(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
センタサーバは、電話交換機能を有し、前記第2の端末において所定操作が行われると、前記交換機能により介護者を呼び出した第1の端末と前記第2の端末との通話を可能とする通話モードへ移行することを特徴とする請求項1に記載の見守りシステム。
前記第1の端末は、情報表示機能を備え、通話モードとなると予め決められた人物の顔の画像を前記第1の端末において表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の見守りシステム。
センタサーバの電話交換機能により、介護者を呼び出した第1の端末と通話が可能となる電話機を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の見守りシステム。
【図面の簡単な説明】
【0015】
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図1】本発明に係る見守りシステムの実施形態の構成図。
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図2】本発明に係る見守りシステムの実施形態に用いられる端末の構成図。
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図3】本発明に係る見守りシステムの実施形態に用いられる共同使用端末の構成図。
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図4】本発明に係る見守りシステムの実施形態に用いられるサーバの構成図。
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図5】本発明に係る見守りシステムの実施形態に用いられるデータベースの記憶内容の一例を示す図。
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図6】本発明に係る見守りシステムの実施形態に用いられるデータベースの記憶内容の一例を示す図。
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図7】本発明に係る見守りシステムの実施形態に用いられる第2の端末における表示例を示す図。
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図8】本発明に係る見守りシステムの実施形態に用いられる共同使用端末における表示例を示す図。
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図9】本発明に係る見守りシステムの実施形態に用いられる第2の端末における表示例を示す図。
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図10】本発明に係る見守りシステムの実施形態に用いられる第2の端末における表示例を示す図。
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図11】本発明に係る見守りシステムの実施形態に用いられる第1の端末における表示例を示す図。
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図12】本発明に係る見守りシステムの実施形態に用いられる第2の端末における表示例を示す図。
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図13】本発明に係る見守りシステムの実施形態に用いられ第2の端末におけるカメラ映像及び入力画面の表示例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下添付図面を参照して、本発明の見守りシステムの実施例を説明する。各図において、同一の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図1には、本発明の実施形態に係る見守りシステムの構成図が示されている。見守りの対象者1−1〜1−n毎に、センサ11−1〜11−nが設けられる。このセンサ11−1〜11−nは、見守りの対象者のベッドに配置され、対象者の複数の身体状態を検出して報知するものである。センサ11−1〜11−nは、無線LANインタフェースを備え、検出した状態情報を無線により送信する。
【0017】
センサ11−1〜11−nが検出する複数の身体状態は、ベッド上に人がいる状態、ベッドに人が乗った瞬間の状態、ベッドから人が降りた瞬間の状態、痙攣などの激しい動きによる異常行動の状態、体動による呼吸の有無を検出する安否状態、身体移動により推定する転落予測状態などとすることができる。センサ11−1〜11−nとしては、TAISコード01174−000001のセンサを用いることができる。
【0018】
対象者1−1〜1−n毎に、対象者を撮像するネットワークカメラ12−1〜12−nを設けることができる。ネットワークカメラは、対象者1−1〜1−nの全てに対応して設ける必要はなく、必要な対象者に対して設けることができる。
【0019】
