【文献】
Eye Gesture入力インタフェースの開発,次世代ヒューマンインタフェース開発最前線,株式会社エヌ・ティー・エス,2013年 6月11日,第1版,p.161−163,学術文献等DB
【文献】
今日から始める実践的スクリプト演習 基礎講座 JavaScript,Web Designing,株式会社マイナビ,2014年 9月 1日,第14巻 第9号,p.106,CSDB
【文献】
ウィンドウズをさらに使いやすく 厳選フリーソフトで超高速パソコンに大変身,YOMIURI PC,読売新聞東京本社,2005年10月 1日,第10巻 第10号,p.29,CSDB
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以降、本発明を実施するための形態を、各図を参照して詳細に説明する。
図1は、第1の実施形態におけるネットワーク環境1と、これに含まれるスマートフォン3とを示す概略の構成図である。
スマートフォン3は、表示制御装置であり、ネットワーク9によってWebサーバ2と通信可能に接続されている。ネットワーク環境1は、Webサーバ2とスマートフォン3とを通信可能に接続するものである。
【0012】
スマートフォン3は、CPU(Central Processing Unit)31と、ROM(Read Only Memory)32と、RAM(Random Access Memory)33と、タッチパネル34と、ディスプレイ35と、通信部36と、ボタン37と、記憶部38とを含んで構成される。このスマートフォン3は、ブラウザプログラム381(表示制御プログラム)を格納しており、インターネット端末として機能する。
CPU31は、中央処理装置であり、例えば記憶部38に格納されたブラウザプログラム381などを読み取って実行することにより、各制御手段などを具現化する。
ROM32は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの不揮発性メモリであり、CPU31が実行する基本入出力プログラムや各種データなどを格納する。
RAM33は、例えばDRAM(Dynamic RAM)などの揮発性メモリであり、CPU31が実行するプログラムに係る各種変数や各種データなどを格納する。
【0013】
タッチパネル34は、例えば透明電極で構成され、後記するディスプレイ35の上層に貼り付けられている。タッチパネル34は、ポインティングデバイスの一種であり、ユーザが指やタッチペンなどでタッチした画面上の位置を検知する。
ディスプレイ35は、例えば液晶パネルなどであり、文字や画像や動画などの表示情報を液晶パネル上に表示する。このディスプレイ35の表面には、タッチパネル34の透明電極が重ねて配設される。
【0014】
ボタン37は、このスマートフォン3を操作するボタンである。
通信部36は、例えばアンテナと無線通信回路の組み合わせであり、無線通信によってネットワーク9に接続して、Webサーバ2と相互に通信を行う。
記憶部38は、例えばフラッシュメモリであり、ブラウザプログラム381を格納すると共に、CPU31が実行する他のプログラムや各種データなどを格納する。
Webサーバ2は、不図示の記憶部に1または複数のHTML(HyperText Markup Language)書類データ21を格納している。このHTML書類データ21は、HTML形式のコンテンツであり、1または複数の部分情報で構成されている。Webサーバ2は、スマートフォン3などに代表される端末の要求に応じて、格納しているHTML書類データ21を配信する。
ここで1または複数の部分情報とは、例えばトップページからフレームタグによりされた他のWebページ、トップページまたは各フレームのページからリンクされた画像情報、トップページまたは各フレームのページからリンクされた動画情報、またはサーバ側でCGI(Common Gateway Interface)により動的に生成された情報などである。これら部分情報は、トップページが読み込まれたのちに再帰的に順次読み込まれて、1行または複数行のテキストデータ、画像データ、または動画データとして画面に表示される。
