(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のpチャネル形MOSトランジスタのゲートが前記レベルシフト回路に接続し、前記第1のpチャネル形MOSトランジスタのソースが当該半導体装置に印加される最大電位に接続し、前記第1のpチャネル形MOSトランジスタのドレインが前記後段回路に接続することを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
前記前段回路は、前記第1のpチャネル形MOSトランジスタと、nチャネル形MOSトランジスタとを含むインバータ回路を構成することを特徴とする請求項3記載の半導体装置。
前記後段回路は、信号伝達回路を有し、前記信号伝達回路は、前記前段回路からの前記出力信号にもとづいてスイッチングして、前記出力信号を前記第2のpチャネル形MOSトランジスタに伝達することを特徴とする請求項3記載の半導体装置。
前記後段回路は、信号伝達回路を有し、前記信号伝達回路は、前記前段回路からの前記出力信号のレベルと、基準電圧とを比較して、前記出力信号のレベルが前記基準電圧を超える場合に、前記出力信号を前記第2のpチャネル形MOSトランジスタに伝達することを特徴とする請求項3記載の半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は半導体装置の構成例を示す図である。半導体装置1は、レベルシフト回路1a、前段回路1bおよび後段回路1cを備え、スイッチング素子Sw1の駆動を行う装置である。また、半導体装置1は、例えば、HVICに該当する。
【0014】
レベルシフト回路1aは、入力信号の低圧側の電圧レベルを、スイッチング素子Sw1を駆動するに要する高圧側電圧レベルにレベルシフトする。
前段回路1bは、トランジスタTr1(第1のトランジスタ)を含み、レベルシフト回路1aから出力されるゲート駆動信号を受信する。
【0015】
後段回路1cは、トランジスタTr1と同一チャネルであるトランジスタTr2(第2のトランジスタ)を含み、トランジスタTr1からの出力信号にもとづき、スイッチング素子Sw1を駆動する。
【0016】
また、トランジスタTr1の閾値電圧Vtp1(第1の閾値電圧)は、トランジスタTr2の閾値電圧Vtp2(第2の閾値電圧)よりも低く設定されている(Vtp1<Vtp2)。
【0017】
ここで、グラフgaは、半導体装置1への入力信号のレベル変化を示しており、縦軸は入力信号の電圧、横軸は時間である。
グラフgb−1は、トランジスタTr1の閾値電圧Vtp1と、トランジスタTr2の閾値電圧Vtp2とが等しい場合の、トランジスタTr1の出力信号のレベル変化を示しており、縦軸は出力信号の電圧、横軸は時間である。
【0018】
グラフgb−2は、トランジスタTr1の閾値電圧Vtp1が、トランジスタTr2の閾値電圧Vtp2より低い場合の、トランジスタTr1の出力信号のレベル変化を示しており、縦軸は出力信号の電圧、横軸は時間である。
【0019】
時刻taで入力信号のレベル変化が生じ、LからHレベルになったとする。このとき、グラフgb−1のように、Vtp1=Vtp2の場合、入力信号のレベル変化が生じた時点から、トランジスタTr1がONして、トランジスタTr1の出力信号のレベルが変化するまでに時間TDaを要している。
【0020】
一方、グラフgb−2のように、Vtp1<Vtp2の場合、入力信号のレベル変化が生じた時点から、トランジスタTr1がONして、トランジスタTr1の出力信号のレベルが変化するまでに時間TDb(<TDa)を要している。
【0021】
このように、前段回路1b内のトランジスタTr1の閾値電圧Vtp1を、後段回路1c内のトランジスタTr2の閾値電圧Vtp2よりも低く設定することで、遅延時間を短縮化することが可能になる(時間TDaから時間TDbを引いた分の時間が短縮されている)。
【0022】
次に本技術の詳細を説明する前に、HVICを含む電力変換装置の構成および解決すべき課題について
図2〜
図4を用いて説明する。
図2は電力変換装置の構成例を示す図である。電力変換装置のブリッジ回路周辺の構成を示している。
