(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明のダーモスコピー用撮像装置は、例えば、色素細胞母斑、悪性黒色腫、脂漏性角化症、基底細胞癌、血管病変及びボーエン病などの検査、診断及び治療に用いることができる。このダーモスコピー用撮像装置は、光源により皮膚の標的部に光を照射するとともに、皮膚内部を覆う皮膚表面からの反射光を低減し、かつ、標的部を拡大して観察することで、非侵襲的で皮膚内部の炎症、色、色素沈着、毛嚢及び血管などを視覚化できるものである。以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と称する)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。本明細書において、正面とは、本体部100の表面のうち、ダーモスコピー用レンズユニット200が設けられた表面をいい、正面視とは、該表面側から見ることをいう。また、背面とは、本体部100の表面のうち、ダーモスコピー用レンズユニット200が設けられた表面の裏面をいうものとする。なお、本願明細書では、「マイクロスコープ(microscope):顕微鏡」及び「マイクロスコピー(microscopy):顕微鏡による検査又は顕微鏡使用(法)」の使い分けに準じ、「ダーモスコープ(dermoscope)」及び「ダーモスコピー(dermoscopy)」の用語を、皮膚検査用の拡大鏡(装置)及び同拡大鏡を用いた皮膚検査又は同拡大鏡使用(行為)という意味で用いている。
【0017】
[第1の実施形態]
[ダーモスコピー用撮像装置1]
図1ないし
図17を用いて、第1の実施形態に係るダーモスコピー用撮像装置1の説明を行う。
図1及び
図2は、ダーモスコピー用撮像装置1全体を示す図面であり、
図1は、ダーモスコピー用撮像装置1の正面斜視図、
図2は背面図である。
図1に示すように、ダーモスコピー用撮像装置1は、本体部100と、本体部の表面から突出して設けられたダーモスコピー用レンズユニット200と、を備える。
【0018】
(本体部100およびダーモスコピー用レンズユニット200)
図4乃至
図7に示すように、本体部100は、一端に設けられた撮像部110と他端に設けられたダーモスコープ部150とを有する。また、
図3に示すように、本体部100は、撮像部110と、撮像制御部120と、画像データ生成部125と、記憶部140と、画像変換部160と、表示部170と、操作入力部180と、中央制御部190と、を備える。これらの撮像部110と、撮像制御部120と、画像データ生成部125と、記憶部140と、画像変換部160と、表示部170と、中央制御部190と、はバスライン102を介して共通に接続され、本体部筺体101内に配されている。操作入力部180は、中央制御部190に接続されている。これらは、それぞれ
図8ないし
図12に示す回路基板103に固着されて、回路基板103に設けられた配線に電気的に接続されている。
【0019】
図13ないし
図16は、ダーモスコピー用レンズユニット200を示す。
図13は、第1の実施形態に係るダーモスコピー用撮像装置1のダーモスコピー用レンズユニット200の各部を説明するために分解した断面説明図であり、
図14は、第1の実施形態に係るダーモスコピー用撮像装置1のダーモスコピー用レンズユニット200の断面図であり、
図15は、第1の実施形態に係るダーモスコピー用撮像装置1のダーモスコピー用レンズユニット200を先端部240側から見た平面図であり、
図16は、第1の実施形態に係るダーモスコピー用撮像装置1のダーモスコピー用レンズユニット200の各部を説明するための説明図である。ダーモスコピー用レンズユニット200は、本体部100にダーモスコピー用レンズユニット200を着脱可能に固着するための被ガイド要素230と、被ガイド要素230に着脱可能に固着されるダーモスコピー撮像用レンズ部210と、ダーモスコピー撮像用レンズ部210を被ガイド要素230に固着する底面蓋220と、ダーモスコピー用レンズユニット200の被ガイド要素230の反対側の先端部240と、を有する。被ガイド要素230は、環状のレンズ部固着部材232と、レンズ部固着部材232から下方に突出する一対の突状部231と、を備える。一対の突状部231は、環状のレンズ部固着部材232の外周に対向配置されて、対称な形状を有する。底面蓋220は、環状(ドーナツ状)を呈し、被ガイド要素230をダーモスコピー撮像用レンズ部210と底面蓋220とで挟んで固定する。ダーモスコピー撮像用レンズ部210には、一対の突状部231が挿入される位置に切り欠き216を有してもよい。ダーモスコピー撮像用レンズ部210は、レンズユニット用筺体212と、レンズユニット用筺体212内に位置づけられるレンズユニット用レンズ214と、を含む。先端部240は、レンズユニット用筺体212の先端面に面一で設けられ、対象部位当接面をなす。先端部240にはカバーガラスが嵌め込まれている。レンズユニット用筺体212は、先端部240に向かって縮径したテーパー状部分を少なくとも一部に有する。ダーモスコピー用撮像装置1は、先端部240から入った像をダーモスコピー撮像用レンズ部210で拡大し、撮像部110で撮像する。
【0020】
レンズユニット用レンズ214は、対象部位Xを拡大する拡大レンズとして機能する。例えば、その拡大率は10倍から30倍である。レンズユニット用レンズ214は、1つの両面凸レンズであってもよいし、2つ又は複数の凸レンズを組み合わせたレンズ、1つのアクロマートレンズ、2つ又は複数のアクロマートレンズを組み合わせたレンズのいずれかであってもよい。また、レンズユニット用レンズ214は、無収差レンズであってもよい。さらにまた、良好な光学性と歪みを低減するために、球面レンズに非球面レンズを組み込んだものでもよい。これらのレンズユニット用レンズ214には、さらに反射防止膜やカラーフィルターが含まれてもよい。レンズユニット用レンズ214は、レンズユニット用筺体212に固着されやすいように、外周に切り欠きや溝を含んでもよい。
【0021】
図17は、ダーモスコピー用レンズユニット200の変形例であるダーモスコピー用レンズユニット200Aを示す。
図13ないし
図16に示すダーモスコピー用レンズユニット200は、被ガイド要素230をダーモスコピー撮像用レンズ部210と底面蓋220とで挟んで固定するものであったが、ダーモスコピー用レンズユニット200Aは、被ガイド要素230として、被ガイド要素230Aを含み、環状のレンズ部固着部材232Aと、環状のレンズ部固着部材232Aの下面から下方に突出する一対の突状部231Aと、を備え、この環状のレンズ部固着部材232Aにダーモスコピー撮像用レンズ部210を嵌合または螺合などの方法によって固着するものである。
【0022】
次に、
図4ないし
図7を用いて、ダーモスコピー用レンズユニット200と本体部100との関係について説明をする。ダーモスコピー用レンズユニット200は、
図7に示すように、正面視において、ズームレンズ、フォーカスレンズおよび絞りの少なくとも1つと重なる第1の位置L1、すなわち、撮像光学系111の少なくとも一部を覆う第1の位置L1と、
図4ないし
図6に示すように、第1の位置L1から離間した第2の位置L2において、本体部100の表面を摺動可能に設けられている。
【0023】
図7に示すように、第1の位置L1にダーモスコピー用レンズユニット200を摺動すると、ダーモスコピー用レンズユニット200を介したダーモスコピー画像I
dを撮像部110で撮像することができ、ダーモスコピー撮像が可能になる。一方、
図4ないし