また部分情報には、各Webページを構成するHTML(HyperText Markup Language)データにて上記タグの前後にあるテキストデータやボタンやコンボボックスやラジオボタンや入力フィールド等も含まれる。新たに読み込まれた画像情報や動画情報などが画面情報に逐次展開されると、その前後に位置する情報も表示位置が変化ずる。
【0015】
図2は、第1の実施形態におけるスマートフォン3の論理ブロック図である。
通信部36(
図1参照)は、Webサーバ2からHTML書類データ21を構成する1または複数の部分情報を逐次取得する。この部分情報とは、例えば文字や画像や動画などである。
画面位置入力部311は、ディスプレイ35上の画面位置を入力するものであり、タッチパネル34の検知情報からタッチ情報を取り出して画面位置情報に変換して、情報展開表示部312に通知するものである。画面位置入力部311は、タッチパネル34の検知情報からタッチ情報のほか、ピンチ情報、ストレッチ情報、スワイプ情報、スライド情報などの各種操作情報を取り出すことができる。
【0016】
画面位置入力部311は更に、ボタン37(キースイッチ)が押下されたときに、ディスプレイ35上の予め定められた画面位置情報を情報展開表示部312に通知する。
情報展開表示部312は、通信部36が取得した部分情報を、画面情報に逐次展開してディスプレイ35に表示するものである。これら画面位置入力部311と情報展開表示部312は、CPU31(
図1参照)がブラウザプログラム381を実行することによって具現化する。
情報展開表示部312は、画面位置入力部311にて入力した画面位置に対応する部分情報を特定すると、特定した部分情報のディスプレイ35上の画面位置を固定しつつ、通信部36が新たに取得した部分情報を画面情報に逐次展開する。情報展開表示部312が展開した画面情報(表示データ)は、ディスプレイ35に表示される。情報展開表示部312は、各部分情報の読込中に表示内容が変化している状態において、ユーザ操作により、ディスプレイ35に表示された部分情報が指定されたことを認識する認識手段として機能すると共に、この認識手段が認識した部分情報の位置がWebページの読込完了後にディスプレイ35内に収まるように画面表示を行わせる制御手段として機能ずる。
【0017】
図3は、第1の実施形態におけるスマートフォン3のWebページ表示処理を示すフローチャートである。
まず、Webページを開くためにユーザはWebページのURLを指定する。スマートフォン3は、ステップS10にて、そのWebページのURLの指定を受け付ける。
次いで、スマートフォン3の画面位置入力部311は、ステップS11にてタッチパネル34からタッチ情報を受け取ったか否かを判断し、タッチ検出を行う。タッチ情報が検出されない場合(ステップS11→No)、スマートフォン3は、部分情報を固定しない表示を行う。具体的にいうと、ユーザがタッチパネル34にタッチしていないときには、ステップS17以降の処理に進む。
【0018】
部分情報を固定しない表示として、スマートフォン3は、通信部36によりWebサーバ2からWebページ情報を逐次取得し(ステップS17)、取得した文字データや画像データなどの部分情報を情報展開表示部312により逐次表示する(ステップS18)。
更にステップS19にてスマートフォン3の通信部36は、情報取得が完了したか否かを判断し、情報取得か完了していないと判断した場合には(ステップS19→No)、ステップS11の判断処理に戻り、すべての情報取得が完了するまで繰り返す。情報取得が完了したと判断した場合(ステップS19→Yes)、通信部36は、
図3の処理を終了する。
【0019】
ステップS11にて、タッチパネル34からタッチ情報が検出された場合(ステップS11→Yes)、ステップS12に進み、部分情報を固定する表示を行う。具体的にいうと、ユーザがタッチパネル34にタッチしているときには、ステップS12以降の処理に進み、タッチ位置の部分情報を固定する。
【0020】
ステップS12の部分情報を固定する表示において、スマートフォン3は、画面位置入力部311により、タッチされた位置を記録する。その後スマートフォン3は、通信部36によりWebページ情報を逐次取得し(ステップS13)、情報展開表示部312によりタッチ位置が画面表示中のWebページのいずれの部分情報の位置に対応するかを特定し、特定した部分情報を固定しながら文字データや画像データなどを逐次展開して表示する(ステップS14)。これによりユーザは、画面上の所望の部分情報を固定表示させて、その内容を読み取ることができる。
