特許第6398809号(P6398809)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6398809
(24)【登録日】2018年9月14日
(45)【発行日】2018年10月3日
(54)【発明の名称】情報コード読取装置
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/14 20060101AFI20180920BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20180920BHJP
【FI】
   G06K7/14 060
   G06K7/14 004
   G06K7/10 372
   G06K7/10 428
   G06K7/10 412
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-49605(P2015-49605)
(22)【出願日】2015年3月12日
(65)【公開番号】特開2016-170599(P2016-170599A)
(43)【公開日】2016年9月23日
【審査請求日】2017年7月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(74)【代理人】
【識別番号】100143454
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 克彦
(72)【発明者】
【氏名】山内 政敏
【審査官】 境 周一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−236870(JP,A)
【文献】 特開2001−184452(JP,A)
【文献】 特開2012−198763(JP,A)
【文献】 特開2006−344066(JP,A)
【文献】 特開2007−207085(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0178541(US,A1)
【文献】 特開2010−015357(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 1/00−21/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類のセルが配列されてなる情報コードを光学的に読み取る情報コード読取装置であって、
読取口を介して前記情報コードからの反射光を受光し、当該反射光に応じた信号を出力する受光手段と、
前記受光手段により出力される信号波形に基づいて前記情報コードのデコード処理を行うデコード手段と、
前記デコード手段によるデコード処理が失敗した信号波形を失敗波形とするとき、当該失敗波形の形状に基づいて、前記情報コードに対して前記デコード処理の成功率を高めるための前記読取口の位置を示す案内情報を報知する報知手段と、
を備え
前記報知手段は、前記失敗波形の一側が他側よりも高くなる場合に、前記情報コードに対して、前記失敗波形の他側に対応する前記読取口の縁部を前記失敗波形の一側に対応する前記読取口の縁部よりも近づけるように傾ける旨を示す情報を、前記案内情報として報知することを特徴とする情報コード読取装置。
【請求項2】
前記報知手段は、前記失敗波形の両端部の少なくとも一方が所定の幅の明色領域からなるマージン領域に相当しない場合に、前記情報コードに対して前記読取口を遠ざける旨を示す情報を、前記案内情報として報知することを特徴とする請求項1に記載の情報コード読取装置。
【請求項3】
前記報知手段は、前記失敗波形の両端部のうち一方が所定の幅の明色領域からなるマージン領域に相当し他方が前記マージン領域に相当しない場合に、前記情報コードに対して、前記両端部の一方から前記両端部の他方に向けて前記読取口を移動させる旨を示す情報を、前記案内情報として報知することを特徴とする請求項1または2に記載の情報コード読取装置。
【請求項4】
前記報知手段は、前記失敗波形の高さが所定の閾値以下となる場合に、前記情報コードに対して前記読取口を近づける旨を示す情報を、前記案内情報として報知することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報コード読取装置。
【請求項5】
前記報知手段は、
前記受光手段により出力される信号波形に基づいて、前記案内情報に応じた案内がなされているか否かについて判定する判定手段を備え、
前記判定手段により前記案内情報に応じた案内がなされていると判定されるとその旨を前記案内情報の一部として報知することを特徴とする請求項4に記載の情報コード読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報コードを光学的に読み取る情報コード読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
バーコードや二次元コード等の情報コードを光学的に読み取る情報コード読取装置では、情報コードに向けられた読取口を介して当該情報コードからの反射光を受光することで、撮像されたコード画像について公知のデコード処理がなされる。このため、情報コード読取装置の作業に慣れていない利用者では、読取対象の情報コードに対して適切に読取口を向けることができず、デコードが失敗する場合やデコード成功までに時間がかかる場合がある。
