(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0017】
また、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットまたは数字を付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
【0018】
(1.音響制御システムの構成)
図1を参照しながら、本発明の実施形態に係る音響制御システム1の構成例について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る音響制御システム1の構成例を示した説明図である。
図1に示したように、本発明の実施形態に係る音響制御システム1は、親局10と、親局10からの吹鳴指示に従ってモーターサイレンを吹鳴する子局20Aと、親局10からの吹鳴指示に従って電子サイレンを吹鳴する子局20B〜20Fとを備える。なお、電子サイレンを吹鳴する子局20の数は、5つに限定されない。
【0019】
音響制御システム1は、例えば、災害の発生時において、親局10からの吹鳴指示に従って子局20Aがモーターサイレンをモーターサイレン出力装置280から出力する防災無線システムとして機能し得る。親局10は、吹鳴指示の送信イベントが発生すると、宛先を設定した吹鳴指示を、アンテナ110を介して送信する。吹鳴指示の送信イベントは特に限定されないが、災害などが発生してユーザから吹鳴指示を送信する旨の入力があったときであってもよい。例えば、親局10は、子局20Aを宛先に設定した吹鳴指示を送信したり、子局20B〜20Fの何れかを宛先に設定した吹鳴指示を送信したりすることができる。
【0020】
子局20Aは、アンテナ210によって吹鳴指示が受信されると、吹鳴指示の宛先が自局の場合に、モーターサイレン出力装置280からモーターサイレンを吹鳴させる。モーターサイレンが到達するエリアは、音達エリアR1として示されている。一方、子局20B〜20Fも、アンテナ210によって吹鳴指示が受信されると、吹鳴指示の宛先が自局の場合に、電子サイレン出力装置290から電子サイレンを吹鳴させる。電子サイレンが到達するエリアは、音達エリアR2として示されている。
【0021】
ここで、モーターサイレンを吹鳴する子局20Aが何らかの理由により、親局10から吹鳴指示を受信してもモーターサイレンを吹鳴できない状況に陥る場合がある。例えば、理由としては、子局20Aの停電や故障などが想定される。特に、電子サイレンの吹鳴に比べてモーターサイレンの吹鳴は消費電力が高いため、電子サイレンを吹鳴する子局20B〜20Fがバッテリ駆動によって動作するのが一般的であるのに対し、モーターサイレンを吹鳴する子局20AはAC電源による駆動によって動作するのが一般的である(商用電源を直接使用するのが一般的である)。したがって、停電時にはモーターサイレンを吹鳴する子局20Aが動作しなくなる可能性がある。
【0022】
そこで、例えば、子局20Aがモーターサイレンを吹鳴できなくなった場合に、自局に備えられているスピーカから代わりの補間放送を行う技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、子局20Aがモーターサイレンを吹鳴できなくなった場合に、自局に備えられているスピーカから代わりの補間放送を行う技術を用いた場合、補間放送の音達エリアを子局20Aが吹鳴するモーターサイレンの音達エリアR1に合わせる必要がある。このとき、子局20Aが吹鳴するモーターサイレンの音達エリアR1が広くなるほど、補間放送の音達エリアを子局20Aが吹鳴するモーターサイレンの音達エリアR1に合わせるのが困難になることが予想される。
【0023】
さらに、子局20Aがモーターサイレンを吹鳴できなくなった場合に、モーターサイレンの音達エリアR1を補間するように電子サイレンを吹鳴させる子局20C〜20Fを親局10が指定し直すとすれば、親局10が指定し直すための手間と時間とを要してしまう。そこで、本明細書においては、子局20Aがモーターサイレンを吹鳴できなくなった場合に、モーターサイレンの音達エリアR1を補間するように代替の子局20C〜20Fが電子サイレンを自律的に吹鳴することが可能な技術を提案する。
【0024】
