(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。なお、旅行などのスケジュールとオート撮影のスケジュールを区別するため、前者を「日程スケジュール」、後者を「オート撮影スケジュール」と表現する。また、「オート撮影」と「自動撮影」、「シャッタタイミング」と「撮影タイミング」、「ウエアラブルデバイス」と「携帯可能な装置」は本明細書においては同義として扱う。また、「撮像」と「撮影」については、一般的に撮像デバイスが画像を取り込むことを撮像といい、装置やユーザが撮像デバイスを使って画像を取り込むことを撮影というが、本明細書では同義として扱う。
【0013】
<構成>
図1は、本発明の一実施の形態の外観を示す図である。100はカメラシステムであり、撮像部1と腕に装着するリスト端末型をしたウエアラブルデバイス2が例えばブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)で無線接続される。更に、ウエアラブルデバイス2とスマートフォン3が無線接続される。スマートフォン3はインターネット200と繋がっているので、撮像部1がウエアラブルデバイス2、スマートフォン3を経由してインターネットと繋がることで、画像の共有やSNSサイトへの投稿ができる。ウエアラブルデバイスとは携帯可能な装置という意味合いであり、
図1に示したようなリスト端末、スマートフォン、携帯カメラ、メガネ型カメラ等を含む。ウエアラブルデバイス2とスマートフォン3を兼用しても良い。
【0014】
図2は、
図1の実施の形態における撮像部1とウエアラブルデバイス2とスマートフォン3の内部構成の概略を示すブロック図である。
撮像部1において、11はレンズ、CCDやCMOS等の撮像素子、電子シャッタ、タイミング制御回路等を含む撮像デバイスである。12は撮像デバイス11により撮像された静止画、連写画像、動画等を記憶する記憶部である。ワークメモリとしても使用される。13はウエアラブルデバイス2と無線で連携を取る通信制御部である。採用する通信技術はブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)に限らずWi-Fi(登録商標)や赤外線等でも良い。また、直接インターネット200に接続するようにすることも可能である。10は、撮像部1全体を制御するCPUとプログラムを含む制御部である。14は、後述するセンサ部25と同様、各種センサを含むセンサ部であり、撮像部1付近の状況をセンシングするためのものである。
【0015】
ウエアラブルデバイス2において、20は、ウエアラブルデバイス2全体を制御するCPUとプログラムを含む制御部である。21は撮像部1と無線で連携を取る通信制御部である。スマートフォン3との接続制御も行う。なお、撮像部1を直接インターネット200に接続するようにすることも可能である。22は撮像部1で撮像され通信制御部13、21を介して送られてきた静止画、連写画像、動画等を記憶する記憶部である。ワークメモリとしても使用される。
【0016】
40は時間情報とイベント情報を対にして記憶するスケジュール帳である。スケジュール帳40は、日程スケジュールとオート撮影スケジュールの対応を取るためのもので、
図5に示すように、予定の時間(スケジュール時間)を登録する時間情報項目エリア42と、その時間に行うイベント情報を登録するイベント情報項目エリア43が対になっている。そして、オート撮影したいイベントに撮影指示情報を登録するための撮影情報項目エリア41を含む。スケジュール帳40は後述するスマートフォン3のスケジュール帳35と連携している。
【0017】
23は表示部であり、撮像部1から送られてきた画像、記憶部22に記憶された画像、スケジュール帳40のスケジュール等を表示する。タッチパネルと一体形成されていても良い。この表示部23は離れたところにある撮像部1の撮像画像のビューファインダとしてビデオスルー画像を表示し、また、撮影画像のモニタとして使用される。従って、ファインダ画像やオート撮影した画像を手元ですぐ見ることができる。撮像部1がユーザからは見えないところに置かれている場合も想定され、何が撮れるか常に見え、何が撮れたかすぐに分かる効果がある。更に、制御部20に画像認識機能や画像拡大機能を持たせることも可能であり、「良い写真」が撮れたと判断されたら表示部23に表示するようにしたり、撮影した画像の顔を認識して顔部分を拡大表示したりすることもできる。良い写真の判断手法はいくつか考えられるが、例えば笑顔検出、ぶれ度検出、顔の大きさの検出、等の技術を適用すればよい。
【0018】
24は、スケジュール入力をはじめ各種操作入力を行う操作部である。ただし、基本的にスケジュールの登録操作はスマートフォン3で行い、登録された結果がウエアラブルデバイス2に送られてくる。操作部24は前記タッチパネルで兼用することもできる。