図6に示すように、第2の位置L2にダーモスコピー用レンズユニット200を摺動するか、ダーモスコピー用レンズユニット200を本体部100から外すと、ダーモスコピー用レンズユニット200を介さないで通常画像を撮像部110で撮像することができる。尚、ダーモスコピー用レンズユニット200が第1の位置L1にあるときに、ジェルや液体などからなる反射防止部材をダーモスコピー用レンズユニット200の先端部240と対象部位Xとの間に配した状態で、先端部240を対象部位Xに接触させてダーモスコピー撮像を行ってもよいし、ダーモスコピー用レンズユニット200内に偏光フィルターを含んだものを用いてダーモスコピー撮像を行ってもよい。
【0024】
図4ないし
図7および
図10ないし
図12に示すように、本体部100の表面には、ガイド要素106を有する。一方、ダーモスコピー用レンズユニット200の被ガイド要素230は、本体部100のガイド要素130に対応する形状または性質を有する。このガイド要素106と被ガイド要素230とによって、ダーモスコピー用レンズユニット200は本体部100の表面を摺動可能である。さらに、本体部100内には、ガイド要素106に対応する位置に、被ガイド要素230の突状部231を受領する溝が設けられた基板状または細長レール状のレールガイド107を含んでもよい。なお、
図4ないし
図7においては、第1の位置L1と第2の位置L2との間を、ダーモスコピー用レンズユニット200が直線状の軌道に沿って移動する例を示したが、これに限定されず、ダーモスコピー用レンズユニット200弧状の軌道、L字状の軌道など任意の軌道形状に沿って移動するようにガイド要素106を設けることができる。
【0025】
ガイド要素106が細長溝状部であるとき、被ガイド要素230は突状部であってもよい。
図10および
図11は、本体部100にダーモスコピー用レンズユニット200の被ガイド要素230を組み合わせた図面であり、ダーモスコピー撮像用レンズ部210は図示を省略している。
図11は、
図4のB−B’線における断面図であり、
図10は
図4のC−C’線における断面図を示す。また、
図12は、
図6のE−E’断面における断面図であって、本体部100にダーモスコピー用レンズユニット200を組み合わせた図面である。この場合、
図10に示すように、ダーモスコピー用レンズユニット200は、本体部100の細長溝状部106に突状部231が嵌入された状態で、
図5ないし
図7、
図11および
図12に示すように、突状部231が細長溝状部106の長手方向に沿って移動することによって、本体部100の表面を摺動可能である。すなわち、細長溝状部106周囲の本体部筺体101が、ダーモスコピー用レンズユニット200のレールとして機能する。
【0026】
また、ダーモスコピー用レンズユニット200は、本体部100に着脱可能に固着されてもよい。ダーモスコピー用レンズユニット200を着脱できることにより、ダーモスコープ部150による観察やダーモスコピー用レンズユニット200を介さない通常撮像の際に、より良好に観察や通常撮像を行うことができる。
【0027】
また、本体部100は、ダーモスコピー用レンズユニット200の位置を検出する位置検出部(図示せず)を有してもよい。位置検出部は、スイッチやセンサなどであってもよい。これにより、第1の位置L1にダーモスコピー用レンズユニット200を摺動すると、位置検出部により電気的、光学的または機械的に検知し、中央制御部190で自動的にダーモスコピー用撮像装置1をダーモスコピー撮像状態にすることができる。逆に、第1の位置L1から第2の位置L2にダーモスコピー用レンズユニット200を摺動して外すと、ダーモスコピー用撮像装置1を自動的に通常撮像状態にすることができる。すなわち、ダーモスコピー用レンズユニット200の位置によってダーモスコピー撮像状態および通常撮像状態を自動的に切り替えることができ、画像データを整理する労力を格段に軽減することができる。ダーモスコピー撮像状態および通常撮像状態とは、後述するように、中央制御部190が、撮像されたダーモスコピー画像データD
dおよび通常画像データD
nを分類して、記憶部140に保存したり、それぞれダーモスコピー画像データD
dまたは通常画像データD
nであることを識別できるように、ダーモスコピー撮像状態の際には、ダーモスコピー画像データD
dにダーモスコピー画像識別記号を付する状態に制御され、通常撮像状態の際には、通常画像データD
nに通常画像識別記号を付する状態に制御されることをいう。すなわち、各画像データをタグ付けして保存できる状態とすることをいう。例えば、各画像データにExif形式で、ダーモスコピー画像識別記号や通常画像識別記号を書き込むことによって実現できる。
【0028】
図4ないし
図7、
図11および
図12を用いて、着脱可能なダーモスコピー用レンズユニット200とそれに対応した本体部100との構成を説明する。本体部100の表面に設けられた細長溝状部106は、第1の溝部106aと、第1の溝部106aよりも幅が広い第2の溝部106bと、を含んでもよい。一方、ダーモスコピー用レンズユニット200は、突状部231は、第1の突状部231aと、第1の突状部231aよりも幅の広い第2の突状部231bと、を含んでもよい。なお、本発明において、細長溝状部106の長手方向に直交する方向の長さを「幅」という。この場合、第1の突状部231aの幅d2は、第1の溝部106aの幅d3よりも小さく、第2の突状部231bの幅d1は、第2の溝部106bの幅d4よりも小さく、第1の溝部106aの幅d3よりも大きく設けることによって、ダーモスコピー用レンズユニット200を本体部100に着脱可能に固着することができる。すなわち、
図10に示すように、第2の溝部106bに突状部231を挿入した後、ダーモスコピー用レンズユニット200を細長溝状部106の第1の溝部106aに向かって移動して、
図11に示す状態にすることで、ダーモスコピー用レンズユニット200を本体部100に固着することができる。すなわち、第2の突状部231bが、ストッパとして機能して、ダーモスコピー用レンズユニット200が本体部100に固着される。反対に、ダーモスコピー用レンズユニット200を細長溝状部106の第1の溝部106aから第2の溝部106bに向かって移動し、第2の溝部106bにおいて、突状部231を細長溝状部106から引き出すことで、ダーモスコピー用レンズユニット200を本体部100から解放することができる。
【0029】
また、被ガイド要素230は、可撓性部材を含むことで、少なくとも一部が撓むように形成されていてもよい。被ガイド要素230の中央に位置付けられたレンズ部固着部材232が可撓性部材であってもよいし、突状部231が可撓性部材であってもよいし、それらの一部に可撓性部材を含んでもよい。円環状のレンズ部固着部材232が撓む場合、被ガイド要素230への押圧方向と垂直な方向に長手方向を有する楕円環状に変形する。
図11に示すように、レンズ部固着部材232または突状部231の少なくとも一部がたわむことによって、一対の突状部231間の長さが狭まる方向、すなわち被ガイド要素230を本体部100に固着した場合の正面視中央方向に向かって、一対の突状部231を移動させることができる。これにより、被ガイド要素230を両脇から押すことで、ダーモスコピー用レンズユニット200を本体部100に簡単に装着したり外したりすることが可能である。
【0030】