その後、ステップS15にてスマートフォン3は、画面位置入力部311により、タッチが継続しているか否かを判断し、継続していないならば(ステップS15→No)、ステップS17の処理に進み、以降は部分情報の固定を解除する。これは例えば、ユーザが所望の部分情報を読み終わり、表示の固定が不要になった場合である。
【0021】
タッチが継続していると判断したならば(ステップS15→Yes)、通信部36は、情報取得が完了したか否かを判断する。情報取得か完了していないと判断した場合には(ステップS16→No)、ステップS12のタッチ位置の記録処理に戻り、すべての情報取得が完了するまで繰り返す。情報取得が完了したと判断した場合(ステップS16→Yes)、通信部36は、
図3の処理を終了する。これはユーザがタッチパネル34にタッチしつづけたままWebページの取得が完了している場合に相当し、このときにはユーザの所望の部分情報が画面上に表示されている。
【0022】
図4(a),(b)は、第1の実施形態における表示画面の例を示す図である。なお、
図4(a)と
図4(b)とは、百人一首のWebページを開いた場合を時系列で示している。
図4(a)は、最初に取得したテキスト情報が表示されている画面例を示す図である。
スマートフォン3のディスプレイ35上には、HTML書類データ21を構成する一部の文字データ211a〜214aがそれぞれ表示されている。ここでユーザが指4で文字データ212aの表示部分をタッチすると、この文字データ212aの表示部分は固定されつつ、HTML書類データ21が展開表示される。
なお、スマートフォン3の下部には、ボタン37が設けられている。このボタン37の押下によって、ディスプレイ35上の所定位置に表示中の部分データを固定するようにしてもよい。
【0023】
図4(b)は、テキスト情報の次に取得した画像情報が表示されている画面例を示す図である。
スマートフォン3のディスプレイ35上には、HTML書類データ21を構成する一部の文字データ212aが表示され、その直前には画像データ211bが展開表示され、その直後には画像データ212bが展開表示される。ここでユーザは、指4で文字データ212aの表示部分をタッチしつづけているので、この文字データ212aの表示部分を中心に、HTML書類データ21が展開表示されている。
【0024】
本実施形態のスマートフォン3によれば、例えば百人一首のWebページの表示中に所望の和歌のコンテンツが表示された場合、ユーザは、その和歌の部分をタッチしておくことで、その和歌の位置を固定しながら、百人一首のWebページの読込および表示を行うことができる。つまり、スマートフォン3は、Webページの表示処理中にユーザのタッチを検出し、ユーザの望んでいるコンテンツを把握して、そのコンテンツを中心に画面表示を行う。そのため、ユーザがタッチしたコンテンツは、ブラウザプログラム381の展開表示によっても、ディスプレイ35から外れることがない。
本実施形態において各和歌は、本発明でいう部分情報を構成ずる。ユーザは所望の和歌の表示部分のいずれかをタッチすることで、この和歌を指定する。スマートフォン3は、この和歌の表示位置が前記一体の情報の読込完了後に前記表示手段内に収まるように画面表示を行わせる。なお、本実施形態の各和歌の部分情報は、画面上で複数行に亘って表示されるが、この行数は特に限定されない。
【0025】
また、ユーザによるコンテンツの指定は、タッチでなくても、任意のポインティングデバイスによる位置指定、例えばマウスやトラックボールやタッチパッドによるクリックであってもよい。さらに、固定する位置を予め決めておき、予め決められたボタンやキースイッチの押下を表示位置固定の指示としてもよい。
また、ユーザによるコンテンツの指定は、人の視線方向を判断する視線入力センサであってもよい。このとき、視線入力センサは、人の視線がディスプレイ上の所定位置を向いているときに当該画面位置を入力し、人の視線がディスプレイから外れたときに画面位置を入力しなくなる。
【0026】