なお、以下では、子局20Aが吹鳴する音響としてモーターサイレンを例に挙げて説明するが、子局20Aによって吹鳴される音響はモーターサイレンに限定されない。したがって、子局20Aによって吹鳴される音響は、何らかの音響(第1の音響)であればよい。また、以下では、子局20B〜20Fが吹鳴する音響として電子サイレンを例に挙げて説明するが、子局20B〜20Fによって吹鳴される音響は電子サイレンに限定されない。したがって、子局20B〜20Fによって吹鳴される音響は、何らかの音響(第2の音響)であればよい。
【0025】
以上、本発明の実施形態に係る音響制御システム1の構成例について説明した。
【0026】
(2−1.親局の機能構成)
続いて、本発明の実施形態に係る親局10の機能構成例について説明する。
図2は、本発明の実施形態に係る親局10の機能構成例を示すブロック図である。
図2に示したように、本発明の実施形態に係る親局10は、アンテナ110、送信部120、制御部130および記憶部140を備える。
【0027】
制御部130は、親局10の動作全体を制御する機能を有し、専用のハードウェアによって構成されてもよいし、親局10に内蔵されたCPUがROMに記憶されたプログラムをRAMに展開して実行することにより実現されてもよい。かかるプログラムが提供され得る他、かかるプログラムを記憶させた記憶媒体も提供され得る。例えば、制御部130は、吹鳴指示の送信イベントが発生すると、宛先を設定した吹鳴指示が送信されるように送信部120を制御する。
【0028】
記憶部140は、制御部130を動作させるためのプログラムやデータを記憶することができる。また、記憶部140は、制御部130の動作の過程で必要となる各種データを一時的に記憶することもできる。また、アンテナ110は、無線信号を送信する機能を有しており、送信部120は、制御部130による制御に従って、無線信号により各種情報を、アンテナ110を介して送信する通信インタフェースである。
【0029】
以上、本発明の実施形態に係る親局10の機能構成例について説明した。
【0030】
(2−2.モーターサイレンを吹鳴する子局の機能構成)
続いて、モーターサイレンを吹鳴する子局20Aの機能構成例について説明する。
図3は、モーターサイレンを吹鳴する子局20Aの機能構成例を示すブロック図である。
図3に示したように、モーターサイレンを吹鳴する子局20Aは、アンテナ210、受信部220、制御部250A、記憶部260、モーターサイレン駆動部275およびモーターサイレン出力装置280を備える。
【0031】
制御部250Aは、子局20Aの動作全体を制御する機能を有し、専用のハードウェアによって構成されてもよいし、子局20Aに内蔵されたCPUがROMに記憶されたプログラムをRAMに展開して実行することにより実現されてもよい。かかるプログラムが提供され得る他、かかるプログラムを記憶させた記憶媒体も提供され得る。例えば、制御部250Aは、吹鳴指示が受信されると、吹鳴指示の宛先が自局の場合に、モーターサイレン駆動部275を制御することによりモーターサイレン出力装置280からモーターサイレンを吹鳴させる。
【0032】
記憶部260は、制御部250Aを動作させるためのプログラムやデータを記憶することができる。また、記憶部260は、制御部250Aの動作の過程で必要となる各種データを一時的に記憶することもできる。また、アンテナ210は、無線信号を受信する機能を有しており、受信部220は、制御部250Aによる制御に従って、無線信号により各種情報を、アンテナ210を介して受信する通信インタフェースである。
【0033】
モーターサイレン駆動部275は、制御部250Aによる制御に従って、モーターサイレン出力装置280からモーターサイレンを吹鳴させる機能を有する。モーターサイレン出力装置280は、モーターサイレン駆動部275の駆動動作に従ってモーターサイレンを出力する機能を有する。
【0034】
以上、モーターサイレンを吹鳴する子局20Aの機能構成例について説明した。
【0035】
(2−3.電子サイレンを吹鳴する子局の機能構成)
続いて、電子サイレンを吹鳴する子局20B〜20Fそれぞれの機能構成例について説明する。
図4は、電子サイレンを吹鳴する子局20B〜20Fそれぞれの機能構成例を示すブロック図である。以下、子局20Bの機能構成例を代表として説明する。
図4に示したように、電子サイレンを吹鳴する子局20B〜20Fは、アンテナ210、受信部220、マイク230、集音部240、制御部250B、記憶部260、電子サイレン駆動部270および電子サイレン出力装置290を備える。
