(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
被洗浄物を洗浄するための洗浄機は、特許文献1に記載されるように、電動モータにより駆動されるポンプを有しており、これらは本体ケース内に組み込まれている。本体ケースにはポンプ吐出口に連通するホースが接続され、ホースの先端部には洗浄ガンが取り付けられる。本体ケースにはタンクケースが設けられており、タンクケース内には洗浄液としての洗浄水を貯溜するタンクが着脱自在に装着される。
【0003】
被洗浄物を洗浄する際には、ポンプ駆動により洗浄ガンに洗浄液が供給された状態のもとで、洗浄ガンの作動レバーつまりトリガを操作すると、洗浄ガンの噴射口から加圧された洗浄液が噴射される。洗浄液の噴射圧力は、電動モータの回転速度を変化させることによりポンプの駆動速度により調整される。本体ケースには圧力調整ダイヤルが設けられており、作業者はポンプ駆動速度を調整することにより、被洗浄物に応じて噴射圧力を設定することができる。
【0004】
このような洗浄機には、電動モータの電源として電池を用いるようにした形態、給電ケーブルにより接続される商用電源を電動モータの電源とした形態、および電池と商用電源の双方を電源とした形態等がある。携帯型の洗浄機には、リチウムイオン電池等の二次電池が用いられ、電池は本体ケース内に組み込まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
洗浄機のポンプとしては、プランジャポンプが使用されている。プランジャポンプは、シリンダ内を軸方向に往復動するプランジャを有し、プランジャはクランク軸を介して電動モータの主軸に連結されている。電動モータによりプランジャが前進して吐出動作を行うと、シリンダ内に供給された洗浄液は吐出口に向けて吐出される。一方、プランジャが後退動作して吸引動作すると、タンク内に収容された洗浄液がシリンダ内に吸入される。このように、プランジャポンプを用いた洗浄機においては、プランジャが吐出動作と吸引動作とを繰り返すので、プランジャの往復動によって洗浄ガンから吐出される洗浄液には脈動が発生する。
【0007】
ポンプの吐出口の洗浄液の圧力を検出するために、圧力スイッチが設けられている。圧力スイッチは吐出口の圧力値を出力するとともに、オンオフする接点を有しており、接点が閉じられると圧力スイッチはオン状態となる。一方、接点が離れてオープン状態となると圧力スイッチはオフ状態となる。洗浄液の脈動によってポンプ吐出口の圧力が所定の上限値よりも高くなった場合には、圧力スイッチは接点が閉じられてオン信号を出力し、オン信号により電動モータが停止されてポンプの駆動が停止される。圧力スイッチの接点は、ポンプ吐出口の圧力が下限値に低下するまでオンし続け、下限値よりも低くなると接点が離れてオフに切り換えられる。圧力スイッチがオフ状態となると、電動モータは駆動される。
【0008】
したがって、ポンプ吐出口の圧力が上限値以上となった後に下限値以下に低下するような脈動が発生すると、圧力スイッチは頻繁にオンオフ動作を繰り返すことになる。このように、圧力スイッチがオンオフ動作を繰り返して切換変動が発生すると、圧力スイッチの接点摩耗が発生してその寿命が短くなり、洗浄機の耐久性が低下することになる。
【0009】
本発明の目的は、圧力スイッチの寿命を長くして、洗浄機の耐久性を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の洗浄機は、ポンプから吐出される洗浄液を洗浄ガンから噴射する洗浄機であって、前記ポンプを駆動する電動モータと、前記ポンプの吐出口の圧力が上限値以上となるとオンし、下限値以下となるとオフする圧力スイッチと、前記圧力スイッチが判定時間内に判定回数以上オンオフを繰り返す切換変動を検出したときに、前記電動モータの回転速度を直前の回転速度よりも減少させる制御手段と、を有