【0023】
電力変換装置2は、HVIC10、LVIC(Low Voltage Integrated Circuit)30、ブリッジ回路20、電源V1、電源V2およびインダクタL0(L負荷)を備える。ブリッジ回路20は、スイッチング素子であるIGBT21a、22aと、ダイオードD21、D22とを有している。
【0024】
なお、IGBT21aとダイオードD21を含む、高電位側のスイッチング部を上アーム、IGBT22aとダイオードD22を含む、低電位側のスイッチング部を下アームとも呼ぶ。
【0025】
また、
図2では、上アーム側の駆動制御をHVIC10、下アーム側の駆動制御をLVIC30で行う構成としているが、HVIC10、LVIC30両方の機能を持たせた1つのHVICの半導体集積回路で構成してもよい。
【0026】
HVIC10は、端子として、高電位側入力端子(H−IN)、高電位端子(H−VDD)、高電位側出力端子(H−OUT)、中間電位端子(Vs)を有する。
また、LVIC30は、端子として、低電位側入力端子(L−IN)、低電位端子(L−VDD)、低電位側出力端子(L−OUT)およびGND端子(GND)を有する。
【0027】
各素子間の接続関係を記すと、HVIC10において、高電位端子(H−VDD)は、電源V1の正極側端子に接続する。高電位側出力端子(H−OUT)は、IGBT21aのゲートと接続する。
【0028】
中間電位端子(Vs)は、電源V1の負極側端子と、IGBT21aのエミッタと、ダイオードD21のアノードと、インダクタL0の一端と、IGBT22aのコレクタと、ダイオードD22のカソードと接続する。IGBT21aのコレクタは、電源Vssと、ダイオードD21のカソードと接続する。
【0029】
LVIC30において、低電位端子(L−VDD)は、電源V2の正極側端子に接続する。低電位側出力端子(L−OUT)は、IGBT22aのゲートと接続する。GND端子(GND)は、電源V2の負極側端子と、IGBT22aのエミッタと、ダイオードD22のアノードと、GNDと接続する。
【0030】
ここで、ブリッジ回路20では、IGBT21a、22aを直列に接続したハーフブリッジ形態をとっている。そして、上アームのIGBT21aと、下アームのIGBT22aとを交互にONさせることで、出力端子である中間電位端子(Vs)から、高電位または低電位を交互に出力して、負荷(インダクタ)L0に交流電流を流す。
【0031】
中間電位端子(Vs)から高電位を出力する場合、上アームのIGBT21aがONし、下アームのIGBT22aがOFFする。また、低電位を出力する場合は、上アームのIGBT21aがOFFし、下アームのIGBT22aがONする。
【0032】
ここで、上アームのIGBT21aへのゲート信号に対しては、中間電位端子(Vs)の浮動電位を基準にして出力するので、中間電位端子(Vs)の電位は、上アームのIGBT21aを駆動する基準電位となる。
【0033】
また、下アームのIGBT22aへのゲート信号を、GND基準にて出力するので、GNDは、下アームのIGBT22aを駆動する基準電位となる。
なお、ダイオードD21、D22は、FWD(Free Wheel Diode)として使用している。すなわち、IGBT21a、22aがOFFになる瞬間、インダクタL0から逆起電力が発生するので、IGBT21a、22aに対して、ダイオードD21、D22を逆並列に接続して、このときの負荷電流を還流させている。
【0034】
図3はHVICの構成例を示す図である。ブリッジ回路20の上アームを駆動する側のHVIC10内部の要部およびその周辺回路を示している。
HVIC10は、制御回路11、レベルシフト回路12、出力受信回路13およびCMOS回路14を備える。
【0035】
制御回路11は、入力端子(H−IN)からの入力信号s1を受信して、レベルシフト回路12を駆動する。
レベルシフト回路12は、ダイオードD1、抵抗(レベルシフト抵抗)R1、およびnチャネル形MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)である高耐圧のNMOSトランジスタN1を含む。
【0036】