本実施形態のスマートフォン3により、Webページ表示において、所望のコンテンツが表示されているにもかかわらず、ブラウザプログラム381の画面展開処理により、所望のコンテンツが画面外に遷移してしまうことを防ぐことができる。これにより、ユーザの利便性を向上し、Webページ閲覧時のストレスを抑えることができる。
さらに本発明は、ディスプレイ上に逐次表示される情報であればよく、Webページの閲覧に限らず、ローカルアプリケーションやその他のWebアプリケーションなどの情報閲覧に適用してもよい。その具体例を、以下に示す第2の実施形態にて説明する。
【0027】
図5は、第2の実施形態におけるパーソナルコンピュータ5とUSB(Universal Serial Bus)メモリ7を示す概略の構成図である。
パーソナルコンピュータ5は、USBインタフェース部56を介してUSBメモリ7を読み取り可能である。パーソナルコンピュータ5は、CPU51と、ROM52と、RAM53と、USBインタフェース部56とを含んで構成され、マウス61と、ディスプレイ62とが接続される。パーソナルコンピュータ5は、記憶部58などにディレクトリ閲覧プログラム581(表示制御プログラム)を格納しており、表示制御装置として機能する。
CPU51は、中央処理装置であり、例えばROM52などに格納されたソフトウェアプログラムを読み取って実行することにより、各制御手段などを具現化する。
ROM52は、例えば不揮発性メモリであり、CPU51が実行する基本入出力プログラムや各種データなどを格納する。
【0028】
RAM53は、例えばDRAM(Dynamic RAM)などの揮発性メモリであり、CPU51が実行するプログラムに係る各種変数や各種データなどを格納する。
USBインタフェース部56は、例えばUSBホストコントローラとその制御ソフトウェアの組み合わせであり、自身に接続されたUSBメモリ7を読み書き可能である。
記憶部58は、例えばハードディスクやフラッシュメモリであり、ディレクトリ閲覧プログラム581を格納すると共に、CPU51が実行する他のプログラムや各種データなどを格納する。
【0029】
マウス61は、ポインティングデバイスの一種であり、例えばレーザ光を投射して、それを高速で読み取ることにより移動方向を検知する。
ディスプレイ62は、例えば液晶パネルを含んで構成され、パーソナルコンピュータ5が出力した表示情報をこの液晶パネルに表示する。なお、液晶パネルへの表示に限定されず、例えばプロジェクタにより投影表示してもよい。
USBメモリ7は、不図示の記憶部に1または複数のディレクトリ情報71を格納している。このディレクトリ情報71は、ファイル情報またはサブディレクトリ情報を1または複数備えている。USBメモリ7は、USBインタフェース部56からの読み取り要求に応じて、格納しているディレクトリ情報71を出力する。
【0030】
図6は、第2の実施形態におけるパーソナルコンピュータ5の論理ブロック図である。
USBインタフェース部56(
図5参照)は、USBメモリ7からディレクトリ情報71を構成する1または複数の部分情報を逐次取得する。この部分情報とは、ファイル情報またはサブディレクトリ情報である。
画面位置入力部511は、ディスプレイ62上の画面位置を入力するものであり、マウス61のクリック情報を画面位置情報に変換して、情報展開表示部512に通知するものである。
【0031】
情報展開表示部512は、USBインタフェース部56が取得した部分情報を、画面情報に逐次展開してディスプレイ62に表示するものである。これら画面位置入力部511と情報展開表示部512は、CPU51(
図1参照)が不図示のプログラムを実行することによって具現化する。
情報展開表示部512は、画面位置入力部511にて入力した画面位置に対応する部分情報を特定すると、特定した部分情報をディスプレイ62で固定しつつ、USBインタフェース部56が新たに取得した部分情報を画面情報に逐次展開する。情報展開表示部512が展開した表示データ(画面情報)は、ディスプレイ62に表示される。
【0032】
図7は、第2の実施形態におけるパーソナルコンピュータのディレクトリ表示処理を示すフローチャートである。
まず、ディレクトリを閲覧するため、ユーザはディレクトリ閲覧プログラム581を起動し、所望のディレクトリを指定する。パーソナルコンピュータ5のCPU51は、ディレクトリ閲覧プログラム581を実行して、画面位置入力部511と情報展開表示部512とを具現化する。
