特許第6398515号(P6398515)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6398515
(24)【登録日】2018年9月14日
(45)【発行日】2018年10月3日
(54)【発明の名称】雌ねじ部材の案内構造
(51)【国際特許分類】
   F16B 37/04 20060101AFI20180920BHJP
   E03C 1/02 20060101ALI20180920BHJP
【FI】
   F16B37/04 M
   E03C1/02
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-191501(P2014-191501)
(22)【出願日】2014年9月19日
(65)【公開番号】特開2016-61404(P2016-61404A)
(43)【公開日】2016年4月25日
【審査請求日】2017年6月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000128968
【氏名又は名称】株式会社オンダ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】深尾 洋一
(72)【発明者】
【氏名】木村 優太
【審査官】 熊谷 健治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−107046(JP,A)
【文献】 特開2004−339845(JP,A)
【文献】 特開2010−156356(JP,A)
【文献】 実開平02−028642(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 23/00−43/02
F16B 5/00− 5/12
E03C 1/00− 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付体に設けられた多角柱状の雌ねじ部材収容穴に雌ねじ部材を保持し、被取付体を雄ねじ部材により前記取付体の雌ねじ部材に螺合して被取付体を取付体に取付けるように構成するとともに、前記取付体には雌ねじ部材を雌ねじ部材収容穴に案内するガイド溝を形成し、
前記取付体は有底筒状の水栓用ボックスであるとともに、被取付体は水栓用ボックスに取付けられる枠状のカバー体であり、水栓用ボックスに設けられるガイド溝は、雌ねじ部材としての多角ナットを雌ねじ部材収容穴としてのナット収容穴に案内するように構成されており、
前記水栓用ボックスは有底四角筒状に形成され、ナット収容穴はその隅に設けられるとともに、カバー体は四角枠状に形成され、
前記ガイド溝は前記ナット収容穴から前記隅のコーナ部に向かって延びている雌ねじ部材の案内構造。
【請求項2】
前記ガイド溝は、その両側壁部がナット収容穴からナット収容穴の多角形の平行な二辺の延長線に沿って延びる平行側壁部と、その平行側壁部から拡幅して延びる拡幅側壁部とにより構成されている請求項1に記載の雌ねじ部材の案内構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば建物内部の壁面に取付けられ、洗濯機等の機器の給水管へ接続するための水栓が収容された水栓用ボックスに、枠状のカバー体を取付ボルトにより取付けるため、水栓用ボックスに設けられたナット収容穴に六角ナットを収容するための雌ねじ部材の案内構造に関する。
【背景技術】
【0002】
取付体としての水栓用ボックスは建物内部における壁面の開口部に取付けられ、壁裏側に配置される一方、被取付体としての四角枠状のカバー体は壁表側に配置される。前記水栓用ボックスの四隅には六角ナットを収容するナット収容穴が設けられるとともに、カバー体の四隅には貫通孔が形成されている。そして、水栓用ボックスのナット収容穴に六角ナットを収容した状態で、ボルトを壁表側からカバー体の貫通孔に挿通し、水栓用ボックスの六角ナットに螺合することにより、カバー体が水栓用ボックスに固定されるようになっている。
【0003】