また、レンズ部固着部材232が突状部231よりも可撓性が高くなるように設けられていてもよい。この場合、突状部231は剛性部材からなることが好ましい。これにより、装着した被ガイド要素230を含むダーモスコピー用レンズユニット200は、被ガイド要素230を両脇から押しても、第1の溝部106aの幅d3が第2の溝部106bの幅d4よりも狭くなっていることによって、突状部231が細長溝状部106周囲に位置する本体部筺体101にあたるため、レンズ部固着部材232が撓みにくく、ダーモスコピー用レンズユニット200が摺動中に本体部100から外れることを防止することができる。
【0031】
ここでは、ガイド要素106が細長溝状部、かつ、被ガイド要素230は突状部である場合を説明したが、これに限定されず、ガイド要素106が細長突状部、かつ、被ガイド要素230が溝状部であってもよい。
【0032】
(本体部筺体101)
本体部筺体101は、上部筺体部と下部筺体部とに分離可能であり、それらが相互に固着されたものでもよい。また、筺体は、さらに電池カバーを備えてもよい。また、本体部筺体101には、電池及び電池カバーに換えて、外部電源に接続するための外部端子が設けられていてもよい。また、本体部筺体101は、樹脂や金属で形成されていてもよい。軽量かつ剛性があることが好ましいことから、樹脂としてはポリ塩化ビニル誘導体やアクリル系樹脂などの高剛性プラスチック、金属としてはアルミが例示される。
【0033】
(撮像部110)
図8は、
図4のA-A’断面における断面図を示す。撮像部110は、撮像を行うことができる部分であり、撮像光学系111と、撮像光学系111によって投影された対象像を光電変換により電気信号に変換して、画像信号として出力する撮像素子113と、を含む。
【0034】
撮像光学系111は、ズームレンズ、フォーカスレンズおよび絞りの少なくとも1つを含む。撮像光学系111は、本体部100の表面に少なくとも一部が露出している。撮像光学系111は、
図3に示す撮像制御部120からの制御信号に基づいて、撮像光学系駆動部112によって絞りとレンズが駆動され、適切な明るさに設定された対象像を撮像素子113上に結像させる。撮像素子113は、対象像を光電変換により電気信号に変換して画像データとして出力する。撮像素子113としては、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサが例示される。
【0035】
撮像素子113は、撮像部用光源104が接続された回路基板103上に搭載され、ワイヤボンディングやフリップチップボンディングなどによって、回路基板103に設けられた配線に電気的に接続されている。
図8は、本体部筺体101に、撮像光学系111としてフォーカスレンズが固着され、撮像部用光源104が配置される位置に透光部101cが形成されている例を示す。
【0036】
(撮像部用光源104)
図4や
図8に示すように、撮像部110の周りには、1つまたは複数の撮像部用光源104が配置されており、必要に応じて撮像部用光源104を点灯させ、照明として使用する。撮像部用光源104は、撮像光学系111の外周よりも若干大きい環状ライン上に等間隔で配置されている。図示しないが、撮像部用光源104は、撮像部用光源104から放出された光が撮像光学系111の中心方向に集光するように、撮像光学系111の中心軸に対して光軸が傾斜するように配置されていてもよい。撮像部用光源104としては、ハロゲンランプなどの高輝度ライトや発光ダイオード、半導体発光素子及び有機エレクトロルミネッセンスなどの発光素子が用いられる。撮像部用光源104の形状は、表面実装型や砲弾型であってもよい。発光ダイオードとしては、インジウム窒化ガリウム、インジウムガリウムヒ素などを材料とする公知の発光ダイオードを含む。白色発光ダイオードとしては、蛍光体発光による白色発光ダイオード、青黄色系擬似白色発光ダイオード、赤色・緑色・青色の発光ダイオードのチップを用いた3色LED方式の白色発光ダイオードが例示される。撮像部用光源104が複数ある場合、複数の撮像部用光源104は、同一の波長の光源からなるものでもよいし、異なる波長の光源を含んでもよい。例えば、紫外線又は青色光は、色素沈着部に吸収されやすいから、色素沈着部を好適に視覚化することができる。同様に、緑色光は、血管に吸収されやすいから、血管を好適に視覚化することができる。白色光は、皮膚疾患の診断に用いられる解剖学的情報を得ることができ、又は、皮膚表面を好適に視覚化することができる。従って、複数の撮像部用光源104は、一の波長の光源が点灯しているときに他の波長の光源が消灯し、または、該他の波長の光源が点灯しているときに該一の波長の光源が消灯するように構成してもよい。これによって、皮膚内部の情報をより好適に得ることができ、これらの像を比較したり、重ね合わせたりすることで、標的部の検査、診断及び治療をしやすくすることができる。撮像部用光源104は、光を集中させるためのフォーカスレンズを更に有していてもよい。撮像部用光源104は回路基板103に固着され、回路基板103の配線に半田などを用いて電気的に接続されている。
【0037】
(撮像制御部120)
図3に示す撮像制御部120は、撮像素子113の駆動を制御して、撮像部110による対象の撮像を制御する機能を有する。即ち、撮像制御部120は、図示は省略するが、タイミング発生器、ドライバなどを備え、タイミング発生器、ドライバにより撮像素子113を駆動して、撮像光学系111を通過した対象像を撮像素子113により所定周期毎に二次元の撮像信号に変換し、撮像素子113から画像データ生成部125に撮像信号を出力させる。
【0038】
また、撮像制御部120は、更に、撮像部110に対して露出条件を変えながら略等しい構図で複数回撮像するよう制御したり、AF(自動合焦処理)、AE(自動露出処理)、AWB(自動ホワイトバランス)等の被写体を撮像する際の条件の調整制御を行う機能を有するものであってもよい。
【0039】
(画像データ生成部125)
図3に示す画像データ生成部125は、撮像素子113から転送されたアナログ信号である撮像信号からデジタル信号である通常画像データD
n、ダーモスコピー画像データD
d及びダーモスコピー変換画像データD
t1,D
t2の少なくとも1つを含む画像データを生成する機能を有する。画像データは、少なくとも輝度信号を有する。例えば、画像データ生成部125は、アナログ値の撮像信号に対してRGBの色成分毎に適宜ゲイン調整した後に、サンプルホールド回路(図示略)でサンプルホールドしてA/D変換器(図示略)でデジタルデータに変換し、カラープロセス回路(図示略)で画素補間処理及びγ補正処理を含むカラープロセス処理を行った後、デジタル値の輝度信号及び色差信号を含む画像データを生成する。この画像データは、図示しないDMAコントローラなどを介して、記憶部140に転送される。
【0040】
(記憶部140)
記憶部140は、画像変換部160や中央制御部190等によって処理される通常画像データD
n、ダーモスコピー画像データD
d及びダーモスコピー変換画像データD
t1,D
t2の少なくとも1つを含む画像データを格納し、中央制御部190の制御によって、画像変換部160や表示部170に該画像データを出力する機能を有するものである。記憶部140は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の記憶装置により構成され、バッファ記憶装置などとして使用され、本体部100内に一体として設けられるものでもよいし、記憶媒体制御部によって制御される着脱可能な記憶媒体であってもよいし、または、これらの組合せであってもよい。例えば、記憶部140には、第1の記憶部141と第2の記憶部142と第3の記憶部143と、を含む複数の記憶部が割り付けられる。例えば、第1の記憶部141には、ダーモスコピー用レンズユニット200を介さないで撮像された通常画像データD