ステップS20にて、情報展開表示部512はディレクトリの指定を受け付け、USBインタフェース部56によりディレクトリ情報71の取得を開始する。
次いで、パーソナルコンピュータ5の画面位置入力部511は、ステップS21にてマウス61からクリック情報を受け取ったか否かを判断し、クリック検出を行う。クリック情報が検出されない場合(ステップS21→No)、パーソナルコンピュータ5は、部分情報を固定しない表示を行う。具体的にいうと、ユーザがマウス61をクリックしていないときには、ステップS27以降の処理に進む。
【0033】
部分情報を固定しない表示として、パーソナルコンピュータ5は、USBインタフェース部56によりUSBメモリ7からディレクトリ情報71を逐次取得し(ステップS27)、取得したファイル情報やサブディレクトリ情報などの部分情報を情報展開表示部512により逐次表示する(ステップS28)。
更にステップS29にてパーソナルコンピュータ5のUSBインタフェース部56は、情報取得が完了したか否かを判断し、情報取得か完了していないと判断した場合には(ステップS29→No)、ステップS21の判断処理に戻り、すべての情報取得が完了するまで繰り返す。情報取得が完了したと判断した場合(ステップS29→Yes)、USBインタフェース部56は、
図7の処理を終了する。
【0034】
ステップS21にて、マウス61からクリック情報が検出された場合(ステップS21→Yes)、ステップS22に進み、部分情報を固定する表示を行う。具体的にいうと、ユーザがマウス61をクリックしているときには、ステップS22以降の処理に進み、クリック位置の部分情報を固定する。
【0035】
ステップS22の部分情報を固定する表示において、パーソナルコンピュータ5は、画面位置入力部511により、クリックされた位置を記録する。その後パーソナルコンピュータ5は、USBインタフェース部56によりディレクトリ情報71を逐次取得し(ステップS23)、情報展開表示部512によりクリック位置が画面表示中のディレクトリのいずれのファイル情報(サブディレクトリ情報)の位置に対応するかを特定し、特定したファイル情報(サブディレクトリ情報)を固定しながら、他のファイル情報やサブディレクトリ情報などの部分情報を逐次展開して表示する(ステップS24)。これによりユーザは、画面上の所望のファイル情報(サブディレクトリ情報)を固定表示させて、その属性を読み取ると共に、ディレクトリの閲覧終了と共にすぐさま所望のファイルやサブフォルダを開くことができる。
その後、ステップS25にてパーソナルコンピュータ5は、画面位置入力部511により、クリックが継続しているか否かを判断し、継続していないならば(ステップS25→No)、ステップS27の処理に進み、以降は部分情報の固定を解除する。これは例えば、ユーザが、クリック中のファイル情報は不要と判断した場合である。
【0036】
クリックが継続していると判断したならば(ステップS25→Yes)、ステップS26にてUSBインタフェース部56は、情報取得が完了したか否かを判断する。情報取得か完了していないと判断した場合には(ステップS26→No)、ステップS22のクリック位置の記録処理に戻り、すべての情報取得が完了するまで繰り返す。情報取得が完了したと判断した場合(ステップS26→Yes)、USBインタフェース部56は、
図7の処理を終了する。これはユーザがマウス61をクリックしつづけたままディレクトリ情報71の取得が完了している場合に相当し、このときにはユーザの所望のファイル情報または所望のサブディレクトリ情報が画面上に表示されている。
【0037】
図8(a),(b)は、第2の実施形態における表示画面の例を示す図である。なお、
図8(a)と
図8(b)とは、Dドライブのルートディレクトリを開いた場合を時系列で示している。
図8(a)は、最初に取得した7個のファイル情報が表示されている画面例を示す図である。
パーソナルコンピュータ5に接続されたディスプレイ62上には、ディレクトリ表示画面8が表示されている。このディレクトリ表示画面8は、タイトルバー81と、ディレクトリ表示部82とを含んで構成される。タイトルバー81には、ユーザが指定したディレクトリパス“D:\”が表示されている。ディレクトリ表示部82には、ユーザが指定したディレクトリが逐次更新されながら表示される。この
