(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6398128
(24)【登録日】2018年9月14日
(45)【発行日】2018年10月3日
(54)【発明の名称】熱交換器の製造方法とその装置
(51)【国際特許分類】
B21D 53/08 20060101AFI20180920BHJP
B21D 39/20 20060101ALI20180920BHJP
【FI】
B21D53/08 J
B21D39/20 B
【請求項の数】4
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-273826(P2013-273826)
(22)【出願日】2013年12月16日
(65)【公開番号】特開2014-193481(P2014-193481A)
(43)【公開日】2014年10月9日
【審査請求日】2016年12月6日
(31)【優先権主張番号】特願2012-289390(P2012-289390)
(32)【優先日】2012年12月19日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】591040627
【氏名又は名称】京進工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】戸倉 謙治
【審査官】
黒石 孝志
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−205134(JP,A)
【文献】
特開2000−301271(JP,A)
【文献】
実開平6−29736(JP,U)
【文献】
特開平9−99334(JP,A)
【文献】
特開平9−192761(JP,A)
【文献】
特開平6−269881(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 53/08
B21D 39/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換器(5)が複数の放熱フィン(6)と該複数の放熱フィンを挟み込むエンドプレート(5a)とその各々に挿通された管(7)とにより構成され、しかもエンドプレート(5a)から突出する管(7)の管口部(7b)側から管(7)の長手方向と交差する方向で放射状に拡縮自在で、且つ外周部に管(7)側方向に向かって放射状に拡がる面部を有すると共に、該管(7)を被うことが可能な複数の管当接部材(3f)を有した掴持体(3)を具備する掴持体ベース(3h)を熱交換器(5)側へと移動させ、その後移動する掴持体ベース(3h)をエンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長を設定する基準台(A)に当接(Aa)させることで掴持体ベース(3h)の熱交換器(5)側への移動を停止させた後、該掴持体ベース(3h)と基準台(A)とをロック手段(Ab)を介して固着保持し、その後エンドプレート(5a)から突出した管(7)の管口部(7b)から前記掴持体(3)内に往復自在に存在する拡管用マンドレル(2)を所定の寸法で圧入して所定長の拡管部(7d)を形成した後、該エンドプレート(5a)と掴持体ベース(3h)との間に設けられ、且つ前記複数の管当接部材(3f)を有した掴持体(3)に外嵌摺動する掴持体摺動手段(Xa)を備えた摺動ベース(3d)を熱交換器(5)側へと移動(C1)させることで、複数の管当接部材(3f)の各々を縮径させて拡管部(7d)を複数の管当接部材(3f)により掴持し、その後拡管用マンドレル(2)を再び前進させて管(7)を拡管した後、摺動ベース(3d)を熱交換器(5)から退避(C2)させることで拡管部(7d)を管当接部材(3f)の掴持から開放し、その後掴持体ベース(3h)より後方に所定の距離を介して存在すると共に、掴持体(3)内で拡管用マンドレル(2)に外嵌状態となるべく所定長を有しつつ先端にフレア加工用のフレアポンチ(10)を備えたフレアパイプ(10a)を有するフレアベース(B)を、該フレアベース(B)と掴持体ベース(3h)とを連結すると共に、互いを一定の距離間で引き寄せる方向に引張力を発生する連結兼引張力発生手段を介して基準台(A)にロック手段を介して固着保持された掴持体ベース(3h)側へと常に一定の距離で引き寄せて(C3)管口部(7b)側の拡管部(7d)からフレアポンチ(10)を圧入することで熱交換器(5)のエンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長に関係なくエンドプレート(5a)から一定の距離離間した管(7)の同じ位置に至るまで所定のフレア加工(7j)を管(7)の管口部(7b)から施し、その後フレアベース(B)、掴持体ベース(3h)及び摺動ベース(3d)の各々を熱交換器(5)から逃避させることにより熱交換器を製造することを特徴とする熱交換器の製造方法。
【請求項2】
熱交換器(5)が複数の放熱フィン(6)と該複数の放熱フィンを挟み込むエンドプレート(5a)とその各々に挿通された管(7)とにより構成され、しかもエンドプレート(5a)から突出する管(7)の管口部(7b)側から管(7)の長手方向と交差する方向で放射状に拡縮自在で、且つ外周部に管(7)側方向に向かって放射状に拡がる面部を有すると共に、該管(7)を被うことが可能な複数の管当接部材(3f)を有した掴持体(3)を具備する掴持体ベース(3h)を熱交換器(5)側へと移動させ、その後移動する掴持体ベース(3h)をエンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長を設定する基準台(A)に当接(Aa)させることで掴持体ベース(3h)の熱交換器(5)側への移動を停止させた後、該掴持体ベース(3h)と基準台(A)とをロック手段(Ab)を介して固着保持し、その後エンドプレート(5a)から突出した管(7)の管口部(7b)から前記掴持体(3)内に往復自在に存在する拡管用マンドレル(2)を所定の寸法で圧入して所定長の拡管部(7d)を形成した後、該エンドプレート(5a)と掴持体ベース(3h)との間に設けられ、且つ前記複数の管当接部材(3f)を有した掴持体(3)に外嵌摺動する掴持体摺動手段(Xa)を備えた摺動ベース(3d)を熱交換器(5)側へと移動(C1)することで、複数の管当接部材(3f)の各々を縮径させて拡管部(7d)を複数の管当接部材(3f)により掴持し、その後拡管用マンドレル(2)を再び前進させて管(7)を拡管しながら、掴持体ベース(3h)より後方に所定の距離を介して存在すると共に、掴持体(3)内で拡管用マンドレル(2)に外嵌状態となるべく所定長を有しつつ先端にフレア加工用のフレアポンチ(10)を備えたフレアパイプ(10a)を有するフレアベース(B)を、該フレアベース(B)と掴持体ベース(3h)とを連結すると共に、互いを一定の距離間で引き寄せる方向に引張力を発生する連結兼引張力発生手段を介して基準台(A)にロック手段を介して固着保持された掴持体ベース(3h)側へと常に一定の距離で引き寄せて(C3)管口部(7b)側の拡管部(7d)からフレアポンチ(10)を圧入することで熱交換器(5)のエンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長に関係なくエンドプレート(5a)から一定の距離離間した管(7)の同じ位置に至るまで所定のフレア加工(7j)を管(7)の管口部(7b)から施し、その後摺動ベース(3d)を熱交換器(5)から退避(C2)させることで拡管部(7d)を管当接部材(3f)の掴持から開放するとともに、フレアベース(B)、掴持体ベース(3h)及び摺動ベース(3d)の各々を熱交換器(5)から逃避させることにより熱交換器を製造することを特徴とする熱交換器の製造方法。
【請求項3】