nが記憶され、第2の記憶部142には、ダーモスコピー用レンズユニット200を介して撮像されたダーモスコピー画像データD
dが記憶され、第3の記憶部143には、画像変換部160により得られるハイダイナミックレンジ(HDR)変換処理を行うことで、対象部位Xを明瞭化かつ顕在化することができるダーモスコピー変換画像データD
t1が記憶される。なお、画像変換部160は、記憶部140に記憶された過去のカルテの画像を用いてハイダイナミックレンジ(HDR)変換処理を行うことも可能である。
記憶媒体制御部は、本体部100に着脱可能に装着された記憶媒体からのデータの読み出しや記憶媒体に対するデータの書き込みを制御する機能を有する。即ち、記憶媒体制御部は、ダーモスコピー画像データD
d、通常画像データD
nおよびダーモスコピー変換画像データD
t1,D
t2の少なくとも1つを含む画像データを、所定の符号化方式(例えば、JPEG形式、モーションJPEG形式、MPEG形式など)に従って符号化したり、上記画像データを記憶媒体から読み出して画像変換部160に転送したりするものである。
【0041】
なお、例えば、上記着脱可能な記憶媒体としては、不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)等が例示されるが、一例であってこれに限られるものではなく、適宜変更可能である。
【0042】
中央制御部190は、
図20に示すように、通常画像データD
n、ダーモスコピー画像データD
d及びダーモスコピー変換画像データD
t1,D
t2の少なくとも2つを関連付けて記憶部140に保存するように制御してもよい。この場合、通常画像データD
n、ダーモスコピー画像データD
d及びダーモスコピー変換画像データD
t1,D
t2の少なくとも2つを一組みのデータセット(レコード)として、記憶部140に保存することにより行う。
【0043】
また、中央制御部190は、
図20に示すように、通常画像データD
n、ダーモスコピー画像データD
d及びダーモスコピー変換画像データD
t1,D
t2の少なくとも1つを、カルテ番号等の対象識別記号を含む対象データD
pに関連付けて記憶部140に保存するように制御してもよい。これは、通常画像データD
n、ダーモスコピー画像データD
dおよびダーモスコピー変換画像データD
tの少なくともいずれか一つに、対象識別記号を含む対象データD
pを書き込んで、記憶部140に保存することで行う。すなわち、対象識別記号を含む対象データD
pは、Exifなどの形式で各画像データに格納される。従来は、皮膚科医などが大まかな患部の位置(例えば『左の手首』など)がわかるよう、通常のデジタルカメラで対象部位Xを撮像した通常画像I
nと、もうひとつは特殊な拡大レンズを使用して対象部位Xを拡大して撮像したダーモスコピー画像I
dと、の少なくとも1つを撮像する場合、対象を特定するためにこれらの撮像後に患者のカルテなど対象を特定できる対象データD
pを撮像していた。これは、撮像された対象データD
pに基づいて対象を特定し、手動で画像を整理するためであったが、画像データは大量であり、画像整理は煩雑で、大きな労力がかかっていた。しかし、このように、通常画像データD
n、ダーモスコピー画像データD
dおよびダーモスコピー変換画像データD
t1,D
t2の少なくともいずれか一つを対象データD
pに関連付けて記憶部140に保存することで、画像整理の手間がかからず、短時間に、かつ、正確に患者などの対象情報の整理をすることができる。また、表示部170を使って患者に画像を見せることもあるが、対象データD
pを用いて検索できるようにすることで、ダーモスコピー用撮像装置1内に保存してある他の対象の画像を見せてしまうというリスクを回避することが可能である。
【0044】
(画像変換部160)
画像変換部160は、ダーモスコピー画像データD
dを画像変換してダーモスコピー変換画像データD
t1、D
t2を生成する機能を有する。
図20に示されるように、ダーモスコピー変換画像データD
tは、上述のように異なる画像変換方法によって作成された複数のダーモスコピー変換画像データD
t1、D
t2を含んでもよいし、1つのダーモスコピー変換画像データD
t1からなるものでもよい。この画像変換方法には、ダーモスコピー画像データに係る複数の画像データを合成して、ダイナミックレンジを広くするハイダイナミックレンジ(HDR)合成を行うことによる画像変換方法や、撮像部用光源104に例えばピーク波長の異なる複数種の光源を用いて、その点灯および消灯を切り替えて撮像された複数の画像データを合成して、対象部位Xにおける症状を見やすくする画像変換方法などを含む。なお、ハイダイナミックレンジ(HDR)合成方式としては、ライン毎に合成を行うシングルフレーム方式、および、露光時間の違う2枚以上のフレーム画像を合成するマルチフレーム方式のいずれか、または、両方を用いることができる。この複数の画像データとしては、例えば、適正露出を基準値として、この基準値に対してアンダー露出及びオーバー露出となるように、シャッター速度や信号増幅率や絞り値等を変化させて、焦点距離を固定した状態で撮像された略等しい構図の複数のダーモスコピー画像の画像データD
dや既に存在している過去のダーモスコピー画像の画像データが含まれる。
【0045】
これによれば、ダーモスコピー変換画像は、ダーモスコピー画像よりも対象部位Xの画像を明瞭化かつ顕在化することができるため、対象部位Xのより正確な検査や診断が可能となる。
【0046】
例えば、画像変換部160は、合成画像生成部161と、画像取得部162と、成分分離部163と、第1生成部164aと、強調量取得部165と、画素値補正部166と、補正量調整部167と、高周波成分取得部168と、データ構成制御部169と、第2生成部164bと、データ合成部164cとを具備している。なお、画像変換部160の各部は、例えば、所定のロジック回路から構成されているが、当該構成は一例であってこれに限られるものではない。
【0047】
合成画像生成部161は、上記複数の画像データを合成した合成画像の画像データを生成する。次に、画像取得部162は、合成画像生成部161で生成された合成画像の画像データを記憶部140から取得し、成分分離部163は、この合成画像の画像データを輝度成分または輝度成分と色差成分とを含む画像成分に分離する。次に、第1生成部164aは、この合成画像の輝度成分に対して、平滑化処理及び解像度縮小処理を逐次繰り返していき、輝度成分のn段のガウシアンピラミッドを生成する。続けて、第1生成部164aは、輝度成分のn段のガウシアンピラミッドの各段階毎に平滑化して、n段の平滑化ガウシアンピラミッドを生成する。次に、強調量取得部165は、第1生成部164aによって生成された輝度成分のn段の平滑化ガウシアンピラミッドの各々を元サイズに戻し、n段のリサイズ平滑化ガウシアンピラミッドを生成する。
【0048】
続けて、強調量取得部165は、合成画像の各画素毎の輝度成分とこの輝度成分のn段のリサイズ平滑化ガウシアンピラミッドの各画素毎の輝度成分を「0」〜「1」の範囲の値でそれぞれ正規化し、それらの差分に基づいて輝度成分の各段階毎の強調量を取得する。次に、画素値補正部166は、強調量取得部165によって取得された輝度成分の複数段階の各段階毎の強調量に基づいて、輝度成分を各解像度毎に補正して、n段の強調輝度成分を生成する。次に、高周波成分取得部168は、画素値補正部166によって生成されたn段の強調輝度成分の各々を各群とする、n段×n群のラプラシアンピラミッドを生成する。次に、データ構成制御部169は、高周波成分取得部168によって取得されたn段×n群のラプラシアンピラミッドの各群から1段ずつ階層画像(輝度成分Y)を選択するとともに、n段のガウシアンピラミッドのn段目の階層画像の複製を最上位段に組み込んで、n段の最終的なラプラシアンピラミッドを生成する。