【0003】
この問題に対して、例えば、下記特許文献1に開示されるスキャナが知られている。
このスキャナでは、撮像画像のフレーム内にコードシンボルの候補画像があると判定された際に、この候補画像のデコードが失敗すると、撮像装置の撮像エリアからはみ出すことによって候補画像に含まれるコードシンボルの一部分が欠落していることを検出した場合に、候補画像をコードシンボルとして撮像できるように案内するためのガイド画像が撮像画像とともに表示器に対して表示される。これにより、ガイド画像に従うことで利用者がコードシンボルをかざす位置調整を認識しやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−185842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示されるような構成では、撮像画像のフレーム内にコードシンボルの候補画像があると判定されることが前提となり、そもそも情報コードの一部が撮像されていてもコードシンボルの候補画像が撮像されなければ、その情報コードに対する読取口の案内を実施できないという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、コードシンボルの候補画像の撮像如何に関らず、情報コードに対するデコードに適した位置へ読取口を案内可能な情報コード読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、複数種類のセルが配列されてなる情報コード(B,Q)を光学的に読み取る情報コード読取装置(10)であって、読取口(13)を介して前記情報コードからの反射光(Lr)を受光し、当該反射光に応じた信号を出力する受光手段(28)と、前記受光手段により出力される信号波形に基づいて前記情報コードのデコード処理を行うデコード手段(40)と、前記デコード手段によるデコード処理が失敗した信号波形を失敗波形とするとき、当該失敗波形の形状に基づいて、前記情報コードに対して前記デコード処理の成功率を高めるための前記読取口の位置を示す案内情報を報知する報知手段(44,43,45,46)と、を備え、前記報知手段は、前記失敗波形の一側が他側よりも高くなる場合に、前記情報コードに対して、前記失敗波形の他側に対応する前記読取口の縁部を前記失敗波形の一側に対応する前記読取口の縁部よりも近づけるように傾ける旨を示す情報を、前記案内情報として報知することを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明では、デコード手段によるデコード処理が失敗した信号波形を失敗波形とするとき、当該失敗波形の形状に基づいて、情報コードに対してデコード処理の成功率を高めるための読取口の位置を示す案内情報が報知手段により報知される。
【0009】
情報コードに対する読取口の相対位置が適切でないためにデコード処理が失敗していると、このデコード処理が失敗した信号波形の形状から、情報コードに対して適切な読取口の相対位置を求めることができる。すなわち、上記失敗波形の形状に基づいて、情報コードに対してデコード処理の成功率を高めるための読取口の位置を求めることができ、この求めた読取口の位置を案内情報として報知することで、読取対象の情報コードに対してデコードに適した位置に読取口を案内させることができる。
特に、失敗波形の一側が他側よりも高くなる場合に、情報コードに対して、失敗波形の他側に対応する読取口の縁部を失敗波形の一側に対応する読取口の縁部よりも近づけるように傾ける旨を示す情報が案内情報として報知手段により報知される。情報コードに対して読取口が傾いていると、その傾きに応じて情報コードに相当する信号波形の一側と他側とで高さが変わる。このため、失敗波形の一側が他側よりも高くなる場合には、情報コードに対して読取口が傾き過ぎているためにデコード失敗していると判断できる。そこで、このような場合には、情報コードに対して、失敗波形の他側に対応する読取口の縁部を失敗波形の一側に対応する読取口の縁部よりも近づけるように傾ける旨を示す案内情報を報知することで、読取対象の情報コードに対してデコードに適した位置に読取口を案内させることができる。
【0010】
請求項2の発明では、失敗波形の両端部の少なくとも一方が所定の幅の明色領域からなるマージン領域に相当しない場合に、情報コードに対して読取口を遠ざける旨を示す情報が案内情報として報知手段により報知される。一般的に情報コードの外縁には周囲の模様などと区別するために所定の幅の明色領域からなるマージン領域が設けられており、情報コードからの反射光がデコード可能に受光される場合には、その情報コードに相当する信号波形の両外縁にそれぞれ上記マージン領域に相当する領域部分が含まれる。このため、情報コードらしい信号波形が得られたときに、失敗波形の両端部の少なくとも一方が上記マージン領域に相当しない場合には、情報コードに対して読取口を近づけ過ぎているためにデコード失敗していると判断できる。そこで、このような場合には、情報コードに対して読取口を遠ざける旨を示す案内情報を報知することで、読取対象の情報コードに対してデコードに適した位置に読取口を案内させることができる。
【0011】