この種の取付体が例えば特許文献1に開示されている。すなわち、この取付体は雌ねじ部を有する保持用部材とその保持用部材を収容する挿入穴とを備え、雄ねじ体の雄ねじ部が前記保持用部材の雌ねじ部に螺合されることにより、被取付体が取付体に固定されるようになっている。前記保持用部材は六角ナットであり、挿入穴は六角ナットと相似の穴形状を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−273839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1に記載されている従来構成の取付体においては、六角ナットを挿入穴に収容する場合、六角ナットを指で把持し、その六角形状と挿入穴の六角形状とを位置合せした後、六角ナットを挿入穴に挿入しなければならない。このとき、六角ナットの六角形状の周方向位置とナット収容穴の六角形状の周方向位置とが一致しないと、六角ナットを周方向に回して両六角形状の周方向位置を一致させた後、六角ナットを挿入穴に押し込む必要がある。
【0006】
このため、挿入穴の寸法を六角ナットに対して少し大きく設定して六角ナットを挿入しやすくすると、ボルトを六角ナットに螺合して締付けたとき、六角ナットが空回りしてボルトの締付けができなくなるおそれがある。
【0007】
加えて、取付体の挿入穴近傍に壁体、段差等の障害物が存在する場合には、六角ナットを把持する指が障害物に触れることから、挿入穴への六角ナットの挿入が一層面倒で、作業時間を要することになる。
【0008】
そこで本発明の目的とするところは、簡単な構成で、ナット収容穴にナットを容易に収容することができる雌ねじ部材の案内構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明の雌ねじ部材の案内構造は、取付体に設けられた多角柱状の雌ねじ部材収容穴に雌ねじ部材を保持し、被取付体を雄ねじ部材により前記取付体の雌ねじ部材に螺合して被取付体を取付体に取付けるように構成するとともに、前記取付体には雌ねじ部材を雌ねじ部材収容穴に案内するガイド溝を形成したことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明の雌ねじ部材の案内構造は、請求項1に係る発明において、前記取付体は有底筒状の水栓用ボックスであるとともに、被取付体は水栓用ボックスに取付けられる枠状のカバー体であり、水栓用ボックスに設けられるガイド溝は、その両側壁部が多角柱状に形成された雌ねじ部材収容穴としてのナット収容穴の多角形の平行な二辺の延長線に沿って形成され、雌ねじ部材としての六角ナットをナット収容穴に案内するように構成されている。
【0011】
請求項3に記載の発明の雌ねじ部材の案内構造は、請求項2に係る発明において、前記水栓用ボックスは有底四角筒状に形成され、ナット収容穴はその四隅に設けられるとともに、カバー体は四角枠状に形成され、その四隅には雄ねじ部材としての取付ボルトを挿通する挿通孔が設けられ、前記水栓用ボックスのナット収容穴の一部の近傍には水栓用ボックスの壁体が立設されている。
【0012】
請求項4に記載の発明の雌ねじ部材の案内構造は、請求項2又は請求項3に係る発明において、前記ガイド溝は、その両側壁部がナット収容穴からナット収容穴の多角形の平行な二辺の延長線に沿って延びる平行側壁部と、その平行側壁部から拡幅して延びる拡幅側壁部とにより構成されている。
【0013】
請求項5に記載の発明の雌ねじ部材の案内構造は、請求項4に係る発明において、前記ガイド溝の拡幅側壁部は平面円弧状に形成されている。
請求項6に記載の発明の雌ねじ部材の案内構造は、請求項4又は請求項5に係る発明において、前記ガイド溝の両側壁部間の幅がナット収容穴の延長線間の幅よりも広く設定されるとともに、ガイド溝を形成する両側壁部の高さはナット収容穴を形成する周壁部の高さと同じに形成されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明の雌ねじ部材の案内構造によれば、簡単な構成で、ナット収容穴にナットを容易に収容することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態における給水用コンセントを分解して示し、特に水栓用ボックスにカバー体を取付ける状態を示す分解斜視図。
図2】水栓用ボックスを示す平面図。
図3】(a)は図2の3a−3a線における断面図、(b)は図2の3b−3b線における断面図及び(c)は図2の3c−3c線における断面図。