【0049】
続けて、データ構成制御部169は、n段の最終的なラプラシアンピラミッドの上位段の階層画像から順に「拡大」及び「足し込み」等を行って再構成し、輝度成分を生成する。次に、第2生成部164bは、強調量取得部165によって取得された輝度成分の強調量と略等しい度合いで色差成分の値を増幅して、色差成分を生成してもよい。続けて、データ合成部164cは、輝度成分を用いて、または、輝度成分と色差成分とを合成して、ダーモスコピー変換画像データD
t1を生成する。そして、画像変換部160は、ダーモスコピー変換画像データD
t1を所定の圧縮形式で符号化して、記憶部140に出力することで、ダーモスコピー変換画像データD
t1を保存する。
【0050】
上記実施例では、成分分離部163において、輝度成分および色差成分ごとに分離した例を示したが、これに限られるものではなく、例えば、RGB色空間で各色成分毎に分離するなど適宜任意に変更可能である。
【0051】
(表示部170)
表示部170は、対象データD
p、記憶部140に格納されている通常画像データD
n、ダーモスコピー画像データD
dおよびダーモスコピー変換画像データD
t1,D
t2の少なくともいずれか一つに基づいて、画像を視覚的に表示するものである。表示部170は、表示パネル171と、表示制御部172とを具備している。
【0052】
表示パネル171は、表示画面内にこの画像データに基づく画像を表示する機能を有する。なお、表示パネル171としては、例えば、液晶表示パネルや有機EL表示パネルなどが挙げられる。表示制御部172は、記憶部140に格納されている表示用の各画像データを読み出して、表示パネル171に表示させる制御を行う。具体的には、表示制御部172は、VRAM(Video Random Access Memory)、VRAMコントローラ、デジタルビデオエンコーダなどを備えていてもよい。そして、デジタルビデオエンコーダは、画像変換部160により復号されてVRAMに記憶されている画像データを、VRAMコントローラを介してVRAMから所定の再生フレームレートで読み出して、これらのデータを元にビデオ信号を発生して表示パネル171に出力する。
【0053】
図2に示すように、表示部170は、少なくとも一部が本体部100の表面に設けられ、本体部100の正面側または背面側に位置付けられる。また、
図22および
図24に示すように、表示部170は、タッチパネルとして機能してもよく、この場合、表示部170は操作入力部180を兼ねることになる。
【0054】
表示制御部172は、例えば、1つの画像を表示するように表示パネル171を制御してもよいし、複数の画像を並置して表示するように表示パネル171を制御してもよい。
【0055】
(操作入力部180)
操作入力部180は、対象識別記号を含む対象データD
pを本体部100に入力するものである。操作入力部180は、対象データD
pの入力に応じて所定の操作信号を中央制御部190に出力する。対象識別記号は、患者や被験者などの対象を識別できる記号であれば形式は問わず、カルテ番号、ファイル番号、検査番号、氏名または患者番号などが例示される。対象データD
pには、対象識別記号、氏名・年齢・性別・住所及び保険証番号等の患者の基本情報、主訴、現病歴、既往歴、家族歴、社会歴、嗜好、アレルギーの有無、現症・身体所見、予約の状況、入院後経過・看護記録、治療方針などが含まれていてもよい。
【0056】
操作入力部180は、
図22および
図24に示すように、本体部100の裏面または表面に、本体部100と一体的に設けられてもよい。この場合、表示部170をタッチパネルとして機能させることで、表示部170を操作入力部180として含んでもよいし、表示部170とは別体で設けられた操作ボタンを含むものであってもよい。
【0057】
(中央制御部190)
中央制御部190は、ダーモスコピー用撮像装置1の全体を制御するものである。具体的には、中央制御部190は、CPU(Central Processing Unit)等を備え、ダーモスコピー用撮像装置1用の各種処理プログラム(図示略)に従って各種の制御動作を行う。
【0058】
中央制御部190は、操作入力部180による対象識別記号を含む対象データD
pの入力に応じて、
図20に示すように、通常画像データD
n、ダーモスコピー画像データD
dおよびダーモスコピー変換画像データD
t1,D
t2の少なくともいずれか一つを、カルテ番号等の対象識別記号を含む対象データD
pに関連付けて記憶部140に保存してもよい。これは、通常画像データD
n、ダーモスコピー画像データD
d、ダーモスコピー変換画像データD
t1,D
t2のうち少なくとも1つに、Exifなど形式によって対象識別記号を含む対象データD
pを書き込んで、記憶部140に保存することにより行う。
【0059】
(ダーモスコープ部150)
本体部100は、ダーモスコピー用レンズユニット200が配置された範囲外、または、摺動可能な範囲外にダーモスコープ部150を有してもよい。すなわち、本体部100は、少なくとも撮像光学系111と離間して設けられたダーモスコープ部150を有する。ダーモスコープ部150は、観察レンズ154と、ダーモスコープ部用光源151と、を少なくとも含み、観察レンズ154によって目で対象部位Xを観察できるものである。これにより、ダーモスコピー用撮像装置1は、ダーモスコープ部150を用いたダーモスコープ(ルーペ)機能、撮像部110を用いた通常写真撮像機能、および、ダーモスコピー用レンズユニット200と撮像部110とを用いたダーモスコープ撮像機能を一体化したダーモスコピー用撮像装置1を得ることができる。従って、従来、複数の装置を用いて行われてきた(1)ダーモスコープ(ルーペ)による良性の色素性母斑なのか悪性のメラノーマ(悪性黒色腫)なのかのスクリーニング、(2)通常写真撮像による対象部位Xの撮像、(3)ダーモスコピー撮像による対象部位Xの拡大撮像を1つの装置で連続的に行うことができる。
【0060】
図9は、
図4のD−D’線における断面図を示すものである。ダーモスコープ部150には、観察レンズ154が内蔵されている。観察レンズ154は、本体部100を貫通する貫通孔101aに配置され、例えば、本体部筺体101によって挟持されている。観察レンズ154は、標的部を拡大する拡大レンズであり、裏面側から覗いて対象を観察する拡大鏡、いわゆるルーペとして機能する。例えば、その拡大率は10倍から30倍である。観察レンズ154は、1つの両面凸レンズであってもよいし、2つ又は複数の凸レンズを組み合わせたレンズ、1つのアクロマートレンズ、2つ又は複数のアクロマートレンズを組み合わせたレンズのいずれかであってもよい。また、観察レンズ154は、無収差レンズであってもよい。さらにまた、良好な光学性と歪みを低減するために、球面レンズに非球面レンズを組み込んだものでもよい。これらの観察レンズ154には、さらに反射防止膜やカラーフィルターが含まれてもよい。観察レンズ154のレンズ径は、例えば15mm径のものが用いられる。観察レンズ154は、本体部筺体101に固着されやすいように、外周部に溝や切り欠きを含んでもよい。
【0061】