出力受信回路13は、レベルシフト回路12からの出力信号を受信する回路であって、pチャネル形MOSFETであるPMOSトランジスタP1と、抵抗R2とを含む。なお、出力受信回路13をレベルシフト回路12に含めてレベルシフト回路と呼んでもよい。
【0037】
CMOS回路14は、n個のPMOSトランジスタP2−1〜P2−nと、m個のNMOSトランジスタN2−1〜N2−mなどを含む。PMOSトランジスタP2−1〜P2−nのうち少なくとも1つを抵抗などに置き換えることもできる。また、NMOSトランジスタN2−1〜N2−mのうち少なくとも1つを抵抗などに置き換えることもできる。
【0038】
各素子間の接続関係を記すと、制御回路11の入力端は、入力端子(H−IN)と接続し、制御回路11の出力端は、NMOSトランジスタN1のゲートと接続する。
ダイオードD1のカソードは、抵抗R1の一端と、PMOSトランジスタP1のソースと、PMOSトランジスタP2−1とP2−nのソースと、高電位端子(H−VDD)などと接続する。また、高電位端子(H−VDD)は、電源V1の正極側端子と接続する。
【0039】
ダイオードD1のアノードは、抵抗R1の他端と、PMOSトランジスタP1のゲートと、NMOSトランジスタN1のドレインと接続する。NMOSトランジスタN1のソースは、GNDと接続する。
【0040】
PMOSトランジスタP1のドレインは、抵抗R2の一端と、PMOSトランジスタP2−1のゲートと、NMOSトランジスタN2−1のゲートと接続する。
抵抗R2の他端は、NMOSトランジスタN2−1とN2−mのソースと、中間電位端子(Vs)などと接続する。中間電位端子(Vs)は、電源V1の負極側端子と、IGBT21aのエミッタと、ダイオードD21のアノードと、IGBT22aのコレクタと、ダイオードD22のカソードなどと接続する。
【0041】
PMOSトランジスタP2−nのドレインは、NMOSトランジスタN2−mのドレインと、出力端子(H−OUT)と接続する。出力端子(H−OUT)は、IGBT21aのゲートと接続する。
【0042】
PMOSトランジスタP2−1のドレインは、NMOSトランジスタN2−1のドレインと、図示していないその他のCMOS回路と接続する。
PMOSトランジスタP2−nのゲートは、NMOSトランジスタN2−mのゲートと、図示していないその他のCMOS回路と接続する。
【0043】
また、IGBT21aのコレクタと、ダイオードD21のカソードとは、電源Vssに接続し、IGBT22aのエミッタと、ダイオードD22のアノードとは、GNDに接続している。
【0044】
ここで、電源V1から高電位端子(H−VDD)に対して、電位VBが印加される。電位VBは、HVIC10に印加される最高電位である。さらに、中間電位端子(Vs)の電位Vsは、ブリッジ回路20の高電位側スイッチング素子と低電位側のスイッチング素子との接続点の電位であり、HVIC10内のCMOS回路14の基準電位となる。
【0045】
以下、動作について説明する。HVIC10の入力端子(H−IN)に入力された入力信号s1のレベルに応じて、スイッチング素子のゲートを駆動する信号がHVIC10から出力される。
【0046】
スイッチング素子のゲートを駆動する信号とは、IGBT21aをON/OFFできるように調整された、HVIC10の出力端子(H−OUT)からの出力信号のことである。
【0047】
ここでは、IGBT21aがOFF状態から開始し、IGBT21aをON状態に変化させて、ON状態を保持する場合について説明する。なお、入力信号s1のレベルがLからHに切り替わったときに、スイッチング素子であるIGBT21aがOFFからON状態に切り替わるとする。
【0048】
入力信号s1のレベルをLからHに変えると、NMOSトランジスタN1がON状態になり、レベルシフト抵抗R1に電流(電流I1とする)が流れ、PMOSトランジスタP1のゲート電圧が、電圧VBから電圧(VB−I1×R1)に低下する。
【0049】
その結果、PMOSトランジスタP1がOFFからONに変わり、PMOSトランジスタP1のドレイン電圧が、電圧VSから電圧VBに変わる。そして、PMOSトランジスタP1のドレイン電圧の変化に応じて、CMOS回路14が動作することにより、出力端子(H−OUT)からIGBT21aをON状態にする信号が出力される。