熱交換器(5)が複数の放熱フィン(6)と該複数の放熱フィンを挟み込むエンドプレート(5a)とその各々に挿通された管(7)とにより構成され、しかもエンドプレート(5a)から突出する管(7)の管口部(7b)側から管(7)の長手方向と交差する方向で放射状に拡縮自在で、且つ外周部に管(7)側方向に向かって放射状に拡がる面部を有すると共に、該管(7)を被うことが可能な複数の管当接部材(3f)を有した掴持体(3)を具備する掴持体ベース(3h)を熱交換器(5)側へと移動させ、その後移動する掴持体ベース(3h)をエンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長を設定する基準台(A)に当接(Aa)させることで掴持体ベース(3h)の熱交換器(5)側への移動を停止させた後、該掴持体ベース(3h)と基準台(A)とをロック手段(Ab)を介して固着保持し、その後エンドプレート(5a)から突出した管(7)の管口部(7b)から前記掴持体(3)内に往復自在に存在する拡管用マンドレル(2)を所定の寸法で圧入して所定長の拡管部(7d)が形成された際、該管口部(7b)に先端にフレア加工用のフレアポンチ(10)を備えたフレアパイプ(10a)を有するフレアベース(B)を熱交換器(5)側へと移動させることでフレアポンチ(10)の先端の一部を管口部(7b)内に進入させつつ当接を維持し、その後エンドプレート(5a)と掴持体ベース(3h)との間に設けられ、且つ前記複数の管当接部材(3f)を有した掴持体(3)に外嵌摺動する掴持体摺動手段(Xa)を備えた摺動ベース(3d)を熱交換器(5)側へと移動(C1)することで、複数の管当接部材(3f)の各々を縮径させて拡管部(7d)を複数の管当接部材(3f)により掴持し、その後拡管用マンドレル(2)を再び前進させて管(7)を拡管した後、掴持体ベース(3h)より後方に所定の距離を介して存在すると共に、掴持体(3)内で拡管用マンドレル(2)に外嵌状態となるべく所定長を有しつつ先端にフレア加工用のフレアポンチ(10)を備えたフレアパイプ(10a)を有する前記フレアベース(B)を、該フレアベース(B)と掴持体ベース(3h)とを連結すると共に、互いを一定の距離間で引き寄せる方向に引張力を発生する連結兼引張力発生手段を介して基準台(A)にロック手段を介して固着保持された掴持体ベース(3h)側へと常に一定の距離で引き寄せて(C3)管口部(7b)側の拡管部(7d)からフレアポンチ(10)を圧入することで熱交換器(5)のエンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長に関係なくエンドプレート(5a)から一定の距離離間した管(7)の同じ位置に至るまで所定のフレア加工(7j)を管(7)の管口部(7b)から施し、その後摺動ベース(3d)を熱交換器(5)から退避(C2)させることで拡管部(7d)を管当接部材(3f)の掴持から開放するとともに、フレアベース(B)、掴持体ベース(3h)及び摺動ベース(3d)の各々を熱交換器(5)から逃避させることにより熱交換器を製造することを特徴とする熱交換器の製造方法。
【請求項4】
熱交換器(5)のエンドプレート(5a)から突出する管(7)の管口部(7b)側から該管(7)を所定の長さで拡管可能な所定長の拡管用マンドレル(2)を往復自在に備える拡管装置(1)が、前記エンドプレート(5a)から突出する管(7)の管口部(7b)側から管(7)の長手方向と交差する方向で放射状に拡縮自在で、且つ外周部に管(7)側方向に向かって放射状に拡がる面部を有すると共に、該管(7)を被うことが可能な複数の管当接部材(3f)を有した掴持体(3)を具備する掴持体ベース(3h)と、該掴持体ベース(3h)を熱交換器(5)側へと移動させる第1の往復動手段と、該第1の往復動手段を介して熱交換器(5)側へ移動する掴持体ベース(3h)を当接(Aa)させることで掴持体ベース(3h)の熱交換器(5)側への移動を停止させると共に、エンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長を設定すべく第2の往復動手段を介して往復動自在な基準台(A)と、該基準台(A)と前記掴持体ベース(3h)とを固着保持するロック手段(Ab)と、前記エンドプレート(5a)と掴持体ベース(3h)との間に第3の往復動手段を有して設けられると共に、前記複数の管当接部材(3f)を有した掴持体(3)に外嵌摺動可能な掴持体摺動手段(Xa)を備え、且つ該掴持体摺動手段(Xa)を第3の往復動手段を介して熱交換器(5)側へと移動(C1)させることで、複数の管当接部材(3f)の各々を縮径させて前記拡管用マンドレル(2)を介して形成された所定長の拡管部(7d)を複数の管当接部材(3f)により掴持し、且つ掴持体摺動手段(Xa)を第3の往復動手段を介して熱交換器(5)から退避(C2)させることで拡管部(7d)を管当接部材(3f)の掴持から開放すべく該掴持体摺動手段(Xa)を備えた摺動ベース(3d)と、前記掴持体ベース(3h)より後方に所定の距離を有して設けられると共に、前記掴持体(3)内で拡管用マンドレル(2)に外嵌され、且つ先端にフレア加工用のフレアポンチ(10)を備えた所定長のフレアパイプ(10a)を有するフレアベース(B)と、該フレアベース(B)と前記掴持体ベース(3h)とを連結すると共に、互いを一定の距離間で引き寄せる方向に引張力を発生する連結兼引張力発生手段とを備えてなり、しかも前記フレアベース(B)を連結兼引張力発生手段を介して基準台(A)にロック手段を介して固着保持された掴持体ベース(3h)側へと常に一定の距離で引き寄せて(C3)管口部(7b)側の拡管部(7d)からフレアポンチ(10)を圧入することで熱交換器(5)のエンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長に関係なくエンドプレート(5a)から一定の距離離間した管(7)の同じ位置に至るまで所定のフレア加工(7j)を管(7)の管口部(7b)から施す構成にしてなることを特徴とする熱交換器の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数重合された放熱フィンの夫々の貫通孔に挿通されたヘアピン管又は直管を拡管し放熱フィンと一体形成させる場合であっても、拡管されるヘアピン管又は直管の全長を拡管前と略同等にとどめることが出来るだけでなく、フレア加工をも同じ工程上で効率よく行うことが出来る熱交換器の製造方法とその装
置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、この種拡管される管の全長を、拡管前と略同等にとどめることが出来る熱交換器の製造方法としては、特開2002−205134と特開2000−301271の双方の技術を一体的に用いたものが存在する。
【特許文献1】特開2002−205134
【特許文献2】特開2000−301271
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
即ち、上記前者公報所載のものは、拡管装置の基台に立設された支柱の長手方向に沿って往復動自在で、しかも前記基台にセットされた熱交換器のエンドプレートから突出する管の突出長を設定すべく該管に外嵌可能で、且つ先端をエンドプレートに当接しつつ該エンドプレートを押し下げるストリッパーを有したストリッパープレートを所定位置で停止させるための基準台を有した拡管装置に関するものであり、後者公報所載のものは、前記ストリッパーと入れ替え可能で、且つ管の長手方向と交差する方向で放射状に拡縮自在な複数の管当接部材を有した掴持体を用いるものであり、該掴持体を用いることで拡管される管の全長を拡管前と略同等にとどめることが出来るだけでなく、所謂1次拡管後の管の管口に2・3次フレア加工をも施すことが出来るものである。
【0004】
尚、前記前者公報所載の技術と後者公報技術の双方を一体的に用いた拡管装置について更に詳しく説明すると、掴持体を有した第1プレート体(ストリッパープレート)を熱交換器のエンドプレートから突出する管側へと下降移動させて掴持体の管当接部材の先端を該エンドプレートに当接しつつ更に第1プレート体を下降させると該第1プレート体は基準台に当接することで、移動を阻止されると共に掴持体の管当接部材を介して管のエンドプレートからの突出長を設定することが出来る。
【0005】
次に、拡管用マンドレルを備えたマンドレルプレート体を下降させることで、管の管口部から拡管用マンドレルを所定の寸法で圧入して所定長の拡管部を形成した後、該拡管部の周面部を掴持体の放射状に拡縮自在な複数の管当接部材で掴持して保持し、その後再びマンドレルプレート体を下降することで拡管用マンドレルを介して管を拡管し、その後前記拡管部を管当接部材の固定から開放させた後、フレアポンチを有したフレアプレートを熱交換器側へと下降させて前記管口部にフレアポンチを圧入してフレア加工を施し、熱交換器を製造することが出来るというものである。
【0006】
しかしながら、上記構成にしてなる拡管装置は、フレアポンチを有したフレアプレートを熱交換器側へと下降させて前記管口部にフレアポンチを圧入してフレア加工を施すのであるが、如何せん、拡管を行う熱交換器に用いられる管の長さ(熱交換器の全長も変化することから、当然ながらエンドプレートの位置も変化する。)が常に一定であるとは限らない。
【0007】
よって、拡管を行う熱交換器のエンドプレートの位置が変化するたびに下降するフレアプレートの停止位置を調整する調整装置が必要であるばかりか、その調整作業も煩雑であるという問題が生じていた。
【0008】