請求項3の発明では、失敗波形の両端部のうち一方が所定の幅の明色領域からなるマージン領域に相当し他方が上記マージン領域に相当しない場合に、情報コードに対して、両端部の一方から両端部の他方に向けて読取口を移動させる旨を示す情報が案内情報として報知手段により報知される。情報コードらしい信号波形が得られたときに、失敗波形の両端部のうち一方が上記マージン領域に相当し他方が上記マージン領域に相当しない場合には、情報コードに対して読取口が失敗波形の両端部の他方から両端部の一方に向かう方向にずれているためにデコード失敗していると判断できる。そこで、このような場合には、情報コードに対して、両端部の一方から両端部の他方に向けて読取口を移動させる旨を示す案内情報を報知することで、読取対象の情報コードに対してデコードに適した位置に読取口を案内させることができる。
【0013】
請求項の発明では、失敗波形の高さが所定の閾値以下となる場合に、情報コードに対して読取口を近づける旨を示す情報が案内情報として報知手段により報知される。情報コードに対して読取口が遠ざかるほど、その受光時の信号波形の高さがデコード可能な信号波形の高さよりも小さくなる。このため、失敗波形の高さが所定の閾値以下となる場合には、情報コードに対して読取口を遠ざけ過ぎているためにデコード失敗していると判断できる。そこで、このような場合には、情報コードに対して読取口を近づける旨を示す案内情報を報知することで、読取対象の情報コードに対してデコードに適した位置に読取口を案内させることができる。
【0014】
請求項の発明では、受光手段により出力される信号波形に基づいて、案内情報に応じた案内がなされているか否かについて判定手段により判定され、この判定手段により案内情報に応じた案内がなされていると判定されるとその旨が案内情報の一部として報知手段により報知される。これにより、報知手段による報知を受けた利用者によりなされた読取口の動きが、案内通りの正しい動きであるか否かを容易に把握できるため、読取対象の情報コードに対してデコードに適した位置に読取口を容易かつ確実に案内させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態に係る情報コード読取装置の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
図2図2(A)は、バーコードに対してデコード可能な位置にある読取口を説明する説明図であり、図2(B)は、QRコードに対してデコード可能な位置にある読取口を説明する説明図である。
図3図3(A)は、バーコードに対してデコード可能な距離にある読取口を説明する説明図であり、図3(B)は、バーコードに対して読取口が近すぎる位置にある状態を説明する説明図であり、図3(C)は、バーコードに対して読取口が遠すぎる位置にある状態を説明する説明図である。
図4図4(A)は、バーコードに対して読取方向一側の縁部が近くの読取方向他側の縁部が遠くなるように傾いた状態での読取口を説明する説明図であり、図4(B)は、バーコードに対して読取方向他側の縁部が近くの読取方向一側の縁部が遠くなるように傾いた状態での読取口を説明する説明図である。
図5】デコード可能に受光された信号波形を例示する説明図である。
図6図6(A)は、バーコードに対して読取口が近すぎる位置にある状態にて受光された信号波形を例示する説明図であり、図6(B)は、バーコードに対して読取口が遠すぎる位置にある状態にて受光された信号波形を例示する説明図である。
図7図7(A)は、バーコードに対して図4(A)に示すように読取口が傾いた状態にて受光された信号波形を例示する説明図であり、図7(B)は、バーコードに対して図4(B)に示すように読取口が傾いた状態にて受光された信号波形を例示する説明図である。
図8】バーコードに対して読取口が読取方向にずれた状態にて受光された信号波形を例示する説明図である。
図9】第1実施形態において制御回路にて実施される読取処理の流れを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る情報コード読取装置を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示す情報コード読取装置10は、明色セルおよび暗色セルが複数配列されて構成される情報コード、例えば、バーコードなどの複数種類のセル(バーとスペース)が一列に配列される一次元コードや複数種類のセルが二次元的に配列されるQRコード(登録商標)などの二次元コードを光学的に読み取る装置として構成されている。
【0017】
この情報コード読取装置10は、外郭を構成するケース11の内部に回路部20が収容されてなるものであり、回路部20は、主に、照明光源21、受光センサ28、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系とを備えている。
【0018】
光学系は、投光光学系と、受光光学系とに分かれている。投光光学系を構成する照明光源21は、照明光Lfを発光可能な照明光源として機能するもので、例えば、赤色のLEDとこのLEDの出射側に設けられるレンズとから構成されている。なお、図1では、情報コードとしてバーコードBが付された物品Rに向けて照明光Lfを照射する例を概念的に示している。
【0019】