【0050】
ここで、上記のPMOSトランジスタP1のゲート電圧の変化は、電圧VBから電圧(VB−I1×R1)に瞬間的に切り替わるのでなく、遅延時間を要している。これは、レベルシフト抵抗R1の抵抗値が大きいこと、また、高耐圧のNMOSトランジスタN1のドレイン・ソース間寄生容量が大きいことに起因するものである。
【0051】
このゲート電圧の変化に要する時間によって、PMOSトランジスタP1のOFF状態からON状態への変化にも時間を要し、さらに、CMOS回路14の動作開始にも時間を要することになる。
【0052】
ここで要した時間は、信号伝搬遅延時間(入力信号s1のレベルがLからHへ変わった時刻と、IGBT21aがOFFからON状態に変わった時刻との差分)の一部となり、信号伝搬を遅らせる要因の1つになる。
【0053】
図4は入力信号のレベル変化に対するPMOSトランジスタのゲート/ドレイン電圧の変化を示す図である。
グラフg1は、入力信号s1のレベル変化を示しており、縦軸は入力信号s1の電圧、横軸は時間tである。
【0054】
グラフg2は、PMOSトランジスタP1のゲート電圧のレベル変化を示しており(レベルレベルシフト回路12から出力されるゲート駆動信号のレベル変化と等しい)、縦軸はPMOSトランジスタP1のゲート電圧、横軸は時間tである。
【0055】
グラフg3は、PMOSトランジスタP1の出力信号の電圧(ドレイン電圧)のレベル変化を示しており、縦軸はPMOSトランジスタP1の出力電圧(ドレイン電圧)、横軸は時間tである。
【0056】
〔t0≦t<t1〕入力信号s1は、Lレベルであり、PMOSトランジスタP1のゲート電圧は、電圧VBである。また、PMOSトランジスタP1のドレイン電圧は、電圧VSである。
【0057】
〔t=t1〕入力信号s1がLレベルからHレベルに変わり、レベルシフト回路12内のNMOSトランジスタN1がONする。
〔t1<t<t2〕PMOSトランジスタP1のゲート電圧は、電圧VBから下がり始める。
【0058】
〔t=t2〕PMOSトランジスタP1のゲート電圧が、PMOSトランジスタP1の閾値電圧Vtp1を超え、PMOSトランジスタP1がOFF状態からON状態に変わる。また、PMOSトランジスタP1の出力信号であるドレイン電圧が、電圧VSから電圧VBに変わる。
【0059】
〔t2<t<t3〕PMOSトランジスタP1のゲート電圧は、電圧(VB−I1×R1)まで下がる。
〔t3≦t〕入力信号s1は、Hレベルであり、PMOSトランジスタP1のゲート電圧は、電圧(VB−I1×R1)である。また、PMOSトランジスタP1のドレイン電圧は、電圧VBである。
【0060】
ここで、CMOS回路14は、PMOSトランジスタP1の出力信号(ドレイン電圧)の変化を入力として動作を開始する。このため、
図4に示すように、入力信号s1の変化から、PMOSトランジスタP1の出力信号の変化までには、時間tdの遅延が生じることがわかる。
【0061】
このように、HVIC10のレベルシフト制御は、入力信号のレベル変化に対するスイッチング素子の応答時間を遅らせる要因の1つとなっている。このような遅延時間を短縮化するために、例えば、レベルシフト抵抗R1の抵抗値を小さくする方法も考えられる。しかし、この場合、HVIC10の消費電力が増加してしまうデメリットがある。
【0062】
一方、上述した従来技術(特許文献1)では、遅延時間を短縮するため、レベルシフト回路内のNMOSトランジスタの寄生容量を減らす方法をとっている。しかし、この場合、NMOSトランジスタのドリフト領域を電位的にフローティングするため、NMOSトランジスタが誤動作しやすいという問題がある。また、上述の従来技術(特許文献2)では、誤動作を防止するHVICが提案されているが、遅延時間の短縮化を図るものではない。
【0063】
本技術はこのような点に鑑みてなされたものであり、消費電力の増加を抑え、かつ誤動作を防止した上で、信号伝搬遅延時間を短縮化し、信号伝搬を速めた半導体装置および電力変換装置を提供することである。