図4】(a)は水栓用ボックスの四隅に設けられたナット収容穴に六角ナットを収容する状態を示す分解斜視図、(b)はナット収容穴とガイド溝を示す部分拡大平面図。
図5】六角ナットの案内構造の作用を示す図であって、(a)は六角ナットを指で把持してナット収容穴に向ける状態を示す要部拡大平面図、(b)は六角ナットの側面をガイド溝の円弧部に当てて回しながら挿入する状態を示す要部拡大平面図、(c)は六角ナットの側面をガイド溝の平行側壁部に沿って挿入する状態を示す要部拡大平面図、(d)は六角ナットをナット収容穴に収容した状態を示す要部拡大平面図。
図6】本発明の別例を示す図であって、補助組付台を使用して六角ナットをナット収容穴に収容する状態を示す斜視図。
図7】本発明のその他の別例を示す図であって、(a)はガイド溝の両側壁部を先端部ほど拡幅するテーパ状側壁部とした状態を示す要部平面図、(b)はガイド溝の両側壁部を先端部ほど円弧状に拡幅する円弧状側壁部とした状態を示す要部平面図。
図8】本発明のさらなる別例を示す図であって、(a)はガイド溝の側壁部を先端部ほど高くなる傾斜拡幅側壁部とした状態を示す要部断面図、(b)はガイド溝の拡幅側壁部の部分を平行側壁部の部分より高い段差拡幅側壁部とした状態を示す要部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した実施形態を図1図5に従って詳細に説明する。
図1に示すように、有底四角筒状をなす取付体としての水栓用ボックス11は、固定用ねじ12で当木13に固定され、壁14の裏側に配置される。水栓用ボックス11内に収容される止水栓15は、その貫通孔16に雄ねじ17を貫通させ、水栓用ボックス11の底壁112の挿入孔113に挿入された雌ねじ18に螺合することにより、水栓用ボックス11内に取付けられる。水栓用ボックス11の一側壁(下壁)には鞘管固定筒19が突設され、その鞘管固定筒19に鞘管20の端部が挿入されて連結され、鞘管20内の給水管21が止水栓15に接続されるようになっている。
【0017】
前記水栓用ボックス11の前面(開口面)には、四角枠状をなす被取付体としてのカバー体22が壁14の表側から取付けられる。すなわち、図2及び図3(a)に示すように、水栓用ボックス11のボックス本体111の開口部側の周囲には鍔部114が形成され、その鍔部114の四隅部には雌ねじ部材収容穴としてのナット収容穴24が、雌ねじ部材の多角ナットとしての六角ナット(正六角ナット)23の正六角形と相似する正六角柱状に形成されている。
【0018】
一方、図1に示すように、カバー体22の四隅部には挿通孔25が形成され、各挿通孔25に雄ねじ部材としての取付ボルト26が挿通されるようになっている。そして、取付ボルト26をカバー体22の挿通孔25に挿通し、水栓用ボックス11のナット収容穴24に収容された六角ナット23に螺合することにより、カバー体22を壁14の表側から水栓用ボックス11に固定する。
【0019】
図4(a)、(b)に示すように、前記ボックス本体111の鍔部114には六角ナット23をナット収容穴24に案内するガイド溝27が形成されている。このガイド溝27は、底壁部271とその両側端部に立設された両側壁部272とにより構成されている。図2に示すように、各ガイド溝27はナット収容穴24から鍔部114のコーナ部に向けて鍔部114の両側縁に対して45°方向に延びている。
【0020】
図4(b)に示すように、このガイド溝27は、その両側壁部272が正六角柱状に形成されたナット収容穴24の正六角形の平行な二辺の延長線xに沿って延びる平行側壁部273と、その平行側壁部273からさらに延び、ナット収容穴24から離れるほど拡幅するように平面円弧状に形成された拡幅側壁部274とにより形成されている。
【0021】
図4(a)に示すように、前記水栓用ボックス11のナット収容穴24のボックス本体111側の近傍にはボックス本体111の壁体115が立ち上がるように形成されている。このため、図5(a)に示すように、六角ナット23を指28で把持し、ナット収容穴24に収容する場合には指28がボックス本体111の壁体115に触れ、六角ナット23の収容作業に障害となる。
【0022】