し、前記電動モータは、前記圧力スイッチがオフとなると駆動し、前記圧力スイッチがオンとなると駆動を停止し、前記制御手段は、前記切換変動を検出したときに前記回転速度を、前記圧力スイッチがオンしない回転速度まで1度で減少させる。また、本発明の洗浄機は、ポンプから吐出される洗浄液を洗浄ガンから噴射する洗浄機であって、前記ポンプを駆動する電動モータと、前記ポンプの吐出口の圧力が上限値以上となるとオンし、下限値以下となるとオフする圧力スイッチと、前記圧力スイッチが判定時間内に判定回数以上オンオフを繰り返す切換変動を検出したときに、前記電動モータの回転速度を直前の回転速度よりも減少させる制御手段と、を有し、前記電動モータは、前記圧力スイッチがオフとなると駆動し、前記圧力スイッチがオンとなると駆動を停止し、前記制御手段は、前記切換変動を検出したときに、前記切換変動を検出しなくなるまで前記回転速度を複数回減少させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明においては、圧力スイッチの寿命を長くすることができ、洗浄機の耐久性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。一実施の形態である洗浄機10は、
図1に示されるように、本体ケース11とタンク12とを有しており、タンク12内には洗浄液としての洗浄水が貯溜される。本体ケース11内にはポンプ13が搭載されており、ポンプ13としてプランジャポンプが使用されている。ポンプ13の吐出口14にはホース15の基端部が接続され、ホース15の先端部には洗浄ガン16が設けられている。洗浄ガン16には内部の流路を開閉する開閉弁17が設けられており、この開閉弁17はトリガ18により開閉作動される。トリガ18が操作されると、洗浄ガン16の噴射口19から洗浄液が噴出される。
【0014】
ポンプ13を駆動するために本体ケース11内には電動モータ21が設けられており、電動モータ21の主軸は、図示しないクランク軸を介してポンプ13のプランジャに連結されている。本体ケース11内には、電動モータ21の電源として電池22が搭載されており、この電池22はリチウムイオン電池からなる二次電池である。本体ケース11には電源スイッチ23が設けられており、電源スイッチ23をオンすると、コントローラ24により電池22の電力が電動モータ21に供給され、ポンプ13が駆動される。
【0015】
電動モータ21によりポンプ13を駆動すると、プランジャが軸方向に往復動され、タンク12内の洗浄液は吐出口14に吐出される。吐出口14に吐出された洗浄液の圧力は、圧力スイッチ25により検出される。圧力スイッチ25は、吐出口14内の洗浄液の圧力が設定された所定の上限値よりも高くなると接点がオンし、電動モータ21がオフされてポンプ13の駆動は停止される。吐出口14の圧力が下限値に低下するまで圧力スイッチ25はオンし続ける。吐出口14の圧力が下限値よりも低くなると、圧力スイッチ25は接点が離れて、オフつまりオープンとなり、ポンプ13が駆動される。
【0016】
図2は、洗浄機の制御回路30を示すブロック図である。制御回路30は、電源オンオフ回路31を有し、電源スイッチ23が操作されると、電源オンオフ回路31により制御系電源回路32が駆動されて、電池22の電力がコントローラ24に供給される。電動モータ21は、例えば、永久磁石型の3相ブラシレスモータであり、回転子と固定子とを有し、回転子には円周方向に間隔をおいて複数の永久磁石が設けられ、固定子には複数のコイルが巻き付けられている。回転子の回転位置を検出するために、3相の巻線に対応させて3つのホールICつまりホール素子33が固定子側に配置されている。それぞれのホール素子33の検出信号はコントローラ24に送られ、ホール素子33の検出信号に基づいてコントローラ24により電動モータ21の回転速度が演算される。
【0017】
電池22の電力は、インバータ回路34を介して電動モータ21に供給される。インバータ回路34には、ドライバ回路35を介してコントローラ24から制御信号が送られる。電動モータ21の回転速度は各巻線に供給される電圧を調整することにより制御される。巻線に対する電圧は、インバータ回路34のスイッチング素子をPWM制御することによって制御される。電動モータ21に流れる電流を検出するための電流検出回路36からは、モータ負荷により変化するモータ電流に応じた検出信号がコントローラ24に送られ、電動モータ21に過度の負荷が加わった場合には電動モータ21の回転は停止される。
【0018】
圧力スイッチ25からは吐出口14の圧力に応じた信号と、圧力スイッチ25のオンオフ動作に伴ってオンオフの信号とがコントローラ24に送られる。上述のように、吐出口14内の洗浄液の圧力が設定された所定の上限値よりも高くなると、圧力スイッチ25は、オン信号を出力し、上限値よりも高くなった後に下限値よりも低くなると、オフ信号を出力する。圧力スイッチ25からは圧力スイッチ検出回路37にも検出信号が送られる。圧力スイッチ検出回路37は、洗浄機10の誤動作を防止するために設けられており、圧力スイッチ25からコントローラ24にオン信号が出力されてもコントローラ24から電動モータ21の停止信号が出力されないときには、制御系電源回路32に信号を送り、制御系電源回路32により電動モータ21に対する電力供給が停止される。
