(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明をミラーレスのレンズ交換式デジタルカメラに適用した実施形態であって、その主要構成をブロックで示した図である。このレンズ交換式のデジタルカメラ10は、カメラボディ11と、このカメラボディ11に着脱可能な撮影レンズ51とを備えている。
【0016】
カメラボディ11は、カメラボディ11及び撮影レンズ51の機能を総括的に制御する制御手段としてボディCPU31(自動焦点調節部)を備えている。
【0017】
一方、撮影レンズ51は、撮影光学系の一部を構成し、焦点調節部として機能する焦点調節レンズ群52と、焦点調節レンズ群52を光軸方向(光軸Oと平行な方向)に駆動するギヤブロック53と、マウント部に設けられた、カメラボディ11のジョイント35と着脱自在に連結するジョイント55と、レンズ機能を制御するレンズCPU57とを備えている。撮影光学系は焦点調節レンズ群52の他に、詳細は図示しないが、ズームレンズを構成するバリエータ、コンペンセータレンズ群と、絞りを含んでいる。ジョイント55は、一方向入出力回転伝達機構54を介してギヤブロック53と連結されている。さらに撮影レンズ51は、手動回転操作されるピントリング(手動操作部)59を備えている。ピントリング59は、焦点調節レンズ群52の光軸Oを仮想中心軸として回転自在に形成され、一方向入出力回転伝達機構(手動操作部)58を介してギヤブロック53に連結されている。
【0018】
この撮影レンズ51において、一方の一方向入出力回転伝達機構54は、ジョイント55の回転はギヤブロック53に伝達して図示しないレンズ駆動環を回転させて焦点調節レンズ群52を光軸方向に移動させるが、ギヤブロック53の回転はジョイント55に伝達しない公知の機構である。他方の一方向入出力回転伝達機構58は、ピントリング59の回転はギヤブロック53に伝達してレンズ駆動環を回転させて焦点調節レンズ群52を光軸方向に移動させるが、ギヤブロック53の回転はピントリング59に伝達しない公知の機構である。このような機構はシームレスレンズ駆動切換機構として周知である。
【0019】
撮影レンズ51は、装着されたカメラボディ11の自動焦点調節部とは独立して、ピントリング59を手動で操作することにより、焦点調節レンズ群52を移動させて焦点調節することが可能である。例えば、使用者がピントリング59を回転操作して焦点調節レンズ群52を特定被写体に対して合焦するであろう位置に移動させた後、カメラボディ11の自動焦点調節部によって焦点調節レンズ群52を特定被写体に対して合焦する位置に移動させることも、その逆も可能である。
【0020】
ボディCPU31は、AFモータドライバ32を介してAFモータ33を回転駆動する。AFモータ33の回転は、ギヤブロック34により減速され、カメラボディ11のマウント部に設けられたジョイント35を介して撮影レンズ51のマウント部に設けられたジョイント55に伝達される。ジョイント55の回転は、一方向入出力回転伝達機構54を介してギヤブロック53に伝達され、ギヤブロック53を介して焦点調節レンズ群52を光軸方向に進退移動させる。AFモータ33は、その回転に連動してAFパルスを出力するエンコーダ37を備えている。ボディCPU31は、エンコーダ37が出力するAFパルスをAFモータ33の回転方向に応じて内蔵のカウンタ31aによりカウントして、焦点調節レンズ群52の光軸方向位置または基準位置からの駆動量を検出する公知の構成である。ボディCPU31、AFモータドライバ32、AFモータ33、ジョイント35、撮像素子45、AFE46及びDSP41は、自動焦点調節装置を構成している。
【0021】
レンズCPU57は、電気接点群56、36の接続を介してカメラボディ11の周辺制御回路21と接続されていて、この周辺制御回路21を介してボディCPU31との間で、レンズの種別情報、開放(最小)F値/最大F値情報、焦点距離情報、撮影距離情報などを所定のデータ通信により通信する。
【0022】
カメラボディ11内にはさらに、撮影レンズ51内の絞り装置(図示せず)を開閉制御する絞り機構22を備えている。
【0023】