即ち、本発明は、拡管を行う熱交換器の管の管口部の位置、更に詳しくは、熱交換器の種類等によって熱交換器のエンドプレートから所定の突出長を有して突出する管の管口部の位置がエンドプレートの位置で適宜変化する場合等であっても、フレア加工を施すフレアプレートの停止位置をその都度調整する調整装置が不要であるばかりか、その調整装置を介しての煩雑な調整作業も一切不要になるだけでなく、例え熱交換器の放熱フィンに千鳥状で挿通される各管が互いの間隔を接近させるべく3列、4列等の複数列となった場合であっても、確実に、且つ強固に内部側に位置する管を外部側に位置する直管又はヘアピン管と同様に保持することが出来るだけでなく、又拡管を行う熱交換器の直管又はヘアピン管の管径が熱交換器の仕様の種類によって変った場合であっても、確実且つ強固に管の管口部側を保持することが出来ると共に、煩雑なフレア加工をも同工程上で管に施すことが出来るという極めて優れた熱交換器の製造方法とその装
置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
しかして、本発明は上記課題を解決すべく全く新しい熱交換器の製造方法とその装置を発明し、以下の手段を講じたものである。
即ち、本発明における熱交換器の製造方法は、熱交換器(5)が複数の放熱フィン(6)と該複数の放熱フィンを挟み込むエンドプレート(5a)とその各々に挿通された管(7)とにより構成され、しかもエンドプレート(5a)から突出する管(7)の管口部(7b)側から管(7)の長手方向と交差する方向で放射状に拡縮自在で、且つ外周部に管(7)側方向に向かって放射状に拡がる面部を有すると共に、該管(7)を被うことが可能な複数の管当接部材(3f)を有した掴持体(3)を具備する掴持体ベース(3h)を熱交換器(5)側へと移動させ、その後移動する掴持体ベース(3h)をエンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長を設定する基準台(A)に当接(Aa)させることで掴持体ベース(3h)の熱交換器(5)側への移動を停止させた後、該掴持体ベース(3h)と基準台(A)とをロック手段(Ab)を介して固着保持し、その後エンドプレート(5a)から突出した管(7)の管口部(7b)から前記掴持体(3)内に往復自在に存在する拡管用マンドレル(2)を所定の寸法で圧入して所定長の拡管部(7d)を形成した後、該エンドプレート(5a)と掴持体ベース(3h)との間に設けられ、且つ前記複数の管当接部材(3f)を有した掴持体(3)に外嵌摺動する掴持体摺動手段(Xa)を備えた摺動ベース(3d)を熱交換器(5)側へと移動(C1)させることで、複数の管当接部材(3f)の各々を縮径させて拡管部(7d)を複数の管当接部材(3f)により掴持し、その後拡管用マンドレル(2)を再び前進させて管(7)を拡管した後、摺動ベース(3d)を熱交換器(5)から退避(C2)させることで拡管部(7d)を管当接部材(3f)の掴持から開放し、その後掴持体ベース(3h)より後方に所定の距離を介して存在すると共に、掴持体(3)内で拡管用マンドレル(2)に外嵌状態となるべく所定長を有しつつ先端にフレア加工用のフレアポンチ(10)を備えたフレアパイプ(10a)を有するフレアベース(B)を、該フレアベース(B)と掴持体ベース(3h)とを連結すると共に、互いを一定の距離間で引き寄せる方向に引張力を発生する連結兼引張力発生手段を介して基準台(A)にロック手段を介して固着保持された掴持体ベース(3h)側へと
常に一定の距離で引き寄せ
て(C
3)管口部(7b)側の拡管部(7d)
からフレアポンチ(10)を圧入
することで熱交換器(5)のエンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長に関係なくエンドプレート(5a)から一定の距離離間した管(7)の同じ位置に至るまで所定のフレア加工(7j)を
管(7)の管口部(7b)から施し、その後フレアベース(B)、掴持体ベース(3h)及び摺動ベース(3d)の各々を熱交換器(5)から逃避させることにより熱交換器を製造することにある。
【0010】
更に、本発明における熱交換器の製造方法は、熱交換器(5)が複数の放熱フィン(6)と該複数の放熱フィンを挟み込むエンドプレート(5a)とその各々に挿通された管(7)とにより構成され、しかもエンドプレート(5a)から突出する管(7)の管口部(7b)側から管(7)の長手方向と交差する方向で放射状に拡縮自在で、且つ外周部に管(7)側方向に向かって放射状に拡がる面部を有すると共に、該管(7)を被うことが可能な複数の管当接部材(3f)を有した掴持体(3)を具備する掴持体ベース(3h)を熱交換器(5)側へと移動させ、その後移動する掴持体ベース(3h)をエンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長を設定する基準台(A)に当接(Aa)させることで掴持体ベース(3h)の熱交換器(5)側への移動を停止させた後、該掴持体ベース(3h)と基準台(A)とをロック手段(Ab)を介して固着保持し、その後エンドプレート(5a)から突出した管(7)の管口部(7b)から前記掴持体(3)内に往復自在に存在する拡管用マンドレル(2)を所定の寸法で圧入して所定長の拡管部(7d)を形成した後、該エンドプレート(5a)と掴持体ベース(3h)との間に設けられ、且つ前記複数の管当接部材(3f)を有した掴持体(3)に外嵌摺動する掴持体摺動手段(Xa)を備えた摺動ベース(3d)を熱交換器(5)側へと移動(C1)することで、複数の管当接部材(3f)の各々を縮径させて拡管部(7d)を複数の管当接部材(3f)により掴持し、その後拡管用マンドレル(2)を再び前進させて管(7)を拡管しながら、掴持体ベース(3h)より後方に所定の距離を介して存在すると共に、掴持体(3)内で拡管用マンドレル(2)に外嵌状態となるべく所定長を有しつつ先端にフレア加工用のフレアポンチ(10)を備えたフレアパイプ(10a)を有するフレアベース(B)を、該フレアベース(B)と掴持体ベース(3h)とを連結すると共に、互いを一定の距離間で引き寄せる方向に引張力を発生する連結兼引張力発生手段を介して基準台(A)にロック手段を介して固着保持された掴持体ベース(3h)側へと
常に一定の距離で引き寄せ
て(C
3)管口部(7b)側の拡管部(7d)
からフレアポンチ(10)を圧入
することで熱交換器(5)のエンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長に関係なくエンドプレート(5a)から一定の距離離間した管(7)の同じ位置に至るまで所定のフレア加工(7j)を
管(7)の管口部(7b)から施し、その後摺動ベース(3d)を熱交換器(5)から退避(C2)させることで拡管部(7d)を管当接部材(3f)の掴持から開放するとともに、フレアベース(B)、掴持体ベース(3h)及び摺動ベース(3d)の各々を熱交換器(5)から逃避させることにより熱交換器を製造することにある。
【0011】
更に、本発明における熱交換器の製造方法は、熱交換器(5)が複数の放熱フィン(6)と該複数の放熱フィンを挟み込むエンドプレート(5a)とその各々に挿通された管(7)とにより構成され、しかもエンドプレート(5a)から突出する管(7)の管口部(7b)側から管(7)の長手方向と交差する方向で放射状に拡縮自在で、且つ外周部に管(7)側方向に向かって放射状に拡がる面部を有すると共に、該管(7)を被うことが可能な複数の管当接部材(3f)を有した掴持体(3)を具備する掴持体ベース(3h)を熱交換器(5)側へと移動させ、その後移動する掴持体ベース(3h)をエンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長を設定する基準台(A)に当接(Aa)させることで掴持体ベース(3h)の熱交換器(5)側への移動を停止させた後、該掴持体ベース(3h)と基準台(A)とをロック手段(Ab)を介して固着保持し、その後エンドプレート(5a)から突出した管(7)の管口部(7b)から前記掴持体(3)内に往復自在に存在する拡管用マンドレル(2)を所定の寸法で圧入して所定長の拡管部(7d)が形成された際、該管口部(7b)に先端にフレア加工用のフレアポンチ(10)を備えたフレアパイプ(10a)を有するフレアベース(B)を熱交換器(5)側へと移動させることでフレアポンチ(10)の先端の一部を管口部(7b)内に進入させつつ当接を維持し、その後エンドプレート(5a)と掴持体ベース(3h)との間に設けられ、且つ前記複数の管当接部材(3f)を有した掴持体(3)に外嵌摺動する掴持体摺動手段(Xa)を備えた摺動ベース(3d)を熱交換器(5)側へと移動(C1)することで、複数の管当接部材(3f)の各々を縮径させて拡管部(7d)を複数の管当接部材(3f)により掴持し、その後拡管用マンドレル(2)を再び前進させて管(7)
