曲することにより袋体成形用シート12を対向させてその内側に流体を収容するための空間(収容空間部S)を形成する本体部14を成形する工程である。
【0100】
上記の袋体成形用シート12を折り返す工程の内、第2の折り及び第5の折りが、本体部14との境界18から外方に向けてのびるフラップ部16を、境界18の始点18s又は終点18eとなるべき袋体成形用シート12上の点X12、X22、X34、X44、X11、X21、X33、X43が袋体成形用シート12の外周縁12jN(N=1〜20)から離隔しているような境界18で、本体部14に被さるように折り返して、フラップ部16を本体部14に重ねる工程である。
【0101】
図16のステップ1010において、図10及び図11に示すように、成形された起伏ゲート用袋体10の上側から収容空間部Sに向かって第3本体面cと第1本体面aとを貫通するように穴を穿孔し、当該穴に開口部材140を嵌め込んで、起伏ゲート用袋体10に開口部材140を設ける。つまり、本体部14に本体部14へ流入される流体の流出入口となり加硫接着剤が塗布された金属製の開口部材140が、設けられる。
【0102】
図16のステップ1011において、固定ベルト200は、複数枚のゴム引布を接合部12sの幅が例えば200mmとなるようにオーバーラップして形成され、準備される。
【0103】
図16のステップ1012において、固定ベルト200の部分であって、取付用ボルトを挿通する孔が形成される部分の周辺部分に、増厚用のゴム引布202が設けられる。これにより、図14に示すように、二つ折りにされ起伏ゲート用袋体10を挟み込み外層ゴム126oが巻き付けられた固定ベルト200の内面側に増厚用のゴム引布202が設けられることとなる。
【0104】
図16のステップ1013において、図14に示すように、固定ベルト200は、成形された起伏ゲート用袋体10を載置されて、前後方向の中間で二つ折りにされ、起伏ゲート用袋体10を挟み込む。
【0105】
図16のステップ1014において、図14に示すように、二つ折りにされた固定ベルト200の外面側に、外層ゴム126oが巻きつけられる。
【0106】
図16のステップ1015において、図23に示すように、二つ折りにされ起伏ゲート用袋体10を挟み込んだ固定ベルト200を、プレス加硫機による押圧方向と直交ないし交差する方向への起伏ゲート用袋体10の変形を防止するための枠300fを有する金型300に嵌め込む。枠300fは、金型300の周辺に配設され、起伏ゲート用袋体10を挟み込んだ固定ベルト200の厚みと同程度の高さを有する。枠300fは、プレス加硫機によって加硫される際に、ゴム製の部材が流動状態となる起伏ゲート用袋体10及び固定ベルト200が変形し金型の外に流れ出すことを防止することができる。金型300には、ラフトップ用シート310が載置されている。ラフトップ用シート310は、ナイロン繊維を平織りされて作られた帆布である。ラフトップ用シート310は、プレス加硫機によって加硫される際に、固定ベルト200及び起伏ゲート用袋体10の表面に凹凸が生じることを抑制するとともに、固定ベルト200の表面の凹部に溜まりやすい空気を帆布を通して逃げやすくし、固定ベルト200及び起伏ゲート用袋体10の故障を抑制する。
【0107】
図16のステップ1016において、二つ折りにされ起伏ゲート用袋体10を挟み込み金型300に嵌め込まれた固定ベルト200を、金型300とともにプレス加硫機によって加硫する。これによって、袋体成形用シート12を用いて袋状に成形され、本体部14とフラップ部16とを備える起伏ゲート用袋体10は、加硫される。そして、フラップ部16は、本体部14に加硫接着されて本体部14を密封する。
【0108】
<第2の実施の形態>
続いて、第2の実施の形態における起伏ゲート用袋体10Aの製造する過程を各工程毎に説明する。ただし、第1の実施の形態における工程と重複する工程の記載は、省略する。
【0109】
図22のステップ2000において、袋体成形用シート12Aは、1枚のゴム引布で形成され、又は、複数枚のゴム引布をオーバーラップして形成され、準備される。