受光光学系は、受光センサ28、結像レンズ27、反射鏡(図示略)などによって構成されている。受光センサ28は、例えば、C−MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を一次元に配列したラインセンサ、或いは2次元に配列したエリアセンサとして構成されるものであり、受光した受光素子ごとに反射光Lrの強度に応じた電気信号を出力するように構成されている。この受光センサ28は、結像レンズ27を介して入射する入射光を受光可能にプリント配線板(図示略)に実装されている。なお、受光センサ28は、特許請求の範囲に記載の「受光手段」の一例に相当し得るものである。
【0020】
結像レンズ27は、外部から読取口13を介して入射する入射光を集光して受光センサ28の受光面28aに像を結像可能な結像光学系として機能するものである。本実施形態では、照明光源21から照射された照明光Lfが情報コードにて反射した後、この反射光Lrを結像レンズ27で集光し、受光センサ28の受光面28aにコード像を結像させている。
【0021】
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、操作部42、液晶表示器43、スピーカ44、バイブレータ45、発光部46、通信インタフェース48等から構成されている。このマイコン系は、その名の通り、マイコン(情報処理装置)として機能し得る制御回路40およびメモリ35を中心に構成されるもので、上述した光学系によって撮像された情報コードの画像信号をハードウェア的およびソフトウェア的に信号処理し得るものである。また制御回路40は、当該情報コード読取装置10の全体システムに関する制御も行っている。
【0022】
光学系の受光センサ28から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力されると、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力されると、画像データ蓄積領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ28およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0023】
メモリ35は、半導体メモリ装置で、例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM(EPROM、EEPROM等)がこれに相当する。このメモリ35のうちのRAMには、上述した画像データ蓄積領域のほかに、制御回路40が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルも確保可能に構成されている。またROMには、後述する読取処理、解析処理等を実行可能な所定プログラムやその他、照明光源21、受光センサ28等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。またROMには、後述する各報知処理での音声報知に関するデータ等が予め記憶されている。
【0024】
制御回路40は、情報コード読取装置10全体を制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなるもので、メモリ35とともに情報処理装置を構成し得るもので情報処理機能を有する。この制御回路40は、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)と接続可能に構成されており、本実施形態の場合、操作部42、液晶表示器43、スピーカ44、バイブレータ45、発光部46、通信インタフェース48等が接続されている。
【0025】
操作部42は、1または複数のキーを備えており、使用者のキー操作に応じて制御回路40に対して操作信号を与える構成をなしており、制御回路40は、操作部42から操作信号を受けたとき、その操作信号に応じた動作を行うように構成されている。液晶表示器43は、公知の液晶表示パネルによって構成されており、制御回路40によって表示内容が制御されるようになっている。スピーカ44は、公知のスピーカ等によって構成されており、制御回路40からの動作信号に応じて、予め設定された音声やアラーム音等の各種音声を発する構成をなしている。バイブレータ45は、携帯機器に搭載される公知のバイブレータによって構成されており、制御回路40からの駆動信号に応じて振動を発生させる構成をなしている。発光部46は、例えばLEDであって、制御回路40からの信号に応じて点灯するように構成されている。通信インタフェース48は、外部(例えばホスト装置)との間でのデータ通信を行うためのインタフェースとして構成されており、制御回路40と協働して通信処理を行う構成をなしている。
【0026】
次に、本発明の特徴的構成について、図面を参照して以下に説明する。なお、図2(A)は、ラインセンサとして構成される受光センサ28を用いてバーコードBからの反射光Lrを受光する場合を示しており、バーコードBが表示された表示面に対して投影した読取口13を二点鎖線にて図示している。また、図2(B)は、エリアセンサとして構成される受光センサ28を用いてQRコードQからの反射光Lrを受光する場合を示しており、QRコードQが表示された表示面に対して投影した読取口13を二点鎖線にて図示している。
【0027】