【0036】
制御部250Bは、子局20Bの動作全体を制御する機能を有し、専用のハードウェアによって構成されてもよいし、子局20Bに内蔵されたCPUがROMに記憶されたプログラムをRAMに展開して実行することにより実現されてもよい。かかるプログラムが提供され得る他、かかるプログラムを記憶させた記憶媒体も提供され得る。例えば、制御部250Bは、吹鳴指示が受信されると、吹鳴指示の宛先が自局の場合に、電子サイレン駆動部270を制御することにより電子サイレン出力装置290から電子サイレンを吹鳴させる。
【0037】
マイク230は、周囲の音響を検出する機能を有する。集音部240は、マイク230によって検出された音響に対して所定の音声処理(例えば、アナログデータをデジタルデータに変換する処理など)を施してから制御部250Bに出力する。電子サイレン駆動部270は、制御部250Bによる制御に従って、電子サイレン出力装置290から電子サイレンを吹鳴させる機能を有する。電子サイレン出力装置290は、電子サイレン駆動部270の駆動動作に従って電子サイレンを出力する機能を有する。
【0038】
以上、電子サイレンを吹鳴する子局20B〜20Fそれぞれの機能構成例について説明した。
【0039】
(2−4.音響制御システムの機能詳細)
図5は、電子サイレンを吹鳴する子局20B〜20Fそれぞれの制御部250Bの詳細構成例を示すブロック図である。
図5に示すように、電子サイレンを吹鳴する子局20B〜20Fそれぞれの制御部250Bは、取得部251、判定部252、認識部253および出力制御部254を備える。以下、
図1〜
図5を参照しながら、本発明の実施形態に係る音響制御システム1の機能詳細について説明する。
【0040】
まず、子局20Aがモーターサイレンを吹鳴することが可能である場合を説明する。親局10において、吹鳴指示の送信イベントが発生すると、制御部130は、宛先の子局IDを含んだ吹鳴指示を生成し、送信部120は、生成された吹鳴指示を、アンテナ110を介して送信する。例えば、親局10において、送信部120が、宛先の子局IDとして、モーターサイレンを吹鳴する子局20Aの子局IDを含んだ吹鳴指示を送信すると、子局20Aにおいては、アンテナ210を介して受信部220によって吹鳴指示が受信される。
【0041】
子局20Aの制御部250Aは、受信された吹鳴指示の宛先が自局であるため、電子サイレン駆動部270を制御することにより電子サイレン出力装置290から電子サイレンを吹鳴させる。一方、子局20B〜20Fそれぞれにおいては、吹鳴指示がアンテナ210を介して受信部220によって受信されると、吹鳴指示に含まれている宛先の子局IDとして子局20Aの子局IDが取得部251によって取得される。
【0042】
このとき、子局20B〜20Fそれぞれにおいては、判定部252は、吹鳴指示に含まれている宛先の子局20Aが吹鳴する音響の種別(以下、「吹鳴音響種別」とも言う。)がまだ記憶部260に登録されていないと判定し、認識部253は、マイク230を介して集音部240によって集音された周囲の音響からモーターサイレンの認識を試みる。仮に周囲の音響からモーターサイレンが認識されれば、そのモーターサイレンは、自局宛ての吹鳴指示を受信した子局20Aによって吹鳴されたことが推定されるからである。
【0043】
ここで、周囲の音響からモーターサイレンの認識を行う手法は特に限定されない。
図6は、モーターサイレンおよび電子サイレンそれぞれの音量変化の例を示す図である。例えば、認識部253は、モーターサイレンの音量変化と周囲の音響の音量変化とに基づいて、周囲の音響からモーターサイレンの認識を試みてよい。具体的には、周囲の音響の音量変化に、モーターサイレンの音量変化と一致または類似する音量変化が含まれる場合には、周囲の音響からモーターサイレンが認識されてよい。
【0044】
具体的に、音量変化は、所定の時刻を基準として音量が最大音量に達するまでの経過時間であってもよいし、音量上昇速度であってもよい。
図6に示した例を見ても、モーターサイレンの経過時間Tmよりも、電子サイレンの経過時間Teのほうが短いことが特徴的である。また、モーターサイレンの音量上昇速度Am/Tmよりも、電子サイレンの音量上昇速度Ae/Teのほうが急俊であるのが特徴的である。なお、所定の時刻は、親局10から吹鳴指示を受信した時刻であってもよいし、音量上昇が開始された時刻であってもよい。
【0045】