図17及び図18に示す袋体成形用シート12Aは、本体部14を構成する第1本体面aと第2本体面bと第3本体面cと、フラップ部16を構成する左側の第1フラップ面f1と右側の第1フラップ面f2と、を形成される。左側の第1フラップ面f1と右側の第1フラップ面f2とは、第1本体面aの一部、第2本体面b及び第3本体面cの一部同士の接続されていない部位を挟むように接続する一対のフラップ面124である。
【0110】
図22のステップ2001からステップ2003までの工程は、第1の実施の形態における図16のステップ1001からステップ1003までの工程と重複するため、記載を省略する。
【0111】
図19図22のステップ2004とに示すように、袋体成形用シート12Aの第1本体面aを折線m1で谷折りするように折り返し、第1本体面aを第2本体面bへ折り重ねる(第1の折り)。
この時、左側の第1フラップ面f1の第1フラップ面構成部f1aは第1フラップ面構成部f1bに折り重ねられ、右側の第1フラップ面f2の第1フラップ面構成部f2aは第1フラップ面構成部f2bに折り重ねられる。また、同時に、交点X11は、上側の第1フラップ面構成部f1aと第1本体面aと下側の第1フラップ面構成部f1bと第2本体面bとに囲まれた状態を維持しており、袋体成形用シート12Aで連続的に形成された状態を維持している。同様に、交点X21は、上側の第1フラップ面構成部f2aと第1本体面aと下側の第1フラップ面構成部f2bと第2本体面bとに囲まれた状態を維持しており、袋体成形用シート12Aで連続的に形成された状態を維持している。
【0112】
次に、図20図22のステップ2005とに示すように、第1フラップ面構成部f1aが第1フラップ面構成部f1bに折り重なっている左側の第1フラップ面f1を折線n1で谷折りするように折り返し、第1フラップ面構成部f2aが第1フラップ面構成部f2bに折り重なっている右側の第1フラップ面f2を折線n2で谷折りするように折り返す。つまり、左側の第1フラップ面f1と右側の第1フラップ面f2とを、第1本体面aが載置する第2本体面bへ折り重ねる(第2の折り)。
この時、第1フラップ面構成部f1aと第1フラップ面構成部f1bと、第1フラップ面構成部f2aと第1フラップ面構成部f2bと、は、第1本体面aの上面に折り重ねられ、第1フラップ面構成部f1cと第1フラップ面構成部f2cとは、第3本体面cの向こう側の一部に折り重ねられる。また、同時に、交点X11は、上側の第1フラップ面構成部f1aと第1フラップ面構成部f1bと第1本体面aと下側の第2本体面bとに囲まれた状態を維持しており、袋体成形用シート12で連続的に形成された状態を維持している。同様に、交点X21は、上側の第1フラップ面構成部f2aと第1フラップ面構成部f2bと第1本体面aと下側の第2本体面bとに囲まれた状態を維持しており、袋体成形用シート12で連続的に形成された状態を維持している。さらに、同時に、交点X12は、上側の第1フラップ面構成部f1bと第1フラップ面構成部f1cと下側の第2本体面bと第3本体面cとに囲まれた状態を維持しており、袋体成形用シート12で連続的に形成された状態を維持している。同様に、交点X22は、上側の第1フラップ面構成部f2bと第1フラップ面構成部f2cと下側の第2本体面bと第3本体面cとに囲まれた状態を維持しており、袋体成形用シート12Aで連続的に形成された状態を維持している。
【0113】
次に、図21図22のステップ2006とに示すように、第3本体面cを折線m2で谷折りするように折り返し、左側の第1フラップ面f1、右側の第1フラップ面f2及び第1本体面aが載置する第2本体面bへ第3本体面cを折り重ねる(第3の折り)。