読取作業時において、図2(A)および図3(A)に示すように、読取対象であるバーコードBに対して読取口13が適切な距離に位置していると、バーコードBからの反射光Lrは、図5に示すように、受光センサ28に対してデコード可能な信号波形を構成するように受光される。なお、図5および後述する図6図7では、受光センサ28による受光範囲(撮像視野範囲)を符号Sにて示している。
【0028】
これに対して、図3(B)に示すように、読取対象であるバーコードBに対して読取口13が近すぎる位置にあると、図5に示すようなデコード可能な信号波形を取得できずにデコードが失敗する場合がある。一般的に、図2(A)に例示するバーコードBや図2(B)に例示するQRコードQのように、情報コードの外縁には、周囲の模様などと区別するために模様等が設けられない一定の色であって所定の幅の明色領域(例えば、白色領域)からなるマージン領域Mが設けられている。例えば、バーコードBは、バーコードシンボルの両外縁にマージン領域Mがそれぞれ配置されるように構成される。そうすると、情報コードからの反射光Lrがデコード可能に受光される場合には、その情報コードに相当する信号波形の外縁に上記マージン領域Mに相当する領域部分が含まれる(図5の符号M参照)。
【0029】
このため、図3(B)に例示するような読取口13の位置では、マージン領域Mやこのマージン領域Mに隣接する各セルが受光範囲Sから外れてしまう場合がある。この場合には、バーコードBからの反射光Lrは、図6(A)に示すように、信号波形の高さH2がデコード成功した図5の信号波形の高さH1よりも高くなり、信号波形の両端部の少なくとも一方が、明暗に応じた変化を示して上記マージン領域に相当しないように受光される。このような信号波形が得られる場合にはデコードが失敗してしまう。
【0030】
また、図3(C)に示すように、読取対象であるバーコードBに対して読取口13が遠すぎる位置にあると、信号波形のコントラストはある程度把握できても信号波形がぼけてしまい明色セルの幅と暗色セルの幅とを正確に区別できない場合がある。この場合には、バーコードBからの反射光Lrは、図6(B)に示すように、信号波形の高さH3がデコード成功した図5の信号波形の高さH1よりも低くなり、デコードが失敗する場合がある。
【0031】
また、図4(A)に示すように、読取対象であるバーコードBに対して、読取口13の読取方向一側(図4(A)での右側)の縁部13aが近く読取口13の読取方向他側(図4(A)での左側)の縁部13bが遠くなるように、読取口13が傾いていると、バーコードBからの反射光Lrは、図7(A)に示すように、信号波形の一側の高さHaが信号波形の他側の高さHbよりも高くなる。そして、一側の高さHaと他側の高さHbとの差が大きくなると、デコードが失敗する場合がある。
【0032】
また、図4(B)に示すように、読取対象であるバーコードBに対して、読取口13の読取方向一側の縁部13aが遠く読取口13の読取方向他側の縁部13bが近くなるように、読取口13が傾いていると、バーコードBからの反射光Lrは、図7(B)に示すように、信号波形の他側の高さHbが信号波形の一側の高さHaよりも高くなる。この場合も、他側の高さHbと一側の高さHaとの差が大きくなると、デコードが失敗する場合がある。
【0033】
そして、上述のように情報コードに対する読取口13の相対位置が適切でないためにデコード処理が失敗していると、この失敗時に得られた信号波形(以下、失敗波形ともいう)と失敗要因との間に因果関係が成立する。そうすると、デコード処理が失敗した失敗波形の形状から、情報コードに対して適切な読取口13の相対位置を求めることができる。
【0034】
そこで、本実施形態では、制御回路40にて実行される読取処理により、デコード失敗した際の失敗波形の形状に基づいて、情報コードに対してデコード処理の成功率を高めるための読取口13の位置を求め、この求めた読取口13の位置を案内情報として報知する。
【0035】
以下、第1実施形態において制御回路40にて実行される読取処理について、図9に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。なお、以下の説明では、バーコードBを読取対象とする場合について説明する。
【0036】
操作部42のトリガースイッチ等が押圧操作されることで制御回路40により読取処理が開始されると、まず、図9のステップS101に示す受光処理がなされる。この処理では、照明光源21から照明光Lfが照射されて、情報コード等からの反射光Lrが受光センサ28にて受光されると、受光センサ28から受光信号が入力される。
【0037】
次に、ステップS103に示す二値化処理がなされる。この処理では、受光センサ28により出力された受光信号の信号波形と所定の閾値とを比較し、その比較に基づいて信号波形が所定の幅値を有する明色領域と暗色領域とに区分けされる。次に、ステップS105に示すデコード処理がなされる。この処理では、上述のように区分けされた複数の明色領域および暗色領域が所定の幅値を有するように配列される配列データが、公知のデコード方法に基づいてデコードされる。なお、ステップS105の処理を実行する制御回路40は、「デコード手段」の一例に相当する。
【0038】