を拡管した後、掴持体ベース(3h)より後方に所定の距離を介して存在すると共に、掴持体(3)内で拡管用マンドレル(2)に外嵌状態となるべく所定長を有しつつ先端にフレア加工用のフレアポンチ(10)を備えたフレアパイプ(10a)を有する前記フレアベース(B)を、該フレアベース(B)と掴持体ベース(3h)とを連結すると共に、互いを一定の距離間で引き寄せる方向に引張力を発生する連結兼引張力発生手段を介して基準台(A)にロック手段を介して固着保持された掴持体ベース(3h)側へと
常に一定の距離で引き寄せ
て(C
3)管口部(7b)側の拡管部(7d)
からフレアポンチ(10)を圧入
することで熱交換器(5)のエンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長に関係なくエンドプレート(5a)から一定の距離離間した管(7)の同じ位置に至るまで所定のフレア加工(7j)を
管(7)の管口部(7b)から施し、その後摺動ベース(3d)を熱交換器(5)から退避(C2)させることで拡管部(7d)を管当接部材(3f)の掴持から開放するとともに、フレアベース(B)、掴持体ベース(3h)及び摺動ベース(3d)の各々を熱交換器(5)から逃避させることにより熱交換器を製造することにある。
【0012】
更に、上記各製造方法を実現するための熱交換器の製造装置として本発明は、熱交換器(5)のエンドプレート(5a)から突出する管(7)の管口部(7b)側から該管(7)を所定の長さで拡管可能な所定長の拡管用マンドレル(2)を往復自在に備える拡管装置(1)が、前記エンドプレート(5a)から突出する管(7)の管口部(7b)側から管(7)の長手方向と交差する方向で放射状に拡縮自在で、且つ外周部に管(7)側方向に向かって放射状に拡がる面部を有すると共に、該管(7)を被うことが可能な複数の管当接部材(3f)を有した掴持体(3)を具備する掴持体ベース(3h)と、該掴持体ベース(3h)を熱交換器(5)側へと移動させる第1の往復動手段と、該第1の往復動手段を介して熱交換器(5)側へ移動する掴持体ベース(3h)を当接(Aa)させることで掴持体ベース(3h)の熱交換器(5)側への移動を停止させると共に、エンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長を設定すべく第2の往復動手段を介して往復動自在な基準台(A)と、該基準台(A)と前記掴持体ベース(3h)とを固着保持するロック手段(Ab)と、前記エンドプレート(5a)と掴持体ベース(3h)との間に第3の往復動手段を有して設けられると共に、前記複数の管当接部材(3f)を有した掴持体(3)に外嵌摺動可能な掴持体摺動手段(Xa)を備え、且つ該掴持体摺動手段(Xa)を第3の往復動手段を介して熱交換器(5)側へと移動(C1)させることで、複数の管当接部材(3f)の各々を縮径させて前記拡管用マンドレル(2)を介して形成された所定長の拡管部(7d)を複数の管当接部材(3f)により掴持し、且つ掴持体摺動手段(Xa)を第3の往復動手段を介して熱交換器(5)から退避(C2)させることで拡管部(7d)を管当接部材(3f)の掴持から開放すべく該掴持体摺動手段(Xa)を備えた摺動ベース(3d)と、前記掴持体ベース(3h)より後方に所定の距離を有して設けられると共に、前記掴持体(3)内で拡管用マンドレル(2)に外嵌され、且つ先端にフレア加工用のフレアポンチ(10)を備えた所定長のフレアパイプ(10a)を有するフレアベース(B)と、該フレアベース(B)と前記掴持体ベース(3h)とを連結すると共に、互いを一定の距離間で引き寄せる方向に引張力を発生する連結兼引張力発生手段とを備え
てなり、しかも前記フレアベース(B)を連結兼引張力発生手段を介して基準台(A)にロック手段を介して固着保持された掴持体ベース(3h)側へと常に一定の距離で引き寄せて(C3)管口部(7b)側の拡管部(7d)からフレアポンチ(10)を圧入することで熱交換器(5)のエンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長に関係なくエンドプレート(5a)から一定の距離離間した管(7)の同じ位置に至るまで所定のフレア加工(7j)を管(7)の管口部(7b)から施す構成にしてなることにある。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、熱交換器(5)が複数の放熱フィン(6)と該複数の放熱フィンを挟み込むエンドプレート(5a)とその各々に挿通された管(7)とにより構成され、しかもエンドプレート(5a)から突出する管(7)の管口部(7b)側から管(7)の長手方向と交差する方向で放射状に拡縮自在で、且つ外周部に管(7)側方向に向かって放射状に拡がる面部を有すると共に、該管(7)を被うことが可能な複数の管当接部材(3f)を有した掴持体(3)を具備する掴持体ベース(3h)を熱交換器(5)側へと移動させ、その後移動する掴持体ベース(3h)をエンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長を設定する基準台(A)に当接(Aa)させることで掴持体ベース(3h)の熱交換器(5)側への移動を停止させた後、該掴持体ベース(3h)と基準台(A)とをロック手段(Ab)を介して固着保持し、その後エンドプレート(5a)から突出した管(7)の管口部(7b)から前記掴持体(3)内に往復自在に存在する拡管用マンドレル(2)を所定の寸法で圧入して所定長の拡管部(7d)を形成した後、該エンドプレート(5a)と掴持体ベース(3h)との間に設けられ、且つ前記複数の管当接部材(3f)を有した掴持体(3)に外嵌摺動する掴持体摺動手段(Xa)を備えた摺動ベース(3d)を熱交換器(5)側へと移動(C1)させることで、複数の管当接部材(3f)の各々を縮径させて拡管部(7d)を複数の管当接部材(3f)により掴持し、その後拡管用マンドレル(2)を再び前進させて管(7)を拡管した後、摺動ベース(3d)を熱交換器(5)から退避(C2)させることで拡管部(7d)を管当接部材(3f)の掴持から開放し、その後掴持体ベース(3h)より後方に所定の距離を介して存在すると共に、掴持体(3)内で拡管用マンドレル(2)に外嵌状態となるべく所定長を有しつつ先端にフレア加工用のフレアポンチ(10)を備えたフレアパイプ(10a)を有するフレアベース(B)を、該フレアベース(B)と掴持体ベース(3h)とを連結すると共に、互いを一定の距離間で引き寄せる方向に引張力を発生する連結兼引張力発生手段を介して基準台(A)にロック手段を介して固着保持された掴持体ベース(3h)側へと
常に一定の距離で引き寄せ
て(C
3)管口部(7b)側の拡管部(7d)
からフレアポンチ(10)を圧入
することで熱交換器(5)のエンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長に関係なくエンドプレート(5a)から一定の距離離間した管(7)の同じ位置に至るまで所定のフレア加工(7j)を
管(7)の管口部(7b)から施し、その後フレアベース(B)、掴持体ベース(3h)及び摺動ベース(3d)の各々を熱交換器(5)から逃避させることにより熱交換器を製造することから、フレア加工を施すフレアベース(B)を掴持体ベース(3h)側へと常に一定の距離で引き寄せて移動させることが可能となり、よって拡管を行う熱交換器(5)の管(7)の管口部(7b)の位置(拡管を行う熱交換器に用いられる管の長さによって熱交換器(5)の全長が変化し、しいてはエンドプレートの位置が変化)が熱交換器(5)の種類によって変化する場合であっても、フレアベース(フレアプレート)の停止位置を調整する調整装置が不要であるばかりか、煩雑な調整作業も一切不要にしつつ管(7)の長手の全長等を介して適宜エンドプレート(5a)の位置が異なる各種の熱交換器(5)の
エンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長に関係なくエンドプレート(5a)から一定の距離離間した管(7)の同じ位置に至るまでの深さで同形状のフレア加工が形成された熱交換器(5)を効率よく製造することが出来るという格別な効果を奏する。
【0014】