ボディCPU31には、フォーカスモードをマニュアルフォーカス(MF)モード、オートフォーカス(シングルAF/コンティニュアスAF)モード、オートフォーカスモードの中で、天体AFモードと通常AFモードを切り換えるフォーカスモードスイッチSWFMo、オートフォーカス動作(自動焦点調節動作)を開始させるAF作動スイッチSWAF、静止画撮影及び静止画記録処理を開始させるレリーズスイッチSWR、周辺制御回路21等への電源をオン/オフするメインスイッチSWM、撮影モード/再生モード/設定モードなどのモード、撮影モードにおいて、天体撮影モードと通常撮影モードを切り換えるモードスイッチSWMo、及び焦点検出領域または合焦した被写体画像を含む一部領域を拡大表示する拡大表示スイッチSWMagが接続されている。天体AFモードは天体撮影に最適化したAFモードあり、天体撮影モードは天体撮影に最適化した撮影モードであるが、詳細は後述する。
【0024】
カメラボディ11には、撮像部として撮像素子45が設けられている。撮影レンズ51からカメラボディ11内に入射した被写体光束は、撮像素子45の受光面に被写体像を形成する。撮像素子45は、受光した被写体像を、画素単位で電気的な画像信号に変換して出力する。撮像素子45が出力した画像信号は、AFE(アナログフロントエンド)46でデジタル化され、DSP41でホワイトバランス等の信号処理、モニタ(表示部)42で表示可能な表示用画像信号への変換処理等がなされ、表示用画像信号によって被写体画像がモニタ42に表示される。モニタ42は、カメラボディ11の背面に装着されている。モニタ42にはさらに、設定されたAFモード(シングルAF/コンティニュアスAF)、撮影モード/再生モード/設定モード、シャッタ速度、絞り値などの各種撮影情報が表示される。なお、
図1には、二点鎖線で示した撮像素子45と、実線で示したAFE46と接続された撮像素子45を示しているが、これらは同一の撮像素子である。
【0025】
DSP41は、ボディCPU31との間で画像信号、撮影に関する情報を通信し、ボディCPU31の動作状態に応じて動作する。例えばDSP41とモニタ42は、ボディCPU31が撮影モードで動作している場合は、撮像素子45が出力した画像信号をモニタ42にライブビュー表示するライブビュー表示部として動作する。DSP41は、ボディCPU31が自動焦点調節動作(AF処理)している場合は、撮像素子45が出力した画像信号をボディCPU31が処理可能な画像信号に変換してボディCPU31に出力する。DSP41は、ボディCPU31が静止画撮影動作している場合は、ボディCPU31が設定した条件で撮像素子45に撮像動作させて撮像素子45が撮像した被写体画像信号に所定の処理を施してフラッシュメモリ38に書き込む。フラッシュメモリ38は、カメラボディ11に着脱自在な公知のメモリーカードである。
【0026】
ボディCPU31は、メインスイッチSWMが電源ON操作されると、周辺制御回路21、DSP41などカメラボディ11内の他の部材への電源をONし、モニタ42に初期情報を表示させる。周辺制御回路21は、レンズCPU57と通信して、レンズ種別情報などの情報を通信する。ボディCPU31は、撮影モードが選択されている場合に、DSP41を介してライブビュー表示用の撮像処理(動画撮像処理)を撮像素子45に開始させて、撮像素子45が撮像した被写体画像をDSP41を介してモニタ42にライブビュー表示させる。
【0027】
ボディCPU31は、DSP41から出力された被写体画像信号により被写体輝度を検出し、DSP41を介して、撮像素子45の露光時間(機械シャッタ速度、電子シャッタ速度)、または撮像素子45が出力した画像信号のゲイン(ISO感度)を調整する。
【0028】
カメラボディ11(ボディCPU31)は、公知の通常AF(自動焦点調節)機能を有する。この実施形態の通常AFは、焦点調節レンズ群52を光軸方向に移動しながら撮像素子45が撮像した
被写体像(画像信号
)を使用
して焦点状態を検出する公知のいわゆる画像コントラスト検出方式である。ボディCPU31は、AF作動スイッチSWAFがONされたときに自動焦点調節処理を開始する。ボディCPU31は、AFモータ33を介して焦点調節レンズ群52を可動範囲(至近端と無限遠端)の間を移動させながら、撮像素子45が
撮像した被写体像(画像信号
)に基づいてコントラストを算出し、コントラストがピークとなる焦点調節レンズ群52の位置(合焦位置)を検出するコントラストサーチ動作を実行する。ボディCPU31は、コントラストがピークとなる位置を検出したとき、そのときの焦点調節レンズ群52の位置(合焦位置)に焦点調節レンズ群52をAFモータ33を駆動して移動させる。AFモータ33、ギヤブロック34及びジョイント35は、焦点調節部である焦点調節レンズ群52を光軸方向に移動させる移動部を構成している。
【0029】