続いて、ステップS107に示す判定処理にて、上記デコード処理が成功していると判定されると(S107でYes)、本読取処理が終了する。一方、上記デコード処理が失敗していると判定されると(S107でNo)、ステップS109に示す判定処理にて、デコードが失敗した信号波形(失敗波形)の両端部の双方にマージン領域Mが含まれているか否かについて判定される。
【0039】
ここで、図3(B)に示すようにバーコードBに対して読取口13が近すぎることから図6(A)に示すように失敗波形の両端部が明暗に応じた変化を示していると、失敗波形の両端部の双方にマージン領域Mが含まれていないとして、ステップS109にてYesと判定される。この場合には、ステップS111に示す第1報知処理がなされ、バーコードBに対して読取口13を遠ざける旨を示す案内情報が報知される。本実施形態では、案内情報の報知として、例えば、スピーカ44による「離してください」等の音声報知が採用されている。
【0040】
上述のような報知を受けた使用者が読取口13をバーコードBから離してデコードに適した位置に移動させることで、再度なされるステップS101の受光処理にて、図5に示すような信号波形が受光されると、デコードが成功し(S107でYes)、本読取処理が終了する。
【0041】
一方、失敗波形の両端部の双方にマージン領域Mが含まれていないことからステップS109にてNoと判定されると、ステップS113に示す判定処理にて、失敗波形の両端部の一方のみにマージン領域Mが含まれているか否かについて判定される。
【0042】
ここで、図8に示すように、失敗波形の両端部の一方のみにマージン領域Mが含まれていると、ステップS113にてYesと判定される。この場合、失敗波形の両端部のうち一方がマージン領域Mに相当し他方がマージン領域Mに相当しないこととなり、バーコードBに対して読取口13が失敗波形の両端部の他方から両端部の一方に向かう方向にずれているためにデコード失敗していると判断できる。
【0043】
このような場合には、ステップS115に示す第2報知処理がなされ、バーコードBに対して、両端部の一方(マージン領域Mが含まれる端部)から両端部の他方(マージン領域Mが含まれない端部)に向けて読取口13を移動させる旨を示す案内情報が報知される。例えば、図8に示すように、失敗波形の右端部のみにマージン領域Mが含まれていると、案内情報としてスピーカ44により「左に移動させてください」等が音声報知される。
【0044】
上述のような報知を受けた使用者が読取口13をバーコードBを構成する各セルの配列方向に沿い移動(図8の例に対しては左に移動)させることで、再度なされるステップS101の受光処理にて、図5に示すような信号波形が受光されると、デコードが成功し(S107でYes)、本読取処理が終了する。
【0045】
なお、失敗波形の両端部の一方のみにマージン領域Mが含まれていることからステップS109にてNo、ステップS113にてYesとの判定が繰り返される際に、第2報知処理による案内報知に応じて読取口13を移動させていると、バーコードBに対して読取口13を近づけ過ぎているために失敗波形の両端部の双方にマージン領域Mが含まれなくなる場合がある。この場合には、ステップS109にてYesと判定されて、上記第1報知処理(S111)がなされることとなる。
【0046】
また、ステップS113にてNoと判定されると、ステップS117に示す判定処理にて、失敗波形の高さHが所定の閾値Hth以下であるか否かについて判定される。ここで、所定の閾値Hthは、バーコードBに対して読取口13が遠すぎるためにデコード失敗する場合の失敗波形の高さに応じて設定される。そして、図3(C)に示すようにバーコードBに対して読取口13が遠すぎることから図6(B)に示すように信号波形の高さH(H3)が所定の閾値以下Hth以下であると(S117でYes)、ステップS119に示す第3報知処理がなされる。この処理では、バーコードBに対して読取口13を近づける旨を示す案内情報が報知され、例えば、案内情報としてスピーカ44により「近づけてください」等が音声報知される。
【0047】
上述のような報知を受けた使用者が読取口13をバーコードBに近づけてデコードに適した位置に移動させることで、再度なされるステップS101の受光処理にて、図5に示すような信号波形が受光されると、デコードが成功し(S107でYes)、本読取処理が終了する。
【0048】
また、ステップS117にてNoと判定されると、ステップS121に示す判定処理にて、失敗波形の一側の高さHaから失敗波形の他側の高さHbを減算した減算値ΔHabが所定の閾値ΔHth以上であるか否かについて判定される。ここで、所定の閾値ΔHthは、バーコードBに対して読取口13が傾いているためにデコード失敗する場合の一側の高さHaと他側の高さHbとの差に応じて設定される。
【0049】
そして、図4(A)に示すようにバーコードBに対して読取口13の読取方向一側の縁部13aが近く読取口13の読取方向他側の縁部13bが遠くなるように読取口13が傾いていることから、図7(A)に示すように減算値ΔHabが所定の閾値ΔHth以上になると(S121でYes)、ステップS123に示す第4報知処理がなされる。この処理では、バーコードBに対して、失敗波形の他側に対応する読取口13の読取方向他側の縁部13bを失敗波形の一側に対応する読取口13の読取方向一側の縁部13aよりも近づけるように傾ける旨を示す案内情報が報知される。例えば、案内情報としてスピーカ44により「左に傾けてください」等が音声報知される。