【0019】
25は、各種センサを含むセンサ部である。センサ部25に含まれるセンサは、特にウエアラブルデバイス2の置かれている状況をセンシングして測定するためのものであり、速度センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ(角速度センサ)、高度センサ、GPS(位置検出)、歩数センサ(歩数検出)、気圧センサ、温度センサを含む。もちろんこれらに限定されるものではない。更に、センサ部25には、時間を計時する計時部26と、音声信号を検出するマイク部27を含む。計時部26の計時結果とマイク部26の音声信号検知結果もセンシング信号に含む。28は、後述する
図6Aに例示する文字列と撮影モードを対応付けるための文字列−撮影モードテーブルである。変形例である
図6Bに例示するアイコン−撮影モードテーブルは28‘とする。
【0020】
スマートフォン3において、30はCPUとプログラムを含む全体を制御する制御部であり、インストール可能なアプリケーションプログラム31を実行する。32はウエアラブルデバイス2と無線接続するとともに、携帯電話回線若しくはWi-Fiでインターネット200と接続する通信制御部である。33は表示部であり、34は表示部33と一体化されたタッチパネルからなる入力部である。35は、前記スケジュール帳40と連携するスケジュール帳であり、スケジュール帳40に対して入力操作のしやすいスマートフォン3の操作部34でスケジュール登録をするためのものである。スマートフォン3については主要部分の構成のみ示し、その他は省略してある。
【0021】
<動作>
次に、本実施の形態の概略動作について説明する。
図3はウエアラブルデバイス2の制御部20の動作を示すフローチャートである。センサ部25の各種センサのセンシング信号を定期的に取り込み(ステップS11)、このセンシング信号がシャッタタイミングを示しているか否かを認識する(ステップS12)。ここでシャッタタイミングでないと認識されれば(NO)ステップS11へ戻り、シャッタタイミングであると認識されれば(YES)ステップS13へ進んで、シャッタタイミングであることを示す制御信号を撮像部1へ送信する(ステップS13)。
【0022】
図4は撮像部1の制御部10の動作を示すフローチャートである。ウエアラブルデバイス2から送られてくる制御信号を取り込み(ステップS21)、その制御信号がシャッタタイミングを示す信号であるか、センサ部14のセンシング結果を示す信号であるかを判別し(ステップS22)、シャッタタイミングを示す信号であればステップS24へ進んで撮像デバイス11を制御して撮像処理を実行する。センシング結果を示す信号であれば、ステップS23でこのセンシング信号がシャッタタイミングを示しているか否かを認識する。ここでシャッタタイミングでないと認識されれば(NO)ステップS21へ戻り、シャッタタイミングであると認識されれば(YES)ステップS24へ進んで、撮像処理を実行する。
【0023】
次に、スケジュール帳40の作成方法と利用方法について説明する。
図5にスケジュール帳40の構成例を示す。このスケジュール帳40は基本的にウエアラブルデバイス2に内蔵されており、連携するスマートフォン3のスケジュール帳35からスケジュール登録ができるようになっている。
41は、撮影スケジュールの撮影モードを指定するための文字列を登録する撮影情報項目エリアである。42は、日程スケジュールの時間を登録する時間情報項目エリアである。43は、日程スケジュールの前記時間情報と対応するイベント情報を登録するイベント情報項目エリアである。
【0024】
図6Aは、文字列と撮影モードを対応付けるための文字列−撮影モードテーブル28の構成を示す。撮影情報項目エリア41に登録した文字列に応じて、どのような撮影処理を行うかを定義してあるものである。これにより、文字認識をしなくても撮影モードの制御が可能である。これらの撮影情報項目は予め用意してあるものの中から選択するが、ユーザが好みの撮影モードと文字列の組み合わせを設定できる機能を設けることもできる。この文字列−撮影モードテーブル28は、ウエアラブルデバイス2にあっても、撮像部1にあっても、スマートフォン3にあってもよい。
【0025】
図6Bは、
図6Aの変形例を示すもので、文字列の代わりにアイコン(カメラマーク)の種類でどのような撮影処理を行うかを定義してあるものである。28‘はアイコン−撮影モードテーブルであり、スチルカメラのアイコン45、ムービーのアイコン46、連写のアイコン47が用意されており、これを選択してスケジュール帳40に登録する。もちろん、これ以外のアイコンを用意しても良い。
【0026】
続いて
図7を用いてスケジュール帳40の作成と利用について説明する。