観察レンズ154の周りには、1つまたは複数のダーモスコープ部用光源151が配置されており、必要に応じてダーモスコープ部用光源151を点灯させ、照明として使用する。ダーモスコープ部用光源151は、観察レンズ154の外周よりも若干大きい環状ライン上に等間隔で配置されている。図示しないが、ダーモスコープ部用光源151は、ダーモスコープ部用光源151から放出された光が観察レンズ154の中心方向に集光するように、観察レンズ154の中心軸に対して光軸が傾斜するように配置されていてもよい。ダーモスコープ部用光源151としては、ハロゲンランプなどの高輝度ライトや発光ダイオード、半導体発光素子及び有機エレクトロルミネッセンスなどの発光素子が用いられる。ダーモスコープ部用光源151の形状は、表面実装型や砲弾型であってもよい。発光ダイオードとしては、インジウム窒化ガリウム、インジウムガリウムヒ素などを材料とする公知の発光ダイオードを含む。白色発光ダイオードとしては、蛍光体発光による白色発光ダイオード、青黄色系擬似白色発光ダイオード、赤色・緑色・青色の発光ダイオードのチップを用いた3色LED方式の白色発光ダイオードが例示される。ダーモスコープ部用光源151が複数ある場合、複数のダーモスコープ部用光源151は、同一の波長の光源からなるものでもよいし、異なる波長の光源を含んでもよい。例えば、紫外線又は青色光は、色素沈着部に吸収されやすいから、色素沈着部を好適に視覚化することができる。同様に、緑色光は、血管に吸収されやすいから、血管を好適に視覚化することができる。白色光は、皮膚疾患の診断に用いられる解剖学的情報を得ることができ、又は、皮膚表面を好適に視覚化することができる。従って、複数のダーモスコープ部用光源151は、一の波長の光源が点灯しているときに他の波長の光源が消灯し、または、該他の波長の光源が点灯しているときに該一の波長の光源が消灯するように構成してもよい。これによって、皮膚内部の情報をより好適に得ることができ、これらの像を比較したり、重ね合わせたりすることで、標的部の検査、診断及び治療をしやすくすることができる。ダーモスコープ部用光源151は、光を集中させるためのフォーカスレンズを更に有していてもよい。
【0062】
ダーモスコープ部用光源151は回路基板103に固着され、回路基板103の配線に半田などを用いて電気的に接続されている。この配線は、電池や外部電源などの電源に電気的に接続されている。また、回路基板103には、観察レンズ154を通す基板開口103aが設けられている。なお、回路基板103としては、両面配線基板や多層配線基板等の公知の回路配線基板を適用することができる。
【0063】
本体部筺体101には、観察レンズ154が光学的に露出するように設けられたレンズポート101aと、ダーモスコープ部用光源151から放出された光が透過するように設けられた透光部101bと、が規定されている。透光部101bは、貫通孔、透光部材またはそれらの組合せであってもよい。
【0064】
このダーモスコープ部150には、さらに、ダーモスコープ部用光源151からの光を偏光する第1の偏光フィルター152と、第1の偏光フィルター152を通過した光の反射光を偏光する第2の偏光フィルター153と、を含んでもよい。この場合、観察レンズ154には、第1の偏光フィルター152および第2の偏光フィルター153で偏光された光が入射する。
【0065】
第1の偏光フィルター152と第2の偏光フィルター153とは、第1の偏光フィルター152の偏光軸方向が、第2の偏光フィルター153の偏光軸方向に対して90°になるように配置可能なものである。従って、第1の偏光フィルター152と第2の偏光フィルター153とは、第1の偏光フィルター152の偏光軸方向と第2の偏光フィルター153の偏光軸方向に対して90°に交差するように配置されているか、第1の偏光フィルター152は第2の偏光フィルター153に対しての回転可能に配置されている。偏光フィルター152,153を含むダーモスコープ部150を有する場合、ジェル等を対象に塗布する必要がなく、かつ、ダーモスコープ部150を対象に接触しないで観察を行うことができる。このため、対象を広範囲に観察して概略的に対象部位Xを特定した後に、本体部100の表面から突出して設けられたダーモスコピー用レンズユニット200および撮像部110を用いて対象部位Xの撮像を行うことによって、対象部位Xの記録または詳細な観察を短時間で行うことができる。
【0066】
このような偏光フィルター152,153を含むダーモスコープ部150を有する場合は、上述の反射防止部材を対象部位Xとダーモスコピー用レンズユニット200の先端部240との間に配した状態で、ダーモスコピー用レンズユニット200の先端部240を対象部位Xに接触させて、撮像部110による撮像を行ってもよい。一般に、偏光フィルターを用いたダーモスコピーよりも、ジェル等の反射防止部材を用いた接触式のダーモスコピーのほうが、皮膚内部の像の視認性が高いため、対象部位Xの記録または詳細な観察にさらに好適である。
【0067】
第1の偏光フィルター152は、ダーモスコープ部用光源151からの光を偏光し、第2の偏光フィルター153を通って観察レンズ154に至る光を通過させるものであれば形状や配置は限定されず、平面環状の偏光フィルターであり、観察レンズ154の外周よりもやや大きい中心開口を規定する環状部を含むものであってもよいし、透光部101b内に設けられたものであってもよい。第2の偏光フィルター153は、対象の皮膚から観察レンズ154への反射光の経路上に位置づけられ、ダーモスコープ部用光源151からの光を通過させるものであれば形状は限定されず、観察レンズ154に隣接して配置された平板状の偏光フィルターであってもよいし、観察レンズ154に一体的に組み込まれたものでもよい。偏光フィルター152,153は、偏光フィルムや偏光プリズムなどであってもよい。偏光フィルムは、基材層を含む基材と、基材に挟まれたフィルター材料と、を含む。偏光フィルムは、さらに、公知の機能層を含んでもよい。本体部100に偏光フィルター152,153を含むのは任意であり、ダーモスコープ部150には接触式のダーモスコープを有する場合であってもよいことはいうまでもない。
【0068】
[ダーモスコピー用撮像装置1の使用方法および制御方法]
図18ないし
図20、および、
図22ないし
図25を用いて、本実施形態に係るダーモスコピー用撮像装置1の使用方法及び制御方法を説明する。まず、
図18、
図19、
図22および
図23を用いて、ダーモスコピー用撮像装置1によって画像を撮像し、保存する方法を示す。
図23はダーモスコピー用撮像装置1の撮像および保存方法を示すフローチャートであり、
図22は画像を撮像し、保存する方法に対応した表示部170の画面状態変遷を説明する説明図である。本実施形態に係るダーモスコピー用撮像装置1の使用方法は、この撮像および保存方法を含む。
【0069】
先ず、ダーモスコピー用撮像装置1を供し(ステップS11)、ダーモスコピー用撮像装置1のダーモスコープ部150を用いて、比較的広い範囲で対象を観察した後、対象のうちダーモスコピー画像I
dおよび通常画像I
nの少なくとも一方を撮像するための対象部位Xを特定する(ステップS12)。次に、ダーモスコピー用撮像装置1のメニューを操作入力部180としての表示部170に表示させ(ステップS13)、これから撮像を行う対象の一連の画像データを関連付けるための開始作業として、メニューから「関連撮像機能」の開始指示を行う(ステップS14)。「関連撮像機能」の初めに対象のカルテ番号などの対象識別記号を含む対象データD