このカメラボディ11は、天体撮影モードで動作する場合、自動焦点調節を天体AF動作で行う。ボディCPU31は、天体AF動作では、先ず、焦点調節レンズ群52を無限遠端(無限遠側可動端)に移動させて、撮像素子45が撮像した画像信号から円状の光点となる特定の天体画像を認識(抽出)し、認識した天体画像の直径Rまたは天体画像の中心輝度Bvを検出する。その後焦点調節レンズ群52を無限遠端から近端方向(無限遠側可動端から最短可動端側)に所定長単位でステップ移動させながら各位置において撮像素子45が撮像した画像信号から円状の光点となる特定の天体画像を認識(追従)し、認識した天体画像の直径Rまたは天体画像の中心輝度Bvを検出する。そうして、複数ステップ移動させて各位置で検出した複数の直径Rまたは中心輝度Bvから、直径Rの極小値または中心輝度Bvの極大値を検出する。直径Rの極小値または中心輝度Bvの極大値を検出したときの焦点調節レンズ群52の位置を天体合焦位置に設定してその天体合焦位置に焦点調節レンズ群52を移動させる。
【0030】
ここでボディCPU31は、撮像素子45が撮像した画像信号から特定の天体画像を認識する画像認識部31cと、該画像認識部が認識した天体画像のサイズを検出するサイズ検出部31dと、同天体画像の輝度を検出する輝度検出部31eと、上記サイズの極小値を検出する極小値検出部31fと、輝度の極大値を検出する極大値検出部31gと、上記該極小値、または極大値を検出したときの焦点調節レンズ群52の位置を合焦位置に設定してこの合焦位置に上記焦点調節レンズ群52を移動させる移動制御部31hを構成している。
【0031】
図2は、夜間、天体撮影モードにより天体撮影する際の天体AF動作における、焦点調節レンズ群52の移動軌跡(サーチ方向)と、撮影した天体画像の様子を説明するタイミングチャートである。ここでは、焦点調節レンズ群52を無限遠端から近端方向に1ステップ単位で移動したときの天体画像の変化を示している。
図2において、正方形の升目は撮像素子45の各画素45aを表している。この実施形態では、特定天体画像のサイズとして直径Rを検出し、天体画像の輝度Bvとして、中心輝度Bvを検出する。
【0032】
図2に示した例では、焦点調節レンズ群52を無限遠端から2ステップ目で直径Rの極小値及び中心輝度Bvの極大値が得られていたことを4ステップ目で判定し、極大値が得られたときの焦点調節レンズ群52の位置を合焦位置として、この合焦位置に焦点調節レンズ群52を移動している。この実施形態は、天体画像の直径Rまたは中心輝度Bvが2回連続小さくまたは大きくなり、かつその後2回連続して大きくまたは小さくなったときの極値(変曲点)を極小値または極大値、つまり天体の合焦位置と判定している。焦点調節レンズ群52の無限遠端は、無限遠側可動端であって、機械的な当て付き端でもある。
【0033】
天体撮影時のAF動作(天体AF動作)について、
図2及び
図3を参照して説明する。
図3は、AF動作に関するフローチャートである。
図3のAF動作は、AF作動スイッチSWAFがオンされたとき、ボディCPU31による統括的制御により実行される。なお、撮影者は、できるだけ明るい天体(星)が画面の中央に位置するように構図を決めることが望ましい。
【0034】
ボディCPU31は、AF動作に入ると、先ず天体撮影モードか否かチェックする(S101)。ボディCPU31は、天体撮影モードが設定されていない場合(S101:NO)は、通常のAF動作を実行してAF動作を終了する(S119、AF終了)。天体撮影モードが設定されている場合(S101:YES)は天体AF動作に入り、まずAFモータ33を無限遠端方向に駆動して、焦点調節レンズ群52を無限遠端(当て付き端)に移動させる(S103)。
【0035】
続いてボディCPU31は、撮像素子45に撮像動作させて、撮像した画像信号から円状の光点となる天体画像を認識(検出、抽出)する(S105)。ボディCPU31は、円画像を認識できなかったとき(S107:NO)、焦点調節レンズ群52を近距離側にステップ移動させ(S109)、撮像素子45を撮像動作させて撮像した画像信号から円状の光点となる天体画像を認識する(S105)。
【0036】
ボディCPU31は、円画像を認識できたとき(S107:YES)、その円画像の直径Rを検出し、検出した直径Rとこのときの焦点調節レンズ群52の位置をRAM31bに書き込み(S111)、直径Rの極小値が得られたか否かチェックする(S113)。ボディCPU31は、極小値が得られていなかったとき(S113:NO)、焦点調節レンズ群52を近距離側にステップ移動させ(S115)、撮像素子45を撮像動作させて撮像した画像信号から円画像を認識(円画像を追尾)し(S117)、認識した円画像の直径Rを検出して検出した直径Rとこのときの焦点調節レンズ群52の位置をRAM31bに書き込む(S111)。