【0050】
上述のような報知を受けた使用者が読取口13をバーコードBに対して左に傾けてデコードに適した位置に移動させることで、再度なされるステップS101の受光処理にて、図5に示すような信号波形が受光されると、デコードが成功し(S107でYes)、本読取処理が終了する。
【0051】
また、ステップS121にてNoと判定されると、ステップS125に示す判定処理にて、失敗波形の他側の高さHbから失敗波形の一側の高さHaを減算した減算値ΔHbaが上述した所定の閾値ΔHth以上であるか否かについて判定される。そして、図4(B)に示すようにバーコードBに対して読取口13の読取方向一側の縁部13aが遠く読取口13の読取方向他側の縁部13bが近くなるように読取口13が傾いていることから、図7(B)に示すように減算値ΔHbaが所定の閾値ΔHth以上になると(S125でYes)、ステップS127に示す第5報知処理がなされる。この処理では、バーコードBに対して、失敗波形の一側に対応する読取口13の読取方向一側の縁部13aを失敗波形の他側に対応する読取口13の読取方向他側の縁部13bよりも近づけるように傾ける旨を示す案内情報が報知される。例えば、案内情報としてスピーカ44により「右に傾けてください」等が音声報知される。
【0052】
上述のような報知を受けた使用者が読取口13をバーコードBに対して右に傾けてデコードに適した位置に移動させることで、再度なされるステップS101の受光処理にて、図5に示すような信号波形が受光されると、デコードが成功し(S107でYes)、本読取処理が終了する。
【0053】
このように、バーコードBに対してデコードに適した位置に読取口13を案内することでデコードが成功するような場合には、ステップS109,S113,S117,S121,S125のいずれかにてNoと判定されてその判定結果に応じた報知がなされる処理がデコード成功するまで繰り返される。
【0054】
一方、ステップS125にてNoと判定される場合には、バーコードBに対してデコードに適した位置に読取口13を案内してもバーコードBをデコードできないと判断されて、ステップS129に示す第6報知処理がなされる。この処理では、「バーコードをご確認ください」等が音声報知されて、デコードができないものを読取対象としている旨を報知して、本読取処理が終了する。
【0055】
以上説明したように、本実施形態に係る情報コード読取装置10では、デコード処理(S105)が失敗した信号波形を失敗波形とするとき、当該失敗波形の形状に基づいて、情報コードに対してデコード処理の成功率を高めるための読取口13の位置を示す案内情報がスピーカ44により音声報知される。
【0056】
上述のように失敗波形の形状に基づいて情報コードに対してデコード処理の成功率を高めるための読取口13の位置を求めることができるので、この求めた読取口13の位置に関する情報を案内情報として報知することで、読取対象の情報コードに対してデコードに適した位置に読取口13を案内させることができる。
【0057】
より具体的には、失敗波形の両端部の双方がマージン領域Mに相当しない場合に、情報コードに対して読取口13を遠ざける旨を示す案内情報がスピーカ44により音声報知される。この場合には、情報コードに対して読取口13を近づけ過ぎているためにデコード失敗していると判断でき、上述のような案内情報を音声報知することで、読取対象の情報コードに対してデコードに適した位置に読取口13を案内させることができる。
【0058】
また、失敗波形の両端部のうち一方がマージン領域Mに相当し他方がマージン領域Mに相当しない場合に、情報コードに対して両端部の一方から両端部の他方に向けて読取口13を移動させる旨を示す案内情報がスピーカ44により音声報知される。この場合には、情報コードに対して読取口13が失敗波形の両端部の他方から両端部の一方に向かう方向にずれているためにデコード失敗していると判断でき、上述のような案内情報を音声報知することで、読取対象の情報コードに対してデコードに適した位置に読取口13を案内させることができる。
【0059】
また、失敗波形の一側が他側よりも高くなる場合に、情報コードに対して、失敗波形の他側に対応する読取口13の縁部を失敗波形の一側に対応する読取口13の縁部よりも近づけるように傾ける旨を示す案内情報がスピーカ44により音声報知される。この場合には、情報コードに対して読取口13が傾き過ぎているためにデコード失敗していると判断でき、上述のような案内情報を音声報知することで、読取対象の情報コードに対してデコードに適した位置に読取口13を案内させることができる。
【0060】
また、失敗波形の高さが所定の閾値Hth以下となる場合に、情報コードに対して読取口13を近づける旨を示す案内情報がスピーカ44により音声報知される。この場合には、情報コードに対して読取口13を遠ざけ過ぎているためにデコード失敗していると判断でき、上述のような案内情報を音声報知することで、読取対象の情報コードに対してデコードに適した位置に読取口13を案内させることができる。
【0061】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る情報コード読取装置について、以下に説明する。