更に、本発明は、熱交換器(5)が複数の放熱フィン(6)と該複数の放熱フィンを挟み込むエンドプレート(5a)とその各々に挿通された管(7)とにより構成され、しかもエンドプレート(5a)から突出する管(7)の管口部(7b)側から管(7)の長手方向と交差する方向で放射状に拡縮自在で、且つ外周部に管(7)側方向に向かって放射状に拡がる面部を有すると共に、該管(7)を被うことが可能な複数の管当接部材(3f)を有した掴持体(3)を具備する掴持体ベース(3h)を熱交換器(5)側へと移動させ、その後移動する掴持体ベース(3h)をエンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長を設定する基準台(A)に当接(Aa)させることで掴持体ベース(3h)の熱交換器(5)側への移動を停止させた後、該掴持体ベース(3h)と基準台(A)とをロック手段(Ab)を介して固着保持し、その後エンドプレート(5a)から突出した管(7)の管口部(7b)から前記掴持体(3)内に往復自在に存在する拡管用マンドレル(2)を所定の寸法で圧入して所定長の拡管部(7d)を形成した後、該エンドプレート(5a)と掴持体ベース(3h)との間に設けられ、且つ前記複数の管当接部材(3f)を有した掴持体(3)に外嵌摺動する掴持体摺動手段(Xa)を備えた摺動ベース(3d)を熱交換器(5)側へと移動(C1)することで、複数の管当接部材(3f)の各々を縮径させて拡管部(7d)を複数の管当接部材(3f)により掴持し、その後拡管用マンドレル(2)を再び前進させて管(7)を拡管しながら、掴持体ベース(3h)より後方に所定の距離を介して存在すると共に、掴持体(3)内で拡管用マンドレル(2)に外嵌状態となるべく所定長を有しつつ先端にフレア加工用のフレアポンチ(10)を備えたフレアパイプ(10a)を有するフレアベース(B)を、掴持体(3)内で拡管用マンドレル(2)に外嵌状態となるべく所定長を有しつつ先端にフレア加工用のフレアポンチ(10)を備えたフレアパイプ(10a)を有するフレアベース(B)を、該フレアベース(B)と掴持体ベース(3h)とを連結すると共に、互いを一定の距離間で引き寄せる方向に引張力を発生する連結兼引張力発生手段を介して基準台(A)にロック手段を介して固着保持された掴持体ベース(3h)側へと
常に一定の距離で引き寄せ
て(C
3)管口部(7b)側の拡管部(7d)
からフレアポンチ(10)を圧入
することで熱交換器(5)のエンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長に関係なくエンドプレート(5a)から一定の距離離間した管(7)の同じ位置に至るまで所定のフレア加工(7j)を
管(7)の管口部(7b)から施し、その後摺動ベース(3d)を熱交換器(5)から退避(C2)させることで拡管部(7d)を管当接部材(3f)の掴持から開放するとともに、フレアベース(B)、掴持体ベース(3h)及び摺動ベース(3d)の各々を熱交換器(5)から逃避させることにより熱交換器を製造することから、フレア加工を施すフレアベース(B)を掴持体ベース(3h)側へと常に一定の距離で引き寄せて移動させる工程を拡管用マンドレル(2)が管(7)を拡管しながらの工程中(1次拡管中)に行うことで、1次拡管後に2・3次フレア拡管を行う全工程時間と比べ、その全工程時間を約半分に短縮することが出来、生産効率の極めて高い拡管工程を実現することが出来るという効果を奏するのみならず、拡管を行う熱交換器(5)の管(7)の管口部(7b)の位置(拡管を行う熱交換器に用いられる管の長さによって熱交換器(5)の全長が変化し、しいてはエンドプレートの位置が変化)が熱交換器(5)の種類によって変化する場合であっても、フレアベース(フレアプレート)の停止位置を調整する調整装置が不要であるばかりか、煩雑な調整作業も一切不要にしつつ管(7)の長手の全長等を介して適宜エンドプレート(5a)の位置が異なる各種の熱交換器(5)の
エンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長に関係なくエンドプレート(5a)から一定の距離離間した管(7)の同じ位置に至るまでの深さで同形状のフレア加工が形成された熱交換器(5)を効率よく製造することが出来るという格別な効果を奏する。
【0015】
更に、本発明は、熱交換器(5)が複数の放熱フィン(6)と該複数の放熱フィンを挟み込むエンドプレート(5a)とその各々に挿通された管(7)とにより構成され、しかもエンドプレート(5a)から突出する管(7)の管口部(7b)側から管(7)の長手方向と交差する方向で放射状に拡縮自在で、且つ外周部に管(7)側方向に向かって放射状に拡がる面部を有すると共に、該管(7)を被うことが可能な複数の管当接部材(3f)を有した掴持体(3)を具備する掴持体ベース(3h)を熱交換器(5)側へと移動させ、その後移動する掴持体ベース(3h)をエンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長を設定する基準台(A)に当接(Aa)させることで掴持体ベース(3h)の熱交換器(5)側への移動を停止させた後、該掴持体ベース(3h)と基準台(A)とをロック手段(Ab)を介して固着保持し、その後エンドプレート(5a)から突出した管(7)の管口部(7b)から前記掴持体(3)内に往復自在に存在する拡管用マンドレル(2)を所定の寸法で圧入して所定長の拡管部(7d)が形成された際、該管口部(7b)に先端にフレア加工用のフレアポンチ(10)を備えたフレアパイプ(10a)を有するフレアベース(B)を熱交換器(5)側へと移動させることでフレアポンチ(10)の先端の一部を管口部(7b)内に進入させつつ当接を維持し、その後エンドプレート(5a)と掴持体ベース(3h)との間に設けられ、且つ前記複数の管当接部材(3f)を有した掴持体(3)に外嵌摺動する掴持体摺動手段(Xa)を備えた摺動ベース(3d)を熱交換器(5)側へと移動(C1)することで、複数の管当接部材(3f)の各々を縮径させて拡管部(7d)を複数の管当接部材(3f)により掴持し、その後拡管用マンドレル(2)を再び前進させて管(7)
を拡管した後、掴持体ベース(3h)より後方に所定の距離を介して存在すると共に、掴持体(3)内で拡管用マンドレル(2)に外嵌状態となるべく所定長を有しつつ先端にフレア加工用のフレアポンチ(10)を備えたフレアパイプ(10a)を有する前記フレアベース(B)を、該フレアベース(B)と掴持体ベース(3h)とを連結すると共に、互いを一定の距離間で引き寄せる方向に引張力を発生する連結兼引張力発生手段を介して基準台(A)にロック手段を介して固着保持された掴持体ベース(3h)側へと
常に一定の距離で引き寄せ
て(C
3)管口部(7b)側の拡管部(7d)
からフレアポンチ(10)を圧入
することで熱交換器(5)のエンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長に関係なくエンドプレート(5a)から一定の距離離間した管(7)の同じ位置に至るまで所定のフレア加工(7j)を
管(7)の管口部(7b)から施し、その後摺動ベース(3d)を熱交換器(5)から退避(C2)させることで拡管部(7d)を管当接部材(3f)の掴持から開放するとともに、フレアベース(B)、掴持体ベース(3h)及び摺動ベース(3d)の各々を熱交換器(5)から逃避させることにより熱交換器を製造することから、フレア加工を施すフレアベース(B)を掴持体ベース(3h)側へと常に一定の距離で引き寄せて移動させる工程前に、フレアベース(B)のフレアポンチ(10)の先端の一部を管口部(7b)内に進入させつつ当接を維持しつつ拡管用マンドレル(2)が管(7)を拡管しながらの工程中(1次拡管中)又は拡管後(1次拡管後)に行うことで、管口部(7b)とフレアポンチ(10)の先端との当接衝撃を事前回避することが可能となり、よって管口部(7b)がかじり等で変形したりフレアポンチ(10)が損傷したりするのを防止することが可能となり、よって不良率の極めて少ない熱交換器を製造することが出来るだけでなく、1次拡管後に2・3次フレア拡管を行う全工程時間と比べ、その全工程時間を短縮することも出来、生産効率の極めて高い拡管工程を実現することが出来るという効果を奏するのみならず、拡管を行う熱交換器(5)の管(7)の管口部(7b)の位置(拡管を行う熱交換器に用いられる管の長さによって熱交換器(5)の全長が変化し、しいてはエンドプレートの位置が変化)が熱交換器(5)の種類によって変化する場合であっても、フレアベース(フレアプレート)の停止位置を調整する調整装置が不要であるばかりか、煩雑な調整作業も一切不要にしつつ管(7)の長手の全長等を介して適宜エンドプレート(5a)の位置が異なる各種の熱交換器(5)の
エンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長に関係なくエンドプレート(5a)から一定の距離離間した管(7)の同じ位置に至るまでの深さで同形状のフレア加工が形成された熱交換器(5)を効率よく製造することが出来るという格別な効果を奏する。
【0016】