【0064】
次に本技術について詳しく説明する。
図5はHVICの構成例を示す図である。電力変換装置100として、ブリッジ回路20の上アームを駆動する側のHVIC10a内部の要部およびその周辺回路を示している。
【0065】
HVIC10aは、制御回路11、レベルシフト回路12、出力受信回路13aおよびCMOS回路14を備える。なお、出力受信回路13aは、
図1の前段回路1bの機能を有する。また、CMOS回路14は、
図1の後段回路1cの機能を有する。
【0066】
制御回路11は、入力端子(H−IN)からの入力信号を受信して、レベルシフト回路12を駆動する。
レベルシフト回路12は、ダイオードD1、抵抗(レベルシフト抵抗)R1、およびnチャネル形MOSFETである高耐圧のNMOSトランジスタN1を含む。
【0067】
出力受信回路13aは、レベルシフト回路12からの出力信号を受信する回路であって、pチャネル形MOSFETであるPMOSトランジスタP1aと、抵抗R2とを含む(抵抗R2の代わりに、デプレッション形NMOSトランジスタを使用してもよい)。なお、出力受信回路13aをレベルシフト回路12に含める構成にしてもよい。
【0068】
CMOS回路14は、少なくとも1つのPMOSトランジスタと、少なくとも1つのNMOSトランジスタとを含む。
図5の場合、n個のPMOSトランジスタP2−1〜P2−nと、m個のNMOSトランジスタN2−1〜N2−mなどを含む構成になっている。
【0069】
なお、PMOSトランジスタP1aは、
図1のトランジスタTr1に該当する。また、PMOSトランジスタP2−1〜P2−nは、
図1のトランジスタTr2に該当する。
一方、HVIC10aでは、PMOSトランジスタP1aの閾値電圧Vtp1が、CMOS回路14に含まれるPMOSトランジスタP2−1〜P2−nの閾値電圧Vtp2より低く、Vtp1<Vtp2の関係が成立している。閾値電圧は絶対値である。各素子間の接続関係は、
図3と同じなので接続関係の説明は省略する。
【0070】
ここで、通常の半導体装置の製造では、回路を構成する各導電形のMOSトランジスタにおいて、閾値電圧がほぼ一定になるように製造される。
これに対して、本技術においては、形状や不純物濃度などの調整により、閾値電圧Vtp1、Vtp2が互いに異なる値になるように調整するものである。閾値電圧Vtp1を閾値電圧Vtp2より低くすることで、PMOSトランジスタP1aが従来よりも速くON状態になるために、信号伝搬遅延時間を短くすることができる。
【0071】
図6は入力信号のレベル変化に対するPMOSトランジスタのゲート/ドレイン電圧の変化を示す図である。
グラフg11は、入力信号s1のレベル変化を示しており、縦軸は入力信号s1の電圧、横軸は時間tである。
【0072】
グラフg12は、PMOSトランジスタP1aのゲート電圧のレベル変化を示しており(レベルレベルシフト回路12からのゲート駆動信号のレベル変化と等しい)、縦軸はPMOSトランジスタP1aのゲート電圧、横軸は時間tである。
【0073】
グラフg13は、PMOSトランジスタP1aの出力信号の電圧(ドレイン電圧)のレベル変化を示しており、縦軸はPMOSトランジスタP1aの出力電圧(ドレイン電圧)、横軸は時間tである。
【0074】
〔t0≦t<t11〕入力信号s1は、Lレベルであり、PMOSトランジスタP1aのゲート電圧は、電圧VBである。また、PMOSトランジスタP1aのドレイン電圧は、電圧VSである。
【0075】
〔t=t11〕入力信号s1がLレベルからHレベルに変わり、レベルシフト回路12内のNMOSトランジスタN1がONする。
〔t11<t<t12〕PMOSトランジスタP1aのゲート電圧は、電圧VBから下がり始める。
【0076】
〔t=t12〕PMOSトランジスタP1aのゲート電圧が、PMOSトランジスタP1aの閾値電圧Vtp1を超え、PMOSトランジスタP1aがOFF状態からON状態に変わる。また、PMOSトランジスタP1aの出力信号であるドレイン電圧が、電圧VSから電圧VBに変わる。
【0077】
〔t12<t<t13〕PMOSトランジスタP1aのドレイン電圧は、電圧VSから電圧VBとなる。