pを操作入力部180に入力する(ステップS15)。次に撮像する画像の内容を選択する(ステップS16)。「通常写真」のアイコンを選択すれば通常のデジタルカメラによる通常画像撮像状態になり、「ダーモスコピー」のアイコンを選択して専用のコンバージョンレンズを装着すればダーモスコピー画像撮像状態になる。「通常画像撮像状態」「ダーモスコピー画像撮像状態」とは、撮像された画像が通常画像およびダーモスコピー画像のどちらで撮像されたものなのかが識別できるように、タグ付けして保存できる状態をいう。つまり、各画像データにExifなどの形式によって、「通常画像撮像状態」はダーモスコピー画像ではない通常画像であることを示すように、通常画像データに通常画像識別記号を付するように制御された状態であり、「ダーモスコピー画像撮像状態」は、ダーモスコピー画像であることを示すダーモスコピー画像識別記号を付するように制御された状態である。
【0070】
ここでは、関連撮像機能の終了指示を入力して、後述のステップS18に進んでもよい。そして、ダーモスコピー用撮像装置1において、本体部100の表面において、正面視において撮像光学系111と重なる第1の位置L1と、第1の位置L1から離間した第2の位置L2と、の間を摺動するようにダーモスコピー用レンズユニット200を移動する。「通常撮像状態」を選択し、
図18に示すように、ダーモスコピー用レンズユニット200を介さない状態で、撮像部110を用いて、対象部位Xの通常画像を撮像し(ステップS17a)、表示部170のアイコンなどの操作入力部180により「通常撮像状態」から「ダーモスコピー画像撮像状態」に切り替え(ステップS17b)、第2の位置L2から第1の位置L1にダーモスコピー用レンズユニット200を移動し、
図19に示すようにダーモスコピー用レンズユニット200を介した状態で撮像部110を用いて、対象部位のダーモスコピー画像I
dを撮像する(ステップS17c)。次に、関連撮像機能の終了指示をし、関連撮像機能を終了して、表示部170を通常画像I
n、ダーモスコピー画像I
dおよびダーモスコピー変換画像I
t1,I
t2少なくとも一つを含む一覧表示とする(ステップS18)。
【0071】
ステップS14からステップS17cによって、
図20に示すように、ダーモスコピー用撮像装置1は、通常画像データD
n、ダーモスコピー画像データD
d、ダーモスコピー変換画像データD
t1,D
t2のうち少なくとも1つを最初に入力したカルテ番号などの対象識別記号に関連付けて保存することで、対象識別記号に紐付けされた対象画像のグループを形成するように制御するように構成された。これは、通常画像データD
n、ダーモスコピー画像データD
d、ダーモスコピー変換画像データD
t1,D
t2のうち少なくとも1つに対象識別記号を含む対象データD
pに関連づけて、記憶部140に保存することにより行う。対象識別記号を含む対象データD
pは、Exifなどの形式で上記各画像データ内に書き込まれてもよい。
【0072】
さらに、ダーモスコピー用撮像装置1は、内部でダーモスコピー画像データD
dをダーモスコピー変換画像データD
t1,D
t2に画像変換を行っており、ダーモスコピー変換画像データD
t1,D
t2を生成する際に、
図20に示すように、この変換元のダーモスコピー画像データD
dと変換後のダーモスコピー変換画像データD
t1,D
t2とを関連付けて保存するように制御されている。これにより、次に説明する画像表示方法において、ステップS27、ステップS28に記載の通常画像データD
n、ダーモスコピー画像データD
dおよびダーモスコピー変換画像データD
t1,D
t2の画像の相互切替や複数画像の並列表示が可能となる。
【0073】
尚、ステップS12は省略可能であり、ステップS16ないしS17cは適宜順序を入れ替えることができることは言うまでもない。また、ステップS16は、上述のように、ダーモスコピー用レンズユニット200の位置検出によって自動化することで省略可能である。
【0074】
次に、
図24および
図25を用いて、上記実施例で保存された記憶部140内に保存された画像データのうち、特定の対象識別記号に関連づけられた画像データの画像を表示部170に画像表示する使用方法を説明する。
図25はダーモスコピー用撮像装置1の画像表示方法を示すフローチャートであり、
図24は画像表示方法に対応した表示部170の画面状態変遷を説明する説明図である。本実施形態に係るダーモスコピー用撮像装置1の使用方法は、この画像表示方法を含む。
【0075】
まず、ダーモスコピー用撮像装置1のメニューを表示させ(ステップS21)、メニューから「画像一覧表示」の開始指示を行い、対象識別記号を操作入力部180としての表示部170で入力する(ステップS22)。これにより、
図20に示すように、カルテ番号などの対象識別記号に関連付けられた画像データの画像のみからなる画像の一覧が表示部170に表示される(ステップS23)。ここで、各画像のサムネイルを選択すると画像が表示部170に表示され(ステップS24)、タッチスクリーンである表示部170のスワイプ操作や操作入力部180の他の入力操作により、表示部170に表示される画像を切り替える(ステップS25)。ステップS24,S25では、他の対象(患者)の画像は表示部170に表示されないから、ダーモスコピー用撮像装置1に保存してある他の対象の画像を見せてしまうというリスクを回避することができる。次に、通常画像、ダーモスコピー画像およびダーモスコピー変換画像から選択される複数の画像を比較したい場合、ステップS25において、比較したい画像を表示している状態で、操作入力部180で「画面切替比較機能」を選択して指示を入力する(ステップS26)。すると、画面切替比較機能状態となり、タッチスクリーンである表示部170のスワイプ操作や操作入力部180の操作により、比較したい画像と、比較したい画像以外の通常画像I
n、ダーモスコピー画像I
dおよびダーモスコピー変換画像I
t1,I
t2と、を相互に切り替えて、画像の比較を行うことができる(ステップS27)。次に、操作入力部180で「二段表示比較機能」を指示する(ステップS28)。すると、表示部170が、
図2に示すような二画像並列表示となり、例えば、上段にダーモスコピー画像I
d、下段にダーモスコピー変換画像I
tを表示し、例えば、操作入力部180である表示部170をスワイプすることにより、上段または下段の画像が他の通常画像I
n、ダーモスコピー画像I
dおよびダーモスコピー変換画像I
t1,I
t2の画像に切り替わる。この二画像並列表示を用いて、画像の比較を行う(ステップS29)。
【0076】
尚、ステップS26ないしS29は適宜順序を入れ替えることができ、かつ、少なくともいずれか1つを省略可能であることは言うまでもない。また、ステップS28においては、二画像表示として説明したが、これに限定されず、複数画像の並列表示であれば画像数は問わない。
【0077】
[第2の実施形態]
図21は、本発明の第2の実施形態に係るダーモスコピー用撮像装置1aを示す図である。第2の実施形態の説明において、第1の実施形態と実質的に同一の部分には同一の符号を付して説明することで、重複した説明を省略し、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
【0078】
図21に示すように、ダーモスコピー用撮像装置1aは、本体部100aとダーモスコピー用レンズユニット200とを有し、本体部100aは、第1の実施形態の本体部100と比較して、本体部100とパーソナルコンピュータなどの外部機器Eの外部制御部との間で画像データなどの情報を送受信する無線送受信部を更に備え、無線又は有線の通信機能を有する点においてのみ相違している。この場合、第1の実施形態では、
図3に示すように、本体部100に記憶部140、表示部170および操作入力部180を備える構成としたが、本体部100aは、記憶部140、表示部170および操作入力部180の少なくとも一つを省略し、これらを外部機器E側に設ける構成としてもよい。この場合、記憶部140はダーモスコピー用撮像装置1aの外部の記憶媒体、表示部170は外部機器Eのディスプレイ装置などの表示部170E、操作入力部180は外部機器Eのキーボード、マウスなどのポインティングデバイス、音声認識装置などの操作入力部180Eとして機能することができる。