上記各発明によれば、例え熱交換器(5)の放熱フィンに千鳥状で挿通される各管(7)が互いの間隔を接近させるべく3列、4列等の複数列となった場合であっても、確実に、且つ強固に内部側に位置する管(7)を外部側に位置する管(7)と同様に保持することが出来るだけでなく、又拡管を行う熱交換器(5)の管(7)の管径が熱交換器(5)の仕様の種類によって変った場合であっても、確実且つ強固に管(7)の管口部(7b)側を複数の管当接部材(3f)を有した掴持体(3)で保持することが出来ると共に、煩雑なフレア加工をも同工程上で管(7)に施すことが出来るという効果がある。
【0017】
更に、上記各発明において、掴持体ベース(3h)を前記熱交換器(5)側へと移動する際、管当接部材(3f)の先端を熱交換器(5)のエンドプレート(5a)に当接させ、その後当接した状態を保持しつつ該管当接部材(3f)を前記掴持体ベース(3h)を介して更に熱交換器(5)側へと移動させて該掴持体ベース(3h)を基準台(A)に当接(Aa)することで管(7)のエンドプレート(5a)からの突出長を設定する場合には、拡管を行う熱交換器(5)の種類(全長等)が適宜変更された場合でも、往復動自在な基準台(A)を介して常にエンドプレート(5a)の位置及び該エンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長を常に簡単且つ確実に保つことが出来るという効果がある。
【0018】
更に、上記各発明において、連結兼引張力発生手段、フレアベース(B)及び/又は掴持体ベース(3h)の少なくとも何れかに、フレア加工時におけるフレアベース(B)と掴持体ベース(3h)との距離を調整設定可能な距離調整手段が設けられた場合には、エンドプレート(5a)の位置が異なる各種の熱交換器(5)のエンドプレート(5a)から所定の長さで突出した管(7)の管口部(7b)に常に一定深さで同形状のフレア加工を形成する場合におけるフレア形成の基本位置や基本深さを適宜簡単且つ確実に設定して常に一定の位置及び深さで同形状のフレア加工を有する熱交換器(5)を効率よく大量に製造することが出来るという効果を奏する。
【0019】
更に、本発明は、上記各製造方法により製造された熱交換器(5)を備えた空気調和機(20)を提供するものであり、よって管(7)の長手方向で全長等の異なる各種の熱交換器(5)のエンドプレート(5a)の位置が各種熱交換器(5)に応じて適宜異なる場合でも、該エンドプレート(5a)から所定の長さで突出する管(7)の管口部(7b)に常に一定深さで同形状のフレア加工を形成することが出来、よって、該フレア加工部にベンド管等を鑞付けする場合等においての品質管理の容易さのみならず水洩れ等の不良の発生等をも低減出来る高品質の熱交換器(5)を備えた空気調和機(20)を市場に普及させることが出来るという効果を奏する。
【0020】
更に、本発明は、上記各製造方法により製造された熱交換器(5)を備えた空気調和機(20)に用いられる室外機(21)を提供するものであり、よって管(7)の長手方向で全長等の異なる各種の熱交換器(5)のエンドプレート(5a)の位置が各種熱交換器(5)に応じて適宜異なる場合でも、該エンドプレート(5a)から所定の長さで突出する管(7)の管口部(7b)に常に一定深さで同形状のフレア加工を形成することが出来、よって、該フレア加工部にベンド管等を鑞付けする場合等においての品質管理の容易さのみならず水洩れ等の不良の発生等をも低減出来る高品質の熱交換器(5)を備えた空気調和機(20)に用いられる室外機(21)を市場に普及させることが出来るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の熱交換器の製造方法を実施するための熱交換器の製造装置の一部省略概略説明図。
【
図2】本発明の熱交換器の製造方法で製造された熱交換器を示し、同図(イ)は熱交換器を備えた空気調和機、同図(ロ)は熱交換器を備えた空気調和機に用いられる室外機。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明における熱交換器の製造方法を実施するための熱交換器の製造装置を図面に基づいて説明するが、本発明は、従来技術で説明した特開2002−205134の拡管装置(基準台Aを備え、且つ後述する掴持体ベース3hを介して管7のエンドプレート5aからの突出長を設定可能な拡管装置)に、特開2000−301271の拡管装置(複数の管当接部材3fを有した掴持体3を備えた第1プレート体3h(以下、掴持体ベース3hという。)、掴持体3に外嵌摺動する掴持体摺動手段を備え、且つ熱交換器5側へと移動することで、複数の管当接部材3fの各々を縮径させて拡管部7dを複数の管当接部材3fにより掴持させる第2プレート体3d(以下、摺動ベース3dという。)及び管口部7b側の拡管部7dにフレアポンチ10を圧入して所定のフレア加工7jを施すためのフレアプレート(以下、フレアベースBという。)を具備させたものであり、以下各部の説明は、特開2000−301271の各部の番号を用いて行うものとし、重複する箇所の説明並びに動作等は以下省略する。
【0023】
図1において、1は要部を拡大した熱交換器の製造装置を示し、かかる製造装置1は、熱交換器5のエンドプレート5aから突出する管7の管口部7b側から該管7を所定の長さで拡管可能な所定長の拡管用マンドレル2を往復自在に備え、しかも前記エンドプレート5aから突出する管7の管口部7b側から管7の長手方向と交差する方向で放射状に拡縮自在で、且つ外周部に管7側方向に向かって放射状に拡がる面部を有すると共に、該管7を被うことが可能な複数の管当接部材3fを有した掴持体3を具備する掴持体ベース3hと、該掴持体ベース3hを熱交換器5側へと移動させる油圧又はモーターを用いての各種シリンダーや各種ボール螺子等を用いた第1の往復動手段(図示せず)と、該第1の往復動手段を介して熱交換器5側へ移動する掴持体ベース3hを当接Aaさせることで掴持体ベース3hの熱交換器5側への移動を停止させると共に、エンドプレート5aから突出する管7の突出長を設定すべく、モーターを介して駆動する各種ボール螺子又はシリンダー等を用いた第2の往復動手段(図示せず)を介して往復動自在な基準台Aと、該基準台Aと前記掴持体ベース3hとを固着保持すべくモーター等を介して出退自在に駆動するロックピン等のロック手段Abと、前記エンドプレート5aと掴持体ベース3hとの間に各種ボール螺子又はシリンダー等を用いた第3の往復動手段(図示せず)を有して設けられると共に、前記複数の管当接部材3fを有した掴持体3に外嵌摺動可能な掴持体摺動手段Xaを備え、且つ該掴持体摺動手段Xaを第3の往復動手段(図示せず)を介して熱交換器5側へと移動C1させることで、複数の管当接部材3fの各々を縮径させて前記拡管用マンドレル2を介して形成された所定長の拡管部7dを複数の管当接部材3fにより掴持し、且つ掴持体摺動手段Xaを第3の往復動手段(図示せず)を介して熱交換器5から退避C2させることで拡管部7dを管当接部材3fの掴持から開放すべく該掴持体摺動手段Xaを備えた摺動ベース3dと、前記掴持体ベース3hより後方に所定の距離を有して設けられると共に、前記掴持体3内で拡管用マンドレル2に外嵌され、且つ先端にフレア加工用のフレアポンチ10を備えた所定長のフレアパイプ10aを有するフレアベースB、該フレアベースBと前記掴持体ベース3hとを連結すると共に、互いを一定の距離間で引き寄せる方向に引張力を発生すべく連結兼引張力発生手段Xbとを備えてなるものである。
【0024】
次に、上記構成からなる熱交換器の製造装置を用いて、熱交換器を製造する方法について説明する。
その第1の製造方法は、熱交換器(5)が複数の放熱フィン(6)と該複数の放熱フィンを挟み込むエンドプレート(5a)とその各々に挿通された管(7)とにより構成され、しかもエンドプレート(5a)から突出する管(7)の管口部(7b)側から管(7)の長手方向と交差する方向で放射状に拡縮自在で、且つ外周部に管(7)側方向に向かって放射状に拡がる面部を有すると共に、該管(7)を被うことが可能な複数の管当接部材(3f)を有した掴持体(3)を具備する掴持体ベース(3h)を熱交換器(5)側へと移動させ、その後移動する掴持体ベース(3h)をエンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長を設定する基準台(A)に当接(Aa)させることで掴持体ベース(3h)の熱交換器(5)側への移動を停止させた後、該掴持体ベース(3h)と基準台(A)とをロック手段(Ab)を介して固着保持し、その後エンドプレート(5a)から突出した管(7)の管口部(7b)から前記掴持体(3)内に往復自在に存在する拡管用マンドレル(2)を所定の寸法で圧入して所定長の拡管部(7d)を形成した後、該エンドプレート(5a)と掴持体ベース(3h)との間に設けられ、且つ前記複数の管当接部材(3f)を有した掴持体(3)に外嵌摺動する掴持体摺動手段(Xa)を備えた摺動ベース(3d)を熱交換器(5)側へと移動(C1)させることで、複数の管当接部材(3f)の各々を縮径させて拡管部(7d)を複数の管当接部材(3f)により掴持し、その後拡管用マンドレル(2)を再び前進させて管(7)を拡管した後、摺動ベース(3d)を熱交換器(5)から退避(C2)させることで拡管部(7d)を管当接部材(3f)の掴持から開放し、その後掴持体ベース(3h)より後方に所定の距離を介して存在すると共に、掴持体(3)内で拡管用マンドレル(2)に外嵌状態となるべく所定長を有しつつ先端にフレア加工用のフレアポンチ(10)を備えたフレアパイプ(10a)を有するフレアベース(B)を、該フレアベース(B)と掴持体ベース(3h)とを連結すると共に、互いを一定の距離間で引き寄せる方向に引張力を発生する連結兼引張力発生手段を介して基準台(A)にロック手段を介して固着保持された掴持体ベース(3h)側へと