〔t13≦t<t14〕PMOSトランジスタP1aのゲート電圧は、電圧(VB−I1×R1)まで下がる。
【0078】
〔t14≦t〕入力信号s1は、Hレベルであり、PMOSトランジスタP1aのゲート電圧は、電圧(VB−I1×R1)である。また、PMOSトランジスタP1aのドレイン電圧は、電圧VBである。
【0079】
ここで、
図3で上述したHVIC10では、PMOSトランジスタP1の閾値電圧Vtp1と、PMOSトランジスタP2−1〜P2−nの閾値電圧Vtp2とが等しかったため(Vtp1=Vtp2)、この場合、信号伝搬遅延時間はtd1=td2(=td)となる。
【0080】
一方、
図5のHVIC10aでは、PMOSトランジスタP1aの閾値電圧Vtp1は、PMOSトランジスタP2−1〜P2−nの閾値電圧Vtp2より小さく、Vtp1<Vtp2であるために、信号伝搬遅延時間がtd1(<td2=td)となり、従来のHVIC10と比較した場合に、信号伝搬遅延時間を(td2−td1)分、短縮化することができる。
【0081】
なお、PMOSトランジスタP1aの閾値電圧と、CMOS回路14が含むすべてのPMOSトランジスタP2−1〜P2−nの閾値電圧との両方を低くすると、HVICの消費電流の増加やHVICが誤動作しやすくなるというデメリットが生じる。そのため、HVIC10aでは、PMOSトランジスタP1aの閾値電圧だけを低くするという構成にしている。
【0082】
以上説明したように、本技術によれば、レベルシフト回路を構成する高耐圧NMOSのデバイス構造を見直したりすることなく、消費電力の増加を抑え、かつ誤動作を防止した上で、信号伝搬遅延時間を短縮化することが可能になる。
【0083】
次にHVIC10aの変形例について説明する。
図7はHVICの第1の変形例の構成を示す図である。電力変換装置100−1として、ブリッジ回路20の上アームを駆動する側のHVIC10a−1内部の要部およびその周辺回路を示している。
【0084】
第1の変形例のHVIC10a−1は、制御回路11、レベルシフト回路12、出力受信回路13a−1およびCMOS回路14を備える。
制御回路11は、入力端子(H−IN)からの入力信号s1を受信して、レベルシフト回路12を駆動する。
【0085】
レベルシフト回路12は、ダイオードD1、抵抗(レベルシフト抵抗)R1、およびnチャネル形MOSFETである高耐圧のNMOSトランジスタN1を含む。
出力受信回路13a−1は、レベルシフト回路12からの出力信号を受信する回路であって、pチャネル形MOSFETであるPMOSトランジスタP1aと、nチャネル形MOSFETであるNMOSトランジスタN3とを含み、インバータ回路を構成している。なお、出力受信回路13a−1をレベルシフト回路12に含める構成にしてもよい。
【0086】
CMOS回路14は、n個のPMOSトランジスタP2−1〜P2−nと、m個のNMOSトランジスタN2−1〜N2−mなどを含む。
各素子間の接続関係を記すと、制御回路11の入力端は、入力端子(H−IN)と接続し、制御回路11の出力端は、NMOSトランジスタN1のゲートと接続する。
【0087】
ダイオードD1のカソードは、抵抗R1の一端と、PMOSトランジスタP1aのソースと、PMOSトランジスタP2−1とP2−nのソースと、高電位端子(H−VDD)などと接続する。また、高電位端子(H−VDD)は、電源V1の正極側端子と接続する。
【0088】
ダイオードD1のアノードは、抵抗R1の他端と、PMOSトランジスタP1aのゲートと、NMOSトランジスタN3のゲートと、NMOSトランジスタN1のドレインと接続する。NMOSトランジスタN1のソースは、GNDと接続する。
【0089】
PMOSトランジスタP1aのドレインは、NMOSトランジスタN3のドレインと、PMOSトランジスタP2−1のゲートと、NMOSトランジスタN2−1のゲートと接続する。
【0090】
NMOSトランジスタN3のソースは、NMOSトランジスタN2−1とN2−mのソースと、中間電位端子(Vs)などと接続する。中間電位端子(Vs)は、電源V1の負極側端子と、IGBT21aのエミッタと、ダイオードD21のアノードと、IGBT22aのコレクタと、ダイオードD22のカソードなどと接続する。