本第2実施形態に係る情報コード読取装置10は、上記読取処理において、受光センサ28により出力される信号波形に基づいて上記案内情報に応じた案内がなされているか否かについて判定される点が、上記第1実施形態に係る情報コード読取装置と異なる。
【0062】
具体的には、上記第1報知処理(S111)では、今回の失敗波形の高さが前回の失敗波形の高さよりも低くなっている場合には、上記案内情報に応じた案内がなされていると判定される。この場合には、バーコードBに対して読取口13を遠ざける旨を示す案内情報に加えて案内通りに読取口13が移動している旨が案内情報の一部としてスピーカ44により音声報知される。このような受光センサ28により出力される信号波形に基づいて上記案内情報に応じた案内がなされているか否かについての判定処理を行う制御回路40は、「判定手段」の一例に相当し得る。
【0063】
また、上記第3報知処理(S119)では、今回の失敗波形の高さが前回の失敗波形の高さよりも高くなっている場合には、上記案内情報に応じた案内がなされていると判定される。この場合には、バーコードBに対して読取口13を近づける旨を示す案内情報に加えて案内通りに読取口13が移動している旨が案内情報の一部としてスピーカ44により音声報知される。
【0064】
また、上記第4報知処理(S123)では、今回の減算値ΔHabが前回の減算値ΔHabよりも小さくなっている場合には、上記案内情報に応じた案内がなされていると判定される。この場合には、バーコードBに対して読取口13の縁部13bを読取口13の縁部13aよりも近づけるように傾ける旨を示す案内情報に加えて案内通りに読取口13が移動している旨が案内情報の一部としてスピーカ44により音声報知される。
【0065】
また、上記第5報知処理(S127)では、今回の減算値ΔHbaが前回の減算値ΔHbaよりも小さくなっている場合には、上記案内情報に応じた案内がなされていると判定される。この場合には、バーコードBに対して読取口13の縁部13aを読取口13の縁部13bよりも近づけるように傾ける旨を示す案内情報に加えて案内通りに読取口13が移動している旨が案内情報の一部としてスピーカ44により音声報知される。
【0066】
以上説明したように、本実施形態に係る情報コード読取装置10では、受光センサ28により出力される信号波形に基づいて、案内情報に応じた案内がなされているか否かについて判定され、この判定により案内情報に応じた案内がなされていると判定されるとその旨が案内情報の一部としてスピーカ44により音声報知される。
【0067】
これにより、スピーカ44により音声報知を受けた利用者によりなされた読取口13の動きが、案内通りの正しい動きであるか否かを容易に把握できるため、読取対象の情報コードに対してデコードに適した位置に読取口13を容易かつ確実に案内させることができる。
【0068】
[他の実施形態]
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)上記各報知処理(S111,S115,S119,S123,S127)では、スピーカ44による音声報知がなされることに限らず、液晶表示器43の画面表示による報知やバイブレータ45の振動状態による報知、発光部46の発光状態による報知がなされてもよいし、これらの組み合わせによる報知がなされてもよい。この場合、液晶表示器43、バイブレータ45、発光部46は、「報知手段」の一例に相当し得る。
【0069】
(2)本発明は、液晶表示器43等の表示手段を有しない情報コード読取装置に採用されてもよい。このような構成でも、液晶表示器43等による画面表示による案内情報を報知することなく、スピーカ44による音声報知やバイブレータ45の振動状態による報知、発光部46の発光状態による報知等を利用して案内情報を報知することができる。
【0070】
(3)上記読取処理では、上記ステップS113,S115の処理を廃止するとともに、上記ステップS109にて失敗波形の両端部の少なくとも一方にマージン領域Mが含まれていないかについて判定し、両端部の双方にマージン領域Mが含まれていない場合だけでなく両端部の一方にマージン領域Mが含まれていない場合でも(S109でYes)、上記第1報知処理(S111)がなされてもよい。
【0071】
(4)上記ステップS121,S125の判定処理では、失敗波形の一側の高さHaは、最も端の1つの波形部分の高さから求めているが、これに限らず、失敗波形の一側を構成する所定数の波形部分における高さの平均値から求めてもよい。同様に、失敗波形の他側の高さHbは、最も端の1つの波形部分の高さから求めているが、これに限らず、失敗波形の他側を構成する所定数の波形部分における高さの平均値から求めてもよい。
【0072】
(5)上記ステップS121,S125の判定処理では、失敗波形の一側の高さHaと失敗波形の他側の高さHbとの差に基づいて判定がなされているが、これに限らず、例えば、失敗波形における各波形部分の極大値から求められる直線の傾きと所定の閾値との比較結果に基づいて判定されてもよい。
【符号の説明】
【0073】
10…情報コード読取装置
11…ケース
13…読取口
28…受光センサ(受光手段)
40…制御回路(デコード手段,判定手段)
44…スピーカ(報知手段)
B…バーコード(情報コード)
M…マージン領域
Q…QRコード(情報コード)
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9