【0019】
本体ケース11には、電池22の残存容量を表示するための残量表示部38と、圧力調整ダイヤル39とが設けられている。圧力調整ダイヤル39は、作業者により操作されて洗浄ガン16から噴射される洗浄液の噴射圧を調整するためのダイヤルであり、圧力調整手段を構成する。この圧力調整ダイヤル39が操作されて入力された噴射圧に応じて、電動モータ21の回転速度が設定される。洗浄作業時には、入力された回転数により電動モータ21が回転駆動されて、ポンプ13の吐出圧が設定される。洗浄作業がなされているときに、圧力調整ダイヤル39が操作されると、電動モータ21は調整された吐出圧に対応した回転速度に制御される。
【0020】
コントローラ24は、制御信号を演算するマイクロプロセッサと、制御プログラム、演算式およびデータなどが格納されるメモリとを有しており、圧力スイッチ25からの信号に基づいて電動モータ21の回転速度を制御する制御手段を構成している。圧力調整ダイヤル39の操作により入力された噴射圧の情報はメモリに格納される。
【0021】
洗浄機10は、作業者が圧力調整ダイヤル39の操作により入力された噴射圧に基づいて、ポンプ13から吐出される洗浄液の吐出力が設定される。電動モータ21により駆動されるポンプ13は、単一のプランジャを有するプランジャポンプであり、プランジャが前進移動する吐出動作時には吐出口14に吐出される洗浄液の圧力は高くなる。一方、プランジャが後退動作する吸入動作時には吐出口14の圧力は大気圧に近い低い圧力となる。このように、洗浄液は脈動となっている。トリガ18が操作された状態のもとで、プランジャの吐出動作により吐出圧が上限値以上となると、圧力スイッチ25がオンつまりオープンとなって電動モータ21の回転は停止される。一方、プランジャが後退動作すると、ポンプ13から吐出される洗浄液の吐出圧は、下限値よりも低くなり、圧力スイッチ25がオフつまりクローズとなって電動モータ21は回転駆動される。下限値は、プランジャが後退限位置となったときの圧力、つまり、脈動する洗浄液の下限圧よりも高い圧力であって、上限値よりも低い圧力に設定されている。
【0022】
トリガ18が操作された状態のもとで、吐出圧が頻繁に上限値以上となると、圧力スイッチ25は頻繁にオンオフを繰り返すことになる。頻繁にオンオフが繰り返されると、圧力スイッチ25の寿命が短くなる。そこで、圧力スイッチ25が頻繁にオンオフを繰り返す切換現象が発生したとき、つまり切換変動の発生時には、電動モータ21の回転速度を減少させるようにする。圧力スイッチ25の切換変動は、所定の判定時間Ta内に所定の判定回数Na以上、圧力スイッチ25がオンオフしたことにより検出される。すなわち、トリガ18が操作された状態(洗浄ガン16から洗浄液が噴出している状態)のもとで、圧力スイッチ25がオンオフを繰り返した場合に電動モータ21の回転速度を直前の回転速度より減少させるようにする。
【0023】
切換変動時に、回転速度を低下させる方式としては、確実にスイッチオン以下となる回転速度まで1度で低下させる大幅速度低下方式と、この速度低下方式よりも小幅の微調整回転速度で速度を低下させるようにし、速度低下させても切換変動がなくならないときには、切換変動がなくなるまで、速度低下を繰り返す微調整方式とがある。
【0024】
図3は、洗浄液の噴射制御の具体例を示すタイムチャートであり、
図4は、洗浄液の噴射制御の具体例のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【0025】
洗浄機10を用いて洗浄作業を行う際に、作業者が電源スイッチ23を操作すると、電動モータ21によりポンプ13が駆動される。これにより、ポンプ13の吐出口14の圧力は、
図3に示されるように高くなる。
図3においては、圧力調整ダイヤル39の操作により調整された洗浄ガン16の噴射圧に基づいて、ポンプ13の吐出圧の上限値が2.0MPaに設定される。一方、圧力スイッチ25は、吐出圧が5.0MPa以上となると、オンし、3.5MPa以下となると、オフする仕様となっている。圧力調整ダイヤル39の操作により、電動モータ21の初期回転速度は、13000rpmに設定される。なお、この回転速度は吐出圧が2.0MPaに設定された場合である。