【0091】
PMOSトランジスタP2−nのドレインは、NMOSトランジスタN2−mのドレインと、出力端子(H−OUT)と接続する。出力端子(H−OUT)は、IGBT21aのゲートと接続する。
【0092】
PMOSトランジスタP2−1のドレインは、NMOSトランジスタN2−1のドレインと、図示していないその他のCMOS回路と接続する。
PMOSトランジスタP2−nのゲートは、NMOSトランジスタN2−mのゲートと、図示していないその他のCMOS回路と接続する。
【0093】
また、IGBT21aのコレクタと、ダイオードD21のカソードとは、電源Vssに接続し、IGBT22aのエミッタと、ダイオードD22のアノードとは、GNDに接続している。
【0094】
図8はHVICの第2の変形例の構成を示す図である。電力変換装置100−2として、ブリッジ回路20の上アームを駆動する側のHVIC10a−2内部の要部およびその周辺回路を示している。
【0095】
第2の変形例のHVIC10a−2は、制御回路11、レベルシフト回路12、出力受信回路13aおよびCMOS回路14−1を備える。
制御回路11は、入力端子(H−IN)からの入力信号s1を受信して、レベルシフト回路12を駆動する。
【0096】
レベルシフト回路12は、ダイオードD1、抵抗(レベルシフト抵抗)R1、およびnチャネル形MOSFETである高耐圧のNMOSトランジスタN1を含む。
出力受信回路13aは、レベルシフト回路12からの出力信号を受信する回路であって、pチャネル形MOSFETであるPMOSトランジスタP1aと、抵抗R2とを含む。なお、出力受信回路13aをレベルシフト回路12に含める構成にしてもよい。
【0097】
CMOS回路14−1は、信号伝達回路141aと、出力段回路141bとを含む。信号伝達回路141aは、抵抗R3と、NMOSトランジスタN4とを含み、出力段回路141bは、PMOSトランジスタP2−nと、NMOSトランジスタN2−nとを含む。
【0098】
なお、信号伝達回路141aは、出力受信回路13aからの出力信号にもとづいてスイッチングして、該出力信号をPMOSトランジスタP2−nに伝達する。
各素子間の接続関係を記すと、制御回路11の入力端は、入力端子(H−IN)と接続し、制御回路11の出力端は、NMOSトランジスタN1のゲートと接続する。
【0099】
ダイオードD1のカソードは、抵抗R1の一端と、PMOSトランジスタP1aのソースと、抵抗R3の一端と、PMOSトランジスタP2−nのソースと、高電位端子(H−VDD)と接続する。また、高電位端子(H−VDD)は、電源V1の正極側端子と接続する。
【0100】
ダイオードD1のアノードは、抵抗R1の他端と、PMOSトランジスタP1aのゲートと、NMOSトランジスタN1のドレインと接続する。NMOSトランジスタN1のソースは、GNDと接続する。
【0101】
PMOSトランジスタP1aのドレインは、抵抗R2の一端と、NMOSトランジスタN4のゲートと接続する。
抵抗R2の他端は、NMOSトランジスタN4のソースと、NMOSトランジスタN2−nのソースと、中間電位端子(Vs)と接続する。抵抗R3の他端は、NMOSトランジスタN4のドレインと、PMOSトランジスタP2−nのゲートと、NMOSトランジスタN2−nのゲートと接続する。
【0102】
中間電位端子(Vs)は、電源V1の負極側端子と、IGBT21aのエミッタと、ダイオードD21のアノードと、IGBT22aのコレクタと、ダイオードD22のカソードと接続する。
【0103】
PMOSトランジスタP2−nのドレインは、NMOSトランジスタN2−nのドレインと、出力端子(H−OUT)と接続する。出力端子(H−OUT)は、IGBT21aのゲートと接続する。また、IGBT21aのコレクタと、ダイオードD21のカソードとは、電源Vssに接続し、IGBT22aのエミッタと、ダイオードD22のアノードとは、GNDに接続している。
【0104】
なお、上記のHVIC10a−2において、出力受信回路13aは、