この時、第3本体面cの左側かつ向こう側の一部に折り重なる第1フラップ面構成部f1cと、第3本体面cと、は、第1フラップ面構成部f1bの上面に折り重ねられる。同様に、第3本体面cの右側かつ向こう側の一部に折り重なる第1フラップ面構成部f2cと、第3本体面cと、は、第1フラップ面構成部f1bの上面に折り重ねられる。また、同時に、交点X12は、上側の第3本体面cと第1フラップ面構成部f1cと第1フラップ面構成部f1bと下側の第2本体面bとに囲まれた状態を維持しており、袋体成形用シート12で連続的に形成された状態を維持している。同様に、交点X22は、上側の第3本体面cと第1フラップ面構成部f2cと第1フラップ面構成部f2bと下側の第2本体面bとに囲まれた状態を維持しており、袋体成形用シート12Aで連続的に形成された状態を維持している。交点X11と交点X21とが、袋体成形用シート12Aで連続的に形成された状態を維持していることは、変わらない。
【0114】
図21に示すように、ステップ2004〜ステップ2006(第1の折り〜第3の折り)によって成形された起伏ゲート用袋体10Aの平面視における左端で前後方向にのびる端縁は、本体部14とフラップ部16との境となる境界18である。同様に、成形された起伏ゲート用袋体10Aの平面視における右端で前後方向にのびる端縁は、本体部14とフラップ部16との境となる境界18である。そして、交点X11と交点X12とを結ぶ折線n1は、左側の境界18を形成している。同様に、交点X21と交点X22とを結ぶ折線n2は、右側の境界18を形成している。
そして、左側の境界18の始点18sは、交点X12と重なっており、左側の境界18の終点18eは、交点X11と重なっている。同様に、右側の境界18の始点18sは、交点X22と重なっており、右側の境界18の終点18eは、交点X21と重なっている。
したがって、袋体成形用シート12Aによって上記のステップで成形され加硫された起伏ゲート用袋体10Aは、四隅となる境界の始点18s又は終点18eにおいて、構造的に袋体成形用シート12Aが連続しており、孔が開いていないため、目張り等のシール部材を設けなくても起伏ゲート用袋体10Aの内部に収容される流体が長期間に亘って漏洩する可能性がない。さらに、起伏ゲート用袋体10Aによれば、シール部材を設ける必要がないため、成形後の起伏ゲート用袋体10Aの側面視における段差は、増厚ゴムを用いることにより簡単に平滑化することができ、加硫缶のみならずプレス加硫機によっても加硫を行うことができる。
【0115】
上記の袋体成形用シート12Aを折り返す工程の内、第1の折り及び第3の折りが、袋体成形用シート12Aを折り返すこと及び/又は湾曲することにより袋体成形用シート12Aを対向させてその内側に流体を収容するための空間(収容空間部S)を形成する本体部14を成形する工程である。
【0116】
上記の袋体成形用シート12Aを折り返す工程の内、第2の折りが、本体部14との境界18から外方に向けてのびるフラップ部16を、境界18の始点18s又は終点18eとなるべき袋体成形用シート12A上の点X12、X22、X11、X21が袋体成形用シート12の外周縁12jN(N=1〜12)から離隔しているような境界18で、本体部14に被さるように折り返して、フラップ部16を本体部14に重ねる工程である。
【0117】
図22のステップ2007において、成形された起伏ゲート用袋体10Aの上側から収容空間部Sに向かって第1本体面aを貫通するように穴を穿孔し、当該穴に開口部材140を嵌め込んで、起伏ゲート用袋体10Aに開口部材140を設ける。つまり、本体部14に本体部14へ流入される流体の流出入口となり加硫接着剤が塗布された金属製の開口部材140が、設けられる。
【0118】
図22のステップ2008からステップ2013までの工程は、第1の実施の形態における図16のステップ1011からステップ1016までの工程と重複するため、記載を省略する。
【0119】
以上のように、本発明の実施の形態は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施の形態に対し、機序、形状、材質、数量、位置又は配置等に関して、様々の変更を加えることができるものであり、それらは、本発明に含まれるものである。
【0120】
例えば、上記の実施の形態では、起伏ゲート用袋体10に開口部材140、開口部材補強材1421、1422、1423が設けられているが、起伏ゲート用袋体10の他の実施形態としては、起伏ゲート用袋体10と流出入管143とを一体的に接続する他の手段を用いることにより、開口部材140、開口部材補強材1421、1422、1423は設けられていなくてもよい。