図8(a)では、7個のファイルが表示されている。
ここでユーザが“picture0021.jpg”のファイル情報をマウス61のマウスポインタ83でクリックすると、この“picture0021.jpg”のファイル情報は固定されつつ、ディレクトリを構成する他のファイル情報が展開表示される。なお、マウスポインタ83には、読込処理中であることを示す砂時計のアイコンが表示される。
【0038】
図8(b)は、最初の7個のファイル情報の次に取得したファイル情報が表示されている画面例を示す図である。
パーソナルコンピュータ5に接続されたディスプレイ62上には、ディレクトリ情報71を構成する一部のファイル情報である“picture0021.jpg”のファイル情報か固定されており、その前と後には、他のファイル情報が展開表示される。ここでユーザは、マウス61のマウスポインタ83で“picture0021.jpg”の表示部分をクリックしつづけているので、この“picture0021.jpg”のファイル情報の表示部分を中心に、他のファイル情報が展開表示されている。このとき、既に読込処理は完了しているので、処理中を示す砂時計のアイコンの表示は消去されている。
【0039】
本実施形態のパーソナルコンピュータ5によれば、例えばディレクトリ情報71の表示中に所望のファイル情報やサブディレクトリ情報が表示された場合、ユーザは、そのファイル情報やサブディレクトリ情報の部分をクリックしつづけることで、その情報の位置を固定しながら、ディレクトリ情報71の読込および表示を行うことができる。つまり、パーソナルコンピュータ5は、ディレクトリ情報71の表示処理中にユーザのクリックを検出し、ユーザの望んでいるファイル情報やサブディレクトリ情報を把握して、その情報を中心に画面表示を行う。そのため、ユーザがクリックしたファイル情報やサブディレクトリ情報は、ディレクトリ閲覧プログラム581の展開表示によっても、ディスプレイ62から外れることがない。
【0040】
本実施形態のパーソナルコンピュータ5により、ディレクトリ情報71の表示において、所望のファイル情報やサブディレクトリ情報が表示されているにもかかわらず、ディレクトリ閲覧プログラム581の画面展開処理により、この所望のファイル情報やサブディレクトリ情報が画面外に遷移してしまうことを防ぐことができる。これにより、ユーザの利便性を向上し、ディレクトリ閲覧時のストレスを抑えることができる。
【0041】
なお、第2の実施形態では、USBメモリ7上のディレクトリ情報71の閲覧に適用したが、これに限られず、例えばローカル接続されたハードディスクや、ネットワーク接続されたハードディスク上のディレクトリ閲覧に適用してもよい。特に、ディレクトリ情報71が多数のファイル情報を含んでおり、表示終了までに時間が掛かるときに好適である。
【0042】
上記実施形態では、画面上の部分情報を指定しつづけているときに、この部分情報の表示位置を固定しているが、これに限られず、画面上の部分情報を一度指定したならば、情報全体の取得処理が終了するまで、その部分情報を固定しつづけてもよい。また、スマートフォン等は、画面上の部分情報のタッチにより表示位置を固定したのち、他の部分情報の逐次取得と逐次展開を実施しながら、ストレッチやピンチにより当該部分情報を拡大縮小し、またはスライドにより当該部分情報を平行移動させてもよい。これにより、ユーザは、他の部分情報の取得中であっても、当該部分情報を好適に閲覧可能である。
【0043】
また、本発明は、Webページ閲覧やディレクトリ閲覧に限定されず、一体の情報を構成する1または複数の部分情報を逐次取得して、この部分情報を画面情報に変換してディスプレイに逐次表示するものであればよく、例えばWebアプリケーションによるデータベースの閲覧などに適用してもよい。
【0044】
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
1または複数の部分情報を含んで構成される一体の情報を表示手段に表示する表示制御装置であって、
各前記部分情報の読込中に表示内容が変化している状態において、ユーザ操作により、前記表示手段に表示された前記部分情報が指定されたことを認識する認識手段と、