認識部253は、周囲の音響の音量変化に、このようなモーターサイレンの音量変化と一致または類似する音量変化が含まれる場合には、周囲の音響からモーターサイレンが認識されてよい。また、認識部253は、周囲の音響の音量変化に、このような電子サイレンの音量変化と一致または類似する音量変化が含まれる場合には、周囲の音響から電子サイレンが認識されてよい。
【0046】
図1を参照すると、子局20Aの音達エリアR1に子局20Bが入っていないため、子局20Bにおいては、認識部253によって周囲の音響からモーターサイレンが認識されない。そこで、子局20Bにおいては、出力制御部254によって子局20Aの吹鳴音響種別として判定不能が記憶部260に登録される。一方、子局20Aの音達エリアR1に子局20C〜20Fが入っているため、子局20C〜20Fにおいては、認識部253によって周囲の音響からモーターサイレンが認識される。そこで、子局20C〜20Fにおいては、出力制御部254によって子局20Aの吹鳴音響種別としてモーターサイレン吹鳴が記憶部260に登録される。
【0047】
同様にして、子局20B〜20Fに対しても親局10から吹鳴指示が送信されると、子局20A〜20Fそれぞれにおいて、出力制御部254によって記憶部260に他の子局の吹鳴音響種別が登録される。吹鳴音響種別は、子局IDと関連付けられた子局情報として登録される。
図7は、子局20A〜20Fそれぞれが保持する子局情報の例を示す図である。
【0048】
続いて、子局20Aがモーターサイレンを吹鳴することが不可能になった場合を説明する。親局10において、吹鳴指示の送信イベントが発生すると、制御部130は、宛先の子局IDを含んだ吹鳴指示を生成し、送信部120は、生成された吹鳴指示を、アンテナ110を介して送信する。例えば、親局10において、送信部120が、宛先の子局IDとして、モーターサイレンを吹鳴する子局20Aの子局IDを含んだ吹鳴指示を送信すると、子局20Aにおいては、アンテナ210を介して受信部220によって吹鳴指示が受信される。
【0049】
子局20Aの制御部250Aは、受信された吹鳴指示の宛先が自局であるが、モーターサイレン出力装置280からモーターサイレンを吹鳴させることが不可能である。一方、子局20B〜20Fそれぞれにおいては、吹鳴指示がアンテナ210を介して受信部220によって受信されると、吹鳴指示に含まれている宛先の子局IDとして子局20Aの子局IDが取得部251によって取得される。
【0050】
ここで、子局20C〜20Fそれぞれにおいては、判定部252は、吹鳴指示に含まれている宛先の子局がモーターサイレン吹鳴として記憶部260に登録されていると判定し、認識部253は、マイク230を介して集音部240によって集音された周囲の音響からモーターサイレンの認識を試みる。仮に周囲の音響からモーターサイレンが認識されれば、そのモーターサイレンは、自局宛ての吹鳴指示を受信した子局20Aによって正常に吹鳴されたことが推定されるからである。
【0051】
しかし、子局20Aがモーターサイレンを吹鳴することが不可能になったため、子局20C〜20Fそれぞれにおいては、認識部253は、周囲の音響からモーターサイレンを認識しない。このとき、子局20C〜20Fそれぞれにおいては、出力制御部254は、子局20Aが正常であれば子局20Aから吹鳴されるモーターサイレンの代わりに、電子サイレン駆動部270を制御することにより電子サイレン出力装置290から電子サイレンを吹鳴させればよい。
【0052】
子局20C〜20Fによって吹鳴された電子サイレンそれぞれの音達エリアR2は、
図1に示す通りである。このように、子局20Aがモーターサイレンを吹鳴できなくなった場合に、そのモーターサイレンの音達エリアを補間するように代替の子局20C〜20Fが電子サイレンを自律的に吹鳴することが可能となる。なお、子局20Bにおいては、吹鳴指示に含まれている宛先の子局がモーターサイレン吹鳴として記憶部260に登録されていないため、電子サイレンの吹鳴はなされなくてよい。
【0053】
以上、本発明の実施形態に係る音響制御システム1の機能詳細について説明した。
【0054】
(3−1.親局の動作)
続いて、本発明の実施形態に係る親局10の動作の流れの例について説明する。
図8は、本発明の実施形態に係る親局10の動作の流れを示すフローチャートである。なお、
図8に示した親局10の動作の流れを示すフローチャートは、親局10の動作の流れの一例を示したに過ぎない。したがって、親局10の動作の流れは、