【0026】
ポンプ13が駆動されて吐出口14の圧力が圧力スイッチ25の上限値以上となると、圧力スイッチ25はオンとなって、電動モータ21は停止される。圧力スイッチ25がオンすると、吐出口14の圧力が圧力スイッチ25の下限値以下となるまで圧力スイッチ25はオン状態を維持する。これにより、吐出口14は、上限値の圧力に保持される。
【0027】
この状態のもとで、作業者がトリガ18を操作して洗浄液を洗浄ガン16の噴射口19から噴出させると、吐出口14の圧力は圧力スイッチ25の下限値以下の圧力となり、圧力スイッチ25がオフとなって電動モータ21によりポンプ13が駆動される。ポンプ13はプランジャポンプであって、ポンプ13から吐出される洗浄液の圧力は、
図3において破線の実測値で示されるように脈動しており、圧力の平均値は実線で示すようになる。破線で示されるように圧力が脈動しているため、圧力のピークが圧力スイッチ25の上限値以上になる状態と下限値以下になる状態とが頻繁に発生し、圧力スイッチ25がオンオフを頻繁に繰り返してしまう。
【0028】
そこで、
図3において、符号Taは判定時間を示し、判定時間Ta内に判定回数Na以上だけ、圧力スイッチ25がオンオフを繰り返したときは、圧力スイッチ25が切換変動したと判定されて、電動モータ21の回転速度は、初期回転速度(直前の回転速度)から、1000rpmだけ減少されて、12000rpmにまで大幅に低下される。低下された回転速度は、圧力スイッチ25が確実にスイッチオン以下となる回転速度であって、1度だけ大幅に回転速度を低下させることによって、
図3に示されるように、ポンプ13から吐出される吐出圧が上限値以上となることが防止される。したがって、圧力スイッチ25は、トリガ18が操作されて洗浄液を噴射し続けている状態のもとで、オンすることなく、オフ状態を保持する。トリガ18がオフつまり戻されると、吐出口14の圧力は上限値にまで高められる。
【0029】
図3に示す実施の形態においては、判定時間Taは1秒に設定されており、1秒の判定時間Ta内において、圧力スイッチ25のオンの回数と、オフの回数が合計50回の判定回数Na以上となったときには、圧力スイッチ25が頻繁にオンオフする切換変動が発生していると判定している。ただし、判定時間Taと判定回数Naは、これに限られず、任意の値に設定することができる。例えば、判定回数Taのカウント方式としては、吐出圧が上限値以上となった回数により判定しても良く、上限値以上となった後に下限値以下となった回数により判定しても良い。
【0030】
このように、回転速度を1度で低下させる大幅速度低下方式においては、
図4に示されるように、電源スイッチ23がオンされると、圧力調整ダイヤル39によって設定された電動モータ21の目標回転数がコントローラ24により検出される(ステップS1)。なお、電動モータ21の目標回転数は吐出口14の圧力と同等であり、目標回転数が高ければ吐出口の圧力も高くなり、低ければ低くなる。ステップS2においては、圧力スイッチ25が頻繁にオンオフしているか否か、つまり判定時間Ta内に判定回数Na以上、圧力スイッチ25がオンオフを繰り返して圧力スイッチ25に切換変動が発生しているか否かが判定される。
【0031】
ステップS2においてYESと判定されたときは、ステップS3が実行されて、上述のように、電動モータ21の回転速度は直前の回転速度(初期回転速度)から1000rpmだけ減少されて13000rpmから12000rpmにまで低下される。これにより、1度切換変動が発生すると、その後には、圧力スイッチ25がオンオフを繰り返す切換変動の発生が防止される。一方、ステップS2においてNOと判定されたときには、ステップS4において圧力スイッチ25がオンしているか否かが判定される。圧力スイッチ25がオフであれば、ステップS5において電動モータ21は駆動し続けて吐出圧は高められる。一方、圧力スイッチ25がオンとなると、電動モータ21は停止される(ステップS6)。ステップS5に示すように、電動モータ21が駆動されているときに、トリガ18がオン操作されて洗浄ガン16から洗浄液が噴出されると、洗浄ガン16から噴射される洗浄液の圧力は、設定圧力に保持される。一方、トリガ18がオフされると、吐出口14の圧力は上昇し、上限値に保持される。
【0032】
図5は、洗浄液の噴射制御の他の具体例を示すタイムチャートであり、
図6は、洗浄液の噴射制御の他の具体例のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【0033】