【0037】
ボディCPU31は、以上のステップS111ないしS117の処理を繰り返して、直径Rの極小値を検出する。
【0038】
ボディCPU31は、直径Rの極小値を検出したとき(S113:YES)、その極小値が得られたときの焦点調節レンズ群52の位置をRAM31bから読み出して合焦位置に設定し、その合焦位置に焦点調節レンズ群52を移動させて(S119)、天体AFモードを終了する(AF終了)。天体画像の直径Rの極小値が得られたときの焦点調節レンズ群52の位置が、その天体画像に対する天体合焦位置である。
【0039】
ボディCPU31は、焦点調節レンズ群52を天体合焦位置に移動したら、焦点調節レンズ群52を天体合焦位置にロックする。例えば、測光スイッチSWSがオンしても、焦点調節レンズ群52を移動させない。そうしてボディCPU31は、レリーズスイッチSWRがオンしたとき、天体撮影モードで撮影動作する。
【0040】
以上の通り本発明の第1の実施形態は、天体撮影モードでAF動作するとき、天体画像の直径Rが極小になる焦点調節レンズ群52の位置を検出するので、天体画像に対して正確に合焦させることが可能になる。従って本発明の第1の実施形態によれば、焦点調節レンズ群52を異なる複数位置に移動して撮影した単一の天体画像のサイズの変化によって合焦状態
(焦点状態)を検出するので、天体に対して簡単に正確に合焦状態
(焦点状態)を検出し、合焦させることができる。
【0041】
天体画像の認識、認識した天体画像の直径Rの検出は、公知の画像処理方法により実施できる。天体画像の認識は、画面の中央領域を優先して行うことが好ましい。
特定の天体画像は、地球の自転により撮影画面上を移動するので、ステップS117では、特定の天体画像の移動軌跡を演算して追尾することが好ましい。
天体画像の直径Rの極小値は、天体画像の直径Rが複数回連続して小さくなり、その後複数回連続して大きくなったことにより検出できる。なお、極小値を検出できなかったときは、例えば最も小さい直径Rが得られたときの焦点調節レンズ群52の位置に焦点調節レンズ群52を移動してもよい。
【0042】
以上の実施形態は、天体画像のサイズとして直径Rを検出したが、天体画像の面積を検出してもよい。天体画像の面積が極小となったときの焦点調節レンズ群52の位置が天体合焦位置である。
【0043】
天体画像が合焦しているか否か
(天体画像の焦点状態)は、天体画像の中心輝度Bvにより検出することもできる。天体画像の輝度は、合焦したときが最も高く、デフォーカス(ピンぼけ)量が大きくなればなるほど低くなる。そこで第2の実施形態は、天体画像の直径Rの検出に代えて、天体画像の中心輝度Bvを検出することとした。
図2に示したタイミングチャートでは、中心輝度Bv
を、1画素分の画像データによって検出している。
【0044】
図4には、中心輝度Bvにより
天体の焦点状態(天体合焦位置
)を検出するときの動作をフローチャートで示している。
図3と同一の処理には同一のステップS番号を付して説明を省略する。円画像を認識するまでの処理(ステップS101ないしS109)は
図3のフローチャートと同一なので、円画像を認識した後(S107:YES)以降のステップS211ないしS219の処理について説明する。
【0045】
ボディCPU31は、その円画像の中心輝度Bvを検出し、検出した中心輝度Bvと、このときの焦点調節レンズ群52の位置をRAM31bに書き込む(S211)。そうしてボディCPU31は、中心輝度Bvの極大値が得られたか否かチェックし(S213)、極大値が得られていなかったとき(S213:NO)、焦点調節レンズ群52を近距離側にステップ移動させる(S215)。ボディCPU31は、撮像素子45を撮像動作させて撮像した画像信号から円画像を認識(円画像を追尾)し(S217)、認識した円画像の中心輝度Bvを検出して、検出した中心輝度Bvとこのときの焦点調節レンズ群52の位置をRAM31bに書き込む(S211)。
【0046】
ボディCPU31は、以上のステップS211ないし217の処理を繰り返して、中心輝度Bvの極大値を検出する(S213:NO)。
【0047】