図8に示したフローチャートに限定されない。
【0055】
図8に示すように、親局10においては、制御部130は、吹鳴指示の送信イベントが発生したか否かを判定する(ステップS101)。制御部130は、吹鳴指示の送信イベントが発生しなかったと判定した場合には(ステップS101において「No」)、ステップS101に戻るが、吹鳴指示の送信イベントが発生したと判定した場合には(ステップS101において「Yes」)、宛先の子局IDを含んだ吹鳴指示を生成する(ステップS102)。
【0056】
続いて、制御部130は、生成した吹鳴指示を送信するように送信部120を制御する。送信部120は、アンテナ110を介して吹鳴指示を送信する(ステップS103)。吹鳴指示の送信が終わると、制御部130は、動作を終了してもよいし、ステップS101に動作を移行させてもよい。
【0057】
以上、本発明の実施形態に係る親局10の動作の流れの例について説明した。
【0058】
(3−2.モーターサイレンを吹鳴する子局の動作)
続いて、本発明の実施形態に係るモーターサイレンを吹鳴する子局20Aの動作の流れの例について説明する。
図9は、本発明の実施形態に係るモーターサイレンを吹鳴する子局20Aの動作の流れを示すフローチャートである。なお、
図9に示した子局20Aの動作の流れを示すフローチャートは、子局20Aの動作の流れの一例を示したに過ぎない。したがって、子局20Aの動作の流れは、
図9に示したフローチャートに限定されない。
【0059】
図9に示すように、子局20Aにおいては、制御部250Aは、吹鳴指示が受信されたか否かを判定する(ステップS201)。制御部250Aは、吹鳴指示が受信されなかったと判定した場合には(ステップS201において「No」)、ステップS201に戻るが、吹鳴指示が受信されたと判定した場合には(ステップS201において「Yes」)、吹鳴指示の宛先が自局であるか否かを判定する(ステップS202)。
【0060】
続いて、制御部250Aは、吹鳴指示の宛先が自局ではないと判定した場合には(ステップS202において「No」)、動作を終了させるが、吹鳴指示の宛先が自局であると判定した場合には(ステップS202において「Yes」)、ステップS203に移行し、モーターサイレン駆動部275を制御することによりモーターサイレン出力装置280からモーターサイレンを吹鳴させる。その後、制御部250Aは、動作を終了してもよいし、ステップS201に動作を移行させてもよい。
【0061】
以上、本発明の実施形態に係るモーターサイレンを吹鳴する子局20Aの動作の流れの例について説明した。
【0062】
(3−3.電子サイレンを吹鳴する子局の動作)
続いて、本発明の実施形態に係る電子サイレンを吹鳴する子局20B〜20Fの動作の流れの例について説明する。
図10は、本発明の実施形態に係る電子サイレンを吹鳴する子局20B〜20Fの動作の流れを示すフローチャートである。なお、
図10に示した子局20B〜20Fの動作の流れを示すフローチャートは、子局20B〜20Fの動作の流れの一例を示したに過ぎない。したがって、子局20B〜20Fの動作の流れは、
図10に示したフローチャートに限定されない。ここでも、子局20Bの動作の流れの例を代表として説明する。
【0063】
図10に示すように、子局20Bにおいては、判定部252は、吹鳴指示が受信されたか否かを判定する(ステップS301)。判定部252は、吹鳴指示が受信されなかったと判定した場合には(ステップS301において「No」)、ステップS301に戻るが、吹鳴指示が受信されたと判定した場合には(ステップS301において「Yes」)、吹鳴指示の宛先が自局であるか否かを判定する(ステップS302)。
【0064】
続いて、出力制御部254は、吹鳴指示の宛先が自局であると判定された場合には(ステップS302において「Yes」)、出力制御部254は、電子サイレン駆動部270を制御することにより電子サイレン出力装置290から電子サイレンを吹鳴させる。一方、取得部251は、吹鳴指示の宛先が自局ではないと判定された場合には(ステップS302において「No」)、記憶部260から子局情報を取得し、判定部252は、子局情報において吹鳴指示の宛先の子局IDに吹鳴音響種別が関連付けられているか否かを判定する(ステップS303)。
【0065】