図5および
図6においては、圧力スイッチ25が頻繁にオンオフを繰り返した場合には、電動モータ21の回転速度を微調整方式で低下させるようにしている。電源スイッチ23をオンしてからトリガ18がオンされるまでの洗浄機10の挙動は、
図3および
図4に示した場合と同様である。これに対し、
図5および
図6に示す場合には、トリガ18が操作された後に、判定時間Taを250msとし、判定回数を圧力スイッチ25が8回オンした回数としている。これらの条件を満たしたときに、圧力スイッチ25が頻繁にオンオフを繰り返す切換変動と判定し、その場合には、上述した速度低下方式よりも小幅の微調整回転速度で速度を低下させるようにしている。この低下速度は200rpmに設定されている。
【0034】
図5に示されるように、トリガ18が操作されて吐出口14の圧力が下限値以下となった後に、判定時間Ta内に判定回数Naだけ圧力スイッチ25がオンオフした場合には、電動モータ21の回転速度つまり最高回転速度は、直前の回転速度13000rpmから12800rpmに低下される。
図5においては、回転速度を微調整回転速度だけ低下させても、まだ、吐出圧が上限値以上となっている場合を示しており、その場合には、さらに微調整回転速度だけ電動モータ21の回転速度を低下させる。これにより、吐出口の圧力が上限値以上となることが防止され、洗浄ガン16から洗浄液が噴射されているときに、圧力スイッチ25がオンオフを繰り返すことはない。このように、微調整方式で回転速度を低下させるように制御すると、1度で回転速度を低下させる場合よりも、モータ回転速度が急変することがないため、吐出圧の急激な低下も抑制することができる。
【0035】
図5において電動モータ21の回転速度を微調整回転速度で1度だけ低下させるのみで、圧力スイッチ25の切換変動が防止されれば、2度目の速度低下制御は不要であり、逆に2度目の速度低下制御を行っても、圧力スイッチ25の切換変動が防止できなければ、さらに速度低下制御を行う。
【0036】
このように、切換変動がなくなるまで速度低下を繰り返す微調整方式においては、
図6に示されるように、電源スイッチ23がオンされると、圧力調整ダイヤル39によって設定された電動モータ21の目標回転数が検出され(ステップS11)、ステップS12においてタイマが作動しているか否かが判定される。タイマがカウントしていると判定されたときには、判定時間Taが経過しているか否かがステップS13において判定される。この判定時間Taとしては、例えば250msに設定されている。判定時間Taが経過していると判定されたときには、判定時間Ta内で圧力スイッチ25が頻繁にオンオフしたか否かが判定される(ステップS14)。判定回数Naとしては、吐出圧が上限値以上となった回数が8回以上に設定されている。
【0037】
ステップS14において、判定時間Taである250ms以内に、吐出圧が上限値である5.0MPa以上となったことが8回以上発生したと判定されたときには、ステップS15において電動モータ21の回転速度が200rpmだけ減少され、ステップS16においてタイマのカウント値が0に設定される。一方、ステップS14において、圧力スイッチ25が頻繁にオンオフを繰り返していないと判定されたときには、タイマは0に戻される(ステップS17)。ステップS12において、タイマがカウントしていないときには、ステップS18〜S20が実行される。ステップS18〜S20においては、
図4に示したステップS4〜S6と同様の処理が実行される。電動モータ21が駆動されているときには、ステップS21においてタイマカウント中であるか否かを判定し、カウント中であれば、ステップS22でタイマのカウントを継続してステップS11に戻される。
【0038】
上述のように、洗浄機10においては、圧力スイッチ25が頻繁にオンオフを繰り返すことが防止されるので、圧力スイッチ25の寿命を長くすることができ、洗浄機10の耐久性を向上させることができる。さらに、ポンプ13が頻繁に駆動と駆動停止とを繰り返すことがなくなるので、洗浄機の作業性を向上させることができる。
【0039】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。上述した実施の形態は、電動モータの電源として電池を用いるようにした洗浄機であるが、給電ケーブルにより接続される商用電源を電動モータの電源とした形態、および電池と商用電源の双方を電源とした形態にも本発明を適用することができる。