ボディCPU31は、中心輝度Bvの極大値を検出したとき(S213:YES)、その極大値をとったときの焦点調節レンズ群52の位置をRAM31bから読み出して合焦位置に設定し、その合焦位置に焦点調節レンズ群52を移動させて(S219)、天体AFモードを終了する(AF終了)。天体画像の中心輝度Bvの極大値が得られたときの焦点調節レンズ群52の位置が、その天体画像に対する天体合焦位置である。
【0048】
以上の通り本発明の第2の実施形態は、天体撮影モードでAF動作するとき、天体画像の中心輝度Bvが極大になる焦点調節レンズ群52の位置を検出するので、
天体に対して正確に合焦させることが可能になる。従って本発明の第2の実施形態によれば、焦点調節レンズ群52を異なる複数位置に移動して撮影した単一の天体画像の輝度の変化によって合焦状態
(焦点状態)を検出するので、天体に対して簡単に正確に合焦状態
(焦点状態)を検出し、合焦させることができる。
【0049】
天体画像の中心輝度Bvは、
図3の実施形態では画素1個分の画像データを使用して求めたが、互いに隣接する画素4個分、または隣接する画素9個分もしくはそれ以上の画素の画像データの平均値を使用して求めてもよい。
【0050】
天体画像の中心輝度Bvの極大値は、天体画像の中心輝度Bvが複数回連続して大きくなり、その後複数回連続して小さくなったことにより検出できる。なお、極大値を検出できなかったときは、例えば最も大きい(高い)中心輝度Bvが得られたときの焦点調節レンズ群52の位置に焦点調節レンズ群52を移動してもよい。
【0051】
天体画像を認識する領域を予め画面の座標として設定し、天体画像認識領域を囲む天体測距フレームをモニタ画面に表示させて、使用者がこの天体測距フレーム内に天体画像が入るように構図決めする構成にしてもよい。この実施形態によれば、デジタルカメラ10は天体測距フレーム内の画像データにより天体画像を認識すればよいので画像データ量が少なく、天体画像の認識が容易になり、短時間で正確に、高精度に検出できる。撮影者は、天体測距フレーム内の天体像に合焦することが分かるので、合焦させるべき天体の捕捉、選択が容易になる。
【0052】
AF作動スイッチSWAFがオンしたとき、フレーム内の画像をモニタに拡大表示すれば、撮影者はどの天体がフレーム内に入っているかの視認が容易になり、天体画像のピント状態をより正確に視認できる。
天体測距フレーム内に複数の天体画像が含まれる場合は、最も輝度が高い天体画像を特定の天体画像として認識することが好ましい。
【0053】
なお、以上の第1、第2の実施形態において、撮像素子45による撮影動作(S105、S117、S
217)は、撮影レンズ51の絞りは開放とし、露出時間は天体画像の輝度が適正な値となるように設定することが好ましい。ISO感度(ゲイン)は、通常のISO感度より数段階上げてもよい。
【0054】
また、AFモータ33を近距離側にステップ移動する際の所定量は、撮影レンズの焦点距離、解像力等によって異なり、AFパルス1個または数個分が好ましい。焦点調節レンズ群52を最短移動長より長い移動長でステップ移動させた場合は、補間演算によりステップ移動間のより正確なレンズ位置を求めることが好ましい。焦点調節レンズ群52の移動はステップ移動でなく、連続移動させて、所定時間間隔で、または所定のレンズ位置間隔で撮像して天体画像のサイズまたは輝度を検出してもよい。また焦点調節レンズ群52の移動方向は、最短側可動端から無限遠側可動端としてもよい。
【0055】
天体撮影モードでは、AF作動スイッチSWAFのオン操作を受けて焦点調節レンズ群52を天体合焦位置に移動すると、焦点調節レンズ群52をその天体合焦位置に保持(AFロック)し、その後測光スイッチSWSがオンしてもAF動作を行わないようすることが好ましい。言い換えると、天体撮影モードを設定した場合、AF作動スイッチSWAFのオン操作を受けて天体AF動作するが、測光スイッチSWSのオン操作を受けてもAF動作しない構成が好ましい。
【0056】
以上は、いわゆるミラーレスデジタルカメラに適用した実施形態であるが、本発明は一眼レフタイプのデジタルカメラや、いわゆるコンパクトデジタルカメラ、ビデオカメラなどの撮影装置にも適用できる。一眼レフタイプのデジタルカメラの場合、通常AF動作は位相差検出方式で行うこともできる。
【0057】
また、本発明は、撮像素子の受光面に形成された天体像が受光面に対して相対移動しないように光学系または撮像素子を駆動する天体追従撮影装置(例えば、特開2010−122672号公報、特開2012−005112号公報など)に適用した場合、天体AF駆動中に上記天体追従動作させると、長時間露出が可能になり、より正確で精度の高い焦点調節が可能になる。