常に一定の距離で引き寄せ
て(C
3)管口部(7b)側の拡管部(7d)
からフレアポンチ(10)を圧入
することで熱交換器(5)のエンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長に関係なくエンドプレート(5a)から一定の距離離間した管(7)の同じ位置に至るまで所定のフレア加工(7j)を
管(7)の管口部(7b)から施し、その後フレアベース(B)、掴持体ベース(3h)及び摺動ベース(3d)の各々を熱交換器(5)から逃避させることにより熱交換器を製造することから、フレア加工を施すフレアベース(B)を掴持体ベース(3h)側へと常に一定の距離で引き寄せて移動させることが可能となり、よって拡管を行う熱交換器(5)の管(7)の管口部(7b)の位置(拡管を行う熱交換器に用いられる管の長さによって熱交換器(5)の全長が変化し、しいてはエンドプレートの位置が変化)が熱交換器(5)の種類によって変化する場合であっても、フレアベース(フレアプレート)の停止位置を調整する調整装置が不要であるばかりか、煩雑な調整作業も一切不要にしつつ管(7)の長手の全長等を介して適宜エンドプレート(5a)の位置が異なる各種の熱交換器(5)の
エンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長に関係なくエンドプレート(5a)から一定の距離離間した管(7)の同じ位置に至るまでの深さで同形状のフレア加工が形成された熱交換器(5)を効率よく製造することが出来るという格別な効果を奏する。
【0025】
更に、第2の製造方法は、熱交換器(5)が複数の放熱フィン(6)と該複数の放熱フィンを挟み込むエンドプレート(5a)とその各々に挿通された管(7)とにより構成され、しかもエンドプレート(5a)から突出する管(7)の管口部(7b)側から管(7)の長手方向と交差する方向で放射状に拡縮自在で、且つ外周部に管(7)側方向に向かって放射状に拡がる面部を有すると共に、該管(7)を被うことが可能な複数の管当接部材(3f)を有した掴持体(3)を具備する掴持体ベース(3h)を熱交換器(5)側へと移動させ、その後移動する掴持体ベース(3h)をエンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長を設定する基準台(A)に当接(Aa)させることで掴持体ベース(3h)の熱交換器(5)側への移動を停止させた後、該掴持体ベース(3h)と基準台(A)とをロック手段(Ab)を介して固着保持し、その後エンドプレート(5a)から突出した管(7)の管口部(7b)から前記掴持体(3)内に往復自在に存在する拡管用マンドレル(2)を所定の寸法で圧入して所定長の拡管部(7d)を形成した後、該エンドプレート(5a)と掴持体ベース(3h)との間に設けられ、且つ前記複数の管当接部材(3f)を有した掴持体(3)に外嵌摺動する掴持体摺動手段(Xa)を備えた摺動ベース(3d)を熱交換器(5)側へと移動(C1)することで、複数の管当接部材(3f)の各々を縮径させて拡管部(7d)を複数の管当接部材(3f)により掴持し、その後拡管用マンドレル(2)を再び前進させて管(7)を拡管しながら、掴持体ベース(3h)より後方に所定の距離を介して存在すると共に、掴持体(3)内で拡管用マンドレル(2)に外嵌状態となるべく所定長を有しつつ先端にフレア加工用のフレアポンチ(10)を備えたフレアパイプ(10a)を有するフレアベース(B)を、該フレアベース(B)と掴持体ベース(3h)とを連結すると共に、互いを一定の距離間で引き寄せる方向に引張力を発生する連結兼引張力発生手段を介して基準台(A)にロック手段を介して固着保持された掴持体ベース(3h)側へと
常に一定の距離で引き寄せ
て(C
3)管口部(7b)側の拡管部(7d)
からフレアポンチ(10)を圧入
することで熱交換器(5)のエンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長に関係なくエンドプレート(5a)から一定の距離離間した管(7)の同じ位置に至るまで所定のフレア加工(7j)を
管(7)の管口部(7b)から施し、その後摺動ベース(3d)を熱交換器(5)から退避(C2)させることで拡管部(7d)を管当接部材(3f)の掴持から開放するとともに、フレアベース(B)、掴持体ベース(3h)及び摺動ベース(3d)の各々を熱交換器(5)から逃避させることにより熱交換器を製造することから、フレア加工を施すフレアベース(B)を掴持体ベース(3h)側へと常に一定の距離で引き寄せて移動させる工程を拡管用マンドレル(2)が管(7)を拡管しながらの工程中(1次拡管中)に行うことで、1次拡管後に2・3次フレア拡管を行う全工程時間と比べ、その全工程時間を約半分に短縮することが出来、生産効率の極めて高い拡管工程を実現することが出来るという効果を奏するのみならず、拡管を行う熱交換器(5)の管(7)の管口部(7b)の位置(拡管を行う熱交換器に用いられる管の長さによって熱交換器(5)の全長が変化し、しいてはエンドプレートの位置が変化)が熱交換器(5)の種類によって変化する場合であっても、フレアベース(フレアプレート)の停止位置を調整する調整装置が不要であるばかりか、煩雑な調整作業も一切不要にしつつ管(7)の長手の全長等を介して適宜エンドプレート(5a)の位置が異なる各種の熱交換器(5)の
エンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長に関係なくエンドプレート(5a)から一定の距離離間した管(7)の同じ位置に至るまでの深さで同形状のフレア加工が形成された熱交換器(5)を効率よく製造することが出来るという格別な効果を奏する。
【0026】
更に、第3の製造方法は、熱交換器(5)が複数の放熱フィン(6)と該複数の放熱フィンを挟み込むエンドプレート(5a)とその各々に挿通された管(7)とにより構成され、しかもエンドプレート(5a)から突出する管(7)の管口部(7b)側から管(7)の長手方向と交差する方向で放射状に拡縮自在で、且つ外周部に管(7)側方向に向かって放射状に拡がる面部を有すると共に、該管(7)を被うことが可能な複数の管当接部材(3f)を有した掴持体(3)を具備する掴持体ベース(3h)を熱交換器(5)側へと移動させ、その後移動する掴持体ベース(3h)をエンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長を設定する基準台(A)に当接(Aa)させることで掴持体ベース(3h)の熱交換器(5)側への移動を停止させた後、該掴持体ベース(3h)と基準台(A)とをロック手段(Ab)を介して固着保持し、その後エンドプレート(5a)から突出した管(7)の管口部(7b)から前記掴持体(3)内に往復自在に存在する拡管用マンドレル(2)を所定の寸法で圧入して所定長の拡管部(7d)が形成された際、該管口部(7b)に先端にフレア加工用のフレアポンチ(10)を備えたフレアパイプ(10a)を有するフレアベース(B)を熱交換器(5)側へと移動させることでフレアポンチ(10)の先端の一部を管口部(7b)内に進入させつつ当接を維持し、その後エンドプレート(5a)と掴持体ベース(3h)との間に設けられ、且つ前記複数の管当接部材(3f)を有した掴持体(3)に外嵌摺動する掴持体摺動手段(Xa)を備えた摺動ベース(3d)を熱交換器(5)側へと移動(C1)することで、複数の管当接部材(3f)の各々を縮径させて拡管部(7d)を複数の管当接部材(3f)により掴持し、その後拡管用マンドレル(2)を再び前進させて管(7)
を拡管した後、掴持体ベース(3h)より後方に所定の距離を介して存在すると共に、掴持体(3)内で拡管用マンドレル(2)に外嵌状態となるべく所定長を有しつつ先端にフレア加工用のフレアポンチ(10)を備えたフレアパイプ(10a)を有する前記フレアベース(B)を、該フレアベース(B)と掴持体ベース(3h)とを連結すると共に、互いを一定の距離間で引き寄せる方向に引張力を発生する連結兼引張力発生手段を介して基準台(A)にロック手段を介して固着保持された掴持体ベース(3h)側へと