図7に示した出力受信回路13a−1の構成にしてもよい。また、信号伝達回路141aと出力段回路141bとの間に、ラッチ回路や保護回路を設けてもよい。さらに、回路規模削減等の理由により、信号伝達回路141aは必ずしも設けなくてもよい。
【0105】
図9はHVICの第3の変形例の構成を示す図である。電力変換装置100−3として、ブリッジ回路20の上アームを駆動する側のHVIC10a−3内部の要部およびその周辺回路を示している。
【0106】
第3の変形例のHVIC10a−3は、制御回路11、レベルシフト回路12、出力受信回路13aおよびCMOS回路14−2を備える。
制御回路11は、入力端子(H−IN)からの入力信号s1を受信して、レベルシフト回路12を駆動する。
【0107】
レベルシフト回路12は、ダイオードD1、抵抗(レベルシフト抵抗)R1、およびnチャネル形MOSFETである高耐圧のNMOSトランジスタN1を含む。
出力受信回路13aは、レベルシフト回路12からの出力信号を受信する回路であって、pチャネル形MOSFETであるPMOSトランジスタP1aと、抵抗R2とを含む。なお、出力受信回路13aをレベルシフト回路12に含める構成にしてもよい。
【0108】
CMOS回路14−2は、信号伝達回路142aと、出力段回路142bとを含む。信号伝達回路142aは、基準電源Vrと、コンパレータIc1とを含み、出力段回路142bは、PMOSトランジスタP2−nと、NMOSトランジスタN2−nとを含む。
【0109】
なお、信号伝達回路142aは、出力受信回路13aからの出力信号のレベルと、基準電圧Vrとを比較する。そして、該出力信号のレベルが基準電圧Vrを超える場合に、該出力信号をPMOSトランジスタP2−nに伝達する。
【0110】
各素子間の接続関係を記すと、制御回路11の入力端は、入力端子(H−IN)と接続し、制御回路11の出力端は、NMOSトランジスタN1のゲートと接続する。
ダイオードD1のカソードは、抵抗R1の一端と、PMOSトランジスタP1aのソースと、コンパレータIc1の正極側電源端子V+と、PMOSトランジスタP2−nのソースと、高電位端子(H−VDD)と接続する。また、高電位端子(H−VDD)は、電源V1の正極側端子と接続する。
【0111】
ダイオードD1のアノードは、抵抗R1の他端と、PMOSトランジスタP1aのゲートと、NMOSトランジスタN1のドレインと接続する。NMOSトランジスタN1のソースは、GNDと接続する。
【0112】
PMOSトランジスタP1aのドレインは、抵抗R2の一端と、コンパレータIc1の一方の入力端子と接続する。コンパレータIc1の他方の入力端子は、基準電源Vrの正極側端子と接続する。
【0113】
抵抗R2の他端は、基準電源Vrの負極側端子と、コンパレータIc1の負極側電源端子V−と、NMOSトランジスタN2−nのソースと、中間電位端子(Vs)と接続する。
【0114】
コンパレータIc1の出力端子は、PMOSトランジスタP2−nのゲートと、NMOSトランジスタN2−nのゲートと接続する。
中間電位端子(Vs)は、電源V1の負極側端子と、IGBT21aのエミッタと、ダイオードD21のアノードと、IGBT22aのコレクタと、ダイオードD22のカソードと接続する。
【0115】
PMOSトランジスタP2−nのドレインは、NMOSトランジスタN2−nのドレインと、出力端子(H−OUT)と接続する。出力端子(H−OUT)は、IGBT21aのゲートと接続する。
【0116】
また、IGBT21aのコレクタと、ダイオードD21のカソードとは、電源Vssに接続し、IGBT22aのエミッタと、ダイオードD22のアノードとは、GNDに接続している。
【0117】
なお、上記のHVIC10a−3において、出力受信回路13aは、
図7に示した出力受信回路13a−1の構成にしてもよい。また、信号伝達回路142aと出力段回路142bとの間に、ラッチ回路や保護回路を設けてもよい。さらに、回路規模削減等の理由により、信号伝達回路142aは必ずしも設けなくてもよい。
【0118】
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。