対象者1−1〜1−n毎の例えばベッド近傍に、第1の端末13−1〜13−nが配置されている。この第1の端末13−1〜13−nは、スマートフォンやタブレット端末により構成することができる。第1の端末13−1〜13−nは、介護者を呼び出す発信手段と、送受話器を介して通話する通話機能部とを有するもので、
図2に示す構成を採用することができる。
【0020】
2−1〜2−mは、介護者が携帯する第2の端末である。この第2の端末2−1〜2−mはスマートフォンを用いることができるが、
図2に示される機能を有していれば他の装置を用いることができる。第2の端末2−1〜2−mは共通の構成を有しており、例えば
図2に示す端末2のように構成することができる。
【0021】
例えばコンピュータなどにより構成することができる制御部20が設けられ、この制御部20には、無線LANインタフェース21、表示制御部22、入力制御部23、電話機能部24が接続されている。
【0022】
無線LANインタフェース21は、無線LANに接続を行い、各種のデータを送受するためのインタフェースである。表示制御部22には、LEDやLCDなどにより構成される表示部25が接続されている。表示制御部22は制御部20の制御下において表示部25の画面に情報や映像の表示を行う。なお、本願明細書においては、映像には動画のみならず静止画を含むものとする。
【0023】
入力制御部23には、入力部26が接続されている。入力部26は例えば表示部25上に設けられたタッチパネルにより構成することができ、情報の入力を行うためのマンマシンインタフェースである。入力部26における操作を受けて入力制御部23が情報を取り込み制御部20へ送出する。電話機能部24は、この端末がスマートフォンであるための構成であり、送受話部や無線部などを含み電話通信の機能を行う。
【0024】
更に、本システムには共同使用(施設の管理用)端末3を備える。この実施形態では共同使用端末3を一台としているが、複数台とすることができる。共同使用端末3は
図3に示されるように、例えばパーソナルコンピュータにより構成することができ、CPUなどの中心機能である制御部30が設けられ、この制御部30には、無線LANインタフェース31、表示制御部32、入力制御部33が接続されている。
【0025】
表示制御部32には、LEDやLCDなどにより構成される表示部35が接続されている。表示制御部32は制御部30の制御下において表示部35の画面に情報や映像の表示を行う。入力制御部33には、情報の入力を行うためのマンマシンインタフェースである入力部36が接続されている。入力部36は例えば表示部35上に設けられたタッチパネルにより構成することができ、また、タッチパネルとは別にキーボードやマウスなどを設けることもできる。入力部36における操作を受けて入力制御部33が情報を取り込み制御部30へ送出する。
【0026】
更に、このシステムには、無線LANインタフェースを備えた電話機8が設けられ、共同使用(施設の管理用)端末3と共に配置することができる。電話機8は、第1の端末13−1〜13−nからの呼び出しに応答して通話するために用いられる。
【0027】
このシステムには、センタサーバ10が設けられる。センタサーバ10は、
図4に示されるように構成することができる。無線LANインタフェース4と、コンピュータシステムなどにより構成されるサーバ本体5を備えることができる。無線LANインタフェース4は、1または複数設けることができ、Wi−Fi(登録商標)などの無線LANのアクセスポイントと接続することができる。サーバ本体5はプロセッサと記憶装置により構成することができ、プロセッサがプログラムを実行することにより、表示情報送信手段51、映像送信手段52として機能することができる。
【0028】
サーバ本体5の記憶装置には、データベース61を備えることができる。データベース61には、
図5に示されるように、対象者1−1〜1−nのセンサ11−1〜11−n及び第1の端末13−1〜13−nの対象者端末識別情報に、対象者の部屋番号と氏名及び担当する介護者の第2の端末のアドレスが対応付けられて記憶されると共にセンサ11−1〜11−nから報知される状態情報と表示メッセージ情報とが対応付けられて記憶されている。具体的には、識別情報aa1の第1の端末は、101号室の○○太郎さんのベッドに設けられ、担当する介護者の第2の端末のアドレスは、aaaとbbbとcccであることを示している。また、識別情報aa2の第1の端末は、103号室の××良子さんのベッドに設けられ、担当する介護者の第2の端末のアドレスは、bbbとdddとfffであることを示している。
【0029】
状態情報と表示メッセージ情報とが対応付けられた情報とは、
図5の下側の欄に記載されている。例えば、状態情報が「ベッド上に人がいる状態」がオフ、「ベッドに人が乗った瞬間の状態」がオフ、「ベッドから人が降りた瞬間の状態」がオンとなり、例えば所定時間経過となると、表示メッセージ情報として「離床」を表示することを示す。また、「体動による呼吸の有無を検出する安否状態」が否であるときには、表示メッセージ情報として「安否確認」を表示することを示す。また、「痙攣などの激しい動きによる異常行動の状態」が検出されると、表示メッセージ情報として「異常行動」を表示することを示す。更に、「身体移動により推定する転落予測状態」がオンとなると、表示メッセージ情報として「転落予測」を表示することを示す。図示しないが、データベース61には、この表示メッセージに対応して各対象者毎に、日単位のアラートの発生回数が記憶されている。