常に一定の距離で引き寄せ
て(C
3)管口部(7b)側の拡管部(7d)
からフレアポンチ(10)を圧入
することで熱交換器(5)のエンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長に関係なくエンドプレート(5a)から一定の距離離間した管(7)の同じ位置に至るまで所定のフレア加工(7j)を
管(7)の管口部(7b)から施し、その後摺動ベース(3d)を熱交換器(5)から退避(C2)させることで拡管部(7d)を管当接部材(3f)の掴持から開放するとともに、フレアベース(B)、掴持体ベース(3h)及び摺動ベース(3d)の各々を熱交換器(5)から逃避させることにより熱交換器を製造することから、フレア加工を施すフレアベース(B)を掴持体ベース(3h)側へと常に一定の距離で引き寄せて移動させる工程前に、フレアベース(B)のフレアポンチ(10)の先端の一部を管口部(7b)内に進入させつつ当接を維持しつつ拡管用マンドレル(2)が管(7)を拡管しながらの工程中(1次拡管中)又は拡管後(1次拡管後)に行うことで、管口部(7b)とフレアポンチ(10)の先端との当接衝撃を事前回避することが可能となり、よって管口部(7b)がかじり等で変形したりフレアポンチ(10)が損傷したりするのを防止することが可能となり、よって不良率の極めて少ない熱交換器を製造することが出来るだけでなく、1次拡管後に2・3次フレア拡管を行う全工程時間と比べ、その全工程時間を短縮することも出来、生産効率の極めて高い拡管工程を実現することが出来るという効果を奏するのみならず、拡管を行う熱交換器(5)の管(7)の管口部(7b)の位置(拡管を行う熱交換器に用いられる管の長さによって熱交換器(5)の全長が変化し、しいてはエンドプレートの位置が変化)が熱交換器(5)の種類によって変化する場合であっても、フレアベース(フレアプレート)の停止位置を調整する調整装置が不要であるばかりか、煩雑な調整作業も一切不要にしつつ管(7)の長手の全長等を介して適宜エンドプレート(5a)の位置が異なる各種の熱交換器(5)の
エンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長に関係なくエンドプレート(5a)から一定の距離離間した管(7)の同じ位置に至るまでの深さで同形状のフレア加工が形成された熱交換器(5)を効率よく製造することが出来るという格別な効果を奏する。
【0027】
よって、上記各製造方法によれば、例え熱交換器(5)の放熱フィンに千鳥状で挿通される各管(7)が互いの間隔を接近させるべく3列、4列等の複数列となった場合であっても、確実に、且つ強固に内部側に位置する管(7)を外部側に位置する管(7)と同様に保持することが出来るだけでなく、又拡管を行う熱交換器(5)の管(7)の管径が熱交換器(5)の仕様の種類によって変った場合であっても、確実且つ強固に管(7)の管口部(7b)側を複数の管当接部材(3f)を有した掴持体(3)で保持することが出来ると共に、煩雑なフレア加工をも同工程上で管(7)に施すことが出来るという効果がある。
【0028】
更に、上記各発明において、掴持体ベース(3h)を前記熱交換器(5)側へと移動する際、管当接部材(3f)の先端を熱交換器(5)のエンドプレート(5a)に当接させ、その後当接した状態を保持しつつ該管当接部材(3f)を前記掴持体ベース(3h)を介して更に熱交換器(5)側へと移動させて該掴持体ベース(3h)を基準台(A)に当接(Aa)することで管(7)のエンドプレート(5a)からの突出長を設定する場合には、拡管を行う熱交換器(5)の種類(全長等)が適宜変更された場合でも、往復動自在な基準台(A)を介して常にエンドプレート(5a)の位置及び該エンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長を常に簡単且つ確実に保つことが出来るという効果がある。
【0029】
更に、上記各発明において、連結兼引張力発生手段、フレアベース(B)及び/又は掴持体ベース(3h)の少なくとも何れかに、フレア加工時におけるフレアベース(B)と掴持体ベース(3h)との距離を調整設定可能なごとく、例えば、ボルトとナット等の組み合わせやボール螺子等を用いた距離調整手段(図示せず)が設けられた場合には、エンドプレート(5a)の位置が異なる各種の熱交換器(5)のエンドプレート(5a)から所定の長さで突出した管(7)の管口部(7b)側
の拡管部(7d)からフレアポンチ(10)を圧入することで熱交換器(5)のエンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長に関係なくエンドプレート(5a)から一定の距離離間した管(7)の同じ位置に至るまで所定のフレア加工(7j)を管(7)の管口部(7b)から施して同形状のフレア加工を形成する場合におけるフレア形成の基本位置や基本深さを適宜簡単且つ確実に設定して
エンドプレート(5a)から突出する管(7)の突出長に関係なく常に
エンドプレート(5a)から一定の距離離間した管(7)の同じ位置に同形状のフレア加工を有する熱交換器(5)を効率よく大量に製造することが出来るという効果を奏する。
【0030】
更に、本発明は、上記各製造方法により製造された熱交換器(5)を備えた空気調和機(20)を提供するものであり、よって管(7)の長手方向で全長等の異なる各種の熱交換器(5)のエンドプレート(5a)の位置が各種熱交換器(5)に応じて適宜異なる場合でも、該エンドプレート(5a)から所定の長さで突出する管(7)の
突出長に関係なくエンドプレート(5a)から一定の距離離間した管(7)の同じ位置に至るまで所定のフレア加工(7j)を管(7)の管口部(7b)
から施して常
に同形状のフレア加工を形成することが出来、よって、該フレア加工部にベンド管等を鑞付けする場合等においての品質管理の容易さのみならず水洩れ等の不良の発生等をも低減出来る高品質の熱交換器(5)を備えた空気調和機(20)を市場に普及させることが出来るという効果を奏する。
【0031】
更に、本発明は、上記各製造方法により製造された熱交換器(5)を備えた空気調和機(20)に用いられる室外機(21)を提供するものであり、よって管(7)の長手方向で全長等の異なる各種の熱交換器(5)のエンドプレート(5a)の位置が各種熱交換器(5)に応じて適宜異なる場合でも、該エンドプレート(5a)から所定の長さで突出する管(7)の
突出長に関係なくエンドプレート(5a)から一定の距離離間した管(7)の同じ位置に至るまで所定のフレア加工(7j)を管(7)の管口部(7b)
から施して常
に同形状のフレア加工を形成することが出来、よって、該フレア加工部にベンド管等を鑞付けする場合等においての品質管理の容易さのみならず水洩れ等の不良の発生等をも低減出来る高品質の熱交換器(5)を備えた空気調和機(20)に用いられる室外機(21)を市場に普及させることが出来るという効果を奏する。
【0032】
更に、本発明における熱交換器の製造方法を実現するための拡管装置は必ずしも竪型拡管装置である必要はなく、所謂横型装置置であってもよく、更に本発明の一実施形態において、複数の管当接部材を有した掴持体等の数量、配列及び配設箇所等も決して限定されないのは言うまでもなく、更にフレアベース、掴持体ベース、摺動ベース、基準台及び掴持体摺動手段等の具体的な形状、構造も限定されるものではなく、更に連結兼引張力発生手段のみならず第1〜第3の各往復動手段に油圧又はモーターを用いての各種シリンダーや各種ボール螺子等を用いた場合について説明したが、各手段の具体的な構造、形状、動力源等も決して限定されるものではなく、又、距離調整手段の具体的な構造等も含め本発明の意図する範囲内で任意に設計変更自在であるのは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、拡管されるヘアピン管又は直管の全長を拡管前と略同等にとどめることが出来るだけでなく、熱交換器の種類等によりエンドプレートの位置が適宜異なる場合であっても、該エンドプレートより所定の長さで突出した管の
突出長に関係なくエンドプレートから一定の距離離間した管の同じ位置に至るまで所定のフレア加工を管の管口
部から施すことが出来、更に、フレア加工を行うにあたり、従来の様な煩雑な位置調整や高額な調整装置も不要になり、常にフレア加工を同じ1次拡管工程上で効率よく行うことが出来る熱交換器の製造方法とその装
置に関するものである。
【符号の説明】
【0034】
A…基準台
B…フレアベース
1…熱交換器の製造装置
2…拡管用マンドレル
3…掴持体
3d…摺動ベース
3f…管当接部材
3h…掴持体ベース
5…熱交換器
5a…エンドプレート
7…管
10…フレアポンチ