前記認識手段が認識した部分情報の位置が前記一体の情報の読込完了後に前記表示手段の画面内に収まるように画面表示を行わせる制御手段と、
を備える表示制御装置。
<請求項2>
各前記部分情報をそれぞれ取得するインタフェース手段と、
ユーザ操作により前記表示手段上の画面位置を入力する画面位置入力手段と、を更に備え、
前記制御手段は、前記画面位置入力手段にて入力した画面位置に対応する部分情報を認識すると、認識した前記部分情報の前記表示手段上の画面位置を固定しつつ、前記インタフェース手段が新たに取得した部分情報を画面情報に逐次展開する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
<請求項3>
前記画面位置入力手段が前記表示手段上の画面位置を入力しなくなると、
前記制御手段は、特定した前記部分情報の前記表示手段上の画面位置の固定を解除する、
ことを特徴とする請求項2に記載の表示制御装置。
<請求項4>
前記一体の情報はWebページであり、当該Webページを構成する部分情報は、文字または画像または動画である、
ことを特徴とする請求項2に記載の表示制御装置。
<請求項5>
前記一体の情報はディレクトリ情報であり、当該ディレクトリ情報を構成する部分情報は、各ファイルまたは/および各サブディレクトリの情報である、
ことを特徴とする請求項2に記載の表示制御装置。
<請求項6>
前記画面位置入力手段はキースイッチを含み、当該キースイッチの押下により前記表示手段の予め定められた位置を入力する、
ことを特徴とする請求項2に記載の表示制御装置。
<請求項7>
前記画面位置入力手段は人の視線方向を判断する視線入力センサであり、前記視線により前記表示手段上の所定位置を入力すると共に、前記視線が前記表示手段から外れたときに、前記表示手段上の画面位置を入力しなくなる、
ことを特徴とする請求項2に記載の表示制御装置。
<請求項8>
1または複数の部分情報を含んで構成される一体の情報を表示手段に表示する表示制御装置であって、
各前記部分情報の読込中に表示内容が変化している状態において、ユーザ操作により、前記表示手段に表示された前記部分情報が指定されたことを認識する認識ステップと、
前記認識ステップにて認識した部分情報の位置が前記一体の情報の読込完了後に表示画面に収まるように画面表示を行わせる制御ステップと、
を実行することを特徴とする表示制御方法。
<請求項9>
表示手段の画面サイズよりも大きなサイズの面表示情報を構成する複数の表示構成要素のうち取得が完了した表示構成要素を前記画面に対する表示位置を変化させて表示しながら取得が未完了の表示構成要素を取得していく表示制御方法であって、
前記複数の表示構成要素の全てに対して取得が完了するよりも先に前記表示手段に表示されることとなった表示構成要素の何れかが指定された場合には、前記複数の表示構成要素の全てに対して取得が完了した後において前記指定された表示構成要素が前記画面に収まる位置に表示されているように制御する表示制御方法。
<請求項10>
表示構成要素の取得が完了すると該取得を完了した表示構成要素を、取得が未完了の他の表示構成要素よりも先に、面表示情報の一部として表示手段に表示させていく表示制御方法であって、
該面表示情報に対応する複数の表示構成要素の全てに対して取得が完了するよりも先に該面表示情報の一部として表示手段に表示されることとなった表示構成要素の何れかが指定された場合には、たとえ該面表示情報が前記表示手段の画面からはみ出すサイズであったとしても、前記複数の表示構成要素の全てに対して取得が完了した後において前記指定された表示構成要素が前記画面に収まる位置に表示されているように制御する表示制御方法。
<請求項11>
1または複数の部分情報を含んで構成される一体の情報を表示手段に表示する表示制御装置であるコンピュータに、
各前記部分情報の読込中に表示内容が変化している状態において、ユーザ操作により、前記表示手段に表示された前記部分情報が指定されたことを認識する認識機能と、
前記認識機能にて認識した部分情報の位置が前記一体の情報の読込完了後に前記表示手段の画面内に収まるように画面表示を行わせる制御機能と、
を具現化させるための表示制御プログラム。