図2図3(b)及び図4(b)に示すように、前記ガイド溝27はその両側壁部272間の幅Dすなわち平行側壁部273間の幅Dがナット収容穴24の延長線x間の幅dよりも広く設定され、ガイド溝27において六角ナット23を案内しやすくなっている。
【0023】
また、図3(c)に示すように、ガイド溝27を形成する両側壁部272の高さ、すなわち平行側壁部273の高さはナット収容穴24を形成する周壁部すなわち鍔部114の高さと同じに形成され、ガイド溝27で案内された六角ナット23を、ナット収容穴24の周壁部から外れることなく、ナット収容穴24へ収容しやすくなっている。
【0024】
図1に示すように、化粧カバー29はその内面側の周囲に設けられた爪部291が前記カバー体22に係合されることにより、カバー体22に取付けられる。これらのカバー体22及び化粧カバー29にはそれぞれ第1開口部221及び第2開口部292が設けられ、ハンドル30及びホース装着部31が第1開口部221及び第2開口部292を介して止水栓15に接続されるようになっている。そして、給水管21から供給される水が止水栓15及びホース装着部31を介して洗濯機等の機器に供給される。
【0025】
次に、上記のように構成された雌ねじ部材の案内構造について作用を説明する。
さて、図5(a)に示すように、水栓用ボックス11の鍔部114に設けられたナット収容穴24に六角ナット23を収容する場合には、水栓用ボックス11の開口部を下にした状態で(図4(a)に示す状態)、六角ナット23を2本の指28で把持し、六角ナット23を水平状態に保持しながらガイド溝27の底壁部271上で摺動させてナット収容穴24に近づける。
【0026】
続いて、図5(b)に示すように、六角ナット23の側面231をガイド溝27の拡幅側壁部274に当て、その拡幅側壁部274に沿って六角ナット23を図5(b)の矢印に示す反時計方向に回すようにして挿入する。このとき、ガイド溝27の拡幅側壁部274は平面円弧状に形成されていることから、六角ナット23の側面231がガイド溝27の拡幅側壁部274に係止された後、ガイド溝27の平行側壁部273に向けて滑らかに案内される。
【0027】
次いで、図5(c)に示すように、六角ナット23の平行な側面231をガイド溝27の平行側壁部273に沿ってナット収容穴24の方向へ挿入する。このとき、ガイド溝27の平行側壁部273がナット収容穴24の正六角形の平行な二辺の延長線xよりも若干広く形成されるとともに、ガイド溝27を形成する両平行側壁部273の高さがナット収容穴24を形成する周壁部の高さ、すなわち鍔部114の高さと同じに形成されている。このため、六角ナット23をナット収容穴24に向けて速やかに挿入できると同時に、六角ナット23がナット収容穴24から外れ難い。
【0028】
その後、図5(d)に示すように、六角ナット23をガイド溝27の平行側壁部273に沿って挿入を続けることにより、六角ナット23をナット収容穴24に落として係合させる。このとき、ガイド溝27の平行側壁部273は正六角形の平行な二辺の延長線xに沿って形成されていることから、六角ナット23をガイド溝27の平行側壁部273に沿って最も奥まで挿入するだけで、六角ナット23をナット収容穴24に収容することができる。
【0029】
以上の実施形態によって発揮される効果について、以下にまとめて記載する。
(1)この実施形態における雌ねじ部材の案内構造では、取付体としての水栓用ボックス11には雌ねじ部材としての六角ナット23をナット収容穴24に案内するガイド溝27を形成した。このため、六角ナット23をナット収容穴24に収容する場合には、六角ナット23をガイド溝27に係止し、ガイド溝27に案内されながらナット収容穴24に向けて挿入することにより、六角ナット23をナット収容穴24に速やかに収容することができる。
【0030】
従って、この実施形態によれば、六角ナット23を案内するガイド溝27を設けるという簡単な構成で、ナット収容穴24に六角ナット23を容易に収容することができるという効果を奏する。
【0031】
(2)前記ガイド溝27は、その両側壁部272の平行側壁部273がナット収容穴24の正六角形の平行な二辺の延長線xに沿って形成され、六角ナット23をナット収容穴24に案内するように構成されている。そのため、六角ナット23をガイド溝27に沿って案内することにより、六角ナット23をそのままナット収容穴24へと収容することができる。