図7はウエアラブルデバイス2とスマートフォン3の全体的な動作を説明するためのフローチャートであって、実際にはウエアラブルデバイス2の制御部20の処理と、スマートフォン3の制御部30の処理が含まれている。
まず、ウエアラブルデバイス2とスマートフォン3を接続する(ペアリング確立)(ステップS71)。更に、ウエアラブルデバイス2と撮像部1を接続する(ペアリング確立)(ステップS72)。そしてスマートフォン3にてスケジュール帳35にスケジュールを入力する(ステップS73)。入力操作をするのはユーザであるが、制御部30が入力操作を受け付ける処理をする(以下、入力操作について同様)。スケジュール帳40は、時間情報を設定する時間情報項目エリア42とイベント情報を設定するイベント情報項目エリア43がセットになっているが、この時、オート撮影スケジュールを設定するために、撮影情報項目エリア41に特定文字列を入力する。例えば「撮影」などである(ステップS74)。
【0027】
スケジュール撮影モードが開始されると(ステップS75)、スマートフォン3からウエアラブルデバイス2にスケジュールデータを転送する(ステップS76)。すなわち、
図6に示したスケジュール帳はスマートフォン3でスケジュール帳35として作成されてから、ウエアラブルデバイス2に転送される。そして、ウエアラブルデバイス2内で、スケジュール帳40を監視し、計時部26の計時情報と比較して、設定時刻になったか否かを判断する(ステップS77)。NOであればステップS77をループし、YESとなったらステップS78に進んで、撮影情報項目エリア41に入力された文字列を識別する。
【0028】
この文字列は撮影モードを示しているもので、上記
図6Aに対応関係を例示する。例えば、「撮影」=静止画1枚撮影する。「動画撮影」=そのイベント中、動画撮影を行う。「連写10分」=そのイベント中、10分に1枚の静止画を連写する。「連写0.5秒」=そのイベント中、1秒に2枚の静止画を撮影する。「音声」=そのイベント中、「わあきれい!」等の音声を検出してオート撮影を行う。更に、センサ部25の各種センサのセンシング結果によってオート撮影を指示することもできる。例えば、「時速10km」=速度センサのセンシング結果が時速10kmに達したときオート撮影を行う。「高度1000m」=高度センサのセンシング結果が高度1000mに達したときにオート撮影を行う。
【0029】
これらは、予め文字列−撮影モードテーブル28に対応付けて用意してあり、撮影情報項目エリア41に登録した文字列によって、どのようなオート撮影するかを設定してあるものである。また、文字列が数字を含むか否かも認識しており、数字についてはその数字を認識して数値データとして時間、数、距離等の情報として扱う。
【0030】
他方、
図6Bの変形例のおいては、予め文アイコン−撮影モードテーブル28‘に対応付けて用意してあり、「スチルカメラのアイコン45」=静止画撮影、「ムービーのアイコン46」=動画撮影、「連写のアイコン47」=連写撮影の指示であると認識してオート撮影を行う。もちろん、音声の指定やアイコンと数値の組み合わせも可能である。ユーザは用意されているアイコンの中から選択して撮影情報項目エリア41に登録する。
【0031】
<変形例>
図8は
図7の変形例を示すもので、撮像部1とスマートフォン3を直接接続するものである。すなわちウエアラブルデバイスにスマートフォンが対応する。まず、スマートフォン3内でスケジュール帳を作成しておく(ステップS81)。その後、撮像部1とスマートフォン3を接続する(ペアリンク確立)(ステップS82)。ウエアラブルデバイス2にて「スケジュール撮影モード」を開始すると、そのためのスマートフォン3のアプリケーションプログラムを立ち上げる(ステップS83)。そして、ステップS84へ進む。ステップS84乃至ステップS86は
図7のステップS77乃至ステップS79と同様であるが、スマートフォン3から直接撮像部1の撮影制御を行う点が異なっている。すなわち、ステップS84でスケジュール時間になったか否かを判別し、ステップS85で撮影情報項目エリア41の文字列を識別し、ステップS86でその文字列に対応した撮影処理を撮像部1に対して行わせるものである。
【0032】
このように構成することにより、旅行等のイベントの日程スケジュールに、オート撮影スケジュールを組み込むことができ、予め撮影ポイント等を設定しておいてオート撮影することができる。また撮影予定のスケジュール時間帯内であれば、感動の言葉や予め設定した言葉でオート撮影することができる。スケジュール時間帯外では音声情報は無視されるので余計な撮影が行われることは無い。ユーザのライフスタイルとしては、リスト端末、スマートフォンは、24時間いつもでも接続されているが、特定の利用シーンで接続を解除することもある。例えば海・川で使いたい場合、スマートフォンは濡れない場所に置いておく等、カメラとスマートウォッチは必要に応じて接続される。
【0033】