【0030】
データベース61には、見守りをする介護者の個別情報と介護者の端末アドレスとが対応付けられて記憶されると共に共同使用端末のアドレスと共同使用端末の個別情報とが対応付けられて記憶されている。具体的には、
図6に示されるように、介護者の個別情報は、護花子、守屋美智子、・・・であり、これにアドレスaaa、bbb、・・などが対応付けて記憶されており、共同使用端末の個別情報「見守り支援QQさん」と共同使用端末のアドレスcccとが対応付けて記憶されている。
【0031】
表示情報送信手段51は、センサ11−1〜11−nからの報知を受けるとデータベース61の情報に基づき、アラート通知の表示情報を作成して第2の端末へ送信する。この送信はブロードキャスト或いは
図5のデータベース61に示された担当介護者のアドレスへの送信(担当者向け送信)とすることができる。また、表示情報送信手段51は、第2の端末のいずれかからの対応通知を受け取ると、上記で送信した表示情報を変更した対応中表示情報を作成して第2の端末へ送信する。この送信もブロードキャスト或いは担当者向け送信とすることができる。
【0032】
表示情報送信手段51は、上記第1の端末13−1〜13−nの発信手段による呼び出しがあると、第2の端末へ見守り対象者からの呼び出しを示す情報を送信し、当該第2の端末において情報を表示させることができる。
【0033】
また、第1の端末13−1〜13−nは、通話モードとなると予め決められた人物の顔の画像を表示部25に表示させることができる。映像送信手段52は、第2の端末からの要求に応じてネットワークカメラにより撮像された映像を該当第2の端末へ送信することができる。
【0034】
センタサーバ10は、無線LANインタフェース7と、無線LANインタフェース7に接続されたPBX装置6を備えることができる。PBX装置6は、電話交換機能を実現するもので、上記第2の端末2−1〜2−mにおいて所定操作が行われると、PBX装置6の交換機能により介護者を呼び出した第1の端末と上記第2の端末との通話を可能とする通話モードへ移行することができる。
【0035】
以上の通りに構成された見守りシステムの動作説明を行う。サーバ本体5では、センサ11−1〜11−nからの状態情報が送られてきたかを検出する。状態情報が送られてきたときには、送られてきた状態情報に基づきアラートを送信するか否かを判定する。例えば、「ベッドから人が降りた瞬間の状態」がオンとなっても、所定時間経過しない場合には、アラートを送信しないようにすることができる。
【0036】
アラートを送信すると判定した場合には、センサの識別情報に基づきデータベース61から対象者の個別情報を求めると共に、状態情報から表示メッセージ情報を求めアラート通知の表示情報を作成して第2の端末と共同使用端末へ送信する。このときの送信はブロードキャストで送ることができる。また、表示情報送信手段51は、複数の対象者に関する表示情報を第2の端末の一画面に配置した情報として作成する。この情報は第2の端末に受け取られ、表示される。介護者が携帯する第2の端末には、例えば、
図7の最上部エリアに示すように、ピンクのバック面81に、中央に対象者の氏名82を表示し、部屋番号83を左上角に表示し、表示メッセージ情報84を右上角に表示し、発生時刻85を左下角に表示し、アラートの発生回数86を右下角に表示する。ここでは、表示メッセージ情報84には、「離床行動」という、アラートの内容が表示される。
【0037】
また、共同使用端末3には、
図8に示されるように、各室が区分けされた矩形内に表示される表示画面に、部屋番号、対象者の氏名、表示メッセージ情報、発生時刻、アラートの発生回数などの情報を含むベッドに対象者が寝ているアイコンAIを赤色で示すアラートの画像を表示するための表示情報が送られる。
【0038】
第2の端末でアラート表示のエリアにタップすることにより、介護者の第2の端末には例えば
図9に示すような対応結果を入力するための入力画面が表示される。ここでは、「対応済み」、「対応不要」、「カメラ」のボタンを表示するが、これ以外であっても良い。「対応済み」は当該介護者自らが対応した場合に操作するボタンであり、「対応不要」は文字通り対応不要であると判断した場合に操作するボタンであり、「カメラ」は当該対象者の様子をリアルタイム映像で確認する場合に操作するボタンである。なお、共同使用端末3における表示は、誰かが対応を開始する際に「対応済み」を選択すると、上記アイコンAIが灰色に変化させられて表示される。
【0039】
例えば、第1の端末13−1の発信手段による呼び出しがあると、サーバ本体5はこれを受け付けて、表示情報送信手段51が、見守り対象者の情報が記憶されたデータベース61に基づき、該当の第2の端末と共同使用端末へ見守り対象者からの呼び出しを示す情報を送信する。この情報は第2の端末に受け取られ、表示される。介護者が携帯する第2の端末には、