【0121】
また、例えば、上記の実施の形態では、起伏ゲート用袋体10の本体部140の内面側には、内層ゴム126i、シート状離型剤接着用引布127、シート状離型剤128が設けられているが、起伏ゲート用袋体10の他の実施形態としては、本体部14内面側の袋体成形用シート12を空気及び結露水から保護する他の手段を用いることにより、内層ゴム126iは設けられていなくてもよい。また、本体部14内面側の袋体成形用シート12の接着を防止する他の手段を用いることにより、シート状離型剤接着用引布127、シート状離型剤128は設けられていなくてもよい。
【0122】
また、例えば、起伏ゲート用袋体10の、第1の実施の形態では、袋体成形用シート12の折り回数は6回であり、積層数は2層以上であり、第2の実施の形態では、袋体成形用シート12Aの折り回数は3回であり、積層数は1層以上であるが、他の実施の形態においては、折り回数、積層数、ともにこれらの数値に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0123】
1 起伏ゲート
2 扉体
2a スキンプレート
2b 補強リブ
3 扉体留具
4 定着部
5 下部戸当り
6 側部戸当り
7 開度計
S 収容空間部
rb 水路の底部
10、10A 起伏ゲート用袋体
12、12A 袋体成形用シート
14 本体部
16 フラップ部
18 境界
18s 境界の始点
18e 境界の終点
12s 接合部
12t 非接合部
12j1〜12j20 外周縁
120 ゴム引布
121 増厚ゴム
122 本体面
124 フラップ面
126i 内層ゴム
126o 外層ゴム
127 シート状離型剤接着用引布
128 シート状離型剤
f1 左側の第1のフラップ面
f2 右側の第1のフラップ面
g1 左側の第2のフラップ面
g2 右側の第2のフラップ面
f1a 第1フラップ面構成部
f1b 第1フラップ面構成部
f1c 第1フラップ面構成部
f2a 第1フラップ面構成部
f2b 第1フラップ面構成部
f2c 第1フラップ面構成部
g1c 第2フラップ面構成部
g1d 第2フラップ面構成部
g1e 第2フラップ面構成部
g2c 第2フラップ面構成部
g2d 第2フラップ面構成部
g2e 第2フラップ面構成部
m1〜m4 折線
n1〜n4 折線
X11 交点
X21 交点
X12 交点
X22 交点
X33 交点
X43 交点
X34 交点
X44 交点
a 第1本体面
b 第2本体面
c 第3本体面
d 第4本体面
e 第5本体面
140 開口部材
140a 開口
140b ボルト孔
141 スタッドボルト
1421、1422、1423 開口部材補強材
143 流出入管
143a 流出入管のフランジ
143a1 リング状の突条
200 固定ベルト
202 増厚用のゴム引布
300 金型
300f 枠
310 ラフトップ用シート
【要約】
【課題】加硫缶のみならずプレス加硫機によっても加硫を行うことができ、流体が長期間に亘って漏洩する可能性がない起伏ゲート用袋体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】起伏ゲート用袋体10は、袋体成形用シート12を用いて袋状に成形され、流体を収容するための空間Sを形成する本体部14と本体部14からのびるフラップ部16と境界18とを備える。袋体成形用シート12は、複数枚のゴム引布をオーバーラップして形成されている。境界18の始点18s又は終点18eとなるべき袋体成形用シート12上の点X11ないしX44は、外周縁12jN(N=1〜20)から離隔している。本体部14は、袋体成形用シートを折り返すこと及び/又は湾曲することにより形成され、フラップ部16は、本体部14に被さるように境界18で折り返され及び/又は湾曲され本体部14に加硫接着されて本体部14を密封する。
【選択図】図9
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24