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願出願時の特許請求の範囲を付記する。
【0034】
<付記>
[請求項1]
被写体を撮像する撮像部と、
スケジュール時間とイベント情報を対応付けて記憶するスケジュール帳と、
前記スケジュール帳に前記スケジュール時間とイベント情報に対応付けて特定の文字列を登録する登録手段と、
前記スケジュール帳を参照し、前記特定の文字列が登録されているスケジュール時間に、当該特定の文字列の内容に基づいて、前記撮像部を所定の撮影モードで作動させる制御手段と、
を含むカメラ。
[請求項2]
請求項1記載のカメラは、
前記撮像部と、該撮像部とは異なる筐体に収容され前記撮像部と無線で接続されるウエアラブルデバイスとを含み、前記スケジュール帳は当該ウエアラブルデバイスに含まれることを特徴とする。
[請求項3]
前記撮像部と前記ウエアラブルデバイスは、常時無線接続するのではなく、前記スケジュール帳に登録されているスケジュール時間に入る所定時間前に無線確立(ペアリング)することを特徴とする請求項2記載のカメラ。
[請求項4]
前記制御手段は、前記文字列が文字のときは、撮影モードとして当該文字に対応して静止画、連写、又は動画を指定するように前記撮像部を作動させることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のカメラ。
[請求項5]
前記制御手段は、前記文字列が数字を含むときは、撮影モードとして当該数字に対応する撮影枚数、撮影時間、又は撮影間隔を指定するように前記撮像部を作動させることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のカメラ。
[請求項6]
センサを更に備え、
前記制御手段は、前記文字列の内容がセンサのセンシング結果を示すときは、オート撮影条件として前記センサのセンシング結果を指定するように前記撮像部を作動させることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のカメラ。
[請求項7]
音声検知手段を更に備え、
前記特定の文字列の内容が音声を示すときは、撮影モードとして前記スケジュール時間と前記音声検知手段が検出した音声に応じて前記撮像部を作動させることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のカメラ。
[請求項8]
前記特定の文字列と、前記制御手段が前記撮像部を作動させる内容との関係を対応付けて記憶するテーブルを更に備えることを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載のカメラ。
[請求項9]
被写体を撮像する撮像部と、
スケジュール時間とイベント情報を対応付けて記憶するスケジュール帳と、
前記スケジュール帳に前記スケジュール時間とイベント情報に対応付けて特定のアイコンを登録する登録手段と、
前記スケジュール帳を参照し、前記特定のアイコンが登録されているスケジュール時間に、当該特定のアイコンの種類に基づいて、前記撮像部を作動させる制御手段と、
を含むカメラ。
[請求項10]
入力手段を備えたカメラのCPUがスケジュールに応じてオート撮影を制御する方法であって、
前記入力手段からの入力に応じてスケジュール時間とイベント情報を対応付けて記憶するスケジュール帳を登録する工程と、
前記入力手段からの入力に応じて前記スケジュール帳に前記スケジュール時間とイベント情報に対応付けて特定の文字列又は特定のアイコンを登録する工程と、
前記スケジュール帳を参照し、前記特定の文字列又は特定のアイコンが登録されているスケジュール時間に、当該特特定の文字列又は特定のアイコンの内容に基づいて撮影処理を行わせる工程と、
を含む方法。
[請求項11]
カメラのCPUを、
スケジュール時間とイベント情報を対応付けて記憶するスケジュール帳を登録する手段と、
前記スケジュール帳に前記スケジュール時間とイベント情報に対応付けて特定の文字列を登録する手段と、
前記スケジュール帳を参照し、前記特定の文字列が登録されているスケジュール時間に、当該特定の文字列又は特定のアイコンの内容に基づいて撮影処理を行わせる手段と、
して機能させるプログラム。
[請求項12]
撮像部と無線で接続されるウエアラブルデバイスのCPUを、
スケジュール時間とイベント情報を対応付けて記憶するとともに、前記スケジュール時間とイベント情報に対応付けて特定の文字列又は特定のアイコンが登録されているスケジュール情報を受信する手段と、
前記スケジュール情報を参照し、前記特定の文字列又は特定のアイコンが登録されているスケジュール時間に、当該特定の文字列又は特定のアイコンの内容に基づいて前記撮像部に撮像処理を行わせる信号を送信する手段と、
して機能させるプログラム。