【0032】
(3)前記水栓用ボックス11のナット収容穴24の一部の近傍には水栓用ボックス11の壁体115が立設されている。このため、六角ナット23を指28で把持し、直接ナット収容穴24に収容しようとすると、指28が水栓用ボックス11の壁体115に触れるが、本実施形態では六角ナット23を案内するガイド溝27が設けられている。従って、六角ナット23をそのガイド溝27に沿って案内することにより、六角ナット23を支障なくナット収容穴24に収容することができる。
【0033】
(4)前記ガイド溝27は、その両側壁部272がナット収容穴24からナット収容穴24の正六角形の平行な二辺の延長線xに沿って延びる平行側壁部273と、その平行側壁部273から拡幅して延びる拡幅側壁部274とにより構成されている。従って、六角ナット23をガイド溝27に沿って挿入するとき、六角ナット23を最初にガイド溝27の拡幅側壁部274から容易に挿入し始めることができ、引き続いて平行側壁部273に沿って円滑に挿入することができる。
【0034】
(5)前記ガイド溝27の拡幅側壁部274は平面円弧状に形成されている。そのため、六角ナット23をガイド溝27に挿入するとき、拡幅側壁部274の円弧に沿って一層円滑に挿入することができる。
【0035】
(6)前記ガイド溝27の両側壁部272間の幅Dがナット収容穴24の延長線x間の幅dよりも広く設定されるとともに、ガイド溝27を形成する両側壁部272の高さはナット収容穴24を形成する周壁部の鍔部114の高さと同じに形成されている。このため、六角ナット23をガイド溝27に挿入する場合に挿入しやすく、さらに六角ナット23がナット収容穴24に到ったとき六角ナット23がナット収容穴24から外れることを抑制することができる。
【0036】
なお、前記実施形態を、次のように変更して具体化することも可能である。
図6に示すように、水栓用ボックス11の鍔部114の周囲に、ガイド溝27の延出方向に沿って延びる延長底壁部321及び延長側壁部322を有する補助組付台32を配置してもよい。このように構成した場合、六角ナット23をガイド溝27に挿入する操作を一層容易に行うことができる。
【0037】
図7(a)に示すように、ガイド溝27の両側壁部272を、ナット収容穴24から遠くなるに従って拡幅するテーパ状の側壁部272としてもよい。また、図7(b)に示すように、ガイド溝27の両側壁部272を、ナット収容穴24から遠くなるに従って次第に幅広くなる平面円弧状の側壁部272としてもよい。
【0038】
図8(a)に示すように、ガイド溝27の拡幅側壁部274の高さを、ナット収容穴24から遠くなるほど高くなる傾斜拡幅側壁部275としてもよい。この場合には、六角ナット23をガイド溝27に最初に挿入する操作を容易に行うことができる。また、図8(b)に示すように、ガイド溝27の拡幅側壁部274の高さを、平行側壁部273の高さより高くなる段差拡幅側壁部276としてもよい。この場合にも、六角ナット23をガイド溝27に最初に挿入する操作を容易に行うことができる。
【0039】
・前記実施形態において、ガイド溝27を、拡幅側壁部274を設けることなく、平行側壁部273のみで構成してもよい。
・前記実施形態において、ガイド溝27を水栓用ボックス11の鍔部114の外端部に到るまで形成することなく、鍔部114の途中で止めてもよい。或いは、ガイド溝27をナット収容穴24の延長線xの一部に形成してもよい。
【0040】
・前記ガイド溝27の底壁部271を、ナット収容穴24側が低く、外端側が高くなるように傾斜させて構成してもよい。
・前記多角ナットとして、偶数の辺を有する正四角ナット、正八角ナット、正十角ナット等を使用してもよい。
【符号の説明】
【0041】
11…取付体としての水栓用ボックス、114…周壁部としての鍔部、115…壁体、22…被取付体としてのカバー体、23…雌ねじ部材としての六角ナット、24…雌ねじ部材収容穴としてのナット収容穴、25…挿通孔、26…雄ねじ部材としての取付ボルト、27…ガイド溝、272…側壁部、273…平行側壁部、274…拡幅側壁部、D…側壁部間の幅、d…延長線間の幅、x…延長線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8