図10の最上部エリアに示すように、例えば、ピンクのバック面81に、中央に対象者の氏名82を表示し、部屋番号83を左上角に表示し、表示メッセージ情報84として見守り対象者からの「緊急呼出」を右上角に表示し、発生時刻85を左下角に表示する。これにより、担当介護者は見守り対象者から「緊急呼出」が発せられたことを確認することができる。
【0040】
また、共同使用端末には、
図8に示されるように、各室が区分けされた矩形内に表示される表示画面に、部屋番号、対象者の氏名と共に、
図8の上中央欄に示すように、呼び出しを示すアイコンYIを赤色とし、呼び出し中であることを表示する。このアイコンYIは、「操作なし」を青色で、「呼び出し中」を赤色で、「通話中」を黄色として表示することができる。
【0041】
このとき第1の端末13−1では電話機能が動作しており、制御部20が
図11(a)に示されるように、「呼出」の文字を表示部25に表示し、呼出しが行われていることを表示する。そこで、第2の端末において介護者が上記「緊急呼出」が発せられたことを示すメッセージのエリアをタップすることにより、第1の端末13−1の対象者と通話を行うことができる。
【0042】
即ち、タップにより第2の端末から応答情報がサーバ本体5へ送られると共に第2の端末の電話機能が動作を開始する。サーバ本体5では、応答情報を送ってきた第2の端末とのアドレスと、呼出しを行った第1の端末のアドレスをPBX装置6へ通知し、PBX装置6が上記第2の端末と呼出しを行った第1の端末との間で音声パケットを交換する通話モードへ移行する。これによって上記第2の端末と呼出しを行った第1の端末との間で通話が可能となる。
【0043】
通話モードとなると、第1の端末は、制御部20が予め決められた人物の顔の画像を例えば自装置の記憶部から読み出して、当該第1の端末の表示部25において画像を表示させる。この結果、表示部25には例えば
図11(b)に示すように担当の介護者(他の人でも良い)の顔が表示される。一方、第2の端末では、
図12に示すように通話相手の部屋番号(10102)と、氏名、「通話中」の文字、現在の時刻、通話終了ボタン「OFF」を表示して通話中であることを示す。
【0044】
第2の端末でアラート表示のエリアにタップすることにより、
図9のように表示された場合において、「カメラ」ボタンのタップがなされると、端末から対応情報として対象者個別情報と端末アドレスが送られる。これを受けたサーバ本体5では、対象者個別情報に基づきカメラアクセス用のURLをデータベース61にアクセスして検索し第2の端末へ上記で検索したURLを通知する。第2の端末では受け取ったURLにアクセスし映像表示する。
図13には、表示された映像の一例が示されている。これにより、対象者の様子をリアルタイム映像で確認することができる。なお、ネットワークカメラ或いはサーバ本体5にアラート表示がなされる所定時間前からの映像を記憶しておき、これを送るようにしても良い。これにより、アラート表示の原因となった行動を確認することが可能となる。
【0045】
図9の表示において、「対応済み」は当該介護者自らが対応した場合に操作するボタンであり、「対応不要」は文字通り対応不要であると判断した場合に操作するボタンである。対応結果の入力がなされると、送信元の端末アドレスから介護者の第2の端末か共同使用端末であるかを検出し、介護者の第2の端末か共同使用端末であるかに応じて、表示情報送信手段51が、既に送信されている表示情報を変更した対応中表示情報を作成して端末へ送信する。
【0046】
上記において送信された情報は端末に受け取られ、表示される。例えば、対応結果の送信元が介護者の第2の端末のときには、
図7(または
図10)の最上部エリアの一段下のエリアに示すように、ブルーのバック面81Bに、中央に対象者の氏名82を表示し、部屋番号83を左上角に表示し、表示メッセージ情報84を右上角に表示する。アラートの場合には、発生時刻85を左下角に表示し、アラートの発生回数86を右下角に表示したが、これに代えて、氏名82の表示エリアの下に、対応する介護者の氏名と対応中を示すメッセージ88が表示される。これは、表示情報送信手段51がデータベース61の情報である見守りをする介護者の個別情報と介護者の端末アドレスとが対応付けられた情報に基づき作成したものである。
【0047】
一方、対応結果の送信元が共同使用端末のときには、
図7(または
図10)の最下部エリアに示すように、ブルーのバック面81Bに、中央に対象者の氏名82を表示し、部屋番号83を左上角に表示し、表示メッセージ情報84を右上角に表示する。対応結果の送信元が介護者の端末の場合には、氏名82の表示エリアの下に、対応する介護者の氏名と対応中を示すメッセージ88を表示したが、これに代えて共同使用端末からの応答であることを示すため、例えば「みまもり支援システム○○さんが対応中」などのメッセージ89が表示される。このメッセージは、データベース61の情報に基づき共同使用端末からの応答である場合に作成される。
【0048】
このように、見守り対象者からの呼び出しを示す情報、アラートの情報、更には介護者による対応結果の情報などが、第2の端末において一画面に混在して表示され、見守り対象者による呼び出しを画面で確認して通話へと移行することが可能となり、介護者が見守り対象者に生じている事象を把握して行動することが期待できる。