【0079】
以上、各実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。例えば、ダーモスコピー変換画像データとして、D
t1,D
t2を挙げたが、ダーモスコピー変換画像データは1つであってもよいし、2以上の複数であってもよい。上記実施形態及び実施例に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0080】
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0081】
[付記]
<請求項1>
皮膚の対象部位Xの観察及び/又は撮像を行うダーモスコピー用撮像装置であって、
撮像光学系を有する本体部と、
前記本体部の表面において、前記撮像光学系の少なくとも一部を覆う位置であって皮膚のダーモスコピー画像を撮像する第1の位置と、前記第1の位置から離間した位置であって皮膚のダーモスコピー画像を撮像しない第2の位置と、の間を摺動可能に設けられ、前記対象部位Xを拡大視するダーモスコピー用レンズを含む、前記本体部の表面から突出して設けられるダーモスコピー用レンズユニットと、
を備えることを特徴とするダーモスコピー用撮像装置。
<請求項2>
前記本体部は、前記表面にガイド要素を有し、
前記ダーモスコピー用レンズユニットは、前記ガイド要素に対応する被ガイド要素を有し、
前記ダーモスコピー用レンズユニットは、前記ガイド要素と前記被ガイド要素とによって、前記本体部の表面を摺動可能であることを特徴とする請求項1に記載のダーモスコピー用撮像装置。
<請求項3>
前記ガイド要素は細長溝状部であり、前記被ガイド要素は突状部であり、
前記ダーモスコピー用レンズユニットは、前記細長溝状部に前記突状部が嵌入された状態で、前記突状部が前記細長溝状部の長手方向に沿って移動することによって、前記本体部の表面を摺動可能であることを特徴とする請求項2に記載のダーモスコピー用撮像装置。
<請求項4>
前記ダーモスコピー用レンズユニットは、前記本体部に着脱可能に固着されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のダーモスコピー用撮像装置。
<請求項5>
前記細長溝状部は、第1の溝部と、前記第1の溝部よりも幅が広い第2の溝部と、を含み、
前記突状部は、第1の突状部と、前記第1の突状部よりも幅の広い第2の突状部と、を含み、
前記第1の突状部の幅は、前記第1の溝部の幅よりも小さく、
前記第2の突状部の幅は、前記第2の溝部の幅よりも小さく、前記第1の溝部の幅よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載のダーモスコピー用撮像装置。
<請求項6>
前記被ガイド要素は、可撓性部材を含むことを特徴とする請求項2又は3に記載のダーモスコピー用撮像装置。
<請求項7>
前記本体部は、前記ダーモスコピー用レンズユニットの位置を検出する位置検出部を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のダーモスコピー用撮像装置。
<請求項8>
前記本体部は、前記撮像光学系と離間して設けられたダーモスコープ部を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のダーモスコピー用撮像装置。
<請求項9>
前記ダーモスコープ部は、
光源と、
前記光源からの光を偏光する第1の偏光フィルターと、
前記第1の偏光フィルターを通過した光の反射光を偏光する第2の偏光フィルターと、
前記反射光が入射するレンズであって、前記本体部を貫通する貫通孔に固着されたレンズと、を含むことを特徴とする請求項8に記載のダーモスコピー用撮像装置。
<請求項10>
前記本体部は、前記ダーモスコピー用レンズユニットが前記第1の位置にあるときに発光する光源をさらに備え、
前記ダーモスコピー用レンズユニットは、内部に前記光源からの光を偏光する偏光フィルターをさらに備え、
偏光された光が前記ダーモスコピー用レンズを透過することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のダーモスコピー用撮像装置。
<請求項11>
前記本体部は、前記ダーモスコピー用レンズユニットが前記第1の位置にあるときに発光する光源と、前記光源からの光を偏光する偏光フィルターとをさらに備え、
偏光された光が前記ダーモスコピー用レンズユニットの前記ダーモスコピー用レンズを透過することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のダーモスコピー用撮像装置。
<請求項12>
対象識別記号を含む対象データ(D
p)を入力する入力部と、
前記ダーモスコピー用レンズユニットが第1の位置に配置される場合に撮像されるダーモスコピー画像のダーモスコピー画像データ(D
d)、及び、前記ダーモスコピー用レンズユニットが第2の位置に配置される場合に撮像される通常画像の通常画像データ(D
n)の少なくともいずれか一方を記憶する記憶部と、
前記ダーモスコピー画像データ(D
d)および前記通常画像データ(D
n)の少なくともいずれか一方を、前記対象識別記号に関連付けて前記記憶部に保存する制御部と、
前記ダーモスコピー画像データ(D
d)および前記通常画像データ(D
n)の少なくともいずれか一方を表示する表示部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のダーモスコピー用撮像装置。
<請求項13>
前記制御部は、前記ダーモスコピー画像データ(D
d)を変換してダーモスコピー変換画像データ(D
t)を生成し、前記ダーモスコピー変換画像データ(D
t)を前記ダーモスコピー画像データ(D
d)に関連付けて前記記憶部に保存することを特徴とする請求項12に記載のダーモスコピー用撮像装置。
<請求項14>
皮膚の対象部位Xの観察及び/又は撮像を行うダーモスコピー用撮像装置の使用方法であって、
撮像光学系と撮像素子とを含む撮像部を有する本体部と、前記本体部の表面から突出して設けられ、前記対象部位Xを拡大視するダーモスコピー用レンズを含むダーモスコピー用レンズユニットと、を備えるダーモスコピー用撮像装置を供することと、
前記撮像光学系の少なくとも一部を覆う位置であって皮膚のダーモスコピー画像を撮像する第1の位置に前記ダーモスコピー用レンズユニットを配置し、前記撮像部を用いて、撮像対象部位のダーモスコピー画像を撮像することと、
前記本体部の表面において、前記第1の位置と前記第1の位置から離間した位置であって皮膚のダーモスコピー画像を撮像しない第2の位置との間を摺動するように前記ダーモスコピー用レンズユニットを移動することと、
前記撮像部を用いて、ダーモスコピー用レンズユニットを介さない状態で、前記撮像部を用いて、前記撮像対象部位の通常画像を撮像することと、
を備えることを特徴とするダーモスコピー用撮像装置の使用方法。
<請求項15>
前記ダーモスコピー用撮像装置はダーモスコープ部をさらに有し、
前記ダーモスコープ部を用いて対象を観察し、前記ダーモスコピー画像を撮像するステップ、および、前記通常画像を撮像するステップの少なくともいずれか一方において撮像される前記撮像対象部位を特定すること、をさらに備えることを特徴とする請求項14に記載のダーモスコピー用撮像装置の使用方法。