制御部250Bは、子局情報において吹鳴指示の宛先の子局IDに吹鳴音響種別が関連付けられていないと判定された場合には(ステップS303において「No」)、関連付け処理(ステップS304)に動作を移行させる。ここで、
図11を参照しながら、関連付け処理の詳細について説明する。
図11に示すように、認識部253は、集音された周囲の音響の時間変化を測定し(ステップS401)、周囲の音響の時間変化に基づいて音響(モーターサイレンおよび電子サイレン)の認識を試みる(ステップS402)。
【0066】
出力制御部254は、モーターサイレンが認識された場合(ステップS403において「Yes」)、モーターサイレン吹鳴と吹鳴指示の宛先の子局IDとを関連付けて記憶部260に登録する(ステップS404)。一方、出力制御部254は、モーターサイレンが認識されなかった場合(ステップS403において「No」)、電子サイレンが認識された場合には(ステップS405において「Yes」)、電子サイレン吹鳴と吹鳴指示の宛先の子局IDとを関連付けて記憶部260に登録する(ステップS406)。
【0067】
出力制御部254は、モーターサイレンが認識されなかった場合(ステップS403において「No」)、かつ、電子サイレンが認識されなかった場合(ステップS405において「No」)、判定不能と吹鳴指示の宛先の子局IDとを関連付けて記憶部260に登録する(ステップS407)。以上、関連付け処理(ステップS304)の詳細について説明した。
【0068】
図10に戻って説明を続ける。判定部252は、子局情報において吹鳴指示の宛先の子局IDに吹鳴音響種別が関連付けられていると判定された場合には(ステップS303において「Yes」)、宛先の子局IDに関連付けられている吹鳴音響種別がモーターサイレン吹鳴であるか否かを判定する(ステップS305)。
【0069】
制御部250Bは、宛先の子局IDに関連付けられている吹鳴音響種別がモーターサイレン吹鳴ではないと判定された場合には(ステップS305において「No」)、動作を終了してもよいし、ステップS301に動作を移行させてもよい。一方、宛先の子局IDに関連付けられている吹鳴音響種別がモーターサイレン吹鳴であると判定された場合には(ステップS305において「Yes」)、認識部253は、集音された周囲の音響の時間変化を測定し(ステップS306)、周囲の音響の時間変化に基づいてモーターサイレンの認識を試みる(ステップS307)。
【0070】
出力制御部254は、周囲の音響からモーターサイレンが認識された場合には(ステップS308において「Yes」)、動作を終了してもよいし、ステップS301に動作を移行させてもよい。一方、出力制御部254は、周囲の音響からモーターサイレンが認識されなかった場合には(ステップS308において「No」)、モーターサイレンの代わりに、電子サイレン駆動部270を制御することにより電子サイレン出力装置290から電子サイレンを吹鳴させる。その後、制御部250Bは、動作を終了してもよいし、ステップS301に動作を移行させてもよい。
【0071】
以上、本発明の実施形態に係る電子サイレンを吹鳴する子局20B〜20Fの動作の流れの例について説明した。
【0072】
(4.本発明の実施形態の有効性)
本発明の実施形態によれば、モーターサイレンを吹鳴する子局IDを取得する取得部251と、親局10から吹鳴指示が受信された場合に、吹鳴指示の宛先の子局IDとモーターサイレンを吹鳴する子局IDとが一致するか否かを判定する判定部252と、吹鳴指示の宛先の子局IDとモーターサイレンを吹鳴する子局IDとが一致すると判定された場合、集音された周囲の音響からモーターサイレンの認識を試みる認識部253と、モーターサイレンが認識されなかった場合、電子サイレンを吹鳴させる出力制御部254と、を備える、子局が提供される。
【0073】
かかる構成によれば、モーターサイレンを吹鳴する子局20Aがモーターサイレンを吹鳴できなくなった場合に、そのモーターサイレンの音達エリアを補間するように代替の子局20C〜20Fが電子サイレンを自律的に吹鳴することが可能となる。さらに、電子サイレンを吹鳴させる子局20C〜20Fを親局10が指定し直す必要がないため、迅速に子局20C〜20Fが電子サイレンを自律的に吹鳴することが可能となる。災害が発生したときなどといった緊急事態発生時には、本発明の実施形態に係る音響制御システム1が特に有効に適用され得る。
【0074】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。